JP3778533B2 - トリガーハンドル及びこれを設けた釣竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿のリールシートと逆側の周面に設けられ、ユーザが人差し指をかけるトリガーハンドルとこれを設けた釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣竿は、竿体と、竿体の竿元側端部に設けられたグリップと、グリップの穂先側の竿体周面に設けられたリールシートと、リールシートと逆側の竿体周面に設けられたトリガーハンドルと、リールシートに固定された両軸受リールとを有している。ユーザは片手でグリップを握ると共に人差し指をトリガーハンドルに引っかけて竿体を保持し、他方の手でリールを操作する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の釣竿ではトリガーハンドルが竿体に固定されている。このため、ユーザがグリップを握ってトリガーハンドルに指をかけた際、ユーザの手の大きさにぴったり適合せずキャスティング,リールによるラインの巻取り等の釣竿の操作を円滑に行い難い場合があった。
【0004】
また、釣りをする場合、釣りを行う環境に合わせてリール,ライン,ジグ(仕掛け)等(以下、これらを総称して「タックル」という)を変更する必要が生じる場合もある。これらタックルを変更した場合、釣竿の操作性を向上させるためにはトリガーハンドルの位置を変更する必要が生じる。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、ユーザの手の大きさやタックルの変更に応じて位置を変更することができるトリガーハンドルを提供することにある。
【0006】
本発明の別の課題は、トリガーハンドルの位置を自在に変更できる釣竿を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るトリガーハンドルは、釣竿のリールシートと逆側の周面に設けられ、人差し指をかけるためのトリガーハンドルであって、ハンドル本体と、釣竿の竿体外周面に設けられ、ハンドル本体を回転不能かつ前記釣竿の軸方向に移動自在に支持する支持部材と、ハンドル本体を軸方向に移動させる調整部材とを備えている。
【0008】
この場合には、竿体に設けられている支持部材によってハンドル本体は回転不能かつ竿体の軸方向に移動自在になっている。そして、調整部材により、ハンドル本体を竿体の軸方向に自由に移動させることができる。この結果、ハンドル本体は竿体上の任意の位置にセットでき、ユーザの手の大きさやタックルに合わせた位置に調整できる。
【0009】
発明2に係るトリガーハンドルは、発明1の釣竿であって、調整部材は、ハンドル本体を貫通して前記軸方向に沿って配置され、竿体に回転自在に支持されたネジ部材と、ハンドル本体の貫通部に回転かつ軸方向移動不能に設けられネジ部材に螺合するナット部材とを有している。
【0010】
この場合には、ネジ部材を回転させると、ネジ部材に蝶合したナット部がネジ部材上を移動する。ネジ部材は、ハンドル本体に回転かつ移動不能に設けられており、ネジ部材の移動と共にハンドル本体もネジ部材に沿って移動する。この結果、ハンドル本体は竿体上を軸方向に移動して任意の位置で固定され得ることになり、ユーザの手の大きさやタックルに合わせた位置に容易に調整できる。さらに、ハンドル本体部を貫通したネジ部材がハンドル本体を支持するので、強い力が加えられるハンドル本体部を十分に支持でき、ハンドル本体部が不安定に振動するのを抑える。
【0011】
発明3に係る釣竿は、発明1または発明2のトリガーハンドルを備えている。
【0012】
【実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明の第1実施形態を採用した釣竿1は、竿体11と、竿体11の竿元側端部に配置された竿元グリップ12と、竿元グリップ12の穂先側に配置された前グリップ13と、竿元グリップ12と前グリップ13との間に設けられリール14を装着するリールシート15と、リール14と逆側のリールシート15の周面に設けられたトリガーハンドル16とを有している。
【0014】
竿体11は、例えば強化繊維に樹脂を含浸させたシート状のプリプレグをマンドレルに巻回して形成された筒状のものであり、先端が細いテーパ状である。そして、竿体11の表面は商品イメージにあわせて塗装されている。
【0015】
竿元グリップ12は、竿体11の竿元に嵌め込まれ接着剤等で接着された蓋付き円筒形部材である。このグリップ12は、合成樹脂を押し出し成形や射出成形することで得られる弾性体である。この弾性体としては、ウレタンゴム等のゴム系弾性体やスチレンブロック共重合体等の弾性体を用いることができる。また前グリップ13は、竿先がやや小径の先細りテーパ状円筒部材であり、竿元グリップ12と同様に、合成樹脂を押し出し成形や射出成形することで得られる弾性体である。
【0016】
リールシート15は、図2に示すように、変形筒状の大径部20と、大径部20の穂先側先端から突出する筒状の小径部21と、小径部21に嵌合する移動シ−ト部17とを有している。
【0017】
大径部20の竿元側には、リール14の取付脚(図示せず)を係止するための第1係止部22と、取付脚を載置するための平坦な第1載置部23とが設けられている。この第1係止部22は、大径部20の竿元側から第1載置部23の一部を覆うように形成されている。また、大径部20の穂先側先端には取付脚を載置するための平坦な第2載置部24が形成されており、第2載置部24の両側には、取付脚の幅方向の移動を規制する突起部25が形成されている。
【0018】
一方、小径部21は、外周面の一部に第2載置部24に連なるように全長にわたって切り欠かれた平坦な第3載置部26と、穂先側先端部に形成された雄ねじ部27とを有している。また、小径部21の全長にわたり外周部の対向する2箇所には、移動シート部17を回転不能に係止するための係止溝28が形成されている。
【0019】
移動シート部17は、内径が小径部21の外径よりわずかに大きい寸法のほぼ円柱形の部材であり、小径部21の外側を移動可能になっている。移動シート部17は、第1係止部22に対向して配置され取付脚の前側を係止するための第2係止部29を竿元側端部に有している。第2係止部29は、移動シート部17が小径部21に装着された場合、第3載置部26のほぼ全域を覆いかつその間に取付脚の穂先側端部が挿入できる空間ができるように形成されている。そしてリール14を装着する場合は、その取付脚を第1ないし第3載置部に載置し、内周に雌ネジが形成された前グリップ13を雄ネジ部27にねじ込みながら移動シート部17を竿元側に移動させる。これにより、第1係止部20と第2係止部29とによって取付脚が挟み込まれて固定される。
【0020】
トリガーハンドル16は、図3及び図4に示すように、リール14と逆側のリールシート15の外周面に設けられたレール部材32と、レール部材32に支持されたハンドル本体31と、ハンドル本体31を貫通してレール部材32と共に軸方向に沿って配置されたネジ部材33とを有している。
【0021】
ハンドル本体31は、ABS樹脂等の合成樹脂製の変形直方体型部材であって、底部がやや穂先側に突出し穂先側側面がくびれた形状である。そして、ハンドル本体31は、頭部に先端がやや膨らんだ柱状の突出部31aが設けられ、中央よりやや頭部よりには軸方向に貫通するネジ孔部31bが形成されている。ネジ孔部31bにはネジ部材33に蝶合可能な雄ネジが形成されている。
【0022】
レール部材32は、図4に示すように、内部にレール溝32aを有している。このレール溝32a内にハンドル本体31の突出部31aが移動自在に係止している。また、図3に示すように、レール部材32の穂先側端部及び竿元側端部には、それぞれ柱状部材34がリールシート15と一体成形されており、柱状部材34の端部にはそれぞれ軸方向に貫通した孔34aが設けられている。
【0023】
ネジ部材33は、図3に示すように、スチール,ステンレス等の金属からなる部材であって、竿元側端部に設けられた調節部40と、ネジ山が設けられた雄ネジ部41とを有している。そして、雄ネジ部41が柱状部材34の孔34aを貫通し、ハンドル本体31のナット部35と蝶合している。
【0024】
このように構成された釣竿1では、ネジ部材33の調整部40を回転させて雄ネジ部41を回転させると、雄ネジ部41の回転に応じてハンドル本体31がレール部材32に沿って移動する。
【0025】
一方、ネジ部材33の調整部40を回転させなければ、ハンドル本体31は雄ネジ部41に蝶合しており固定されている。
【0026】
以上のように、本実施の形態を採用した釣竿1では、ネジ部材33を設けているので、ハンドル本体31を軸方向の任意の位置に移動させることができる。この結果、ユーザは手の大きさやタックルの変更に応じて人差し指を引っかけるハンドル本体31の位置を調整することができ、キャスティング性能等の釣竿の操作性が向上する。
【0027】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
本発明の第2実施形態を採用した釣竿2に設けられたトリガーハンドル50は、図5及び図6に示すように、リールシート15の載置部と逆側の外周面に軸方向に間隔を隔てて設けられた複数の取付孔52(本体装着部)と、取付孔52に支持されたハンドル本体51とを有している。
【0029】
ハンドル本体51は、第1実施形態と同様に、ABS樹脂等の合成樹脂製の変形直方体型部材であって、底部がやや穂先側に突出し穂先側側面がくびれた形状である。そして、ハンドル本体51の頭部には、取付孔52への嵌合用に形成された柱状の突出部51aが設けられている。
【0030】
なお、その他の構造は第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0031】
このように構成された釣竿2では、ユーザの手の大きさやタックルの変更に応じて、複数設けられている取付孔52のうち任意の取付孔52にハンドル本体51の突出部51aを嵌合して固定する。
【0032】
以上のように、本発明の第2実施形態を採用した釣竿2によれば、ハンドル本体51を任意の取付孔52に嵌合して固定でき、人差し指を引っかけるハンドル本体51の位置を調整できるので、ユーザは手の大きさやタックルの変更に応じて人差し指を引っかけるハンドル本体51の位置を調整することができ、キャスティング性能が向上する。
【0033】
[他の実施形態]
(a)取付孔は任意の数を任意の箇所に設けることもできる。
【0034】
(b)取付孔に雌ネジ部を形成すると共に、ハンドル本体の突出部に雄ネジ部を形成し、これらを蝶合することによってハンドル本体を固定してもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係る釣竿では、支持部材がハンドル本体を軸方向に移動自在に支持し、調整部材によってハンドル本体の位置を調整することができるので、ユーザの手の大きさやタックルの変更に応じてトリガーハンドルの位置を変更することができる。この結果、釣竿の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を採用した釣竿のリールシート,トリガーハンドルの斜視図。
【図2】 図1のリールシート部の分解斜視図。
【図3】 図1のトリガーハンドルの拡大図。
【図4】 図3のIV−IV断面図。
【図5】 本発明の第2実施形態を採用した釣竿のリールシ−ト,トリガーハンドルの拡大図。
【図6】 図5VI−VI断面図。
【符号の説明】
11 竿体
12 竿元グリップ
13 前グリップ
15 リールシート
16 トリガーハンドル
31,51 ハンドル本体
32 レール部
33 ネジ部
52 取付孔
Claims (3)
- 釣竿のリールシートと逆側の周面に設けられ、人差し指をかけるためのトリガーハンドルであって、
ハンドル本体と、
前記釣竿の竿体外周面に設けられ、前記ハンドル本体を回転不能かつ前記釣竿の軸方向に移動自在に支持する支持部材と、
前記ハンドル本体を前記軸方向に移動させる調整部材と、
を備えた釣竿用トリガーハンドル。 - 前記調整部材は、
前記ハンドル本体を貫通して前記軸方向に沿って配置され、前記竿体に回転自在に支持されたネジ部材と、
前記ハンドル本体の貫通部に回転かつ軸方向移動不能に設けられ前記ネジ部材に螺合するナット部材と、
を有する、
請求項1に記載の釣竿用トリガーハンドル。 - 請求項1または2に記載のトリガーハンドルを備えた釣竿。
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