JP3780559B2 - 面状発熱体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、マイカヒータ等、各種機器で加熱用ヒータ、保温用ヒータなどとして使用される面状発熱体に係り、特に、接続端子部の構成を改良することにより、箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減して、箔状抵抗体の破損を防止したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
面状発熱体の一例として、例えば、図11に示すような構成のものがある。まず、発熱体として機能する箔状の抵抗体11があり、この箔状抵抗体は、例えば、ステンレス鋼、ニッケル系合金等の金属箔にエッチング加工や打ち抜き加工を施すことにより所定の配線パターンに形成されている。箔状抵抗体11の両端には接続端子部12、12’が連続して形成されており、この接続端子部12、12’に図示しない端子またはリード線を介して所定の電圧を印加することによって前記箔状抵抗体11が発熱する。接続端子部12、12’は箔状抵抗体11と同様の構成のものであるが、箔状抵抗体11に比べてその線幅が広く形成されており、これにより、接続端子部12、12’での無用な発熱が抑制されている。符号13、13’は前記箔状抵抗体11の全体と接続端子部12、12’の一部(端子またはリード線を接続する部分を除いた部分)を覆う絶縁材であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等の有機高分子材料やマイカ材等の無機材料などから構成されている。尚、図11においては、同寸法の絶縁材13、13’が重ね合わされて一体化されている関係上、絶縁材13’の一部(接続端子部側)を切り欠いて示してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の面状発熱体においては、高定格電圧や低消費電力などの高抵抗値が要求されるような用途にも、例えば、エッチング加工によって薄く細く、且つ蛇行状等の複雑で密な配線パターンの箔状抵抗体を形成し、単位面積当たりの抵抗値を高めることにより容易に対応することができるという利点がある。しかしながら、この場合、前述したように箔状抵抗体は薄く細く形成されているとともに、箔状抵抗体と接続端子部との境界部においては、その線幅の相違により機械的強度が変化しているため、接続端子部へのリード線接続加工時や実使用時に、接続端子部に引っ張り力、ねじり力等の機械的外力が加わると、箔状抵抗体と接続端子部との境界部に外力が集中し、箔状抵抗体が断線状態になりやすいという問題があった。
【0004】
このような問題の発生は、面状発熱体を構成する箔状抵抗体の材質、厚み、線幅などによっても異なるが、例えば、金属箔としてステンレス鋼箔等のように比較的機械的強度に優れたものを使用した場合であっても、その厚さを100μm以下、線幅を2mm以下程度に薄く細く形成したような場合に顕著であった。更に、これらの条件に加え、絶縁材がマイカ材で構成されたような場合には、特にこのような問題の発生が顕著であった。つまり、絶縁材がマイカ材で構成される面状発熱体は、通常、所定の配線パターンに形成された箔状抵抗体及び接続端子部を、例えば、シリコーン樹脂系接着剤等の接着剤を介してマイカ材で挟み込み、その後、加熱加圧などによりマイカ材同士を接着一体化することにより得られるのであるが、この際、箔状抵抗体及び接続端子部の上下に位置するマイカ材同士は一体化されていないとともに、マイカ材自体が外力によって剥離しやすいものであるため、接続端子部に機械的外力が加わると接続端子部が容易に位置ズレを起こし、その状態で更に外力が加わると、その外力が直接箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用して箔状抵抗体を断線状態にしてしまうのであった。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされてもので、その目的とするところは、箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減して、箔状抵抗体の破損を防止することが可能な面状発熱体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく本発明の請求項1記載の面状発熱体は、所定の配線パターンに形成され発熱体として機能する箔状抵抗体と、前記箔状抵抗体に連続して形成され前記箔状抵抗体より線幅が広く形成された接続端子部とを、絶縁材間に配設して一体化するとともに、前記接続端子部の端部を前記絶縁材間から外部に導出してなる面状発熱体において、前記接続端子部における絶縁材で覆われた部分の外周辺には、該接続端子部の導出方向に対して15°以上165°以下の角度を示す辺が形成されており、且つ、該辺の接続端子部の導出方向においては絶縁材同士が一体化している面が存在することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項2記載の面状発熱体は、所定の配線パターンに形成され発熱体として機能する箔状抵抗体と、前記箔状抵抗体に連続して形成され前記箔状抵抗体より線幅が広く形成された接続端子部とを、絶縁材間に配設して一体化するとともに、前記接続端子部の端部を前記絶縁材間から外部に導出してなる面状発熱体において、前記接続端子部の絶縁材で覆われた部分は、該接続端子部の導出方向に向かってその線幅が狭くなるように形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項3記載の面状発熱体は、所定の配線パターンに形成され発熱体として機能する箔状抵抗体と、前記箔状抵抗体に連続して形成され前記箔状抵抗体より幅幅が広く形成された接続端子部とを、絶縁材間に配設して一体化するとともに、前記接続端子部の端部を前記絶縁材間から外部に導出してなる面状発熱体において、前記接続端子部における絶縁材で覆われた部分の外周辺には、突起部が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される箔状抵抗体は、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼等のステンレス鋼や、ニッケルクロム合金等のニッケル系合金などの金属箔にエッチング加工や打ち抜き加工を施すことにより所定の配線パターンに形成されたものである。箔状抵抗体の材質、厚み、線幅などは特に限定されないが、例えば、上記したステンレス鋼等のような高体積抵抗率の金属箔を使用して、厚さ100μm以下、線幅2mm以下程度に設定すれば、単位面積当たりの抵抗値が高い複雑で密な配線パターンの箔状抵抗体を形成することができるため、高定格電圧や低消費電力などが要求されるような用途に最適な高抵抗値の面状発熱体を極めて容易に得ることができる。更に、この際には、本発明による箔状抵抗体の破損防止効果が特に顕著に現れることから好ましい。
【0011】
上記箔状抵抗体の両端には、電源供給用の端子やリード線を接続するための接続端子部が連続して形成される。この接続端子部は、箔状抵抗体の形成と同時に得られるものであるが、箔状抵抗体に比べてその線幅が広くなるように形成される。これは、接続端子部での無用な発熱を抑制するためである。
【0012】
ここで、請求項1においては、上記接続端子部に、該接続端子部の導出方向に対して15°以上165°以下の角度を示す辺を形成し、該辺の接続端子部の導出方向に絶縁材同士が一体化している面が存在するように構成することを必須要件としている。つまり、接続端子部自体に形成された所定の角度の辺と、接続端子部の導出方向との間に絶縁材同士が一体化する面を設け、これらの絶縁材をストッパーとして機能させることにより、機械的外力が加わった場合の接続端子部の位置ズレを防止し、これによって箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減させるものである。
【0013】
接続端子部に形成される辺の角度が上記の範囲外である場合には、絶縁材同士が一体化している面の面積が小さくなり過ぎ、機械的外力の影響を低減させることが困難になってしまう。
【0014】
請求項1に係る接続端子部の態様としては、例えば、図1乃至図3に示すような構成のものが考えられる。図1は接続端子部2、2’に、接続端子部の導出方向に対して15°の角度を示す辺2a、2a’が形成されたものの例、図2は接続端子部2、2’に、接続端子部の導出方向に対して90°の角度を示す辺2a、2a’が形成されたものの例、図3は接続端子部2、2’に、接続端子部の導出方向に対して165°の角度を示す辺2a、2a’が形成されたものの例を、それぞれ示している。尚、図中、符号1は所定の配線パターンに形成された箔状抵抗体であり、符号3、3’は絶縁材である。これらの図面においては、同寸法の絶縁材3、3’が重ね合わされている関係上、絶縁材3’の一部(接続端子部側)を切り欠いて示してある。
【0015】
このような構成を必須要件とする請求項1の発明によれば、箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減させることができるため、単位面積当たりの抵抗値が高い、薄く細く複雑で密な配線パターンの箔状抵抗体を形成した場合にも、箔状抵抗体が破損するようなことがなくなる。
【0016】
請求項2においては、上記接続端子部の絶縁材で覆われた部分の線幅が、該接続端子部の導出方向に向かって狭くなるように形成することを必須要件としている。つまり、接続端子部の線幅を導出方向に向かって狭くなるように形成して本来接続端子部が存在しているべき部分にも絶縁材同士が一体化する面を設け、これらの絶縁材をストッパーとして機能させることにより、機械的外力が加わった場合の接続端子部の位置ズレを防止し、これによって箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減させるものである。
【0017】
請求項2に係る接続端子部の態様としては、例えば、図4に示すような構成のものが考えられる。図中、符号1は所定の配線パターンに形成された箔状抵抗体であり、この箔状抵抗体1の両端には、その線幅が導出方向に向かって狭くなるように形成された接続端子部2、2’が連続して形成されている。符号3、3’は絶縁材であり、箔状抵抗体1の全体と接続端子部2、2’の一部を覆っている。尚、図4においては、同寸法の絶縁材3、3’が重ね合わされている関係上、絶縁材3’の一部(接続端子部側)を切り欠いて示してある。
【0018】
このような構成を必須要件とする請求項2の発明によれば、箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減させることができるため、単位面積当たりの抵抗値が高い、薄く細く複雑で密な配線パターンの箔状抵抗体を形成した場合にも、箔状抵抗体が破損するようなことがなくなる。
【0022】
請求項3においては、上記接続端子部の絶縁材で覆われた部分に突起部を設けることを必須要件としている。つまり、接続端子部に所定形状の突起部を形成して、この突起部自体をストッパーとして機能させることにより、機械的外力が加わった場合の接続端子部の位置ズレを防止し、これによって箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減させるものである。
【0023】
請求項3に係る接続端子部の態様としては、例えば、図7に示すような構成のものが考えられる。図中、符号1は所定の配線パターンに形成された箔状抵抗体であり、この箔状抵抗体1の両端には、略半円形状の突起部2c、2c’を備えた接続端子部2、2’が連続して形成されている。符号3、3’は絶縁材であり、箔状抵抗体1の全体と接続端子部2、2’の一部を覆っている。尚、図7においては、同寸法の絶縁材3、3’が重ね合わされている関係上、絶縁材3’の一部(接続端子部側)を切り欠いて示してある。
【0024】
このような構成を必須要件とする請求項3の発明によれば、箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減させることができるため、単位面積当たりの抵抗値が高い、薄く細く複雑で密な配線パターンの箔状抵抗体を形成した場合にも、箔状抵抗体が破損するようなことがなくなる。
【0025】
箔状抵抗体及び接続端子部を覆う絶縁材は、本発明によって得られる面状発熱体が使用される環境、用途、使用温度などを考慮して従来公知の絶縁材料の中から適宜に選択される。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネイト、エポキシ、ポリウレタン、ポリアクリレート、シリコーンゴム、フッ素樹脂等の有機高分子材料や、セラミック、マイカ等の無機材料などの単体及び複合材などが挙げられる。これらの中でも、硬質マイカ、軟質マイカ等のマイカ材またはそれらの複合材、更にはマイカ材と異種材料との積層複合材などを使用した場合には、本発明による箔状抵抗体の破損防止効果が特に顕著に現れることから好ましい。絶縁材同士を一体化させる方法としては、例えば、熱融着による方法や、接着剤を使用する方法などが挙げられる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の内容を更に詳しく説明する。尚、以下の実施例において説明する箔状抵抗体の形成方法は、当該出願人が先に提案した特願平7−50529号に記載した方法を利用したものである。
【0027】
実施例1
まず、PETフィルムからなる基材上に粘着剤を介して厚さ30μmのステンレス鋼箔を固定し、その後、エッチング加工を施すことにより所定の配線パターンを有した箔状抵抗体1(線幅0.4mm、100V−100W、抵抗値100Ω)と接続端子部2、2’(線幅3.5mm)を形成した。この際、接続端子部2、2’は図1乃至図3に示すように、接続端子部2、2’の導出方向に対して15°、90°、165°の角度を示す辺2a、2a’を備えるように形成した。次に、上記箔状抵抗体1及び接続端子部2、2’を縦220mm、横15mm及び厚さ0.3mmのプリプレグマイカ板(マイカ板にシリコーン樹脂系接着剤を含浸、半硬化させたもの)からなる絶縁材3上に転位させた後PETフィルムからなる基材を除去し、次いで、その上面に縦220mm、横15mm及び厚さ0.3mmのプリプレグマイカ板からなる絶縁材3’を配置した。最後に、これらを加熱加圧して前記絶縁材3、3’同士を加熱硬化により一体化させた。
【0028】
このようにして得られた面状発熱体は、絶縁材3、3’間から外部に導出した接続端子部2、2’の先端部に、図示しない端子またはリード線を介して所定の電圧を印加することによって前記箔状抵抗体1が発熱する。尚、図1乃至図3においては、同寸法の絶縁材3、3’が重ね合わされている関係上、絶縁材3’の一部(接続端子部側)を切り欠いて示してある。
【0029】
ここで、上記実施例1による3種類の面状発熱体の接続端子部の強度を評価するために、比較例として、図1に示す接続端子部2、2’の辺2a、2a’の角度(15゜)を10°に変更した面状発熱体、図3に示す接続端子部2、2’の辺2a、2a’の角度(165゜)を170°に変更した面状発熱体及び図11に示すような従来構造の面状発熱体もそれぞそれ用意し、これら6種類の面状発熱体の引っ張り強度を測定してみた。
【0030】
その結果、比較例の面状発熱体の引張強度はどれも20N以下程度であったのに対し、実施例1による面状発熱体は、いずれも通常この種の面状発熱体に要求される引張強度である50Nを超える高い引張強度を示した。この理由としては、接続端子部2、2’自体に形成された所定の角度の辺2a、2a’と、接続端子部2、2’の導出方向との間に絶縁材3、3’同士が一体化している面A、A’が存在し、この絶縁材がストッパーとして機能していることにより、接続端子部2、2’の位置ズレが防止されているためである。
【0031】
実施例2
まず、PETフィルムからなる基材上に粘着剤を介して厚さ30μmのステンレス鋼箔を固定し、その後、エッチング加工を施すことにより所定の配線パターンを有した箔状抵抗体1(線幅0.4mm、100V−100W、抵抗値100Ω)と接続端子部2、2’(線幅3.5mm)を形成した。この際、接続端子部2、2’は図4に示すように、接続端子部2、2’の導出方向に向かってその線幅が3.5mmから2.0mmとなるように形成した。次に、上記箔状抵抗体1及び接続端子部2、2’を縦220mm、横15mm及び厚さ0.3mmのプリプレグマイカ板(マイカ板にシリコーン樹脂系接着剤を含浸、半硬化させたもの)からなる絶縁材3上に転位させた後PETフィルムからなる基材を除去し、次いで、その上面に縦220mm、横15mm及び厚さ0.3mmのプリプレグマイカ板からなる絶縁材3’を配置した。最後に、これらを加熱加圧して前記絶縁材3、3’同士を加熱硬化により一体化させた。
【0032】
このようにして得られた面状発熱体は、絶縁材3、3’間から外部に導出した接続端子部2、2’の先端部に、図示しない端子またはリード線を介して所定の電圧を印加することによって前記箔状抵抗体1が発熱する。尚、この実施例2における面状発熱体は、接続端子部2、2’の構成以外は上記実施例1と同様の構成であるため、図4においては、接続端子部2、2’の周辺部分の構成のみを拡大して示してある。また、図4においては、同寸法の絶縁材3、3’が重ね合わされている関係上、絶縁材3’の一部(接続端子部側)を切り欠いて示してある。
【0033】
ここで、上記実施例2による面状発熱体の接続端子部の強度を評価するために、比較例として、図11に示すような従来構造の面状発熱体も用意し、これら2種類の面状発熱体の引っ張り強度を測定してみた。
【0034】
その結果、比較例の面状発熱体の引張強度が20N以下程度であったのに対し、実施例2による面状発熱体は、通常この種の面状発熱体に要求される引張強度である50Nを超える高い引張強度を示した。この理由としては、接続端子部2、2’の線幅が狭くなった部分と、接続端子部2、2’の導出方向との間に絶縁材3、3’同士が一体化している面B、B’が存在し、この絶縁材がストッパーとして機能していることにより、接続端子部2、2’の位置ズレが防止されているためである。
【0035】
実施例3
まず、PETフィルムからなる基材上に粘着剤を介して厚さ30μmのステンレス鋼箔を固定し、その後、エッチング加工を施すことにより所定の配線パターンを有した箔状抵抗体1(線幅0.4mm、100V−100W、抵抗値100Ω)と接続端子部2、2’(線幅3.5mm)を形成した。この際、接続端子部2、2’は図5及び図6に示すように、略半円形状及び円形状の切欠部2b、2b’を備えるように形成した。次に、上記箔状抵抗体1及び接続端子部2、2’を縦220mm、横15mm及び厚さ0.3mmのプリプレグマイカ板(マイカ板にシリコーン樹脂系接着剤を含浸、半硬化させたもの)からなる絶縁材3上に転位させた後PETフィルムからなる基材を除去し、次いで、その上面に縦220mm、横15mm及び厚さ0.3mmのプリプレグマイカ板からなる絶縁材3’を配置した。最後に、これらを加熱加圧して前記絶縁材3、3’同士を加熱硬化により一体化させた。
【0036】
このようにして得られた面状発熱体は、絶縁材3、3’間から外部に導出した接続端子部2、2’の先端部に、図示しない端子またはリード線を介して所定の電圧を印加することによって前記箔状抵抗体1が発熱する。尚、この実施例3における面状発熱体は、接続端子部2、2’の構成以外は上記実施例1と同様の構成であるため、図5及び図6においては、接続端子部2、2’の周辺部分の構成のみを拡大して示してある。また、図5及び図6においては、同寸法の絶縁材3、3’が重ね合わされている関係上、絶縁材3’の一部(接続端子部側)を切り欠いて示してある。
【0037】
ここで、上記実施例3による2種類の面状発熱体の接続端子部の強度を評価するために、比較例として、図11に示すような従来構造の面状発熱体も用意し、これら3種類の面状発熱体の引っ張り強度を測定してみた。
【0038】
その結果、比較例の面状発熱体の引張強度が20N以下程度であったのに対し、実施例3による面状発熱体は、いずれも通常この種の面状発熱体に要求される引張強度である50Nを超える高い引張強度を示した。この理由としては、接続端子部2、2’に形成された切欠部2b、2b’の部分に、絶縁材3、3’同士が一体化している面C、C’が存在し、この絶縁材がストッパーとして機能していることにより、接続端子部2、2’の位置ズレが防止されているためである。
【0039】
実施例4
まず、PETフィルムからなる基材上に粘着剤を介して厚さ30μmのステンレス鋼箔を固定し、その後、エッチング加工を施すことにより所定の配線パターンを有した箔状抵抗体1(線幅0.4mm、100V−100W、抵抗値100Ω)と接続端子部2、2’(線幅3.5mm)を形成した。この際、接続端子部2、2’は図7に示すように、略半円形状の突起部2c、2c’を備えるように形成した。次に、上記箔状抵抗体1及び接続端子部2、2’を縦220mm、横15mm及び厚さ0.3mmのプリプレグマイカ板(マイカ板にシリコーン樹脂系接着剤を含浸、半硬化させたもの)からなる絶縁材3上に転位させた後PETフィルムからなる基材を除去し、次いで、その上面に縦220mm、横15mm及び厚さ0.3mmのプリプレグマイカ板からなる絶縁材3’を配置した。最後に、これらを加熱加圧して前記絶縁材3、3’同士を加熱硬化により一体化させた。
【0040】
このようにして得られた面状発熱体は、絶縁材3、3’間から外部に導出した接続端子部2、2’の先端部に、図示しない端子またはリード線を介して所定の電圧を印加することによって前記箔状抵抗体1が発熱する。尚、この実施例4における面状発熱体は、接続端子部2、2’の構成以外は上記実施例1と同様の構成であるため、図7においては、接続端子部2、2’の周辺部分の構成のみを拡大して示してある。また、図7においては、同寸法の絶縁材3、3’が重ね合わされている関係上、絶縁材3’の一部(接続端子部側)を切り欠いて示してある。
【0041】
ここで、上記実施例4による面状発熱体の接続端子部の強度を評価するために、比較例として、図11に示すような従来構造の面状発熱体も用意し、これら2種類の面状発熱体の引っ張り強度を測定してみた。
【0042】
その結果、比較例の面状発熱体の引張強度が20N以下程度であったのに対し、実施例4による面状発熱体は、通常この種の面状発熱体に要求される引張強度である50Nを超える高い引張強度を示した。この理由としては、接続端子部2、2’に形成された突起部2c、2c’と、接続端子部2、2’の導出方向との間に絶縁材3、3’同士が一体化している面D、D’が存在し、この絶縁材に対して突起部2c、2c’自体がストッパーとして機能していることにより、接続端子部2、2’の位置ズレが防止されているためである。
【0043】
本発明は上記実施例に限定されるものではない。まず、接続端子部の態様としては、上記実施例で説明したもの以外にも様々な構成のものが考えられる。例えば、実施例3においては、略半円形状の切欠部を備えた接続端子部(図5)と、円形状の切欠部を備えた接続端子部(図6)の構成を説明したが、切欠部の形状は三角形状や四角形状であっても良い。また、実施例4においては、略半円形状の突起部を備えた接続端子部(図7)の構成を説明したが、突起部の形状は三角形状や四角形状であっても良い。要は、接続端子部に機械的外力が加わった場合に、該接続端子部の位置ズレが起きないような形状に構成されたものであり、且つ、接続端子部が所望の電流量を満足するものであれば良い。
【0044】
また、面状発熱体の基本的な構成についても上記実施例に限定されず、様々な構成のものが考えられ、それらについても同様に適用可能である。つまり、面状発熱体は、使用条件(使用箇所の構造、寸法、要求特性等)を考慮して適宜な大きさ、厚さ、形状、材料から構成され、必要によっては穴開け加工や、温度制御部品等の他の部品の追加加工などを施すことも考えられる。更に、耐熱性、可とう性、防水性などについても使用条件によって任意に選択されるべきものである。
【0045】
尚、本発明の面状発熱体を実使用に供する場合には、図8乃至図10に示されるように、接続端子部2(2’)の端部を絶縁材3、3’間から外部に導出させ、ここに、従来公知の接続方法(例えば、かしめ接続、半田付け接続、スポット溶接等)によって端子やリード線を接続すれば良い。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、箔状抵抗体に連続して形成された接続端子部の構成を改良したことにより、箔状抵抗体と接続端子部との境界部に作用する機械的外力の影響を低減して箔状抵抗体の破損を防止することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図で面状発熱体の平面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す図で面状発熱体の平面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す図で面状発熱体の平面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す図で面状発熱体の要部拡大図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す図で面状発熱体の要部拡大図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す図で面状発熱体の要部拡大図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す図で面状発熱体の要部拡大図である。
【図8】本発明に係る接続端子部の絶縁材間外部への導出状態を示す図である。
【図9】本発明に係る接続端子部の絶縁材間外部への導出状態を示す図である。
【図10】本発明に係る接続端子部の絶縁材間外部への導出状態を示す図である。
【図11】従来例を示す図で面状発熱体の平面図である。
【符号の説明】
1…箔状抵抗体
2…接続端子部
2’…接続端子部
2a…辺
2a’…辺
2b…切欠部
2b’…切欠部
2c…突起部
2c’…突起部
3…絶縁材
3’…絶縁材
Claims (5)
- 所定の配線パターンに形成され発熱体として機能する箔状抵抗体と、前記箔状抵抗体に連続して形成され前記箔状抵抗体より線幅が広く形成された接続端子部とを、絶縁材間に配設して一体化するとともに、前記接続端子部の端部を前記絶縁材間から外部に導出してなる面状発熱体において、前記接続端子部における絶縁材で覆われた部分の外周辺には、該接続端子部の導出方向に対して15°以上165°以下の角度を示す辺が形成されており、且つ、該辺の接続端子部の導出方向においては絶縁材同士が一体化している面が存在することを特徴とする面状発熱体。
- 所定の配線パターンに形成され発熱体として機能する箔状抵抗体と、前記箔状抵抗体に連続して形成され前記箔状抵抗体より線幅が広く形成された接続端子部とを、絶縁材間に配設して一体化するとともに、前記接続端子部の端部を前記絶縁材間から外部に導出してなる面状発熱体において、前記接続端子部の絶縁材で覆われた部分は、該接続端子部の導出方向に向かってその線幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする面状発熱体。
- 所定の配線パターンに形成され発熱体として機能する箔状抵抗体と、前記箔状抵抗体に連続して形成され前記箔状抵抗体より線幅が広く形成された接続端子部とを、絶縁材間に配設して一体化するとともに、前記接続端子部の端部を前記絶縁材間から外部に導出してなる面状発熱体において、前記接続端子部における絶縁材で覆われた部分の外周辺には、突起部が設けられていることを特徴とする面状発熱体。
- 前記箔状抵抗体は厚さ100μm以下、線幅2mm以下に形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の面状発熱体。
- 前記絶縁材はマイカ材から構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の面状発熱体。
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