JP4355580B2 - 擁壁の築造方法と擁壁構造およびこれに用いる網状壁面材 - Google Patents

擁壁の築造方法と擁壁構造およびこれに用いる網状壁面材 Download PDF

Info

Publication number
JP4355580B2
JP4355580B2 JP2004000474A JP2004000474A JP4355580B2 JP 4355580 B2 JP4355580 B2 JP 4355580B2 JP 2004000474 A JP2004000474 A JP 2004000474A JP 2004000474 A JP2004000474 A JP 2004000474A JP 4355580 B2 JP4355580 B2 JP 4355580B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
horizontal
connection frame
wall material
front surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004000474A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005194735A (ja
Inventor
堀  謙吾
千恵美 樋口
佐野  清
博幸 半田
祥克 秋山
卓郎 山本
直人 岩佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Metal Products Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Metal Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Metal Products Co Ltd filed Critical Nippon Steel and Sumikin Metal Products Co Ltd
Priority to JP2004000474A priority Critical patent/JP4355580B2/ja
Publication of JP2005194735A publication Critical patent/JP2005194735A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4355580B2 publication Critical patent/JP4355580B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)

Description

本発明は、林道等における擁壁の築造方法と擁壁構造および、これに用いる網状壁面材に関するもので、特に、壁面材を多段に連結しながらその背面に充填材を充填して擁壁を築造する際の施工の容易化、壁面材の構成の簡易化等を図ったものである。
林道等における擁壁では、溶接金網を壁面材として用い、この壁面材の背後にソイルセメントや現地発生土砂を充填して重力式擁壁や盛土を構築することが行われる。この擁壁構造物では、現地発生土砂等の充填材が、一定の強度を有しており、重力式壁体構造として自立しているため、他の補強土工法と比較して壁面材の品質に対する依存度が小さく、擁壁としての信頼性が高い。この種の擁壁については、これまで多数の特許が公開されている。例えば、(1)実公平3−51378「簡易重力式土留壁」、(2)特公昭60−46220「土留擁壁の構築方法および土留擁壁構築用ユニット」、(3)特公昭63−11488「土留擁壁の構築方法および土留擁壁構築用ユニット」、(4)特開平8−232266「補強土構造物の壁面構造」がある。
また、溶接金網等の網による壁面材として「L」型部材と斜材を用いることは、一般的であり、「L」型部材の上端から水平部材を連結すること、あるいは、「コ」の字型の壁面材を用いる特許についても種々公開されている。例えば、(5)特開平6−146286「網状部材を使用して構築された急勾配盛土構造物」、(6)特開平7−113234「補強土構造」(7)特開平2000−273868「壁面補強部材、それを用いた擁壁構造および盛土補強方法」、(8)特開平2000−282471号公報「盛土補強部材及びこの部材と合成樹脂ネットの連結構造」、(9)特開平2002−227202「壁面構成方法、壁面材および擁壁構成ユニット」がある。
従来、溶接金網等の壁面材は、所定大きさの壁面ユニットとして構成されており、現場にて複数の壁面材を長手方向に接続すると共に、上方に多段に連結して大面積の擁壁を築造するものであるが、壁面材ユニットを上方に多段に連結する際の施工に手間がかかる構造であったり、構造が比較的簡単であっても、上下段の壁面材同士の剛性が低いなどの問題があった。また、背面に砂防ソイルセメント等を充填する場合は、その施工において振動ローラなどの転圧に対して、壁面が耐性を持つ必要があり、重厚な構造となるなどの問題があった。
例えば、特開平7−113234に開示されているのは、側面L字形の金網製の壁面材を上下段に所定の高さ位置に保持したうえ、縦鉄筋の外側に向けた突部の内側に横方向に連結棒を挿通することで上下段の壁面材を連結するようにした、比較的簡単な構成であるが、上下段の壁面材の接続部の剛性は低いものであった。また、特開平7−113234に他の例として開示された、上下に水平部を一体に有するコ字形の金網製の壁面材では上下の壁面材の連結作業は比較的容易であるが、該壁面材の背面側に裏込め土砂を転圧充填する際、背面側に突出する上部水平部が転圧作業の邪魔になって円滑な転圧作業の妨げになると共に、その関係で埋め込み土砂の転圧不足が生じ、土砂の充填後に沈下が生じるおそれがある。さらに、コ字形の壁面材では、現場までの搬送に際して、重ねて搭載できずデッドスペースが多く生じ搬送効率が悪いものであった。
実公平3−51378号公報 特公昭60−46220号公報 特公昭63−11488号公報 特開平83−232266号公報 特開平6−146286号公報 特開平7−113234号公報 特開平2000−273868号公報 特開平2000−282471号公報 特開平2002−227202号公報
溶接金網からなる壁面材で擁壁を築造する従来技術では、複数の壁面材を長手方向に連結すると共に上方に連結し、壁面材の背面に裏込め土砂等の充填材を充填して擁壁を築造する際の、壁面材の連結作業に手間取ることや剛性強度の不足、壁面材の搬送効率が悪いこと、さらに裏込め土砂の充填が円滑にできないなどの問題があった。
本発明は前記の問題点を解決したもので、溶接金網からなる壁面材を上方に多段に連結しながら背面に充填材を充填して擁壁面を築造する際の施工の容易性と、壁面材の構成の簡易化と剛性の向上、搬送の効率化等を図った擁壁の築造方法と擁壁構造およびこれに用いる網状壁面材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、次のように構成する。
第1発明は、基礎地盤上に、前面及び底面が格子状の溶接金網で構成された側面L型の壁面材を長手方向に沿って多数設置し、前面及び底面を斜材で連結するとともに、隣接する壁面材の縦線材同士をリング状コイルで接続し、前記壁面材の背面側に充填材を充填し転圧した後に、前記壁面材の前面頂部に、水平片と前記壁面材の前面横線材に内側から係止させる垂下片とを有する係合用線材と、該係合用線材と交差するように配設された複数の接続部横線材によって構成された水平面を有する接続枠を接続し、該接続枠に次の段を構成する第2の壁面材を載せて、前記接続枠と第2の壁面材を連結した後に、前面及び底面を斜材で連結するとともに、隣接する壁面材の前面の縦線材をリング状コイルで接続し、前記壁面材の背面側に充填材を充填し、転圧して、以後同様の工程を繰り返してなる擁壁の築造方法を特徴とする。
第2発明は、第1発明において、上段を構成する壁面材の前面を、下段を構成する壁面材の前面と揃えて接続枠の水平面に載置し両部材を接続することで前面を直壁面とする擁壁の築造方法を特徴とする。
第3発明は、第1発明において、上段を構成する壁面材を、下段を構成する壁面材より後退させて接続枠の水平面に載置し両部材を接続することで前面を階段壁面とする擁壁の築造方法を特徴とする。
第4発明は、第1発明において、前面を後に傾けた壁面材で構成された上段壁面材の前面下端部を、下段の壁面材の前面頂部と揃えて接続枠の水平面に載置し両部材を接続することで前面を傾斜壁面とする擁壁の築造方法を特徴とする。
第5発明は、第1〜第4発明において、壁面材の背面から後方側の一定の範囲に土砂層を設け、そのさらに後部側に各種の充填材からなる後部側充填層を設けて転圧し、非転圧の土砂層を植生領域として築造する擁壁の築造方法を特徴とする。
第6発明は、前面及び底面が格子状の溶接金網で構成された側面L型の壁面材と、前面及び底面の壁面材を連結する斜材と、前記壁面材の前面頂部に載置される水平面を有する接続枠と、該接続枠と上段に載置される第2のL型の壁面材とを接続する連結ピンとから構成され、前記接続枠は、格子状の溶接金網からなる水平面と、網材の横部材の一方の端部が下方に折れ曲がった垂下片を有し、該垂下片は、途中の位置で段状に折れ曲がっており、この折れ曲がり部が下の段の壁面材の前面に係止される構造であり、接続枠の水平面の横部材の所定箇所に上方に突出する連結ピン挿入用の突出部を備えている擁壁の築造に用いる網状壁面材を特徴とする。
第7発明は、第6発明において、前記接続枠の水平面の一部には、植栽ポット支持用のリングが接合されてなる擁壁の築造に用いる網状壁面材を特徴とする。
第8発明では、第6又は第7発明において、網状壁面材の背面に充填材を充填してなる擁壁であって、上段側の壁面材を下段側の壁面材よりも後方にずらして接続枠の水平面に載置することにより、網状の壁面材で前面が階段壁面とされると共に、この階段壁面の水平部に植生部材が設けられている擁壁を特徴とする。
本発明によると、溶接金網で構成された側面L型の壁面材における底面を基礎地盤に固定した後、該壁面材の背面に充填材を充填して転圧し、続いて壁面材の前面頂部に接続枠を取付けたうえ、接続枠の水平面に上段側の側面L型の壁面材における底面を載置して、上段側の壁面材を接続枠に連結するものであるから、接続枠によって壁面材頂部の剛性が向上し、上下の壁面材同士の剛性を高めることができるとともに接合部を堅牢にできる。また、接続枠の水平面に上段側の壁面材における底面を載置して接続する作業が安定する。
また、下段側の壁面材の背面に充填材を充填する工程では、接続枠を壁面材の前面頂部に取付けていないので、壁面材の前面頂部から背面側に転圧作業の邪魔となる部材が存在せず、したがって転圧作業を効率的に行うことができると共に、十分な転圧を行うことができるので、施工後に転圧不足により充填材の沈下が生じない。さらに、多数の壁面材を現場へ搬送するときも、接続枠が取り外された状態で側面L型の壁面材を同じ姿勢で重ねて一度に多数個搬送でき、デッドスペース生じず搬送効率を上げることができる。
また、上下各段の壁面材と接続枠の接続部の配置を変えるだけで、前面が直壁、階段壁、傾斜壁などの擁壁を迅速、効率的に築造できる。
また、壁面材の背面側に一定の範囲で非転圧の土砂層を設けることにより、この土砂層を利用して植栽を実施するなど壁面の緑化が可能である。接続枠の網目のピッチを広くすることや、サークル状に加工することで、ポット苗木や成木の植栽も容易になる。
次に本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る方法によって築造された前面垂直の擁壁1の全体説明図、図2、図3は、擁壁1の築造に用いる壁面材2と接続枠3と連結ピン4の詳細を示す図である。
図2、図3に示すように、壁面材2は側面L型であって、前面5及び底面6が格子状の溶接金網で構成され、底面6にはアンカー7が接続されている。この壁面材2を図1に示すように地面8を所定深さに掘った基礎地盤10上に配置し、壁面材2を長手方向(図1の紙面の表裏方向)に沿って多数設置すると共に、この壁面材2を上方に複数段接続して前面壁11を構成している。
壁面材2の前面5と底面6の間は、斜材12で連結されると共に、前面頂部13には、水平面14を有する接続枠3(図2に示す)を取付け可能に設けてあり、この接続枠3に上段の壁面材2における底面6が載置され連結ピン4を介して上方に複数段の壁面材2が連結され、所定面積の前面壁11が構築される。
図1において段積みした壁面材2の背面には、充填材9が充填される。充填材9は、図示例では壁面材2の背面側から後方にかけて順に傾斜境界線Sを境にして、土砂層15、クラッシャラン・セメント・水を混合した充填材料(LUC材という)または、ソイルセメントの層(以下、充填材層16という)、裏込め砕石層17、埋め戻し土砂層18が築造されている。
図1によって擁壁1の築造工程の概要を説明する。
擁壁1を築造する場所の地面8から約500mm程度掘り下げた基礎地盤10に最下段の壁面材2を設置し、アンカー7を背面側に伸長位置させる。次に、図1(b)にA部拡大図として示すように、壁面材2の前面5の略1/2の高さレベルまで、その背面側において傾斜境界線SまでLUC材層16を築造し、次に、壁面材2の背面側に充填土砂を充填して土砂層15を築造し、さらに傾斜境界線Sを境としてLUC材層16の後方に裏込め砕石層17と埋め戻し土砂層18を築造して、第1段充填層19を築造する。同様にして第2段充填層20を壁面材2の前面5と略同じ高さレベルまで築造する。
この第1段充填層19を築造した段階で、転圧機により、振動ローラ21にて充填層を転圧する。振動ローラ21による転圧は、土砂層15の範囲(壁面から250mm程度)を避け、その後方のLUC材層16と裏込め砕石層17と埋め戻し土砂層18のみ転圧する。この転圧の段階では、壁面材2には接続枠3が取付けられておらず、壁面材2の上部には背面側に出張る部材がないから、振動ローラ21による転圧作業は円滑に行われる。なお、砕石の代りに、多孔パイプ材、プラスチック管などの層にしてもよい。
第1段充填層19と第2段充填層20を築造した後、壁面材2の前面頂部13に図2に示す接続枠3を取付け、その水平面14に上段を構成する壁面材2の底面6を載置し、連結ピン4を用いて接続枠3と底面6を接続する。
前記の築造工程を第1工程〜第7工程にまとめて説明する。第1段目の壁面材2を設置し(第1工程)、次に、隣接する壁面材2の縦線材同士をリング状コイル22で接続し(第2工程)、次に、壁面材2の前面5と底面6を斜材12で連結し、必要に応じて底面6にアンカー7を接続し(第3工程)、次に、第1段充填層19と第2段充填層20を築造し(第4工程)、次に、壁面材2の前面頂部13へ接続枠3を取付け(第5工程)、次に、第2段目の壁面材2の底面5と接続枠3を連結ピン4を用いて連結し(第6工程)、次に、第3段充填層23と第4段充填層24の築造し(第7工程)、以後、第1〜第7の工程を繰り返すことで、例えば、図1に示すような壁高2500mm〜8000mm程度の擁壁1を築造する。
本実施形態の特長は、側面L型の壁面材2と接続枠3を組合わせ、この接続枠3を壁面材2の前面頂部13へ取付ける(前記の第5工程)および、上段を構成する第2壁面材2の底面6と下段側の接続枠3を連結ピン4で接続する工程(前記の第6工程)を設けた点にあり、これにより擁壁1の築造の効率化、壁面材2の構成の堅牢化と簡易化等を実現したものである。
図2以下によって、壁面材2と接続枠3の構成と接続手順をさらに説明する。
図2、図3は第1実施形態を示し、壁面材2は、溶接金網により側面L型ユニットとして構成されるもので、所定の間隔をおいて平行に複数配設したL型線材25の前面縦線材28と底面線材29の各々の間に前面横線材26と底面横線材27を格子状に配し、交差部を溶接して前面5及び底面6が構成されている。
長手方向(壁面横方向)に隣接する壁面材2は、端部に位置するL型線材25の前面縦線材28にリング状コイル22を巻いて接続されており、下段の壁面列が構築される。L型線材25の底面線材29には線材のアンカー7が接合され、擁壁の背面(内部)側に伸長している。
下段の壁面列を構築した後、その高さ方向を2段に分けて第1段充填層19と第2段充填層20を築造した後、壁面材2の前面頂部13に接続枠3を取付ける。接続枠3は溶接金網で構成され、所定の間隔をあけて配設した側面L型の係合用線材30と、係合用線材30の水平片31の下面と接して交差するように配した複数の接続部横線材32の交差部を溶接して水平面14が構成されている。接続部横線材32には上方部に向けて一部を折り曲げ突起部35を形成してある。また、係合用線材30は、途中に折り曲げ係合部33を設けた垂下片34を有している。
接続枠3を壁面材2の前面頂部13に取付けるには、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)の順に行う。図7(a)、図7(b)に示すように、接続枠3の水平面14を斜めに傾けて、垂下片34の下端を前面頂部13の格子窓に前方から差込む。続いて、同図7(b)に示すように、接続枠3の直角折り曲げ部36を前面上段横線材26aに係合させ、この係合部を回転中心として水平面14を後方に倒す。これにより、図7(c)に示すように、垂下片34の折り曲げ係合部33を壁面材2の前面横線材26に内側から係止することができ、接続枠3の水平面14を水平に保持することができる。なお、接続枠3は予め壁面材2取り付けておいても構わない。
次に、図7(d)に示すように、上段の壁面材2の底面6を接続枠3の水平面14に載せる。このときL型線材25の底面線材29は、間隔をおいて配置される係合用線材30の水平片31の間に位置するように載置する。図の場合、L型線材25の底面線材29は、底面横線材27の下側に溶接され、接続枠3の水平片31は、接続部横線材32の上側に溶接されているので、接続枠3の水平面14と壁面材2の底面6は同じレベルで接続することができる。
接続枠3に上段の壁面材2の底面6を載置したとき、係合用線材30の水平片31の突起部35は上段の壁面材2の底部線材29よりも上側に突出している。したがって、突起部35の内側空間に連結ピン4を横から挿通することにより、連結ピン4の下側に上段の壁面材2における底面6の底部線材29が位置するので、この連結ピン4を介して上段の壁面材2の底面6と接続枠3が連結される。なお、突起部35の壁面前後方向の位置は適宜変更してよく、それにより上下段に接続する壁面材2の前面5の位置を前後方向に調整できる。また、接続枠3の水平面14の幅を広くして、係合用線材30の各水平片31に設ける突起部35を壁面の前後方向に複数箇所設け、複数の連結ピン4を用いて上段の壁面材2の底面6を接続枠3に接合してもよい。
このように接続枠3は、壁面材2の前面頂部13に簡単に接続でき、しかも水平面14有する
と共に、壁面材2の前面5と底面6を斜材12で連結しているので、これらの構成が相俟って、壁面材2に作用する縦方向や横方向の力、捻り力等に対して壁面材2の剛性が向上し、上下段に連結する壁面材2同士の剛性を高めることができ、接合部を堅牢にできる。
各壁面材2の設置時、転圧後のLUC材層16の不陸が上段の壁面材2の施工に影響し、施工精度が悪くなることがあるが、接続枠3の水平面14と壁面材2の底面6を連結ピン4で接続することで上下段の壁面材2同士の剛性が向上し、不陸の問題を解決できる。
壁面材2を多段に載置して構築する擁壁1の前面壁は、垂直壁のほか、図4、図5に示す階段壁や、図6に示す傾斜壁として築造できる。
図4、図5は、第2実施形態として、壁面材2を階段状に段積みして、前面階段壁37を構成した例を示す。第2実施形態では、下段側の壁面材2に取付けた接続枠3に上段側の壁面材2の底面6に載置するとき、下段側より後方にずらして載置することにより、下段側の壁面材2と一緒に接続枠3の一部が上段側の壁面材2の前面5よりせり出しており、このせり出し部に水平階段部38が形成される。
第2実施形態において、接続枠3の接続部横線材32のピッチ(B)や係合用線材30の水平片31のピッチ(C)を変更してよく、また水平片31の間に植木用ポット39を受けるリング40を溶接するなどにより、水平階段部38にポット植木や成木の植栽を施すことができる。その他の構成と築造工程は第1実施形態と同じである。リング39の形状、大きさなどは植栽に対応して変更して構わない。
図6は、第3実施形態として、壁面材2を段積みして傾斜壁面41を構成した例を示す。第3実施形態では、各段の壁面材2の前面5を後方に傾斜させることで図のような傾斜壁面41の擁壁1を築造できる。他の構成は第1実施形態と同じである。
側面L型の壁面材2と接続枠3は、図8(a)、(b)のように分離して、それぞれのL型部材を重ねて施工の現場まで搬送でき、従来の側面コ字形壁面材のようにデッドスペースが生じないから効率よく搬送できる。
図9は、他の実施形態として、壁面材2の前面5と底面6をV字状に配置したV型斜材42で連結した例を示す。なお、図示しないが、先端をU字形に曲げた斜材を構成してもよい。擁壁1の前面には、間伐材等の取付けてもよい(図示省略する)。また、壁面材2の底面5に接合するアンカー材は、棒状のアンカー7以外でもよく、例えば、所定広さのメッシュ状のシートを壁面材2の底面6に連結して後方に伸長し、その上方にLUC材層16を充填し転圧することによっても壁面材2を背面の充填材と一体化できる。
(a)は、実施形態に係る方法によって築造された前面垂直の擁壁の全体説明図、(b)、(c)は、図1(a)における、A部の拡大図である。 第1実施形態を示し、前面垂直壁の擁壁を構築する際の複数の壁面材と接続枠と連結ピンの斜視図である。 図2に示す態様で壁面材と接続枠を組み立てて築造した前面垂直の擁壁の側断面図である。 第2実施形態を示し、壁面材と接続枠を組み立てて築造した前面階段状の擁壁の側断面図である。 (a)は、第2実施形態の擁壁における壁面材に組み合わせる接続枠の斜視図、(b)は、図5(a)の接続枠を用いた階段状の擁壁の水平階段部に植栽を施した態様の側断面図である。 第3実施形態を示し、壁面材と接続枠を組み立てて築造した前面傾斜(スロープ)の擁壁の側断面図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、側面L型の壁面材に接続枠を取付け、さらに、接続枠に上段の側面L型壁面材を接続する第1、第2、第3、第4工程の側面説明図、 (a)、(b)は、側面L型の壁面材と側面L型の接続枠を各々複数重ねて搬送する態様を示す側面説明図である。 側面L型の壁面材の前面と底面を連結する斜材の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 擁壁
2 壁面材
3 接続枠
4 連結ピン
5 前面
6 底面
7 アンカー
8 地面
9 充填材
10 基礎地盤
11 前面壁
12 斜材
13 前面頂部
14 水平面
15 土砂層
16 LUC材層
17 裏込め砕石層
18 埋め戻し土砂層
19 第1段充填層
20 第2段充填層
21 振動ローラ
22 リング状コイル
23 第3段充填層
24 第4段充填層
25 L型線材
26 前面横線材
26a 前面上段横線材
27 底面横線材
28 前面縦線材
29 底面線材
30 係合用線材
31 水平片
32 接続部横線材
33 折り曲げ係合部
34 垂下片
35 突起部
36 直角折り曲げ部
37 前面階段壁
38 水平階段部
39 植木用ポット
40 リング
41 傾斜壁面
42 V型斜材
S 傾斜境界線

Claims (8)

  1. 基礎地盤上に、前面及び底面が格子状の溶接金網で構成された側面L型の壁面材を長手方向に沿って多数設置し、前面及び底面を斜材で連結するとともに、隣接する壁面材の縦線材同士をリング状コイルで接続し、前記壁面材の背面側に充填材を充填し転圧した後に、前記壁面材の前面頂部に、水平片と前記壁面材の前面横線材に内側から係止させる垂下片とを有する係合用線材と、該係合用線材と交差するように配設された複数の接続部横線材によって構成された水平面を有する接続枠を接続し、該接続枠に次の段を構成する第2の壁面材を載せて、前記接続枠と第2の壁面材を連結した後に、前面及び底面を斜材で連結するとともに、隣接する壁面材の前面の縦線材をリング状コイルで接続し、前記壁面材の背面側に充填材を充填し、転圧して、以後同様の工程を繰り返してなる擁壁の築造方法。
  2. 上段を構成する壁面材の前面を、下段を構成する壁面材の前面と揃えて接続枠の水平面に載置し両部材を接続することで前面を直壁面とする請求項1記載の擁壁の築造方法。
  3. 上段を構成する壁面材を、下段を構成する壁面材より後退させて接続枠の水平面に載置し両部材を接続することで前面を階段壁面とする請求項1記載の擁壁の築造方法。
  4. 前面を後に傾けた壁面材で構成された上段壁面材の前面下端部を、下段の壁面材の前面頂部と揃えて接続枠の水平面に載置し両部材を接続することで前面を傾斜壁面とする請求項1記載の擁壁の築造方法。
  5. 壁面材の背面から後方側の一定の範囲に土砂層を設け、そのさらに後部側に各種の充填材からなる後部側充填層を設けて転圧し、非転圧の土砂層を植生領域として築造することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の擁壁の築造方法。
  6. 前面及び底面が格子状の溶接金網で構成された側面L型の壁面材と、前面及び底面の壁面材を連結する斜材と、前記壁面材の前面頂部に載置される水平面を有する接続枠と、該接続枠と上段に載置される第2のL型の壁面材とを接続する連結ピンとから構成され、前記接続枠は、格子状の溶接金網からなる水平面と、網材の横部材の一方の端部が下方に折れ曲がった垂下片を有し、該垂下片は、途中の位置で段状に折れ曲がっており、この折れ曲がり部が下の段の壁面材の前面に係止される構造であり、接続枠の水平面の横部材の所定箇所に上方に突出する連結ピン挿入用の突出部を備えていることを特徴とする擁壁の築造に用いる網状壁面材。
  7. 前記接続枠の水平面の一部には、植栽ポット支持用のリングが接合されてなることを特徴とする請求項6記載の擁壁の築造に用いる網状壁面材。
  8. 請求項6又は7記載の網状壁面材の背面に充填材を充填してなる擁壁であって、上段側の壁面材を下段側の壁面材よりも後方にずらして接続枠の水平面に載置することにより、網状の壁面材で前面が階段壁面とされると共に、この階段壁面の水平部に植生部材が設けられていることを特徴とする擁壁。
JP2004000474A 2004-01-05 2004-01-05 擁壁の築造方法と擁壁構造およびこれに用いる網状壁面材 Expired - Fee Related JP4355580B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004000474A JP4355580B2 (ja) 2004-01-05 2004-01-05 擁壁の築造方法と擁壁構造およびこれに用いる網状壁面材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004000474A JP4355580B2 (ja) 2004-01-05 2004-01-05 擁壁の築造方法と擁壁構造およびこれに用いる網状壁面材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005194735A JP2005194735A (ja) 2005-07-21
JP4355580B2 true JP4355580B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=34816294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004000474A Expired - Fee Related JP4355580B2 (ja) 2004-01-05 2004-01-05 擁壁の築造方法と擁壁構造およびこれに用いる網状壁面材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4355580B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2896520A1 (fr) * 2006-01-23 2007-07-27 Freyssinet Soc Par Actions Sim Ouvrage erige devant une paroi preexistante, comportant un parement et un remblai entre la paroi et le parement, et procede pour sa realisation
JP6803135B2 (ja) * 2015-08-05 2020-12-23 アキレス株式会社 軽量盛土構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005194735A (ja) 2005-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101071572B1 (ko) 철망을 이용한 녹화 보강토 옹벽 구조 및 그 시공방법
JP4355580B2 (ja) 擁壁の築造方法と擁壁構造およびこれに用いる網状壁面材
KR102542559B1 (ko) 레이커 보강구조물과 이를 이용한 흙막이 벽체의 보강방법
KR100479163B1 (ko) 보강토 옹벽
KR100520480B1 (ko) 합성 기둥을 이용한 도로 하천제방 옹벽구조
JP3611967B2 (ja) 法面構造およびその構築方法
KR200413303Y1 (ko) 강재 빔을 이용한 산벽 구조체
JP3495781B2 (ja) 植生土留構造
JP7285066B2 (ja) 擁壁構造及び擁壁の構築方法
CN110306588B (zh) 一种用于加筋土挡墙的面板模块单元及加筋土挡墙
KR101981432B1 (ko) 녹생토 부착력 향상을 위한 체인 철망과 계단식 전면을 갖는 식생 옹벽의 시공방법
JP6338167B2 (ja) 盛土構造及びその構築方法
JP2002167766A (ja) 植生篭およびこの植生篭を用いた法面構造
JP5427463B2 (ja) 防護用堤体および防護用堤体の構築方法
JPH09195289A (ja) 補強土壁面ブロックおよび補強土壁面構造
JP2006037507A (ja) 石詰籠および仕切パネル
KR100799910B1 (ko) 주철판넬 옹벽 구조물 및 그 축조 방법
JP3236830B2 (ja) 土留篭及びそれにより形成した土留用構造壁
KR102493224B1 (ko) 높은 자립고를 가지는 다열 지주 근입식 변단면 블록 옹벽 및 그 시공방법
JP5986967B2 (ja) 分割された盛土構築用壁面材ユニット
JP2005315011A (ja) 補強壁体及び補強土壁構造
JP2005273377A (ja) 混合擁壁及びその製造方法
JPH10168886A (ja) 鋼製自在枠による石詰め構造物とその根入れ方法
KR102542558B1 (ko) 통합결합부재를 이용하여 설치되는 복층 레이커 지지 구조의 흙막이 벽체의 보강구조물 및 보강방법
JP6485841B2 (ja) 盛土構造及びその構築方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090721

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4355580

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130807

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees