JP2005315011A - 補強壁体及び補強土壁構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 自然景観との調和を図ることが可能で、優れた耐久性を有する補強壁体を提供する。
【解決手段】 中間補強壁体3を、盛土の法面に配置する植生土嚢5と、植生土嚢5の後側に設けた、盛土内に埋設する埋設補強材8と、植生土嚢5の前側に設けた鉄筋メッシュ11と、埋設補強材8及び鉄筋メッシュ11を植生土嚢5に連結する中央連結材7と、から構成し、中央連結材7を、植生土嚢5の後側に設けた、上下方向に延びる後側柱部17と、植生土嚢5の前側に設けて鉄筋メッシュ11を取り付けた、上下方向に延びる前側柱部16と、植生土嚢5の下側に設けた、柱部16、17を連結する連結部18と、柱部16、17に跨るように植生土嚢5の上側に設けて埋設補強材8を取り付けた、柱部16、17に沿ってスライド可能なスライド連結部材14と、から構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】 中間補強壁体3を、盛土の法面に配置する植生土嚢5と、植生土嚢5の後側に設けた、盛土内に埋設する埋設補強材8と、植生土嚢5の前側に設けた鉄筋メッシュ11と、埋設補強材8及び鉄筋メッシュ11を植生土嚢5に連結する中央連結材7と、から構成し、中央連結材7を、植生土嚢5の後側に設けた、上下方向に延びる後側柱部17と、植生土嚢5の前側に設けて鉄筋メッシュ11を取り付けた、上下方向に延びる前側柱部16と、植生土嚢5の下側に設けた、柱部16、17を連結する連結部18と、柱部16、17に跨るように植生土嚢5の上側に設けて埋設補強材8を取り付けた、柱部16、17に沿ってスライド可能なスライド連結部材14と、から構成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、盛土の補強に用いられる補強壁体及びこのような補強壁体を複数個用いた補強土壁構造に関する。
従来、補強土壁を構築して盛土を補強する場合には、土留材または壁面材を積み重ねて壁面を形成するとともに、その後側または背面に盛土しながらこの盛土内に補強材を所定間隔で埋設するといった方法が用いられている。
補強材との摩擦抵抗によって土の移動を拘束できるため、このような方法を用いることにより、比較的簡単な構成で盛土の安定化を図ることが可能となる。
補強材との摩擦抵抗によって土の移動を拘束できるため、このような方法を用いることにより、比較的簡単な構成で盛土の安定化を図ることが可能となる。
一方、このような補強土壁に使用される補強壁体としては、周囲の自然景観に調和するものが好ましい。
そこで、土留材に土嚢、例えば植生土嚢を用いたり、壁面材に間伐材等の木材を用いたりするといったことが行われている。
土留材に土嚢を用いた補強壁体としては、ジオテキスタイルと称した可撓性を有する格子状の補強材を、盛土の法面に配置した土嚢を巻き込むように盛土内に埋設して構成するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
壁面材に木材を用いた補強壁体としては、可撓性を有する格子状の補強材を、盛土の法面を巻き込むように盛土内に埋設するとともに、この補強材の外側にフレームを設け、このフレームに壁材となる複数本の木材を串刺し状に取り付けて構成するものが知られている(例えば特許文献2参照)。
補強材と盛土の法面との間には植生マットを配置する。
また、木材は、串刺し状に取り付けてあるため、取り外し可能である、すなわち、腐食時や破損時等には交換可能である。
そこで、土留材に土嚢、例えば植生土嚢を用いたり、壁面材に間伐材等の木材を用いたりするといったことが行われている。
土留材に土嚢を用いた補強壁体としては、ジオテキスタイルと称した可撓性を有する格子状の補強材を、盛土の法面に配置した土嚢を巻き込むように盛土内に埋設して構成するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
壁面材に木材を用いた補強壁体としては、可撓性を有する格子状の補強材を、盛土の法面を巻き込むように盛土内に埋設するとともに、この補強材の外側にフレームを設け、このフレームに壁材となる複数本の木材を串刺し状に取り付けて構成するものが知られている(例えば特許文献2参照)。
補強材と盛土の法面との間には植生マットを配置する。
また、木材は、串刺し状に取り付けてあるため、取り外し可能である、すなわち、腐食時や破損時等には交換可能である。
しかしながら、上記のような補強壁体では、次のような問題点がある。
<1>特許文献1に記載された、補強材で土嚢を巻き込む構成の補強壁体は、補強材の露出部分が劣化しやすい。
しかも、補強材の露出部分が壁面材の役割を果たすため、壁面材が変形可能な構成となってしまい、耐久性に劣ったものとなる可能性がある。
<2>特許文献2に記載された、壁面材に木材を用いた補強壁体は、フレームがL字状に形成され、土圧等によるフレームの変形を防止するために先端部同士を連結する斜タイが取り付けられることから、木材を交換する際には、この斜タイを取り外す必要がある。
しかしながら、斜タイは、盛土内に埋設されるため、容易に取り外すことができず、木材の交換作業が煩わしいものとなってしまう。
また、補強材及び植生マットが土留材の役割を果たすため、盛土地盤の転圧が不十分であると、土圧によって補強材及び植生マットが壁面材に押し付けてられてしまい、その結果、木材の交換が困難となる可能性がある。
<1>特許文献1に記載された、補強材で土嚢を巻き込む構成の補強壁体は、補強材の露出部分が劣化しやすい。
しかも、補強材の露出部分が壁面材の役割を果たすため、壁面材が変形可能な構成となってしまい、耐久性に劣ったものとなる可能性がある。
<2>特許文献2に記載された、壁面材に木材を用いた補強壁体は、フレームがL字状に形成され、土圧等によるフレームの変形を防止するために先端部同士を連結する斜タイが取り付けられることから、木材を交換する際には、この斜タイを取り外す必要がある。
しかしながら、斜タイは、盛土内に埋設されるため、容易に取り外すことができず、木材の交換作業が煩わしいものとなってしまう。
また、補強材及び植生マットが土留材の役割を果たすため、盛土地盤の転圧が不十分であると、土圧によって補強材及び植生マットが壁面材に押し付けてられてしまい、その結果、木材の交換が困難となる可能性がある。
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、自然景観との調和を図ることが可能な補強壁体であって、優れた耐久性を有し、しかも、壁面材に木材を使用した場合には、木材の交換が容易な補強壁体及びこのような補強壁体を用いた補強土壁構造を提供することを目的とする。
上記のような目的を達成するための本発明の補強壁体は、盛土の法面に配置する土嚢と、この土嚢の後側に水平に延びるように設けた、盛土内に埋設する埋設補強材と、土嚢の前側に設けた壁面材と、壁面材を土嚢に連結し、かつ、埋設補強材を上下方向にスライド変位可能に土嚢に連結するための連結材と、を備えた補強壁体であって、連結材を、前側から下側、後側及び上側にわたって土嚢を囲うようにこの土嚢に設けたものである。
また、本発明の補強壁体は、盛土の法面に配置する土嚢と、この土嚢の後側に水平に延びるように設けた、盛土内に埋設する埋設補強材と、土嚢の前側に設けた壁面材と、埋設補強材及び壁面材を土嚢に連結するための連結材と、を備えた補強壁体であって、連結材は、土嚢の後側に設けた、上下方向に延びる後側柱部と、土嚢の前側に設けて壁面材を取り付けた、上下方向に延びる前側柱部と、土嚢が載置するようにこの土嚢の下側に設けた、前側柱部及び後側柱部を連結する連結部と、前側柱部及び後側柱部に跨るように土嚢の上側に設けて埋設補強材を取り付けた、前側柱部及び後側柱部に沿って上下方向にスライド可能なスライド連結部材と、を有しているものである。
また、本発明の補強壁体は、盛土の法面に配置する土嚢と、この土嚢の後側に水平に延びるように設けた、盛土内に埋設する埋設補強材と、土嚢の前側に設けた壁面材と、壁面材を土嚢に連結し、かつ、埋設補強材を上下方向にスライド変位可能に土嚢に連結するための連結材と、を備えた補強壁体であって、連結材を、前側部、下側部、後側部及び上側部から構成し、前側から下側、後側及び上側にわたって土嚢を囲うようにこの土嚢に設けるとともに、前側部よりもさらに前側に、上方に延びる貫通部を下側部に設けて構成し、壁面材を、複数本の木材を水平に串刺し状に貫通部に取り付けることにより構成した外壁部材と、前側部に取り付けて土嚢と外壁部材との間に配置した、土嚢の変形を規制して外壁部材への接触を防止する変形規制部材と、から構成するものである。
また、本発明の補強壁体は、盛土の法面に配置する土嚢と、この土嚢の後側に水平に延びるように設けた、盛土内に埋設する埋設補強材と、土嚢の前側に設けた壁面材と、埋設補強材及び壁面材を土嚢に連結するための連結材と、を備えた補強壁体であって、連結材は、土嚢の後側に設けた、上下方向に延びる後側柱部と、土嚢の前側に設けた、上下方向に延びる前側柱部と、前側柱部のさらに前側に設けた、上下方向に延びる貫通部と、土嚢が載置するようにこの土嚢の下側に設けた、貫通部、前側柱部及び後側柱部を連結する連結部と、前側柱部及び後側柱部に跨るように土嚢の上側に設けて埋設補強材を取り付けた、前側柱部及び後側柱部に沿って上下方向にスライド可能なスライド連結部材と、を有し、壁面材は、複数本の木材を水平に串刺し状に貫通部に取り付けることにより構成した外壁部材と、前側柱部に取り付けて土嚢と外壁部材との間に配置した、土嚢の変形を規制して外壁部材への接触を防止する変形規制部材と、を有しているものである。
さらに本発明は、前記の補強壁体であって、前記連結材は、前記貫通部及び前記前側柱部の上部に跨るように取り外し可能に取り付けた着脱連結部材をさらに有しているものである。
さらに本発明は、前記の補強壁体であって、前記連結材は、前記貫通部及び前記前側柱部の上部に跨るように取り外し可能に取り付けた着脱連結部材をさらに有しているものである。
さらに本発明は、前記の補強壁体であって、前記木材は間伐材であるものである。
さらに本発明は、前記の補強壁体であって、前記土嚢は植生土嚢であるものである。
さらに本発明は、前記の補強壁体であって、前記土嚢は植生土嚢であるものである。
また、本発明の補強土壁構造は、前記の補強壁体を複数個階段状に積み重ねて盛土に設置することにより盛土を補強するものである。
以上説明したように、本発明の補強壁体及び補強土壁構造は、次のような効果を得ることができる。
<1>土嚢、すなわち土留材と、壁材と、埋設補強材とをそれぞれ、別体として構成するとともに、これらを連結するための連結材を、土嚢を囲うように設けるため、構造的にも安定する。
特に、埋設補強材を上下方向にスライド可能なスライド連結部材に設け、このスライド連結部材を土嚢上に設けることにより、埋設補強材及び土嚢が圧密等による盛土地盤の沈下に効果的に追随できる。
したがって、本発明の補強壁体及び補強土壁構造は、外力及び土圧力の双方に対して優れた耐久性を有している。
<2>貫通部及び前記前側柱部の上部に跨るように取り外し可能に取り付けた、貫通部または連結材の変形を防止するための着脱連結部材によって壁面材を構成する木材は抜け止めされるが、着脱連結部材は、盛土の外側に露出しているため、取り外しが容易である、すなわち、木材の交換作業が容易となる。
しかも、土嚢と外壁部材との間に設けた変形規制部材により、土圧による土嚢の変形が規制され、土嚢が外壁部材に押し付けられてしまうといったことが防止されるため、木材の交換が常に容易となる。
<1>土嚢、すなわち土留材と、壁材と、埋設補強材とをそれぞれ、別体として構成するとともに、これらを連結するための連結材を、土嚢を囲うように設けるため、構造的にも安定する。
特に、埋設補強材を上下方向にスライド可能なスライド連結部材に設け、このスライド連結部材を土嚢上に設けることにより、埋設補強材及び土嚢が圧密等による盛土地盤の沈下に効果的に追随できる。
したがって、本発明の補強壁体及び補強土壁構造は、外力及び土圧力の双方に対して優れた耐久性を有している。
<2>貫通部及び前記前側柱部の上部に跨るように取り外し可能に取り付けた、貫通部または連結材の変形を防止するための着脱連結部材によって壁面材を構成する木材は抜け止めされるが、着脱連結部材は、盛土の外側に露出しているため、取り外しが容易である、すなわち、木材の交換作業が容易となる。
しかも、土嚢と外壁部材との間に設けた変形規制部材により、土圧による土嚢の変形が規制され、土嚢が外壁部材に押し付けられてしまうといったことが防止されるため、木材の交換が常に容易となる。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
<1>補強土壁構造
補強土壁構造1は、盛土を補強するものであり、図1に示すように、下側補強壁体2と中間補強壁体3と上側補強壁体4とを備えている。
下側補強壁体2は、盛土の下端部に横並びに複数個設置する。
中間補強壁体3は、下側補強壁体2に積み重ねて横並びに設置するが、盛土の高さに応じて数段に積み重ねる。
上側補強壁体4は、盛土の上端部に位置するように、中間補強壁体3に積み重ねて横並びに設置する。
補強土壁構造1は、盛土を補強するものであり、図1に示すように、下側補強壁体2と中間補強壁体3と上側補強壁体4とを備えている。
下側補強壁体2は、盛土の下端部に横並びに複数個設置する。
中間補強壁体3は、下側補強壁体2に積み重ねて横並びに設置するが、盛土の高さに応じて数段に積み重ねる。
上側補強壁体4は、盛土の上端部に位置するように、中間補強壁体3に積み重ねて横並びに設置する。
<2>中間補強壁体
中間補強壁体3は、図2に示すように、盛土の法面または側面に複数個(ここでは3個)横並びに設けた植生土嚢5と、両端の植生土嚢5及び中央の植生土嚢5にそれぞれ取り付けた両端連結材6及び中央連結材7と、それぞれの両端連結材6及び中央連結材7に取り付けた、埋設補強材8と、壁面材9と、を備えている。
壁面材9は、外壁部材10と、この外壁部材10及び植生土嚢5の間に設けた鉄筋メッシュ11(変形規制部材)と、を有している。
鉄筋メッシュ11は、縦鉄筋及び横鉄筋を格子状に組み合わせて構成する。
中間補強壁体3は、図2に示すように、盛土の法面または側面に複数個(ここでは3個)横並びに設けた植生土嚢5と、両端の植生土嚢5及び中央の植生土嚢5にそれぞれ取り付けた両端連結材6及び中央連結材7と、それぞれの両端連結材6及び中央連結材7に取り付けた、埋設補強材8と、壁面材9と、を備えている。
壁面材9は、外壁部材10と、この外壁部材10及び植生土嚢5の間に設けた鉄筋メッシュ11(変形規制部材)と、を有している。
鉄筋メッシュ11は、縦鉄筋及び横鉄筋を格子状に組み合わせて構成する。
<3>植生土嚢
植生土嚢5は、袋体内に腐葉土や植物の種子などを詰めることにより構成する。
袋体は、生育により植物が外部に突出できるように多数の孔を有する材料で形成し、横転しにくいようにほぼ立方体状またはほぼ直方体状に形成する。
また、袋体の上部には、両端連結材6または中央連結材7を取り付けるための掛け渡し帯部12を設ける。
植生土嚢5は、袋体内に腐葉土や植物の種子などを詰めることにより構成する。
袋体は、生育により植物が外部に突出できるように多数の孔を有する材料で形成し、横転しにくいようにほぼ立方体状またはほぼ直方体状に形成する。
また、袋体の上部には、両端連結材6または中央連結材7を取り付けるための掛け渡し帯部12を設ける。
<4>中央連結材
中央連結材7は、図3に示すように、中央連結材本体13と、スライド連結部材14(上側部)と、鉄筋メッシュ取り付け部材15と、を備えている。
中央連結材本体13は、鋼等の金属材料よってほぼU字状または横倒しのコ字状に形成する。
中央連結材本体13は、上下方向に延びる一対の柱部16(前側部)、17(後側部)と、前側柱部16及び後側柱部17の下端部同士を連結するように横方向に延びる連結部18(下側部)と、を有している。
一対の柱部16、17の間隔は、植生土嚢5の幅とほぼ等しく設定する。
スライド連結部材14は、鋼等の金属材料で形成し、棒部の両端部にそれぞれ、柱部16、17の外径よりもやや大きいスライド孔を設けたスライド板19、20を溶接等で固定することにより構成する。
その際、スライド板19、20のスライド孔の間隔を、一対の柱部16、17の間隔と等しくまたはほぼ等しく設定する。
すなわち、スライド連結部材14は、一対の柱部16、17に沿って上下方向にスライドできるように構成する。
また、後側スライド板20は、ボルトナット21により埋設補強材8を取り付け可能に構成する。
鉄筋メッシュ取り付け部材15は、鋼等の金属材料で板状に形成し、鉄筋メッシュ11の縦鉄筋及び前側柱部16がそれぞれ挿入可能な挿入孔を設ける。
鉄筋メッシュ取り付け部材15は、挿入孔から前側柱部16を貫通させてこの前側柱部16の上部及び下端部にそれぞれ一対取り付けるとともに、別の挿入孔にそれぞれ、鉄筋メッシュ11の縦鉄筋を貫通させて、一対で挟みつけることにより、鉄筋メッシュ11を前側柱部16に固定できるように構成する。
中央連結材7は、図3に示すように、中央連結材本体13と、スライド連結部材14(上側部)と、鉄筋メッシュ取り付け部材15と、を備えている。
中央連結材本体13は、鋼等の金属材料よってほぼU字状または横倒しのコ字状に形成する。
中央連結材本体13は、上下方向に延びる一対の柱部16(前側部)、17(後側部)と、前側柱部16及び後側柱部17の下端部同士を連結するように横方向に延びる連結部18(下側部)と、を有している。
一対の柱部16、17の間隔は、植生土嚢5の幅とほぼ等しく設定する。
スライド連結部材14は、鋼等の金属材料で形成し、棒部の両端部にそれぞれ、柱部16、17の外径よりもやや大きいスライド孔を設けたスライド板19、20を溶接等で固定することにより構成する。
その際、スライド板19、20のスライド孔の間隔を、一対の柱部16、17の間隔と等しくまたはほぼ等しく設定する。
すなわち、スライド連結部材14は、一対の柱部16、17に沿って上下方向にスライドできるように構成する。
また、後側スライド板20は、ボルトナット21により埋設補強材8を取り付け可能に構成する。
鉄筋メッシュ取り付け部材15は、鋼等の金属材料で板状に形成し、鉄筋メッシュ11の縦鉄筋及び前側柱部16がそれぞれ挿入可能な挿入孔を設ける。
鉄筋メッシュ取り付け部材15は、挿入孔から前側柱部16を貫通させてこの前側柱部16の上部及び下端部にそれぞれ一対取り付けるとともに、別の挿入孔にそれぞれ、鉄筋メッシュ11の縦鉄筋を貫通させて、一対で挟みつけることにより、鉄筋メッシュ11を前側柱部16に固定できるように構成する。
<5>両端連結材
両端連結材6は、図4に示すように、両端連結材本体22と、スライド連結部材14、と着脱連結部材23と、を備えている。
両端連結材本体22は、中央連結材本体13の構造を変更したものであり、同構成の部分は同符号を付して説明を省略する。
両端連結材本体22は、例えば鋼棒を変形や溶接などにより、ほぼW字状または横倒しのほぼE字状に形成する。
両端連結材本体22は、前側柱部16のさらに前側に、上下方向に延びる貫通部24を有し、貫通部24、柱部16及び17の下端部同士を、横方向に延びる連結部25(下側部)により連結して構成する。
前側柱部16と貫通部24との間隔は、外壁部材10が、例えば、鉄筋メッシュ11に接触しないように、外壁部材10の厚さに応じて設定する。
着脱連結部材23は、鋼等の金属材料で板状に形成し、前側柱部16及び貫通部24がそれぞれ挿入可能な挿入孔を設ける。
そして、挿入孔にそれぞれ、前側柱部16及び貫通部24を通すことにより、前側柱部16及び貫通部24を連結固定できるように構成する。
両端連結材6は、図4に示すように、両端連結材本体22と、スライド連結部材14、と着脱連結部材23と、を備えている。
両端連結材本体22は、中央連結材本体13の構造を変更したものであり、同構成の部分は同符号を付して説明を省略する。
両端連結材本体22は、例えば鋼棒を変形や溶接などにより、ほぼW字状または横倒しのほぼE字状に形成する。
両端連結材本体22は、前側柱部16のさらに前側に、上下方向に延びる貫通部24を有し、貫通部24、柱部16及び17の下端部同士を、横方向に延びる連結部25(下側部)により連結して構成する。
前側柱部16と貫通部24との間隔は、外壁部材10が、例えば、鉄筋メッシュ11に接触しないように、外壁部材10の厚さに応じて設定する。
着脱連結部材23は、鋼等の金属材料で板状に形成し、前側柱部16及び貫通部24がそれぞれ挿入可能な挿入孔を設ける。
そして、挿入孔にそれぞれ、前側柱部16及び貫通部24を通すことにより、前側柱部16及び貫通部24を連結固定できるように構成する。
<6>外壁部材
外壁部材10は、複数本の間伐材26から構成する。
間伐材26は、ほぼ等しい太さのものを選定することが好ましい。
間伐材26は、長さ方向の両側の所定個所に、径方向または幅方向に貫通する貫通孔27を設けておく。
そして、貫通孔27から両端連結材6の貫通部24にそれぞれ、水平方向に串刺し状に取り付け、両端連結材6、6に張り渡すように設ける。
このようにして、複数本の間伐材26を両端連結材6の貫通部24に連続的に取り付けることにより、外壁部材10を構成する。
なお、間伐材26同士の密着性を高めるために、間伐材26の貫通孔27を設けた径方向または幅方向両端部をそれぞれ、あらかじめ平面状に削っておくことが好ましい。
外壁部材10は、複数本の間伐材26から構成する。
間伐材26は、ほぼ等しい太さのものを選定することが好ましい。
間伐材26は、長さ方向の両側の所定個所に、径方向または幅方向に貫通する貫通孔27を設けておく。
そして、貫通孔27から両端連結材6の貫通部24にそれぞれ、水平方向に串刺し状に取り付け、両端連結材6、6に張り渡すように設ける。
このようにして、複数本の間伐材26を両端連結材6の貫通部24に連続的に取り付けることにより、外壁部材10を構成する。
なお、間伐材26同士の密着性を高めるために、間伐材26の貫通孔27を設けた径方向または幅方向両端部をそれぞれ、あらかじめ平面状に削っておくことが好ましい。
<7>埋設補強材
埋設補強材8は、例えば鋼等の金属材料により、帯状に形成する。
なお、埋設補強材8は、土砂の拘束力を高めるために、突起やリブ等(図示せず)を設けて構成してもよい。
また、埋設補強材8は、帯状のほか、棒状、面状、格子状などに形成してもよい。
埋設補強材8は、例えば鋼等の金属材料により、帯状に形成する。
なお、埋設補強材8は、土砂の拘束力を高めるために、突起やリブ等(図示せず)を設けて構成してもよい。
また、埋設補強材8は、帯状のほか、棒状、面状、格子状などに形成してもよい。
<8>組み立て
中間補強壁体3を組み立てるときは、まず、両端連結材6の貫通部24に間伐材26を取り付けて外壁部材10を構成する。
これにより、両端連結材6は立設した状態に保持される。
次に、それぞれの両端連結材6の一対の柱部16、17の間に、植生土嚢5を連結部25上に載置するように設ける。
そして、一対の柱部16、17にわたってスライド連結部材14を配置する。
このとき、スライド連結部材14は、一対の柱部16、17に沿ってスライド可能に構成してあるため、植生土嚢5上に載る。
これにより、両端連結材6は、植生土嚢5を囲うように配置される。
そしてさらに、掛け渡し帯部12をスライド連結部材14に掛け渡すことにより、両端連結材6を植生土嚢5に取り付ける。
一方、中央連結材7も両端連結材6と同様に、一対の柱部16、17の間に、植生土嚢5を連結部18上に載置するように設け、一対の柱部16、17にわたってスライド連結部材14を配置して、掛け渡し帯部12をスライド連結部材14に掛け渡すことにより、植生土嚢5に取り付ける。
その際、鉄筋メッシュ取り付け部材15をあらかじめ、前側柱部16の下端部に配置しておく。
次に、中央連結材7を取り付けた植生土嚢5を、一対の柱部16、17が平行またはほぼ平行となるように、両端連結材6をそれぞれ取り付けた、両端の植生土嚢5の間に配置する。
そして、中央連結材7の前側柱部16の上部に他の鉄筋メッシュ取り付け部材15を配置するとともに、一対の鉄筋メッシュ取り付け部材15により、鉄筋メッシュ11を、中央連結材7の前側柱部16に取り付けて外壁部材10と植生土嚢5との間に配置する。
また、両端連結材6には、前側柱部16及び貫通部24の上部または上端部にわたって着脱連結部材23を取り付け、前側柱部16及び貫通部24を連結固定する。
着脱連結部材23によって前側柱部16及び貫通部24を連結固定することにより、両端連結材6は、ほぼ矩形を構成するため、構造的な強度が高められる。
なお、柱部16、17及び貫通部24の上端部に雄ネジ部(図示せず)を構成しておき、この雄ネジ部にナット等の雌ネジを嵌め付けることにより、スライド連結部材14、鉄筋メッシュ取り付け部材15、間伐材26及び着脱連結部材23を抜け止め可能に構成することが好ましい。
その後、ボルトナット21により、スライド連結部材14の後側スライド板20にそれぞれ、埋設補強材8を、水平方向に延びるように長さ方向一端部を取り付ければ、中間補強壁体3の組み立てが完了する。
中間補強壁体3を組み立てるときは、まず、両端連結材6の貫通部24に間伐材26を取り付けて外壁部材10を構成する。
これにより、両端連結材6は立設した状態に保持される。
次に、それぞれの両端連結材6の一対の柱部16、17の間に、植生土嚢5を連結部25上に載置するように設ける。
そして、一対の柱部16、17にわたってスライド連結部材14を配置する。
このとき、スライド連結部材14は、一対の柱部16、17に沿ってスライド可能に構成してあるため、植生土嚢5上に載る。
これにより、両端連結材6は、植生土嚢5を囲うように配置される。
そしてさらに、掛け渡し帯部12をスライド連結部材14に掛け渡すことにより、両端連結材6を植生土嚢5に取り付ける。
一方、中央連結材7も両端連結材6と同様に、一対の柱部16、17の間に、植生土嚢5を連結部18上に載置するように設け、一対の柱部16、17にわたってスライド連結部材14を配置して、掛け渡し帯部12をスライド連結部材14に掛け渡すことにより、植生土嚢5に取り付ける。
その際、鉄筋メッシュ取り付け部材15をあらかじめ、前側柱部16の下端部に配置しておく。
次に、中央連結材7を取り付けた植生土嚢5を、一対の柱部16、17が平行またはほぼ平行となるように、両端連結材6をそれぞれ取り付けた、両端の植生土嚢5の間に配置する。
そして、中央連結材7の前側柱部16の上部に他の鉄筋メッシュ取り付け部材15を配置するとともに、一対の鉄筋メッシュ取り付け部材15により、鉄筋メッシュ11を、中央連結材7の前側柱部16に取り付けて外壁部材10と植生土嚢5との間に配置する。
また、両端連結材6には、前側柱部16及び貫通部24の上部または上端部にわたって着脱連結部材23を取り付け、前側柱部16及び貫通部24を連結固定する。
着脱連結部材23によって前側柱部16及び貫通部24を連結固定することにより、両端連結材6は、ほぼ矩形を構成するため、構造的な強度が高められる。
なお、柱部16、17及び貫通部24の上端部に雄ネジ部(図示せず)を構成しておき、この雄ネジ部にナット等の雌ネジを嵌め付けることにより、スライド連結部材14、鉄筋メッシュ取り付け部材15、間伐材26及び着脱連結部材23を抜け止め可能に構成することが好ましい。
その後、ボルトナット21により、スライド連結部材14の後側スライド板20にそれぞれ、埋設補強材8を、水平方向に延びるように長さ方向一端部を取り付ければ、中間補強壁体3の組み立てが完了する。
<9>下側補強壁体
下側補強壁体2は、中間補強壁体3の構造を変更したものであり、同構成の部分は同符号を付して説明を省略する。
下側補強壁体2は、両端連結材6及び中央連結材7にそれぞれ、水平方向に延びる埋設補強材8を2つ取り付けて構成する。
一方の埋設補強材8は、スライド連結部材14の下側に位置するように、後側柱部17に沿ってスライド可能に設けたスライド部材28に、ボルトナット21によって取り付ける。
スライド部材28は、後側スライド板20とほぼ等しく構成する。
下側補強壁体2も中間補強壁体3と同様に組み立てるが、両端連結材6及び中央連結材7の植生土嚢5への取り付け前に、後側柱部17にスライド部材28をあらかじめ取り付けておく。
下側補強壁体2は、中間補強壁体3の構造を変更したものであり、同構成の部分は同符号を付して説明を省略する。
下側補強壁体2は、両端連結材6及び中央連結材7にそれぞれ、水平方向に延びる埋設補強材8を2つ取り付けて構成する。
一方の埋設補強材8は、スライド連結部材14の下側に位置するように、後側柱部17に沿ってスライド可能に設けたスライド部材28に、ボルトナット21によって取り付ける。
スライド部材28は、後側スライド板20とほぼ等しく構成する。
下側補強壁体2も中間補強壁体3と同様に組み立てるが、両端連結材6及び中央連結材7の植生土嚢5への取り付け前に、後側柱部17にスライド部材28をあらかじめ取り付けておく。
<10>補強土壁構造の構築
補強土壁構造1を構築するときは、まず、盛土の法面または側面となる位置に、下側補強壁体2の植生土嚢5を、後側柱部17が盛土側となるように配置する。
すなわち、植生土嚢5は、表面側(前側)から下側、背面側(後側)、及び上側にわたって、両端連結材6または中央連結材7に囲われるように、盛土の法面または側面となる位置に配置する。
下側補強壁体2は、盛土の長さに応じて横並びに複数個配置する。
次に、スライド部材28が後側柱部17の下端部に位置するように、下側の埋設補強材8を地盤上に敷設する。
そして、下側補強壁体2の植生土嚢5の後側または背面側を、この植生土嚢5の高さとほぼ等しい高さまで盛土して埋設補強材8を埋め、この盛土Aを転圧する。
そしてさらに、盛土A上にスライド連結部材14に取り付けた埋設補強材8を敷設する。
こうして、下側補強壁体2の盛土への設置が終了したら、下側補強壁体2の植生土嚢5上に、中間補強壁体3の植生土嚢5を階段状に積み重ねる。
中間補強壁体3も、盛土の長さに応じて横並びに複数個配置する。
そして、下側補強壁体2の設置と同様に、中間補強壁体3の植生土嚢5の後側または背面側を、この植生土嚢5の高さとほぼ等しい高さまで盛土して下側補強壁体2の埋設補強材8を埋め、この盛土Bを転圧して、盛土B上にスライド連結部材14に取り付けた埋設補強材8を敷設する。
中間補強壁体3は、盛土の高さに応じて、同様に階段状に数段積み重ねて盛土に設置する。
なお、下側補強壁体2及び中間補強壁体3は、盛土への設置時に組み立ててもよく、あらかじめ組み立ててから盛土に設置してもよい。
補強土壁構造1を構築するときは、まず、盛土の法面または側面となる位置に、下側補強壁体2の植生土嚢5を、後側柱部17が盛土側となるように配置する。
すなわち、植生土嚢5は、表面側(前側)から下側、背面側(後側)、及び上側にわたって、両端連結材6または中央連結材7に囲われるように、盛土の法面または側面となる位置に配置する。
下側補強壁体2は、盛土の長さに応じて横並びに複数個配置する。
次に、スライド部材28が後側柱部17の下端部に位置するように、下側の埋設補強材8を地盤上に敷設する。
そして、下側補強壁体2の植生土嚢5の後側または背面側を、この植生土嚢5の高さとほぼ等しい高さまで盛土して埋設補強材8を埋め、この盛土Aを転圧する。
そしてさらに、盛土A上にスライド連結部材14に取り付けた埋設補強材8を敷設する。
こうして、下側補強壁体2の盛土への設置が終了したら、下側補強壁体2の植生土嚢5上に、中間補強壁体3の植生土嚢5を階段状に積み重ねる。
中間補強壁体3も、盛土の長さに応じて横並びに複数個配置する。
そして、下側補強壁体2の設置と同様に、中間補強壁体3の植生土嚢5の後側または背面側を、この植生土嚢5の高さとほぼ等しい高さまで盛土して下側補強壁体2の埋設補強材8を埋め、この盛土Bを転圧して、盛土B上にスライド連結部材14に取り付けた埋設補強材8を敷設する。
中間補強壁体3は、盛土の高さに応じて、同様に階段状に数段積み重ねて盛土に設置する。
なお、下側補強壁体2及び中間補強壁体3は、盛土への設置時に組み立ててもよく、あらかじめ組み立ててから盛土に設置してもよい。
<11>上側補強壁体の設置
中間補強壁体3の盛土への設置が終了したら、上側補強壁体2を設置する。
上側補強壁体2は、植生土嚢29と、連結材30と、壁面材31と、埋設補強材8と、を備えている。
植生土嚢29は、植生土嚢5とほぼ等しい構成であるが、植生土嚢5よりも小さい高さに構成する。
連結材30は、L字状または釣り針状に形成したL字状材32と、中央連結材本体13と同構成のU字状材33と、スライド部材28と、一対の鉄筋メッシュ取り付け部材15と、を有している。
L字状材32は、上下方向に延びる貫通部34と、上下方向に短く延びるガイド部35と、貫通部34及びガイド部35の下端部同士を連結する連結部36と、を有し、貫通部34とガイド部35との間隔を、両端連結材6の貫通部24と後側柱部17との間隔と等しく設定する。
壁面材31は、複数本の間伐材37から構成した外壁部材38と、鉄筋メッシュ39と、を有している。
鉄筋メッシュ39の高さは、貫通部34の高さとほぼ等しく設定する。
上側補強壁体2の設置は、まず、複数のL字状材32にわたって、貫通部34に間伐材37を、間伐材26の取り付けと同様に、水平に串刺し状に取り付けて外壁部材38を構成するとともに、ガイド部35にスライド部材28をスライド可能に取り付ける。
次に、これらのL字状材32を最上段の中間補強壁体3の植生土嚢5上に配置するとともに、ガイド部35に接するように連結部36上に植生土嚢29を配置する。
このとき、植生土嚢29は、植生土嚢5上に階段状に積み重ねた状態にする。
次に、複数のU字状材33にわたり、一対の鉄筋メッシュ取り付け部材15によって前側柱部16に鉄筋メッシュ39を取り付け、これらのU字状材33をそれぞれ、一対の柱部16、17で挟みつけ、連結部18が載置するように、植生土嚢29に配置する。
この状態では、鉄筋メッシュ39は、植生土嚢29と外壁部材38との間に入り込む。
また、植生土嚢29は、前側または表面側から、下側、後側または背面側、及び上側にわたって、連結材30に囲われた状態となる。
次に、植生土嚢29の後側または背面側を、この植生土嚢5のほぼ半分の高さまで盛土し、この盛土Cを転圧する。
そして、埋設補強材8を、スライド部材28に取り付けてこの盛土C上に敷設し、鉄筋メッシュ39よりも内側をさらに盛土してこの埋設補強材8及び植生土嚢29を埋設し、この盛土Dを転圧する。
最後に、盛土Dの上端部または上端面に、コンクリートやアスファルトなどによって路面E等を施工することにより補強土壁構造1が完成する。
補強土壁構造1は、土留材が植生土嚢5、29で構成され、なおかつ、埋設補強材8が上下方向にスライド可能であるため、盛土地盤の圧密沈下に追随することができる。
また、両端連結材6、中央連結材7及び連結材30は、植生土嚢5を囲うように設けられ、両端連結材6及び中央連結材7は、上側部、すなわちスライド連結部材14が上下方向にスライド可能であるため、土圧等による変形が効果的に防止される。
さらに、外壁部材10、38は、植生土嚢5、29への直射日光を遮るため、植生土嚢5、29の紫外線による劣化を防止する。
中間補強壁体3の盛土への設置が終了したら、上側補強壁体2を設置する。
上側補強壁体2は、植生土嚢29と、連結材30と、壁面材31と、埋設補強材8と、を備えている。
植生土嚢29は、植生土嚢5とほぼ等しい構成であるが、植生土嚢5よりも小さい高さに構成する。
連結材30は、L字状または釣り針状に形成したL字状材32と、中央連結材本体13と同構成のU字状材33と、スライド部材28と、一対の鉄筋メッシュ取り付け部材15と、を有している。
L字状材32は、上下方向に延びる貫通部34と、上下方向に短く延びるガイド部35と、貫通部34及びガイド部35の下端部同士を連結する連結部36と、を有し、貫通部34とガイド部35との間隔を、両端連結材6の貫通部24と後側柱部17との間隔と等しく設定する。
壁面材31は、複数本の間伐材37から構成した外壁部材38と、鉄筋メッシュ39と、を有している。
鉄筋メッシュ39の高さは、貫通部34の高さとほぼ等しく設定する。
上側補強壁体2の設置は、まず、複数のL字状材32にわたって、貫通部34に間伐材37を、間伐材26の取り付けと同様に、水平に串刺し状に取り付けて外壁部材38を構成するとともに、ガイド部35にスライド部材28をスライド可能に取り付ける。
次に、これらのL字状材32を最上段の中間補強壁体3の植生土嚢5上に配置するとともに、ガイド部35に接するように連結部36上に植生土嚢29を配置する。
このとき、植生土嚢29は、植生土嚢5上に階段状に積み重ねた状態にする。
次に、複数のU字状材33にわたり、一対の鉄筋メッシュ取り付け部材15によって前側柱部16に鉄筋メッシュ39を取り付け、これらのU字状材33をそれぞれ、一対の柱部16、17で挟みつけ、連結部18が載置するように、植生土嚢29に配置する。
この状態では、鉄筋メッシュ39は、植生土嚢29と外壁部材38との間に入り込む。
また、植生土嚢29は、前側または表面側から、下側、後側または背面側、及び上側にわたって、連結材30に囲われた状態となる。
次に、植生土嚢29の後側または背面側を、この植生土嚢5のほぼ半分の高さまで盛土し、この盛土Cを転圧する。
そして、埋設補強材8を、スライド部材28に取り付けてこの盛土C上に敷設し、鉄筋メッシュ39よりも内側をさらに盛土してこの埋設補強材8及び植生土嚢29を埋設し、この盛土Dを転圧する。
最後に、盛土Dの上端部または上端面に、コンクリートやアスファルトなどによって路面E等を施工することにより補強土壁構造1が完成する。
補強土壁構造1は、土留材が植生土嚢5、29で構成され、なおかつ、埋設補強材8が上下方向にスライド可能であるため、盛土地盤の圧密沈下に追随することができる。
また、両端連結材6、中央連結材7及び連結材30は、植生土嚢5を囲うように設けられ、両端連結材6及び中央連結材7は、上側部、すなわちスライド連結部材14が上下方向にスライド可能であるため、土圧等による変形が効果的に防止される。
さらに、外壁部材10、38は、植生土嚢5、29への直射日光を遮るため、植生土嚢5、29の紫外線による劣化を防止する。
<12>間伐材の交換
補強土壁構造1は、盛土地盤の圧密沈下などによって植生土嚢5、29が変形しても、鉄筋メッシュ11、39により植生土嚢5、29の外壁部材10、38への接触が防止される。
したがって、間伐材26、37の交換が容易である。
間伐材37を取り外すときは、上方にスライドさせて貫通部34から抜き取ればよい。
また、間伐材26を取り外すときは、着脱連結部材23を貫通部24及び前側柱部16から取り外してから、上方にスライドさせて貫通部24から抜き取ればよい。
補強土壁構造1は、盛土地盤の圧密沈下などによって植生土嚢5、29が変形しても、鉄筋メッシュ11、39により植生土嚢5、29の外壁部材10、38への接触が防止される。
したがって、間伐材26、37の交換が容易である。
間伐材37を取り外すときは、上方にスライドさせて貫通部34から抜き取ればよい。
また、間伐材26を取り外すときは、着脱連結部材23を貫通部24及び前側柱部16から取り外してから、上方にスライドさせて貫通部24から抜き取ればよい。
<13>補強壁体及び補強土壁構造の変更例
本発明の補強壁体及び補強土壁構造は、間伐材26、37を用いずに構成してもよい。
このような場合には、図5に示すように、下側補強壁体2及び中間補強壁体3をそれぞれ、両端連結材6に代えて、両端の植生土嚢5にも中央連結材7を取り付けることにより構成する。
そして、鉄筋メッシュ11を、一対の鉄筋メッシュ取り付け部材15によってそれぞれの中央連結材7の前側柱部16に取り付けて、植生土嚢5の前側または表面側に配置する。
すなわち、壁面材を鉄筋メッシュ11のみで構成する。
このような構成により、植生土嚢5、29の露出部分が大きくなるため、盛土法面または側面の緑化を効果的に図ることができる。
本発明の補強壁体及び補強土壁構造は、間伐材26、37を用いずに構成してもよい。
このような場合には、図5に示すように、下側補強壁体2及び中間補強壁体3をそれぞれ、両端連結材6に代えて、両端の植生土嚢5にも中央連結材7を取り付けることにより構成する。
そして、鉄筋メッシュ11を、一対の鉄筋メッシュ取り付け部材15によってそれぞれの中央連結材7の前側柱部16に取り付けて、植生土嚢5の前側または表面側に配置する。
すなわち、壁面材を鉄筋メッシュ11のみで構成する。
このような構成により、植生土嚢5、29の露出部分が大きくなるため、盛土法面または側面の緑化を効果的に図ることができる。
1 補強土壁構造
2 下側補強壁体
3 中間補強壁体
4 上側補強壁体
5、29 植生土嚢
6 両端連結材
7 中央連結材
8 埋設補強材
9、31 壁面材
10、38 外壁部材
11、39 鉄筋メッシュ(変形規制部材)
14 スライド連結部材(上側部)
16 前側柱部(前側部)
17 後側柱部(後側部)
18、25 連結部(下側部)
26、37 間伐材(木材)
30 連結材
2 下側補強壁体
3 中間補強壁体
4 上側補強壁体
5、29 植生土嚢
6 両端連結材
7 中央連結材
8 埋設補強材
9、31 壁面材
10、38 外壁部材
11、39 鉄筋メッシュ(変形規制部材)
14 スライド連結部材(上側部)
16 前側柱部(前側部)
17 後側柱部(後側部)
18、25 連結部(下側部)
26、37 間伐材(木材)
30 連結材
Claims (8)
- 盛土の法面に配置する土嚢と、
この土嚢の後側に水平に延びるように設けた、盛土内に埋設する埋設補強材と、
土嚢の前側に設けた壁面材と、
壁面材を土嚢に連結し、かつ、埋設補強材を上下方向にスライド変位可能に土嚢に連結するための連結材と、を備えた補強壁体であって、
連結材を、前側から下側、後側及び上側にわたって土嚢を囲うようにこの土嚢に設けた、ことを特徴とする補強壁体。 - 盛土の法面に配置する土嚢と、
この土嚢の後側に水平に延びるように設けた、盛土内に埋設する埋設補強材と、
土嚢の前側に設けた壁面材と、
埋設補強材及び壁面材を土嚢に連結するための連結材と、を備えた補強壁体であって、
連結材は、
土嚢の後側に設けた、上下方向に延びる後側柱部と、
土嚢の前側に設けて壁面材を取り付けた、上下方向に延びる前側柱部と、
土嚢が載置するようにこの土嚢の下側に設けた、前側柱部及び後側柱部を連結する連結部と、
前側柱部及び後側柱部に跨るように土嚢の上側に設けて埋設補強材を取り付けた、前側柱部及び後側柱部に沿って上下方向にスライド可能なスライド連結部材と、を有している、ことを特徴とする補強壁体。 - 盛土の法面に配置する土嚢と、
この土嚢の後側に水平に延びるように設けた、盛土内に埋設する埋設補強材と、
土嚢の前側に設けた壁面材と、
壁面材を土嚢に連結し、かつ、埋設補強材を上下方向にスライド変位可能に土嚢に連結するための連結材と、を備えた補強壁体であって、
連結材を、前側部、下側部、後側部及び上側部から構成し、前側から下側、後側及び上側にわたって土嚢を囲うようにこの土嚢に設けるとともに、前側部よりもさらに前側に、上方に延びる貫通部を下側部に設けて構成し、
壁面材を、
複数本の木材を水平に串刺し状に貫通部に取り付けることにより構成した外壁部材と、
前側部に取り付けて土嚢と外壁部材との間に配置した、土嚢の変形を規制して外壁部材への接触を防止する変形規制部材と、から構成する、ことを特徴とする補強壁体。 - 盛土の法面に配置する土嚢と、
この土嚢の後側に水平に延びるように設けた、盛土内に埋設する埋設補強材と、
土嚢の前側に設けた壁面材と、
埋設補強材及び壁面材を土嚢に連結するための連結材と、を備えた補強壁体であって、
連結材は、
土嚢の後側に設けた、上下方向に延びる後側柱部と、
土嚢の前側に設けた、上下方向に延びる前側柱部と、
前側柱部のさらに前側に設けた、上下方向に延びる貫通部と、
土嚢が載置するようにこの土嚢の下側に設けた、貫通部、前側柱部及び後側柱部を連結する連結部と、
前側柱部及び後側柱部に跨るように土嚢の上側に設けて埋設補強材を取り付けた、前側柱部及び後側柱部に沿って上下方向にスライド可能なスライド連結部材と、を有し、
壁面材は、
複数本の木材を水平に串刺し状に貫通部に取り付けることにより構成した外壁部材と、
前側柱部に取り付けて土嚢と外壁部材との間に配置した、土嚢の変形を規制して外壁部材への接触を防止する変形規制部材と、を有している、ことを特徴とする補強壁体。 - 前記連結材は、前記貫通部及び前記前側柱部の上部に跨るように取り外し可能に取り付けた着脱連結部材をさらに有している、ことを特徴とする請求項4に記載の補強壁体。
- 前記木材は間伐材である、ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の補強壁体。
- 前記土嚢は植生土嚢である、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の補強壁体。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の補強壁体を複数個階段状に積み重ねて盛土に設置することにより盛土を補強する、ことを特徴とする補強壁構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1937902A1 (en) * | 2005-10-18 | 2008-07-02 | Shin, Seung Jong | Supporting member, retaining wall structure having the same and building method thereof |
JP2015014163A (ja) * | 2013-07-08 | 2015-01-22 | 大成建設株式会社 | 緑化法面構造及び緑化法面構造の構築方法 |
JP2015151669A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-24 | 三菱樹脂インフラテック株式会社 | 補強土壁 |
JP2017078295A (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | クリアーシステム株式会社 | 水和硬化バッグ及びそれを用いた固定構造物設置方法 |
-
2004
- 2004-04-30 JP JP2004136003A patent/JP2005315011A/ja active Pending
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