JP3785515B2 - 乳原料及びゲル化剤を含有する食品及びその製造法 - Google Patents

乳原料及びゲル化剤を含有する食品及びその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳原料及びゲル化剤を含有する食品及びその製造方法に関する。詳細には、本発明は、内容成分が均質で「荒れる」という現象が生じておらず、きめが細かく舌触りのよい食感を有する食品、好適にはプリン、ムース、ババロア、ゼリーまたは杏仁豆腐等のチルドデザートに関する。
【0002】
また、本発明は、乳原料及びゲル化剤を含有する食品を、製造工程で「荒れ」を発生させずにきめ細かで滑らかな食感を呈するように製造する方法に関する。
【0003】
なお、本発明でいう「荒れる」及び「荒れ」とは、乳由来のタンパクが凝集すること等によって内容成分の均質性が損なわれること及びその均質性が損なわれた状態を意味する。その結果、「荒れた」食品は、外見上、内容成分が凝集・混濁・懸濁したようなざらざらした質感を呈するとともに、舌触りも悪くなり、さらに凝集成分の沈降等によって味が不均一となり、商品価値が著しく損なわれている。
【0004】
【従来の技術】
従来から、乳原料を含有するチルドデザートは、その製造において、100℃以上で加熱殺菌した組成物を最終商品の容器への充填した後、直ちに10℃以下まで急冷しなければ「荒れ」が生じてしまい、商品価値を著しく損なうことが知られている。
【0005】
しかし、かかる急冷処理は大がかりな急冷装置を必要とし、また光熱費がかかる等の問題がある。また、「荒れ」の現象を防止するには冷却速度が重要なファクターとなるが、特に比較的大きな製品を製造する場合は製品の内部域と外部域とでは冷却むらが生じるため、厳しい管理が要求される。
【0006】
さらに、近年、消費者の健康への関心の高まりやニーズの多様化に応じて多岐に亘る食品の開発が求められているが、例えば (i)カルシウムが多く含まれる食品(Ca強化食品など)、(ii)紅茶,コーヒーなどのエキスを含む食品、(iii)ココアを含む食品、(iv)抹茶を含む食品、並びに(v)イチゴ,オレンジ等の果汁を含む食品等においては、たとえ急冷しても「荒れ」が発生し、高い品質を有する商品を提供することが困難であるという問題があった。
【0007】
このため、従来から、簡便でかつ低コストに製造でき、多くの食品に応用できる方法の開発が求められいた。
【0008】
この解決方法として、公知の安定剤を複合的に使用することにより改善を図る方法もあるが未だ充分な効果は得られておらず、また逆に食感が悪くなる等のマイナスの効果を生じる場合もある。例えば、安定化剤として寒天を主として用いれば、チルドデザートの安定性はある程度向上するが、食感がゴリゴリしたものとなり、つるりとした滑らかな食感が要求される例えばプリン、ムース、ババロア等のチルドデザートには適用できない。
【0009】
このように、多種多様な食品・チルドデザートの多岐に亘る食感に悪影響を与えることなく、「急冷しなければ荒れる」という現象を充分に改善する技術はこれまで知られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、「荒れ」を生じず内容成分が均質であり食感がきめ細やかな食品を提供することを目的とするものである。
【0011】
さらに、本発明は、上記の性質を有する食品を簡便かつ低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、乳原料及びゲル化剤を含有する食品にネイティブジェランガムを配合することにより、製造に際して、従来は「荒れ」を防止するために必須とされていた急冷工程を省いて自然冷却しても、「荒れ」を全く生じず内容成分が均一で、艶やかできめ細かな舌触りを有した商品価値の高い食品が安定して調製できることを見出した。
【0013】
更に発明者らは、このネイティブジェランガム配合の効果は、従来急冷しても「荒れ」の発生を防止することが困難であったCa強化食品、紅茶等のエキス,ココア又は抹茶等を含む食品及び果汁入り食品にも有意に有効であることを確認して、本発明を完成するに至った。
【0014】
また、更なる研究によって、本発明者らは、従来「荒れ」の問題がなかった乳原料及びゲル化剤を含む食品であっても、ネイティブジェランガムを配合することにより、乳原料等の内容成分がより均質にかつ安定に分散されてより一層きめ細かになり、舌触りのよい食感を呈するようになることを確認しており、乳原料及びゲル化剤を含む食品、特に食感の良さが求められる食品への広い応用が期待される。
【0015】
すなわち本発明は、乳原料及びゲル化剤を含有する食品であって、ネイティブジェランガムを含有することを特徴とする食品に関する。
【0016】
また、本発明は乳原料及びゲル化剤を含有するものであって、ネイティブジェランガムを含有することを特徴とするチルドデザートに関する。
【0017】
更に、本発明は、上記チルドデザートの中でも、特にプリン、ムース、ババロア、ゼリーまたは杏仁豆腐に関する。
【0018】
また更に本発明は、乳原料及びゲル化剤を含む食品の製造工程において、乳原料、ゲル化剤及びネイティブジェランガムを含む食品組成物を固化前の食品の調製組成物として用い、該食品組成物を冷却により固化させる工程を含む、上記食品の製造方法に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の対象となる食品は、少なくとも乳原料及びゲル化剤を含有するものであり、これらを含有するものであれば特に制限されない。
【0020】
含有される乳原料としては、牛乳、豆乳及びそれらの加工品等が挙げられ、加工品としては、例えば全脂練乳、脱脂練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳などが挙げられる。これらは単独で含まれていてもよいし、また2種以上の組み合わせで含まれていてもよい。また、脱脂乳を含有する場合は、バター、生クリーム、ヤシ油、パーム油等の油成分を含有していてもよい。含まれる乳原料の量は特に制限されないが、通常は、食品100重量部あたり、無脂乳固形分で0.1〜30重量部、好ましくは0.3〜15重量部、より好ましくは0.5〜8重量部の範囲が例示される。なお、プリンの場合は3〜8重量部の範囲が特に好ましい。
【0021】
また本発明で用いられるゲル化剤としては、通常食品に使用されるものであれば特に制限されず、食品を液状から固形状態にする作用を有するものであればよく、例えばカラギナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ファーセレラン、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、グアーガム、アラビアガム、ジェランガム、プルラン、寒天、ゼラチン等の天然ガム類が広く例示される。これらは単独で含まれていてもよいし、また2種以上の組み合わせで含まれていてもよい。
【0022】
含まれるゲル化剤の量は、使用されるゲル化剤の種類、製品の種類等に応じて種々選択されるものであり一義的に定めることができないが、製品の一例としてプリンの場合を挙げるとすると、食品100重量部あたり、0.05〜4重量部、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.2〜1.5重量部の範囲が例示される。
【0023】
本発明が対象とする食品は、上に例示する乳原料を含む内容成分がゲル化剤の作用に基づいて固化してなるものであるが、好適には半固形状物、より好ましくは更にきめ細かでつるりとした滑らかな舌触り・食感が要求されるものである。具体的にはプリン、ムース、ババロア、ゼリー、杏仁豆腐などのいわゆるチルドデザートが例示される。好ましくはチルドデザートであり、より好ましくはプリン、特にミルクプリンである。
【0024】
かかるチルドデザートは、紅茶,コーヒー等のエキス成分、ココア,抹茶等の成分、イチゴ,オレンジ等の果汁等を含んでいても、また人為的にカルシウム量を強化させたものであってもよく、このような場合に従来法では防止できなかった「荒れ」の防止効果が顕著に発揮され、特に有用とされる。
【0025】
なお、ここでいうカルシウム強化食品とは、食品100重量部中、カルシウムが0.09〜3重量部、好ましくは0.09〜1重量部、より好ましくは0.18〜1重量部を含むものである。
【0026】
また、本発明で食品とは、上記のような食品加工品のみならず、該食品加工品を調製するための食品組成物をも広く包含するものである。このような食品組成物としては例えばプリン、ムース、ババロア、ゼリー、杏仁豆腐などのチルドデザート調製用の組成物、豆腐類調製用組成物等が挙げられ、その形状は粉末状、顆粒状、液状等、特に制限されない。
【0027】
本発明は、上に挙げる乳原料及びゲル化剤を含有する食品であって、その中にネイティブジェランガムを含有することを特徴とするものである。
【0028】
ネイティブジェランガムは、グルコース2分子、グルクロン酸1分子及びラムノース1分子を構成単位とする多糖類(分子量約60〜70万)であるジェランガム(特開昭55−79397号)の製造中間体もしくは前駆体として得られる高分子アシル化合物(融点及び固化点:65〜70℃)で、一般に微生物の培養によって生産される。
【0029】
具体的には、シュードモナス・エロデア(Pseudomonas elodea:ATCC31461)又はその同等の菌株を、例えばグルコース3%、KH4NO3 0.05%、MgSO4・7H2O 0.01%、NH4NO3 0.09%及び窒素源として有機成分を少量含む液体培地に接種し、これを好気的条件下で30℃程度、約50時間の培養して得られる粘質性培養物から、脱アシル化処理することなくそのまま単離・回収することによって製造する方法が例示される。
【0030】
ネイティブジェランガムは天然に起源を有するものであるため、用いる産生微生物や精製条件によっては、その構造も微妙に変わりうる。従って、本発明で用いられるネイティブジェランガムは、例えば下式:
【0031】
【化1】
Figure 0003785515
【0032】
で示されるような特定の構造式に基づいて(Sanderson,G.R., FOOD GELS, ed. Peter Harris, Elsevier Science Publishers LDT., England, 1990, p.204参照)、一義的に限定されることなく、上記方法に従って微生物(ATCC31461)により産生されるネイティブジェランガムの性質を有するものであればよい。
【0033】
このようなネイティブジェランガムは、乳原料及びゲル化剤を含有する食品の製造工程で添加されることにより、食品の味や風味を損なうことなく、製造工程で生じる「荒れ」という現象を防止して、できあがった食品の均質性を高め、視覚的に艶やかできめ細かな質感を付与するとともに、つるりとした滑らかな舌触りを付与することができる。また「荒れ」が生じた場合、プリンのように乳化状態となっている食品においては条件によって程度は異なるが、乳化が破壊されており、そのため外観上の色合いがくすんだものとなる。しかし、本発明によれば、くすんだ色合いとはならず、乳や果汁などの色が活きた新鮮な色合いの商品を提供することができる。
【0034】
特に、チルドデザート等のデザートは、食事の締めくくりに喫食し、飽食時に供されることも多いので、(i)形、色、艶やかさ等の見た目の美しさで食欲をそそること、(ii)食べて美味しいことは勿論、さっぱりしていて喉ごしがよいこと、等が求められる。このことからも、上記の本発明の効果は、品質が高く消費者受けのする商品を提供する上で、極めて有用なものといえる。
【0035】
そして、本発明において特に重要なことは、かかるネイティブジェランガムの効果は、製造工程での冷却方法の如何に関わらず、損なわれることがないということである。すなわち、本発明の上記性質を有する食品は、ネイティブジェランガムを原料の一つとして含むだけで、従来必須であった急冷工程を省いた簡素化工程により、簡便かつ低コストで、安定した品質をもって調製される。
【0036】
以上のことから、本発明は、ネイティブジェランガムの「荒れ防止剤」としての用途を提供するものともいえる。
【0037】
本発明の食品に含有されるネイティブジェランガムの含有量は、食品の種類、内容成分、含まれる乳原料やゲル化剤の種類や量等によって種々異なり、一概に規定することはできないが、例えば、プリンの場合は、プリン100重量部に対して、通常0.005〜0.3重量部、好ましくは0.005〜0.1重量部、より好ましくは0.01〜0.05重量部の範囲が例示される。
【0038】
ネイティブジェランガムの含有量が、必要以上に少ないと荒れを充分に防止することができず、一方、0.3重量部より多くなると食感が糊っぽくなり、弾力性が強くなる。但し、食品のゼリー強度を高め、弾力性の強い食感を付与することを目的とする場合には、上記範囲を越えてネイティブジェランガムを食品に配合しても構わない。
【0039】
なお、本発明の食品には、上記の成分の他に、食品の分野で広く用いられている糖類、香料、中和剤、カラメル、乳化剤、食塩、食用油脂、安定剤、酸化防止剤、保存料、色素、酸味料などが含まれていてもよい。また、本発明の食品加工品又は食品組成物は、pH3〜8、好ましくはpH4〜8、より好ましくはpH5〜7.5の範囲で調整されていることが望ましい。
【0040】
また、本発明は、「荒れ」を生じず、内容成分が安定して均質で、見た目の美しさときめ細かな舌触りを有しており商品価値の高い食品を得ることができる製造方法を提供するものである。
【0041】
食品としては前述のものが例示できるが、好ましくはプリン、ババロア、ムース、ゼリー、杏仁豆腐等のチルドデザートであり、より好ましくは従来「荒れ」等の問題が生じるが故に製造に際して急冷を必須としていたチルドデザートである。
【0042】
従来、例えばミルクプリンを製造する場合は:
(i) 乳、乳製品、糖類、卵、ゲル化剤を分散・溶解し、フレーバー、着色料などを添加・配合して食品組成物を調製する
(ii) 均質化する(100〜150 kg/cm2
(iii) 殺菌又は滅菌する(100〜150 ℃、数秒間)
(iv) 冷却する(60〜70℃)
(v) 充填する
(vi) カラメルソースを充填する
(vii) 蓋剤をシールする
(viii)急冷する(10℃以下)
(ix) 製品化
といった一連の工程が採用されており、中でも特に(viii)の急冷工程は「荒れ」のないプリンを製造するために必要不可欠な工程である。また「荒れ」は冷却速度によって生じたり生じなかったりと極めてセンシティブな現象であるため、かかる急冷工程での冷却速度は厳しく管理されている。
【0043】
一方、本発明の製造方法は、乳原料及びゲル化剤を含む食品の製造工程において、乳原料、ゲル化剤及びネイティブジェランガムを含む食品組成物を固化前の食品の調製組成物として用いることを特徴とする方法であって、これを冷却によって固化して食品を製造するものである。この方法によると、取り立てて急冷しなくても簡便に「荒れ」のないきめ細かな、内容成分の均質な食品を製造することができる。本発明で行われる冷却は、冷却条件によって何ら限定されるものではない。例えば、冷却温度はゲル化剤が固化する温度であれば何℃でもよく、固化に要する時間も特に制限されない。従って、空冷、放冷、水冷等の各種の冷却手段を、条件に制限されることなく幅広く用いることができる。
【0044】
また、上記工程のうち(iv)の冷却工程は、(viii)工程で急速に冷却できるように予め温度を下げておく等の目的で必要とされるものである。従って、本発明によれば、かかる工程を省くことも可能である。
【0045】
このように、本発明の製造方法は、製品を加熱殺菌する以外は特に温度制御を行う必要がなく、簡便に且つ低コストで、さらには安定して上述する「荒れ」のない上質の食品を製造する方法である点でも有用である。
【0046】
ネイティブジェランガムの配合量は、製造する食品加工品の種類などに応じて種々選択され、一概に規定はできないが、具体的には前述の範囲が例示される。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例及び実験例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0048】
Figure 0003785515
上記の配合割合からなるプリン調製用組成物を調製し、さらにこれにネイティブジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を表1に示す配合割合で添加、混合して食品組成物を調製した。これを125℃で4秒間、加熱・殺菌後、容器に充填後、常温で放冷してプリンを調製した。
【0049】
比較例1〜4
比較例として、ネイティブジェランガムの代わりに何も入れない系(比較例1)、キサンタンガム(比較例2)、デンプン(比較例3)、メタリン酸ナトリウム(比較例4)をそれぞれ表1の配合量で用いて、実施例1と同様にプリンを調製した。尚、各配合は、それぞれのガム類のプリンへの最適配合量を用いた。
【0050】
実験例
実施例1で調製したプリン、比較例1〜4で調製したプリンについて、安定化効果、食感等の評価を比較した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003785515
【0052】
なお、表1から「荒れ」を防止するという効果以外に、ネイティブジェランガムに離水を改善する効果が認められた。
【0053】
また、実施例2として実施例1と同じ処方からなるネイティブジェランガムを配合したプリン組成物を125℃で4秒間、加熱・殺菌後、容器に充填した後、急冷してプリンを調製したが、この場合でも「荒れ」は生じず、きめ細かで艶やかな外観を呈し、かつ口どけのよい食感の優れたプリンが調製できた。
【0054】
Figure 0003785515
【0055】
上記の配合割合からなるカルシウム強化プリン調製用組成物を調製し、これを125℃で4秒間、加熱・殺菌後、容器に充填後、常温で放冷により自然冷却してカルシウム強化プリンを調製した。
【0056】
Figure 0003785515
【0057】
上記の配合割合からなる紅茶プリン調製用組成物を調製し、これを125℃で4秒間、加熱・殺菌後、容器に充填後、常温で水冷して紅茶プリンを調製した。
【0058】
Figure 0003785515
【0059】
上記の配合割合からなる抹茶プリン調製用組成物を調製し、これを125℃で4秒間、加熱・殺菌後、容器に充填後、常温で放冷して抹茶プリンを調製した。
【0060】
Figure 0003785515
【0061】
上記の配合割合からなるコーヒーミルクプリン調製用組成物を調製し、これを125℃で4秒間、加熱・殺菌後、容器に充填後、常温で放冷してコーヒーミルクプリンを調製した。
【0062】
Figure 0003785515
【0063】
上記の配合割合からなるレトルトチョコレートプリン調製用組成物を調製し、これを容器に充填後、120℃で20分間レトルト殺菌し、その後水冷してレトルトチョコレートプリンを調製した。
【0064】
Figure 0003785515
【0065】
上記の配合割合からなる冷凍プリン調製用組成物を調製し、これを125℃で4秒間加熱・殺菌後、容器に充填し、10℃で水冷後、−20℃で冷凍して冷凍プリンを調製した。
【0066】
Figure 0003785515
上記の配合割合からなるチョコレートムース調製用組成物を調製し、容器に充填後、120℃で20分間レトルト殺菌し、10℃で水冷し、チョコレートムースを調製した。
【0067】
Figure 0003785515
上記の配合割合からなる杏仁豆腐調製用組成物を調製し、90℃で10分間加熱後、型に流し込み、常温で放冷して固化させ、一辺が13mmのサイコロ型の杏仁豆腐を調製した。杏仁豆腐とミカン、パイナップルを適当な大きさに切ったものを容器にいれ、シロップを充填後、85℃で30分間加熱殺菌し、水冷して杏仁豆腐デザートを調製した。
【0068】
Figure 0003785515
Figure 0003785515
上記の配合割合からなる紅茶プリン部、牛乳プリン部、コーヒープリン部を常法に従い調製し、それぞれを125℃で4秒間加熱・殺菌後、常温で放冷して65℃まで下がった時点で、各部をプリン容器に等量ずつ同時に注入し、縦に3層となった縦型3色プリンを調製した。
【0069】
この3色プリンは、紅茶やコーヒーのエキス分を含んでいても、各部にもまた各部の境界付近にも荒れや離水が認められず、しかも境界が明瞭なプリンであった。また、各プリン部の風味を損なうことなく、良好な味を呈していた。
【0070】
この例から、本発明によれば簡便な製法にもかかわらず、荒れや凝集等が見られず、しかも境界が明瞭な品質の良い3色プリンを調製できることがわかった。
【0071】
実施例12(渦型3色プリン)
実施例11において、紅茶プリン部、牛乳プリン部、コーヒープリン部を注入する際に、容器の中心を通る垂線を軸として容器を緩やかに水平方向に回転させることで、容易に渦型の3色プリンを調製することができた。
【0072】
また、容器を固定し、各部を注入するノズルを各ノズルの相対的な位置関係を保ったまま容器の中心を通る垂線を軸として水平方向に回転させることによっても、同様の渦型3色プリンを調製することができた。
【0073】
実施例13(横型3色プリン)
実施例11の配合割合からなる紅茶プリン部、牛乳プリン部、コーヒープリン部を実施例11の記載に従って調製し、常温で放冷して65℃まで下がった時点で各部をプリン容器に順に容器の3分の1量ずつ注入し、横に3層となった横型3色プリンを調製した。
【0074】
実施例14(斑模様プリン)
実施例11において、紅茶プリン部、牛乳プリン部、コーヒープリン部を注入する際に、各部を65℃に保温しつつ、各部を順に1mlずつ注入し、各部を1回ずつ注入し終えるごとに、容器を水平を保ったまま容器の中心を通る垂線を軸として15度ずつ回転させ、又はノズルを容器の中心を通る垂線を軸として15度ずつ回転させ、斑模様のプリンを調製した。

Claims (5)

  1. 乳原料及びゲル化剤を含み、100℃以上で加熱殺菌して製造されるチルドデザートであって、ネイティブジェランガムを含有し、加熱殺菌後、冷却をする際に生じる荒れが防止されたチルドデザート。
  2. プリン、ムース、ババロア、ゼリー又は杏仁豆腐のいずれかである請求項1記載のチルドデザート。
  3. カルシウム強化食品、紅茶のエキスを含む食品、コーヒーのエキスを含む食品、ココアを含む食品、抹茶を含む食品又は果汁を含む食品のいずれかである請求項1または2記載のチルドデザート。
  4. 乳原料及びゲル化剤を含み、100℃以上で加熱殺菌して製造されるチルドデザートの製造工程において、乳原料、ゲル化剤及びネイティブジェランガムを含む食品組成物を固化前の食品の調製組成物として用い、該食品組成物を加熱殺菌した後、冷却により固化させる工程を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の、加熱殺菌後、冷却をする際に生じる荒れが防止されたチルドデザートの製造方法。
  5. ネイティブジェランガムを有効成分とする、乳原料及びゲル化剤を含み、100℃以上で加熱殺菌して製造されるチルドデザートの荒れ防止剤。
JP05164997A 1996-08-27 1997-03-06 乳原料及びゲル化剤を含有する食品及びその製造法 Expired - Lifetime JP3785515B2 (ja)

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