JPH0975290A - 食器洗い機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の食器洗い機においては市販の台所用洗剤
を使用して十分な洗浄効果を得ることができなかった。 【解決手段】 水道水蛇口より供給された水道水が給水
管１５を通過する際、ポンプ１１が作動して、タンク１
４から消泡剤が水に添加され、洗浄槽６に供給された
後、市販の台所用洗剤で食器を洗浄し、下水道に排水
し、次に、水道水によるすすぎ工程を数回行ない、すす
ぎ洗浄が終了すると、乾燥用ファン１７による乾燥工程
に入る構成にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は主として一般家庭で
使用されている食器洗い機に関するものであり、特に被
洗浄物の洗浄性能を向上させた食器洗い機に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の食器洗い機は図４に示す
ように構成するものであり、図４において、食器洗い機
３１は、洗浄すべき食器などを出し入れするための開閉
自在の前面ドア３２と、洗浄すべき食器３３を設置する
ためのラック３４と、ラック３４の下部方向であって、
洗浄水３５を貯溜するための洗浄槽３６と、洗浄槽３６
のほぼ中央に突出して回転自在の洗浄ノズル３７と、洗
浄ノズル３７の上に設けられた複数の噴射孔３８と、洗
浄槽３６内に設けられた洗浄水を加熱するための加熱ヒ
ーター３９と、洗浄水３５を洗浄ノズル３７に供給する
ための洗浄ポンプ４０と、洗浄水３５を排水管４１に排
出するための排出ポンプ４２と、洗浄水３５を供給する
ための給水管４３と、給水管４３からの給水を制御する
ための給水栓４４と、洗浄された食器を乾燥させるため
の送風を行うための乾燥用ファン４５と、乾燥用ファン
４５から送風された風を加熱するための温風用ヒータ４
６と、供給された温風を本体から外方へ排出させるとと
もに、水蒸気を凝縮して水を洗浄槽３６に戻すための熱
交換ダクト４７と、食器洗い機全体を制御するためのＣ
ＰＵを中心とした制御回路４８とから構成されている。

【０００３】次に、この食器洗い機３１の洗浄動作につ
いて説明する。まず、前面ドア３２を明けて洗浄すべき
食器、調理器具３３などをラック３４の所定の場所に収
納し、ラック３４を洗浄槽３６上に配置した後、専用洗
剤を投入して運転を開始する。そして、給水弁４４の
“開”動作により給水管４３を通して所定量の洗浄水３
５を洗浄槽３６に供給する。続いて、洗浄ポンプ４０の
運転により加圧された洗浄水３５が、洗剤とともに回転
洗浄ノズル３７の噴射孔３８から食器３３に噴射され、
洗浄が行われる。以後、すすぎ工程、乾燥工程が行われ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の食
器洗い機では、洗浄ポンプ４０の運転により加圧された
洗浄水３５が、洗剤とともに回転洗浄ノズル３７の噴射
孔３８から食器３３に噴射され、洗浄が行われるため、
専用洗剤を使用し、洗浄水３５の泡立ちを抑制するよう
に構成されており、専用洗剤の洗浄性能が劣るという欠
点があった。また、ユーザーが電器店に専用洗剤を定期
的に購入に行かなければならないという欠点があった。

【０００５】このような課題を解決する手段として、特
開昭５６−６８４２３号公報記載のように、洗浄ポンプ
の吸い込み側にベンチュリを設け、前記ベンチュリから
空気を導入することによって、空気の膨張力で洗浄水を
強力に飛散させ、洗浄性能を改善するという提案がなさ
れている。

【０００６】しかしながら、このような食器洗い機にお
いては、専用洗剤の界面活性能が劣るため、洗浄水の噴
射圧力を上昇させても、食器の洗浄率はほとんど改善さ
れないという課題があった。

【０００７】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされもので、専用洗剤を使用することなく、洗浄
性能を大幅に改善することのできる食器洗い機を提供す
ることを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の食器洗い機は上
記のような課題を解決するためになされたものであり、
請求項１記載の発明は、食器を収納し洗浄を行う洗浄槽
と、洗浄槽内に水を送る給水機構と、洗浄槽内の水を機
外に排水する排水機構とを備えた食器洗い機において、
前記給水機構に消泡剤を添加する機構を配設してなるも
のである。

【０００９】また、請求項２記載の発明は、請求項１記
載の発明の構成において、上記洗浄槽が消泡剤を含浸さ
せたポリオレフィン系樹脂材料で構成されてなるもので
ある。 そして、請求項３記載の発明は、請求項１若し
くは請求項２記載の発明の構成において、上記消泡剤が
ポリジメチルシロキサン樹脂で構成されてなるものであ
る。

【００１０】そしてまた、請求項４記載の発明は、請求
項１記載の発明の構成において、上記消泡剤が水に微溶
解性の固体材料で構成されてなるものである。さらに、
請求項５記載の発明は、請求項４記載の発明の構成にお
いて、上記消泡剤に複数個の通水穴を設けてなるもので
ある。

【００１１】本発明の食器洗い機は上記構成にて、請求
項１記載の発明は、市販の台所用洗剤を使用しても、起
泡することなく良好な洗浄性能が得られる。また、請求
項２記載の発明は、洗浄槽から消泡剤が溶出し、市販の
台所用洗剤を使用しても、起泡することなく良好な洗浄
性能が得られる。そして、請求項３記載の発明は、請求
項１若しくは請求項２記載の発明の作用に加えて、ポリ
ジメチルシロキサン樹脂の消泡剤を使用することによっ
て、少量の添加でより効果的な消泡性能が得られる。

【００１２】そしてまた、請求項４記載の発明は、請求
項１記載の発明の作用に加えて、簡単な機構によって効
果的な消泡性能が得られる。さらに、請求項５記載の発
明は、請求項４記載の発明の作用に加えて、洗浄槽への
給水流量を大きくすることが可能となる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の食器洗い機の実施
の形態を図１乃至図３を参照しながら詳細に説明する。 本発明の食器洗い機の第１の実施の形態は、図１に示す
ように構成するものであり、図１において、食器洗い機
１は、洗浄すべき食器などを出し入れするための開閉自
在の前面ドア２と、洗浄すべき食器３を設置するための
ラック４と、ラック４の下部方向であって、洗浄水５を
貯溜するための消泡剤を含浸させたポリオレフィン系樹
脂材料で構成されてなる洗浄槽６と、洗浄槽６のほぼ中
央に突出して回転自在の洗浄ノズル７と、洗浄ノズル７
の上に設けられた複数の噴射孔８と、洗浄槽６内に設け
られた洗浄水を加熱するための加熱ヒーター９と、洗浄
水５を洗浄ノズル７に供給するための洗浄ポンプ１０
と、洗浄水５を排水管１２に排出するための排出ポンプ
１３と、洗浄水を供給するための給水管１５と、給水管
１５からの給水を制御するための給水栓１６と、洗浄さ
れた食器を乾燥させるための送風を行うための乾燥用フ
ァン１７と、乾燥用ファン１７から送風された風を加熱
するための温風用ヒータ１８と、供給された温風を本体
から外方へ排出させるとともに、水蒸気を凝縮して水を
洗浄槽６に戻すための熱交換ダクト１９と、食器洗い機
全体を制御するためのＣＰＵを中心とした制御回路２０
とから構成されている。

【００１４】尚、上記構成において、洗浄槽６は、耐薬
品性、成形性が良好なポリオレフィン樹脂に消泡剤を数
％練り込み成形して構成するものであり、洗浄時に、洗
浄槽から消泡剤が溶出し、市販の台所用洗剤を使用して
も、起泡することなく良好な洗浄性能が得られるように
したものである。

【００１５】次に、この食器洗い機１の洗浄動作につい
て説明する。まず、前面ドア２を開けて洗浄すべき食
器、調理器具３などをラック４の所定の場所に収納し、
ラック４を洗浄槽６上に配置した後、市販台所用洗剤を
投入して運転を開始する。そして、給水弁１６の“開”
動作により給水管１５を通して所定量の洗浄水５を洗浄
槽６に供給する。このとき、ポンプ１１が一定時間作動
してタンク１４から消泡剤が一定量吐出し、洗浄水５に
消泡剤が数十ｐｐｍ添加される。

【００１６】続いて、洗浄ポンプ１０の運転により加圧
された洗浄水５が、洗剤とともに回転洗浄ノズル７の噴
射孔８から食器３に噴射され、洗浄が行われる。このと
き、洗浄水５は、残滓を捕集するフィルター２１を介し
て洗浄ポンプ１０に吸引され、回転洗浄ノズル７の噴射
孔８から食器３に噴射され、洗剤による洗浄工程が終了
する。洗浄工程が終了すると、排水ポンプ１３が作動
し、洗浄水６は排水管１２を通して機外へ排水される。

【００１７】このようにして、洗剤による洗浄工程が終
了し、すすぎ洗浄工程に移行する。すすぎ洗浄は、前記
洗剤による洗浄工程と同様に、給水弁１６の“開”動作
により給水管１５を通して所定量の洗浄水（水道水）５
を洗浄槽６に供給する。続いて、洗浄ポンプ１０の運転
により加圧された洗浄水５が、回転洗浄ノズル７の噴射
孔８から食器３に噴射され、すすぎ洗浄が行われる。

【００１８】すすぎ工程が終了すると、排水ポンプ１３
が作動し、排水管１２を介して機外へ排水される。すす
ぎ工程終了後、乾燥工程に移行する。乾燥工程は、洗浄
槽６の側壁部に設けた乾燥用ファン１７と温風用ヒータ
１８によって、洗浄槽６内の空気が循環し、食器３に温
風が供給され乾燥が行われる。

【００１９】なお、一連の食器洗浄工程における時間、
温度、水位（水量）などの制御は、各部、各所に配置さ
れた各種センサーからの信号に基づき、制御装置２０を
通じて適正に行われる。

【００２０】次に、本発明の食器洗い機の第２の実施の
形態について説明するが、食器洗い機の動作は、上記第
１の実施の形態のものと同一であり、その説明は省略す
る。第２の実施の形態の食器洗い機の給水機構は、図２
に示すように構成するものであり、図２において、１５
は給水管、２２は給水三方弁、２３は水に微溶性の固体
消泡剤（例えば、信越シリコーン（株）製ＫＭ−６０１
Ｓ）、２４ａ，２４ｂは分岐管である。

【００２１】洗浄工程では、給水管１５より供給された
水は給水三方弁２２の作動により、分岐管２４ａを介し
て消泡剤２３を通過した後、洗浄槽６に所定量供給され
洗浄が行われる。このとき、固体消泡剤２３は水に微量
溶出するため台所用洗剤による泡立ちを抑制することが
可能となる。すすぎ工程では、給水管１５より供給され
た水は、給水三方弁２２の作動により分岐管２４ｂを介
して洗浄槽６に所定量供給されすすぎが行われる。

【００２２】次に、本発明の食器洗い機の第３の実施の
形態について説明する。食器洗い機の動作は、上記第１
の実施の形態のものと同一であり、その説明は省略す
る。第３の実施の形態の食器洗い機の固体消泡剤は、図
３に示すように構成するものであり、図３において、固
体消泡剤２３は給水管より供給された水の流水方向に、
複数個の穴２３ａ，２３ｂ … があけられており、供給
された水の流量が多い場合においても固体消泡剤を効率
よく溶解することができる。

【００２３】次に、本発明の各実施の形態における食器
洗い機の実際の洗浄工程の洗浄性能について説明する。
表１は、図１の食器洗い機にて、給水した水に消泡剤を
添加し、市販の台所用洗剤で洗浄したものと、従来の専
用洗剤による洗浄の洗浄性能を比較した表である。

【００２４】

【表１】

【００２５】表１から明らかなように、いずれの実施例
においても、従来の専用洗剤による洗浄よりも洗浄性能
はかなり優れており、効果的な食器洗浄を行うことがで
きる。

【００２６】

【発明の効果】本発明の食器洗い機は、上記のような構
成であるから、請求項１記載の発明は、市販の台所用洗
剤を使用しても、起泡することなく洗浄することが可能
となり、良好な洗浄性能が得られる。また、請求項２記
載の発明は、耐薬品性、成形性が良好なポリオレフィン
樹脂に消泡剤を数％練り込み成形したものであるから、
洗浄時に、洗浄槽から消泡剤が溶出し、市販の台所用洗
剤を使用しても、起泡することなく良好な洗浄性能が得
られる。

【００２７】そして、請求項３記載の発明は、請求項１
若しくは請求項２記載の発明の効果に加えて、ポリジメ
チルシロキサン樹脂の消泡剤を使用することによって、
少量の添加でより効果的な消泡性能を得ることができ
る。そしてまた、請求項４記載の発明は、請求項１記載
の発明の効果に加えて、簡単な機構によって効果的な消
泡性能が得られ、市販の台所用洗剤を使用しても、起泡
することなく洗浄することが可能となり、良好な洗浄性
能が得られる。請求項５記載の発明は、請求項４記載の
発明の効果に加えて、洗浄槽への給水流量を大きくする
ことが可能となり、給水時間を短くするとともに、固体
消泡剤を効果的に水に添加することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の食器洗い機の第１の実施の形態を示す
要部断面図である。

【図２】本発明の食器洗い機の第２の実施の形態を示す
固体消泡剤の給水機構の要部断面図である。

【図３】本発明の食器洗い機の第３の実施の形態を示す
固体消泡剤の要部断面図である。

【図４】従来の食器洗い機の要部断面図である。

【符号の説明】

１１ 消泡剤添加ポンプ １４ 消泡剤タンク ２２ 給水三方弁 ２３ 固体消泡剤 ２４ 分岐管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 剛夫 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食器を収納し洗浄を行う洗浄槽と、該洗
   浄槽内に水を送る給水機構と、該洗浄槽内の水を機外に
   排水する排水機構とを備えた食器洗い機において、前記
   給水機構に消泡剤を添加する機構を配設したことを特徴
   とする食器洗い機。
2. 【請求項２】 上記洗浄槽が消泡剤を含浸させたポリオ
   レフィン系樹脂材料で構成されたことを特徴とする食器
   洗い機。
3. 【請求項３】 上記消泡剤がポリジメチルシロキサン樹
   脂で構成されたことを特徴とする請求項１若しくは請求
   項２記載の食器洗い機。
4. 【請求項４】 上記消泡剤が水に微溶解性の固体材料で
   構成されたことを特徴とする請求項１記載の食器洗い
   機。
5. 【請求項５】 上記消泡剤に複数個の通水穴を設けたこ
   とを特徴とする請求項４記載の食器洗い機。