JP3011805B2 - 中間乗入型のエレベータ式駐車装置 - Google Patents

中間乗入型のエレベータ式駐車装置

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JP3011805B2
JP3011805B2 JP3298250A JP29825091A JP3011805B2 JP 3011805 B2 JP3011805 B2 JP 3011805B2 JP 3298250 A JP3298250 A JP 3298250A JP 29825091 A JP29825091 A JP 29825091A JP 3011805 B2 JP3011805 B2 JP 3011805B2
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隆 奥村
隆智 井上
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日本ケーブル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械式駐車装置装置の
分野、特にエレベータを用いてなる駐車装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】機械式駐車装置装置は、空間を立体的、
かつ高密度に利用して自動車を格納しようとする設備
で、これまでに各種の型式の設備が提案され実施され
て、都市に於ける駐車問題の解決のために著しく寄与し
ていることは汎く周知である。
【0003】このような駐車装置の一種として、エレベ
ータを用いて、このエレベータのケージ上に自動車を積
載して昇降路を昇降させ、この昇降路に沿って多段に配
設された駐車スペース内に自動車を横送りして収容する
ようにした、いわゆるエレベータ式駐車装置、エレベー
タスライド式駐車装置等と称する一群の装置がある。
【0004】このようなエレベータ式駐車装置の一例と
して図4に示したような中間乗入型のエレベータ式駐車
装置101が知られている。図においてケージ110
が、例えば索条、チェン等の懸垂部材111に懸垂され
て巻上機112の運転によって上下に縦貫した昇降路1
04内を昇降する。昇降路104に沿っては入出庫階層
より上部には駐車スペース105a,105a…,及び
105a,105a…が配設されている。また、入出庫
階層より下部における昇降路104に沿っても、駐車ス
ペース105b,105b…,及び105b,105b
…が配設されている。各駐車スペース105a,105
a…,と及び105b,105b…にはそれぞれ1台宛
のトレイ107または107…が着脱可能に収納されて
いる。自動車の入出庫口ないし入出庫階層120は通
常、一階に設定されている。
【0005】自動車を例えば地上側の駐車スペース10
5A(105a)に入庫する場合には、ケージ110に
駐車スペース105A(105a)のトレイ107を取
りだし積載して下降し、入出庫階層120で自動車を受
入れ、更に、ケージ110を上昇させて、駐車スペース
105A(105a)の最寄り位置に停止させてから、
トレイ107を自動車と共に横送りして駐車スペース1
05A(105a)に収納する。また、地下側の例え
ば、駐車スペース105B(105b)に自動車を収納
する場合にはケージ110を昇降路104に沿って下方
に巻きおろして、前記の場合と同様に入庫させるように
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に機械式駐車装置
の設置ないし建設を計画する場合には、狭小な用地の中
に多数台の自動車を収容可能とすることが求められるこ
とは当然であるが、これと共に入出庫処理に要する時間
の短縮も求められる。しかし、この二つの要求は互いに
背反するものである。自動車の収容台数を増加するため
には地上部と地下部の駐車スペースの数を増加させれば
目的を達することができるが、しかし、駐車スペースの
階層数が増加し、ケージの昇降行程が大きくなり、昇降
時間が長くなる。また、多数の駐車スペースに対して、
入出庫口は一箇所であり、ケージも一台のみであるか
ら、これらの処理容量によって入出庫処理能力の限界が
決定されることとなる。
【0007】本発明は、機械式駐車装置に要求される前
記の二つの相互に背反する要求を調和させて、多数台の
自動車を収容可能とすると共に、入出庫処理能力の高い
中間乗入型エレベータ式駐車装置を提供することを課題
ないし目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して本発
明は、自動車の入出庫階層から上部に配設された上部昇
降路と前記入出庫階層から下部に配設された下部昇降路
とを縦貫連通させてなる昇降路と、前記上部昇降路に沿
って多段に配設された上部の駐車スペースと、前記下部
昇降路に沿って多段に配設された下部の駐車スペース
と、前記昇降路を昇降するケージとを有して、自動車を
前記入出庫階層から前記ケージに搭載して前記昇降路を
昇降させて所要の駐車スペースに収容するようにした機
械式駐車装置において、前記ケージは、前記入出庫階層
から前記上部昇降路の間を昇降し前記上部の駐車スペー
スの入出庫を行うための巻上機昇降式の上部ケージと、
前記入出庫階から前記下部昇降路の間を昇降し前記下部
の駐車スペースの入出庫を行うための油圧昇降式の下部
ケージとを各々別に具え、かつ入出庫階層と上部昇降路
間の連通を開閉して入出庫階層と上部昇降路間の上部ケ
ージの通過を許容または阻止する上部防護扉と、入出庫
階層と下部昇降路間の連通を開閉して入出庫階層と下部
昇降路間の下部ケージの通過を許容または阻止する下部
防護扉とを具えてなる中間乗入型のエレベータ式駐車装
置、として構成したものである。
【0009】
【作用】本発明の中間乗入型のエレベータ式駐車装置
は、入出庫階層にある入出庫室より上方側にある上部の
駐車装置と、下方側にある下部の駐車装置とからなって
いる。
【0010】上部の駐車装置には、上部昇降路が貫通
し、これに沿って多段に駐車スペースが配設されてい
る。同様に、下部の駐車装置にも、下部昇降路が貫通
し、これに沿って多段に駐車スペースが配設されてい
る。これらの、各々の駐車スペースの駐車ラックには自
動車を収容するためのトレイが脱着可能に配備されてい
る。前記の上部及び下部の昇降路は、入出庫室を共有し
て連通した昇降路を形成しており、このうち、上部昇降
路には上部の駐車装置の入出庫に用いる巻き上げ機昇降
式の上部ケージを昇降可能に具え、下部昇降路には下部
の駐車装置の入出庫に用いる油圧昇降式の下部ケージを
昇降可能に具えている。また、入出庫室の上方には上部
防護扉が設けられ、入出庫室の下方には下部防護扉が設
けられている。
【0011】ここで、上部の駐車装置に自動車を入出庫
を行う場合には、上部防護扉を開きかつ、下部防護扉を
閉じて上部ケージを上部昇降路に沿って昇降させ、所要
の駐車スペースの駐車ラックとの間で積車又は空車のト
レイを受渡しする。かつ、入出庫室においてはこのトレ
イに自動車を受入れ又はトレイから自動車を自走で退出
させる。この上部駐車装置の入出庫作業中に次の入出庫
要請が下部の駐車装置に係わる場合には、下部ケージを
用いて入出庫準備作業を併行して行わせ待機させて入出
庫待ち時間を短縮する。
【0012】同様に、下部ケージを用いて下部の駐車装
置の入出庫作業を行っている場合に、後続の入出庫要請
が上部の駐車装置の入出庫に係わる場合には、上部のケ
ージを用いて入出庫準備作業を併行し行わせ待機させて
おき、入出庫待ち時間を短縮する。
【0013】上部防護扉、下部防護扉は併行作業として
の入出庫準備作業中に誤動作等でケージが入出庫室に突
き上げ、過降または墜落したときこれを阻止し、入出庫
室で入出庫中の人等の安全を確保する。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の中間乗入型のエレベータ式
駐車装置1の全体構成を示したものであり、入出庫階層
20から上部の駐車装置2aと、下部の駐車装置2b
と、よりなっている。
【0015】通常、地上に設けられる上部の駐車装置2
aは、地上に立設された建築物、工作物等の構造体3a
の中に上部昇降路4aが入出庫階層20から上方に貫通
して形成されており、この上部昇降路4aに沿っては駐
車スペース5a,5a…及び5a,5a…が多段にに配
設されている。
【0016】一方、地下に設けられた下部の駐車装置2
bは地下に掘削構築された地下構造体3bの中に下部昇
降路4bが、入出庫階層20から下方に貫通して形成さ
れており、この下部昇降路4bに沿って、前記の場合と
同様に駐車スペース5b,5b…及び5b,5b…が多
段に配設されている。これらの上部昇降路4aと下部昇
降路4bとは上下に連通していて、これら両者で昇降路
4を形成している。
【0017】構造体3aの上部には巻上機12のドラム
13,13,13,13が設備されている。この巻上機
12のドラム13,13,13,13には索条11,1
1,11,11がそれぞれ巻き掛けられており、巻上機
12の運転によって上部ケージ10aが上部昇降路4a
内を上下に昇降可能となっている。
【0018】一方、地下構造体3bの下部におけるピッ
ト3cには油圧シリンダー15が設備されており、この
油圧シリンダー15のラム16の伸縮動作によって該ラ
ム16の上端に具えた下部ケージ10bが下部昇降路4
bに沿って上下に昇降可能となっている。
【0019】次に、入出庫階層20における入出庫室2
2の上方には、上部防護扉24,24が設備されてい
る。上部防護扉24,24は、実線で示した開放位置2
4b,24bから、点線で示した閉鎖位置24a,24
aとの間に水平摺動移動できるようにした強固な構造の
横引き扉構成のもので、該上部防護扉24,24が開放
位置24b,24bにあるときは、上部昇降路4a内を
上部ケージ10aが通過可能に開放され、上部防護扉2
4,24が鎖線で示した閉鎖位置にあるときは、上部昇
降路4a内を上部ケージ10aが上方から入出庫階室2
2に通り抜け降下不能に閉塞される。
【0020】また、入出庫階層20における入出庫室2
2の下方には、下部防護扉25,25が設備されてい
る。下部防護扉25,25は、実線で示した閉鎖位置2
5a,25aと、鎖線で示した開放位置との間に水平摺
動移動可能に設備された強固な構造の横引き扉構成のも
ので、該下部防護扉25,25が開放位置にあるときは
下部昇降路4b内を下部ケージ10bが通過可能に開放
され、下部防護扉25,25が閉鎖位置25a,25a
にあるときは下部昇降路4b内を下部ケージ10bが下
方から入出庫室22に通り抜け上昇不能に閉塞される。
【0021】次に、上部ケージ10a上には横送り機構
14aを具えており、また、各駐車スペース5a,5a
…及び5a,5a…にはそれぞれ一の駐車棚ないし駐車
ラック6aを具えている。横送り機構14a上にはトレ
イ7aを積載可能となっており、所要の何れかの駐車ス
ペース5aの水準位置に於いて上部ケージ10a上に積
載してきたトレイ7aを駐車ラック6a上に送り込み移
送し、又はその逆方向に取り出し移送する。
【0022】同様に、下部ケージ10b上にも横送り機
構14bを具えており、また、各駐車スペース5b,5
b…及び5b,5b…にはそれぞれ一の駐車棚ないし駐
車ラック6bを具えている。横送り機構14bにはトレ
イ7bを積載可能となっており所要の何れかの駐車スペ
ース5bの水準位置に於いて下部ケージ10b上に積載
してきたトレイ7bを駐車ラック6b上に送り込み移送
し、又はその逆方向に取り出し移送する。
【0023】これらの横送り機構14aまたは14bに
は、当業者によく知られているように、伸縮フォークを
伸長させてトレイを駐車ラック上に横送りするもの、チ
ェンコンベアを用いてトレイを駐車ラック上に横送りす
るもの、又は、ローラーコンベア、ホイールコンベアま
たはスラットコンベアを用いてトレイを駐車ラック上に
横送りするもの等の公知の各種型式のものが利用可能で
ある。
【0024】次に、図2は入出庫階層20付近における
構成を示したもので、上部ケージ10aはトレイ7a
(7A)を積載して入出庫階層20に位置している。入
出庫口21には外扉23があって外部との間に開閉可能
に設備されている。駐車装置を運転する場合には、外扉
23を閉鎖の状態として行い、自動車を入出庫する場合
に於いては外扉23を開放して行うようにする。図2に
おいては上部防護扉24,24は開放位置24b,24
bとなっており、また、下部防護扉25,25は閉鎖位
置25a,25aとなっている。また、下部ケージ10
bによる入出庫を行う場合については図3に示されてい
るが、この場合の入出庫については、次の入出庫の動作
の説明において述べる。
【0025】次には、本、中間乗入型のエレベータ式駐
車装置1の動作ないし作用について説明する。本装置は
前記した通り、上部の駐車装置2aと、下部の駐車装置
2bと、よりなっているが、先ず、上部の駐車装置2a
に入出庫を行う場合について図1及び図2を用いて説明
する。上部の駐車装置2aには、上部昇降路4aに沿っ
て駐車スペース5a,5a…及び5a,5a…が多段に
配設されている。各々の駐車スペース5a,5a…及び
5a,5a…にはそれぞれ駐車ラック6aが固設して具
えられ、かつ、それぞれ一のトレイ7aを脱着可能に具
えている。上部の駐車装置2aの運転を行う場合は、先
ず、安全のため入出庫口21の外扉23を閉鎖すると共
に上部防護扉24,24を開放位置24b,24bにし
て上部昇降路4aを上部ケージ10aが通過可能に開放
し、かつ、下部防護扉25,25を閉鎖位置25a,2
5aとして下部ケージ10bが入出庫階層20の水準に
上昇できないように閉塞する。
【0026】ここで、自動車を収容すべき所望の駐車ス
ペースを5A(5a)とすれば、巻上機12の運転によ
りドラム13,13,13,13を回転させ、索条1
1,11,11,11を介して上部ケージ10aを上部
昇降路4aに沿って昇降移動させ、駐車スペース5A
(5a)の水準に停止させる。次に、横送り機構14a
によって駐車ラック6A(6a)上の空車のトレイ7A
(7a)を上部ケージ10a上に水平移動させ、該上部
ケージ10a上にトレイ7A(7a)を移載する。次い
で、再び巻上機12の運転によって上部ケージ10aを
下降移動して入出庫階層20に到達ないし着床停止させ
る。ここで、外扉23を開放して、入庫すべき自動車3
0を外部から入出庫口21を経て入出庫室22内に受入
れ、上部ケージ10a上のトレイ7A(7a)上の所定
の停止定位置に停止させる。かつ、該自動車30を乗り
入れた運転手は降車して、入出庫室22から入出庫口2
1を経て外部に退出する。
【0027】次には、外扉23を閉じて入出庫口21を
閉鎖し、上部ケージ10aの運転を開始する。巻上機1
2のドラム13,13,13,13を運転して索条1
1,11,11,11を介して上部ケージ10aを上部
昇降路4aに沿って上昇移動させ、先に空車のトレイ7
A(7a)を取り出した駐車スペース5A(5a)の水
準に停止させる。次に、上部ケージ10a上に具えた横
送り機構14aによって積車のトレイ7A(7a)を駐
車スペース5A(5a)の駐車ラック6A(6a)上に
水平移動し、かつ、ここに定置してこの収納作業を終了
する。この作業の後に、引き続いて上部の駐車装置2a
に係わる次の入出庫要請が連続している場合には、上部
ケージ10aを所要の他の駐車スペース5aの水準に昇
降し停止させ、空車又は実車のトレイ7aを取り出して
から入出庫階層20に向かい、前記と同様に後続の入出
庫要請に対応する。
【0028】このような上部の駐車装置2aの入出庫作
業が行われている間に、下部の駐車装置2bにおいて
は、上部の駐車装置2aの入出庫作業に支障しない限り
は、次の入出庫のための準備作業を併行作業として行っ
ておくことができる。即ち、下部防護扉25,25は閉
鎖位置25a,25aとなっているが、下部昇降路4b
は待機位置17bより下方に関する限りは、下部ケージ
10bの昇降移動が可能となっている。よって、前記の
如く上部の駐車装置2aの入出庫作業が実行されている
とき、次に例えば下部の駐車装置2bに係わる駐車スペ
ース5B(5b)に収容されている自動車31の出庫要
請が予約されているものとすれば、油圧シリンダー15
の運転により下部ケージ10bを用いて、駐車ラック6
B(6b)から下部ケージ10b上に積車のトレイ7B
(7b)を取り出し、下部ケージ10bを待機位置17
bまで上昇させ停止して待機させておくようにする。こ
のようして、上部の駐車装置2aに関する入出庫作業が
終了すると、上部ケージ10aを少なくとも待機位置1
7aに退避させ、さらに上部防護扉24,24を図3に
示した如くに閉鎖位置24a,24aにすると共に、下
部防護扉25,25を開放位置25b,25bに開放し
て、待機位置17bに待機中の下部ケージ10bを入出
庫階層20に上昇させ、出庫要請に対応することができ
る。また、入庫要請の場合においても同様にトレイを取
り出し待機して準備作業を行っておくことができる。
【0029】次には、下部の駐車装置2bに入庫する場
合について、図1及び図3を用いて説明する。下部の駐
車装置2bには先の上部昇降路4aと垂直に連通した下
部昇降路4bが貫通しており、この下部昇降路4bに沿
っては駐車スペース5b,5b…及び5b,5b…が多
段に配設されている。各々の駐車スペース5b,5b,
…及び5b,5bにはそれぞれ駐車ラック6bが固設し
て具えられ、かつ、それぞれ一のトレイ7bが脱着可能
に収納されている。下部の駐車装置2bの運転を行う場
合には、先ず、安全のため入出庫口21の外扉23を閉
鎖すると共に、上部防護扉24,24を閉鎖位置24
a,24aとして上部昇降路4aを上部ケージ10aが
入出庫階層20に下降し又は墜落を防止するように閉鎖
すると共に、下部防護扉25,25を開放位置25b,
25bとして下部ケージ10bが入出庫階層20に上昇
可能に開放する。
【0030】ここで、自動車を収容すべき所望の駐車ス
ペースを5B(5b)とすれば、油圧シリンダー15の
ラム16を伸縮動作させて、このラム16の上部に連結
されている下部ケージ10bを下部昇降路4bに沿って
昇降移動させ、駐車スペース5B(5b)の水準に停止
させる。次に、下部ケージ10b上に具えた横送り機構
14bによって駐車ラック6B(6b)上の空車のトレ
イ7B(7b)を下部ケージ10b上に水平移動させ、
該下部ケージ10b上にトレイ7B(7b)を移載す
る。次いで再び油圧シリンダー15のラム16を伸延運
転して下部ケージ10bを上昇移動し、入出庫階層20
の水準に到達ないし着床停止させる。ここで、外扉23
を開放して、入庫すべき自動車32を外部から入出庫口
21を経て入出庫室22内に進入させ、下部ケージ10
b上のトレイ7B上の定位置に停止させる。かつ、該自
動車32を乗り入れた運転手は降車して、入出庫室22
から入出庫口21を経て外部に退出する。
【0031】次には、外扉23を閉鎖して入出庫口21
を閉鎖し、下部ケージ10bの運転を開始する。油圧シ
リンダー15のラム16を短縮運転して下部ケージ10
bを下部昇降路4bに沿って下降移動し、先の空車のト
レイ7B(7b)を取り出した駐車スペース5B(5
b)の水準に停止させる。次に、下部ケージ10bに具
えた横送り機構14bによって積車のトレイ7B(7
b)を駐車スペース5B(5b)の駐車ラック6B(6
b)上に水平移動し、かつ、ここに定置してこの収納作
業を完了する。この作業の後に、継続して下部の駐車装
置2bに係わる入出庫要請がある場合には、下部ケージ
10bを所要の他の駐車スペース5bの最寄りの水準位
置に昇降移動させて停止し、空車又は実車のトレイ7b
を取り出してから入出庫階層20に向かい、後続の入出
庫要請に対応する。
【0032】このような下部の駐車装置2bに係わる入
出庫作業が行われている間に。上部の駐車装置2aに於
いては、下部の駐車装置2bの入出庫作業に支障しない
かぎりは、次の入出庫のための準備作業を併行作業とし
て行っておくことができる。即ち、上部防護扉24,2
4は閉鎖位置24a,24aとなっているが、上部昇降
路4aは待機位置17aより上方に関する限りは、上部
ケージ10aの昇降移動が可能となっている。よって、
下部の駐車装置2bの入出庫作業が実行されているとき
に、例えば、次に上部の駐車装置2aに係わる駐車スペ
ース5A(5a)に収容されている自動車33の出庫の
要請が予約されているとすれば、駐車ラック6A(6
a)から上部ケージ10a上に積車のトレイ7A(7
a)を取り出し、上部ケージ10aを待機位置17aま
で下降させ停止させ待機させておくようにする。このよ
うにして、下部の駐車装置2bに関する入出庫作業が完
了すると、下部ケージ10bを少なくとも待機位置17
bまで退避させてのち、更に下部防護扉25,25を閉
鎖位置25a,25aに位置させると共に、上部防護扉
24,24を開放位置24b,24bに開放して、待機
位置17aに待機中の上部ケージ10aを入出庫階層2
0に下降させ、この出庫要請に対応することができるの
である。また、入庫要請の場合においても同様にトレイ
を取り出し待機して準備作業を行っておくことができ
る。
【0033】本装置によればこのように、上部の駐車装
置2aが入出庫作業中であっても、下部の駐車装置2b
においては、少なくとも待機位置17bよりも下方にお
いては下部ケージ10bの作業動作が可能であるため、
次に予約されている下部の駐車装置2bに係る入出庫準
備作業を併行作業として行っておくことができる。こう
して、下部ケージ10bを待機位置17bに待機させて
おき上部の駐車装置2aの作業が完了したら即応動作し
て入出庫待ち時間を短縮する。このとき、下部防護扉2
5,25は閉鎖位置25a,25aとなっているので、
万一、誤動作によって下部ケージ10bが突き上げ状態
となっても、この下部防護扉25,25がこれを阻止し
て、入出庫室22の安全を確保する。
【0034】同様に、下部の駐車装置2bが入出庫作業
中であっても、上部の駐車装置2aにおいては、少なく
とも待機位置17aよりも上方においては上部ケージ1
0aの作業動作が可能であるため、次に予約されている
上部の駐車装置2aに係る入出庫準備作業を併行作業と
して行っておくことができる。こうして、上部ケージ1
0aを待機位置17aに待機させておき下部の駐車装置
2bの作業が完了したら即応動作して入出庫待ち時間を
短縮する。このとき、上部防護扉24,24は閉鎖位置
24a,24aとなっているので、万一、誤動作によっ
て上部ケージ10aが過降下、又は事故によって墜落し
ても、この上部防護扉24,24がこれを受け止め阻止
して、少なくとも入出庫室22の安全が確保される。
【0035】本装置に於いては、上部ケージ10aは上
方の巻上機12による懸垂昇降であり、下部ケージ10
bは、下方から伸縮自在に立設された油圧式昇降である
から、双方の昇降動作は干渉することなく、各々独立の
動作が可能である。
【0036】また、本実施例に於いては、巻上機12に
はドラム13,13…と索条11,11…を用いた索条
懸垂の構成の場合を記載したが、必要によっては前記の
ドラムをスプロケット車とし、索条をチェンとしたチェ
ン懸垂の構成に置換することも可能であることは明らか
である。
【0037】なお、本装置は、狭義のエレベーター式駐
車装置のみでなく、エレベーターのケージ上でトレイを
横行移動させながら昇降する、いわゆるエレベータ.ス
ライド式駐車装置を含む広義のエレベータ式駐車装置一
般に適用可能である。
【0038】
【発明の効果】機械式駐車装置を設備計画する場合に
は、一定の用地の中にできるだけ多数台の自動車を収容
したいという要求と、入出庫処理の時間をできるだけ短
縮したいという要求とが提起されるが、これらの要求は
互いに背反するものである。
【0039】中間乗入型のエレベータ式駐車装置におい
ては地上に設けた入出庫室の上方と下方に駐車スペース
を積層して設けることができるので、収容台数の多い駐
車装置を得る事ができるのが特徴であるが、従来は、こ
れを一台のエレベーターのケージが受け持って処理する
ので、収容台数を増加させると入出庫処理時間が長くな
ることを免れなかった。
【0040】本発明の装置は、上部の駐車装置を担当す
る上部ケージと、下部の駐車装置を担当する下部ケージ
とを、入出庫室を共通として連通した昇降路内に具えた
ものであり、一方のケージが入出庫作業中にはこの入出
庫作業に支障しない限り、他のケージは後続の入出庫作
業を併行して行っておくことができる。よって、先行の
入出庫作業が終了すれば、待機中のケージの動作を直ち
に再開して、後続の入出庫要請に対応することができる
ので、利用者にとっては入出庫待ち時間の短縮となり、
駐車装置の管理者にとっては、駐車装置の効率的な運用
が実現される。
【0041】また、上部及び下部の防護扉を具えている
ので、併行作業を行っている他のケージが誤って突き上
げ、過下降または墜落しても、保護扉がこれを阻止し、
入出庫室内の人等の安全が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間乗入型のエレベータ式駐車装置の全体を断
面図で示した正面図である。
【図2】上部の駐車装置に入出庫する場合の入出庫口付
近の状態を断面図で示した側面図である。
【図3】下部の駐車装置に入出庫する場合の入出庫口付
近の状態を断面図で示した側面図である。
【図4】従来の中間乗入型のエレベータ式駐車装置を断
面図で示した正面図である。
【符号の説明】
1 中間乗入型エレベータ式駐車装置 2a 上部の駐車装置 2b 下部の駐車装置 3a 構造体 3b 地下構造体 3c ピット 4 昇降路 4a 上部昇降路 4b 下部昇降路 5a,5A 駐車スペース 5b,5B 駐車スペース 6a,6A 駐車ラック 6b,6B 駐車ラック 7a,7A トレイ 7b,7B トレイ 10a 上部ケージ 10b 下部ケージ 11 索条 12 巻上機 13 ドラム 14a 横送り機構 14b 横送り機構 15 油圧シリンダー 16 ラム 17a 待機位置 17b 待機位置 20 入出庫階層 21 入出庫口 22 入出庫室 23 外扉 24 上部防護扉 24a 閉鎖位置 24b 開放位置 25 下部防護扉 25a 閉鎖位置 25b 開放位置 30 自動車 31 自動車 32 自動車 33 自動車 101 中間乗入型エレベータ式駐車装置 103 構造体 104 昇降路 105a,105A 駐車スペース 105b,105B 駐車スペース 107 トレイ 110 ケージ 111 懸垂部材 112 巻上機 120 入出庫階層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の入出庫階層から上部に配設された
    上部昇降路と前記入出庫階層から下部に配設された下部
    昇降路とを縦貫連通させてなる昇降路と、前記上部昇降
    路に沿って多段に配設された上部の駐車スペースと、前
    記下部昇降路に沿って多段に配設された下部の駐車スペ
    ースと、前記昇降路を昇降するケージとを有して、自動
    車を前記入出庫階層から前記ケージに搭載して前記昇降
    路を昇降させて所要の駐車スペースに収容するようにし
    た機械式駐車装置において、 前記ケージは、前記入出庫階層から前記上部昇降路の間
    を昇降し前記上部の駐車スペースの入出庫を行うための
    巻上機昇降式の上部ケージと、前記入出庫階から前記下
    部昇降路の間を昇降し前記下部の駐車スペースの入出庫
    を行うための油圧昇降式の下部ケージとを各々別に具
    、かつ入出庫階層と上部昇降路間の連通を開閉して入
    出庫階層と上部昇降路間の上部ケージの通過を許容また
    は阻止する上部防護扉と、 入出庫階層と下部昇降路間の連通を開閉して入出庫階層
    と下部昇降路間の下部ケージの通過を許容または阻止す
    る下部防護扉とを具え てなる中間乗入型のエレベータ式
    駐車装置。
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