JP3779472B2 - 照光式操作・表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車載用などの照光式操作・表示装置に係り、特に1つの光源を使用した照光式操作・表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、表示パネルの照光は、例えば指標部や表示部などの照光されるものの真下へ個別に光源を配置すればよいが、それでは光源の数が多くなり、消費電力が増え、部品点数が増加して、コスト高や組立作業の煩雑化を招く。
【0003】
そのため車載用の照光式操作・表示装置などでは、白色成形体からなるランプハウジングと、そのランプハウジングに挿入された1つの光源と、複数の停止位置を有して光源からの光によって照光表示される指標部を設けた回転ノブを備え、光源からの光をランプハウジングの内面で反射させ、その反射光により前記指標部を照光する構成になっている。
【0004】
この構成は光源が1つですみ、そのため低消費電力で、部品点数の削減、コストと作業工数の低減などを図ることができるが、問題がない訳けではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、回転ノブ(指標部)は複数の停止位置を有し、光源から近い停止位置と離れた停止位置があり、しかもランプハウジング内面での反射光量はほぼ一様である。そのため光源の比較的近くに停止している場合は指標部は明るいが、光源から離れると指標部は暗くなり、製品の品質上好ましくない。
【0006】
このような問題点を解消するため、光源自体の照度を高めることも考えられるが、そうすれば光源のコスト高となり、消費電力ならびに光源による発熱量が増えるという欠点を有する。
【0007】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、低消費電力で品質の向上が図れる照光式操作・表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、
1つの光源と、複数の停止位置を有し各停止位置毎で前記光源からの光により照光表示される指標部を設けた回転ノブを備えたものを対象とするものである。
そして前記回転ノブの前記複数の停止位置に対応した複数の光反射面を有する光反射体を設置し、前記光源からの光が前記光反射体の前記光反射面で反射して、停止位置にある前記指標部を照光するように構成され、
前記光反射面とそれに対応した指標部停止位置との距離が、前記光源から近い所の光反射面と指標部停止位置との距離よりも前記光源から離れた所の光反射面と指標部停止位置との距離が短くなるように各光反射面がほぼ階段状に連設され、
その階段状の各光反射面の縦幅Wは、前記光源から近い所の光反射面から前記光源から離れた所の光反射面に行くに従って徐々に長くなっていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は前述のように、光反射体を設置することにより、光源からの光が光反射体の各光反射面で個別に反射して停止位置にある指標部を照光するから、光源に対して近い、遠いに関係なくどの位置に停止しても指標部を一様の明るさで照光でき、製品としての品質を向上することができる。また光源の照度を必要以上に高めなくても、前記光反射体により各停止位置にある指標部を明るく照光できるから、低消費電力ですみ、光源による発熱量も少ないなどの特長を有している。
【0010】
本発明の実施の形態を図とともに説明する。図1はこの実施の形態に係る車載用照光式操作・表示装置の分解斜視図で、まずこの装置の全体の概略構成を説明する。
【0011】
図1において符号1aは摘み部を有するファン用回転ノブ、1bは摘み部を有するモード用回転ノブで、各摘み部の先端部に半透明の指標部2a,2bを有する。3は表示パネルで2つの円形の開口部4,4を有し、表示パネル3の前面にはファン用表示リング5aとモード用表示リング5bが開口部4,4と同心円状に貼着されている。
【0012】
6はほぼ箱形のランプハウジングで2つの透孔7,7を有し、その前面に前記表示パネル3が連結される。8aはファン用シャフト、8bはモード用シャフトで、それぞれの駆動軸9a,9bはランプハウジング6の透孔7,7ならびに表示パネル3の開口部4,4を貫通してファン用回転ノブ1aとモード用回転ノブ1bに連結されている。
【0013】
10はランプハウジング6の後面を塞ぐケーシングで、ランプハウジング6とケーシング10の間に前記シャフト8a,8bが複数の停止位置で停止できるように回転可能に介在され、シャフト8a,8bの停止位置情報がこの操作・表示装置からコントローラ(図示せず)に出力されるようになっている。11は照光用電源としてのランプで、ランプハウジング6内に臨むように挿入、設置されている。
【0014】
図2は、照光式操作・表示装置の正面図である。同図に示すように、表示パネル3上にはファン用表示リング5aとモード用表示リング5bが離れて貼着され、ファン用表示リング5aの内側にファン用回転ノブ1aが、モード用表示リング5bの内側にモード用回転ノブ1bが回転可能に配置されている。
【0015】
同図に示すように前記ファン用表示リング5aには、ファンのマークからなる表示部12a、「OFF」の文字からなる表示部12b、径が徐々に大きくなった3つの円からなる表示部12c,12d,12eがそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、各表示部12a〜12eは半透明になっている。前記径が徐々に大きくなった3つの円はファンによる風量の違いを示している。ファン用回転ノブ1aは、前記表示部12b〜12eの4個所で停止でき、停止したところで回転ノブ1aの指標部2aが当該表示部12と対向するようになっている。
【0016】
モード用表示リング5bには、ファンによる送風方向が異なる2つの絵図からなる表示部12fと12gが所定の間隔をおいて設けられ、各表示部12f,12gは半透明になっている。モード用回転ノブ1bは前記表示部12f,12gの2個所で停止でき、停止したところで回転ノブ1aの指標部部2aが当該表示部12と対向する。
【0017】
図3はランプハウジング6の平面図、図4は図3の4−4線上の断面図、図5はそのランプハウジング6に一体に成形される光反射体19の説明図である。
【0018】
ランプハウジング6は全体が光反射率の高い白色成形体からなり、底壁13と、その底壁13を取り囲むように周壁14が設けられて全体がほぼ箱形をしている。底壁13のほぼ中央にランプ挿入孔15が形成され、ランプ挿入孔15を間にしてその両側に仕切壁16,16が設けられて、図4に示すように仕切壁16,16のランプ挿入孔15側に切欠部17が形成され、底壁13の一部はランプ挿入孔15側から左右の周壁14側に向けて徐々に高くなるように傾斜している。
【0019】
底壁13には前記シャフト8a,8bの駆動軸9a,9bが挿通する透孔7,7が形成され、その周囲に円周壁が設けられて軸受け部21,21となっている。図3に示すように周壁14の前記ランプ挿入孔15から遠い方の角部にコーナ壁18,18が設けられ、コーナ壁18と周壁14と仕切壁16と底壁13により左右に2つの部屋が形成されている。
【0020】
前記軸受け部21,21の近傍には、光反射体19,19が底壁13から一体に立設されている。光反射体19は図5に示すように、最もランプ11に近い第1傾斜面20aと、第1傾斜面20aより一段高い第2傾斜面20bと、第2傾斜面20bより一段高い第3傾斜面20cと、第3傾斜面20cより一段高くランプ11から最も遠い第4傾斜面20dとを有し、各傾斜面の間が平面で接続されて階段状に形成されている。本実施の形態では傾斜面と平面の繰り返しで明確な角形の階段状になっているが、傾斜面と傾斜面の間を円弧面で結ぶこともできる。従って図5に示すように、光反射面20とそれに対応した指標部2aの停止位置との距離が、光源11から近い所の光反射面20と指標部2aの停止位置との距離よりも光源11から離れた所の光反射面20と指標部2aの停止位置との距離が短くなっている(光反射面20dと指標部2aの停止位置との距離<光反射面20cと指標部2aの停止位置との距離<光反射面20bと指標部2aの停止位置との距離<光反射面20aと指標部2aの停止位置との距離)。
【0021】
また同図に示すように各傾斜面20の縦幅Wは、第1傾斜面20aから第4傾斜面20dにいくに従って徐々に長くなっており、従ってランプ11に近い第1傾斜面20aからランプ11から最も遠い第4傾斜面20dにかけて光反射面積(受光面積)が徐々に増大している(光反射面20aの光反射面積<光反射面20bの光反射面積<光反射面20cの光反射面積<光反射面20dの光反射面積)。
【0022】
第1傾斜面20aはランプ11からの光線Lが表示部12eと対応する位置に停止した指標部2aの裏側から照射するように、第2傾斜面20bは光線Lが表示部12dと対応する位置に停止した指標部2aの裏側から照射するように、第3傾斜面20cは光線Lが表示部12cと対応する位置に停止した指標部2aの裏側から照射するように、第4傾斜面20dは光線Lが表示部12bと対応する位置に停止した指標部2aの裏側から照射するように、各面の傾斜角度が設計されている。
【0023】
また例えば第1傾斜面20aの中心部分に入射した光線Lは、指標部2aの中心部分を照射するように(他の停止位置にある指標部2aにおいても同様に)、指標部2aと光反射体19の位置関係が保持されている。なお、各表示部12a〜12eは、傾斜した底壁13、周壁14ならびにコーナ壁18からの反射光によって照光される。
【0024】
送風モードを調整する回転ノブ1bの指標部2bも同様に他方の光反射体19によって照光され、表示部12f、12gは同様に傾斜した底壁13などによって照光される。
【0025】
本実施の形態では回転ノブの指標部だけを光反射体により照光する場合を説明したが、例えば図3において点線で示すように光反射体の横幅を長くすれば、各停止位置の指標部と表示リングの各表示部とを照光表示することができる。
【0026】
本実施の形態では車載用の照光式操作・表示装置の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば家庭用あるいは事業所用の各種電気製品、測定機器、自動制御装置など他の機器や装置など各技術分野に適用可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明は前述のように、光反射体を設置することにより、光源からの光が光反射体の各光反射面で個別に反射して停止位置にある指標部を照光するから、光源に対して近い、遠いに関係なくどの位置に停止しても指標部を一様の明るさで照光でき、製品としての品質を向上することができる。また光源の照度を必要以上に高めなくても、前記光反射体により各停止位置にある指標部を明るく照光できるから、低消費電力ですみ、光源による発熱量も少ないなどの特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る照光式操作・表示装置の分解斜視図である。
【図2】 その操作・表示装置の正面図である。
【図3】その操作・表示装置に用いるランプハウジングの平面図である。
【図4】図3の4−4線上での断面図である。
【図5】その操作・表示装置に用いる光反射体の説明図である。
【符号の説明】
1a,1b 回転ノブ
2a,2b 指標部
3 表示パネル
5a ファン用表示リング
5b モード用表示リング
6 ランプハウジング
8a ファン用シャフト
8b モード用シャフト
9a,9b 駆動軸
10 ケーシング
11 ランプ
12a〜12e 表示部
13 底壁
14 周壁
15 ランプ挿入孔
16 仕切壁
18 コーナ壁
19 光反射体
20a〜20d 傾斜面
W 傾斜面の縦幅
L 光線
Claims (1)
- 1つの光源と、複数の停止位置を有し各停止位置毎で前記光源からの光により照光表示される指標部を設けた回転ノブを備え、
前記回転ノブの前記複数の停止位置に対応した複数の光反射面を有する光反射体を設置し、前記光源からの光が前記光反射体の前記光反射面で反射して、停止位置にある前記指標部を照光するように構成され、
前記光反射面とそれに対応した指標部停止位置との距離が、前記光源から近い所の光反射面と指標部停止位置との距離よりも前記光源から離れた所の光反射面と指標部停止位置との距離が短くなるように各光反射面がほぼ階段状に連設され、
その階段状の各光反射面の縦幅Wは、前記光源から近い所の光反射面から前記光源から離れた所の光反射面に行くに従って徐々に長くなっていることを特徴とする照光式操作・表示装置。
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