JP3781873B2 - 害虫防除方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺虫、殺ダニ、昆虫成長阻害、忌避作用といった機能を有する有効成分を、経済的にかつ効果的に空気中に放出させる有害生物防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられている、前記殺虫等の目的で有効成分を空気中に放出させる手法としては、いわゆる蚊取り線香や蚊取りマットまたは液体式加熱蒸散装置を用いる方法や、高圧ガスと薬液を同時に噴射することで薬液を霧化する方法いわゆるエアゾール方式、あるいは高出力を要して超音波によって霧化し、噴霧を行う方法いわゆるピエゾ方式などが挙げられる。
【0003】
これらのうち、近年、長期間取り替える必要がないという利便性から良く使用されている液体式の加熱蒸散装置を用いる方法は、連続加熱によって有効成分を含む薬液が放出されるため、加熱温度が安定した後は連続して薬剤粒子が空間に供給される。また、かかる加熱蒸散装置によって放出された粒子の大きさ(サイズ)は非常に小さく、加熱による熱上昇気流にのって粒子の浮遊拡散も比較的速やかで、取り分け密閉度の高い部屋では粒子の浮遊時間も長く、先の連続供給とあいまって長時間にわたって効果が持続するという長所を持っている。
【0004】
その反面、薬液の放出を連続的な間接加熱によって行っているため、使用開始からその効果が発揮されるまで少なからぬ時間を要するという点、および連続発熱という高エネルギーを必要とする方式のため電池等で長時間駆動させることが困難であり、さらに吸い上げ芯の加熱部分では加熱による有効成分の劣化等に起因する目詰まり現象によって使用後半に薬剤蒸散量が低下するといった短所も有する。したがって省電力化をはかるために、例えば間欠的に駆動を行っても発熱体の温度が上昇し、蒸散部が所定の温度に達して効果が発揮されるまでに時間を要するため、目的とする効果が得られないか、もしくは目的とする省電力化が図れない。
【0005】
一方、エアゾール方式の薬液放出方法は、薬液の霧化エネルギーとして電気エネルギーを用いることなく、かつ瞬間的に大量の薬液放出が可能である。しかしながら、現在市販されているエアゾール製剤は、手動によるボタン操作が必要であり、特殊な定量バルブ等を使用しないと一定量の薬液を放出できないものである。さらに、エアゾール製剤の多くは、対象害虫に対して直接噴霧粒子を処理する方法に重きを置いた設計になっており、虫体への経皮的な有効成分の浸透を考慮しているため、概して粒子サイズが大きい。したがって粒子サイズが大きい場合、1 )空間への拡散速度が遅い、2 )粒子の落下速度が速い、3 )処理付近が汚染されるといった短所を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有害生物の防除のための薬液放出に要するエネルギーの低減化を図ることが可能で、しかも安全性が高く、長期間安定した有害生物の防除が行える方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、開閉可能な噴射口を有する耐圧容器内に有効成分を含有する薬液が噴射剤と共に封入されてなるエアゾール方式の薬液噴霧装置を用いて薬液を空間に噴霧する害虫防除方法であって、薬液が耐圧容器全容積の1〜10%の量で耐圧容器内に封入された薬液噴霧装置を用い、空間30m 3 あたりの薬液中の有効成分の噴霧量を0.01〜5.0mg/時間に調整し、体積積算分布(体積累積パーセント)における90%粒子径が5〜15μmである薬液微粒子を空間に間欠的に噴霧することを特徴とする害虫防除方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の有害生物防除方法は、噴霧される薬液微粒子の体積積算分布(体積累積パーセント)において、その90%の粒子径が20μm以下となるように、有効成分を含有してなる薬液を空間に噴霧する有害生物防除方法であって、噴霧を間欠的に行う方法である。本発明においては、薬液は各種噴霧手段によって小さな液滴(薬液微粒子)として空間に放出され、薬液中の有効成分の効果の発現により有害生物が防除される。
【0009】
薬液微粒子の直径は、20μm以下のものが体積換算で90%以上である。より好ましくは15μm以下のものが体積換算で90%以上であり、特に好ましくは10μm以下のものが体積換算で90%以上である。
【0010】
本明細書において、薬液微粒子の直径は25℃の室内においてレーザー光散乱による粒度分布測定装置によって求められる値で示す。即ち、発光部よりHe−Neレーザーを発光させ、コリメーターによって平行光線とされたレーザー光が受光部においてレンズを通してシリコン・ディテクタの中心位置に焦点を結ぶように設計され、この状態でレーザー光の中に薬液を噴霧し、該粒子によって散乱された散乱強度パターンから求められた粒子径分布により定義する。
【0011】
ここで、薬液の噴霧位置は噴霧出力等を考慮して上記粒度分布測定装置で良好な測定ができる位置に適宜設定されるが、レーザー光に対して10cm〜50cm離れた位置から噴霧されるのがよく、さらに測定は粒子の噴霧直後、すなわち噴霧から3秒以内の噴霧粒子で行なわれるものとする。
【0012】
しかし、上記粒度分布測定装置で良好な測定が行なえない場合は、アンダーセンサンプラーを用いた分級装置による測定値等その他の測定値で代用することもできる。
【0013】
噴霧される薬液微粒子の直径を所定の範囲で、間欠噴霧するためには、例えば以下のような噴霧方法が例示できる。
【0014】
開閉可能な噴射口を具備してなる耐圧容器に、薬液が噴射剤と共に封入されてなるエアゾール方式の薬液噴霧装置を用いる噴霧方式であり、好ましくはこの薬液噴霧装置には、さらに電源、噴射口開閉制御機構、並びに噴霧間隔時間及び噴霧量の制御機構、例えば電磁弁、定量バルブ等を具備する薬液噴霧装置を用いて薬液を空間に噴霧する噴霧方法が挙げられる。この場合、前記耐圧容器に有効成分のみからなる薬液、または有効成分と溶剤からなる薬液が噴射剤と共に封入され、主には該耐圧容器の全容積に対する、初期の薬液の体積割合を調整することで薬液微粒子の大きさ(サイズ)を調整することができる。
【0015】
また、いわゆるピエゾ方式の噴霧方法として、ピエゾ発振子、該ピエゾ発振子に接着されてなる多孔の振動板、該振動板に薬液を供給する薬液供給手段、該ピエゾ発振子に接続されてなるピエゾ発振回路、該振動板の振動を制御して間欠噴霧を可能とする制御回路、電源、及び薬液から構成されるピエゾ方式の薬液噴霧装置を用いて、薬液を空間に噴霧する噴霧方法が挙げられる。この場合、主には振動板に設けられた孔の孔サイズを調整することで薬液微粒子の大きさ(サイズ)を調整することができる。
【0016】
本発明に用いられる薬液としては、殺虫、殺ダニ、昆虫成長阻害、忌避作用といった機能を発揮させる有効成分を含有してなるものであれば、特に限定されない。また、有効成分そのものを薬液として用いても良い。具体的に該有効成分を例示すると、ピレスロイド系殺虫剤、ピレスロイド様殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、クロロニコチン系殺虫剤、昆虫成長阻害剤および殺菌剤からなる群より選ばれる1種以上の化合物である。これら有効成分の多くにはカルボン酸成分に起因する幾何異性体、カルボン酸成分およびアルコール成分の不斉炭素に起因する光学異性体が存在し、本発明においては、薬液中にこれらの各種異性体およびその混合物が存在していても良い。これら有効成分の具体例を以下に例示する。
【0017】
ピレスロイド系殺虫剤としては、アレスリン、dl・d−T80−アレスリン、dl・d−T−アレスリン、d・d−T−アレスリン、d・d−T80−プラレトリン、フタルスリン、d−T80−フタルスリン、レスメトリン、d−T80−レスメトリン、d−T80−フラメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、シペルメトリン、d−T80−シフェノトリン、エンペントリン、テラレスリン、イミプロスリン等が挙げられる。
【0018】
ピレスロイド様殺虫剤としては、エトフェンプロックス等が挙げられる。
【0019】
有機リン系殺虫剤としては、ダイアジノン、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、マラチオン、ディプテレックス、クロルピリホス、フェンチオン、ジクロルボス、プロペタンホス、アペイト、プロチオホス、ホキシム等が挙げられる。
【0020】
カーバメート系殺虫剤としては、プロポクスル等が挙げられる。
【0021】
クロロニコチン系殺虫剤としては、イミダクロプリド、アセタミプロリド等が挙げられる。
【0022】
昆虫成長阻害剤(IGR)としては、ピリプロキシフェン、シロマジン等が挙げられる。
【0023】
殺菌剤としては、硫黄(S)、ダコニール、MBC、トップジンM、スミレックス等が例示できる。
【0024】
また、その他使用目的に応じて、殺ダニ剤、忌避剤、その他の防虫剤等も使用できる。
【0025】
例えば、殺ダニ剤としては、ケルセン等が例示できる。
【0026】
また、忌避剤としては、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、p−ジクロロベンゼン等が例示できる。
【0027】
これらの有効成分は1種類を単独で使用できる他、2種以上を混合して使用することもできる。
【0028】
かかる有効成分を溶剤に溶解又は混合させて薬液を調製することができる。
【0029】
本発明に用いられる溶剤としては、例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、エステル、エーテルおよびケトン等の溶剤が挙げられ、特に炭素原子数が5〜18の脂肪族飽和炭化水素が好適に用いられる。尚、脂肪族不飽和炭化水素は異臭を有することから、溶剤の主成分としては好ましくないが、異臭を発しない程度の量であれば、上記脂肪族飽和炭化水素に含まれても何ら差し支えない。
【0030】
また脂肪族飽和炭化水素においては、炭素原子数が多くなるほど粘度が上昇する傾向が見られ、常温でゲル状又は固化状態を呈する場合がある。このような場合、薬液の供給又は噴霧に悪影響を及ぼし得ることから、溶剤として用いる脂肪族飽和炭化水素としては炭素原子数が18以下のものが好ましい。また、常温での引火点などの観点からは、溶剤として用いる脂肪族飽和炭化水素としては炭素原子数が5以上のものが好ましい。また脂肪族不飽和炭化水素について、炭素原子数が10〜14のものがより好ましく、11〜13のものが特に好ましい。
【0031】
これらの脂肪族飽和炭化水素を主成分とする市販の溶剤を例示すると、0号ソルベントM(日本石油株式会社製)、0号ソルベントL(日本石油株式会社製)、0号ソルベントH(日本石油株式会社製)、ノルマルパラフィンYH−NP(日鉱石油化学株式会社製)、ノルマルパラフィンSH−NP(日鉱石油化学株式会社製)、デオトミゾールA−1(吉富製薬株式会社製)、IPソルベント2028(出光石油化学株式会社製)、IPソルベント1620(出光石油化学株式会社製)、IPソルベント1016(出光石油化学株式会社製)、ネオチオゾール(三光化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
【0032】
また主に動植物からの抽出によって生産され、食品添加物や化粧品原料として利用されている油脂を溶剤として用いることは、毒性の点から非常に有効である。特に酸化による固化が起きにくい胡麻油、菜種油、大豆油といった半乾性油、固化が起きない椿油、オリーブ油といった不乾性油が好ましい。
【0033】
また溶剤として、アルコール、アルデヒド、ケトン及びカルボン酸からなる群より選ばれる一種以上の化合物を、有効成分と共に水に混合した組成物を薬液として用いてもよいし、有効成分を界面活性剤とともに水に乳化または懸濁した組成物を薬液として用いてもよい。かかる組成物は水を含有しているため、火気に対する危険性が低い。
【0034】
なお、薬液中には、有効成分、溶剤以外の成分が含まれていてもよい。例えば、上記有効成分の他に必要に応じてBHT、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)などの安定化剤や6−プロピル−ピペロニルエーテル、オクタクロロジプロピルエーテル、イソボルニルチオシアナアセテート、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチレンビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−カルボキシイミド等の共力剤や動物性、植物性の天然香料、あるいは炭化水素、アルコール、フェノール、アルデヒド、ケトン、ラクトン、オキシド、エステル類等の人工香料およびO−フェニルフェノール、イソプロピルメチルフェノール、2−クロロ−4−フェニルフェノール、チモール等の殺菌・防カビ剤などを配合することも可能である。
【0035】
本発明における薬液中の有効成分の噴霧量としては、ハエ、カ、ゴキブリ、ノミ、ダニ、チョウバエ、ムカデ、アリ類、アブラムシ類、ハダニ類等、また、ウドンコ菌科(Erysiphales)、分生胞子層菌科(Melanconiaceae) 、菌核菌科(Sclerotiniaceae)、無色分生子柄菌科(Moniliaceae)、ツバクラリヤ菌科(Tuberculariaceae) に属する菌類等、対象とする有害生物、使用する有効成分および期待する効果に応じて適宜設定され、特に限定されるものではない。
【0036】
好ましい薬液中の有効成分噴霧量としては、30m3 の空間当りに0.01〜20mg/時間の範囲で設定するのがよく、より好ましくは30m3 の空間当りに0.05〜20mg/時間であり、特に好ましくは30m3 の空間当りに0.1〜15mg/時間である。
【0037】
さらに一例を示すと、有効成分にd・d−T80−プラレトリンを用いてカの吸血阻止および駆除を目的として使用する場合、30m3 の空間当りに0.04〜3.0mg/時間の範囲で設定するのが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0mg/時間の範囲で設定するのがよい。同様の目的で他の有効成分を使用する場合は有効成分の活性具合に応じて有効成分の量は上述のとおり30m3 の空間当りに0.01〜20mg/時間の範囲で適宜設定するのが好ましい。
【0038】
所望の噴霧量に設定するには、噴霧時間、噴霧間隔時間、薬液微粒子の粒径および1回当りの薬液放出量等を調整すればよい。
【0039】
本発明においては、薬液は間欠的に空間に噴霧されるが、長期間安定した有害生物の防除が可能である。
【0040】
本発明においては、前述のように噴霧直後の薬液微粒子を粒子の体積積算分布(体積累積パーセント)で90%粒子径が20μm以下となるように設定することにより該微粒子の落下速度および落下量を低下させ、より広範囲に拡散させて、空間中での有効成分の浮遊時間を維持することができる。
【0041】
さらに噴霧された薬液微粒子は空間浮遊中に粒子中の主な溶剤が蒸発して(徐々に)縮小する挙動を示し、浮遊時間の長期化、つまり空間での効力発現時間の持続性や拡散性が高まる。このような薬液微粒子の縮小傾向は、使用する溶剤や噴射剤の種類によって異なるため、適宜選択して使用すればよい。
【0042】
しかし、20μmを超える粒子群が体積累積パーセントで10%を超えて存在すると速やかに落下する粒子量が多くなるばかりか、先の浮遊中の縮小傾向も生じないままに落下して空間での有効成分濃度(気中濃度)が低下したり、浮遊拡散性も低下して所期の効力を発揮できなくなる。また、処理付近の汚染も増大する。
【0043】
また、本発明における有害生物を防除する空間、例えば、家屋(住居)、バンガロー、テント、店舗、温室、ビニールハウス、倉庫等では少なからず空気の流れがあり、本発明の噴霧粒子径を達成することにより良好な拡散性が得られ、さらに前述した浮遊時間の持続効果によって、薬液の噴霧を連続的に行なう必要がなくなり、噴霧を間欠的に行い、消費エネルギーの低減化を図るとともに、安全性を高めることができる。即ち、本発明の有害生物防除方法は、低消費電力で有効成分の示す効果を安全かつ効率的に長時間安定して持続させることができる、優れた効果を有するものである。そのため、例えば電源として乾電池等の電池を使用することもでき、その場合、本発明の方法により持ち運びが簡単になり、本発明の適用場所の自由度が飛躍的に高まる。
【0044】
間欠的に噴霧を行う本発明の方法は、薬液粒子の粒径がより大きいエアゾール剤の実質的な薬剤ロスや、粒径が小さくとも高エネルギーを要して連続的に蒸散させる必要のある加熱蒸散剤および粒径が小さくとも高エネルギーを要して一時的に大量噴霧する超音波式噴霧剤といった従来の方法の有する問題点を改善するものである。
【0045】
間欠的に噴霧を行う場合、噴霧と次の噴霧との間(噴霧間隔)の時間は、特に限定されるものではなく、例えば3秒間〜60分間が好ましく、10秒間〜30分間がより好ましく、20秒間〜15分間が特に好ましい。省電力(消費電力)の観点から3秒間以上が好ましく、安全性および薬液粒子の浮遊持続性の観点から60分間以下が好ましい。
【0046】
また、1回あたりの噴霧時間も特に限定されるものではないが、電源に電池等を使用する場合を考慮すると、消費電力の観点から例えば0.05〜300秒間が好ましく、0.1〜180秒間がより好ましく、0.2〜60秒間が特に好ましい。
【0047】
また、本発明に用いられる薬液噴霧装置としては、一定量の薬液を瞬時に放出可能な装置を用いることが好ましい。例えば、前述したエアゾール方式の噴霧装置やピエゾ方式の噴霧装置が好ましい装置として挙げられる。
【0048】
以下にこれらの方式についてさらに具体的に述べる。
・エアゾール方式
本方式において、薬液微粒子の粒径を所定の範囲のものとするには、主には耐圧容器の全容積に対する、有効成分のみからなる薬液または有効成分と溶剤とからなる薬液の体積割合を調整することで達成できる。具体的には、耐圧容器の全容積に占める薬液の初期体積を15%以下にすることが好ましく、10%以下とすることがより好ましく、5%以下が特に好ましい。薬液の初期体積比率を15%以下に抑えることで、耐圧容器中の噴射剤の占める初期体積が該容器の容積の全体の85%以上となり、薬液微粒子の粒径をより微小なものとすることが可能となる。ここで、噴射剤は気相と液相から、あるいは気相のみで構成されていてもよいが、噴射剤が気相と液相からなる場合は該液相と薬液は均一溶解または均一分散した一液相を形成しておく必要があり、また噴射剤が気相のみの場合は薬液中の有効成分が均一に溶解又は分散した状態であることが必要である。
【0049】
また、本方式にて噴霧を行う場合、薬液としては有効成分単独でも良く、有効成分と溶剤等との混合物でも良い。該混合物を薬液として用いる場合の薬液濃度は前記耐圧容器中に占める薬液の所期体積比率が所定の割合になるように任意に調整すればよい。
【0050】
耐圧容器に封入される噴射剤としては、例えば、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、ハロゲン化炭化水素より選ばれる少なくとも1種以上の成分が好ましいものとして挙げられるが、圧縮炭酸ガス、圧縮窒素および圧縮空気等であっても目的とする薬液微粒子を形成できればよく、特に限定されるものではない。
【0051】
本発明に使用される開閉可能な噴射口を具備してなる耐圧容器は特に限定されるものではなく、従来のエアゾール製品に使用されているものと同様のものを使用することもできる。
【0052】
噴射口の開閉制御機構並びに噴霧時間及び噴霧量の制御機構としては電磁弁を応用し噴霧口を一定時間開口させ噴霧量と噴霧間隔双方を電気制御する方法や定量バルブを利用し、これにより噴霧量を制御した上で噴霧間隔のみを電気制御するといった方法が例示できる。
【0053】
かかるエアゾール方式の薬液噴霧装置を用いることにより、自動で間欠的に薬液を噴霧することができる。
【0054】
図1は、電源、噴射口開閉制御機構、並びに噴霧間隔時間及び噴霧量の制御機構を具備してなる、エアゾール方式による薬液噴霧装置の概略図である。図1において、該装置は薬液1、噴射剤(の液相)2、ディップチューブ3、耐圧容器4、開閉可能な噴射口(バルブ)5、ボタン6、電磁弁7、電磁弁制御回路8、タイマー回路9、電源としての電池10からなる。ボタン6、電磁弁7及び電磁弁制御回路8は噴射口5の開閉制御機構であり、タイマー回路9は噴霧間隔時間及び噴霧時間の制御機構である。なお、薬液1と噴射剤2は溶解している。
【0055】
タイマー回路9により間欠的に発生させられた信号が電磁弁制御回路8に伝えられて電磁弁7の動作が制御される。電磁弁7の動作によりボタン6が押されることで噴射口5が開放され、薬液1が噴射剤2と共にディップチューブ3を通過して放出口11から噴霧が行われる仕組みである。
【0056】
・ピエゾ方式
また他に本発明を成し得る手段としては、古くから知られているピエゾ発振子を用いる超音波式の液体霧化技術を利用する手段が挙げられる。かかる液体霧化技術は加熱によらず液体を霧化して噴霧可能な技術であり、好ましいものといえる。
【0057】
特に本方式はエアゾール方式と異なり、薬液の霧化を電気信号による振動で行なうことができ、耐圧容器および該容器中の噴射剤を必要としないため、薬液噴霧装置の小型化に有利である。また、ピエゾ噴霧部をピエゾ発振子、該ピエゾ発振子に接着されてなる多孔の振動板、該振動板に薬液を供給する薬液供給手段で構成することによりさらに小型化ができて有利である。
【0058】
本方式において、薬液微粒子の粒径を所定の範囲のものとするには、使用する薬液の粘度や表面張力等を考慮して前記振動板に設けられる孔の孔サイズを適宜設定することで主には達成できる。上記のとおり該孔の孔サイズは使用する薬液に応じて適宜設定されるため一概には言えないが、例えば、孔を円形に開口させる場合、孔の直径を0.5〜10μmの範囲で適宜設定するのが好ましく、0.5〜7μmとするのがより好ましく、0.5〜5μmとするのが特に好ましい。ここで、孔は振動板においてその薬液供給面(裏面)から薬液噴霧面(表面)に向けて徐々に縮小する形状とするのが好ましく、ここでいう孔サイズは振動板表面の開口サイズである。尚、孔の開口形状は円形に限定されるものではない。
【0059】
また、上述のピエゾ方式においては噴霧時の周波数は100KHz〜600KHzの範囲で適宜設定するのが有利である。
【0060】
また、必要な噴霧を確保できる程度に1)振動板を小型化し、密に孔を設けること、2)振動板の厚みを薄くすること、といった工夫を講じれば噴霧に要するエネルギーをさらに低減化させることができるため、好ましい。
【0061】
また、薬液中の有効成分の濃度は、有効量の有効成分が空間中に放出できる程度であれば特に限定されるものではない。具体的には、薬液中の有効成分の濃度は0.02〜10%(W/V)が好ましく、0.5〜7.0%(W/V)がより好ましく、1.0〜4.0%(W/V)が特に好ましい。有効成分の濃度が極度に低い薬液を噴霧させる場合、有効量の有効成分を放出させるために振動板の大型化や噴霧時間の長期化といった、消費エネルギーを高くする要因となる装置上の工夫が必要となる。そのため、効力維持及び省電力化の観点から、薬液中の有効成分の濃度は0.02%(W/V)以上が好ましい。また、本発明に用いられる有効成分は、それ自体が室温で高い粘度を呈するものが多く、薬液の粘度上昇等による消費エネルギーの増大化を抑える観点から、薬液中の有効成分の濃度は10%(W/V)以下が好ましい。
【0062】
ピエゾ方式の薬液噴霧装置としては、例えば特表平7−501481号公報に記載された装置が挙げられる。該公報には、アクチュエーターが中心穴を有する環状ディスクであり、該中心穴に振動板が接着されてなる噴霧装置が開示されており、加えて、薄型の電気音響アクチュエーターを利用することが、コスト、省電力および装置全体の小型化の点で好適なものとして記載されている。
【0063】
かかるピエゾ方式の薬液噴霧装置としては、例えば図2に示される装置を用いることができる。
【0064】
図2はピエゾ方式の薬液噴霧装置の概略図である。図2において該装置は、ピエゾ発振子23と該ピエゾ発振子に間接的に接着された多孔の振動板22からなるピエゾ噴霧部を形成し、振動板22に弱接触する吸液芯25を具備してなる薬液容器24、該薬液容器24内に収容された薬液21、ピエゾ発振子23に接続されてなる発振制御回路26、電源としての電池27等からなる。発振制御回路26には、ピエゾ発振制御およびタイマー制御機能を有する。薬液容器24中の薬液21は、薬液供給手段である吸液芯25を通って該吸液芯25に弱接触する振動板22に供給される。振動板22は多孔を有するものであり、該振動板22の振動により該孔を通じて薬液が微粒子化され、薬液微粒子として放出口28から噴霧される。発振制御回路26により噴霧時間および噴霧間隔時間が制御され所望の間欠噴霧が行なわれる。図2には示していないが、使用者が噴霧時間や噴霧間隔時間を任意に設定できるようにして、期待する効果や使用する空間の大きさに応じて薬液の噴霧量をコントロールしてもよく、任意に設定する方式も特に限定されるものではない。
【0065】
ここで、吸液芯と振動板の「弱接触」とは吸液芯が振動板の振動を妨げない程度に軽く接触した状態、あるいは吸液芯の上面部に形成される薬液の液膜と振動板とが接触する程度にわずかな間隔を有した状態をいう。
【0066】
【実施例】
以下、実施例、比較例及び試験例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0067】
実施例1〜34、比較例1〜6
有効成分としては、d・d−T80−プラレトリン(エトック)、dl・d−T80−アレスリン(ピナミンフォルテ:ピナミンf)、テラレスリン(ノックスリン)、d−T80−フタルスリン(ネオピナミンフォルテ:ネオピナミンf)、d−T80−シフェノトリン(ゴキラート)を用いた。各有効成分を、表1〜表2に示すように薬液微粒子の粒子径、噴霧間隔、1時間あたりの有効成分噴霧量を調整して試験を行なった。なお、表中において粒子の直径は以下のように簡略化して示した。即ち、体積積算分布(体積累積パーセント)でその90%粒子径(X−90)がNμmである場合、単に「Nμm」とした。噴霧間隔は、まず最初の噴霧を開始した時間から次の噴霧を開始するまでの時間とし、噴霧時間は噴霧間隔よりも短く設定した。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
エアゾール方式による場合
300mlの耐圧容器に対して、表1に示す条件で薬液の占める初期体積が1.0〜30%になるように設定した。薬液の調製にはエタノールを溶剤として用い、さらに噴射剤にはDMEを使用して耐圧容器内の圧力が約4〜5kg/cm2 になるように設定した。
【0071】
薬液微粒子の直径は、使用するバルブやボタンの種類によっても粒子径は調整可能だが、本発明においては耐圧容器に対する、有効成分と溶剤とからなる薬液の容積割合を変えることで調整した。例えば、放出した薬液粒子の体積積算分布における90%粒子径を約5μmとする場合、耐圧容器に対する初期の薬液の占める体積割合を1%とし、同様に90%粒子径を約10μmとする場合は5%、90%粒子径を約15μmとする場合は10%、90%粒子径を約20μmとする場合は15%とし、さらに90%粒子径を約25μmとする場合は25%、90%粒子径を約30μmとする場合は30%に設定した。
【0072】
噴霧1回あたりの薬液放出量は、例えば、d・d−T80−プラレトリン(エトック)では0.0096〜4.0%(w/v)、dl・d−T80−アレスリン(ピナミンf)では2.4%(w/v)、テラレスリン(ノックスリン)では1.44%(w/v)、d−T80−フタルスリン(ネオピナミンf)では8.8%(w/v)となるように薬液中の有効成分濃度を調整し、さらにバルブ開放時間を制御して設定した。
【0073】
また、噴霧装置としては、図1に示される装置を用いた。
【0074】
ピエゾ方式による場合
有効成分を溶剤に溶解して噴霧薬液を得た。溶剤には炭素数12の脂肪族飽和炭化水素を主に含有するn−パラフィンを用い、使用する有効成分の濃度が、例えば、d・d−T80−プラレトリン(エトック)では0.024〜2.0%(w/v)、dl・d−T80−アレスリン(ピナミンf)、テラレスリン(ノックスリン)、およびd−T80−フタルスリン(ネオピナミンf)では5%(w/v)、d−T−80シフェノトリン(ゴキラート)では1.5%(w/v)および3%(w/v)になるように薬液を調製した。
【0075】
薬液粒子の直径は、振動板に設けられた孔の孔径を変更することで調整した。具体的には、ピエゾ発振子に接着された振動板に規則的な配列で設けられた多数の孔直径を1〜13μm程度の範囲で調整することにより目的とする粒子径を得た。例えば、放出した薬液粒子の体積積算分布における90%粒子径を約5μmとする場合は振動板に設ける孔径を約1〜3μmとし、同様に90%粒子径を約10μmとする場合は該孔径を約3〜5μm、90%粒子径を約15μmとする場合は該孔径を約4〜7μm、90%粒子径を約20μmとする場合は該孔径を約6〜9μmとし、さらに90%粒子径を約25μmとする場合は該孔径を約8〜11μmとし、90%粒子径を約30μmとする場合は該孔径を約9〜13μmとした。
【0076】
噴霧1回あたりの薬液放出量は、エトックでは0.35〜41.7μl、ピナミンfでは0.83μl、ノックスリンでは0.5μl、ネオピナミンfでは3.06μl、ゴキラートでは2.78μlになるようにピエゾ発振子の振動時間を制御して調整した。また、噴霧装置としては、図2に示される装置を用い、電源にDC3Vを用いて発振制御回路において電圧を43Vに昇圧、周波数を113KHzに制御してピエゾ発振子を駆動させた。
【0077】
試験例1
本試験は、表1〜表2における実施例1〜4、実施例18〜21、および比較例1、2、4、5の各目標設定条件で試験し、放出した薬液粒子の体積積算分布における90%粒子径を約5μm〜30μmでふらしたときの各粒子サイズにおけるノックダウン効果を評価するものである。そして評価は8畳(約30m3 )の居室試験室に供試虫としてアカエイカ雌成虫を約100個体放し、蚊を放ってからの経時的なノックダウン数をカウントした結果からBliss のProbit法によって求めたKT50値を比較することで行った。KT50値は供試虫の50%をノックダウンさせるのに要する時間を示し、この数値が小さいほどノックダウン効果、つまり対象とする有害生物の防除効果が高いことを意味する。
【0078】
ノックダウン数の測定ポイントは試験開始から30分、1時間、3.5時間、7時間、12時間後とし、ピエゾ方式についてはさらに300時間後を加え、それぞれについて前述の方法により評価した。
【0079】
また、それぞれの条件で作動を行なったときの床への汚染状況をエアゾール方式のものは120時間後、ピエゾ方式のものは360時間後に目視による評価を行った。床への汚染状況の判断は、わずかに変色する程度の汚染または汚染を認めない状況を○、わずかなべたつきまたは変色を認める程度の汚染を△、べたつくほどの汚染を×とした。結果を表3および表4に示す。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
その結果、粒子径が小さいほど効力は高く、噴霧開始からの効力の発現時間も早いことが確認され、特に放出した薬液粒子の体積積算分布における90%粒子径が20μm以下のときに実使用上で有効な効力が確認された。
【0083】
試験例2
本試験は、表1〜表2における実施例5〜8、実施例22〜25、および比較例3、6の各目標設定条件で試験し、放出した薬液粒子の体積積算分布における90%粒子径をエアゾール方式の場合は約10μm、ピエゾ方式の場合は約5μmとしている。この条件で噴霧間隔を3〜5400秒までとしたときの各噴霧間隔におけるノックダウン効果を評価するものである。
【0084】
ノックダウン効果の評価方法および床への汚染状況は試験例1に準じて行なった。
【0085】
結果を表5および表6に示す。
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
その結果、薬液の噴霧間隔を3600秒間すなわち60分間とするとノックダウン効果は得られるが、経過時間によって、つまり噴霧直後と噴霧の間の時間で効力にばらつきが見えはじめ、5400秒ではさらにそのばらつきが大きくなる傾向があり、噴霧間隔は3600秒以内とするのが好ましいと考察された。
【0089】
また、比較例3、6より、12時間で噴霧した有効成分量が前記実施例と同じであってもその効果は長時間持続することはなく、適切な間隔で間欠噴霧することの有効性が示された。
【0090】
試験例3
本試験は、表1〜表2における実施例3、15〜17、実施例19、30〜32の各目標設定条件で試験し、放出した薬液粒子中に含まれる有効成分の違いによるノックダウン効果を評価するものである。ノックダウン効果の評価方法は試験例1に準じて行なった。
【0091】
結果を表7に示す。
【0092】
【表7】
【0093】
その結果、有効成分は違っても有効成分自体がもつ効力活性が発揮されていることを確認し、その効力活性に応じて噴霧される有効成分量を調整することにより、適切な効力を得ることが可能であることが示唆された。
【0094】
試験例4
本試験は、表1における実施例13、14の各目標設定条件で試験し、一回あたりの薬液噴霧量を60m3 用に設定し、16畳(約60m3 )で使用した場合のアカイエカ雌成虫に対するノックダウン効果を評価するものである。ノックダウン効果の評価方法は試験例1に準じて行なった。
【0095】
結果を表8に示す。
【0096】
【表8】
【0097】
本試験により、30m3 用に設定した薬液噴霧量を2倍にすることで、2倍の容積においても効果が得られることが確認された。
【0098】
試験例5
本試験は、表1における実施例9〜12、26〜29の各目標設定条件で試験し、単位時間および単位空間あたりの有効成分放出量と、試験開始から2時間目のヒトスジシマカ雌成虫に対する吸血阻止効果の関係を調査するものである。吸血阻止効果は次のようにして評価した。吸血源として金網で固定したラットを中央に設置した8畳(約30m3 )の居室試験室を用意し、薬液を2時間にわたって間欠噴霧した。次いでヒトスジシマカ雌成虫を約100個体放し、放ってから2時間後の吸血数を計測した。また、対照として薬液を噴霧しなかった部屋を用意し、吸血数を計測した。
【0099】
結果を表9に示す。
【0100】
【表9】
【0101】
本試験により、蚊による吸血の害を防止するために最低必要な吸血阻止効果を得るためには、1時間、30m3 あたりの有効成分放出量を0.01mg以上とすることが好ましいことが分かった。
【0102】
試験例6
本試験は、表1における実施例33〜34の各目標設定条件で試験し、対象とする有害生物をゴキブリとして試験を実施した。尚、試験はクロゴキブリとチャバネゴキブリに対して行い、8畳(約30m3 )の部屋において、供試虫を入れたポリカップ(逃亡を防ぐため内面にワセリンを塗布したもの)を部屋の四隅に配置し、その上から側面に6cm×6cmの穴を設けた箱型覆(30cm×30cm×48cm)をかぶせた。ノックダウン数の測定ポイントは試験開始から3時間、6時間、12時間後とした。
【0103】
結果を表10に示す。
【0104】
【表10】
【0105】
本試験により、ゴキブリに対してもその効果を確認し、蚊以外の有害生物に対しても蚊と同様に効力を発揮できることが確認された。
【0106】
【発明の効果】
本発明により、間欠的に薬液を噴霧することができるため、消費エネルギーや薬液使用量の低減化を図ることができる。また、電池等を用いることができるため、本発明の方法は適用範囲が広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、噴射口開閉制御機構並びに噴霧間隔時間及び噴霧量の制御機構を伴うエアゾール方式による薬液噴霧装置の概略図である。
【図2】図2は、ピエゾ方式の薬液噴霧装置の概略図である。
【符号の説明】
1 薬液
2 噴射剤
3 ディップチューブ
4 耐圧容器
5 噴射口
6 ボタン
7 電磁弁
8 電磁弁制御回路
9 タイマー回路
10 電池
11 放出口
21 薬液
22 振動板
23 ピエゾ発振子
24 薬液容器
25 吸液芯
26 発振制御回路
27 電池
28 放出口
Claims (4)
- 開閉可能な噴射口を有する耐圧容器内に有効成分を含有する薬液が噴射剤と共に封入されてなるエアゾール方式の薬液噴霧装置を用いて薬液を空間に噴霧する害虫防除方法であって、薬液が耐圧容器全容積の1〜10%の量で耐圧容器内に封入された薬液噴霧装置を用い、空間30m 3 あたりの薬液中の有効成分の噴霧量を0.01〜5.0mg/時間に調整し、体積積算分布(体積累積パーセント)における90%粒子径が5〜15μmである薬液微粒子を空間に間欠的に噴霧することを特徴とする害虫防除方法。
- 噴霧間隔の時間が3秒間〜60分間である請求項1記載の害虫防除方法。
- 有効成分がピレスロイド系殺虫剤、ピレスロイド様殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、クロロニコチン系殺虫剤、昆虫成長阻害剤及び殺菌剤からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1又は2記載の害虫防除方法。
- 薬液噴霧装置が、さらに電源、噴射口開閉制御機構、並びに噴霧間隔時間及び噴霧量の制御機構を具備してなる請求項1〜3いずれか記載の害虫防除方法。
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