JP3240785U - 擁壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工を容易にして作業工数の低下及び作業能率の向上、更には施工全体のコストダウン及び品質向上を図るとともに、加えて安全性の向上を図る。【解決手段】メッシュホルダ2を、裏込材Bを施工する領域Zm内に設置するとともに、メッシュホルダ2における裏込材Bを収容する収容面の一部又は全部に透水性シート材3を付設し、この透水性シート材3を含むメッシュホルダ2に、裏込材Bを収容し、かつ締固めを行うことにより、被施工面Gfに沿って所定段数にわたって裏込材単段層部4を構築するとともに、一又は二以上のアンカ筋31…を埋設した基礎コンクリート30及び中込コンクリートCを備え、このアンカ筋31…と壁面部材Wp…を支持鉄筋12…により結合固定する。【選択図】図1

Description

本考案は、道路,護岸,宅地造成等の法面に施工する擁壁に関する。
一般に、地面に対して所定の角度で傾斜した被施工面に対して、裏込材を施工するとともに、地面に対して所定角度で傾斜し、かつ縦方向及び/又は横方向に配列する一又は二以上の壁面部材を施工し、前記裏込材と前記壁面部材間にコンクリートを打設することにより構築する擁壁としては、特許文献1に開示される施工方法による擁護が知られている。この施工方法は、裏型枠を用いるコンクリートブロックの擁壁施工において、施工時間の短縮を可能とし、かつ作業の安全性向上を図ることを目的としたものであり、具体的には、控部を有する積みブロックを、法面と間隔を置いて組積みするとともに、控部と法面との間にネットにより仕切り、このネットと法面との間に裏込材を投入して締固めるとともに、積みブロックとネットとの間にコンクリートを打設するものである。
しかし、この施工方法は、基本的に、傾斜した法面と積みブロック間に、裏込材を投入して締固める方法のため、地面に対する法面及び積みブロックの傾斜角が緩やかになる場合、或いは法面と積みブロック間が狭い場合などの条件下では、積みブロックが障害となり、裏込材を投入した後におけるプレートコンパクターやタイピングランマー等の作業機械による締固めを容易に行うことができない。結局、この場合、十分な締固めを行うことができないとともに、作業性の悪化や安全性の低下を招く問題があり、この問題に対処する工法による擁壁も提案されている。
従来、この問題に対処する工法としては、特許文献2に開示される擁壁の施工方法が知られている。この施工方法は、運搬・据付重量を軽減して組積み作業を容易にし、背面構造との一体化を可能にすることを目的としたものであり、具体的には、前面ブロックと、この前面ブロックの背面側に設けられる裏込め材充填部と、この裏込め材充填部のコンクリート部及び砕石類に巻くジオテキスタイルとを備え、前面ブロックを積み上げると共に左右方向に並べ、個々の前面ブロックの裏込め材充填部を囲んで巻き付けるようにジオテキスタイルを配置するとともに、前面ブロックと法面との間に裏込め材を充填して単位擁壁構造体を形成し、ジオテキスタイルにより前面ブロックと裏込め材とが一体化されることにより、裏込め材がジオテキスタイルに巻かれて補強されるようにしたものである。
特開平5-187029号公報 特開2005-97949号公報
しかし、上述した特許文献2に開示される従来の施工方法による擁壁は、次のような問題点があった。
第一に、一つ一つの前面ブロックに対して、Z形,コの字型を含む二つ或いは三つのジオテキスタイルを組合わせて使用するとともに、各ジオテキスタイルは、前面ブロックに対して付設することにより、各前面ブロック毎の単位擁壁構造体を構成するため、二つ或いは三つの異なる形状を有するジオテキスタイルを、各前面ブロック毎に用意する必要があり、施工に使用する部材点数が多くなる。したがって、保管や搬送面において不利になるとともに、部材コストの上昇により、施工全体のコストアップを招く。
第二に、各ジオテキスタイルを、前面ブロックに対して付設することにより、各前面ブロック毎の単位擁壁構造体を構成するため、施工が大変となる。また、例示されるブロック状の前面ブロックには適用できるとしても、パネル状の前面ブロックの場合には適用が困難になるなど、適応性及び汎用性に劣る。しかも、適用できたとしても、ジオテキスタイルを前面ブロック側に付設するため、裏込材を投入して作業機械により締固めを行う場合における容易性や作業性についてはほとんど解消されない。
本考案は、このような背景技術に存在する課題を解決した擁壁の提供を目的とするものである。
本考案は、上述した課題を解決するため、地面Geに対して所定角度Rmで傾斜した被施工面Gfに対して、裏込材Bを施工するとともに、地面Geに対して所定角度Rwで傾斜し、かつ縦方向及び/又は横方向に配列する一又は二以上の壁面部材Wp…を施工し、裏込材Bと壁面部材Wp…間に中込コンクリートCを打設して構築した擁壁1であって、線部材E…を組合わせることにより、折曲部K1…を介して裏込材Bに対する一つの単段層の締固め要求高さHvに設定した垂直面部2v及び所定長さLhに選定した水平面部2hを少なくとも有してなるメッシュホルダ2,及びメッシュホルダ2に付設する透水性シート材3を備え、メッシュホルダ2を、裏込材Bを施工する領域Zm内に設置するとともに、メッシュホルダ2における裏込材Bを収容する収容面2iの一部又は全部に透水性シート材3を付設し、この透水性シート材3を含むメッシュホルダ2に、裏込材Bを収容し、かつ締固めを行うことにより、被施工面Gfに沿って所定段数Nにわたって裏込材単段層部4を構築するとともに、一又は二以上のアンカ筋31…を埋設した基礎コンクリート30及び中込コンクリートCを備え、このアンカ筋31…と壁面部材Wp…を支持鉄筋12…により結合固定してなることを特徴とする。
一方、本考案は、考案の好適な態様により、所定段数Nは、壁面部材Wpの高さHwに基づいて設定することができる。また、メッシュホルダ2は、線部材E…となる鉄筋材Er…を溶接して構成することができるとともに、透水性シート材3には、不織布素材3rを用いることができる。
このような本考案に係る擁壁1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 裏込材Bに対する締固めを壁面部材Wpから離間した位置において一定の高さ単位で行うことができる。したがって、裏込材Bを投入した後における作業機械による締固めも壁面部材Wp…の影響を受けることなく容易かつ確実に行うことができるとともに、裏込材単段層部4を被施工面Gfに沿って所定段数Nまで階段状に構築するため、作業用足場等の作業スペースや仮設土留を容易に確保できる。この結果、施工全体の容易性及び作業性を高めることができ、作業能率及び作業効率の向上を図れるとともに、安全性の向上にも寄与できる。
(2) 基本的にはメッシュホルダ2及び透水性シート材3を用意すれば足りるため、施工に使用する部材点数を大幅に削減できる。したがって、擁壁1に対する施工コストを大幅に低減できるとともに、擁壁1全体の品質向上にも寄与できる。しかも、壁面部材Wp…がブロック状であるかパネル状であるかを問わずに適用できるとともに、緩やかな傾斜の被施工面Gfであっても施工可能になるなど、適応性及び汎用的の高い工法として提供できる。
(3) 締固め要求高さHvは、規定された高さに基づいて設定するため、法律等に基づく規定を確実かつ容易に順守できる。即ち、通常、裏込材Bの段積施工における締固めの高さは、20~30〔cm〕程度が適切であると規定されている。したがって、メッシュホルダ2の垂直面部2vの高さ(締固め要求高さ)Hvを20~30〔cm〕程度に選定すれば、計測等を行うことなく、規定された高さを確実かつ容易に順守することができる。
(4) 好適な態様により、所定段数Nを、壁面部材Wpの高さHwに基づいて設定すれば、壁面部材Wpの高さHwと裏込材単段層部4の高さをマッチングさせることができる。この結果、任意の背面層施工工程Snが終了した段階で、壁面部材Wpと所定段数Nの裏込材単段層部4間に中込コンクリートCを打設すれば、一段の壁面部材Wp…による擁壁部分を構築できる。しかも、中込コンクリートCにより、次段における壁面部材Wp…を支持するアンカ筋等の設置が可能になるため、合理的な擁壁構造の構築及び施工を実現できる。
(5) 好適な態様により、メッシュホルダ2を、線部材E…となる鉄筋材Er…を溶接して構成すれば、必要数の鉄筋材Er…を用意するのみで溶接により容易に製作することができる。この結果、製品として購入することなく、ハンドメイドにより安価に得ることができる。
(6) 好適な態様により、透水性シート材3に、不織布素材3rを用いれば、市販されている透水防砂材等の汎用的な製品を利用できるため、更なる低コスト化に寄与できるとともに、柔軟素材によりメッシュホルダ2の形状や裏込材Bに馴染ませることができるため、施工作業の更なる容易化及び適切化に寄与できる。
本考案の好適実施形態に係る擁壁の一部を示す側面断面図、 同擁壁を施工する施工方法の施工手順を示すフローチャート、 同擁壁を施工する施工方法の施工手順に対応する第一の施工状態から第三の施工状態を示す一部断面側面図、 同施工手順に対応する第四の施工状態から第六の施工状態を示す一部断面側面図、 同施工手順に対応する第七の施工状態を示す一部断面側面図、 本考案の好適実施形態に係る擁壁に使用する裏込層構築部材におけるメッシュホルダと透水性シート材の一部を示す斜視図、 同裏込層構築部材におけるメッシュホルダの展開図、 同裏込層構築部材におけるメッシュホルダ及び補強鉄筋の側面図、 同擁壁に用いる壁面部材の背面図、 同壁面部材を支持する支持鉄筋の取付説明図、
次に、本考案に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る擁壁1に用いる裏込層構築部材10及び壁面部材Wpについて、図6~図10を参照して説明する。
最初に、図6~図8を参照して裏込層構築部材10について説明する。裏込層構築部材10は、図6に示すように、主要部材となるメッシュホルダ2と透水性シート材3の組合わせにより構成する。
メッシュホルダ2は、線部材E…を組合わせて全体を構成する。この場合、線部材E…には、鉄筋材Er…を使用し、各鉄筋材Er…を溶接することにより構成できる。このように、メッシュホルダ2を構成するに際し、線部材E…となる鉄筋材Er…を溶接して構成すれば、必要数の鉄筋材Er…を用意するのみで溶接により容易に製作することができる。この結果、製品として購入することなく、ハンドメイドにより安価に得ることができる利点がある。
図7は、メッシュホルダ2の展開図、即ち、メッシュホルダ2を製作する前段となる直線状の棒材となる鉄筋材Er…を溶接した状態のアセンブリAmを示す。例示するアセンブリAmは、長い四本の鉄筋(横筋)Erm…と、短い十六本の鉄筋(横筋)Ers…を利用したものであり、横筋Erm…は横にして縦方向に所定間隔により配列させるとともに、縦筋Ers…は縦にして横方向に一定間隔置きに配列させ、直交した交差部を溶接により結合した。例示の場合、横筋Ermは、径が4〔mm〕,長さが2040〔mm〕であり、縦筋Ers…は、径が4〔mm〕,長さが640〔mm〕である。
そして、このアセンブリAmを折曲又は湾曲させることにより、図8に示すコの字状のメッシュホルダ2を得ることができる。図7中、K1,K2で示す位置が、それぞれ直角の折曲部(又は湾曲部)となる。これにより、メッシュホルダ2には、図8に示すように、折曲部K1を介して、裏込材Bに対する締固め要求高さHvに設定した垂直面部2vと所定長さLhに選定した水平面部2hを設けることができる。また、本実施形態では、折曲部K2を設けることにより、水平面部2hにおける折曲部K1の反対側の先端には、更に、水平面部2hに対して直角となる後垂直面部2vrを設けている。
この場合、垂直面部2vの高さは、裏込材Bに対する締固め要求高さHvに設定する。この締固め要求高さHvは、法律や標準規格等により規定された高さに基づいて設定することが望ましい。このように、締固め要求高さHvを、規定された高さに基づいて設定すれば、本実施形態に係る擁壁2の施工方法であっても、法律等に基づく規定を確実に順守できる。即ち、通常、裏込材Bの段積施工における締固めの高さは、20~30〔cm〕程度が適切であると規定されている。したがって、メッシュホルダ2の垂直面部2vの高さ(締固め要求高さ)Hvを20~30〔cm〕程度に選定すれば、計測等を行うことなく、規定された高さを確実かつ容易に順守することができる。
また、水平面部2hの長さは、実際に施工する現場における被施工面Gf(図3(a)参照)の状態や被施工面Gfの角度Rm等により任意となる所定長さLhに選定することができる。標準的な被施工面Gfを考慮した場合、一例として、300〔mm〕程度を選定できる。したがって、後垂直面部2vrの高さHvrは、例示の場合、120〔mm〕程度となる。
図8中、11は、両端にU形のフック部11f,11fを湾曲形成した補強鉄筋であり、仮想線で示すように、メッシュホルダ2の垂直面部2vにおける横筋Ermと後垂直面部2vrにおける横筋Erm間に架け渡すことができ、これにより、垂直面部2vと後垂直面部2vrに対する補強を行うことができる。
一方、透水性シート材3は、メッシュホルダ2における裏込材Bを収容する収容面2iの一部又は全部に付設可能に形成する。透水性シート材3には、不織布素材3rを用いることができる。透水性シート材3として、このような不織布素材3rを用いれば、市販されている透水防砂材等の汎用的な製品を利用できるため、更なる低コスト化に寄与できるとともに、柔軟素材によりメッシュホルダ2の形状や裏込材Bに馴染ませることができるため、施工作業の更なる容易化及び適切化に寄与できる。
例示の透水性シート材3には、厚さ4〔mm〕、幅420〔mm〕のロール状の透水防砂材を使用した。これにより、メッシュホルダ2に対する付設時には、メッシュホルダ2の長手方向(横方向)の長さに対してやや長くなる長さに切断したものを用いた。そして、図6及び図8に示すように、L状に折曲(又は湾曲)し、幅方向(前後方向)における水平方向長さLphを、水平面部2hの半分程度を覆う長さに選定するとともに、幅方向における垂直方向長さLpvを、垂直面部2vの上端から上方へ所定長さ突出する長さに選定した。
次に、図9及び図10を参照して壁面部材Wpについて説明する。例示の壁面部材Wpには、繊維強化セメント板21を用いた。この繊維強化セメント板21は、図9に示すように、所定の厚さを有する長方形をなし、裏面21rには、三つのトラス筋22…の一部を埋設して固定した。即ち、三つのトラス筋22…は、繊維強化セメント板21の裏面21rにおける長手方向に配し、かつ一定間隔置きに配した。これにより、繊維強化セメント板21の製造時に、三つのトラス筋22…を一体に埋設することができる。
例示の繊維強化セメント板21は、セメントに対して繊維と水を配合し、十分に混合させたものを、ウェットマシンを用いてスキ取りを行い、型板を用いてプレス成型した後、養生させたものである。また、トラス筋22は、図10に示すように、下端に配した一対のボトム筋部22d,22d、上端のトップ筋部22u、ボトム筋部22d,22dとトップ筋部22u間に配する波形に形成した一対のラチス筋部22r,22rを一体に結合したものであり、繊維強化セメント板21の内部に、ラチス筋部22r,22rの下部とボトム筋部22d,22dが埋設される。
なお、図10中、12は、一端に鉄筋クランプ12cを一体に有する支持鉄筋であり、鉄筋クランプ12cの側面が支持鉄筋12の一端側に溶接等により固定されている。この場合、鉄筋クランプ12cはコの字状に折曲形成したものであり、図10に示すように、トラス筋22のトップ筋部22uに掛止させた後、ボルト12bを締め付ければ、鉄筋クランプ12c(支持鉄筋12)をトップ筋部22uに対して任意の角度で結合固定することができる。
次に、本実施形態に係る擁壁1の施工方法について、図1及び図3~図5、更には、図6~図10を参照しつつ図2に示すフローチャートに従って具体的に説明する。
まず、擁壁1の施工対象である地山Mの掘削を行う(ステップS1)。例示の場合、この地山Mには隣接して道路が設けられており、この擁壁1は道路用擁壁となる。図3(a)は掘削した地山Mを示しており、掘削した法面は、地面Geに対して所定角度Rwで傾斜する被施工面Gfとなる。
ところで、被施工面Gfの角度Rwが地面Geに対して緩やかな(小さい)場合、従来の工法では、特に、裏込材の締固めを容易に行うことが困難となりやすい。即ち、裏込材はプレートコンパクターやタイピングランマー等の作業機械を用いて行うため、所定角度Rwが小さい場合、壁面部材Wpの角度Rmも小さくなるため、壁面部材Wpが作業の邪魔になる問題が存在した。しかし、本実施形態に係る擁壁1の施工方法では、前述した裏込層構築部材10を利用することにより、裏込材に対する締固め施工を容易かつ確実に行うことができる。
そして、地山Mに対する掘削が終了したなら、被施工面Gfに隣接した地面Ge上に、基礎コンクリート30を打設する(ステップS2)。図3(b)に、打設した基礎コンクリート30を示す。この場合、基礎コンクリート30の打設時には、一又は二以上(例示は二つ)の逆V形のアンカ筋31,31…を埋設固定し、基礎コンクリート30の上面から上方へ突出させる。図3(b)は、側面視のため、前後二つのアンカ筋31,31が現れるが、正面視となる左右方向には少なくとも二個所の位置に同様のアンカ筋31,31が設けられる。
基礎コンクリート30の施工が終了したなら、図3(c)に示すように、基礎コンクリート30と被施工面Gf間に砕石32を充填して基礎コンクリート30と被施工面Gf間の隙間を埋め、この砕石32の上に、メッシュホルダ2の水平面部2hを設置する(ステップS3)。なお、メッシュホルダ2の垂直面部2vは、基礎コンクリート30側に向けて設置する。
また、メッシュホルダ2の内面側(上面側)に、透水性シート材3を付設するとともに、補強鉄筋11を付設する(ステップS4,S5)。この場合、補強鉄筋11は、フック部11fと11fをメッシュホルダ2における垂直面部2vの横筋Ermと後垂直面部2vrの横筋Erm間に架け渡して取付ける。このため、透水性シート材3の一部に切込又は孔を空け、図8に示すように、一方のフック部11fを、この切込又は孔に通して横筋Ermに掛ければ、補強鉄筋11の取付けと同時に透水性シート材3をメッシュホルダ2に固定することができる。なお、補強鉄筋11…は、メッシュホルダ2の左右方向(長手方向)に対して複数位置に配設するが、目安として、概ね50〔cm〕程度の間隔で配することが望ましい。したがって、例示の場合、一つのメッシュホルダ2に四本の補強鉄筋11…が用いられ、透水性シート材3の四個所がメッシュホルダ2に固定される。
次いで、透水性シート材3を付設したメッシュホルダ2の内側(収容面2i)に裏込材Bを収容する(ステップS6)。そして、必要量の裏込材Bを収容したならプレートコンパクターやタイピングランマー等の作業機械により裏込材Bの締固めを行う(ステップS7)。これにより、一つの単段層構築施工が終了し、図4(d)に示す裏込材単段層部4が構築される。なお、締固めが終了した裏込材Bの上面前側には、上方に突出した透水性シート材3を被せることができるため、メッシュホルダ2の前方への無用な裏込材Bの落下を防止することができる。また、符号33は、メッシュホルダ2の側面から裏込材Bが押し出されるのを防止する側板を示す。
以降は、同様の裏込材単段層部4を構築する単段層構築施工を、被施工面Gfに沿って順次行う(ステップS8,S3…)。即ち、構築した裏込材単段層部4における裏込材Bの上にメッシュホルダ2を設置し、透水性シート材3及び補強鉄筋11を付設した後、裏込材Bを収容して締固めする単段層構築施工を行う。これにより、裏込材単段層部4…がいわば階段状に構築されるため、所定段数Nになるまで行う(ステップS8)。この状態を図4(e)に示す。被施工面Gfに沿って所定段数Nになるまで裏込材単段層部4…を順次構築する工程が背面層施工工程Snとなる。実施形態は、図4(e)に示すように、所定段数Nを「5」に設定した場合を例示する。
この場合、所定段数Nは、設置する壁面部材Wpの高さHwに基づいて設定する。具体的には、図4(f)に示すように、壁面部材Wpの高さHwに対して一段程度高くなるように設定することが望ましい。このように、所定段数Nを設定するに際し、壁面部材Wpの高さHwに基づいて設定すれば、壁面部材Wpの高さHwと裏込材単段層部4の高さをマッチングさせることができる。したがって、任意の背面層施工工程Snが終了した段階で、後述する壁面部材Wpと所定段数Nの裏込材単段層部4間に、中込コンクリートCを打設可能になるため、一列目の壁面部材Wpによる擁壁部分を構築できる。しかも、中込コンクリートCにより、次段における壁面部材Wp…を支持するアンカ筋等の設置が可能になるため、合理的な擁壁構造の構築及び施工を実現できる。
そして、背面層施工工程Snが終了したなら、壁面部材Wpを設置する施工を行う(ステップS9)。壁面部材Wpには、図9に示した繊維強化セメント板21を使用するため、図4(f)に示すように、繊維強化セメント板21を、基礎コンクリート30の上面に設置し、所定角度Rwとなるように、図示を省略した仮固定材等により仮固定した後、複数の支持鉄筋12…を用いて繊維強化セメント板21を設置固定する。図4(f)における一点鎖線円Zc部の抽出拡大図を図10に示す。同図に示すように、支持鉄筋12の一端には、鉄筋クランプ12cが溶接により固定されているため、この鉄筋クランプ12cを繊維強化セメント板21のトップ筋部22uの所定位置に掛け、ボルト12bを仮締めした後、支持鉄筋12をの他端をアンカ筋31に溶接する。これにより、支持鉄筋12の他端を基礎コンクリート30に対して固定するとともに、この後、鉄筋クランプ12cのボルト12bを締め付け、支持鉄筋12の一端を繊維強化セメント板21側に固定する。例示の場合、縦方向において、三本の支持鉄筋12…を利用して結合するとともに、横方向においても、前述した左右方向に配設したアンカ筋31,31…毎に結合する。図4(f)が壁面部材Wpを設置した状態を示す。
一方、壁面部材Wpの設置施工が終了したなら、仮固定材等を取り除いた後、繊維強化セメント板21と所定段数Nの裏込材単段層部4間に中込コンクリートCを打設する(ステップS10)。この際、中込コンクリートCの上面には、基礎コンクリート30の場合と同様にアンカ筋31…の下部一部を埋設する。中込コンクリートCを打設した後の状態を図5に示す。これにより、擁壁1における一列目における壁面部材Wpの設置施工が終了する。なお、一列目における一つの壁面部材Wpに対して説明したが、一列目における他の壁面部材Wp…も同様に施工することができ、これらの施工は同時に行ってもよいし、順次行ってもよい。そして、このような一列における壁面部材Wp…の設置施工は、下から順次繰り返して行う(ステップS11,S3…)。即ち、下から、二列目、三列目…と順次行い、最終列(最上列)となる下からM列目まで終了すれば、擁壁1の建造が完了する(ステップS11)。完成した擁壁1の一部を図1に示す。
よって、このような本実施形態に係る擁壁1によれば、線部材E…を組合わせることにより、折曲部K1…を介して裏込材Bに対する一つの単段層の締固め要求高さHvに設定した垂直面部2v及び所定長さLhに選定した水平面部2hを少なくとも有してなるメッシュホルダ2,及びメッシュホルダ2に付設する透水性シート材3を備え、メッシュホルダ2を、裏込材Bを施工する領域Zm内に設置するとともに、メッシュホルダ2における裏込材Bを収容する収容面2iの一部又は全部に透水性シート材3を付設し、この透水性シート材3を含むメッシュホルダ2に、裏込材Bを収容し、かつ締固めを行うことにより、被施工面Gfに沿って所定段数Nにわたって裏込材単段層部4を構築するとともに、一又は二以上のアンカ筋31…を埋設した基礎コンクリート30及び中込コンクリートCを備え、このアンカ筋31…と壁面部材Wp…を支持鉄筋12…により結合固定してなるため、裏込材Bに対する締固めを壁面部材Wpから離間した位置において一定の高さ単位で行うことができる。したがって、裏込材Bを投入した後における作業機械による締固めも壁面部材Wp…の影響を受けることなく容易かつ確実に行うことができるとともに、裏込材単段層部4を被施工面Gfに沿って所定段数Nまで階段状に構築するため、作業用足場等の作業スペースや仮設土留を容易に確保できる。この結果、施工全体の容易性及び作業性を高めることができ、作業能率及び作業効率の向上を図れるとともに、安全性の向上にも寄与できる。
また、基本的にはメッシュホルダ2及び透水性シート材3を用意すれば足りるため、施工に使用する部材点数を大幅に削減できる。したがって、擁壁1に対する施工コストを大幅に低減できるとともに、擁壁1全体の品質向上にも寄与できる。しかも、壁面部材Wp…がブロック状であるかパネル状であるかを問わずに適用できるとともに、緩やかな傾斜の被施工面Gfであっても施工可能になるなど、適応性及び汎用的の高い工法として提供できる。
さらに、締固め要求高さHvは、規定された高さに基づいて設定するため、法律等に基づく規定を確実かつ容易に順守できる。即ち、通常、裏込材Bの段積施工における締固めの高さは、20~30〔cm〕程度が適切であると規定されている。したがって、メッシュホルダ2の垂直面部2vの高さ(締固め要求高さ)Hvを20~30〔cm〕程度に選定すれば、計測等を行うことなく、規定された高さを確実かつ容易に順守することができる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本考案は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値,手法,手順等において、本考案の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、メッシュホルダ2fは、側面視をコの字形になるように形成した場合を例示したが、後垂直面部2vrを設けないL形に形成してもよい。また、透水性シート材3は、メッシュホルダ2における裏込材Bを収容する収容面2iの一部に付設した場合を示したが、全部に付設してもよい。さらに、透水性シート材3として、不織布素材3rを用いた場合を示したが、その他、透水防砂材等の透水性を有する各種シート材を利用することができるとともに、設置場所によっては、細目ネット等であってもよい。一方、締固め要求高さHvは、法律により規定された高さに基づいて設定することができるが、これに限定されるものではない。また、所定段数Nも、壁面部材Wpの高さHwに基づいて設定することが望ましいが、これに限定されるものではない。さらに、メッシュホルダ2は、線部材E…となる鉄筋材Er…を溶接して構成することができるが、他の構成を排除するものではない。他方、壁面部材Wpとして、繊維強化セメント板21を例示したが、コンクリートブロック等の各種壁面部材を適用できる。また、壁面部材Wpを固定する方法として支持鉄筋12を用いた場合を示したが、壁面部材Wpの種類に応じた各種の固定方法を適用できる。したがって、支持鉄筋12は鉄筋クランプ12cを一体に有する形態を示したが、鉄筋クランプ12cを用いることなく、支持鉄筋12を、繊維強化セメント板21におけるトラス筋22に直接溶接等により固定することができる。なお、裏込層構築部材10は、施工現場において、メッシュホルダ2を設置するとともに、このメッシュホルダ2に、透水性シート材3、更には、補強鉄筋11を付設する場合を示したが、メッシュホルダ2に対して、工場等において、予め、透水性シート材3及び補強鉄筋11を付設したユニットとなる裏込層構築部材10を製作し、このユニットを施工現場に運んで設置してもよく、施工(製作)の順番は問わない。この際、メッシュホルダ2に対して、透水性シート材3の取付けは、別途用意した針金等の取付部材を用いてもよい。
本考案に係る擁壁は、道路,護岸,宅地造成等の法面に対する各種擁壁を構築する際に利用することができる。
1:擁壁,2:メッシュホルダ,2v:垂直面部,2h:水平面部,2i:収容面,3:透水性シート材,3r:不織布素材,4:裏込材単段層部,12…:支持鉄筋,30:基礎コンクリート,31…:アンカ筋,Ge:地面,Gf:被施工面,Rm:所定角度,Rw:所定角度,B:裏込材,C:中込コンクリート,K1:折曲部,K2:折曲部,Wp…:壁面部材,E…:線部材,Er…:鉄筋材,Hv:締固め要求高さ,Hw:壁面部材の高さ,Lh:所定長さ,Zm:領域,N:所定段数

Claims (4)

  1. 地面に対して所定角度で傾斜した被施工面に対して、裏込材を施工するとともに、地面に対して所定角度で傾斜し、かつ縦方向及び/又は横方向に配列する一又は二以上の壁面部材を施工し、前記裏込材と前記壁面部材間に中込コンクリートを打設して構築した擁壁であって、線部材を組合わせることにより、折曲部を介して裏込材に対する一つの単段層の締固め要求高さに設定した垂直面部及び所定長さに選定した水平面部を少なくとも有してなるメッシュホルダ,及び前記メッシュホルダに付設する透水性シート材を備え、前記メッシュホルダを、前記裏込材を施工する領域内に設置するとともに、前記メッシュホルダにおける裏込材を収容する収容面の一部又は全部に前記透水性シート材を付設し、この透水性シート材を含むメッシュホルダに、前記裏込材を収容し、かつ締固めを行うことにより、前記被施工面に沿って所定段数にわたって裏込材単段層部を構築するとともに、一又は二以上のアンカ筋を埋設した基礎コンクリート及び前記中込コンクリートを備え、このアンカ筋と前記壁面部材を支持鉄筋により結合固定してなることを特徴とする擁壁。
  2. 前記所定段数は、前記壁面部材の高さに基づいて設定することを特徴とする請求項1記載の擁壁。
  3. 前記メッシュホルダは、線部材となる鉄筋材を溶接して構成することを特徴とする請求項1記載の擁壁。
  4. 前記透水性シート材は、不織布素材を用いることを特徴とする請求項1記載の擁壁。
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