JP3781662B2 - 高所作業車のポスト伸長ロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高所作業車のポスト伸長ロック装置に関し、さらに詳細には、伸縮動可能に構成されたポストの先端に旋回動可能に枢結された旋回構造体を有してなる作業装置を備えた高所作業車のポスト伸長ロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業を行なう高所作業車には、走行可能に構成された走行体に搭載されて基端ブームの内側に複数の内側ブームを入れ子式に組み合わされて内蔵された伸縮シリンダにより伸縮動可能に構成されたポストと、ポストの先端部に旋回動可能に枢結された旋回構造体とを有してなる作業装置が備えられているものがある。この走行体の前側には運転キャビンが配設され、運転キャビンよりも車両後方側の走行体上に作業装置が搭載されている。旋回構造体は、ポストの先端部に旋回動可能に枢結された支持アームと支持アームの先端部に首振り動且つ上下に揺動可能に取り付けられた作業台とを有して構成されている。
【0003】
作業装置は走行体の格納位置に格納可能に構成され、作業装置が格納位置に格納された状態では、ポストはその先端が車両前方側に向いて全縮状態となるとともに前後方向に略水平に延びた状態となり、旋回構造体の支持アームはポストの伸長方向に対して車両左側へ略直角方向に延びた角度位置に旋回動した状態となっている。また、作業台は格納されたポストの車両左側の側部に位置して格納される。
【0004】
さて、ポストに内蔵された内蔵シリンダは、図5に示すように、油圧ポンプPから吐出した油の給排制御を行なう作動制御弁70に、内蔵シリンダ60のボトム室60aと作動制御弁70間を繋ぐボトム油路71及び内蔵シリンダ60のロッド室60bと作動制御弁70間を繋ぐロッド油路72を介して繋がっている。このため、内蔵シリンダ60は作動制御弁70による油の給排制御によって伸縮動が制御される。ボトム油路71及びロッド油路72(以下、これらをまとめて単に「油路73」と記す。)にはダブルホールディングバルブ75が設けられている。このダブルホールディングバルブ75は、ダブルホールディングバルブ75と作動制御弁70間を繋ぐ油路73が損傷等して油が急激に漏れ出した場合でも、ポストの伸縮動を防止する機能を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、油路内の油の温度(油温)が上昇したままで作業装置が格納位置に格納され、その後、車両を包囲する環境温度が低下しても油温が高温状態である場合、油路を構成するホースはある程度の弾性を有しているので油路は膨張した状態のままとなって油路内が負圧状態になると考えられる。
【0006】
このような現象がロッド室と作動制御弁間を繋ぐロッド油路内で発生した場合において走行している車両が減速すると、ポストにこれを伸長動させる方向の力が作用し、特に減速の程度が大きい場合(例えば、走行車両が停止する場合)には油路内の油圧が負圧状態から非負圧状態になる分、即ち、油路が膨張した体積分だけ、若しくは油に混入した空気が膨張して油路内に空間が形成された分だけ、内蔵シリンダが伸長動する場合がある。内蔵シリンダが伸長動してポストが伸長動すると、ポストの先端側には運転キャビンが配設されているので、ポストの先端に取り付けられた支持アームや作業台の端部が運転キャビンに当接する虞があるという問題が生じる。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、作業装置が格納された状態でポストにこれを伸長させる方向の力が作用してもポストの伸長動を確実に防止するポスト伸長ロック装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明に係わる高所作業車のポスト伸長ロック装置は、走行可能に構成された走行体(例えば、実施形態におけるトラック車両6)と、走行体に搭載された基端ブーム、基端ブームの内側に伸縮動自在に配設された1以上の内側ブーム(例えば、実施形態における第1中間ブーム37b、第2中間ブーム37c、先端ブーム37d)、基端ブームに対して内側ブームを伸縮動させる油圧シリンダ(例えば、実施形態における内蔵シリンダ60)を有してなるポスト及びポストの先端部に旋回動可能に枢結された旋回構造体(例えば、実施形態における支持アーム41)を有して構成された作業装置(例えば、実施形態における高所作業装置20)とを備えてなる高所作業車(例えば、実施形態におけるオーバーフェンス作業車1)において、作業装置は走行体の格納位置に格納可能に構成され、ポストが全縮状態となり、且つ旋回構造体がポストに対して所定角度位置に旋回移動した状態で作業装置が格納位置に格納されるように構成された高所作業車のポスト伸長ロック装置であって、旋回構造体に旋回構造体が所定角度位置に旋回移動した状態でポスト側に突出するように設けられた第1係止部材(例えば、実施形態における第1ストッパ部材81)と、基端ブームに基端ブームの長手方向先端側に突出するように設けられた第2係止部材(例えば、実施形態における第2ストッパ部材85)とを備え、ポストが全縮状態となり旋回構造体が所定角度位置に旋回移動した状態で第1係止部材と第2係止部材とが互いに係合されるように第1係止部材の長さが設定され、第1係止部材に、第2係止部材を係止可能な旋回構造体側係止部(例えば、実施形態における係止突起82)が形成され、第2係止部材に、第1係止部材を係止可能な基端ブーム側係止部(例えば、実施形態における係止突起86)が形成され、旋回構造体を格納すべく旋回移動させると、所定角度位置において基端ブーム側係止部が旋回構造体側係止部に旋回構造体側から当接して、第1係止部材の基端側への第1係止部材の移動を拘束するように旋回構造体側係止部および基端ブーム側係止部が互いに係止し合うことにより、旋回構造体が第1係止部材と第2係止部材との係合が解除される方向へ旋回移動可能な状態で基端ブームの長手方向への旋回構造体の移動が規制されてポストの伸長動をロックし、ポストの伸長動がロックされた状態で旋回構造体が所定角度位置から旋回移動すると、第1係止部材と第2係止部材との係合が解除されることによりポストの伸長動のロックが解除されるように構成される。
【0009】
上記構成のポスト伸長ロック装置によれば、旋回構造体を格納すべく旋回移動すると第1係止部材と第2係止部材とが係合されてポストの伸長動をロックする。このため、作業装置が格納位置に格納された状態にあるときに油圧シリンダに作用する力により油圧シリンダが伸長動してポストが伸長動しようとしても、第1係止部材と第2係止部材によりポストの伸長動が規制されるので、ポストが伸長動して作業装置の一部が走行体の一部に当接する事態を確実に防止することができる。また、ポスト伸長ロック装置は第1係止部材と第2係止部材とを有して構成するだけなので、構成が極めて簡単で安価なポスト伸長ロック装置を提供することができる。なお、旋回構造体はポストの先端に旋回動自在に取り付けられたものの総称であり、実施例で記載する支持アームの他に作業台がポストに旋回動自在に取り付けられていれば作業台も含む意である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図5に基づいて説明する。本実施の形態は橋梁の塗装補修等のメンテナンス作業を行なうオーバーフェンス作業車の態様を示す。先ず、本発明に係わるポスト伸長ロック装置を説明する前に、ポスト伸長ロック装置を搭載したオーバーフェンス作業車について説明する。
【0011】
オーバーフェンス作業車1は、図1に示すように、前後に車輪3を有して走行可能であり、前部に運転キャビン5を有したトラック車両6をベースに構成されている。このトラック車両6の車体7上には高所作業装置20が搭載されている。この高所作業装置20は図示しない旋回モータにより駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台21を有し、この旋回台21には基端部を枢結したブーム23が取り付けられ、このブーム23は起伏シリンダ25により起伏動されるようになっている。ブーム23は、基端ブーム23aおよび先端ブーム23bを入れ子式に組み合わせて、図示しない内蔵の伸縮シリンダにより伸縮動可能に構成されている。なお、ここではブーム23を二段伸縮ブーム構成としているが、これを三段伸縮もしくはそれ以上の多段伸縮ブーム構成としても良い。
【0012】
先端ブーム23bの先端には屈伸ポスト27が上下に揺動自在に取り付けられている。屈伸ポスト27の下部にはリンク部材29が枢結され、その上端部にポストレベリングシリンダ31の一端が枢結されている。このポストレベリングシリンダ31の他端は先端ブーム23bに枢結されている。リンク部材29の下部と屈伸ポスト27の前面と間には屈伸シリンダ33が枢結されている。屈伸ポスト27の先端部にはホルダ35が取り付けられて上下に揺動可能である。ホルダ35は中空円筒状に形成されており、ポストレベリングシリンダ31及び屈伸シリンダ33により揺動制御される。ポストレベリングシリンダ31と起伏シリンダ25は連動して伸縮動し、ブーム23が水平状態になるとホルダ35も水平状態になるように伸縮動する。屈伸シリンダ33は起伏シリンダ25とは独立に伸縮動可能に構成されて屈伸ポスト27を大きな揺動角度で揺動可能に構成されている。このようにポストレベリングシリンダ31及び屈伸シリンダ33により揺動される中空ホルダ35内には、ポスト37が軸方向に移動自在に挿入されて取り付けられている。
【0013】
ポスト37は、基端ブーム37a,第1中間ブーム37b、第2中間ブーム37c、第3中間ブーム37dおよび先端ブーム37eを入れ子式に組み立てられて作られている。ここで図2を更に追加して説明すると、基端ブーム37aがホルダ35内に軸方向に移動自在に保持されており、この基端ブーム37aに対して、第1中間ブーム37b、第2中間ブーム37c、第3中間ブーム37dおよび先端ブーム37eが内蔵シリンダ60により伸縮自在となっている。ここではポスト37を五段伸縮ブーム構成としているが、これを二段、三段伸縮等といった多段伸縮ブーム構成としても良い。
【0014】
内蔵シリンダ60は、従来技術の欄で説明した図5が示すように、内蔵シリンダ60のボトム室60aと作動制御弁70間を繋ぐボトム油路71及び内蔵シリンダ60のロッド室60bと作動制御弁70間を繋ぐロッド油路72を介して作動制御弁70に繋がっている。作動制御弁70は電磁式切替弁であり、図示しない作業操作装置の操作レバーの操作により出力される信号に基づいて作動が制御されて、油圧ポンプPから吐出した油を内蔵シリンダ60に給排制御する。ボトム油路71及びロッド油路72(以下、これらをまとめて単に「油路73」と記す。)にはダブルホールディングバルブ75が設けられている。
【0015】
ダブルホールディングバルブ75の一方のホールディングバルブ(以下、「ボトムバルブ77」と記す。)はボトム油路71に設けられ、ダブルホールディングバルブ75の他方のホールディングバルブ(以下、「ロッドバルブ79」と記す。)はロッド油路72に設けられている。ボトムバルブ77はロッドバルブ79と作動制御弁70間のロッド油路72に連通するパイロットラインL1に連通し、ロッドバルブ79はボトムバルブ77と作動制御弁70間のボトム油路71に連通するパイロットラインL2に連通している。ボトムバルブ77はロッド油路72内の油圧が開弁圧より低いときはボトム室60aから作動制御弁70への油の流れを規制し、ロッド油路72内の油圧が開弁圧を越えるとボトム室60aから作動制御弁70への油の流れを許容する。なお、ボトムバルブ77は作動制御弁70からボトム室60aへの油の流れを常に許容している。一方、ロッドバルブ79はボトム油路71内の油圧が開弁圧より低いときはロッド室60bから作動制御弁70への油の流れを規制し、ボトム油路71内の油圧が開弁圧を越えるとロッド室60bから作動制御弁70への油の流れを許容する。なお、ロッドバルブ79は作動制御弁70からロッド室60bへの油の流れを常に許容している。
【0016】
このように構成されたダブルホールディングバルブ75によれば、ダブルホールディングバルブ75と作動制御弁70間を繋ぐ油路73が損傷等してこれらから油が急激に漏れ出しても、ロッドバルブ79及びボトムバルブ77がロッド室60b及びボトム室60aから作動制御弁70側への油の流れを規制するので、内蔵シリンダ60の伸縮動を規制してポストが急に伸長動する事態を未然に防止している。
【0017】
さて、図1及び図2に示すように、ホルダ35の側部には、基端ブーム37aをホルダ35に対して軸方向(上下方向)に移動させるブーム移動シリンダ39がホルダ35と基端ブーム37aとに跨って取り付けられている。このブーム移動シリンダ39は、シリンダチューブ39aがホルダ35に取り付けられ、ロッド39bの先端が基端ブーム37aの後端部に枢結されており、シリンダチューブ39aに対してロッド39bを伸縮させることにより、ポスト37全体をホルダ35に対して軸方向に移動させることができる。
【0018】
図2に示す先端ブーム37eの先端には、車両の前後及び上下に揺動自在に取り付けられた支持アーム41が設けられており、この支持アーム41はその上部に配設されたプラットフォームレベリングシリンダ43により垂直に延びるように保持されて作業台47が水平状態に保持される。尚、作業台47が水平状態でなければ、支持アーム41の側部に配設されたアーム旋回シリンダ44により調整される。このようにして垂直に保持される支持アーム41の先端(下端)には、首振り機構45を有して水平旋回自在となった作業台47が取り付けられている。その結果、作業台47は水平に延びた状態で保持されて水平旋回(首振り作動)する。なお、作業台47にはその周囲を囲む手摺り47aが取り付けられている。
【0019】
このように構成された図1に示すブーム23は、車両の後側から前側に水平方向に倒伏した状態で格納され、車体7の略中央部から立設されたブーム受9に支持される。また、ポスト37は車体3上に格納されたブーム23の上方に重なるように揺動して折り畳み状態で車体3上に前後に延びて倒伏されて格納され、ブーム23の上面上に突設されたポスト受11に支持される。作業台47は格納されたブーム23及びポスト37の車両左側の側部に位置して格納される。
【0020】
車体2の前後の左右両側部には下方及び左右へ伸縮動自在なアウトリガ13,14が設けられている。このアウトリガ13,14はそれぞれ下端に接地ローラ13a,14aを有しており、高所作業を行うときには、前後の車輪3を接地させたままでアウトリガ13,14を張り出して接地ローラ13a,14aを接地させて車体7を支持させるようになっている。さらに、このように車体7を支持した状態で車輪3を駆動することにより、車両全体を低速で走行させて所定の高所作業(橋梁点検作業等)を行うことができるように構成されている。
【0021】
次に、本発明に係わるポスト伸長ロック装置について、図3及び図4を使用して説明する。図3及び図4は図1に示す高所作業装置20が車体7に格納されてポスト37が全縮状態で且つ支持アーム41がポスト37に対して左側(図3紙面右側)に直角方向に揺動された位置にあるときの裏側斜視図を示す。図3に示すように、支持アーム41の基端部側の下面41aと基端ブーム37aの先端下面37a1にはポスト伸長ロック装置80が設けられている。ポスト伸長ロック装置80は、支持アーム41の下面41aにポスト37側に突出して取り付けられた第1ストッパ部材81と基端ブーム37aの先端下面37a1に先端側へ突出して設けられた第2ストッパ部材85とを有して構成されている。
【0022】
第1ストッパ部材81は板状であり、支持アーム41の旋回中心Sよりもポスト37の左右方向左側(図3紙面の上方側)にずれた位置に取り付けられ、支持アーム41のポスト側の側面と基端ブーム37aの先端との距離の半分の距離よりも長い突出長さを有して支持アーム41から突出している。第1ストッパ部材81の先端部にはポスト37の右側(図3紙面の下方側)に突出した係止突起82が形成されている。係止突起82の先端側の左右両角部は円弧状に面取りされている。係止突起82よりも第1ストッパ部材81の基端部側にはポスト37の右側に開口した凹部83が形成されている。
【0023】
一方、第2ストッパ部材85は第1ストッパ部材81と略同じ形状であり、基端ブーム37aの先端下面37a1であって基端ブーム37aの先端下面37a1とポスト37の中心軸線Jを含む垂直面とが交差する部分の近くに取り付けられて支持アーム41側へ突出している。第2ストッパ部材85は第1ストッパ部材81と同じ形状であるので、第1ストッパ部材81と同一態様部分については準じた符号を付けてその説明を省略する。なお、係止突起を86で示し、凹部を87で示す。図1に示す高所作業装置20が車体7に格納された状態では、第1ストッパ部材81の係止突起82が第2ストッパ部材85の凹部87内に挿入され、第2ストッパ部材85の係止突起86が第1ストッパ部材81の凹部83内に挿入されて、両ストッパ部材の係止突起82、86が互いに係止されるように第1ストッパ部材81及び第2ストッパ部材85が配設されている。なお、両ストッパ部材が係止される作動について後述する。
【0024】
このように構成されたポスト伸長ロック装置80によれば、図1及び図2に示すように、高所作業装置20が車両に格納されると、ポスト37は全縮且つ水平状態となって車両前側に延び、支持アーム41はポスト37に対して車両左側に直角方向に旋回移動して延びる。その結果、図3を更に追加して説明すると、ポスト伸長ロック装置80の第1ストッパ部材81の係止突起82が第2ストッパ部材85の凹部87内に挿入され、第2ストッパ部材85の係止突起86が第1ストッパ部材81の凹部83内に挿入されて、両係止突起82、86が互いに係止される。このため、高所作業装置20が車体7に格納された状態で車両が走行し、この車両走行状態から車両走行速度が減速したり車両が停止すると、ポスト37にはこれを伸長させる方向の力が作用する。
【0025】
ここで、図5に示すように、図1に示す高所作業装置20が格納位置に格納されている状態では、作動制御弁70による油の給排制御は行なわれておらず、且つ内蔵シリンダ60とダブルホールディングバルブ75間を繋ぐ油路73は閉鎖された状態にある。このため、内蔵シリンダ60は伸縮動しない状態にある。しかしながら、従来技術の欄で説明したように、ロッド室60bと作動制御弁70間を繋ぐロッド油路72が膨張してロッド油路72内が負圧状態になっているときに、ポスト37にこれを伸長させる方向の力が作用すると、ロッド油路72が膨張した体積分だけ、又はロッド油路72内に混入した空気の膨張により油路72内に発生した空間の体積分だけ、内蔵シリンダ60が伸長動する場合がある。その結果、内蔵シリンダ60の伸長動によりポスト37が伸長動し、支持アーム41や作業台47の端部が運転キャビン5に当接する虞があるという問題があった。
【0026】
しかしながら、本発明に係わるポスト伸長ロック装置80では、図3に示すように、高所作業装置20が格納状態になると、第1ストッパ部材81と第2ストッパ部材85が互いに係止された状態になり、ポスト37が伸長動しようとして第1ストッパ部材81が移動しようとしても、第1ストッパ部材81の係止突起82が第2ストッパ部材85の係止突起86に当接してポスト37の伸長動を規制する。このため、ポスト37の伸長動を確実に規制することができる。また、支持アーム41と基端ブーム37aにストッパ部材81、85が取り付けられただけの構造であるので、ポスト伸長ロック装置80を安価にすることができる。
【0027】
さて、ポスト伸長ロック装置80によるロックを解除するには、図4に示すように、アーム旋回シリンダ44を伸縮動させて支持アーム41を矢印側へ旋回動させる。支持アーム41が旋回動すると、第1ストッパ部材81が支持アーム41の旋回中心Sを中心として矢印側へ旋回動し、第1ストッパ部材81の係止突起82が第2ストッパ部材85の凹部87から引き抜かれた状態となって第1ストッパ部材81と第2ストッパ部材85の係止状態が解除されて、ポスト伸長ロック装置80によるロックが解除される。なお、アーム旋回シリンダ44は図示しない作業操作装置の操作レバーを操作することでアーム旋回シリンダ44の伸縮動が制御される。
【0028】
なお、図3に示すように、ポスト伸長ロック装置80によりポスト37の伸長動がロックされている場合、この状態でポスト37を伸長動させると、ポスト伸長ロック装置80やポスト37が損傷する虞がある。このため、ポスト37を伸長動させる場合にはポスト伸長ロック装置80によるロックを解除してからポスト37を伸長動させるように作業操作装置を構成する。また、高所作業装置20が格納状態にあるときにポスト伸長ロック装置80によるロックを解除する場合、格納状態にある支持アーム41をアーム旋回シリンダ44により旋回動させると、支持アーム41や作業台47の端部が運転キャビン5に当接する虞がある。このため、ブーム23を起伏動させてからでないとアーム旋回シリンダ44が作動しないように作業操作装置を構成してもよい。
【0029】
また、前述した実施の形態では、第1ストッパ部材81は支持アーム41から基端ブーム37a側へ突設され、第2ストッパ部材85は基端ブーム37aから支持アーム41側へ突設された例を示したが、第1ストッパ部材81及び第2ストッパ部材85のいずれか一方を突設された状態とし、他方を基端ブーム37a側若しくは支持アーム41側へ突出しないように構成してもよい。この場合、突出するストッパ部材は高所作業装置20が格納位置に格納された状態で突出しないストッパ部材に係止されるようにな大きさに形成する。このように構成することで、前述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によるブームのポスト伸長ロック装置によれば、旋回構造体に第1係止部材を設け、基端ポストに第2係止部材を設けることで、旋回構造体を格納すべく旋回移動すると第1係止部材と第2係止部材とが係合されてポストの伸長動をロックする。このため、作業装置が格納位置に格納された状態にあるときに油圧シリンダに作用する力により油圧シリンダが伸長動してポストが伸長動しようとしても、第1係止部材と第2係止部材によりポストの伸長動が規制されるので、ポストが伸長動して作業装置の一部が走行体の一部に当接する事態を確実に防止することができる。また、ポスト伸長ロック装置は第1係止部材と第2係止部材とを有して構成するだけなので、構成が極めて簡単で安価なポスト伸長ロック装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるポスト伸長ロック装置を搭載したオーバーフェンス作業車の正面図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態におけるポスト伸長ロック装置を搭載したオーバーフェンス作業車の平面図を示す。
【図3】本発明の一実施の形態におけるポスト伸長ロック装置によりポストがロックされた状態を示すポスト及び支持アームの裏側斜視図を示す。
【図4】本発明の一実施の形態におけるポスト伸長ロック装置によりポストのロックが解除された状態を示すポスト及び支持アームの裏側斜視図を示す。
【図5】従来及び本発明の一実施の形態における内蔵シリンダの油圧回路図を示す。
【符号の説明】
1 オーバーフェンス作業車(高所作業車)
6 トラック車両(走行体)
20 高所作業装置(作業装置)
37 ポスト
37a 基端ブーム
37b 第1中間ブーム(内側ブーム)
37c 第2中間ブーム(内側ブーム)
37d 第3中間ブーム(内側ブーム)
37e 先端ブーム(内側ブーム)
41 支持アーム(旋回構造体)
60 内蔵シリンダ(油圧シリンダ)
80 ポスト伸長ロック装置
81 第1ストッパ部材(第1係止部材)
85 第2ストッパ部材(第2係止部材)
Claims (1)
- 走行可能に構成された走行体と、
前記走行体に搭載された基端ブーム、前記基端ブームの内側に伸縮動自在に配設された1以上の内側ブーム、前記基端ブームに対して前記内側ブームを伸縮動させる油圧シリンダを有してなるポスト及び前記ポストの先端部に旋回動可能に枢結された旋回構造体を有して構成された作業装置とを備えてなる高所作業車において、
前記作業装置は前記走行体の格納位置に格納可能に構成され、前記ポストが全縮状態となり、且つ前記旋回構造体が前記ポストに対して所定角度位置に旋回移動した状態で前記作業装置が前記格納位置に格納されるように構成された高所作業車のポスト伸長ロック装置であって、
前記旋回構造体に前記旋回構造体が前記所定角度位置に旋回移動した状態で前記ポスト側に突出するように設けられた第1係止部材と、
前記基端ブームに前記基端ブームの長手方向先端側に突出するように設けられた第2係止部材とを備え、
前記ポストが全縮状態となり前記旋回構造体が前記所定角度位置に旋回移動した状態で前記第1係止部材と前記第2係止部材とが係合されるように前記第1係止部材の長さが設定され、
前記第1係止部材に、前記第2係止部材を係止可能な旋回構造体側係止部が形成され、
前記第2係止部材に、前記第1係止部材を係止可能な基端ブーム側係止部が形成され、
前記旋回構造体を格納すべく旋回移動させると、前記所定角度位置において前記基端ブーム側係止部が前記旋回構造体側係止部に前記第1係止部材の基端側から当接して、前記第1係止部材の基端側への前記第1係止部材の移動を拘束するように前記旋回構造体側係止部および前記基端ブーム側係止部が互いに係止し合うことにより、前記旋回構造体が前記第1係止部材と前記第2係止部材との係合が解除される方向へ旋回移動可能な状態で前記基端ブームの長手方向への前記旋回構造体の移動が規制されて前記ポストの伸長動をロックし、
前記ポストの伸長動がロックされた状態で前記旋回構造体が前記所定角度位置から旋回移動すると、前記第1係止部材と前記第2係止部材との係合が解除されることにより前記ポストの伸長動のロックが解除されるように構成されていることを特徴とする高所作業車のポスト伸長ロック装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001354828A JP3781662B2 (ja) | 2001-11-20 | 2001-11-20 | 高所作業車のポスト伸長ロック装置 |
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