JP3784897B2 - 自動改札装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば鉄道関係において、改札業務の省力化を目的として、鉄道などの施設の入場口あるいは出場口などに導入されている自動改札装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、たとえば鉄道関係において、改札業務の省力化を目的として、鉄道などの施設の入場口あるいは出場口などに自動改札装置が導入されている。
【0003】
これは、施設を利用する利用者が施設に入場あるいは出場する際または施設の乗換えを行う際、利用者が携帯する乗車券を取り込んで検査し、乗車券が適正であれば利用者の通過を許可し、不適であれば利用者の通過を阻止することを自動的に行う装置である。
【0004】
この自動改札装置は、入場、出場あるいは乗換の際に利用客により投入された乗車券、または無線交信部に近接提示された乗車券に記録されている磁気情報や無線情報(たとえば、入場駅及び乗車券の有効期問や料金、大人用か小人用かの種別など)を読み取り、この読み取った情報に基づいて利用者の通過の許可あるいは阻止を決定し、その乗車券にたとえば印字処理などの所定処理を施した後、その乗車券を必要により排出するものである。
【0005】
このような自動改札装置には、通常、10点の光線センサによる透過式人間検知センサが設けられており、そのセンサの遮光状態により、人間の存在位置等の動きを監視している。
【0006】
その10点のうち、4点はポールと呼ばれる柵上に配置され、大人と小人を区別するもので、自動改札装置を人間が通過するとき、ポール部上の人間検知センサを遮ることなく通過しているならば、課金の必要のない子供が通過していると判断し、ドア動作、及び、警報等を行わないようになっている。
【0007】
そして、このような自動改札装置は、通常、以下のように動作する。
【0008】
先ず、自動改札装置に乗客が正しい乗車券を投入または提示した場合、自動改札装置はその情報を読み取り、その乗車券が正しいと判断して、進行方向のドアを開状態にし、乗客1名の通過待ち状態となる。
【0009】
そして、前述したような10点の人間検知センサの明暗状態により乗客が通過したと判断すると、通過待ち状態は解消され元の状態に戻る。
【0010】
また、乗客から投入された乗車券が正しい乗車券でない場合、たとえば有効期問を過ぎている乗車券を投入した場合、自動改札装置は情報を読み取り乗車券が有効期間外であると判断して、通過する乗客が有効期間外の乗車券を持ったものと判断する。
【0011】
この場合、進行方向のドアを閉状態にして通行を阻止すると共に、ブザーを鳴らしたり正しい乗車券でない旨の表示を表示部に出力する。
【0012】
そして、乗客が取り出し口のところの乗車券を取り、人間検知センサの明暗状態により取り出し口のところまで戻ったと判断すると元の状態に戻る。
【0013】
さらに、乗客が乗車券を投入せずに自動改札装置の通路内に進入し、中央にある4点の人間検知センサを遮光すると、自動改札装置はその乗客を無札者と判定し、進行方向のドアを閉め、通過を阻止し、その乗客が取り出し口のところまで戻ることによって、元の状態に復帰する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述したような従来のような自動改札装置においては、次のような幾つかの解決すべき課題がある。
【0015】
先ず、透過式人間センサのみにより人間検知を行っている場合、乗車券を持っていない乗客と正しい乗車券(以下、正券)を持っている乗客とが続いて通行しようとした状態において、先行する乗車券を持っていない乗客が中央4点の人間検知人間センサを遮る前に、後続する乗客が投入口に正券を入れると、先行する乗客が通過できて、本来通過できるはずの後続する乗客は通れないという問題がある。
【0016】
なぜなら、自動改札装置は投入された乗車券を読み取った際に、前述のように通行方向のドアを開状態にし、乗客1名の通過待ち状態になるが、実際に先に通路を通過するのは乗車券を持っていない乗客であり、その券を持っていない乗客が通過して自動改札装置の通過待ち状態が解消された後に、実際に乗車券を投入した乗客が通路中央に達したときには、乗車券が無いと判断してドアを閉状態にするためである。
【0017】
これは乗車券の投入を伴わない無線交信により提示された乗車券との情報交換を行う自動改札装置の場合には、乗客が乗車券から手を離さないためより顕著に発生する。
【0018】
また、別の問題として、人間の通過を中央4点の暗状態だけでみていることから、人間でなくても中央4点を遮ることができれば、それを人間として判断してしまい、たとえば、ゴルフバツク、サーフボード、等を前に抱えて自動改札装置を通過しようとすると、前のゴルフバックで4点を遮った段階で、それを人間と判断してしまい、実際に人間が通過しようとすると、ドアを閉状態にしてしまうことが発生しうる。
【0019】
逆に、人間が2人で密着して自動改札装置を通行すると、1人の通過と判断してしまうために、1枚の乗車券で2人が通過できてしまうという問題がある。
【0020】
上記の問題は、現行の自動改札装置が通行者と乗車券のような通行者確認手段との対応付けに関して、乗車券等の所持者たる1人の通行者に対して、1枚の通行券のみが対応づけられることを想定しており、さらに読み取った乗車券は、通路内の先頭の人物であることを想定したために起こる問題である。
【0021】
そのため、現行の自動改札装置では、1人の通行者がたとえば乗車券と精算券とのような複数枚の券の投入を許すようにはなされていない。
【0022】
たとえば図28に示すように、通行者Aと通行者Bとの2人の通行者がいて自動改札装置に、料金不足の乗車券a→精算券b→料金不足の乗車券cの順番に複数枚の券が投入された場合、自動改札装置は精算券bを投入したのが通行者Aであるか通行者Bであるかを判断することができないのである。
【0023】
したがって、通行者A,Bのどのタイミングで閉じているドアを開けるべきか、またドアが開いている場合には、どのタイミングでドアを閉じるべきか判断することができないのである。
【0024】
また、従来の自動改札装置では、乗車券を投入する通行者が大人であるか小人であるかを背の高さで判別しており、この背の高さを判断する手段として、ポール部に設置した透過式人間検知センサを使用している。
【0025】
この判別方法では、センサを横切ったかどうかによって、通行者の身長がポール部の高さ以上であるかどうかを判断しているため、おおまかな判断しかできないと共に、もし大人と小人とを判断するための身長の閾値を変更する必要がある場合には、ポール部を上下に移動する必要があった。
【0026】
本発明は以上のような点に鑑みてなされたもので、上記の課題を解決し得る自動改札装置を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、第1の発明は、通行者とその通行者が投入または近づけた乗車券とを対応づけることにより、通行者が後続の通行者の乗車券により、通行することを防止しようとするものである。
【0028】
第2の発明は、通行者とその通行者が投入または近づけた乗車券とを対応づけることにより、通行者が料金不足の乗車券と精算券のような複数の乗車券を投入または近づけて自動的に精算処理等を行うことを高い安全性でできるようにしようとするものである。
【0029】
第3の発明は、通行者が無札で自動改札装置に進入したり、投入した乗車券が料金不足であるような場合に、後続の通行者に対してその旨を通知することにより、後続の通行者が不用意に乗車券や精算券を投入または近づけることを未然に防止し、後続の通行者の乗車券または精算券で先行の通行客が通過してしまうことを防止しようとするものである。
【0030】
第4の発明は、ビデオカメラ等を用いて通行者の身長をはかり、大人と小人の判別をより精度良く行おうとするものである。
【0031】
第5の発明は、ビデオカメラ等を用いて通行者を撮像することによって荷物と人物との存在を理解し、通過の判定は人物の通過情報のみで行おうとするものである。
【0032】
すなわち、本発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、前記記録媒体の提示動作が、通路に進入しようとしている通行者によるものか、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであるかを判定する手段を含み、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備したことを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0033】
また、本発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、前記記録媒体の提示動作が、通路に進入しようとしている通行者によるものか、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであるかを判定する手段を含み、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、前記通行者が前記記録媒体を提示したときに、前記通行可否判定手段において、その記録媒体が有効である場合に当該通行者を通過させるために前記ドア開閉手段により前記ドアを開状態に制御し、それ以外の通行者に対しては通行を阻止するためにドアを閉状態に制御する制御手段とを具備したことを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0034】
また、本発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、前記記録媒体の提示動作が、通路に進入しようとしている通行者によるものか、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであるかを判定する手段を含み、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備し、前記本体部に対し、一人の通行者が複数の記録媒体を投入または提示することを可能とすると共に、前記一人の通行者によって投入または提示された複数の記録媒体を処理可能に構成したことを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0035】
また、本発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、前記記録媒体の提示動作が、通路に進入しようとしている通行者によるものか、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであるかを判定する手段を含み、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、前記通行者が前記記録媒体を提示したときに、前記通行可否判定手段において、その記録媒体が有効である場合に当該通行者を通過させるために前記ドア開閉手段により前記ドアを開状態に制御し、それ以外の通行者に対しては通行を阻止するためにドアを閉状態に制御する制御手段とを具備し、前記本体部に対し、一人の通行者が複数の記録媒体を投入または提示することを可能とすると共に、前記一人の通行者によって投入または提示された複数の記録媒体を処理可能に構成したことを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0036】
また、本発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、前記通行者が前記記録媒体を提示し、前記通行可否判定手段においてその記録媒体が有効である場合に当該通行者のみを通過させるために、前記ドア開閉手段により前記ドアを開状態に制御する制御手段と、前記通行可否判定手段の処理状況を通行者に報知する報知手段であって、通行者がこれから提示する記録媒体の読み取り結果が、該通行者に対して適用されるのか、該通行者に先行する通行者に対して適用される可能性があるかを区別するように出力する報知手段とを具備し、前記本体部に対し、一人の通行者が複数の記録媒体を投入または提示することを可能とすると共に、前記一人の通行者によって投入または提示された複数の記録媒体を処理可能に構成したことを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0037】
また、本発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、前記記録媒体を投入する部分と、前記記録媒体を提示する部分とを撮像する1台のビデオカメラおよび該ビデオカメラで撮像した画像を処理する画像処理手段を含み、前記本体部の通路内を通行する通行者の身長を計測する身長計測手段と、前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記身長計測手段の計測結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備したことを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0038】
また、この発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、前記記録媒体を投入する部分と、前記記録媒体を提示する部分とを撮像する1台のビデオカメラおよび該ビデオカメラで撮像した画像を処理する画像処理手段を含み、前記本体部の通路内を通行する通行者の身長を計測する身長計測手段と、前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記身長計測手段の計測結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、前記読取手段の読み取り結果に基づいて前記記録媒体が大人用か小児用かを判定する判定手段とを具備し、前記通行可否判定手段において、前記読取手段の読み取り内容が小児用であり、かつ、前記身長計測手段の計測結果が所定値以上であるときに、前記ドア開閉手段により前記ドアを閉じて当該通行人の通過を阻止することを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0039】
また、本発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、前記本体部の通路内を通行する通行者の身長を計測する身長計測手段と、前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記身長計測手段の計測結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備し、前記読取手段は、さらに前記記録媒体にあらかじめ記録されている身長情報を読み取る手段を有し、前記通行可否判定手段において、前記読取により読み取られた身長情報と前記身長計測手段の計測結果とを照合し、それらが合っていなければ前記ドア開閉手段により前記ドアを閉じて当該通行人の通過を阻止することを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0040】
また、本発明によると、ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、前記本体部の通路内を通行する人物と荷物をその形状の特徴により判別する人物荷物判別手段と、前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記人物荷物判別手段の判別結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備し、前記通行可否判定手段において、前記人物荷物判別手段の判別結果が人物であるときのみ前記通行者の通過の可否を判定する対象とすることを特徴とする自動改札装置が提供される。
【0041】
また、本発明によると、前記第1の検知手段、第2の検知手段、身長計測手段、人荷物判別手段のうちの少なくとも一つが、ビデオカメラおよび該ビデオカメラで撮像した画像を処理する画像処理手段を含むことを特徴とした自動改札装置が提供される。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、第1の発明の実施の形態から順に、図面を参照しながら説明する。
【0043】
図1は第1の発明の実施の形態による記録媒体処理装置に係わる自動改札装置の内部構造の一例を概略的に示す図、図2はこの自動改札装置の外観を示す図である。
【0044】
図1に示す通り、自動改札装置本体1の一端部には、磁気記録方式などにより情報が記録されている磁気記録部を所定面に備えるカード状記録媒体としての乗車券2を受けいれる投入口3と、他端部には投入口3から投入された乗車券2が排出される取出口4とが設けられている。
【0045】
また、非接触での情報の読取りや書き換えが可能である無線交信機能をもった乗車券に対応するため、この種の乗車券を取り扱う場合には、投入口3の近くに無線交信用のアンテナ70が設けられている。
【0046】
この乗車券2としては、たとえば金銭的価値を有する料金前払方式のもの(普通乗車券、定期券および回数券など)や金銭的価値を有する料金前払で都度減額する方式(ストアードフェア)のものなど、厚さ、幅、機能などがさまざまに異なる券片が使用される。
【0047】
ポール50には、通行者が乗車券2を投入口3に投入する動作や無線アンテナ70に近づける動作が撮像できるように、投入口3および無線アンテナ70を見おろす位置にビデオカメラ80が設置されている。
【0048】
このように自動改札装置本体1のポール50に撮像装置としてのビデオカメラ80を取り付けることにより、通行者が乗車券を乗車券投入口3に投入しようとしても(図3)、乗車券を無線アンテナ70にかざそうとして提示しても(図4)、その手や乗車券を撮像することができるようになっている。
【0049】
前記投入口3と取出口4との間には、投入口3により投入された乗車券2を取出口4に搬送するための搬送路5が形成されている。
【0050】
この搬送路5上には、複数のセンサ(検知器)6、7、8、9、・・・などが設けられており、これらのセンサ6、7、8、9、・・・などによって搬送路5上を搬送される乗車券2の通過位置が順次検知される。
【0051】
各センサ6、7、8、9、・・・など・・・は、たとえば光センサなどであり、乗車券2がセンサを通過したときの遮光により乗車券2の位置を確認することができる。
【0052】
また、この搬送路5には投入口3から取出口4までの間に、乗車券2に記録されている磁気情報を読み取る磁気情報読取部(読取ヘッド)10、11及び乗車券2に対して磁気情報を記録する磁気情報記録部(書込ヘッド)12、13並びに記録した磁気情報を読み取る磁気情報読取部(読取へッド)14、15が設けられている。
【0053】
これら各読取・書込へッド10〜15には、搬送路5として所定の間隔をあけ、かつそれぞれの間隔を保持するようにそれぞれ支持部材(回転ローラ)16〜21が対向して設けられている。
【0054】
また、各読取・書込へッド10〜15は、回転ローラ16〜21と共に、自動改札装置本体1の一側面に取付られている。
【0055】
なお、各読取・書込ヘッド10〜15は乗車券2が表裏どちらの状態で投入されたときにも裏面の磁気情報を読取および書込可能なように搬送路5の上下にそれぞれ1対ずつ設けられている。
【0056】
また、搬送路5上には、乗車券2を振り分ける振分部22、23が設けられている。
【0057】
このうち振分部22は普通乗車券とそれ以外のもので後処理が異なるため、乗車券2をその幅に応じて、たとえばストアードフェア方式のカード・(以下SFカードと称す)などはSF処理部24側に、普通乗車券はサーマルプリンタ25および入挟パンチ26側にそれぞれ振り分けるためのものである。
【0058】
上記振分部23は投入された乗車券2が放出すべきものであった場合にその乗車券2を取出口4の方向に振り分け、また投入された乗車券2が集札すべきものであった場合にその乗車券2を集札部40方向へ振り分けるものである。
【0059】
また、この自動改札装置本体1の上面には利用者や駅員などに案内を行うための表示器28が設けられている。
【0060】
さらに、自動改札装置本体1の側面には従来同様、利用者の存在位置を検出するための複数の人間検知センサ30〜39と、閉じることで利用客の通行を阻止するためのドア41とが設けられている。
【0061】
続いて、図5を参照してこの自動改札装置の制御系統の構成について説明する。
【0062】
同図に示すように、この自動改札装置の制御系統は、自動改札装置全体を制御するセントラル・ブロセッシング・ユニット42(以下CPUと称す)と、このCPU42の制御プログラムを記憶しているリード・オンリー・メモリ44(以下ROMと称す)と、乗車券2から読み取った情報の記憶、予め選択可能に作成された複数の表示パターンの記憶および制御ブログラムのバッファとして情報を記録するランダム・アクセス・メモリ46(以下RAMと称す)と、乗車券2の使用が開始された入場駅(あるいは入場駅に対応した入場駅コード)に対応した運賃情報を記憶している運賃メモリ48と、読み取りへッド10、11、14、15を制御する読取回路50と、書込へッド12、13を制御する記録回路52と、無線アンテナ70で受信した乗車券情報を解読する機能と無線アンテナ70を介して乗車券2に書き込むための情報をコード化する機能を持つ信号変換部71、検知器6〜9などの検知出力に基づき乗車券2の搬送状況を検知する乗車券検知回路54と、乗車券2を搬送路5に沿って搬送させる搬送用モータ55を制御する搬送制御回路56と、乗車券2の判定や利用者の動きに応じて表示器28に表示を行う表示制御回路59と、ドア41を駆動するドア開閉機構58を制御するドア制御回路60と、人間検知器30〜39の検知出力に基づいて人間の通過状況を検知する人間検知器制御回路57と、自動改札装置本体1を制御する図示しない制御盤あるいはホストコンピュータなどとの間で情報の伝達を行う伝達制御回路62などとから構成されている。
【0063】
なお、CPU42にはタイマ機能などが備えられているものとする。
【0064】
また、この自動改札装置の制御系統には、ビデオカメラ80から送られる映像信号を画像情報としてコード化するA/D変換回路81と、この画像データを蓄える画像メモリ82と、後述するように画像データを処理することにより、利用者が乗車券2を投入または提示する動作を認識するための画像処理回路83とが設けられている。
【0065】
上記画像処理回路83はたとえばCPUとその周辺回路から構成され、常時出力されているビデオカメラ80からの映像信号を所定の時間ごとに取り込んで、後述するように利用者が乗車券2を投入または提示する動作を検出する。
【0066】
なお、上記画像処理回路83としては、ビデオカメラ80からの映像信号を所定の時間ごとに定期的に取り込むのでなく、利用者が自動改札装置の投入口3に券2を投入または提示したタイミングを、センサ6、7や無線アンテナ70などの情報などから得て、そのタイミングをCPU42が通知することにより、そのタイミングで画像を取り込み処理するようにしても構わない。
【0067】
次に、ビデオカメラ80で撮像した画像から、券を投入、または提示した通行者の手の部分を抽出する方式について図6から図12を用いて説明する。
【0068】
先ず、ビデオカメラ80によって撮像され、画像メモリ82内に蓄えられている画像データから動いている領域を抽出する。
【0069】
これは乗車券2を投入または提示する手は動いているものの、装置そのものは静止していることを利用するもので、新たに取り込まれた画像と、あらかじめ画像メモリ82に記憶されている背景画像、または所定時間前に取り込んだ画像との差分処理により実現される。
【0070】
ここで、取り込んだ画像が、通行者が券を投入または提示した瞬間の画像である場合には、券を投入した通行者の手の部分が変化領域として抽出される。
【0071】
この変化領域は一般に画像処理回路83で処理しやすいように2値化処理を行うことにより2値画像となる。
【0072】
図6はこの様子を表した図であり、券2を投入口3に入れた状態での手の領域が抽出される。
【0073】
この領域は図7(a)に示すように、いくつかの小領域に分離して得られる場合があるが、このような場合には、画像処理で公知のラベリング処理と分離統合処理により、ひとつの固まった領域として求めたり、同図(b)に示すように画像内のX軸、Y軸への射影パターンを求め、その射影パターンから固まった領域を得ることも可能である。
【0074】
このような処理は面像処理でしばしば用いられる方法であるので、これ以上の説明はここでは割愛する。
【0075】
このようにして得られた通行者の手の映像はたとえば、図8に示すようなものであり、人物の腕が延びている方向が画面の4辺の一部に接するような画像となる。
【0076】
ここで、人物の腕の方向と人物の存在する位置とは関係があるために、画像内のどの位置に腕が伸びている方向を調べることにより、たとえば、図9に示すように通行者の存在する位置がおよそ限定されることになる。
【0077】
したがって、図10に示すように、この結果と人間検知センサ30〜32の出力結果とを比較することにより、券2を投入した人物が通路のどこに存在するのかがわかる。
【0078】
つまり、券2を投入または提示した人物とドア41の間に人物が存在しているかどうかを、求めた通行者の存在位置と人間検知センサ30〜39の出力とから判断し、もし存在いない場合にはドア41を開けるが、そうでない場合にはドア41を開けないことにより、ドア41の手前に存在する通行者の不正通行を防止することが可能となる。
【0079】
なお、人物の位置をより正確に知る必要がある場合には、図11に示すように、人間検知センサ90、91などを増設することも考えられる。
【0080】
ところで、上の説明では、検出した手が画像内のどこに存在するかにより、人物の位置を想定するとしたが、その位置の精度は腕の方向を詳細に調べることにより、さらに向上させることが可能である。
【0081】
たとえば、図12に示すように、手の部分は腕から続く長い棒状のシルエットとして得られるので、抽出された領域の長軸方向、つまり慣性主軸方向θ2を求めることにより手の方向を求めることができる。
【0082】
この慣性主軸方向θ2は、x、y軸方向の0、1、2次の慣性モーメントをmij(i,j=0,1,2)とすると以下の様に算出できる。
【0083】
θ2=1/2*tan-1{2*m11/(m02−m20)} (1式)
ここで、m11、m02、m20はそれぞれ領域をf(x,y)としたときに、それぞれ
m11=∫∫χyf(x,y)dxdy,
m20=∫∫x2 f(x,y)dxdy,
m02=∫∫y2 f(x,y)dxdy (2式)
で与えられる。
【0084】
以上のように、この手の方向から求められた人物の存在位置は、必要により人間検知センサ30〜39の出力信号と共にCPU42に対して送られ、これらの情報を組み合わせることにより、乗車券2を投入、または提示した人物が通路に進入しようとしているか、あるいは、通路内のドア41近くに存在するかを判定することができる。
【0085】
したがって、図13に示すように、先行する利用者が乗車券2を投入または提示せずに進入して、後続の利用客が乗車券2を投入または提示した場合、従来であれば、乗車券を投入した利用客の位置がわからないために、乗車券が問題なければドアを開いて、先行の利用者を誤って通過させたものが、本発明の方式では先行する利用客は乗車券を投入していないことが検知できるために、その通過を阻止することが可能となる。
【0086】
次に、この発明での処理の流れを図14に示すフローを用いて説明する。
【0087】
この自動改札装置では、人間検知センサ30、31、36などの状況から通路内に人物が入ってくるか否かを常時チェックする(ステップS1)。
【0088】
人物を確認した場合には乗車券2が投入口3に投入または無線アンテナ70部に提示されたかどうかを確認する(ステップS2)と共に、乗車券が投入されない状態で人物が自動改札装置を通過することがないように、人物検知センサ32、33、37、38で人物の通過をチェックする(ステップS3)。
【0089】
ここで、人物検知センサ32、33、37、38の位置まで人物が移動したと判定される場合には当該人物が乗車券なしで通過しようとすると判断して、ドア41を閉める(ステップS12)。
【0090】
乗車券2が投入または提示された場合、その券の情報を読み取る一方で、その投入信号を元に画像処理回路83で券を投入または提示した人物の存在位置を知り、人間検知センサ32、33、37、38の出力と比較して、投入人物の位置を確認する(ステップS4)。
【0091】
続いて、乗車券2の有効期間や区間などの情報を検査してその乗車券が有効であるかどうかを確認する(ステップS5)。
【0092】
乗車券が有効でない場合には通行者を通すことができないためにドア41を開けずに有効でない旨の表示を行い、乗車券を排出(ステップS11)して、ドアを閉めるステップに移る(ステップS12)。
【0093】
乗車券が有効である場合には、先の乗車券投入人物の位置判定結果に基づき、その人物が通路内のドア41の手前に位置する場合には、乗車券2を排出して(ステップS8)、通過可能の表示をしてその人物を通すようにドア41を開く(ステップS9)ようにする。
【0094】
これに対し、乗車券投入の人物が通路入り口に位置する場合には、人物の前方でドア41の手前に人物が存在しないかを確認する(ステップS7)。
【0095】
人物が存在しない場合には、通路入り口に存在する通行者が通れるようにドア41を開く処理に移る(ステップS8)。
【0096】
人物が存在する場合には、通路内の人物を誤って通過することがないように、乗車券2を排出して(ステップS11)ドア41を閉じるステップに移る(ステップS12)。
【0097】
なお、人物の通行を阻止した場合にはその人物が自動改札装置から戻ることを確認して最初のステップに戻ったり(ステップS13)、人物の通行のためのドア41を開けた場合には人物の通行を待ってドア41を閉じることは従来と同様である(ステップS10)。
【0098】
以上のように乗車券を投入した人物の位置により開閉の処理を行うことにより、誤って有効な乗車券を持たない利用者を通過させることはない。
【0099】
なお、ステップS12では、乗車券が有効でないように表示するとしたが、場合によって乗車券が有効でないためにドア41を閉じたのか、乗車券は有効であるが乗車券を投入した人物に先行して人物が存在するためにドア41を閉じたのかにより表示を変えれば利用者に対する利便が図られる。
【0100】
また、ステップS1、ステップS2の順に続けて行うとしたが、これは逆でも良いし、図15に示すようにステップS1からステップS3とを同時に確認してもかまわない。
【0101】
また、ステップS4は,ステップS5の前に行う必要があるのではなく、その後でもかまわない。
【0102】
なお、図14、図15に示すフローは、乗車券を投入または提示する通行者が1人である場合を想定したものであるが、実際には次々に利用者が来て、1人の通行者が乗車券投入後、自動改札装置から抜けるまでの間に次の人物が乗車券を投入する場合が考えられる。
【0103】
この場合には、CPUのブログラムで状態フラグなどを利用すると共に、人物検知センサの出力を見ながら移動物体の位置を追跡することにより、ステップS9で人物の通過を待つ間に平行してステップS1、S2の処理を行い、複数の利用者が通行できるような処理を行うことももちろん可能である。
【0104】
また、以上の説明では画像処理部においては画像変化が検出された時点で手の検出をすると仮定したが、ノイズによる誤動作を防ぐために、取込の頻度を上げて、連続して数回変化を抽出した場合のみ手が存在するというように判断することも考えられる。
【0105】
本発明の実施の形態では、ビデオカメラ80の映像から手の領域を抽出するため、ビデオカメラ80は図1に示したように、乗車券投入口3と無線アンテナ70のほぼ中間位置の情報のポール50にできるだけ光軸が垂直になるように設置すると良いと考えられる。
【0106】
なぜなら、ビデオカメラ80の光軸が垂直でないと通行者の手の高さが撮像して得られた映像の手の向きに関係しており、画像処理によって求めた手の方向の精度が低くなるためであり、また、乗車券投入口3と無線アンテナ70のほぼ中間位置の上方のポール50に設置するのは、ビデオカメラ80の光軸をできるだけ垂直にしたいためである。
【0107】
さらに、ビデオカメラ80の視野は、無線アンテナ70と乗車券投入口3に乗車券2を投入または提示する手が十分に撮像でき、背後の人の足や荷物はできるだけ視野内に入らないようにすると良い。
【0108】
なぜなら、ビデオカメラ80の視野内に余計なものがあると、画像処理の負担が大きくなったり、画像処理によって求めた手の方向の精度が低くなったりするためである。
【0109】
ところで、乗車券2の投入口3付近と乗車券2を提示する無線アンテナ70付近とを1台のビデオカメラで撮像した時に解像度の関係で十分な精度が出ない場合が考えられる。
【0110】
この場合には、図16に示すように、乗車券2の投入口3付近を撮像するビデオカメラ80aと、乗車券2を提示する無線アンテナ70を撮像するビデオカメラ80bとを別々に設置することにより、解像度を確保し検出精度を向上させることも可能である。
【0111】
また、ビデオカメラは通常光軸方向に長くなるために、図2のようにビデオカメラ80を設置すると、ポールから上方(あるいは下方)に張り出してしまい見苦しくなる上に通行者に違和感を与えたりする可能性もある。
【0112】
このような場合には、もちろん小型のビデオカメラを使用してポール50内に納めることができればそれに越したことはないが、ビデオカメラの長さ方向が長くて上下にはみ出してしまうような場合には、図17に示すように反射板92を用いることによって、ビデオカメラ80をポール50の中に埋め込むことも可能である。
【0113】
なお、必要により、反射板92の前後にレンズを配して、ビデオカメラ80と反射板92との間の光をポール50と平行にすることも可能であり、図18に示すようにレンズ93と反射板92とをユニット化しておけば、それらの調整も容易となる。
【0114】
この場合、通常のレンズと同様に絞り調整やビント調整ができるようにし、反射板92の角度は図19に示すような調整ネジ94を用いて調整できるようにすれば、調整も比較的容易に可能となる。
【0115】
この場合も、乗車券2の投入口3付近と乗車券2を提示する無線アンテナ70付近を1台のビデオカメラで撮像して十分な精度が得られない場合には、図20に示すように2台のビデオカメラ80a,80bを設置することにより、解像度の改善を図ることができる。
【0116】
さらに、ポールが細くてその中にビデオカメラを納めることができないような場合には、図21に示すように、ビデオカメラ80とファイバスコープ95を接続して、ビデオカメラ80を本体内に埋め込み、フアイバースコープ95先端のレンズで撮影領域を見るようにすれば、通行者から目立たないように設置することが可能である。
【0117】
ここで解像度が得られない場合にはもちろん図22に示すように2台のビデオカメラ80a,80bを用いれば良い。
【0118】
さて、これまでの説明では、画像処理部において乗車券を投入または提示する動作を検出し、人物の位置との対応づけは手の位置または角度と人間検知センサの出力状態で対応づけるとしたが、ビデオカメラ80の視野を広くして、同時に通路内部も撮影するようにすれば、撮影画像中から手を検出すると共に通路内の人物位置も求めることが可能となり、しいては人間検知センサ30〜39の出力なしに同様の判定を行うことが可能となる。
【0119】
この例について図23を用いて説明する。
【0120】
この場合は、ビデオカメラ80の視野が広いために、画像中には券を投入または近づける手と体の一部が写っている状態となる。
【0121】
このため上述と同様の画像の取り込み差分処理を行うと、同図(a)に示すように通路内の人物の体の一部と手の一部が一体または分離して変化領域となって抽出されるようになってしまう。
【0122】
ここで、通路内の人物の体は画像の一部の辺に沿って抽出され、手はそこから伸びる形で抽出されるため、たとえば同図(b)に示すように画像の下部に人物位置抽出領域を設定し、上部に手方向抽出領域を設定すると、前者では抽出された移動物体領域の左右位置から人物の位置を求め(同図(c))、上部で抽出された移動物体領域から手の位置や方向を求め(同図(d))、これらの接続状態により、どの位置にいる人物が乗車券を投入または近づけたかを容易に判定することができる((同図(e)、(f))。
【0123】
すなわち、この場合には通路内の人物位置を検出するための人問検知センサ30〜39が不要となる。
【0124】
なお、ここでビデオカメラ80の視野が広くなることにより、複数の人物候補領域やそこから伸びる複数の手候補領域が抽出される場合も考えられる。
【0125】
この場合には各々の通行者領域とそれに合った手の領域を対応づければ良いわけであり、たとえば、図24に示すように両者の外接四角形が共通部分を持つ場合には、同一の人物によるものであるとして対応づける。
【0126】
図25に示すように、そうでない場合には、人物候補領域と手候補領域とについて、その距離がもっとも近いものどおしを対応づければよい。
【0127】
すなわち、この通行者候補領域と手候補領域の対応づけ問題は、領域の各種データをパラメータとして、対応関係を表す評価関数を用いたあてはめ問題と置き換えて対応づけることができる。
【0128】
この評価項目としては人物、手の候補領域の近さ、大きさ、手のあるべき方向などを考慮すれば良く、以下にその一例を示す。
【0129】
複数の通行者候補領域と手侯補領域をそれぞれR1i、R2j(i=1,2,…,m j=1,2,…,n)とする。
【0130】
ここで、mとnはそれぞれ通行者候補領域、手候補領域の数である。
【0131】
次にR1iの重心G1i、R2iの面積S2j、およびR2iの重心G2jをそれぞれ画像処理で用いられる基本手法により求める。
【0132】
さらに、R2j(j=1,2,…,n)のそれぞれにおいて(1式)を対応させて手の方向を慣性主軸方向θ2jを求める。
【0133】
そして、対応づけの評価関数を、重心が近く、手侯補領域面積が大きく、手の方向に対応する慣性主軸方向が適切な方向を向いているといった各種データを評価に盛り込んだ以下のような式で表し、その評価値Eの値を最小化するものとして選択する。
【0134】
ここにWd、Ws、Wθは重みづけの定数であり、θTはあらかじめ与えたR2jの方向の推定値である。
【0135】
また、Dxij,DyijはG1iとG2jの距離で、G11とG2jの座標をそれぞれ(x1i,y1i)、(x2j,y2i)としたとき、次の(4式)で与えられる。
【0136】
Dxij=:xi−xj:,
yij=:yi−yj: (4式)
以上のようにして、複数の利用者や手の領域が抽出された場合には、外接四角形の共通部分や対応づけ等により、通行者候補領域と手候補領域を対応づけることにより、どの人物が乗車券2を投入または提示したかをビデオカメラ80からの画像を処理することにより知ることが可能であり、同時に通路内のそれ以外の人物の存在を知ることができるために、人物検知センサ30〜39の出力を利用せずに同様の効果が得られる。
【0137】
なお、これまでの説明ではビデオカメラ80をポール50上につけるとしたが、ビデオカメラ80はここである必要はなく、たとえば図26に示すように通路のほぼ真上から下向き、かつ真上よりやや通行券投入口3に近い位置に設置して、通路内部も撮影するようにしても構わない。
【0138】
この場合には図23の場合よりさらにビデオカメラ80の画角が広くなり、図27に示すように複数の人物が映るが、上述のように複数の人物領域が抽出されたと想定して領域を切り分ける処理等を行うことにより、通行者と乗車券を投入または提示する手を対応づけることができる。
【0139】
次に、第2の発明の実施の形態について説明する。
【0140】
上述した第1の発明の実施の形態は、利用者が1枚の乗車券を利用する場合についての発明の実施の形態であったが、この第2の発明の実施の形態は、第1の発明の実施の形態で述べた利用客と投入または提示される乗車券とを対応づける処理を利用することにより、通行者が料金不足の乗車券と精算券のような複数の乗車券を投入または近づけて自動的に精算処理等を行うことを、高い安全性で行おうとするものである。
【0141】
すなわち、この第2の発明の実施の形態は、図28に示したように通行者が2人いたときに、先行している通行者Aが料金不足の乗車券aを投入し、後続の通行者Bが精算券b、料金不足の乗車券の順番に券を投入した場合(図28(a))と、先行の通行者Aが料金不足の乗車券aと精算券bを投入し、後続の通行者Bが料金不足の乗車券cを投入した場合(図28(b))の違いを従来の自動改札装置では判断がつかなかったものを、第1の発明での実施の形態述べた利用者と乗車券を対応づける方式を用いることにより判定して、乗り越し精算を可能としたものである。
【0142】
この第2の発明の実施の形態は、第1の発明の実施の形態で述べた乗車券が投入または提示された場合に、それが通路内のどの位置に存在する利用者によるかを判別する方式を利用することにより実現される。
【0143】
すなわち、第1の発明によって図28(a)と図28(b)との違いであるところの精算券を投入した人物が先行する人物かあるいは後続する人物であるかがわかることになる。
【0144】
つまり、CPU42で画像処理回路83の出力と人間検知センサ30〜39の出力、さらに、乗車券2の読取結果を組み合わせて判断することにより、上記目的を達成することができる。
【0145】
次に、この第2の発明の実施の形態での処理の流れを図29,30のフローを用いて説明する。
【0146】
同図において、ステップS1からステップS4までのフローは第1の発明の実施の形態のそれと同様である。
【0147】
すなわち、乗卓券の投入があった場合にその投入位置を確認した後(ステップS4)、それが精算券であるかどうかを確認し(ステップS5´)、精算券である場合には引き続き料金不足の乗車券が投入される可能性があるために、次の券の投入を持つ処理ステップに移る(ステップS8´)。
【0148】
そして、精算券でない場合には乗車券となるが、これが精算不能な乗車券であるかをどうか確認し(ステップS6´)、精算不能である場合には通行不能の処理ステップに移る(ステップS17)。
【0149】
精算可能である場合には、後述する精算が必要かいなかの処理ステップ(ステップS7´)を経て次の券の投入を待ち(ステップS8´)、次の券がなかなか投入されない場合にはタイムアウト処理ステップS9´を経て通行不能の処理に移る(ステップS17)。
【0150】
券が投入された場合には、1枚目と2枚目の乗車券を投入した人物の同定を行うためにその人物の位置を再度確認した上で、2枚の乗車券の組み合わせで通行可能かどうかを判断する(ステップS10´,S11´)。
【0151】
次に、同一人物であるかどうかを確認し(ステップS12´)、同一人物でないと判定される場合には不正通行になるので、券を排出して通行不能の処理に移る(ステップS17)。
【0152】
同一人物であり、且つ1枚の乗車券で通行可能と判断された場合には、第1の発明の実施の形態の場合と同様に、その人物の前方に乗車券を投入していない人物がいないかどうかを確認し、不在であれば、ドアを開き通行させる(ステップS14)。
【0153】
なお、精算券が用いられた場合には、この段階で初めて精算処理を行うこととし、他の場合は不用意に精算処理が行われないようにする。
【0154】
なお、通行者が通行可否が判断された後の処理は第1の発明の実施の形態の場合と同様である。
【0155】
ここで、ステップS4´とステップS10´とで投入人物の位置確認を2度行っているのは、その人物が複数の乗車券を投入する場合に移動している可能性があるためであり、その検出時間の違いや人間検知センサの出力結果などを勘案して判断する必要がある。
【0156】
この対応づけの精度を上げるためには、ステップS8´の中で人間検知センサの出力を見て、自動改札装置内の移動物体の動きを監視しておくことも考えられる。
【0157】
また、ステップS4´からステップS10´間での処理に要する時間が、きわめて短時間である場合には、ステップ10´の処理を行わなくても構わない。
【0158】
また、ステップS8´において、通行者が精算が必要であることを理解せずにとまどってしまうことを考慮すれば、ここで、次の精算券を投入することを促すような表示を表示部28に表示したり、音声で案内すると利用者の利便を図ることができる。
【0159】
なお本フローは1人の処理について説明しているが、図14の説明で述べた場合と同様に、実際には1人の通行可能処理が終わると共に次の通行者が進入してくる場合が予想され、このような場合にはCPU42のプログラムにおいて、状態フラグなどを利用することにより、ステップS16´で人物の通過を待つ間に平行してステップS1、S2、S3の処理を行い、複数の利用者が通行できるような処理を行うことももちろん可能である。
【0160】
以上のように本第2の発明の実施の形態においては、人物の位置と乗車券の種類や有効期間などを調べることにより、複数枚の券に対応させることが可能となる。
【0161】
なお、これまでの説明では複数の券の使用例として、料金不足の乗車券とその精算券の2枚として説明してきたが、これは乗車券と特急券のようにペアで用いられる券に対してももちろん対応できるし、券の枚数は2枚でなく、3枚以上であったとしても同様に対応可能である。
【0162】
ところで、第1及び2の発明の実施の形態は、自動改札装置内部の処理において通行者と投入券を対応づけ、本来は通過できない先行する通行者が後続の正券を所持する通行者の乗車券の読取結果により不当に通過することを防止しようとする方式であった。
【0163】
これは後続の通行者が、先行する通行者の乗車券の読取り結果がわからないままに自分の乗車券を投入したり提示したりすることにより発生する問題を、装置側で解決しようとするものである。
【0164】
しかるに、無線交信タイプのような自動改札装置においては、先行する人物と後続する人物が同時に乗車券を提示する可能性があり、この場合には第1の発明の実施の形態の方式をしても読み取られた乗車券の情報がどの通行者の所持するものかはわからずに、結果として、誰も通せなくなる可能性がある。
【0165】
また、通行者の側からすれば、先行する利用者の乗車券と自分の乗車券との読み取り結果を知りたい要求があると考えられる。
【0166】
また、見方を変えると、後続の通行者に対して、先行の通行者が正券を所持していなかったり精算が終了していないということがわかるようにすれば、後続の通行者が乗車券や精算券を投入または提示しないようになるために、正しい乗車券を持たない先行する人物が通れないようにすることができるというように考えられる。
【0167】
そこで、次に説明する第3の発明の実施の形態では、これを、先行の通行者の通行可否結果を後続の通行者に知らしめることにより、後続の通行者が不用意に自分の乗車券を投入または提示することがないようにする。
【0168】
図31に本第3の発明の実施の形態のブロック図を示し、図32に本第3の発明の実施の形態の自動改札装置の外観図の例を示す。
【0169】
図31は、図5に示した第1の発明の実施の形態のブロック図に乗車券の検査結果を出力する出力機能を備えたものである。
【0170】
この出力機能としては、たとえばランプや文字情報などの表示やチャイム等の音声情報などが考えられ、いずれの場合もこれから乗車券を投入または提示しようとする人物に、先行する人物の乗車券の読取り結果がわかるように、投入口3や無線アンテナ70近くに表示器85またはスピーカ86を設けることで実現する。
【0171】
本第3の発明の実施の形態では、前述した表示装置28が乗車券を投入してゲート41を通過しようとする先行者に対して出力するのに対し、本発明ではこれから乗車券を投入または近づけようとする後続する利用者に対して案内する点が従来の自動改札機と異なる点である。
【0172】
図33は表示器85の例で、先行する人物の乗車券が問題なかった場合に点灯する青ランプ85aと検査中または問題がある場合に点灯する赤ランプ85bからなり、乗車券の検査状況と結果、および利用者の位置によりそのいずれかが点灯するようになっている。
【0173】
本第3の発明の実施の形態の動作としては、前の通行者の処理が完了しているときに青ランプ85aが点灯し、前の通行者の乗車券の処理中、または処理の結果通行不可となり、その通行者がまだ自動改札装置の通路内に存在する場合に赤ランプ85bが点灯するようになっている。
【0174】
すなわち、青ランプ点灯時には、利用客が投入しようとする乗車券の読み取り結果はそのままその利用者が通行するために利用される。
【0175】
また、赤ランプが点灯している場合には前の人の処理が完了しておらず、乗車券を投入または提示しようとしている人物の乗車券の読み取り内容が、先行する人物に利用される可能性があるので、後の利用者に乗車券の投入または提示をしないように働きかける。
【0176】
次に、青ランプ85a、赤ランプ85bの点灯切り換えの条件についで説明する。
【0177】
この点灯切り換えタイミングは、乗車券の読み取り結果と人物の位置により決まる。
【0178】
まず、利用者が自動改札装置内に進入した場合や、乗車券が投入された場合には、乗車券の検査を行うために青ランプ点灯から赤ランプ点灯に切り換える。
【0179】
そして、乗車券が問題ない場合には、人物が自動改札装置の所定の位置を通過することを人間検知センサ30〜39で検知し、これを検知した段階で通過が完了し、次の通行客が乗車券を投入可能であると判断して表示装置85を赤ランプ点灯から青ランプ点灯に切り換える。
【0180】
ここでのドア41の開閉の動作は従来と同様である。
【0181】
すなわち、もし、利用客の投入または提示した乗車券が有効でないならば赤ランプ点灯のまま、従来と同様にドア41を閉じた状態でその券を排出し、引き続き精算券の投入を待って通過可能となるかどうかを確認し、通過可能となればドア41を開くと共に人物の通過を確認して青ランプ点灯に切り換える。
【0182】
もし、精算券等の投入がなかったり、期限や区間外のような問題の場合には、排出した券を通行者が取って自動改札装置の入り口まで戻ることを人間検知センサ30〜39で確認した後、青ランプ点灯に切り換える。
【0183】
次に、本第3の発明の実施の形態の動作について、図34,35に示すフローチャートを用いて説明する。
【0184】
まず、人間検知センサ30、31、36で自動改札装置の通路内に人物が入ってくるかどうかを確認する(ステップS1)。
【0185】
もし、人物が入ってくることを検知した場合には、人物の進入検知フラグをたて、ランプを青ランプ点灯から赤ランプ点灯に切り換える(ステップ30)。
【0186】
また、利用者は自動改札装置の通路内に入る前に乗車券を投入または提示することがあるために、乗車券の投入または提示する動作があるかどうかを確認する(ステップS2)。
【0187】
ここで、人物の進入または乗車券の投入または提示する動作を検知すると、乗車券の種別や有効期間、区間などの情報を読み取り(ステップS4)、赤ランプ点灯に切り換える。
【0188】
次に、乗車券の投入または提示と人物の進入とを確認した後(ステップS22)、乗車券の種別判断に移る。
【0189】
乗車券が精算券であるかどうかを確認し(ステップS5´)、精算券であるならば、次に精算を要する乗車券が投入または提示されるのを待つ処理ステップに移る(ステップS8´)。
【0190】
精算券でないならば投入または提示された券は乗車券であると想定して、その乗車券が有効であるか、または有効ではないが精算により有効になるかを判定する(ステップS6´)。
【0191】
乗車券でなかったり、有効期間が切れているような場合には、どうしても通過させることができないので、乗車券を排出して(ステップS17)ドアを閉じて通過させないようにする(ステップ18)。
【0192】
そうでない場合には精算の必要があるかどうかを確認し(ステップS7´)、精算不要であれば通行可能の処理ステップに移る(ステップS8´)。
【0193】
精算で通過できる場合には、次の券の投入または提示されるのを待つ処理ステップに移る(ステップS6´)。
【0194】
ここで、次の券が所定時間投入されない場合には、利用客が精算の意志がないと判断して、通行不可の処理ステップに移る(ステップS17)。
【0195】
精算券が投入された場合には、その結果を検査し(ステップS11´)、精算不可ならば通行不可の処理ステップに移る(ステップS17)が、精算結果が可となれば、通行可能の処理ステップに移る(ステップS13´)。
【0196】
通行可能の場合はそのまま、乗車券を排出してドア41を開ければよいが、必要であれば、第1の発明の実施の形態と同様に、ステップS13´からステップS16の処理を行うことにより、投入者より前の乗車券を投入しない人物が通行することがないように確認した上で、通行を促す。
【0197】
なお、このフローの各処理手順は図29,30を元に精算券を受け付けるとして説明したが、これはあくまでも一例であり、精算券を受け付ける機能をなくしても良いし、投入者より前に位置する通行者の判定を行わなくても構わない。
【0198】
もちろん、本発明の基本を変えない限り、読取りや判断、ランプ点灯のタイミングを前後することは可能である。
【0199】
以上述べてきたように、自動改札装置の通路内の人物の乗車券の解折結果を後続する通行者に伝えるようにすれば、後続の通行者は先行する利用者の読み取り処理結果を確認せずに急いで自分の乗車券を投入または提示することがなくなり、結果として、先行する正しい乗車券を持たない利用者が後続する利用者の乗車券により通行するといった問題を解決することができる。
【0200】
なお、本第3の発明の実施の形態では、出力機能として赤、青ランプを例として説明してきたが、これは文字表示であってもかまわないし、赤ランプ点灯時に対応する期間や赤から青に切り替わるタイミングでチャイムやブザーを鳴らすようにしてもかまわない。
【0201】
この表示装置85は図33に限るものでなく文字や図柄で表示してももちろんかまわない。
【0202】
また、この第3の発明の実施の形態では従来と同様に自動改札装置に設けられている人間検知センサ30〜39で人物の位置や通行を確認するとしたが、第1、第2の発明の実施の形態のように自動改札装置側で券を投入する人物の位置を判断させてその結果を元に後続する人物への表示ランプを制御するようにしてもかまわない。
【0203】
第1、第2の発明の実施の形態は乗車券を投入または提示する付近をビデオカメラを利用して撮影することにより、通行者と乗車券を対応づけようとするものであった。
【0204】
このように、ビデオカメラを利用すると従来の人間検知センサでは線でしか得られなかった情報が面の情報として広がるために、通行者に関する様々な情報を得ることができるようになる。
【0205】
そこで、次に述べる第4の発明の実施の形態は、ビデオカメラ80等を用いて通行者を撮像することにより、通行者の背の高さを判定し、従来はポール50にとりつけた人間検知センサ30〜39でしか得られなかった利用者の身長情報を精度良く映像から得ることとし、ひいては大人と小人の区別をしようとするものである。
【0206】
本第4の発明の実施の形態を図36から図41を用いて説明する。
【0207】
本第4の発明の実施の形態ではビデオカメラ80の映像から通行者の背の高さを判別しょうとするものであるから、第1、2の発明の実施の形態と異なりこれらの違いが判別できるような位置にビデオカメラ80を配置する必要がある。
【0208】
図36はその一例であり、通路進行方向むかって左側の自動改札装置上にビデオカメラ80を設置した例である。
【0209】
このビデオカメラ80の画角は入力画像上での左端(進行方向側)が自動改札装置の中央部近傍を映し、また右端(進行方向手前側)はできるだけ通路の外部が映らないように配置し、さらに上下方向は面面下部に自動改札装置の内部が多少写る角度に設定すると後の処理が行いやすい。
【0210】
このビデオカメラ80で撮像した映像を第1の発明の実施の形態で述べたようにあらかじめ撮影しておいた背景画像との差分処理か、所定の時問間隔ごとに取り込んだ画像間での差分を求め、さらに2値化処理を施すことにより、移動物体の領域を抽出する。
【0211】
図37に示すように、ビデオカメラ80による入力画像内に動物体の存在が検出された場合には、これは通行者に相当する。
【0212】
ビデオカメラ80の位置が図38に示すような場合には、一般に人物の背の高さはそのまま画像内での動領域の高さに相当するが、図38に示すように人物はビデオカメラ80の光軸と鋭角をなすθ方向に移動するので移動に伴い緩やかに面面の右から左に移動し、手前に来るほど大きく映る特徴がある。
【0213】
したがって、人物の背の高さは図39に示すように画像内の左右方向の所定位置で検出した場合の像の高さで判定することになる。
【0214】
人物の存在は、背の高い変化領域を検出することにより得られるので、図40(a)に示すように変化領域を抽出した面像に対して縦方向に射影をとり、この射影値が連続して所定値THhyより高い部分が所定期間THlyより長く続く部分をーつの山として切り出すことにより、人物の存在を知ることができる。
【0215】
このときの変化領域の画像内での上部位置が人物の頭頂部に対応することから、このY軸方向の位置を求めることによりその人物の身長を求めることができるようになる。
【0216】
ここで、上述のように移動に伴い、人物の高さは次第に高く検出されるために、画像内でのこの山が所定位置、つまり画像内の左右方向の一定の位置に来たときの頭頂部立置がその人物の背の高さであると判定する。
【0217】
すなわち、図40(b)に示すように変化領域を検出する差分2値画像において、位置pを含む幅dの領域を身長計測位置として定め、ここで縦方向の射影を常時求め、その射影値が連続して所定値より高くなった場合に人物が入ってきたことを検出し、さらに、その山が位置pに来たときにその変化領域の上部の位置がその人物の背の高さとして測定することになる。
【0218】
この一連の様子を図41(a),(b),(c)に示す。
【0219】
なお、変化領域面像内でのピークの位置から実際の身長を対応付ける場合には、その時の頭頂位置の垂直方向高さによりその高さと身長を対応させたテーブルを予め実験的に求めておきそこから身長を求めることができる。
【0220】
このようにして通行する人物の身長が判定された後は、あらかじめ設定されている大人と小人の身長のしきい値と比較して、通行する人物が大人であるか小人であるか判定する。
【0221】
そして、この後、投入または提示された乗車券の種別により小人用ランプを点灯させたりブザーを鳴らしたりするような動作は従来と同様である。
【0222】
なお、ここでは位置pを含む幅dの領域で人間を検出するとしたが、差分2値画像を画像取込の度に求めて縦方向の射影を求めてその山の位置を求め、それを時間軸にそって追跡をすることにより人物の移動を精度良く求めたり、あるいは入場にも退場にも用いる通路である場合には、この方法により移動方向までも求めることも可能となる。
【0223】
また、画像のみで人物の検出を行うのでなく、高さを判定する位置に人間検知センサを設けておき、このセンサをさえぎった場合に画像内での人物の頭頂部の高さを判定することも可能である。
【0224】
以上のようにして通行する人物の身長がわかったならば、この人物が大人か小人かの判定を行う。
【0225】
この判定はCPU42においてあらかじめ設定していた値より大きいか小さいかにより行い、さらに乗車券の読み取り結果から大人用か小人用かの結果とつきあわせることにより、必要によりランプを点灯させたり、ドアの開閉条件を変えたりする。
【0226】
このようにすれば、大人と小人の条件はCPU42にあらかじめ設定しておく値を変更することにより変更が可能であり、従来のようにポール50の高さを変えるといった変更は必要なくなる。
【0227】
なお、ここでは、従来の自動改札装置の機能に照らし合わせ、身長情報を大人と小人の区別にのみ利用するように説明したが、本発明の実施の形態は利用者の身長が従来よりも正確にわかるため、たとえば定期券のような乗車券に対してはその身長情報を乗車券内に記録しておくことにより、次のような利用が考えられる。
【0228】
すなわち、自動改札装置での乗車券の検査時に従来の有効期間や区間の他に、自動改札装置で得られた身長情報を検査内容に加えて、もしこの身長が所定値以上違っている場合には、その定期券の正規の所持者以外の人物が利用したと判断して通行できないようにするなどの応用も可能となる。
【0229】
ところで、ビデオカメラ80の配置は図36に示した位置である必要はなく、図42に示すようにポールの上に取り付けたり、また、図43に示すように進行方向に向かって右側の本体に設置してもかまわない。
【0230】
この場合、得られる画像は図37と異なり左右逆になるが、処理方法は前述したとほぼ同様である。
【0231】
なお、図43の場合は、また無線アンテナ部70があるため、この無線アンテナ部70より進行方向奥側にビデオカメラ80を設置することことが好ましいと考えられる。
【0232】
第4の発明の実施の形態は、ビデオカメラを用いて通行者を撮像することにより大人と小人を判別しようとするものであった。
【0233】
ところで、従来の自動改札機の人間検知センサでは、センサの明暗情報しか得られなかったために、さえぎった物体が荷物であるか人であるかを判別することは不可能であった。
【0234】
すなわち、従来の自動改札機では、人物の通過は人物検知センサで検知しているため、利用者がゴルフバックを前に抱えて自動改札装置を通過しようとして、ゴルフバッグが人物検知センサをさえぎると場合によってはそれを人物の通過であると誤判別してしまい、ゴルフバッグが通過した後に人物が通過しようとするとドアが閉じてしまう危険性があった。
【0235】
第4の発明の実施の形態のように、ビデオカメラ80を用いると、通行者が撮影されることになるが、撮影する映像内には、当然その通行者が運ぶ荷物も映ることになる。
【0236】
つまり、ビデオカメラによる映像を用いれば、第3の発明の実施の形態で述べたように点の情報でなく、面の情報となるために荷物と人の区別をつけることもできると考えられる。
【0237】
そこで、次に述べる第5の発明の実施の形態は、ビデオカメラ80により撮影した映像を画像処理することにより、荷物と人を分離し、通過の判定は人物の通過情報のみで行おうとするものである。
【0238】
この場合、人が持つ荷物としては様々な物が考えられるが、従来の自動改札機において人間検知センサで検知してしまう代表的な荷物としては、上述のゴルフバッグのほかカバン、サーフボード、傘、ベビーカーなどが挙げられる。
【0239】
本第5の発明の実施の形態では、ビデオカメラ80の映像からこれらの荷物を人と区別して判別して、必要により人物検知センサ30〜39の出力と組み合わせて人物の通過を精度良く判別することにより、上記のような問題を解決するものである。
【0240】
本第5の発明の実施の形態は、ビデオカメラ80の映像から人と荷物を判別するものであるから、これらの違いが判別できるような位置にビデオカメラ80を配置する必要がある。
【0241】
たとえば第4の発明の実施の形態と同様に、通路の進行方向に向かって左側の自動改札装置上にビデオカメラ80を設置しても構わないし、右側の自動改札装置上にビデオカメラ80を設置しても構わない。
【0242】
また、ドア41の手前を撮影するようにすれば、利用者がドア41を通過しようとする場合に判断が行えるので、精度を向上させることができる。
【0243】
なお、この場合、第4の発明の実施の形態と同様に、ビデオカメラ80の画角は入力画像上での左端(進行方向側)が改札機の中央部近傍を撮影しうるように、また右端(進行方向手前側)はできるだけ通路の外部が映らないように配置し、さらに上下方向は画面下部に自動改札装置の内部が多少写る角度に設定すると後の処理が行いやすい。
【0244】
次に、本第5の発明の実施の形態を図44から図49を用いて説明する。
【0245】
本第5の発明の実施の形態では、これまでに述べた発明の実施の形態と同様に、ビデオカメラ80から取り込んだ画像に差分処理を施すことにより人物と荷物の領域を抽出する。
【0246】
図44は抽出された荷物をもつ人物の例を示しており、この領域から後述のように人物の可能性のある領域を抽出する。
【0247】
この人物領域以外の固まった領域は荷物に相当することになるので、この領域が抽出された場合にはこの画像内の位置から荷物や荷物が自動改札装置のどの付近を通過しているかを推定して、その結果と人物検知センサ30〜39の出力とをCPU42で比ベることにより、荷物が通過することによる人物検知センサ30〜39の出力は無視して人物のみで通過を判定するようにする。
【0248】
人物領域を判別する方法はいろいろと考えられるが、その例を図45から図48で説明する。
【0249】
図45では第1の発明の実施の形態で示したと同様に、X、Y軸方向への射影パターンを求めて、その射影パターンで所定の高さTHhy,THhx以上が所定の長さTHly,THlx以上続く区間を求めることにより、固まった形となる変化領域を求め、必要により、その外接四角形を求める。
【0250】
この場合、ビデオカメラ80は固定の位置、倍率であるので、自動改札装置内の人物はおよそどのくらいの大きさで見えるかは決まっており、変化領域の面積や外接四角形の大きさで人物かどうかを判定することができる。
【0251】
つまり、抽出された変化領域の外接四角形の大きさや面積などがあらかじめ設定しておいた人物サイズや人物面積に近いかどうかにより、得られた変化領域が人物らしいかどうかを判定することができる。
【0252】
なお、同図に示したように、外接四角形を求める場合、一般には運んでいる人物と荷物の間は接続されているために、縦方向に求めた射影パターンで領域を切り出す場合には、その切り出しのための高さTHhyは少し大きめにしたほうが良い。
【0253】
また、外接四角形の大きさによる判定では信頼がおけないような場合には、形状の特徴を用いることも可能である。
【0254】
たとえば、人物は頭の幅が胴体の幅に対して狭いといった特徴があるために、たとえば図45のようにして得られた領域の上部と下部の幅を求め、その値や比が所定の範囲であるかどうかで人物を判定する方法も考えられる。
【0255】
つまり、固まりの領域を求めた後、図46に示すように上部、下部のそれぞれ高さたとえば30%程度の領域で再度縦方向に射影パターンを求め、その射影パターンで所定の高さ以上が所定の長さ以上続く区間を求めることで、上部と下部の幅Wu,Wlを求める。
【0256】
次に、その比Wu/Wlが所定の値の範囲であるか否かで人物を判定するものである。
【0257】
同図(b)、(c)に示すように、ゴルフバッグと人物ではそのWu/Wl値がたとえば0.9と0.6とのように異なるので、人物の判別が可能である。
【0258】
また、幅でなく、領域の面積を同様に求めて、その比で人物の判別が可能である。
【0259】
また、この簡易的な手法としては、図47に示すように抽出された領域の重心を求めて、人物であれば重心が下方向にあるのに対し、荷物であれば上部にある場合があるために、その上下の位置により判断することも可能である。
【0260】
さらに、画像の特徴を差分2画像で判断するのでなく、図48に示すように、差分2値画像である変化領域に対応する領域を取り込み画像において求め、人物であると仮定すると顔に対応する上部の領域の明るさや色を求め、その色や明るさが人物のそれに対応しているか否かなどを確認することにより,人物であるか否かを判定することなども可能である。
【0261】
このように領域が人物であるかどうかという判別方法はさまざまな方法が提案されているために、ここではこれ以上の説明は割愛する。
【0262】
次に、図49のフローチャートを用いて本第5の発明の実施の形態の動作について説明する。
【0263】
図49のフローチャートは、乗車券が有効とみなされ、その人物の通過を検知するものであり、図14のフローチャートのステップS5からステップS9に対応するものである。
【0264】
まず、乗車券が有効と判断された後(ステップS5)、ビデオカメラ80の映像から移動物体の形状を画像処理手段で判別して、上で述べた方式により、移動物体を抽出して荷物と人の切り分けを行い荷物の存在を知っておく(ステップS30)。
【0265】
次に、必要により、乗車券を持たないと思われる先行者がいるかどうかを確認する処理を行い(ステップS6)、もし先行者がいたならばその人物が通過してしまうためにドア41を閉めるステップに進む。
【0266】
先行者がいないならば乗車券排出やドア41を開くなどの処理を行い(ステップS8)、その後、人物検知センサ30〜39において物体の通過検知を行う(ステップS9)。
【0267】
この段階で再度画像処理により、人物と荷物の判別を行い(ステップS31)、通過したものが人物であるならば、人物通過完了のステップに移り(ステップS32)、通過したものが人物でないと判断された場合には、ステップS9に戻って再度人物の通過を待つ。
【0268】
なお、このフローチャートでステップS6は、第1の発明の実施の形態に照らし合わせて加えたものであり、本第5の発明の実施の形態では必ずしも必要なステップではなく、また、ステップS30とステップS31の人物、荷物の抽出処理は必ずしも両方で行う必要はなく、ステップS30の結果を覚えておいてステップS32の通過物体が人物かどうかの判定に用いたり、ステップS31のみで判定するようにしてもかまわない。
【0269】
なお、これまでの説明では、人と荷物を切り分けて、人物と判断された領域のみを人物通過の判断とすると説明してきたが、人物と荷物との判断がつきにくい場合には、これらを区別するのでなく、画像から人と荷物のつながりの様子を判断して、人物検知センサ30〜39で物体の通過を検知したときに、これだけで人物が通過したとするのでなく、画像処理回路83でそれらがつながっていると判定された領域全体の移動の様子を判断して、人と荷物がまとまって通過したと判断することもできる。
【0270】
すなわち、図45で、移動物体の領域を求める際に縦方向の射影パターンの切り出しのTHhyをやや低めにして、図50に示すように人と荷物のつながった外接四角形を求め、この外接四角形の移動の様子と人物検知センサ30〜39の出力結果とを合わせて見ることで、ゴルフバッグと人が通過した時点でこの人物が通過したと判断するものである。
【0271】
すなわち、図51のフローチャートにおいて、図49のフローチャートと同様に、乗車券が有効と判断された後(ステップS5)、ビデオカメラ80の映像から移動物体の形状を画像処理回路83の結果から判別して、荷物と人の接続状態を判別しておき(ステップS30)、必要によりその移動物体とドア41との間に乗車券を投入しない先行者が滞留していないかどうかを確認し(ステップS6)、乗車券排出やドア開などの処理を行い、その後、人物検知センサ30〜39において人物らしいものが通過したと判断したときに(ステップS9)面像処理回路83の結果から、通過した物体の外接四角形が大きく、さらに続く領域があるかどうかを判定し(ステップS31)、もし続く領域がある場合には、人物はまだ通過していないと判定して、続く領域の通過を待って、最終的に人物が通過したと判断するもの(ステップS32)である。
【0272】
以上述べてきたように、本第5の発明の実施の形態によれば、ビデオカメラ80の取り込み画像から移動物体の領域を求め、これから荷物と人の領域やそのつながりを判定し、この結果を人物検知センサ30〜39の出力と組み合わせることにより、荷物のみが通過してその荷物を所持する人が通過する場合にドア41を閉める、といった問題を取り除くことができる。
【0273】
なお、これまでの説明では、ビデオカメラ80の取り込み画像と、人物検知センサ30〜39の出力とを組み合わせるとして説明してきたが、これは必ずしも必要ではなく、ビデオカメラ80による取り込み画像内の情報のみから人の移動を検知することも可能である。
【0274】
また、これまでの説明では、ビデオカメラ80は自動改札装置上に設置するとして説明してきたが、荷物の判定をするためには、必ずしもこの場所に設置する必要はなく、図26に示したように通路上方に設置する場合も考えられる。
【0275】
この場合、上方から見おろすようになるために得られる画像は、図52に示すようになり、人と荷物との接続性がより顕著になる。
【0276】
すなわち、人物は通常同図(a)のように見えるのに対し、たとえばゴルフバッグ等を持つ場合には同図(b)のように見えるためにその違いが顕著にわかることになる。
【0277】
さらに,この場合には、複数の人が重なって見えるようなことが少なくなるために、複数人の切り分けが容易になるという特徴がある。
【0278】
さらに、この場合の背景は通路の床面となるために、図36のようにビデオカメラ80を設置した場合に比較して背景が安定しており、たとえば床に塗装を施したり、図53に示すように自動改札装置下部に蛍光灯87などを配置して、照明を施すなどすればより抽出が行いやすくなる。
【0279】
以上、第1から第5の発明の実施の形態まで順次に述べてきたが、このうち第3の発明の実施の形態を除き、ビデオカメラ80を設置して、所定時問間隔ごとに画像を取り込みその差分処理で人物や手などの動きを抽出することを基本としている。
【0280】
これまでの説明では、ビデオカメラ80により取り込んだ画像をそのままの大きさで差分処理を行うとして説明してきたが、処理時間がかかるような場合には、面像を縮小画像に変換し(モザイク化)することも可能である。
【0281】
また、実際の画像においては洋服の色の影響や雑音などが生じて正しい変化領域の抽出ができない場合があるので、画像処理一般に用いられる孤立点除去や小さい面積の領域を排除するような雑音除去や、逆に移動物体の内部に穴があいてしまうような場合に穴埋めを行なうことも考えられる。
【0282】
すなわち、自動改札装置の設置環境は背景が複雑である場合も数多く考えられ、そのような場合にはこれらの処理が良好に作用する場合も多いと考えられる。また、ビデオカメラ80の設置環境によっては、外光や照明条件が変わることに伴い差分画像全体に大きな変化が生じたように見えたり、通行者が乗車券を投入したり無線アンテナ70に提示するときに手がビデオカメラ80の前を横切って画像全体に大きな変化を生じるような場合も考えられる。
【0283】
このような場合には変化領域が大きくなるので、変化領域が大き過ぎる場合には、異常状態であるとみなして、処理を中断する必要がある場合も考えられるが、このときは照明変化や手の動きは短い時間での変化となるために、装置の異常とは区別できる上、実用上も問題が少ないと考えられる。
【0284】
また、ビデオカメラ80で捕えた画像から変化領域を抽出したり、対象物が人間であるかどうかを判定する方式については侵入監視などを目的として多くの方法が検討開発されており、本発明はこれらのどのような方式を用いても同様な効果が得られるものであり、画像処理の方法に左右される性質のものではない。
【0285】
また、以上の発明では、自動改札装置の処理や画像処理はCPU42により処理されるとしたが、これに限定するものではない。
【0286】
また、人物検知センサ30〜39については既存の装置が透過式の光線センサを用いているために、この透過式の光線センサで説明したが、これに限るものではなく、たとえば熱源の移動を検出する焦電センサや反射光や超音波などを用いた近接センサなどによっても構わない。
【0287】
また、ビデオカメラ80の位置についてはそれぞれの発明の実施の形態において最も有効な場所と考えられる場所を例として説明したが、必ずしもそれらの場所である必要はなく、自動改札装置上または通路上のどの場所であったとしても所望の映像が得られる場所であるならば問題はない。
【0288】
また、ビデオカメラ80は通常の照明または外光のもので撮影することを前提としてきたが、図54に示すように常時同じ明るさとなるように特定の照明88を施したり、通常の照明とビデオカメラの代わりに赤外線照明と赤外線カメラを用いて照明の影響を受けにくくすることも考えられる。
【0289】
また、図55(a)、(b)に示すようにビデオカメラ80の映す背景となる場所にLEDの様な光源89を配置して、通常はこの光源89が映し出されて乗車券を持つ手や人物が撮影領域内に入り込んだときにはその光源が見えなくなることを利用する方法も考えられる。
【0290】
同図(c)、(d)はこのような構成でビデオカメラ80から取り込んだ画像中に乗車券を持つ手が映った例であり、同図(e)、(f)はその差分2値画像である。
【0291】
同図(e)、(f)において、手や乗車券が遮ったLEDは同図で白く表されていて見えずに、その他のLEDは遮られていないために、点灯して黒く見えている。
【0292】
このように、同図(e)、(f)では見えるLEDが異なっており、この様子を判別することにより、どの方向から手が伸ぴているかを知ることができる。
【0293】
なお、この説明では、手をかざす部分で説明したが、これは自動改札装置及び床などの周辺でどこでも応用が可能であり、このようにすれば、LEDの点灯が見えるか見えないかで手や人物の存在を判定できるために、周囲の明るさの影響を受け難くすることが可能である。
【0294】
さらに、これまでの説明では、画像入力手段としてビデオカメラ80を前提として説明してきたが、たとえば、第1、第2の発明の実施の形態のように手の位置、方向がわかればよいので、必ずしもビデオカメラを使う必要はなく、図55に示したLED89の点滅状況を図56に示すようにおのおのフォトディテクタ89bで受光することにより、どの位置に乗車券を持つ手が存在しているかを知ることもできる。
【0295】
このようにLEDとフオトディテクタとを組み合わせるようにしたいわば光線センサを用いるのでなく、焦電センサ79や対象物までの距離を測定する超音波センサなどを図57のように複数配置することにより、その出力結果からどのあたりに手が存在しているかを知ることもできる。
【0296】
そのほか、本発明の範囲内においてさまざまな応用が可能である。
【0297】
【発明の効果】
従って、以上詳述したように本発明によれば、たとえば無札進入者の後に、正券をもった人が券を投入したときにおこるエラー(前者が通過でき、後者が無札となる)を防止することができるように、投入者と処理する乗車券を正しく対応付けすることができる。
【0298】
また、複数枚投入の対応の自動改札装置の場合、投入された券がどこまで一人分の乗車券であるかと、その投入者を特定することが可能となり、運用の範囲を広げることができる。
【0299】
また、通行者の乗車券の読み取り結果を後続の利用者に通知することにより、後続の利用客が乗車券を不用意に投入または提示したりすることがなくなり、信頼性が高まる。
【0300】
また、その投入者の詳しい情報、たとえば身長、荷物の有無等を得ることができる。
【0301】
身長を自動改札装置が判別できると、あらかじめ乗車券に所持者の情報を入れておき、その情報による所持者の身長と、実際に通行する人の身長を計測し比較することにより、一種のIDチェックを行うことができる。
【0302】
また、荷物の判別を正しくできることにより、荷物を持った人を二人の人と問違えることも無くなり、人間検知の検出能力をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施の形態による記録媒体処理装置に係わる自動改札装置の内部構造の一例を概略的に示す図、
【図2】この第1の発明の実施の形態による自動改札装置の外観を示す図、
【図3】通行者が乗車券を乗車券投入口に投入しようとしている状態を示す図、
【図4】通行者が乗車券を無線アンテナに提示している状態を示す図、
【図5】この第1の発明の実施の形態による自動改札装置の制御系統の構成を示すブロック図、
【図6】ビデオカメラで撮像した画像から、券を投入、または提示した通行者の手の部分を抽出する方式を説明するために示す図、
【図7】ビデオカメラで撮像した画像から、券を投入、または提示した通行者の手の部分を抽出する方式を説明するために示す図、
【図8】ビデオカメラで撮像した画像から、券を投入、または提示した通行者の手の部分を抽出する方式を説明するために示す図、
【図9】ビデオカメラで撮像した画像から、券を投入、または提示した通行者の手の部分を抽出する方式を説明するために示す図、
【図10】ビデオカメラで撮像した画像から、券を投入、または提示した通行者の手の部分を抽出する方式を説明するために示す図、
【図11】ビデオカメラで撮像した画像から、券を投入、または提示した通行者の手の部分を抽出する方式を説明するために示す図、
【図12】ビデオカメラで撮像した画像から、券を投入、または提示した通行者の手の部分を抽出する方式を説明するために示す図、
【図13】先行する利用者が乗車券を投入または提示せずに進入して、後続の利用客が投入または提示した場合についてを示す図、
【図14】第1の発明の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート、
【図15】第1の発明の実施の形態の処理の流れの変形例を示すフローチャート、
【図16】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図17】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図18】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図19】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図20】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図21】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図22】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図23】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図24】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図25】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図26】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図27】第1の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図28】通行者が2人いたときに、先行している通行者Aが料金不足の乗車券aを投入し、後続の通行者Bが精算券b、料金不足の乗車券の順番に券を投入した場合(a)と、先行の通行者Aが料金不足の乗車券aと精算券bを投入し、後続の通行者Bが料金不足の乗車券cを投入した場合(b)とを示す図、
【図29】第2の発明の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート、
【図30】第2の発明の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート、
【図31】第3の発明の実施の形態による自動改札装置の制御系統の構成を示すブロック図、
【図32】この第3の発明の実施の形態による自動改札装置の外観を示す図、
【図33】この第3の発明の実施の形態の表示器の例を示す図、
【図34】第3の発明の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート、
【図35】第3の発明の実施の形態の処理の流れを示すフローチャート、
【図36】第4の発明の実施の形態による自動改札装置の外観を示す図、
【図37】この第4の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図38】この第4の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図39】この第4の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図40】この第4の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図41】この第4の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図42】この第4の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図43】この第4の発明の実施の形態の変形例を示す図、
【図44】第5の発明の実施の形態による自動改札装置の動作の概要を説明するために示す図、
【図45】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図46】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図47】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図48】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示す図、
【図49】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の動作を説明するために示すフローチャート、
【図50】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の変形例を説明するために示す図、
【図51】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の変形例の動作を説明するために示すフローチャート、
【図52】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の変形例を説明するために示す図、
【図53】この第5の発明の実施の形態による自動改札装置の変形例を説明するために示す図、
【図54】この発明の他の実施の形態による自動改札装置の外観を示す図、
【図55】この発明のさらに他の実施の形態による自動改札装置の外観及び動作を説明するために示す図、
【図56】この発明のさらに他の実施の形態による自動改札装置の外観を示す図、
【図57】この発明のさらに他の実施の形態による自動改札装置の外観を示す図である。
【符号の説明】
1…自動改札装置本体、
2…乗車券、
3…投入口、
4…取出口、
70…無線交信用のアンテナ、
50…ポール、
80…ビデオカメラ、
5…搬送路、
6、7、8、9、…複数のセンサ(検知器)、
10,11…磁気情報読取部(読取ヘッド)、
12,13…磁気情報記録部(書込ヘッド)、
14,15…磁気情報読取部(読取へッド)、
16〜21…支持部材(回転ローラ)、
22、23…振分部、
24…SF処理部、
25…サーマルプリンタ、
26…入挟パンチ、
40…集札部、
28…表示器、
30〜39…複数の人間検知センサ、
41…ドア、
42…セントラル・ブロセッシング・ユニット(CPU)、
44…リード・オンリー・メモリ(ROM)、
46…ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、
48…運賃メモリ、
50…読取回路、
52…記録回路、
71…信号変換部、
54…乗車券検知回路、
56…搬送制御回路、
57…人間検知器制御回路、
58…ドア開閉機構、
59…表示制御回路、
60…ドア制御回路、
62…伝達制御回路、
81…A/D変換回路、
82…画像メモリ、
83…画像処理回路。
Claims (19)
- ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、
前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、
前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、
前記記録媒体の提示動作が、通路に進入しようとしている通行者によるものか、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであるかを判定する手段を含み、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備したことを特徴とする自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、
前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、
前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、
前記記録媒体の提示動作が、通路に進入しようとしている通行者によるものか、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであるかを判定する手段を含み、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、
前記通行者が前記記録媒体を提示したときに、前記通行可否判定手段において、その記録媒体が有効である場合に当該通行者を通過させるために前記ドア開閉手段により前記ドアを開状態に制御し、それ以外の通行者に対しては通行を阻止するためにドアを閉状態に制御する制御手段とを具備したことを特徴とする自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、
前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、
前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、
前記記録媒体の提示動作が、通路に進入しようとしている通行者によるものか、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであるかを判定する手段を含み、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備し、
前記本体部に対し、一人の通行者が複数の記録媒体を投入または提示することを可能とすると共に、前記一人の通行者によって投入または提示された複数の記録媒体を処理可能に構成したことを特徴とする自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、
前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、
前記記録媒体の提示動作が、通路に進入しようとしている通行者によるものか、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであるかを判定する手段を含み、前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、前記通行者が前記記録媒体を提示したときに、前記通行可否判定手段において、その記録媒体が有効である場合に当該通行者を通過させるために前記ドア開閉手段により前記ドアを開状態に制御し、それ以外の通行者に対しては通行を阻止するためにドアを閉状態に制御する制御手段とを具備し、
前記本体部に対し、一人の通行者が複数の記録媒体を投入または提示することを可能とすると共に、前記一人の通行者によって投入または提示された複数の記録媒体を処理可能に構成したことを特徴とする自動改札装置。 - 前記第2の検知手段は、前記記録媒体及び該記録媒体を持つ前記各通行者毎の手のうち少なくともいずれか一方を検出する手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4記載の自動改札装置。
- 前記通行可否判定手段は、前記第2の検知手段での検知に基づいて、前記記録媒体読取手段で得られる単数または複数の記録媒体判定結果により、通行者が提示した記録媒体の数、投入順、記録内容と、通行者とを対応づける通行者・記録媒体対応付け処理を含むことを特徴とする請求項3または4記載の自動改札装置。
- 前記通行可否判定手段による前記通行者・記録媒体対応付け処理において、前記通行可否判定手段による判定結果が、該記録媒体を投入または提示した動作は、通路内でドア手前に位置する通行者によるものであると対応づけられた場合であって、
前記読取手段での判定結果が通過許可である場合に、当該通行者のみを通過させるようにドアを開状態に制御することを特徴とする請求項6記載の自動改札装置。 - 前記通行可否判定手段による前記通行者・記録媒体対応付け処理において、前記通行可否判定手段による判定結果が、該記録媒体を提示した動作は、通路に進入しようとしている通行者によるものであると対応づけられると共に、通路内でドア手前に位置する通行者は存在しないと判定された場合であって、
前記読取手段での判定結果が通過許可である場合に、当該通行者のみを通過させるようにドアを開状態に制御することを特徴とする請求項6記載の自動改札装置。 - 前記通行可否判定手段による前記通行者・記録媒体対応付け処理において、前記通行可否判定手段による判定結果が、該記録媒体を提示した動作は、通路に進入しようとしている通行者によるものであると対応づけられると共に、通路内でドア手前に位置する通行者が存在していると判定された場合には、
前記読取手段での判定結果が通過許可である場合であつても、通路内でドア手前に位置する通行者に対しては、通路に進入しようとしている通行者の提示した記録媒体の結果で通行することを防止するために、ドアを閉状態に制御することを特徴とする請求項6記載の自動改札装置。 - 前記通行可否判定手段による前記通行者・記録媒体対応付け処理において、前記通行可否判定手段による判定結果が、該記録媒体を提示した動作は、通路に進入しようとしている通行者によるものであると対応づけられると共に、通路内でドア手前に位置する通行者が存在していると判定された場合には、
前記読取手段での判定結果が通過許可である場合であつても、通路内でドア手前に位置する通行者に対しては、通路に進入しようとしている通行者の提示した記録媒体の結果で通行することを防止するために、ドアを閉状態に制御すると共に、通路に進入しようとしている通行者の提示した記録媒体に対する処理をしないようにし、さらに通路内でドア手前に位置する通行者に対して適正な記録媒体の提示を促す案内を出すことを特徴とした請求項6または9記載の自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記本体部に前記通行者によって前記記録媒体の提示がなされたとき、前記記録媒体の記録内容を読み取る記録媒体読取手段と、
前記通路上における複数の通行者の存在を検知する第1の検知手段と、
前記本体部に対する前記通行者による前記記録媒体の提示動作を検知する第2の検知手段と、
前記第1及び第2の検知手段からの検出結果に基づいて前記複数の通行者毎の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
この通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、
前記通行者が前記記録媒体を提示し、前記通行可否判定手段においてその記録媒体が有効である場合に当該通行者のみを通過させるために、前記ドア開閉手段により前記ドアを開状態に制御する制御手段と、
前記通行可否判定手段の処理状況を通行者に報知する報知手段であって、通行者がこれから提示する記録媒体の読み取り結果が、該通行者に対して適用されるのか、該通行者に先行する通行者に対して適用される可能性があるかを区別するように出力する報知手段と
を具備し、
前記本体部に対し、一人の通行者が複数の記録媒体を投入または提示することを可能とすると共に、前記一人の通行者によって投入または提示された複数の記録媒体を処理可能に構成したことを特徴とする自動改札装置。 - 前記報知手段において、通行者がこれから提示する記録媒体の読み取り結果が該通行者に先行する通行者に対して使用される可能性があるとする条件として、
前記第1の検知手段において前記本体部の通路に該通行者に先行する通行者の存在を検知するか、
前記第2の検知手段で先行する通行者が記録媒体を提示してから、前記読取手段の読取りの結果により該通行者が通行可能でかつ該先行する通行者が前記本体部の通路内の所定位置を通過したことを第1の検知手段で検知するか、または前記記録媒体処理手段の読み取りの結果により該先行する通行者が通行不能でかつ該通行者が前記本体部の通路内を戻り、通路の入口手前に達したことを第1の検知手段で検知するまでの間としたことを特徴とする請求項11記載の自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、
前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、
前記記録媒体を投入する部分と、前記記録媒体を提示する部分とを撮像する1台のビデオカメラおよび該ビデオカメラで撮像した画像を処理する画像処理手段を含み、前記本体部の通路内を通行する通行者の身長を計測する身長計測手段と、
前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記身長計測手段の計測結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備したことを特徴とする自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、
前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、
前記記録媒体を投入する部分と、前記記録媒体を提示する部分とを撮像する1台のビデオカメラおよび該ビデオカメラで撮像した画像を処理する画像処理手段を含み、前記本体部の通路内を通行する通行者の身長を計測する身長計測手段と、
前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記身長計測手段の計測結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、
前記読取手段の読み取り結果に基づいて前記記録媒体が大人用か小児用かを判定する判定手段とを具備し、
前記通行可否判定手段において、前記読取手段の読み取り内容が小児用であり、かつ、前記身長計測手段の計測結果が所定値以上であるときに、前記ドア開閉手段により前記ドアを閉じて当該通行人の通過を阻止することを特徴とする自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、
前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、
前記記録媒体を投入する部分と、前記記録媒体を提示する部分と、前記本体部の通路とを撮像する1台のビデオカメラおよび該ビデオカメラで撮像した画像を処理する画像処理手段を含み、前記本体部の通路内を通行する通行者の身長を計測する身長計測手段と、
前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記身長計測手段の計測結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備したことを特徴とする自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアをに開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、
前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、
前記記録媒体を投入する部分と、前記記録媒体を提示する部分と、前記本体部の通路とを撮像する1台のビデオカメラおよび該ビデオカメラで撮像した画像を処理する画像処理手段を含み、前記本体部の通路内を通行する通行者の身長を計測する身長計測手段と、
前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記身長計測手段の計測結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段と、
前記読取手段の読み取り結果に基づいて前記記録媒体が大人用か小児用かを判定する判定手段とを具備し、
前記通行可否判定手段において、前記読取手段の読み取り内容が小児用であり、かつ、前記身長計測手段の計測結果が所定値以上であるときに、前記ドア開閉手段により前記ドアを閉じて当該通行人の通過を阻止することを特徴とする自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、
前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、
前記本体部の通路内を通行する通行者の身長を計測する身長計測手段と、
前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記身長計測手段の計測結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備し、
前記読取手段は、さらに前記記録媒体にあらかじめ記録されている身長情報を読み取る手段を有し、
前記通行可否判定手段において、前記読取により読み取られた身長情報と前記身長計測手段の計測結果とを照合し、それらが合っていなければ前記ドア開閉手段により前記ドアを閉じて当該通行人の通過を阻止することを特徴とする自動改札装置。 - ドアを有する通路を形成している本体部に、通行者が記録媒体を提示したとき、前記記録媒体の記録内容を読み取り、その読み取り結果により前記ドアを開閉して前記通行者の通過を許可または阻止する自動改札装置において、
前記記録媒体の記録内容を読み取る読取手段と、
前記通路上における通行者の存在を検知する存在位置判定手段と、
前記本体部の通路内を通行する人物と荷物をその形状の特徴により判別する人物荷物判別手段と、
前記読取手段の読み取り結果及び前記存在位置判定手段により判定された前記通行者の存在状況並びに前記人物荷物判別手段の判別結果とから前記通行者の通過の可否を判定する通行可否判定手段と、
前記通行可否判定手段の結果に応じて前記本体部のドアを開閉するドア開閉手段とを具備し、
前記通行可否判定手段において、前記人物荷物判別手段の判別結果が人物であるときのみ前記通行者の通過の可否を判定する対象とすることを特徴とする自動改札装置。 - 前記第1の検知手段、および第2の検知手段のうちの少なくとも一つが、ビデオカメラおよび該ビデオカメラで撮像した画像を処理する画像処理手段を含むことを特徴とした請求項1乃至4および11のいずれか1項に記載の自動改札装置。
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