JP3785436B2 - 石詰め枠構築用の枠ユニット、およびこれを用いた壁構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、護岸壁、擁壁、法面等として、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築する際に用いる枠ユニット、およびこれを用いて行う壁構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、護岸壁等として石詰め壁を構築する場合、施工すべき壁ラインに沿ってフトン籠(蛇籠ともいう)を並べて配置し、内部に石を詰めた後、その上に再びフトン籠を並べて配置し石を詰めるという作業を繰り返して、石詰めフトン籠の複数段からなる壁を構築する施工法がある。
この種の工法におけるフトン籠は一般に直方体状であり、前後左右底面の5つのパネルを現場で直方体状に組み立てるか、あるいは、L形等の複数面を持つパネル部材を用いて現場で直方体状に組み立てるかするのが一般的である。そして、いずれの場合でも、上下のフトン籠どうしの係合は、連結棒やピンや鋼線コイル等の別部材の連結金具を用いて行っている(実開昭63−85342号等参照)。
上記の直方体状のフトン籠を用いて施工した壁は、前面が階段状になるが、直方体の前面が傾斜したフトン籠を用いて、連続する斜面が形成される石詰め壁を構築する場合でも、施工法としては階段状の壁を構築する場合と同じである(特開平10−131194号、特開平11−71768号、特開平11−107238号等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように直方体状ないし前面が傾斜した直方体状のフトン籠を用いる従来工法は、組み立て煩雑であり施工性が低い。特に、上下のフトン籠の連結のために別部材の連結金具を用いるので、その上下連結の作業性が悪いとともに、部材数が増加してコスト高となるという問題がある。
本発明は、上記従来の欠点を解消するためになされたもので、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築する際に、施工性が良好であるとともに、部材数が少なく済む石詰め枠構築用の枠ユニット、およびこれを用いる壁構築方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の石詰め枠構築用の枠ユニットは、護岸、法面保護等を構築する石詰め枠構築用の枠ユニットであって、前面側のパネルと背面側のパネルとこれら両パネルの間隔を保持する間隔保持部材とを備え、当該枠ユニットを段積みした時に上側のパネルの下縁部と下側のパネルの上縁部とが直接係合可能な継ぎ手構造を有することを特徴とする。
【0005】
請求項2は、請求項1の石詰め枠構築用の枠ユニットにおけるパネルが溶接金網からなることを特徴とする。
【0006】
請求項3は、請求項2の石詰め枠構築用の枠ユニットにおける継ぎ手構造が、上側のパネルの最下位の横線材から下方に突き出た上側継ぎ手部が下側のパネルの上部の横線材に係合する構造であることを特徴とする。
【0007】
請求項4は、請求項3の石詰め枠構築用の枠ユニットにおける継ぎ手構造が、溶接金網である前記パネルの最上位の横線材を縦線材を挟む2本で構成し、当該枠ユニットを段積みした時に、上側のパネルの縦線材の直線状のままの下端部が、下側の前記最上位の2本の横線材間に緊密に嵌入される構造であることを特徴とする。
【0008】
請求項5は、請求項3の石詰め枠構築用の枠ユニットにおける継ぎ手構造が、溶接金網である前記パネルの縦線材の下端部に、当該枠ユニットを段積みした時に、下側のパネルの最上位より下の横線材に引っ掛け可能なフック部を形成した構造であることを特徴とする。
【0009】
請求項6は、請求項5の石詰め枠構築用の枠ユニットにおけるフック部を、パネルの縦線材の直線状の下端部の片側または両側に別体のフックを溶接して構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項7は、請求項5の石詰め枠構築用の枠ユニットにおけるフック部を、パネルの縦線材を最下位の横線材部分でパネル表側に曲折した後にパネル裏面側に折り返して形成するとともに、さらにパネル正面から見て横向きに傾斜させて構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項8は、請求項1〜7の石詰め枠構築用の枠ユニットにおける前面のパネルおよび背面のパネルが互いに平行であることを特徴とする。
【0012】
請求項9は、請求項8の石詰め枠構築用の枠ユニットにおける間隔保持部材が略平行四辺形をなし、パネル幅の間隔で互いに平行に並べた2つの間隔保持部材の前面斜辺部間および背面斜辺部間に、前記パネルの左右両端部を連結したことを特徴とする。
【0013】
請求項10は、請求項1〜9の石詰め枠構築用の枠ユニットにおいて、枠ユニットの幅方向中間位置で、前面のパネルの上部と背面のパネルの上部との間に係合状態で架け渡される梁材を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項11は、前面側のパネルと背面側のパネルとこれら両パネルの間隔を保持する間隔保持部材とを備えた枠ユニットの内部に石を詰めて順次段積みし、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築する壁構築方法であって、
前記枠ユニットを段積みする際に、上側のパネルの下縁部と下側のパネルの上縁部とを直接係合させることを特徴とする。
【0015】
請求項12は、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築する壁構築方法であって、
間隔保持部材として複数の斜め補強材付き平行四辺形骨材をパネル幅の間隔をおいて互いに平行に並べて立て、パネル幅間隔で隣接する2つの平行四辺形骨材の前面斜辺部間および背面斜辺部間にそれぞれ網状矩形のパネルをあてがい、前記平行四辺形骨材を共有して隣接する左右のパネルを平行四辺形骨材とともに連結部材を用いて連結して、隣接して並ぶ複数の枠ユニットを組み立て、この枠ユニット内に石を詰めて壁の1段部分を形成し、その1段部分の上に略同じ工程で枠ユニットを段積みする際に、上側の枠ユニットのパネルの下縁部と下側の枠ユニットのパネルの上縁部とを直接係合させ、上側の枠ユニットに石を詰めて壁の次ぎの1段部分を形成し、これを繰り返して、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図12を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態の枠ユニット1の斜視図、図2(イ)は図1の枠ユニット1の側面図である。また、図3はこの枠ユニット1を用いて施工した石詰め壁の断面図、図4は図3の石詰め壁の石詰め枠(枠ユニット1を段積みした全体を指す)の石を省いて示した斜視図である。この実施形態の枠ユニット1は、パネル幅の間隔で互いに平行に並べた2つの斜め補強材付き平行四辺形骨材(間隔保持部材)3の前面斜辺部3b間および背面斜辺部3c間にそれぞれ網状矩形のパネル4の左右両端部を連結用鋼線コイル6で連結するとともに、各パネル4の下端部および上端部を、当該枠ユニット1を段積みする際に上下のパネル4どうしを直接係合させることができる継ぎ手構造としている。
また、この実施形態では、前面のパネル4の最上位の横線材4bと背面のパネル4(4’)の最上位の横線材4bと間に、例えば9mmφの鋼線の両端にフック部10aを形成した梁材10を架け渡している。
【0017】
前記斜め補強材付き平行四辺形骨材(以下、平行四辺形骨材と略す)3は、例えば9mmφ等の鋼線を曲折して平行四辺形状にして端末どうしを突き合わせ溶接し、かつ、斜め補強材3aを溶接固定したもので、実施形態ではパネル幅方向の両端部と中央との3箇所に配置している。なお、詳細は後述するが、壁施工時にパネル両端の平行四辺形骨材3は隣接する枠ユニット1に共有される。
【0018】
前記パネル4は例えば6mmφ鋼線による縦線材4aと横線材4bとを格子状に溶接した溶接金網であり、各縦線材4aの下端部にく字形に曲折してなるフック部4cを備えている。このフック部4cは詳細は後述するが、上下のパネル4を連結する継ぎ手構造の一部を構成する。図2(ロ)のパネル4の拡大側面図に示すように、横線材4bのうち、パネル4の上から2番目の横線材4b、下から2番目の横線材4bおよび最下位の横線材4bは、縦線材4aの両面に溶接固定された2本(ダブル)からなり、他は1本(シングル)である。
【0019】
上記の枠ユニット1を用いて護岸壁、擁壁等の石詰め壁を構築する場合、まず、壁を構築すべき地盤に、パネル4の幅と同じ幅で矩形をなす同じく溶接金網による底面パネル12(図4参照)を、構築すべき壁ラインに沿って隣接して敷き並べ、各底面パネル12の上で図1の枠ユニット1を、端部の平行四辺形骨材3を共有する形で組み立てる。
1つの枠ユニット1の組み立てについて説明すると、まず、左右の平行四辺形骨材3と中央の平行四辺形骨材3を底面パネル12の左右両端部および中央に位置させ、連結用鋼線コイル6aにより各平行四辺形骨材3の底辺部3dと底面パネル12の線材部分とを連結する。
次いで、前面パネル4および背面パネル4(4’)を底面パネル12の前後縁部に寝かせて配置し、パネル4の下端部と底面パネル12の前後縁部とを同じく連結用鋼線コイル6bを用いて連結する。なお、最下段の枠ユニット1のパネル4は下端部にフック部を持たない単なる矩形の溶接金網である。
次いで、前面パネル4および背面パネル4(4’)を起して、平行四辺形骨材3の前面斜辺部3bおよび背面斜辺部3cにそれぞれあてがい、連結用鋼線コイル6で連結する。この場合、前述の通り、隣接する枠ユニット1の境界では、1つの平行四辺形骨材3を左右の枠ユニット1に共通の部材として用い、この1つの平行四辺形骨材3と左右のパネル4のそれぞれ端部とをまとめて連結用鋼線コイル6で連結する。
次いで、パネル両端と中央との中間位置の2箇所において、前面パネル4の最上位の横線材4bと背面パネル4(4’)の最上位の横線材4bとの間に、両端のフック部10aを引っ掛ける形で梁10を架け渡す。これにより、枠ユニット1の形状が安定し、かつ強度が増大する。なお、壁の両端部では、枠ユニット1の側面に側面パネル(図示略)を取り付けて、側面を閉ざす。
次いで、この枠ユニット1の内部に石(図3では15で示す)を充填する。これにより、壁の最下段の1段部分が形成される。
【0020】
次いで、壁の下から2段目部分を形成する。まず、最下段の枠ユニット1の各平行四辺形骨材3の上に平行四辺形骨材3を乗せ、連結用鋼線コイル6c(図4参照)を用いて連結し、次いで、前面パネル4および背面パネル4(4’)を平行四辺形骨材3の前面斜辺部3bおよび背面斜辺部3cに、いずれもフック部4cを前方に向けてそれぞれあてがい、連結用鋼線コイル6で連結する。
その際、上下のパネル4どうしの係合は、図5に詳細を示すようにして行う。すなわち、図5(イ)のように、上側のパネル4(U)の縦線材4aの下端のフック部4cを下側のパネル4(D)の最上位の横線材4bの下側にくぐらせ、矢印のように回転させて起し、図5(ロ)のようにフック部4cを下側のパネル4の上から2番目の横線材4bに係合させる。
上側のパネル4の最下位の横線材4bは、下側のパネル4の最上位の横線材4b上に乗る。
上側のパネル4のフック部4cおよび最下位の横線材4bと、下側のパネル4の上から2番目の横線材4bおよび最上位の横線材4bとは、上下のパネル4を係合させる継ぎ手構造を構成する。
このように本発明では別部材を用いて上下のパネル4を係合させるのでなく、パネル4自体に継ぎ手構造を備えているので、上下のパネル4を係合させる作業がきわめて容易で能率的である。また、別部材を用いないので、部材数が少なく済む。
【0021】
上記のように石詰めした最下段の枠ユニット1の上に下から2段目の枠ユニット1を組み立てる作業を、各最下段の枠ユニット1の上で繰り返して、下から2段目の枠ユニット1の組み立てがすべて終了した後、ないし一部が終了する毎に、その内部に石を詰めると、石詰め壁の下から2段目の部分が形成される。
上述の作業を順次繰り返して所定段数を形成した後、最上段部分の枠ユニット1に上面に蓋パネル16(図4参照)を連結用鋼線コイル6dで取り付けると、図3に示すように、連続する斜面を持つ石詰め壁が構築される。
なお、図3の壁は河川の護岸壁であり、壁の最下段部分が地中に埋まった施工態様である。
【0022】
図6に上下のパネル4の継ぎ手構造についての他の実施形態を示す。同図(イ)は上下のパネル4を係合させる直前の状態、(ロ)は係合させた状態を示す。この実施形態のパネル4は、縦線材4aの下端部が直線状のままであり、最上位の横線材4bが縦線材4aを挟む両側に2本(ダブル)ある。
この場合、上側のパネル4(U)の最下位の2本の横線材4bが下側のパネル4(D)の最上位の2本の横線材4bの上に乗るとともに、上側のパネル4の縦線材4aの直線のままの下端部が、下側のパネル4の最上位の2本の横線材4b間に緊密に嵌合することで、みだりに抜けないように係合する。
【0023】
図7に上下のパネル4の継ぎ手構造についてのさらに他の実施形態を示す。同図(イ)はパネル4のフック部4cの近傍の斜視図、(ロ)は上下のパネル4を係合させた状態の正面図、(ハ)は(ロ)のA−A断面図である。この実施形態のパネル4は、縦線材4aの直線状の下端部の片側に別体のフック4’cを溶接固定してフック部4cを形成したものである。
図6までの各実施形態では、上側パネル4の縦線材4aと下側パネル4の縦線材4aとが横にずれた状態となり、したがって、上側パネル4と下側パネル4とが若干横にずれた状態で組み立てられる。しかし、図7の実施形態では、上下の縦線材4aの芯が一直線上にあり、上下のパネル4の横方向のずれが解消され、正しく整列する。
【0024】
図8に上下のパネル4の継ぎ手構造についてのさらに他の実施形態を示す。同図(イ)はパネル4のフック部4cの近傍の斜視図、(ロ)は上下のパネル4を係合させた状態の正面図、(ハ)は(ロ)のB−B断面図である。この実施形態のパネル4は、縦線材4aの直線状の下端部の両側に別体のフック4’cをそれぞれ溶接固定してフック部4cを形成したものである。この実施形態の場合も、図7の実施形態と同じく、上下の縦線材4aの芯が一直線上にあり、上下のパネル4の横方向のずれが解消され、正しく整列する。また、フック4’cがダブルであるから、係合強度が高い。
【0025】
図9に上下のパネル4の継ぎ手構造についてのさらに他の実施形態を示す。同図(イ)はパネル4のフック部4cの近傍の斜視図、(ロ)は上下のパネル4を係合させた状態の正面図、(ハ)は(ロ)のC−C断面図である。この実施形態のパネル4は、縦線材4aを最下位の横線材4bの部分でパネル表側(図9(ハ)の左側)に曲折した後にパネル裏側に折り返してフック部4cを形成するとともに、さらに同図(ロ)にも示すように、このフック部4cをパネル正面から見て横向きに傾斜させたものである。
これにより、別体のフックを溶接固定する方法によらず、縦線材4aを曲折する加工だけで、上下の縦線材4aの芯を一直線上にすることができる。
【0026】
また、上述の各実施形態ではパネル4の最下位の横線材4bがダブル(2本)であるが、図10に示すように、パネル4の最下位の横線材4bをシングル(1本)としてもよい。
また、図11に示すように、縦線材4aの直線部を最下位の横線材4bから下方に長く伸ばした後に横向きU字形に曲折した、局所的な爪形状のフック部4cとしてもよい。
【0027】
縦線材4aの下端にフック部4cを設ける種々の態様を図12に示す。上述の各実施形態のパネル4は、同図(イ)にも示すように、パネル4のすべての縦線材4aにフック部4cを形成しているが、必要な係合強度が得られれば、(ロ)〜(ニ)に示すように一部について省略してもよい。すなわち、(ロ)は1つおきの縦線材4aについて、フック部4cを省略し直線のままとしたものである。(ハ)は両端の縦線材4aについてフック部を省略したものである。(ニ)は片側端の縦線材だけにフック部4cを省略したものである。
【0028】
上述の実施形態では、上下のパネル4を係合させるための継ぎ手構造として、上側パネル4の縦線材4aの下端に形成したフック部4cが下側パネル4の上部の横線材4bに係合する構造としたが、逆に、下側パネル4の縦線材4aの上端に形成したフック部が上側パネル4の下端の横線材に係合する構造とすることもできる。要するに、上下のパネル4を上下方向に離脱しないように係合させることができる構造であればよい。
また、平行四辺形骨材3とパネル4とを連結させる連結部材としては、実施形態のような連結用鋼線コイル6に限らず、他の手段を採用することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の枠ユニットあるいは壁施工法によれば、枠ユニットを段積みした時に上側のパネルの下縁部と下側のパネルの上縁部とが直接係合するので、係合のために別部材を用いる従来工法と比べて、必要な部材数を少なくすることができるとともに、上下のパネルの係合作業の能率が向上する。
【0030】
請求項2のようにパネルとして溶接金網を用いることは、石詰め枠を形成する枠ユニットのパネルとして適切であり、上下のパネルの係合部を形成する上で好都合である。
【0031】
請求項3のように、上側のパネルの最下位の横線材から下方に突き出た上側継ぎ手部が下側のパネルの上部の横線材に係合する構造とすると、溶接金網である上下のパネルを直接係合させる構造を容易に実現できる。
【0032】
請求項4によれば、上側パネルの縦線材の直線状の下端部を下側パネルのダブルの横線材間に単に嵌入すればよいので、上下のパネルどうしの継ぎ手構造をきわめて簡単に実現でき、また、係合作業が著しく簡単になる。
【0033】
請求項5によれば、フック部によって上下のパネルどうしの係合作業を簡単に行えるとともに、確実に係合させることができる。
【0034】
請求項6によれば、パネルの縦線材の直線状の下端部の片側または両側に別体のフックを溶接固定してフック部とすることで、上下のパネルが左右にずれることが回避され、正しく整列する。
【0035】
請求項7によれば、パネルの縦線材の下端部を曲折するという簡単な手段で、上下のパネルの左右ずれの回避を実現できる。
【0036】
請求項8のように、前面のパネルおよび背面のパネルが互いに平行な枠ユニットは、石詰め壁を構築するため枠ユニット構造として適切である。
【0037】
請求項9によれば、▲1▼間隔保持部材として平行四辺形骨材を用いて枠ユニットを構成するので、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築するための枠ユニットとしてきわめて簡単であり、かつ施工性が良好である。
▲2▼間隔をあけて配置した平行四辺形骨材の前面部および背面部にそれぞれパネルを取り付けるという簡単な作業で概ねの組み立てが行えるので、組み立て作業がきわめて容易かつ能率的であり、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築する際の施工性が向上する。
【0038】
請求項10によれば、前後のパネル間に架け渡した梁材により、枠ユニット内に充填した石を保持する強度が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の枠ユニットの斜視図である。
【図2】(イ)は図1の枠ユニットの側面図、(ロ)はパネルのみの拡大側面図である。
【図3】上記の枠ユニットを用いて施工した石詰め壁の断面図である。
【図4】上記の枠ユニットを用いて構築した石詰め壁における枠ユニットの段積み状態を説明する斜視図である。
【図5】図4のように枠ユニットを段積みする際の上下の枠ユニットのパネルどうしの係合要領を説明する図であり、(イ)は係合させる動作の途中の状態、(ロ)は係合させた状態を示す。
【図6】本発明の枠ユニットにおけるパネルどうしの継ぎ手構造の他の実施形態を示すもので、(イ)は係合させる動作の途中の状態、(ロ)は係合させた状態を示す。
【図7】本発明の枠ユニットにおけるパネルどうしの継ぎ手構造のさらに他の実施形態を示すもので、(イ)はパネル下端のフック部近傍の斜視図、(ロ)は上下のパネルどうしを係合させた状態の正面図、(ハ)は(ロ)のA−A断面図である。
【図8】本発明の枠ユニットにおけるパネルどうしの継ぎ手構造のさらに他の実施形態を示すもので、(イ)はパネル下端のフック部近傍の斜視図、(ロ)は上下のパネルどうしを係合させた状態の正面図、(ハ)は(ロ)のB−B断面図である。
【図9】本発明の枠ユニットにおけるパネルどうしの継ぎ手構造のさらに他の実施形態を示すもので、(イ)はパネル下端のフック部近傍の斜視図、(ロ)は上下のパネルどうしを係合させた状態の正面図、(ハ)は(ロ)のC−C断面図である。
【図10】本発明の枠ユニットにおけるパネルどうしの継ぎ手構造のさらに他の実施形態を示すもので、パネル下端のフック部近傍の斜視図である。
【図11】本発明の枠ユニットにおけるパネルどうしの継ぎ手構造のさらに他の実施形態を示すもので、パネル下端のフック部近傍の側面図である。
【図12】本発明の枠ユニットにおけるパネルの下端部に設けるフック部の種々の態様を示すもので、(イ)は各縦線材にフック部を設けたもの(図1の実施形態)、(ロ)は1つおきの縦線材にフック部を設けたもの、(ハ)はパネルの両端の縦線材についてだけフック部を省略したもの、(ニ)はパネル片側端の縦線材についてフック部を省略したものである。
【符号の説明】
1 枠ユニット
3 斜め補強材付き平行四辺形骨材(間隔保持部材)
3a 斜め補強材
3b 前面斜辺部
3c 背面斜辺部
3d 底辺部
4 パネル
4’ 背面のパネル
4a 縦線材
4b 横線材
4c フック部
4’c フック
6 連結用鋼線コイル
10 梁
10a フック部
12 底面パネル
15 石
16 蓋パネル
Claims (12)
- 護岸、法面保護等を構築する石詰め枠構築用の枠ユニットであって、
前面側のパネルと背面側のパネルとこれら両パネルの間隔を保持する間隔保持部材とを備え、当該枠ユニットを段積みした時に上側のパネルの下縁部と下側のパネルの上縁部とが直接係合可能な継ぎ手構造を有することを特徴とする石詰め枠構築用の枠ユニット。 - 前記パネルが溶接金網からなることを特徴とする請求項1記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 前記継ぎ手構造は、上側のパネルの最下位の横線材から下方に突き出た上側継ぎ手部が下側のパネルの上部の横線材に係合する構造であることを特徴とする請求項2記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 前記継ぎ手構造は、溶接金網である前記パネルの最上位の横線材を縦線材を挟む2本で構成し、当該枠ユニットを段積みした時に、上側のパネルの縦線材の直線状のままの下端部が、下側の前記最上位の2本の横線材間に緊密に嵌入される構造であることを特徴とする請求項3記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 前記継ぎ手構造は、溶接金網である前記パネルの縦線材の下端部に、当該枠ユニットを段積みした時に、下側のパネルの最上位より下の横線材に引っ掛け可能なフック部を形成した構造であることを特徴とする請求項3記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 前記フック部を、パネルの縦線材の直線状の下端部の片側または両側に別体のフックを溶接して構成したことを特徴とする請求項5記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 前記フック部を、パネルの縦線材を最下位の横線材部分でパネル表側に曲折した後にパネル裏面側に折り返して形成するとともに、さらにパネル正面から見て横向きに傾斜させて構成したことを特徴とする請求項5記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 前面のパネルおよび背面のパネルが互いに平行であることを特徴とする請求項1〜7記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 前記間隔保持部材が略平行四辺形をなし、パネル幅の間隔で互いに平行に並べた2つの間隔保持部材の前面斜辺部間および背面斜辺部間に、前記パネルの左右両端部を連結したことを特徴とする請求項8記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 当該枠ユニットの幅方向中間位置で、前面のパネルの上部と背面のパネルの上部との間に係合状態で架け渡される梁材を設けたことを特徴とする請求項1〜9記載の石詰め枠構築用の枠ユニット。
- 前面側のパネルと背面側のパネルとこれら両パネルの間隔を保持する間隔保持部材とを備えた枠ユニットの内部に石を詰めて順次段積みし、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築する壁構築方法であって、
前記枠ユニットを段積みする際に、上側のパネルの下縁部と下側のパネルの上縁部とを直接係合させることを特徴とする壁構築方法。 - 連続する斜面を持つ石詰め壁を構築する壁構築方法であって、
間隔保持部材として複数の斜め補強材付き平行四辺形骨材をパネル幅の間隔をおいて互いに平行に並べて立て、パネル幅間隔で隣接する2つの平行四辺形骨材の前面斜辺部間および背面斜辺部間にそれぞれ網状矩形のパネルをあてがい、前記平行四辺形骨材を共有して隣接する左右のパネルを平行四辺形骨材とともに連結部材を用いて連結して、隣接して並ぶ複数の枠ユニットを組み立て、この枠ユニット内に石を詰めて壁の1段部分を形成し、その1段部分の上に略同じ工程で枠ユニットを段積みする際に、上側の枠ユニットのパネルの下縁部と下側の枠ユニットのパネルの上縁部とを直接係合させ、上側の枠ユニットに石を詰めて壁の次ぎの1段部分を形成し、これを繰り返して、連続する斜面を持つ石詰め壁を構築することを特徴とする壁構築方法。
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