JP3784895B2 - 画像露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を感光材料に露光し、画像形成用溶媒を塗布して感光材料と受像材料とを重ね合わせて熱現像転写を行い、受像材料に画像得る画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、画像記録装置では、デジタル露光系を搭載したものが多く開発されている。一般にデジタル露光系では、半導体レーザから出力される光ビームに画像データをのせ、ポリゴンミラーを高速回転させることで、この光ビームを偏向すると共に(主走査)、ガルバノミラー等でポリゴンミラーで反射された光ビームをさらに副走査するか、記録媒体側を移動させながら(あるいはステップ移動させながら)主走査を繰り返すことにより、記録媒体上に画像を記録するようになっている。ここで、記録媒体は、コロナ放電によって帯電された感光ドラムであってもよいし、感光材料であってもよい。また、光源としては、半導体レーザを用いず、LED党の他の発光体であってもい。
【0003】
一方、画像を感光材料に記録した後、該感光材料と受像材料とを重ね合わせた状態で、熱現像転写処理によって受像材料へ画像を転写する画像記録装置が存在している。この装置では、感光材料に画像を記録するタイプとして、所謂アナログ露光(原稿に光を照射してその反射光を感光材料へ順次案内するスリット露光が一般的である。)とデジタル露光とがある。
【0004】
また、一般紙とほぼ同等の質感を持つ受像材料に画像を記録することができ、上記のようにアナログ露光系又はデジタル露光系を選択することにより、様々な分野で適応する。
【0005】
ところで、このような画像記録装置を、各種ネットワークやパソコンの出力装置として使用する場合には、デジタル露光系であることが必要である。
【0006】
しかしながら、上記熱現像転写タイプの画像記録装置では、デジタル露光系の他、感光材料と受像材料とを重ね合わせるためのの機構、熱現像転写時に画像形成を促進するための画像形成用溶媒の塗布機構、熱現像機構、感光材料と受像材料との剥離機構等、多くの機能(機構)を必要として、装置が大型化していた。また、フルカラー印刷の場合には、色ずれ等の防止のため、精度よく部品を組付けなければならず、組付け作業性を悪いという問題点がある。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、簡単な構造で、比較的高い組付精度が要求されず、コンパクトな構成とすることができる画像記録装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像データ信号により、光源からの3色の発光を制御して感光材料上に画像を記録する露光装置であって、前記光源からの光を感光材料上に結像させるための光学系と、前記光源と前記光学系とが一体となったユニットを、主走査方向に移動させる主走査駆動系と、前記感光材料を前記1回の主走査毎、主走査方向と直交する副走査方向にステップ移動させる副走査駆動系と、を有し、前記光源は、各々異なる発光ピーク波長を有する3色のLEDチップがそれぞれ主走査方向に複数列ずつ配列されており、隣り合う列同士のLEDチップの実際に発光する領域の境界が一致するように千鳥状の段差が設けられ、かつ各色のLEDチップが主走査方向に一直線上に並ぶように共通の基板上にマウントされていることを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、LEDチップを用いた主走査/副走査露光系として、複数チップの各色のLEDチップを単一の基板上にマウントしたため、配線等の処理が必要最小限に抑えることができ、また、配線スペースを必要としない分、装置をコンパクト化することができる。
【0010】
また、LEDチップ、結像レンズ等の光学系等をユニット化したため、サブアッセンブリとして、装置外で組付けすることができ、メンテンナンス時でも、このユニットごと取り外すことができるため、組付け作業性、メンテナンス作業性を向上することができる。
【0011】
さらに、各色のLEDチップを主走査方向に並べたため、画像信号の副走査方向のオフセットがなく、1ライン単位で画像データを順次読み出せばよいため、画像データを管理する制御装置の構成を簡略化することができる。
また、千鳥状に並べているので、並べた数分1回の主走査で複数ラインを隙間なく同時に記録することができる。さらに、実質発光する領域の境界が一致するように千鳥状の段差を設けているので、1回の主走査で記録されるラインを緊密にすることができ、主走査と直交する方向に移動するピッチをこのLEDチップの副走査方向に配設された数のライン幅とすることができ、記録時間を短縮することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記光源は、前記3色のLEDチップの前記列とは直交する方向の間隔を等間隔としたものであることを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、1回の走査で複数のラインを記録することができ、画像露光作業の効率を向上することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記光学系がテレセントリックレンズで構成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、テレセントリックレンズを用いることにより、光学ユニットの組付け時の誤差、基板のユニットへの組付け誤差、主走査駆動系でユニットを移動させるとき等に生じる感光材料とユニット間距離の変動があっても、LED像の倍率が影響されないため、組付けを比較的ラフに行うことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記基板が、各LEDの配線に対して短絡しないように絶縁された金属板で構成されていることを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、基板が金属製であるため放熱効果を上げることができ、LEDチップの発光時に生じる発熱を抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
(全体構成「外観」)
図1乃至図3には、本実施の形態に係る画像記録装置100が示されている。
【0023】
この画像記録装置100は、CD−ROM102やFD104(図3参照)に記録された画像データを読取り、感光材料106に露光すると共に、この感光材料106に記録された画像を受像紙108に転写して出力する装置である。
【0024】
箱型のケーシング110の前面(図3の左側)の上部は傾斜面とされ、操作表示部112が設けられている。
【0025】
図2に示される如く、操作表示部112は、右側に位置するモニタ部114と左側に位置する入力部116とに分類され、モニタ部114は前記読み取った画像が写し出されるようになっている。
【0026】
また、入力部116は、複数の操作キー118と、入力データ確認用表示部120とで構成されており、記録枚数入力、サイズ設定、色バランス調製、ネガ/ポジ選択等、画像記録に必要なデータを入力することができるようになっている。
【0027】
操作表示部112の下方には、デッキ部122が配設されている。デッキ部122は、図3の右側に位置する光ディスク用デッキ部124と、左側に位置するFDデッキ部126とで構成されている。
【0028】
光ディスク用デッキ部124は、開閉ボタン128を押圧操作を行うことにより、トレイ130が開閉できるようになっている。このトレイ130上に光ディスク102を載置することにより、光ディスク102を装置内部に装填することができる。
【0029】
一方、FDデッキ部126は、FD挿入スロットル132が設けられ、FD104を挿入することにより、装置内部の駆動系が作動して、FD104を引き入れる構造となっている。なお、FD104を取り出す場合は、操作ボタン134を押圧することにより、FD104を引きだすことができる。
【0030】
なお、光ディスクデッキ部124及びFDデッキ部126には、それぞれアクセスランプ136、138が設けられ、装置内でアクセス中はこのアクセスランプ136、138が点灯するようになっている。
【0031】
デッキ部122のさらに下方には、排出トレイ140が配設されている。この排出トレイ140は、通常は装置内に収容されており、把持部142に指をかけて引き出すことができるようになっている(図1参照)。
【0032】
この排出トレイ140上に、前記画像が記録された受像紙108が排出されるようになっている。
【0033】
受像紙108は、予めトレイ144に層状に収容されており、このトレイ144はケーシング110の上面に設けられた、トレイ装填口146に装填されるようになっている。このトレイ装填口146に装填されたトレイ144から、1枚づつ受像紙108を取り出し、画像を転写させた後、前記排出トレイ140へ案内される構成である。
【0034】
ケーシング110の右側面(図1の紙面手前側)には、2個の円形のカバー部材148、150が取付けられている。このカバー部材148、150は、個々に着脱可能とされており、このカバー部材148、150の軸線方向に沿った装置内部には、図3に示される如く、ロール状の感光材料106を巻き取る供給リール152と巻取リール154とが配設されており、これらのリールは、カバー部材148、150と取り外した状態で取り出し、又は装填することができるようになっている。
(受像紙搬送系)
図3に示される如く、トレイ装填口146に装填されたトレイ144は、その先端部上面が半月ローラ156に対向するようになっている。
【0035】
半月ローラ156は周面の一部が接線方向に切りかかれており、通常は、この切欠部158がトレイ144内の最上層の受像紙108と、所定の間隔をおいて対向されている。ここで、半月ローラ156が回転すると、前記最上層の受像紙108と半月ローラ156の周面とが接触し、半月ローラ156が1回転することによって受像紙108が若干引き出される。引き出された受像紙108は、第1のローラ対160に挟持され、この第1のローラ対160の駆動力によって、トレイ144から完全に引き出されるようになっている。
【0036】
第1のローラ対160の下流側には、第2のローラ対162、ガイド板164、第3のローラ対166が順に配設されており、受像紙108は第1のローラ対160に挟持された後、第2のローラ対162に挟持され、かつガイド板164に案内され、第3のローラ対166に挟持される。
【0037】
この第3のローラ対166では、感光材料106との重ね合わせも行われる。すなわち、第3のローラ対166は、感光材料106の搬送路としても使用される。
(感光材料搬送系)
感光材料106は、供給リール152に層状に巻き取られた長尺の形で装置に装填されている。供給リール152は、前記カバー部材150(装置後方側)を取り外し、軸線方向に挿入することにより、所定位置に装填することができる。
【0038】
感光材料106が所定位置に装填されている状態で、最外層を引き出し初期設定として所定の搬送路に沿ってローディングが行われている。ローディングの手順は、供給リール152から最外層を引き出し、この供給リール152の装填位置近傍の第4のローラ対168に挟持させ、リザーバ部170、ガイド板172を介して、前記第3のローラ対166に挟持させた後、ヒートローラ174に巻き掛けて、巻取リール154に巻き掛けるようにしている。なお、この場合、ローディングに必要な長さ分のリーダテープを供給リール152に巻き取られた感光材料106の先端部に設けてもよい。
【0039】
なお、この感光材料106の搬送路の内、第4のローラ対168とリザーバ部170との間には露光部176が設けられている。また、リザーバ部170とガイド板172との間には、水塗布部178が設けられている。この露光部176及び水塗布部178の詳細については後述するが、工程として感光材料106に露光部176で画像が露光された後、乳剤面(露光面)に水が塗布された状態で第3のローラ対166で受像紙108と重ね合わされるようになっている。
(ヒートローラ)
ヒートローラ174は、本装置の熱現像転写部であり、円筒状のローラ本体180と、このローラ本体180の内部の軸線に沿って設けられたヒータ182と、で構成されており、ヒータ182の作動によって、ローラ本体180の表面が加熱され、このローラ本体180に巻き掛けられる部材(感光材料106及び受像紙108)に熱を与える役目を有している。この加熱により、熱現像転写処理がなされ、感光材料106上に記録された画像が、受像紙108に転写されるようになっている。
【0040】
ヒートローラ174の右下近傍には剥離ローラ184と剥離爪186とが設けられ、ヒートローラ174に約1/3程度巻き掛けられた受像紙108を感光材料106から引き剥がし、排出トレイ140方向に受像紙108を案内する構造となっている。
【0041】
一方、感光材料106は、ヒートローラ174に約1/2程度巻き取られ、180°方向転換されて巻取リール154が装填された位置へ案内されるようになっている。
(水塗布部)
図3に示される如く、水塗布部178は、画像形成用溶媒としての水を感光材料106又は受像紙108に付与し、両者の重ね合わせ面を密着させ、熱現像する役目を有しており、感光材料106の幅方向に沿って長尺の塗布片188と、水を貯留するタンク190とで構成されている。
【0042】
塗布片188は、フェルトやスポンジ等の吸収性の高い部材で、かつ適度な硬さを持ったもので、感光材料106が搬送時に所定の圧力で接触するようになっている。タンク190内の水は毛細管現象を利用して、塗布片188へ常に適度な量が移行するようになっており、前記感光材料106と塗布片188とが接触することにより、塗布片188によって感光材料106の表面(乳剤面)に水が塗布される構成である。
【0043】
また、塗布片188が適度な圧力で感光材料106に当接しているため、水は、均一に塗布される。
【0044】
タンク190内の水は、水塗布部178全体を取り外すことにより、補充するようになっているが、配管を施して、装置外部から常に水を供給するようにしてもよい。
【0045】
なお、本実施の形態では、画像形成用溶媒として水を使用しているが、この水は純水に限らず、広く一般的に使用されている意味で水を含む。また、水とメタノール、DMF、アセトン、ジイソブチルケトン等の低沸点溶媒との混合溶媒であってもよい。さらに、画像形成促進剤、カブリ防止剤、現像停止剤、親水性熱溶媒等を含有させた溶液であってもよい。
(露光部)
図4には、本実施の形態に係る露光部176が示されている。
【0046】
露光部176は、感光材料106の搬送路上方に設けられた光源ユニット200を主構成として、コントローラ202に接続されている。コントローラ202には、画像信号がメモリされており(前記光ディスク102やFD104から読み取った画像信号)、この画像信号に応じて、光源ユニット200内の光源部204を点灯させるようになっている。光源ユニット200は、後述する主走査ユニット206の駆動によって、感光材料106の幅方向(主走査方向)に移動可能となっており、感光材料106が露光部176をステップ駆動するときの停止時に主走査が行われるようになっている。
【0047】
露光部176の光源ユニット200は、箱型の露光ケーシング214によって覆われており、この露光ケーシング214の上端面に光源部204が配設され、この光源部204の発光面が露光ケーシング214内側に向けられている。光源部204の発光面側には、アパーチャ216が設けられ、複数のLEDチップ208からの光の広がりを制限している。なお、アパーチャ216のなり構成も有り得る。
【0048】
アパーチャ216の下流側で露光ケーシング214の中央部には、テレセントリックレンズ212が配設され、光源部204からの光を集光し、感光材料106上に結像させる役目を有している。なお、結像される光の解像度は、250〜400dpi程度である。
【0049】
ここで、テレセントリックレンズ212は、複数枚のレンズと絞りで構成されており、像面の高さが変わっても倍率が変動しない特性を持ったレンズであり、主走査ユニット206による主走査移動時や、露光ケーシング214の取り付け状態による差を吸収することができる。
【0050】
また、ピントは、図示しないオートフォーカス機構によって常に調整されている。或いは、焦点深度の深いレンズ系とすることにより、調整不要としてもよい。
【0051】
光源部204は、主走査ユニット206の一部を構成する互いに平行な一対のガイドシャフト218に支持されている。このガイドシャフト218は、感光材料106の幅方向(図4の矢印W方向)に沿って配設されており、光源部204は、このガイドシャフト218に案内されて、感光材料106の幅方向に移動可能とされている。
【0052】
光源部204の露光ケーシング214には、無端のタイミングベルト220の一部が固定されている。このタイミングベルト220の両端は、それぞれガイドシャフト218の両端近傍に位置するスプロケット222に巻き掛けられている。一方のスプロケット222の回転軸には変速機224を介してステッピングモータ226の回転軸と連結されており、このステッピングモータ226の往復回転によって、光源部206は、ガイドシャフト218に沿って往復移動される。
【0053】
ステッピングモータ226の駆動は、コントローラ202によって制御され、感光材料106のステップ駆動と同期がとられている。すなわち、感光材料106が1ステップ移動して停止した状態で、ステッピングモータ226が回転を開始して感光材料106上を光源部204が感光材料106の幅方向に沿って移動する。所定パルスを確認した後、ステッピングモータ226を逆回転させることにより、光源部204は、元の位置に戻る。この光源部204の戻り動作と同時に感光材料106の次の移動が開始されるようになっている。
【0054】
光源部204の光出力側、感光材料106との対向面にはフォトダイオード228が配設され、光源部204からの光源の光量に応じた信号を出力するようになっている。このフォトダイオード228は、光量補正ユニット230に接続され、前記信号はこの光量補正ユニット230へ入力される。
【0055】
光量補正ユニット230では、検出した各色のLEDチップ208からの光量を比較して、濃度、色バランス調整を行い、補正値をコントローラ202へ出力する役目を有している。この補正値に基づいて、光源部204へ送られる画像信号が補正され、適正な光量で各LEDチップ208が点灯する。
【0056】
図5に示される如く、光源部204は、LEDチップ208が集合して構成されており、それぞれB(ブルー)、G(グリーン)、R(レッド)の各色に発色するLEDチップ208(以下、色毎の個々に説明する場合には、B色に発色するLEDチップをB−LEDチップ208B、G色に発色するLEDチップをG−LEDチップ208G、R色に発色するLEDチップをR−LEDチップ208Rという)がそれぞれ基板210上で、感光材料106の幅方向(主走査方向)に沿って、同一の配列規則にしたがって取り付けられている。なお、各色の波長は、R−LEDチップ208Rが650±20nm、G−LEDチップ208Gが530±30nm、B−LEDチップ208Bが470±20nmとされている。
【0057】
基板210の平面視で右端には、10個のB−LEDチップ208Bが、2列、かつ千鳥状に配列され、左端には、10個のR−LEDチップ208Rが、2列、かつ千鳥状に配列され、中央には、10個のG−LEDチップ208Gが、2列、かつ千鳥状に配列されており、合計6列のLEDチップが配列されている。
【0058】
基板210には、所定の配線がエッチング処理等で施されているが、この配線間が短絡しないように、金属で被覆されており、放熱機能を有している。このため、LEDチップ210の点灯による発熱を抑制することがでい、発光量の変動を抑えることができる。
【0059】
以下に、本実施の形態で適用される光源部204の各部の寸法を示す。
まず、基板210は横(X)×縦(Y)寸法は、5×5mm(最大)であり、LEDチップ208の外形寸法(x×y)は約360×360μmである。同一色の列間ピッチPは600μmで、各列の行ピッチLは520μm、千鳥状としたときの段差寸法Dは260μmである。各色間の隙間寸法Gはテレセントリックレンズ212によって決まるものであり、一義的に決められないが、R−G間、G−B間の隙間寸法Gは同一であることが好ましい。
【0060】
なお、図5に示すLEDチップ208の斜線部分は、実際に発光する領域であり、図5の鎖線で示される如く、千鳥状とした隣り合う列同志の発光領域の境を一致させている。
【0061】
上記構造の光源部204により、感光材料106上には、各色共に1回の主走査で10本の主走査ラインが記録できることになる。このため、感光材料106のステップ移動は、感光材料106上に記録される主走査ライン幅の10倍のピッチで駆動、停止を繰り返すように制御されている。
(リザーバ部)
リザーバ部170は、前述の如く露光部174と水塗布部178との間に配設されており、2対の挟持ローラ対192、194と、1個のダンサーローラ196とで構成されている。感光材料106は、2対の挟持ローラ対192、194に掛け渡されており、この間で感光材料106に略U字型の弛みを設けている。この弛みに対応してダンサーローラ196を上下動するようになっており、弛み部の感光材料106を保持している。
【0062】
露光部176では、感光材料106はステップ移動するが、水塗布部178では、水の均一な塗布のために一定速度で搬送させる必要がある。このため、露光部176と水塗布部178との間に感光材料106の搬送速度差が生じる。この速度差を吸収するために、ダンサーローラ196が上下動させ、感光材料106の弛み量を調整し、感光材料106のステップ移動と定速移動とを同時に行えるようにしている。
【0063】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
まず、画像記録のための全体の流れを説明する。
【0064】
トレイ144をトレイ装填口146に装填しておき、感光材料106を巻き取った状態の供給リール152及び空状態の巻取リール154をそれぞれ所定位置に装填し、かつローディングが完了した状態で、操作表示部112のプリント開始キーを操作すると、コントローラ202では、光ディスク102又はFD104から画像データを読取り、記憶する。
【0065】
コントローラ202で画像データを記憶すると、供給リール152が駆動して、感光材料106の搬送を開始する。
【0066】
感光材料106が露光部176の所定位置に至ると、感光材料106は一旦停止して、コントローラ202から画像信号が光源部204へ出力される。この画像信号は、10ライン毎に出力され、光源部204は、ステッピングモータ226の駆動によってガイドシャフト218に案内され感光材料106の幅方向に沿って移動する(主走査)。なお、この画像信号の出力の開始前にフォトダイード228によって光源部204からの各色の光量を検出し、光量補正ユニット230において、濃度、色バランス等を調整するための補正値をコントローラ202へ供給し、画像信号を補正している。この補正値は1画像毎に実行される。
【0067】
1回の主走査が終了すると、感光材料106は、1ステップ(10ラインピッチ)移動し停止し、2回目の主走査がなされる。これを繰り返すことにより、感光材料106上に1フレーム分の画像が記録される。なお、記録が終了した感光材料106は、リザーバ部170の上流側の挟持ローラ対192のみの駆動(下流側の挟持ローラ対194は停止)によって、ダンサーローラ196に巻き掛けられるようにリザーバ部170で弛んだ状態で保持され、水塗布部178へは至らないようになっている。
【0068】
リザーバ部170に、1画像分の長さの感光材料106がたまると、リザーバ部170の下流側の挟持ローラ対194が駆動を開始する。これにより、感光材料(画像記録済)106が水塗布部178へ搬送される。水塗布部178では、感光材料106は定速搬送され、塗布片188によって水が均一に塗布される。
【0069】
この塗布片188には、タンク190から水が常に送られており、かつ所定の圧力で感光材料106を押圧しているため、適量の水が感光材料106へ塗布される。
【0070】
水が塗布された感光材料106は、ガイド板172に案内されて第3のローラ対166へと搬送される。
【0071】
一方、受像紙108は、半月ローラ156が1回転することにより、半月ローラ156の周面と受像紙108の先端部とが接触し、最上層の受像紙108が引き出され、第1のローラ対160の挟持される。この第1のローラ対160の駆動によって、受像紙108はトレイ144から引き出され、第2のローラ対162に挟持された状態で、感光材料106を到着を待つ。
【0072】
感光材料106がガイド板を通過するのに同期して、第1のローラ対160及び第2のローラ対162の駆動が開始され、受像紙108は、ガイド板164に案内されて第3のローラ対166へと搬送される。
【0073】
第3のローラ対166では、感光材料106と受像紙108とが重ね合わされた状態で挟持し、ヒートローラ174へ送り出す。このとき、感光材料106に塗布された水によって、両者が密着される。
【0074】
重ね合わされた状態の感光材料106と受像紙108は、ヒートローラ174に巻き掛けられ、ヒータ182からの熱を受け、熱現像転写処理がなされる。
すなわち、感光材料106に記録された画像が受像紙108へ転写され、顕像化される。
【0075】
ヒートローラ174に約1/3程度巻き掛けられた状態で熱現像転写は完了し、受像紙108は、剥離ローラ184及び剥離爪186によって感光材料106から剥がされ、剥離ローラ184に巻き掛けられる形で排出トレイ140上に排出される。
【0076】
一方、感光材料106は、ヒートローラ174に約1/2巻き掛けられた後、接線方向に移動して、巻取リール154に巻き取られる。
【0077】
本実施の形態によれば、コンパクトな構造で画像記録を行うことができ、また、装置内に光ディスク用デッキ124及びFD用デッキ126を搭載しているため、迅速に画像データを取り込むことができる。また、モニタ部114により、記録する画像を確認することができるため、濃度や色バランスの調整が容易である。
【0078】
また、排出トレイ140を格納式としたので、非使用時は、受像紙108を収容したトレイ144を取り外すことにより、凹凸の少ない外形となり、作業スペースを有効利用することができる。
【0079】
さらに、本実施の形態の装置では、水塗布部178及び露光部176が感光材料106の搬送方向に対して固定であり、感光材料106との相対移動は、全て感光材料106の移動によって行われるため、移動機構が簡単となる。
【0080】
なお、本実施の形態では、装置に光ディスク用デッキ部124及びFD用デッキ部126を搭載したが、他の記録媒体(例えば、光磁気ディスク(MO)、相変化ディスク(PD)、ビデオテープ等)を装填可能なデッキ部を搭載してもよい。また、外部(例えば、パソコン、テレビジョン等)からの画像信号を取り込む、画像入力端子を設けてもよい。
[第2の実施の形態]
以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成(機能として同一)部分については、同一符号を付してその構成の説明を省略する。
【0081】
図6に示される如く、装置右側に位置する供給リール152から引き出された感光材料106は、案内プレート240上に搬送され、この案内プレート240面に沿って平面的に移動し、巻取リール154に巻き取られるようになっている。
【0082】
案内プレート240の最上流側には、光源ユニット200が配設され、露光部176とされている。
【0083】
光源ユニット200の下流側には水塗布部178が配設され、画像が記録された感光材料106上に水が塗布される。この水塗布部178よりも下流側、かつ案内プレート240上方には、シート状の受像紙108を層状に収容したトレイ144が装填されている。
【0084】
このトレイ144の受像紙108の引き出し側(図6の右側)には、ガイド板260が配設され、半月ローラ156で引き出された受像紙108はこのガイド板260に案内され、重ね合わせローラ262の周面へ案内される。
【0085】
重ね合わせローラ262は、案内プレート240に所定の圧力で接触されており、受像紙108と感光材料106とを重ね合わせる役目を有している。
【0086】
前記トレイ144と案内プレート240との間には、熱現像部264が設けられている。この熱現像部264は、前記重ね合わせローラ262と案内プレート240の左端に配設されたアイドルローラ266との間で掛け渡された無端の加熱ベルト268と、この加熱ベルト268を加熱するためのヒータ(図示省略)とで構成されている。加熱ベルト268は、案内プレート240を通過する受像紙108及び感光材料106を案内プレート240と共に挟持加圧しながら搬送し、加熱を施すことによって、熱現像転写処理が行われる。
【0087】
案内プレート240の図6の左端では、感光材料106が急激に方向転換されるようにして巻取リール154へ至るため、受像紙108は、この急激に方向転換される感光材料106に追従できず、この結果、案内プレート240の左端で剥離が実行されることになる。
【0088】
剥離された受像紙108は、排出トレイ140上に送り出され、装置から排出される。
【0089】
また、光源ユニット200と水塗布部178との間には、リザーバ部170が設けられ、露光部177でのステップ移動と、水塗布部178での定速搬送との搬送速度差を吸収している。
【0090】
上記構成の第2の実施の形態に係る画像記録装置では、露光部176で露光が成されるときには、感光材料106はステップ移動する。ステップ移動された感光材料106は、リザーバ部170に収容され、画像記録が終了した時点で、リザーバ部170の感光材料106が案内プレート240へと搬送される。この搬送時に水塗布部178で水塗布が行われると共に、重ね合わせローラ262及び加熱ベルト268が駆動してトレイ144から引き出され、ガイド板260によって案内搬送されてくる受像紙108と重ね合わされながら案内プレート240上に停止する。
【0091】
この停止時に案内プレート240上で熱現像転写処理がなされ、終了後に感光材料106は巻取リール154へ巻き取られ、受像紙108は感光材料106から剥離されて、排出トレイ140へ排出される。
【0092】
このように熱現像部264を、平面的に搬送しながら熱現像を行うようにしたため、装置がコンパクトになる。
【0093】
さらに、感光材料106を案内プレート240を図6の左端で急激に方向転換することで、受像紙との剥離を行ったため、剥離のための部材が不要となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態における感光材料106の搬送系は、前記第2の実施の形態と同一である。
【0094】
また、第2の実施の形態で説明した、熱現像部264及びトレイ144も同一構成となっているが、これらが第3の実施の形態では、案内プレート240上位置(図7の鎖線位置)及び装置左側面に突出した位置(図7の実線位置)を往復移動可能となっている(以下、移動ユニット270という)。
【0095】
また、この移動ユニット270の図7の右端には、水塗布部178が取り付けられており、トレイ144及び熱現像部264と共に一体的に移動するようになっている。この移動ユニット270の左端、すなわち水塗布部178に隣接して、独立して案内プレート240上を左右に往復移動する第1実施の形態で説明した光源ユニット200が配設されている。
【0096】
移動ユニット200と光源ユニット200との移動タイミングは、それぞれ図7の実線位置の状態から、最初に光源ユニット200のみが、図7の右方向へ移動して図7の鎖線位置に到達した時点で、移動ユニット270が図7の右方向に移動し、図7の鎖線位置に到達した後、光源部200と共に図7の実線位置に戻るように制御される。
【0097】
供給リール152から引き出された感光材料106は、次に露光されるべき領域が案内プレート240上に位置した状態で搬送が停止されるようになっている。この感光材料106の搬送時は、前記移動ユニット270は、光源ユニット200が案内プレート240の左端に位置した状態で待機している。
【0098】
ここで、光源部200が案内プレート240上に移動するが、この移動はステップ移動であり、10ライン分の主走査幅毎に移動する。これにより、感光材料106上に画像が記録される。
【0099】
次に、移動ユニット270が定速搬送されるが、このときに水塗布部178によって感光材料106上に水が塗布されると共に、トレイ144から受像紙108が引き出され、加熱ベルト268と案内プレート240上の感光材料106との間に受像紙108を送り込むことにより、感光材料106と受像紙108とが重ね合わされる。
【0100】
移動ユニット270が図7の鎖線位置に至ると、加熱ベルト268が駆動すると共に感光材料106が巻取リール154へと巻き取られることにより、案内プレート240の左端で受像紙108が剥離され、排出トレイ140ヘ排出される。
【0101】
上記第3の実施の形態によれば、光源ユニット200と移動ユニット270とを独立して移動させるため、光源部200による露光時(この場合の露光部176は案内プレート240のほぼ全域となる)に必要なステップ移動と水塗布に必要な定速搬送を感光材料106のリザーバ部を設けることなく実現できる。
【0102】
なお、上記全ての実施の形態において、光源部204としてLEDチップ208を千鳥状に配列したが、図8に示される如く、各色1列で縦横に整列させてもよい。また、各色毎にLEDチップ数、列数を変更してもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る画像記録装置は、簡単な構造で、比較的高い組付精度が要求されず、コンパクトな構成とすることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像記録装置の斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る画像記録装置の正面図である。
【図3】本実施の形態に係る画像記録装置の内部構成を示す側面断面図である。
【図4】露光部の概略構成を示す正面図である。
【図5】露光部の光源部を示す平面図である。
【図6】第2の実施の形態に係る画像記録装置の内部構成を示す側面断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る画像記録装置の内部構成を示す側面断面図である。
【図8】各実施の形態で適用された光源部の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
100 画像記録装置
106 感光材料
108 受像紙
174 ヒートローラ
176 露光部
178 水塗布部
200 光源ユニット
202 コントローラ
204 光源部
208 LEDチップ
Claims (4)
- 画像データ信号により、光源からの3色の発光を制御して感光材料上に画像を記録する露光装置であって、
前記光源からの光を感光材料上に結像させるための光学系と、
前記光源と前記光学系とが一体となったユニットを、主走査方向に移動させる主走査駆動系と、
前記感光材料を前記1回の主走査毎、主走査方向と直交する副走査方向にステップ移動させる副走査駆動系と、
を有し、
前記光源は、各々異なる発光ピーク波長を有する3色のLEDチップがそれぞれ主走査方向に複数列ずつ配列されており、隣り合う列同士のLEDチップの実際に発光する領域の境界が一致するように千鳥状の段差が設けられ、かつ各色のLEDチップが主走査方向に一直線上に並ぶように共通の基板上にマウントされている
ことを特徴とする画像露光装置。 - 前記光源は、1列に並んだ前記3色のLEDチップの前記列とは直交する方向の間隔を等間隔としたものであることを特徴とする請求項1記載の画像露光装置。
- 前記光学系がテレセントリックレンズで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像露光装置。
- 前記基板が、各LEDの配線に対して短絡しないように絶縁された金属板で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の画像露光装置。
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