JP3784481B2 - エレベータ付き建物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の内部にエレベータを設けたエレベータ付き建物に関する。
【0002】
【背景技術】
住宅等の建物においては、生活様式の多様化等にともない、居住スペースとともに収納スペースをいかに有効に確保するかが重要な課題となっている。
従来、収納スペースとしては、押入や床下収納庫等が一般的であるが、これらだけでは充分な収納スペースを確保できないことから、デッドスペースの有効活用を目的として、屋根の内部を利用して屋根裏部屋を形成し、この屋根裏部屋を収納スペースとして利用することも普及してきている。
また、通常の居住階の高さ寸法よりも高さの低い中間階層を形成し、この中間階層を収納スペースとすることも行われ、この場合、中間階層を一般的な建物ユニットの高さより低い高さ寸法に形成した収納ユニット等を使用して専用階層構造とすることも行われている。
【0003】
一方、2階建て以上の一般住宅において、階段を上る労を省いたり、荷物の上下階への運搬作業を軽減したりするために、小規模エレベータが普及してきている。そして、このエレベータは、各居住階ごとに停止するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、収納階層を収納スペースとして利用する場合、エレベータを設置したとしても、エレベータは居室階層のみ停止するので、収納階層に荷物を収納するためには、居室階層で止まったエレベータから荷物を持ち出すとともに、居室階層から収納階層まで運ばなくてはならない。また、収納階層から荷物を取り出す際も同様のことがいえ、収納作業が困難であるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、居住面積を狭めることなく充分な収納スペースを確保でき、かつ、その収納スペースへの荷物の運搬を容易に行えるエレベータ付き建物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明のエレベータ付き建物は、図面を参照して説明すると、図1、2に示すように、複数の居室階層Aおよびこの居室階層Aの高さよりも低い高さ寸法の収納階層Cを含む躯体部分8を備え、居室階層Aから収納階層Cにおよぶエレベータ用昇降路20が設けられたエレベータ付き建物であって、居室階層Aと収納階層Cとは積み重ねて設けられ、エレベータ用昇降路20には、複数の居室階層Aのうちいずれかの居室階層Aと収納階層Cとの間、および、複数の居室階層Aのうち一の居室階層Aと他の居室階層Aとの間を運搬かご21が昇降自在に設けられ、この運搬かご21は収納階層Cに面して停止しかつ運搬かご21と収納階層Cとの間で出入り可能となっており、運搬かご21の停止位置は、この運搬かご21の床レベル21Aと収納階層Cの床レベル3Aとが一致する位置であり、運搬かご21には、居室階層A用の出入り口を設けるとともに、この出入り口に上下に分割された扉25、26が設けられ、この扉25、26は収納階層Cでは下側が開くことを特徴とするものである。
【0007】
このような本発明では、躯体部分8が居室階層Aと収納階層Cとを含んで構成されているので、この収納階層Cを収納スペースとすることができ、これにより、居住面積を狭めることなく充分な収納スペースを確保できる。また、エレベータの運搬かご21と収納階層Cとが出入り可能なので、収納スペースとなる収納階層Cへの荷物の収納を容易に行えるようになる。
また、運搬かご21は、その床レベル21Aと収納階層Cの床レベル3Aとが一致する位置で停止するので、運搬かご21の床と収納階層Cの床との間で収納物の水平移動ができる。これにより、収納作業が容易となり、特に、かなりの重量物でも押し込んで収納できる。
さらに、運搬かご21が収納階層Cで停止した際に、収納階層Cの床レベル3Aに対応して下側の扉26が開くので、収納作業が容易となる。
【0008】
本発明の第2発明のエレベータ付き建物は、図面を参照して説明すると、図1、2に示すように、複数の居室階層Aおよびこの居室階層Aの高さよりも低い高さ寸法の収納階層Cを含む躯体部分8を備え、居室階層Aから収納階層Cにおよぶエレベータ用昇降路20が設けられたエレベータ付き建物であって、居室階層Aと収納階層Cとは積み重ねて設けられ、エレベータ用昇降路20には、複数の居室階層Aのうちいずれかの居室階層Aと収納階層Cとの間、および、複数の居室階層Aのうち一の居室階層Aと他の居室階層Aとの間を運搬かご21が昇降自在に設けられ、この運搬かご21は収納階層Cに面して停止しかつ運搬かご21と収納階層Cとの間で出入り可能となっており、運搬かご21の停止位置は、この運搬かご21の床レベル21Aが収納階層Cの床レベル3Aより下方かつ天井レベルが収納階層Cの床レベル3Aより上方の位置であり、運搬かご21には、居室階層A用の出入り口を設けるとともに、この出入り口に上下に分割された扉25、26が設けられ、この扉25、26は収納階層Cでは上側が開くことを特徴とするものである。
【0009】
このような本発明では、躯体部分8が居室階層Aと収納階層Cとを含んで構成されているので、この収納階層Cを収納スペースとすることができ、これにより、居住面積を狭めることなく充分な収納スペースを確保できる。また、エレベータの運搬かご21と収納階層Cとが出入り可能なので、収納スペースとなる収納階層Cへの荷物の収納を容易に行えるようになる。
また、運搬かご21はその床レベル21Aが収納階層Cの床レベル3Aよりも下方で停止するので、上側の扉25から収納物を収納階層Cに収納できる。このため、例えば、1階から運搬かご21をわずかに移動させるだけで収納作業を行えるようになり、特に軽量物等を簡単に収納階層Cに収納できるようになる。
そして、運搬かご21が収納階層Cで停止した際に、収納階層Cの床レベル3Aに対応して上側の扉26が開くので、収納作業が容易となる。
【0010】
本発明の第3発明のエレベータ付き建物は、図面を参照して説明すると、図1、2に示すように、複数の居室階層Aおよびこの居室階層Aの高さよりも低い高さ寸法の収納階層Cを含む躯体部分8を備え、居室階層Aから収納階層Cにおよぶエレベータ用昇降路20が設けられたエレベータ付き建物であって、居室階層Aと収納階層Cとは積み重ねて設けられ、エレベータ用昇降路20には、複数の居室階層Aのうちいずれかの居室階層Aと収納階層Cとの間、および、複数の居室階層Aのうち一の居室階層Aと他の居室階層Aとの間を運搬かご21が昇降自在に設けられ、この運搬かご21は収納階層Cに面して停止しかつ運搬かご21と収納階層Cとの間で出入り可能となっており、運搬かご21の停止位置は、この運搬かご21の床レベル21Aと収納階層Cの床レベル3Aとが一致する位置と、運搬かご21の床レベル21Aが収納階層Cの床レベル3Aより下方かつ天井レベルが収納階層Cの床レベル3Aより上方の位置とのいずれかを選択可能であり、運搬かご21には、居室階層A用の出入り口が設けられるとともに、この出入り口には上下に分割された扉25、26が設けられ、この扉25、26は収納階層Cでは運搬かご21の停止位置に応じて上下いずれかが開くことを特徴とするものである。
【0011】
このような本発明では、躯体部分8が居室階層Aと収納階層Cとを含んで構成されているので、この収納階層Cを収納スペースとすることができ、これにより、居住面積を狭めることなく充分な収納スペースを確保できる。また、エレベータの運搬かご21と収納階層Cとが出入り可能なので、収納スペースとなる収納階層Cへの荷物の収納を容易に行えるようになる。
また、運搬かご21の停止位置は収納階層Cの床レベル3Aに対して二種類選択できるので、収納物の大きさや重量に応じて停止させることができ、これにより、効率の良い収納作業を行うことができる。
そして、運搬かご21は上下に分割された扉25、26を備えているので、運搬かご21が収納階層Cのいずれのレベルで停止しても、そのレベルに対応して上下いずれかの扉25、26が開くので、開いた方の扉を利用でき、これにより、収納作業が容易となる。
【0012】
以上において、躯体部分とは、屋根部を除く建物部をいい、この場合、建物は、複数の建物ユニットを組み合わせた建物、パネル工法による建物ユニットを組み合わせた建物、あるいは、在来工法により建てられた建物等どのような建物でもよい。また、運搬かごは、一人、二人が乗れる程度の大きさのものを使用することが好ましく、さらに、この運搬かごの駆動方式は、油圧式、ロープ式のいずれのものでもよい。
また、収納階層の高さは、居室とするには不十分な高さであり、一方、収納スペースを確保できればよく、例えば、通常の柱、梁を備えた箱型の建物ユニットよりも高さ寸法を低く形成した収納ユニットで収納階層を形成することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のエレベータ付き建物はユニット式建物1となっており、このユニット式建物1は、それぞれが居室階層Aを形成する複数の1階建物ユニット2と、この1階建物ユニット2の上に載せられ、収納階層Cを形成する例えば収納用の蔵ユニット3と、この蔵ユニット3の上に載せられた2階建物ユニット4とを備えて構成され、この2階建物ユニット4の上には、図示しない束等で支持された屋根パネル5が設けられ、この屋根パネル5により屋根部分6が形成されている。
【0020】
屋根部分6の内部は、小屋裏階層Bを形成し、例えば収納スペースとされる小屋裏7となっており、また、1階建物ユニット2、蔵ユニット3および2階建物ユニット4によって、建物の躯体部分8が構成されている。
【0021】
ここで、1、2階建物ユニット2、4は、図4に示すように、四隅に立設された4本の柱10と、これらの柱10の上端間同士および下端間同士を結合する各4本の上梁11、下梁12を含む骨組み13を備えてほぼ箱型に形成されている。また、長辺上梁11間には複数本の天井小梁14が、長辺下梁12間には複数本の床根太15がそれぞれ架けわたされている。そして、このような骨組み13に、図1に示すように、外壁16、内壁17、天井面材18および床面材19等が取り付けられるようになっている。
【0022】
このような1、2階建物ユニット2、4は、高さ寸法がHとなっており、このH寸法は、トラックでの輸送時に輸送制限に抵触しない寸法のほぼ最大限の寸法となっている。そして、この寸法Hの1、2階建物ユニット2、4が標準ユニットとされている。
【0023】
また、蔵ユニット3の構造は、図4に二点鎖線で示すように、前記1、2階建物ユニット2、4の構造とまったく同じであるが、高さ寸法が各建物ユニット2、4の高さ寸法Hよりも低いH1となっているものである。
そして、このような蔵ユニット3は、前述のように1、2階建物ユニット2、4間に介在され、高さ寸法が低いため、例えば収納スペースとされ、荷物50等が収納されるようになっている。
【0024】
このようなユニット式建物1の内部には、居室階層Aの下端、つまり1階建物ユニット2の下端から小屋裏階層Bの上端までにわたってエレベータ用昇降路20が形成されている。このエレベータ用昇降路20内には、人を載せ、あるいは荷物50等を載せて昇降自在な運搬かご21が設けられ、この運搬かご21を昇降させる運転駆動装置22が1階建物ユニット2の下方に設けられている。
そして、エレベータ用昇降路20、運搬かご21および運転駆動装置22等を含んでエレベータ24が構成されている。
【0025】
運搬かご21は、その高さが1、2階建物ユニット2、4の室内高さとほぼ同じ、かつ、一人あるいは二人が乗れる程度の小規模に形成されている。そして、運搬かご21は蔵ユニット3に面して停止可能となっており、かつ、蔵ユニット3との間で出入り可能となっている。
また、運搬かご21は、蔵ユニット3に面して停止する際、図1に示すようにかご21の床21Aの高さレベルが蔵ユニット3の床3Aの高さレベルと一致する場合(上位置)と、図2に示すように、かご21の床21Aの高さレベルが蔵ユニット3の床3Aの高さレベルより下方、かつ、かご21の天井の高さレベルが蔵ユニット3の床3Aの高さレベルより上方となる場合(下位置)との二種類の位置を選択できるようになっている。
【0026】
このような運搬かご21の蔵ユニット3に面した一方側の側面には、上下に二分割された上側扉25と下側扉26とが設けられている。上側扉25と下側扉26とは、それぞれが単独で、あるいは両者25、26が同時に開閉できるようになっており、上側扉25は図2に示すように、かご21が蔵ユニット3の下位置に停止したとき使用すると好適な蔵用の荷物専用口であり、下側扉26は図1に示すように、かご21が蔵ユニット3の上位置に停止したとき使用すると好適な蔵用の荷物専用口である。
そして、上側扉25と下側扉26とが同時に開閉したとき、居室階層Aに対応した高さとなり、居室階層Aへの出入り口28となる。
【0027】
また、運搬かご21は、前記小屋裏階層Bまで昇れるようになっており、このとき、かご21の上端は、小屋裏7の天井面材7Bの高さ位置とほぼ等しくなっている。また、かご21の床21Aの高さレベルは、小屋裏7の床7Aの高さレベルより低くなっており、このような、運搬かご21と小屋裏7との接続部には、両者21、7の床21A、7Aとの段差を埋め、かつ、両者21、7の自由な往来を可能とするための連絡路である階段23が設けられている。
なお、この階段23の裏側が2階の室内から見えないように、2階建物ユニット4の天井面材18に連続する断面L字状の天井面材18’が、階段23の裏側を覆って設けられている。
【0028】
運搬かご21には、前記上側扉25と下側扉26との他に、階段23とは反対側の後側に上側扉25と同じ高さ位置に設けられた小屋裏7用の荷物専用扉27が設けられている。小屋裏7においては、上側扉25と下側扉26とを同時に開閉してもよいし、荷物専用扉27だけを使用してもよい。
【0029】
1階建物ユニット2のエレベータ用昇降路20に臨む部位には、上記全高高さ寸法、すなわち、居室階層用出入り口28と対応する乗降用ドア30が設けられ、蔵ユニット3のエレベータ用昇降路20に臨む部位には、上側扉25と下側扉26とに対応する蔵乗降用ドア31が設けられ、2階建物ユニット4のエレベータ用昇降路20に臨む部位には、上記乗降用ドア30と同様の乗降用ドア32が設けられている。
【0030】
また、小屋裏7のエレベータ用昇降路20に臨む部位、かつ、階段23側には、階段23の下端から小屋裏7の天井面材7B近傍までの高さの乗降ドア33Aが設けられ、後側には、運搬かご21が小屋裏7の位置にあるとき、小屋裏7の床7Aから運搬かご21の専用扉27の上端までの高さの開閉扉33Bが設けられている。
【0031】
このような運搬かご21の作動は、図3に示すように運転制御装置34等により行われる。
すなわち、運搬かご21には、運転制御装置34に接続されて扉開閉装置35と操作盤36とが設けられ、この操作盤36には、1階建物ユニット2で止まって扉を開く押しボタン37、蔵ユニット3の上位置で止まって扉を開く押しボタン38Aと蔵ユニット3の下位置で止まって扉を開く押しボタン38B、2階建物ユニット4で止まって扉を開く押しボタン39、および小屋裏7で止まって扉を開く押しボタン40A、40Bが設けられている。
【0032】
1階用の押しボタン37および2階用の押しボタン39を押すと、前記上側扉25と下側扉26とが同時に開閉するようになっており、蔵用の押しボタン38Aを押すと荷物専用扉としての下側扉26が開閉し、蔵用の押しボタン38Bを押すと荷物専用扉としての上側扉25が開閉し、小屋裏7用の押しボタン40Aを押すと、前側の上側扉25と下側扉26とが同時に開閉するようになっており、40Bを押すと、後側の荷物専用扉27が開閉するようになっている。
そして、このような押しボタン37等と、乗降用ドア30等とは連動して開閉されるようになっており、このような制御はすべて運転制御装置34で行われるようになっている。
【0033】
一方、1、2階建物ユニット2、4、蔵ユニット3および小屋裏7には、運転制御装置34に接続されて、それぞれ、出入り口用操作盤群40が設けられている。この出入り口用操作盤群40には、行き先階を示す押しボタン、つまり、1階建物ユニット2用の行先ボタン37’、蔵ユニット3の上位置用の行先ボタン38A’、下位置用の行先ボタン38B’、2階建物ユニット4用の行先ボタン39’、および小屋裏7用の行先ボタン40’が設けられている。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
ユニット式建物1を建てた後、エレベータ用昇降路20に運搬かご21を昇降自在に配置する。
エレベータ24の作動にあたり、蔵ユニット3に荷物50を収納する場合、例えば小さくて軽いものであれば、蔵ユニット3の下位置用の行先ボタン38B’を押し、その位置で停止したとき、蔵用の押しボタン38Bを押して上側扉25を開かせる。そして、荷物50を手にもって、かご21から蔵ユニット3に収納する。荷物50が重量物であるときは、蔵ユニット3の上位置用の行先ボタン38A’を押し、その位置で停止したとき、蔵用の押しボタン38Aを押して下側扉26を開かせる。そして、荷物50を押し出す等して蔵ユニット3側に移動させる。
【0035】
小屋裏7に荷物50を収納する場合、小屋裏7用の行先ボタン40’を押し、その位置で停止したとき、荷物50ごと小屋裏7に入りたいときは、前側の押しボタン40Aを押して上下の開閉扉25、26を開き、階段23を通って小屋裏7に入る。
荷物50だけ降ろしたいときは、後側の押しボタン40Bを押し、荷物専用扉27を開いてそこからその荷物50を小屋裏7に置けばよい。
また、1、2階建物ユニット2、4に行きたいときは、行先ボタン37’、39’を押し、その位置で、押しボタン37、39を押して上下の開閉扉25、26を開き出入りする。
【0036】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
▲1▼蔵ユニット3と小屋裏7とが収納スペースとなっており、また、これらの蔵ユニット3と小屋裏7とは、1、2階建物ユニット2、4と別のユニットとして形成されているので、居住スペースを狭めることなく充分な収納スペースを確保することができる。
【0037】
▲2▼運搬かご21は、蔵ユニット3の上位置レベルと下位置レベルとに停止できるとともに、各レベルに対応した扉を有しており、収納物の形状、大きさおよび重量に応じて停止位置を選択できるので、例えば、重量物であれば下側の扉を開いて、その重い荷物を押し出して移動させることができ、これにより、蔵ユニット3への収納作業が容易となる。
【0038】
▲3▼運搬かご21は小屋裏7まで上昇できるようになっているので、小屋裏7を収納スペースとしても、運搬かご21を小屋裏7まで上昇させてから荷物50を降ろせばよいので、収納作業が容易となる。
▲4▼運搬かご21の床21Aレベルは、小屋裏7の床7Aのレベルより低くなっているが、両者21、7の接続部分には階段23が設けられているので、両者21、7間の往来が容易となり、これにより、小屋裏7をより有効に利用できるようになる。
▲5▼運搬かご21の床21Aと、小屋裏7の床7Aとの段差を埋める階段23が設けられ、この階段23の裏側が、2階の天井面材7Bより低い位置に現れるが、この階段23の裏側に天井面材18’が設けられているので、2階の室内から階段23の裏側が見えることはなく、室内の雰囲気が悪くなることはない。
【0039】
▲6▼運搬かご21は、上側扉25、下側扉26、および小屋裏用の荷物専用扉27をそれぞれ有しており、扉25、26は、単独であるいは両者同時に開閉できるので、運搬かご21を、1、2階建物ユニット2、4の位置で停止させたときは、上下扉25、26を同時に開けて全高の出入り口とし、例えば蔵ユニット3の上位置で停止させたときは、下側扉26のみを開けてそこから荷物50を出し入れでき、蔵ユニット3の下位置で停止させたときは、上側扉25のみを開けてそこから荷物50を出し入れでき、小屋裏7の位置で停止させたときは、上下扉25、26を同時に開けて全高の出入り口としてそこから荷物50を出し入れするか、あるいは、荷物専用扉27だけを開けてそこから出し入れするか、そのときに応じて自在である。従って、状況に応じていずれかの扉を開閉できるので、効率のよい使い方ができ、かつ、収納作業等がはかどる。
【0040】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、例えば、次に示すような変形形態を含むものである。
すなわち、前記実施形態では、運搬かご21の停止位置を、蔵の上位置と下位置との二種類から選択できるものとしたが、これに限らず、蔵の上位置だけあるいは下位置だけに停止するようにしてもよい。そして、このようにしても、前記▲1▼、▲3▼等と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、前記実施形態で、運搬かご21の蔵用の開閉扉は、上側扉25と下側扉26とで形成したが、これに限らず、小屋裏用の荷物専用扉27の下部に上記下側扉26と同様の蔵ユニット3用の荷物専用扉を設けてもよい。この場合、この荷物専用扉と対応するドアを蔵ユニット3に形成しておけばよく、このような変形形態では、前後どちらの扉からでも蔵ユニット3に荷物50の出し入れができるので、高さの低い蔵ユニット3にあっては、一方側から他方側に回らなくてもよくなり、これにより、収納作業等がスムーズとなる。
【0042】
さらに、前記実施形態で、運搬かご21と小屋裏7間に階段23を設け、この階段23の裏側に天井面材18’を設けたが、これに限らず、例えば、天井面材18’を設けず、階段23をそのままとし、ただその裏側に天井面材18と同じような模様のクロス等を張って仕上げておいてもよい。
このようにすれば、階段23の裏側に天井面材18’を張らずにすむので、作業の手間が少なくてすむ。
【0043】
さらにまた、前記実施形態で、エレベータの前面の開閉扉を上下側扉25、26で形成したが、これに限らず、例えば、上下に2段階で開閉する1枚の開閉扉とし、場合に応じて下側だけ開け、あるいは全開するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のエレベータ付き建物によれば、躯体部分が居室階層と収納階層とを含んで構成されているので、この収納階層を収納スペースとすることができ、これにより、居住面積を狭めることなく充分な収納スペースを確保できる。
また、エレベータの運搬かごと収納階層とが出入り可能なので、収納スペースとなる収納階層への荷物の収納を容易に行えるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエレベータ付き建物を示し、運搬かごが収納階層の上位置に停止した状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るエレベータ付き建物を示し、運搬かごが収納階層の下位置に停止した状態を示す縦断面図である。
【図3】本実施形態に係るエレベータの駆動制御装置を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る建物ユニットおよび蔵ユニットの骨組み示す全体斜視図である。
【符号の説明】
1 エレベータ付き建物
3 躯体部分および収納階層を構成する蔵ユニット
3A 蔵ユニットの床面(床レベル)
8 躯体部分
21 運搬かご
21A 運搬かごの床面(床レベル)
25 収納階層用の荷物専用口である上側扉
26 収納階層用の荷物専用口である下側扉
28 居室階層用の出入り口
34 運転制御装置
A 居室階層
C 収納階層

Claims (3)

  1. 複数の居室階層およびこの居室階層の高さよりも低い高さ寸法の収納階層を含む躯体部分を備え、前記居室階層から前記収納階層におよぶエレベータ用昇降路が設けられたエレベータ付き建物であって、
    前記居室階層と前記収納階層とは積み重ねて設けられ、
    前記エレベータ用昇降路には、前記複数の居室階層のうちいずれかの居室階層と前記収納階層との間、および、前記複数の居室階層のうち一の居室階層と他の居室階層との間を運搬かごが昇降自在に設けられ、この運搬かごは前記収納階層に面して停止しかつ運搬かごと収納階層との間で出入り可能となっており、
    前記運搬かごの停止位置は、この運搬かごの床レベルと前記収納階層の床レベルとが一致する位置であり、
    前記運搬かごには、前記居室階層用の出入り口が設けられるとともに、この出入り口には上下に分割された扉が設けられ、この扉は前記収納階層では下側が開く
    ことを特徴とするエレベータ付き建物。
  2. 複数の居室階層およびこの居室階層の高さよりも低い高さ寸法の収納階層を含む躯体部分を備え、前記居室階層から前記収納階層におよぶエレベータ用昇降路が設けられたエレベータ付き建物であって、
    前記居室階層と前記収納階層とは積み重ねて設けられ、
    前記エレベータ用昇降路には、前記複数の居室階層のうちいずれかの居室階層と前記収納階層との間、および、前記複数の居室階層のうち一の居室階層と他の居室階層との間を運搬かごが昇降自在に設けられ、この運搬かごは前記収納階層に面して停止しかつ運搬かごと収納階層との間で出入り可能となっており、
    前記運搬かごの停止位置は、この運搬かごの床レベルが前記収納階層の床レベルより下方かつ天井レベルが収納階層の床レベルより上方の位置であり、
    前記運搬かごには、前記居室階層用の出入り口が設けられるとともに、この出入り口には上下に分割された扉が設けられ、この扉は前記収納階層では上側が開く
    ことを特徴とするエレベータ付き建物。
  3. 複数の居室階層およびこの居室階層の高さよりも低い高さ寸法の収納階層を含む躯体部分を備え、前記居室階層から前記収納階層におよぶエレベータ用昇降路が設けられたエレベータ付き建物であって、
    前記居室階層と前記収納階層とは積み重ねて設けられ、
    前記エレベータ用昇降路には、前記複数の居室階層のうちいずれかの居室階層と前記収納階層との間、および、前記複数の居室階層のうち一の居室階層と他の居室階層との間を運搬かごが昇降自在に設けられ、この運搬かごは前記収納階層に面して停止しかつ運搬かごと収納階層との間で出入り可能となっており、
    前記運搬かごの停止位置は、この運搬かごの床レベルと前記収納階層の床レベルとが一致する位置と、運搬かごの床レベルが前記収納階層の床レベルより下方かつ天井レベルが収納階層の床レベルより上方の位置とのいずれかを選択可能であり、
    前記運搬かごには、前記居室階層用の出入り口が設けられるとともに、この出入り口には上下に分割された扉が設けられ、この扉は前記収納階層では前記運搬かごの停止位置に応じて上下いずれかが開く
    ことを特徴とするエレベータ付き建物。
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