JP3779481B2 - セラミックグリーンシート及びそれを用いたセラミックシート、並びにその製法 - Google Patents

セラミックグリーンシート及びそれを用いたセラミックシート、並びにその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のセラミック前駆体組成物を用いたセラミックグリーンシートおよびその製法、並びにセラミックシートおよびその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドクターブレード法はセラミック粉末を有機溶剤、分散剤、可塑性、バインダー等と混合して調製したスラリーをキャリアーフィルム上にドクターブレードで厚みを調整してキャスティングし、乾燥してシート状のセラミックグリーンシートに成形する方法である。そして所望の形状のセラミックシートを得るため、上記で得たグリーンシートを、その焼成収縮率を加味して所定の寸法・形状となる様に打ち抜き・切断加工し、そのままもしくはその表面にスクリーン印刷などを施してから積層して焼成することによりセラミックシートを得ている。
【0003】
これらの方法では、粒径や粒度分布の調整されたセラミック原料粉末を使用し、バインダーとしてはポリビニルブチラール等のブチラール系樹脂やエチルセルロース等のセルロース系樹脂、(メタ)アクリレート共重合体などのアクリル系樹脂やポリビニルアルコール等が用いられ工業化されている。
【0004】
これらのバインダーに求められる特性としては、▲1▼グリーンシートを得る際のシート成形性、▲2▼焼成時の熱分解性、▲3▼グリーンシートの打ち抜き・切断加工性、▲4▼積層性、▲5▼切断屑を回収して再利用する際の再分散性などが挙げられ、工業的規模での実用化を果たすにはこれらの要求特性を同時に満たすことが必要となるが、前述した従来のバインダーは、これらの要求特性を全て満たすものとは言えない。
【0005】
特に工業的に実用化するうえで、グリーンシートを打ち抜き・切断したときに生じる切断残渣(切断屑)を回収して再分散し、原料スラリーとして再利用可能にすることは、原材料コストを下げる上で極めて重要であり、そのためにはグリーンシートの再分散性が極めて重要な要求特性となるが、こうした観点からバインダーを改質する研究は著しく立ち後れているのが実状である。
【0006】
ちなみに、特開昭59-182265号公報には、アクリル系樹脂に不飽和カルボン酸や不飽和カルボン酸のアンモニウム塩もしくは有機アミン塩を所定量共重合させたセラミック用バインダーが開示されているが、これらのバインダーを用いたグリーンシート切断屑の再分散性が十分でなく、再分散に多大な手数と機械的エネルギーが必要となる。
【0007】
また特開昭63-25269号公報には、再生利用が可能で柔軟性に富んだフィルムを与えるグリーンシート製造用バインダーを得ることを目的として、カルボニル基含有水溶性ポリマーとヒドラジン基を2個以上有するポリヒドラジン誘導体、および水性樹脂エマルジョンを含有するバインダーが開示されている。このバインダーは、回収再利用時の再分散性は良好であるが、バインダー構成素材中に多量の窒素成分が含まれているためか、成形性や熱分解性が悪いという問題がある。
【0008】
また従来から汎用されているポリビニルブチラール樹脂も再分散性が不十分であり、切断屑を再分散させる際に多量の溶剤を使用しなければならない。
【0009】
更に従来のバインダーを使用した場合、シートの可撓性が劣るためグリーンシートに成形した後の乾燥時あるいは打ち抜き・切断等の取扱い時にグリーンシートが割れたりヒビが入ったりすることがある。そのため、フタル酸エステル等の可塑剤を添加しなければならず、その結果、グリーンシートとして成形した後の貯蔵時に該可塑剤が表面へブリージングしたり揮発するといった問題を生じることも指摘される。またこれらのバインダーは熱分解性も良好とはいえず、脱バインダー後に残存するカーボンやNa分等の灰分によって焼成時に膨れ、割れ、亀裂などを生じることもあるので、IC基板やICパッケージ、誘電体等の電子部品として用いた場合に、電気絶縁性などの電気的特性が損なわれたり、セラミックシートが反りや表面荒れを起こしたり、焼結密度が低下するといった様々の問題を生じてくる。
【0010】
特に、本発明が意図する薄膜シートの製造においては、セラミック原料粉末として粒子径が2μm程度以下の微粒子を用いることが望まれるが、従来のバインダーを用いた場合は、セラミック粉末が凝集を起こし易くなるばかりでなく、シート成形のため多量のバインダーを使用しなければならないため、シートの成形性はますます低下してくる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な従来技術の問題点に着目してなされたものであって、その目的は、セラミックスシート成形用バインダーに求められる前述した要求特性、即ち▲1▼グリーンシートを得る際のシート成形性、▲2▼焼成時の熱分解性、▲3▼グリーンシートの打ち抜き・切断加工性、▲4▼積層性、▲5▼切断屑を回収して再利用する際の再分散性などを全て満たし、特にこれまであまり検討されたことのない切断屑再利用時の再分散性の改善に主眼を置き、再分散性が良好で工業的規模での実用化に適した新規なバインダーを開発し、延いては実用性の高いセラミック前駆体組成物とセラミックグリーンシートおよびその製法を確立すると共に、該グリーンシートを焼結することによって高性能のセラミックシートを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明のセラミックグリーンシートとは、
(A)等電点がpH7.0〜10.0であるセラミックス粉末:100重量部に対し、
(B)バインダーとして、炭素数1〜20のアルキルメタクリレート40〜95重量%を主たるモノマー成分とする共重合体からなり、アミン価が5〜80、水酸基価が1〜60、酸価が実質的に0であるアルキルメタクリレート系共重合体:10〜30重量部
を含有するセラミック前駆体組成物をシート状に成形してなるところに要旨を有している。
【0013】
ここでいう等電点とは、両性電解質やコロイド粒子の電気二重層の電位がゼロになるときの溶液の水素イオン濃度(pH)をいう。つまり、酸化物粒子を水中に懸濁・分散したときの電荷がゼロになるときのpHであり、酸化物の酸性・塩基性で大きく異なり、また同じ酸化物であってもその製法・履歴などによって幾らか変化するといわれている。等電点では電気泳動移動速度がゼロとなるので、pHを変えても電気泳動を行なうことによって実験的に等電点を求めることができる。
【0014】
またアミン価とは、JIS K 7237で規定されている全アミン価を意味し、上記共重合体1g中に含まれる全塩基性窒素を中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数で表わした数値であり、具体的には、共重合体をo−ニトロトルエンおよび酢酸の混合溶液に溶かし、クリスタルバイオレットを指示薬として0.1N過塩素酸酢酸溶液で滴定し、消費した0.1N過塩素酸酢酸溶液から次式によって算出した値である。
【0015】
全アミン価=56.11×0.1×(V3−V4)×f÷m
3:終点までの滴定に消費された0.1N過塩素酸酢酸溶液の量(ml)
4:空試験で消費された0.1N過塩素酸酢酸溶液の量(ml)
f :0.1N過塩素酸酢酸溶液のファクター
m :共重合体の質量(g)
【0016】
水酸基価とは、共重合体1gから得られるアセチル化物に結合している酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で表わした数値であり、共重合体を過剰のアセチル化剤、例えば無水酢酸と加熱してアセチル化を行ない、生成したアセチル化物のケン化価を測定した後、次式に従って算出した値である。
水酸基価=A÷(1−0.00075×A)−B
A:アセチル化後のケン化価、B:アセチル化前のケン化価
【0017】
また酸価とは、共重合体1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を言い、共重合体をベンゼン−エタノール、エーテル−エタノール等の混合溶媒に溶かし、正確に力価の分かっている水酸化カリウム溶液で滴定してその中和量から算出する。共重合体の遊離脂肪酸含有量は、普通遊離酸をオレイン酸と見做して次式によって算出する。
遊離酸%=酸価×(282/56)×(1/10)=酸価×0.5
また実質的に酸価が0(ゼロ)とは、モノマー中に不純物として不可避的に含まれるカルボキシル基から導かれる酸価を除いてゼロであることを意味する。
【0018】
本発明で用いる上記セラミック前駆体組成物の原料となるセラミックス粉末として特に好ましいのは、アルミナ及び/又はジルコニアを主成分とするものであり、また上記アルキルメタクリレート系共重合体として特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキルメタクリレートと、アミノ基含有アルキル(メタ)アクリレート、および炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含む共重合体である。
【0019】
そして、該セラミック前駆体組成物よりなるスラリーを、基材表面に薄膜状にコーティングした後、乾燥して揮発成分を飛散させると均質なセラミックグリーンシートが得られると共に、これを更に焼結すると均質なセラミックシートを得ることができ、これらセラミックグリーンシートおよびセラミックシート並びにそれらの製法も本発明の範囲に含まれる。そして、最終的に得られるセラミックシートは、その優れた特性を生かして特に燃料電池の固体電解質膜用として有効に活用できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明で定める上記要件を満たすセラミック前駆体組成物を使用すると、充分な機械的強度と可撓性を有すると共に表面平滑性に優れ、例えば膜厚が1mm以下、好ましくは0.5mm以下、特に100μm以下の均一なグリーンシートを得ることができ、このグリーンシートを焼成することにより、例えば膜厚が0.8mm以下、好ましくは0.4mm以下、特に100μm以下の緻密で表面平滑性に優れたセラミックシートを容易に得ることができる。
【0021】
そして本発明のセラミックシートは、耐熱性、機械的強度、電気絶縁性、化学的耐久性等の諸性能が優れていることから、電子材料分野において各種電子回路基板、蒸着膜、スパッタ膜等の薄膜用基板等に、また、断熱性、耐蝕部材、絶縁材、摺動材等の機械材料分野において極めて有効に活用できる。
【0022】
また電子材料分野では、近年、エレクトロニクス機器の小型・高性能化に伴なって回路素子の薄膜化が求められ、基板自体に更なる薄膜化が要求されると共に、セラミックシートの薄型化によって新たに発現する可撓性、透光性等の性質を利用した応用研究も進められているが、本発明のセラミックシートは、これらの諸要求をも満足し得るものとなる。
【0023】
更に、例えばジルコニアの酸素イオン伝導性を利用したセンサーや固体電解質燃料電池等においては、固体電解質膜の抵抗を下げるためガス透過性を可及的に抑えたジルコニア薄膜シートが求められているが、本発明によれば、こうした要求特性も十分に満たすセラミックシートを得ることが可能となる。
【0024】
更に本発明で用いるセラミック前駆体組成物は、使用するバインダーの成分組成を特定することによって、グリーンシートを打ち抜き・切断などに付した後の切断屑を回収して再利用する際の再分散性が極めて良好であり、従ってこれら切断屑を全て無駄無く有効に利用できるのでロスが殆どなく、工業的規模で実用化する際の経済性も十分に満たすものとなる。
【0025】
本発明では、使用するセラミック粉末の吟味と、これと組合わせて使用するバインダーの選択が極めて重要となるので、以下これらについて詳細に説明を進める。
【0026】
本発明で使用するセラミック粉末としては、等電点がpH7.0〜10.0、より好ましくはpH7.5〜9.0の範囲であり、且つ好ましくは平均粒径が0.02〜2μm、特に0.1〜0.8μmのサブミクロンの粉末が好ましい。具体的には、イットリア等の希土類元素の酸化物で安定化されたジルコニア粉末、これらジルコニア粉末にアルミナ、チタニアなどが添加されたジルコニア系粉末、アルミナ粉末、少量のマグネシア等のアルカリ土類金属が添加されたアルミナ系粉末などが好ましく使用される。中でも特に好ましいのは、2〜12モル%のイットリアで安定化されたジルコニア粉末、或いは該ジルコニア粉末に0.1〜5重量%程度のアルミナやチタニア等が添加されたイットリア安定化ジルコニア系粉末である。
【0027】
ここで用いられるセラミック粉末としては、等電点がpH7.0〜10.0の範囲のものが使用されるが、該等電点を定めた理由は次の通りである。即ち、本発明で使用される共重合体よりなるバインダーは適度のアミン価と水酸基価を有すると共に酸価が実質的にゼロであることから、SiO2の如き等電点がpH7.0を下回る粉体では、前駆体組成物のチクソトロピー性が著しくなり、場合によってはゲル化を起こすこともある。一方、MgOの如き等電点が10.0を上回る粉体では、バインダーに対する粉体の分散性が悪いためか、バインダーとしての作用が十分に発揮されなくなるからである。
【0028】
また該セラミック粉末は、平均粒径が0.02〜2ミクロン、特に0.1〜0.8ミクロンのサブミクロンの粉末が好ましく、更には、焼結時の収縮率の局所的な差異や異方性に起因する焼結シートの反り、ひずみ、割れ等の欠陥の発生を抑え、寸法安定性を良くするには、粗大粒子が少なく且つ粒子径が均一で粒度分布が狭く、レーザー回折粒度分布測定機(島津製作所社製「SALD−1100」)で測定した平均粒子径が0.1〜0.8μmで且つ90体積%径が1.0〜2.0μmの粉末が特に好ましい。
【0029】
こうした好ましい要件を満たすセラミック粉末としては、本出願人が開発した一連のセラミック粉末の製造方法によって製造されたセラミック粉末が挙げられる。該セラミック粉末の製法を具体的に例示すると、例えば特開昭61−44717号公報に開示されている如く、炭酸ジルコニルアンモニウム塩またはこれとイツトリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属の化合物との混合物を含む水溶液または懸濁液を、過酸化水素またはオゾンで処理し、得られる固形沈殿物を分離し、乾燥することによって得られるジルコニア粉末、特開昭61−286222号や同61−44718号公報に開示されている様に、ジルコニウム塩の水溶液またはジルコニウム塩とイツトリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属を含む混合水溶液にアンモニア水を加えて沈殿を形成させる際に、該沈殿生成反応を流通式反応方式で反応時中のpHを一定に保ちつつ連続的に行うことにより沈殿を形成させ、得られる沈殿を分離、乾燥、焼成することによって得られるジルコニア粉末、特開昭62−153121号公報に開示されている如く、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液に、カルシウム塩やマグネシウム塩水溶液に過酸化水素を添加した水溶液を混合して固形物を生成させ、該固形物を母液から分離して乾燥し、焼成することによって得られるジルコニア粉末、特開昭63−176308号公報に開示されている如く、ジルコニアまたはイツトリウム、セリウム、カルシウム、マグネシウム等の元素の酸化物を50モル%以下で含むジルコニア系微粉体とカツプリング剤および溶媒とを混合あるいは懸濁した後、必要により有機溶媒に前記ジルコニア粉体を分散させ、加熱蒸発してから脱水・乾燥し、続いて200〜300℃の温度で加熱処理することよって得られる表面処理されたジルコニア系粒子、特開昭60−176921号公報に開示されている如く、有機物を含む水溶液中で炭酸ジルコニルアンモニウムを加熱分解し、分解生成物である固相部分を分離・乾燥・焼成することによって得られるジルコニア粉末、特開昭62−212225号公報に開示されている如く、ジルコニウム塩またはジルコニウム塩とイツトリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属の塩とを含む水溶液と塩基性物質とを混合して水酸化物の沈殿を得、該沈殿物を水洗・濾過後有機溶媒中に分散させてから加熱蒸留して脱水し、次いで加圧下で乾燥した後に焼成することによって得られるジルコニア含有粉末等が挙げられる。
【0030】
これらの中でも特に好ましいのは、特開昭61−44718号や特開昭61−286222号公報に開示されている方法によって得られるジルコニア系粉末であり、且つ等電点がpH7.0〜10.0の範囲に納まるものが選択される。
【0031】
次に、本発明で使用されるバインダーとしては、炭素数1〜20のアルキルメタクリレート:40〜95重量%を主たるモノマー成分とする共重合体からなり、アミン価が5〜80、水酸基価が1〜60で、酸価が実質的に0であるアルキルメタクリレート系共重合体が使用され、好ましい分子量は、数平均分子量で10,000〜100,000、より好ましくは20,000〜80,000の範囲、ガラス転移温度は−40〜40℃、より好ましくは−30〜30℃の範囲のものが好ましく使用される。
【0032】
該共重合体の主成分となるアルキルメタクリレートは、炭素数1〜20、より好ましくは2〜8のアルキルまたは炭素数4〜8、好ましくは5〜6のシクロアルキル基を有するアルキルまたはシクロアルキルメタクリレートであり、1種または2種以上が使用される。この様なメタクリレートとしては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘプチルメタクリレート等があり、特にブチルメタクリレート類、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等が好ましい。
【0033】
これらメタクリレートの共重合比率は、全共重合性モノマー中に占める比率で40〜95重量%の範囲であり、40重量%未満では、熱分解性が低下すると共にグリーンシートが強度不足となり、一方、95重量%を超えると、グリーンシートの可撓性が低下すると共に硬くなってクラック割れ等が生じ易くなり、シート成形性も悪くなる。
【0034】
次に、上記アルキルメタクリレート系共重合体にアミン価を与えるために使用されるモノマー成分として好ましいのはアミノ基含有モノマーであり、その具体例としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、アリルアミンの様な1級アミン含有モノマー;N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−フェニルアミノエチル(メタ)アクリレートの様な2級アミン含有モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピロリジンの様な3級アミン含有モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートやジアリルアミンなどをハロゲン化アルキルや硫酸ジメチルなどで4級化した4級化物等が例示され、これらも単独で使用し得る他、必要により2種以上を併用することができる。上記1級アミン、2級アミン、3級アミンを有するモノマーは、予め硫酸、塩酸、酢酸、蓚酸などの無機酸や有機酸で中和して用いても構わない。
【0035】
これらの中でも特に好ましいのは(メタ)アクリレート系のアミノ基含有モノマーであり、とりわけ好ましいのは、炭素数が1〜4のアルキル基を有するアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。
【0036】
これらのアミノ基含有モノマーは、特にセラミック粉末の分散性に影響を及ぼし、セラミック粉末との結合性がカルボキシル基含有モノマーの様に強くないため、グリーンシートの切断屑を再使用する際の再分散性を高める上で極めて有効に作用する。こうした作用は、特に等電点がpH7.5〜9.5の弱アルカリ領域にあるセラミック粉末に対してとりわけ有効に発揮される。そして、こうした再分散性向上効果を有効に発揮させるには、最終的に得られるアルキルメタクリレート系共重合体の固形分としてのアミン価が5〜80の範囲内となる様に共重合比率を調整しなければならず、アミン価が5未満ではバインダーとしての分散性、再分散性、積層成形性等が乏しくなり、逆に80を超えて過度に高くなると焼成時の熱分解性が劣化すると共にグリーンシートの柔軟性も悪くなる。
【0037】
こうした観点から、アミン価のより好ましい下限値は10、更に好ましくは15、より好ましい上限値は60、更に好ましくは40である。そして、この様なアミン価を確保するには、前記アミノ基含有モノマーを全共重合性モノマー100重量部中に占める比率で1〜25重量%、より好ましくは3〜15重量%の範囲とすることが望ましい。
【0038】
次にアルキルメタクリレート系共重合体に水酸基価を導入するために使用するモノマーとしては、分子中にヒドロキシル基を有するものであれば任意に選択して使用できるが、中でも特に好ましいのは炭素数2〜10、より好ましくは2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであり、これらは単独で使用してもよく、或いは2種以上を併用しても構わない。この様なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート等があり、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好適に使用できる。
【0039】
これらヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートは、セラミック粉末の分散性に影響を及ぼし、該粉末との結合性がカルボキシル基含有モノマーの様に強くないため、切断屑の再溶解性を高める作用も発揮する。殊に、前記アミノ基含有モノマーと共重合させるとその作用は一層優れたものとなる。
【0040】
該ヒドロキシアルキル基含有モノマーは、アルキルメタクリレート系共重合体の固形分としての水酸基価が1〜60の範囲内となる様に共重合比率を調整しなければならず、水酸基価が1未満ではバインダーとしての再溶解性や積層成形性等が乏しくなり、逆に60を超えて過度に高くなると分散性が劣化する。
【0041】
こうした観点から、水酸基価のより好ましい下限値は3、更に好ましくは5、より好ましい上限値は50、更に好ましくは30である。そして、この様な水酸基価を確保するには、前記ヒドロキシル基含有モノマーを全共重合性モノマー100重量部中に占める比率で1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の範囲とすることが望ましい。
【0042】
本発明でバインダーとして使用されるアルキルメタクリレート系共重合体を構成する必須のモノマー成分は上記の通りであるが、得られる共重合体の粘度やガラス転移温度などを調整するため、必要に応じて他のアルキルアクリレートを適量共重合させることも有効である。但し、カルボキシル基を有する共重合性の不飽和カルボン酸はセラミック粉末との結合力が高く再分散性を阻害するので、使用は避けなければならない。
【0043】
これらのモノマー成分を用いてアルキルメタクリレート系共重合体を得るための重合方法にも特に制限はなく、パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤の存在下に、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の通常の重合法により50〜100℃、好ましくは70〜90℃の温度で行なわれる。得られる共重合体の数平均分子量は10,000〜100,000、好ましくは20,000〜80,000の範囲に調整される。すなわち、該分子量が10,000未満ではバインダーとしての結合力が低下し、グリーンシートの強度および成形性が劣り、バインダーの多量添加が必要となる。一方、該分子量が100,000を超えるとバインダーの粘度が高くなり、希釈のための溶媒量が多くなってグリーンシートの成形性が悪くなる。
【0044】
更に上記モノマーの組成比は、共重合体のガラス転移温度が−40〜40℃、より好ましくは−30〜30℃の範囲になる様に調整することが望ましい。しかして、−40℃より低温のガラス転移温度では粘着性が大きくなってグリーンシートが扱い難くなり、また40℃を超える高温のガラス転移温度では、共重合体が硬くなってシート成形性や切断加工性が低下し、多量の可塑剤を使用しなければならなくなって熱分解性にも悪影響を及ぼす様になる。
【0045】
かくして得られる共重合体からなるバインダーは、前述した如く、例えばイットリア等の希土類元素の酸化物で安定化されたジルコニア粉末、これらジルコニア粉末にアルミナ、チタニアなどの添加されたジルコニア系粉末、アルミナ粉末、少量のマグネシア等のアルカリ土類金属が添加されたアルミナ系粉末などのセラミック粉末に100重量部に対し10〜30重量部の範囲で添加される。
【0046】
バインダーのより好ましい配合量は、セラミック粉末の粒子径によって変わり、平均粒子径が0.01〜1μmの場合は15〜30重量部、1〜2μmの場合は10〜25重量部の範囲が特に好ましい。バインダー添加量が10重量部未満では、グリーンシートの成形性や強度、可撓性が不足気味となり、一方30重量部を超えると、グリーンシートの加工性が悪くなると共に焼成時の収縮が大きくなって寸法安定性が損なわれる。
【0047】
キャスティングのためのスラリーを調製するに当たっては、公知の方法でセラミック粉末に溶媒とバインダーをボールミル等で混練りすることによって調製されるが、この時、必要に応じて焼結助剤や分散剤、可塑剤、消泡剤などを加えてもよい。
【0048】
溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール類、変性アルコール、酢酸エチル、トルエン、キシレン等の有機溶剤が単独であるいは2種以上を混合して用いられる。
【0049】
分散剤としては、グリセリン、ソルビタン等の多価アルコールエステル系、ポリエーテル(ポリオール)系やアミン系などが用いられるが、特に好ましいのはソルビタントリオールである。また可塑剤としては、ポリエチレングリコールの誘導体やフタル酸エステル系が好ましく、特にジブチルフタレート、ジオクチルフタレートが好適である。
【0050】
セラミック粉末とバインダーとが均一に混合されたスラリーは、次いで減圧脱泡して粘度を10〜100ポイズの範囲、より好ましくは20〜80ポイズの範囲に調整し、一定の挟間を有するドクターブレードでキャリアフィルム上にシート状にキャスティングした後、40〜150℃の温度、例えば50℃、80℃、120℃の様な一定の温度、あるいは順次連続的に昇温して加熱乾燥することによりセラミックグリーンシートを得る。
【0051】
基材として用いる好ましいキャリアフィルムとしては、高分子基材、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート等である。
【0052】
該セラミックグリーンシートの厚みは0.01〜1mm程度が適当であり、好ましくは0.02〜0.5mm、特に30〜300μmである。
【0053】
本発明によれば、上記セラミックグリーンシートをそのまま焼成することによって平坦なセラミックシートとすることができ、また該セラミックグリーンシートをトレー、シャーレ、ロート、椀、ルツボ等に成形してから焼成すれば、それらの形状の3次元セラミック成形体が得られる。勿論これらの形状には一切制限がなく、機械的方法あるいは手作業によって任意の3次元形状に成形できる。
【0054】
この様にして得られるグリーンシートは、充分な強度と可撓性を有すると共に均一な厚さを有しており、表面滑性にも優れたものである。
【0055】
このグリーンシートまたはその成形体を常法により焼成すると、所望の形状のシート若しくは成形体が得られる。例えば200〜500℃、好ましくは250〜450℃で脱脂した後、1,200〜1,700℃、好ましくは1,300〜1,500℃で焼成される。脱脂炉および焼成炉の雰囲気も特に制限はなく、通常の大気雰囲気中で行なうことができる。得られるセラミックシートは表面平滑性が極めて優れているので、摺動部材等としても使用できる。
【0056】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は全て重量部を、%は特にことわらない限り重量%を示すものとする。なお、分子量は全て数平均分子量である。
【0057】
実施例1
撹拌器、温度計、冷却管、窒素導入管、混合モノマー滴下ロートおよび重合開始剤滴下ロートを備えたセパラブルフラスコに、溶剤としてトルエン/イソプロピルアルコール(重量比で3/2)120部を入れ、窒素導入管より窒素を導入してフラスコ内を窒素置換する。次に混合モノマー滴下ロートへ2−エチルヘキシルメタクリレート95%、ジメチルアミノエチルメタクリレート4%、ヒドロキシプロピルアクリレート1%からなる混合モノマー100部を仕込み、重合開始剤滴下ロートヘアゾビスイソブチロニトリル0.4部を仕込む。
【0058】
フラスコの内温を60℃に調節し、攪拌しながら混合モノマーおよび重合開始剤を2時間かけて滴下し、さらに60℃で2時間、次いで80℃で2時間加熱してから冷却し、固形分濃度45%、数平均分子量80,000、ガラス転移温度−9℃、アミン価14、水酸基価4、酸価0の共重合体からなるバインダーを得た。
【0059】
実施例2〜6
上記実施例1に準拠し、モノマー成分を表1に示す様に変更した以外は同様にして実施例2〜6のバインダーを得た。得られたバインダーの分子量、ガラス転移温度、アミン価、水酸基価、酸価を表1に一括して示す。
【0060】
【表1】
Figure 0003779481
【0061】
比較例1〜12
前記実施例1に準拠し、モノマー成分を表2〜3に示す様に変更した以外は同様にして比較例1〜12のバインダーを得た。得られたバインダーの分子量、ガラス転移温度、アミン価、水酸基価、酸価を表2,3に一括して示す。
【0062】
【表2】
Figure 0003779481
【0063】
【表3】
Figure 0003779481
【0064】
実施例7
平均粒子径が0.9μm、等電点がpH8.2である8モル%イットリア安定化酸化ジルコニウム粉末(住友大阪セメント社製商品名「OZC−8YC」)を粉砕した平均粒子径が0.7μm、90体積%径が1.4μmの粉末100部に、前記実施例1で得たバインダーを15部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを2部、ソルビタントリオール、および溶剤としてトルエン/イソプロピルアルコール(重量比で3/2)混合溶剤50部を加えた。
【0065】
この混合物を、直径15mmのジルコニアボールを入れたボールミルに装入し、60rpmの回転速度で24時間混練してスラリーとした後、200メッシュの金網を用いて濾過し、次いで20rpmの速度で攪拌しながら減圧脱泡し、粘度を30ポイズに調整してジルコニア前駆体組成物を得た。
【0066】
この前駆体組成物をドクターブレード法によってPETフィルム上にキャスティングし、80℃で乾燥して厚さ180μmのジルコニアグリーンシート(1)を得た。
【0067】
また、実施例2〜6で得たバインダーを使用した以外は全く同様にして、厚さ180μmのジルコニアグリーンシート(2)〜(6)を得た。
【0068】
なお、等電点は次の様にして求めた。即ち、NH4NO3を緩衝剤として0.8g溶解させたイオン交換水1000mlに、粉体0.3gを投入しホモジナイザー(日本精機製作所製「US−300」)で5分間分散させ、懸濁液を得る。この懸濁液を25〜30℃に冷却してから2分割し、1つ目の懸濁液は攪拌しながら硝酸により酸性側に調整しながらζ電位測定装置(PEN KEM社製モデル「501型」)を用いてζ電位を測定する。2つ目の懸濁液は、攪拌しながらアンモニア水によりアルカリ側より同様にして測定する。
【0069】
実施例8
平均粒子径が1.2μm、等電点がpH8.6である酸化アルミニウム粉末(昭和電工社製商品名「AL−15−2」)100部に、前記実施例1で得たバインダーを12部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを2部、ソルビタントリオールおよび溶剤としてトルエン/イソプロピルアルコール(重量比で3/2)混合溶剤50部を加えた。
【0070】
この混合物を、直径15mmのアルミナボールを入れたボールミルに装入し、60rpmの回転速度で24時間混練してスラリーとした後、200メッシュの金網を用いて濾過し、次いで20rpmの速度で攪拌することによって減圧脱泡し、粘度を50ポイズに調整してアルミナ前駆体組成物を得た。
【0071】
この前駆体組成物をドクターブレード法によってPETフィルム上にキャスティングし、80℃で乾燥して厚さ380μmのアルミナグリーンシート(7)を得た。
【0072】
実施例9
上記実施例7,8で得たジルコニアグリーンシート(1)〜(6)およびアルミナグリーンシート(7)の特性を下記の方法によって評価し、結果を表4に示した。
【0073】
成形性:グリーンシートをPETフィルムから剥がしたときに、シートにひびが入るか否かで判定した。
○:ひびが入らない、×:ひびが入る
【0074】
表面性状:グリーンシートの表面を目視観察して評価する。
○:極めて平滑、△:やや表面荒れが認められる、
×:表面荒れが著しい
【0075】
柔軟性:直径5mmのガラス棒を軸にして折り曲げ、クラックが発生するか否かを目視観察で評価した。
○:全くクラックが生じない、△:僅かにクラックが認められる
×:クラックの発生が著しい
【0076】
積層性:5cm角のグリーンシートを10枚重ね合わせ、80℃、50kg/cm2の条件でプレスした後、シート間に剥がれが生じるか否かによって判定した。
○:剥がれが全く生じない、△:僅かに剥がれが認められる
×:顕著な剥がれが認められる
【0077】
切断加工性:ロータリー式のカッターでグリーンシートを切断し、加工屑がシートに付着しているか否かを目視観察して評価した。
○:切断屑の付着が認められない、△:僅かに切断屑が付着する
×:切断屑の付着が著しい
【0078】
再溶解性:グリーンシートと、2倍量(重量比)のトルエン/イソプロピルアルコール(重量比で3/2)混合溶剤とを、直径15mmのジルコニアボールの入ったボールミルに装入し、60rpmで24時間混練した後、200メッシュの金網を用いて濾過し、金網に残る残渣を目視観察して再溶解性を評価した。
○:金網に残渣が認められない
△:金網に僅かに残渣が認められる
×:金網に残渣がはっきりと認められる
【0079】
強度・伸び:グリーンシートを引張り強度試験(JIS K 7113)に供し、強度が20kg/cm2以上を○、5〜20kg/cm2を△、5kg/cm2未満を×と判定した。また伸びは、30%以上を○、10〜30%を△、10%未満を×と判定した。
【0080】
熱分解性:グリーンシートを示差熱分析にかけ、95%分解温度によって評価した。
○:400℃未満、△:400〜500℃、×:500℃以上
結果を表5に一括して示す。
【0081】
【表4】
Figure 0003779481
【0082】
比較例12〜24
前記表2,3に示したバインダーを使用し、実施例7と同様にしてジルコニアグリーンシート(8)〜(19)を調製し、実施例9と同様にしてグリーンシートの特性評価を行なった。
【0083】
結果を表5,6に示す。
【0084】
【表5】
Figure 0003779481
【0085】
【表6】
Figure 0003779481
【0086】
実施例10
前記実施例7で得た各ジルコニアグリーンシート(1)〜(6)を、ロータリー式カッターを用いて1辺が150mmの正方形に切断し、1450℃で3時間焼成してジルコニアシートを得た。得られた各シートの密度、表面粗さ、反り量を測定すると共に、表面性状を目視観察し、表7に示す結果を得た。
【0087】
シートの密度:JIS R−2205に準じて見掛け比重を測定し、シートの密度(g/cm3)とした。
【0088】
表面粗さ :JIS B−0601に準じて、触針式の表面形状測定機(DEKTAK社製「3030型」)を用いて表面粗さRa(μm)を測定した。
【0089】
反り量 :定盤の上に設置した隙間を可変に設定できるウネリ測定機によってシートが通過できる隙間を測定し、この測定値からシートの厚さを減じた値(μm)を反り量とした。
表面性状 :表面状態を目視観察し、ふくれ、異物・傷の有無やうねり状態を観察した。
【0090】
【表7】
Figure 0003779481
【0091】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、等電点の特定されたセラミック粉末を使用し、これを、アミン価、水酸基価および酸価の特定されたアルキルメタクリレート系共重合体をバインダーとして組合わせることによって、グリーンシートの成形性および打ち抜き・切断加工性、積層性、焼成時の熱分解性、切断屑を回収して再利用する際の再分散性、等の全てに優れたセラミックグリーンシートを与える前駆体組成物を提供すると共に、該前駆体組成物を使用することにより平滑且つ緻密で優れた表面性状を有するセラミックシートを提供し得ることになった。特に優れた平滑性、平坦性、緻密性を有していることから、燃料電池用のジルコニア固体電解質膜として有用に利用できる。

Claims (6)

  1. (A)等電点がpH7.0〜10.0であるセラミックス粉末:100重量部に対し、
    (B)バインダーとして、炭素数1〜20のアルキルメタクリレート40〜95重量%を主たるモノマー成分とする共重合体からなり、アミン価が5〜80、水酸基価が1〜60、酸価が実質的に0であるアルキルメタクリレート系共重合体:10〜30重量部
    を含有するセラミック前駆体組成物を、シート状に成形したものであることを特徴とするセラミックグリーンシート
  2. セラミックス粉末が、アルミナ及び/又はジルコニアを主成分とするものである請求項1に記載のセラミックグリーンシート
  3. アルキルメタクリレート系共重合体が、炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキルメタクリレートと、アミノ基含有アルキル(メタ)アクリレート、および炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含むものである請求項1または2に記載のセラミックグリーンシート
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載されたセラミック前駆体組成物よりなるスラリーを基材表面に薄膜状にコーティングした後、乾燥して揮発成分を飛散させることを特徴とするセラミックグリーンシートの製法
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載されたセラミックグリーンシートの焼成物からなることを特徴とするセラミックシート
  6. 燃料電池の固体電解質膜用として使用されるものである請求項5に記載のセラミックシート
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