JP3778229B2 - 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理システム - Google Patents
画像処理装置、画像処理方法、および画像処理システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたカラー画像データに対して、出力する装置(デバイス)の色再現範囲に収まるように色変換を行なう画像処理装置、画像処理方法、および画像処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像処理の一つとして、カラー画像データを具現化する装置(デバイス)の色再現範囲内に収まるようにカラー画像データに色変換を行なう色変換処理がある。例えば、CRTやプリンタなどにおいてカラー画像を出力する場合、すべての色を表現することはできず、装置(デバイス)が持つ色再現範囲内の色のみが出力されることになる。入力されたカラー画像データが色再現範囲を逸脱する部分を有しているとき、色再現範囲を逸脱した、再現されない色を再現可能な色に変換する色変換処理が必要となる。
【0003】
従来より、画像出力装置で再現されない色をどのように再現するか、という色変換に関して、種々の方法が考案され、色変換可能なソフトなどにそれらの機能を有するものもある。このような色変換処理の代表的な技術として、階調性を保存した変換法、色相を保存した変換法、明度を保存した変換法の3つがある。
【0004】
階調性を保存した変換法は、色再現範囲外の色だけでなく、カラー画像データがとる色範囲内の色もある割合で変化させ、すべての色が色再現範囲内となるように圧縮する方法である。この方法では、各色の違いは保存されるので、グラデーションなどの色の変化は保存される。そのため、階調性を重視する写真などの画像に対する色変換としては最適である。しかし、原画像に対して忠実に再現することができる色再現範囲内の色の変化が大きい場合など、結果として色の再現性が劣る場合がある。
【0005】
色相を保存した変換法および明度を保存した変換法では、色再現範囲外の色についてのみ、それぞれ色相または明度を保存したまま色再現範囲の境界の色まで色を変化させる。これによって全体的な色の変化はなくなり、再現できない色のみが変換されることになる。しかし、色再現範囲外の色を変更した後の色およびその近傍の色が既に原画像に存在している場合、それらの色との識別性が劣化するという欠点がある。例えば、グラデーション部分の一部が色再現範囲外の場合、この変換によってグラデーションの一部の色が同じ色となり、グラデーションが消失してしまう。また、原画では色が違っていた部分が同じ色になってしまい、色の区別がなくなってしまう等の不都合が発生する。
【0006】
このように、各変換方法には得失があり、どのような画像に対しても良好な結果が得られる変換方法はない。そのため、現在主流の既存の技術では、原稿の種別から最も好ましいと考えられる変換方法を採用する方法が一般に多く用いられている。例えば、写真等の画像なら階調性を重視し、階調性を保存した変換法を用い、ビジネス等で用いられるグラフならば明度を重視し、明度を保存した変換法を用いる。
【0007】
しかし、このように原稿の種別のみで変換法を選択する場合には、それぞれ選択された変換法の欠点はそのまま出力画像に反映されてしまうため、ユーザが不満を感じる場合がある。例えば、写真などのように階調性を重視する画像と判定されて階調性を保存した変換法によって色の変換を行なった場合、再現可能な色まで異なる色に変換されてしまうので、色の再現性の点で問題が残る。また、明度や色相を保持した変換法を選択して変換を行なった場合には、オリジナル画像では色の違いがあった色同士が、変換後では色の違いが無くなってしまい、色の区別がつかなくなったという苦情が出る。例えば、地図を色分けしていたのに変換処理によって色の区別がつかなくなった、あるいは一部にグラデーション部分が存在していたはずなのにフラットな色表現になってしまったなどの不具合が発生する可能性がある。これらの問題は、原稿の種類だけで色変換法を選定していることに起因しており、どのような内容の画像かを考慮していないところに問題があると考えられる。
【0008】
例えば、特開平5−167839号公報に記載されている装置では色再現範囲外の画素数を計数し、また特開平4−287569号公報に記載されている装置では色再現範囲内の画素数を計数し、色再現範囲外の画素数の比率が小さい場合には色相を保存した変換法によって変換を行ない、色再現範囲内の画素数の比率が小さい場合には階調性を保存した変換法によって変換を行なっている。さらに特開平6−162181号公報に記載されている装置では、色空間を色相ごとに複数のブロックに分割し、各ブロックごとに色再現範囲外の画素数を計数し、計数値の比率が大きいブロックが存在する場合には階調性を保存した変換法を用い、他の場合には色相を保存した変換法を用いて変換を行なっている。これらの装置では、画像中の色に基づいて変換方法を選択しているので、写真であってもグラデーション部分の一部がフラットになってしまったり、フラットな部分の多い画像であっても色再現範囲を逸脱する画素が多いと元の色が再現されないという問題がある。
【0009】
また、特開平5−227418号公報には、上述の文献と同様に色再現範囲外の画素数を計数してヒストグラムを生成し、その90%の画素が色再現範囲内となるように階調性を保存した変換法を用いて変換したり、あるいは対話的に変換のスケーリングを決定する方法などが記載されている。この文献に記載されている技術においても、上述の文献と同様の問題が存在する。
【0010】
例えば、特開平7−203234号公報に記載されているカラー画像変換装置では、均等色空間を単位領域に分割して、各単位領域ごとに含まれる画素数を求め、色再現範囲外の単位領域については画素数に応じて明度一定の他の色の単位領域に写像し、色変換を行なっている。この技術によれば、色再現範囲外の色が他の使用している色と同一の色に変換される場合を少なくしているので、グラデーションの色の変化は異なる色で表現され、また、オリジナル画像で色が異なれば、変換後の画像においても異なる色で表現されることになり、色の識別性の劣化を軽減することができる。さらに、色再現範囲内の色はほとんどの場合そのままの色で表現されるため、不必要な色の変化を防ぎ、色の再現性も向上する。しかし、色再現範囲外の単位領域のみについて色のマッピングを行なうため、例えば、色再現範囲内から範囲外へ連続したグラデーションについては、色再現範囲外の部分の色の変更によって色の連続性が損なわれ、所望のグラデーションが表現できない場合が発生するという問題がある。
【0011】
このように、従来の技術では、グラデーション部分をグラデーションとして再現し、同時にフラットな部分の色をフラットな部分に適した再現ができない場合があり、ユーザから不満がでないような出力画像を得ることは困難であった。
【0012】
一方、ユーザが入力画像と出力画像の色の違いを批評する場合、例えば画像の一部を取り出して色の違いや識別性の低下を論じる場合が多い。色の違いが論じられる画像部分は、フラットな色調の部分どうしである場合が多く、グラデーション部分の一部の色が相違する等といった比較はあまりない。逆に、近隣に配された相互の色の相違は、多くの場合グラデーション部分で比較の対象となり、例えばグラデーション部分が識別性の低下によってほぼフラットな色調となってしまった場合にはユーザが不満を持つ一因となる。
【0013】
このように、1つの画像の中でもフラットな色調の部分とグラデーション部分とで評価される尺度が相違し、同じ色変換を行なっていたのではどちらかが犠牲にならざるを得ない。フラットな色調の部分とグラデーション部分とで色変換の方法を変えるなど、画像の各部に応じて最適な色変換を行なえばよいと考えられるが、このような従来技術は存在しないのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、グラデーション部分をグラデーションとして再現し、同時にフラットな部分の色をフラットに適した処理を行なう等、入力画像に応じた色処理を行なう画像処理装置、画像処理方法、および画像処理システムを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像処理装置において、画像データを入力する入力手段と、該入力手段により入力された前記画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する色分布認識手段と、該色分布認識手段で認識された前記位置情報に基づいて色分布を複数のグループにグループ化するグループ化手段と、該グループ化手段によりグループ分けされたグループと前記位置情報と出力装置の色再現範囲に基づいて前記画像データの1または複数の色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定することを特徴とするものである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数し、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とするものである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数するとともに画素分布情報を認識し、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値および画素分布情報に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とするものである。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数するとともに各領域に属する画素の位置情報を対応づけ、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定するとともに隣接する各領域に属する画素の位置を判定し、2つの判定の結果に応じて色空間上の領域をグループ化することを特徴とするものである。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記グループ化手段は、色識別性の劣化を生じないと考えられる部分の色分布を除いてグループ化することを特徴とするものである。
【0020】
請求項6に記載の発明は、画像処理装置において、画像データを入力する入力手段と、該入力手段により入力された画像データに基づいて類似色画素から構成される画像平面上の領域を抽出し抽出した領域に基づいてクラスタを作成するクラスタ作成手段と、該クラスタ作成手段で生成された前記クラスタの色分布を認識してグループを生成するクラスタ解析手段と、該クラスタ解析手段で生成された前記グループと出力装置の色再現範囲に基づいて前記クラスタ作成手段で生成された前記クラスタごとに前記画像データの色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定することを特徴とするものである。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記クラスタ解析手段で生成されたグループに基づいて前記クラスタ作成手段で生成された前記クラスタを再分割および再統合して新たなクラスタを作成し該新たなクラスタの色分布を認識して新たなグループを生成するクラスタ補正手段を有し、前記色再現パラメータ決定手段は、前記クラスタ補正手段で生成された前記新たなクラスタおよび前記新たなグループと出力装置の色再現範囲に基づいて前記新たなクラスタごとに前記画像データの色再現パラメータを決定することを特徴とするものである。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記クラスタ作成手段は、前記入力手段より入力された画像データから抽出した1つ以上の特徴量に基づいたクラスタリングによって画像空間におけるクラスタを抽出することを特徴とするものである。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記クラスタ作成手段は、前記入力手段より入力された画像データを画像空間上で複数のブロックに分割し、該ブロック内の画素値の分散に応じてブロックの分割および統合を繰り返すことにより大局的な類似色領域を抽出し、該大局的な類似色領域を基にクラスタリングによって詳細なクラスタを抽出することを特徴とするものである。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記クラスタ作成手段は、前記入力手段より入力された画像データを画像平面上で複数のブロックに分割し、該ブロック内の画素値の分散に応じてブロックの分割および統合を繰り返すことにより大局的な類似色領域を抽出し、該大局的な類似色領域の色分布を調べて位置情報を用いたクラスタ作成が必要か否かを判断し、該判断の結果に基づいて必要であれば前記大局的な類似色領域を基にクラスタリングによって詳細なクラスタを抽出することを特徴とするものである。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記クラスタ解析手段は、前記クラスタ作成手段により生成されたクラスタに属する画素の分散に基づいて色分布を認識することを特徴とするものである。
【0026】
請求項12に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記クラスタ解析手段は、前記クラスタ作成手段により生成されたクラスタに属する隣接画素の色情報の変化率と該クラスタに属する画素の分散に基づいて色分布を認識することを特徴とするものである。
【0027】
請求項13に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記クラスタ解析手段は、色識別性の劣化を生じないと考えられる部分の色分布を除いてグループ化することを特徴とするものである。
【0028】
請求項14に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、前記クラスタ補正手段は、前記クラスタ解析手段で認識したクラスタの代表色およびクラスタ内の色分布に基づいてクラスタの統合を行なうことを特徴とするものである。
【0029】
請求項15に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、前記クラスタ補正手段は、前記クラスタ解析手段で認識したクラスタ内の色分布とクラスタ内の色情報による多次元ヒストグラムの形状に応じてクラスタの分割および統合を行なうことを特徴とするものである。
【0030】
請求項16に記載の発明は、請求項1または6に記載の画像処理装置において、前記色再現パラメータ決定手段は、前記グループの色変化の広がりの大きさを判定する階調判定手段を具備し、該階調判定手段による判定結果に基づいて前記色再現パラメータを決定することを特徴とするものである。
【0031】
請求項17に記載の発明は、請求項1または6に記載の画像処理装置において、前記色再現パラメータ決定手段は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定することを特徴とするものである。
【0032】
請求項18に記載の発明は、請求項1または6に記載の画像処理装置において、前記色再現パラメータ決定手段は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状およびグループの分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定することを特徴とするものである。
【0033】
請求項19に記載の発明は、請求項17または18に記載の画像処理装置において、前記色空間は均等色空間であり、前記分布形状は、前記グループに含まれる均等色空間上の前記色部分空間における明度方向の広がり、色相方向の広がり、または、彩度方向の広がりのいずれか1つまたはそれらの組み合わせに基づいて判断されることを特徴とするものである。
【0034】
請求項20に記載の発明は、請求項1または6に記載の画像処理装置において、前記色再現パラメータ決定手段は、第1の均等色空間から第2の均等色空間への変換パラメータと、当該変換パラメータを適用する画像空間上の位置を示す位置マスク情報をそれぞれ1つまたは複数作成することを特徴とするものである。
【0035】
請求項21に記載の発明は、請求項1または6に記載の画像処理装置において、前記色再現パラメータ決定手段は、複数の前記グループをまとめたグループ群を生成し、該グループ群に対して色再現パラメータを決定することを特徴とするものである。
【0036】
請求項22に記載の発明は、請求項1または6に記載の画像処理装置において、前記色再現パラメータ決定手段は、複数の前記グループをまとめたグループ群を生成し、該グループ群に対して第1の均等色空間から第2の均等色空間への変換パラメータおよび当該変換パラメータを適用する画像空間上の位置を示す位置マスク情報を決定することを特徴とするものである。
【0038】
請求項23に記載の発明は、画像処理装置において、画像データを入力する入力手段と、予め設定される格子点データに基づいて前記入力手段により入力された画像データの色変換を行なう複数の多次元色変換テーブルと、前記入力手段により入力された前記画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する色分布認識手段と、該色分布認識手段で認識された前記位置情報に基づいて色分布を複数のグループにグループ化するグループ化手段と、該グループ化手段によりグループ分けされたグループと前記位置情報と出力装置の色再現範囲に基づいて複数の前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定する格子点データ決定手段を具備し、前記格子点データ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定することを特徴とするものである。
【0039】
請求項24に記載の発明は、請求項23に記載の画像処理装置において、前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数し、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とするものである。
【0040】
請求項25に記載の発明は、請求項23に記載の画像処理装置において、前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数するとともに画素分布情報を認識し、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値および画素分布情報に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とするものである。
【0041】
請求項26に記載の発明は、請求項23に記載の画像処理装置において、前記グループ化手段は、色識別性の劣化を生じないと考えられる部分の色分布を除いてグループ化することを特徴とするものである。
【0042】
請求項27に記載の発明は、請求項23に記載の画像処理装置において、前記格子点データ決定手段は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定することを特徴とするものである。
【0043】
請求項28に記載の発明は、請求項23に記載の画像処理装置において、前記格子点データ決定手段は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状およびグループの分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定することを特徴とするものである。
【0044】
請求項29に記載の発明は、請求項23に記載の画像処理装置において、前記格子点データ決定手段は、前記グループ化手段によりグループ化された各グループに対応する位置マスク情報を決定する位置マスク情報決定手段と、前記位置マスク情報決定手段により決定された位置マスク情報に対応する前記格子点データのファイルを作成して記憶する記憶手段を具備し、前記記憶手段から前記位置マスク情報に基づいて格子点データを読み出すことにより格子点データを決定することを特徴とするものである。
【0045】
請求項30に記載の発明は、画像処理装置において、画像データを入力する入力手段と、予め設定される格子点データに基づいて前記入力手段により入力された画像データの色変換を行なう複数の多次元色変換テーブルと、前記入力手段により入力された画像データに基づいて類似色画素から構成される画像空間上の領域を抽出し抽出した領域に基づいてクラスタを作成するクラスタ作成手段と、該クラスタ作成手段で作成されたクラスタの色分布を認識してグループを生成するクラスタ解析手段と、該クラスタ作成手段で作成したクラスタと前記クラスタ解析手段で生成したグループと出力装置の色再現範囲に基づいて複数の前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定する格子点データ決定手段を具備し、前記格子点データ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定することを特徴とするものである。
【0046】
請求項31に記載の発明は、請求項23ないし請求項30のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記格子点データ決定手段は、前記画像種類としてフラットかグラデーションかを判断し、フラットの場合は色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用い、グラデーションの場合はグループ中の色再現範囲外の部分の分布に従って、彩度方向への広がりが大きい場合には階調性を保存した色域圧縮方法を用い、色相方向への広がりが大きい場合には色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用いて、前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定することを特徴とするものである。
【0047】
請求項32に記載の発明は、画像処理方法において、入力された画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する工程と、認識された前記位置情報に基づいて前記色分布を複数のグループにグループ化する工程と、該グループと前記位置情報と出力装置の色再現範囲に基づいて前記画像データの1または複数の色再現パラメータを決定する工程を有し、前記色再現パラメータの決定は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により行なうことを特徴とするものである。
【0048】
請求項33に記載の発明は、請求項32に記載の画像処理方法において、前記色分布を認識する工程では、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数し、前記グループ化する工程では、前記色分布を認識する工程で計数された隣接する領域の計数値に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し、該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とするものである。
【0049】
請求項34に記載の発明は、請求項32に記載の画像処理方法において、前記色分布を認識する工程では、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数するとともに画素分布情報を認識し、前記グループ化する工程では、前記色分布を認識する工程で計数された隣接する領域の計数値および画素分布情報に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し、該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とするものである。
【0050】
請求項35に記載の発明は、請求項32に記載の画像処理方法において、前記グループ化する工程では、色識別性の劣化を生じないと考えられる部分の色分布を除いてグループ化することを特徴とするものである。
【0051】
請求項36に記載の発明は、請求項32に記載の画像処理方法において、前記色再現パラメータを決定する工程は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定する工程を含むことを特徴とするものである。
【0052】
請求項37に記載の発明は、請求項32に記載の画像処理方法において、前記色再現パラメータを決定する工程は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状およびグループの分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定する工程を含むことを特徴とするものである。
【0053】
請求項38に記載の発明は、請求項32に記載の画像処理方法において、前記色再現パラメータを決定する工程は、第1の均等色空間から第2の均等色空間への変換パラメータと、当該変換パラメータを適用する画像空間上の位置を示す位置マスク情報をそれぞれ1つまたは複数作成する工程を含むことを特徴とするものである。
【0054】
請求項39に記載の発明は、画像処理方法において、入力された画像データに基づいて類似色画素から構成される画像空間上の領域を抽出してクラスタを作成する工程と、該クラスタの色分布を認識してグループを作成する工程と、前記クラスタと前記グループと出力装置の色再現範囲に基づいて前記画像データの1または複数の色再現パラメータを決定する工程を有し、前記色再現パラメータの決定は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により行なうことを特徴とするものである。
【0055】
請求項40に記載の発明は、請求項32ないし請求項39のいずれか1項に記載の画像処理方法において、前記色再現パラメータの決定の際に、前記画像種類としてフラットかグラデーションかを判断し、フラットの場合は色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用い、グラデーションの場合はグループ中の色再現範囲外の部分の分布に従って、彩度方向への広がりが大きい場合には階調性を保存した色域圧縮方法を用い、色相方向への広がりが大きい場合には色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用いて、前記色再現パラメータを決定することを特徴とするものである。
【0056】
請求項41に記載の発明は、画像処理システムにおいて、カラー画像データを入力する画像入力装置と、該画像入力装置から入力したカラー画像データに画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置により画像処理を施したカラー画像データを出力する画像出力装置を含む画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記カラー画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する色分布認識手段と、該色分布認識手段で認識された前記位置情報に基づいて前記色分布を複数のグループにグループ化するグループ化手段と、該グループ化手段によりグループ分けされたグループと前記位置情報と前記画像出力装置の色再現範囲に基づいて前記カラー画像データの色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段と、該色再現パラメータ決定手段により決定された色再現パラメータと前記位置情報に基づいて前記カラー画像データに色再現処理を施して前記画像出力装置に変換カラー画像データを出力する変換手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定するものであり、前記画像出力装置は、前記画像処理装置から出力された前記変換カラー画像データに基づいてカラー画像を出力することを特徴とするものである。
【0057】
請求項42に記載の発明は、画像処理システムにおいて、カラー画像データを入力する画像入力装置と、該画像入力装置から入力したカラー画像データに画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置による画像処理の指示に基づいて前記カラー画像データに対して画像処理を施してカラー画像を出力する画像出力装置を含む画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記カラー画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する色分布認識手段と、該色分布認識手段で認識された前記位置情報に基づいて前記色分布を1または複数のグループにグループ化するグループ化手段と、該グループ化手段によりグループ分けされたグループと前記位置情報と前記画像出力装置の色再現範囲に基づいて前記カラー画像データの色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定するものであり、前記画像出力装置は、前記画像処理装置から出力された前記色再現パラメータおよび前記位置情報に基づいて前記カラー画像データに色変換処理を施してカラー画像を出力することを特徴とするものである。
【0058】
請求項43に記載の発明は、画像処理システムにおいて、カラー画像データを入力する画像入力装置と、該画像入力装置から入力したカラー画像データに画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置による画像処理の指示に基づいて前記カラー画像データに対して画像処理を施してカラー画像を出力する画像出力装置を含む画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記カラー画像データに基づいて類似色画素から構成される画像空間上の領域を抽出して抽出した領域に基づいてクラスタを作成するクラスタ作成手段と、該クラスタ作成手段で作成されたクラスタの色分布を認識してグループを生成するクラスタ解析手段と、前記クラスタ作成手段で作成されたクラスタと前記クラスタ解析手段で生成されたグループと前記画像出力装置の色再現範囲に基づいて前記カラー画像データの色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定するものであり、前記画像出力装置は、前記画像処理装置から出力された前記色再現パラメータおよび前記位置情報に基づいて前記カラー画像データに色変換処理を施してカラー画像を出力することを特徴とするものである。
【0059】
請求項44に記載の発明は、請求項41ないし請求項43のいずれか1項に記載の画像処理システムにおいて、前記色再現パラメータ決定手段は、前記画像種類としてフラットかグラデーションかを判断し、フラットの場合は色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用い、グラデーションの場合はグループ中の色再現範囲外の部分の分布に従って、彩度方向への広がりが大きい場合には階調性を保存した色域圧縮方法を用い、色相方向への広がりが大きい場合には色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用いて、前記色再現パラメータを決定することを特徴とするものである。
【0066】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。図中、1は色変換パラメータ作成部、2は画像入力装置、3は入力側色変換部、4は画像保持部、5はダイレクトルックアップテーブル、6は補間器、7は画像出力装置、11はヒストグラム作成部、12は領域判別部、13はグループ作成部、14はプロファイル作成部、15はプロファイルリンク部、81,82は保持部である。なお、この画像処理システムは本発明の画像処理装置を含み、また本発明の画像処理方法を実現する構成を示している。
【0067】
画像入力装置2は、画像を読み取って入力画像データとして出力する。ここでは画像データはRGBデータとして取り込まれるものとする。なお、予め読み込まれて記憶装置などに記憶している画像データや、ネットワークなどを介して送られてくる画像データを入力画像データとしてもよい。また、例えばグラフィックシステム等で作成された画像を入力画像データとしてもよい。
【0068】
入力側色変換部3は、入力画像データの表色系と内部の処理において用いる表色系との間の色変換を行なう。この例では内部処理においてL* C* H゜表色系を用いるので、RGB空間からL* C* H゜空間への変換処理を行なう。なお、以下の説明ではL* C* H゜を単にLCHと表記する。
【0069】
画像保持部4は、入力側色変換部3で色変換された入力画像データを保持する。ダイレクトルックアップテーブル5は、入力画像データに応じて色変換パラメータ作成部1によって内容が変化するため、ダイレクトルックアップテーブル5の内容が設定されるまで色変換後の入力画像データを保持し、ダイレクトルックアップテーブル5の内容が設定された後、保持している入力画像データをダイレクトルックアップテーブル5に入力する。
【0070】
ダイレクトルックアップテーブル5は、色変換パラメータ作成部1で設定される内容を保持するメモリであり、色再現範囲への色情報の圧縮と、画像出力装置7の色空間への変換を同時に行なう。画像保持部4から与えられる入力画像データを基に、複数のテーブル値を出力する。例えば、LCH各軸を16個に分割する場合、各軸に17個の点が格子点ができる。この各軸の格子点の組は、173 =4913個である。ダイレクトルックアップテーブル5は、この4913個の格子点について変換後の値が保持される。もちろん、各軸の分割数などは任意であり、分割数に応じた格子点の値を保持する。また、このようなテーブルを用いるほか、関数式を与えて演算を行なうなど、種々の構成が可能である。この例では、内部の処理をLCH空間において行なっており、画像出力装置7がYMCK表色系を用いているため、LCH→YMCKへの変換を行なっている。これに限らず、画像保持部4に保持される入力画像データの表色系に合わせた変換処理を行なえばよく、例えば、画像保持部4にL* a* b* 表色系(以下、L* a* b* をLabと表記する)の入力画像データが保持されている場合には、Lab→YMCKへの変換を行なえばよい。また、色変換処理を分割し、例えば、色再現範囲に圧縮するためのLCH→LCHの変換を行なった後に、色空間の変換であるLCH→YMCKの変換を行なうように構成してもよい。
【0071】
補間器6は、ダイレクトルックアップテーブル5から出力される複数のテーブル値の補間を行ない、出力画像データを出力する。
【0072】
画像出力装置7は、例えばプリンタやCRTなど、カラー画像を出力可能な機器である。補間器6からの出力画像データをもとに画像を出力する。また、実際に出力しなくても、例えば記憶装置などに保管したり、ネットワークやバスなどを介して他の装置へ転送、入力するような構成であってもよい。
【0073】
保持部8は、色変換パラメータ作成部1で必要とする各種の設定値や作成された色変換パラメータによるダイレクトルックアップテーブル5の設定値等を保持する。保持部81は主に色変換パラメータ作成部1で必要とする各種の設定値を保持し、保持部82は主に色変換パラメータ作成部1で作成されたダイレクトルックアップテーブル5の設定値等を保持する。
【0074】
色変換パラメータ作成部1は、入力側色変換部3で色変換された入力画像データをもとに、ダイレクトルックアップテーブル5の格子点のデータを作成して設定する。色変換パラメータ作成部1は、ヒストグラム作成部11、領域判別部12、グループ作成部13、プロファイル作成部14、プロファイルリンク部15を有している。なおこの例では、色変換パラメータ作成部1はLCH空間において処理を行なっているが、本発明はこれに限るものではなく、例えばLab等、他の表色系を用いてもよい。
【0075】
ヒストグラム作成部11は、LCH空間でのヒストグラムを作成する。LCH空間をどのように分割してヒストグラムを作成するかは、分割情報として保持部81から読み込むものとする。望ましくは、プロファイルリンク部15で使用するLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルのアドレス値ごとにヒストグラムをとるようにすれば都合がよい。ここでは、LCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルのLCHアドレス値ごとにヒストグラムを作成するものとする。もちろん、LCH空間を細かく分割すればそれだけ正確に分布を把握することができるが処理時間がかかる。分割の細かさと処理時間はトレードオフの関係になる。なお、LCH空間を分割した各部分空間を分割色領域と呼ぶことにする。
【0076】
ヒストグラムをとる具体例として、LCH→LCHダイレクトルックアップテーブルがL軸、C軸、H軸の各軸が16個に分割されている場合、すなわち各軸の格子点が17個である場合に、入力画像データ(ここではL,C,H各8bitのデータであるとする)の上位5bitまたは5bit以上をみて、どの分割色領域にはいるかを判断する。そして、分割色領域ごとにその中に入る画素数をカウントしてゆく。これによりヒストグラムが生成される。
【0077】
ヒストグラム作成部11が各分割色領域ごとに画素数をカウントする際には、分割色領域の中心からどれくらい離れた色がどれくらい存在するかといった、分割色領域内での分布を示す領域内分布情報も保持する。領域内分布情報は入力画像の下位4bitで判断できる。なお、処理の高速化のために入力画像を間引いて間引き後画像に対してヒストグラムをとってもよい。
【0078】
領域判別部12は、まず、ヒストグラム作成部11で作成した各分割色領域ごとのヒストグラムをもとに、各分割色領域の代表点が色再現範囲内であるか否かを判定する。各分割色領域の代表点が色再現範囲内であれば、色再現範囲への色の圧縮処理は原則として不要であると判断する。色再現範囲外の色が存在する場合には、各分割色領域における領域内分布情報をもとに各軸方向の分散を計算し、各分割色領域の分散ベクトルを求める。そして、分散値をもとに分割色領域における色の広がりを判定し、ほぼ一様な色が用いられているフラットカラーの部分か、類似した色を段階的に用いているグラデーションの部分かを判別する。
【0079】
グラデーションの場合、本来は隣接している色が類似の色であって、徐々に色の変化が存在する部分であるので、グラデーションか否かの判断は位置情報を使用してないと分からないのであるが、ここでは便宜上、分散値が小さく、色空間における広がりが小さいとフラットカラー、分散値が大きく、色空間における広がりが大きいとグラデーションと判断することとした。もちろん、他の判断方法を用いてもよい。
【0080】
グループ作成部13は、領域判別部12においてグラデーションの部分であると判定された分割色領域について、各分割色領域ごとに求められた分散ベクトルをもとに、隣接する分割色領域を結合してグループ化する。グループ化とは、隣の分割色領域との結合度合いが強い場合に、それらをまとめて一つのグループにすることを示す。隣接する分割色領域とは、色空間では3次元的に見て隣り合った上下、左右、前後、斜め方向に存在する分割色領域を示す。ただし、色空間の分割を小さな単位で行なったときには、隣接の概念を大きくし、ある分割色領域から見て隣り合っていなくてもある範囲内に存在する分割領域を隣接する分割色領域と定義してもよい。グループは、2以上の分割色領域が結合された場合も、ただ1つの分割色領域のみでもグループと呼ぶことにする。
【0081】
隣接する分割色領域をグループ化するか否かは、分散ベクトルの一致度を見る。例えば、分散ベクトルの内積を計算して基準値と比較し、内積の値が基準値より大きい場合、つまり分散ベクトルが同じような傾向を示し、同じような向きに色が広がっていると判断される場合に2つの分割色領域を結合してグループ化する。
【0082】
プロファイル作成部14は、色再現範囲外の色を色再現範囲内に収めるように圧縮するためのプロファイルを作成する。ここでは、フラットカラーとグラデーションとで別々にプロファイルを作成する。基本的には、フラットカラーなら、色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への圧縮処理(以下、Sat的圧縮処理と呼ぶ)を行なう。グラデーションの場合には、グループ中の色再現範囲外の部分の分布を見て、色再現範囲への圧縮方法を判断するようにする。例えば、彩度方向への広がりが大きい場合には階調性を保存した変換法(以下、Per的圧縮処理と呼ぶ)を用い、色相方向への広がりが大きい場合にはSat的圧縮処理を行なう。この広がりの判断基準は、例えば分散値を閾値と比較すればよい。
【0083】
このような判断により、フラットカラーはSat的圧縮処理によって色再現範囲内へ色を圧縮し、また、グラデーションの場合はSat的圧縮処理かPer的圧縮処理のいずれかを行なうことになる。そして、Sat的圧縮処理、Per的圧縮処理によって色変換パラメータを求める。具体的には、ダイレクトルックアップテーブル5に格納可能な初期値が設定された色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルを予め用意しておき、これを書き換えてゆくことによって最適な色再現範囲圧縮用プロファイルを得る。色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルは、色再現範囲内に対してはアドレス値とデータ値が同一であり、色再現範囲外に対してはアドレス値に対する最適と思われる色再現範囲外郭へのマッピング先データの値を予め保持させている。色再現範囲圧縮用プロファイルによる色変換処理はLCH→LCHへの変換であるので、LCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルと呼ぶことがある。
【0084】
プロファイルリンク部15では、色再現範囲圧縮用のLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルと、画像出力装置7用のプロファイル、例えばLCH→CMYKへの色空間の変換を行なうダイレクトルックアップテーブルプロファイルとを合成して、LCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成する。このプロファイルは、色再現範囲への圧縮と、色空間の変換を行なうプロファイルになっている。このプロファイルをダイレクトルックアップテーブル5に格納し、画像保持部4に保持されているLCH空間の入力画像データを変換することによって、とりうる色空間の範囲を画像出力装置7の色再現範囲に圧縮した画像データを得ることができる。
【0085】
次に、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態における動作の一例について説明する。まず、全体の動作の一例について概要を説明する。画像入力装置2で画像が読み取られ、RGB空間における入力画像データが得られる。得られた入力画像データは、入力側色変換部3でLCH信号に変換される。LCH信号は色変換パラメータ作成部1に入力され、色再現範囲外の色に対する処理を含む色変換パラメータを作成し、作成した色変換パラメータをダイレクトルックアップテーブル5にセットする。
【0086】
画像入力装置2で読み取られ、入力側色変換部3で色変換された入力画像データは、画像保持部4で保持されている。色変換パラメータ作成部1でダイレクトルックアップテーブル5に色変換パラメータがセットされた後、画像保持部4に保持されている入力画像データがダイレクトルックアップテーブル5に入力され、その色情報が色再現範囲内となるように色変換が行なわれる。それとともに、画像出力装置7の表色系に合わせた色空間の変換もダイレクトルックアップテーブル5によって行なわれる。ダイレクトルックアップテーブル5から読み取られた出力画像データは、補間器6によって補間処理が行なわれ、画像出力装置7へ送出され、出力される。
【0087】
図2は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態における色変換パラメータ作成部1の動作の一例の説明図である。図2では、各処理部とともに使用する保持部81内のデータについても示している。
【0088】
画像入力装置2から入力された画像データは、入力側色変換部3においてRGB→LCHへの色空間の変換処理が行なわれ、色変換パラメータ作成部1に入力される。まず、ヒストグラム作成部11において、分割情報を用いて色空間を分割し、各分割色領域ごとにその分割色領域に含まれる色情報を有する画素数を計数する。ここでは上述のように、予め値が設定されている初期設定用あるいはプロファイル作成部14で作成されるLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルの各格子点が中心点となるように分割色領域を設定してカウントする。また、例えば分割領域の中心からどれくらい離れた色がどれくらいあるか等といった分割色領域内での分布を示す領域内分布情報も保持しておく。
【0089】
図3は、色空間の分割の説明図である。図3(A)は格子点の説明図、図3(B)は分割色領域の説明図である。LCH空間は円筒座標系であるが、以降の説明では便宜上、直交座標系で表示する。この図3でもLCH空間を直交座標系として表示している。
【0090】
図3では各軸を3分割した例を示しており、図3(A)における実線が各軸を分割した平面を示している。この3軸の分割平面の交点がそれぞれ格子点である。3分割したので分割平面はそれぞれ4面存在し、交点は43 =64個である。図3(A)では外郭の数点についてのみ、黒丸によって格子点を示している。これらの格子点が中心点となるように、図3(B)に破線で示すように分割色領域を設定する。このように設定された分割色領域ごとに、その分割色領域に色情報が含まれる画素数を計数する。各分割色領域においては、代表する色は格子点における色であり、格子点における頻度が保持されることになる。
【0091】
図2に戻り、次に領域判別部12において、各分割色領域の判別処理を行なう。図4は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態における領域判別部の処理の一例を示すフローチャートである。以下の説明において、色空間を分割色領域に分割し、ヒストグラムをとった場合、頻度がある閾値以上である分割色領域を対象分割色領域と呼ぶ。また、対象分割色領域のうち、フラットカラーと判断される分割色領域を有効色領域と呼び、対象分割色領域のうち、階調性を持つ、すなわちグラデーションと判断される分割色領域を着目色領域と呼ぶ。ヒストグラム作成部11から、各分割色領域ごとの頻度と領域内分布情報が渡される。
【0092】
S101において、分割色領域ごとにヒストグラムの頻度を調べ、対象分割色領域を選出する。対象分割色領域か否かは、その分割色領域の頻度がある閾値以上か否かで判断することができる。
【0093】
次にS102において、S101で対象分割色領域であると判定された分割色領域が、より詳しくはその分割色領域の中心点である格子点が、色再現範囲内か外かを調べ、分割色領域ごとに色再現範囲内か否かを示すフラグデータを付与する。この処理をすべての対象分割色領域について行なう。
【0094】
S103において、S102での色再現範囲内か外かの判断をもとに、すべての対象分割色領域が色再現範囲内か否かを調べる。すべてが色再現範囲内ならば色再現範囲の圧縮処理を行なわなくてよいため、予め設定されている色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルをLCH→LCHプロファイルとする。この判断によって以下の処理を省略し、高速処理を可能にしている。
【0095】
色再現範囲外の対象分割色領域が存在するならば、S104において、対象分割色領域の領域内分布情報をもとに、各対象分割色領域に対するL方向、C方向、H方向の分散を求め、それぞれσL,σC,σHとする。
【0096】
S105において、S104で得られた各軸方向の分散値を評価する。ここでは、3つの分散値が、すべて基準値以下か否かを判定する。3つの分散値がすべて基準値以下であれば、各軸方向の広がりが小さいと判断してその対象分割色領域を有効色領域とし、S106において画像種類をフラットカラーとする。この場合、色再現範囲内か外かを示すフラグは保持し、分散値は保持しない。3つの分散値のうち基準値を超えるものが存在する場合には、その対象分割色領域を着目色領域とし、S107において画像種類をグラデーションとする。また、算出した分散値は分散ベクトル(σL,σC,σH)として保持する。さらに、色再現範囲内外を示すフラグもそのまま保持する。
【0097】
このようにして、頻度がある程度以上存在する対象分割色領域を抽出するとともに、その対象分割色領域の画像の種類を判別し、有効色領域と着目色領域とに分類することができる。対象分割色領域の抽出は、その後の処理を軽減し、処理を高速化するために行なわれるものであり、すべての分割色領域について分類処理を行なってもよい。
【0098】
図5は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態におけるグループ作成部の処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、図4に示す領域判別部12の判別処理によって着目色領域であると判定された分割色領域についてのみ行なわれる。以下の説明において、注目している着目色領域に分散ベクトルの方向に隣接する分割色領域、すなわち、着目色領域の色がなだらかに連続していると判断される領域を連結対象領域と呼ぶ。連結対象領域は、隣接する着目色領域と結合される可能性のある分割色領域である。
【0099】
S111において、着目色領域をピックアップし、頻度の大きい順番に並べ替える。S112において、頻度の大きい方から未処理の着目色領域を取り出し、取り出した着目色領域を処理着目領域とする。
【0100】
S113において、その処理着目領域の分散ベクトルを参照し、分散ベクトル(σL,σC,σH)の方向(L方向、C方向、H方向)にある分割色領域を連結対象領域として選択する。例えば分散ベクトル(σL,σC,σH)=(1,1,1)であれば偏りに特徴がないため、L,C,Hのすべての方向に隣接する分割色領域を連結対象領域とする。また、分散ベクトル(σL,σC,σH)=(2,0.5,0.5)であれば、L方向の分散が大きいため、L方向に隣接する分割色領域を連結対象領域とする。
【0101】
S114において、連結対象領域が着目色領域か否かを調べる。着目色領域ではない連結対象領域に対しては処理を行なわない。連結対象領域が着目色領域である場合には、さらにS115において、その連結対象領域の分散ベクトルPjと処理着目領域の分散ベクトルPとの内積をとり、内積の値が基準値以上か否かを調べる。基準値より小さい場合には、分散の特徴が合致しないということであり、処理着目領域と連結対象領域の連結を行なわない。分散ベクトルの内積P・Pjの値が基準値以上の場合には、2つの領域の分散ベクトルが同じような傾向を示している、すなわち同じような向きに色が広がっていると判断し、S116において処理着目領域と連結対象領域を連結して、新たなグループを作成あるいはグループを拡大する。そして、S117においてすべての着目色領域について処理したか否かを判定し、未処理の着目色領域が残っている場合には、その着目色領域について処理すべく、S112へ戻る。
【0102】
図6は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のグループ作成部における処理着目領域と連結対象領域の連結処理の一例の説明図である。図6において、中心の分割色領域が処理着目領域であり、分散ベクトルはPであるとする。ここでは、分散ベクトルPが2つの方向に対して大きな値を有しており、上下、左右及びななめに隣接する分割色領域が連結対象領域となっているとする。このうち実線で示されている分割色領域が着目色領域である。着目色領域は、それぞれ、分散ベクトルP1〜P3を有するものとする。図5のS115では、処理着目領域と連結対象領域の分散ベクトルの内積を計算する。すなわち、内積P・P1,P・P2,P・P3を計算する。そして、それぞれの内積を基準値と比較する。ここで、内積P・P1の値が基準値よりも大きいとすると、分散ベクトルP1を有する上に隣接した連結対象領域と処理着目領域を連結する。連結は、連結する連結対象領域と処理着目領域に同じグループ番号を付与することによって実現できる。次にS112で処理着目領域を指定する際には、連結した分散ベクトルP1を有する分割色領域を処理着目領域に指定して順次処理を進めてゆく。
【0103】
図5に戻り、S118において、S117までの連結処理によって生成されたグループについて、分散ベクトルを計算する。また、グループに対する色再現範囲内外フラグとして、グループ中の分割色領域の1つでも色再現範囲外である場合には、グループの色再現範囲内外フラグは色再現範囲外とする。グループ中のすべての分割色領域が色再現範囲内のときには、グループの色再現範囲内外フラグは色再現範囲内とする。
【0104】
このような処理を行なうことにより、着目色領域についてグループ化が行なわれる。この時、頻度の大きい着目色領域から処理を行なっているため、先に処理される頻度の大きい着目色領域が含まれるグループに、後で処理される頻度の小さい着目色領域が統合されてゆくような処理経過をたどり、次第にグループ化されてゆくことになる。
【0105】
なお、この処理の一例では、グループ化した後にグループの分散ベクトルの計算等を行なっているが、連結した時点でグループの分散ベクトルなどを計算し、グループを処理着目領域として処理を進めてゆくこともできる。また、図4の着目色領域に対して、分散ベクトルとともに分散の中心値を持てば、S113における連結対象色領域設定の判断をより正確にできる。
【0106】
プロファイル作成部14では、フラットカラーならSat的圧縮処理を行ない、グラデーションの場合にはPer的圧縮処理とSat的圧縮処理のいずれかを行なう。以下、フラットカラーの場合とグラデーションの場合に分けて動作を説明する。
【0107】
まず、フラットカラーに対する圧縮処理について説明する。図7は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部におけるフラットカラーに対する処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、領域判別部12において有効色領域と判別された分割色領域に対して行なう。
【0108】
まずS121において、有効色領域をすべてピックアップする。S122において、色再現範囲外である有効色領域に対して、色再現範囲の外郭へ張り付けを行なった場合のLCHの値を求め、色差を計算する。具体的には、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルを利用して、色再現範囲外の有効色領域を変換し、変換前のアドレス値と変換後のデータ値との差を色差として求める。もちろん他の方法を用いてもよく、色再現範囲の外郭へ張り付けを行なった場合のLCHの値を、色再現範囲外の格子点に対してあらかじめ色再現範囲外郭へのマッピング先データとして決めておき、色差を取り出すようにしてもよい。
【0109】
色差の計算は、変換前をL* ,C* ,H゜、変換後をL*',C*',H゜'としたとき、色差△Eは、
△E={(△L* )2 +(△C* )2 +(△H* )2 }1/2 …▲1▼
ただし、
△L* =L* −L*'
△C* =C* −C*'
△H* =(π/180)(C* ・C*')1/2 (H゜−H゜')
で算出することができる。
【0110】
S123において、S122で求められた色差に基づいて小さい方からソートし、有効色領域を並べておく。S124において、未処理の有効色領域を色差の小さい方から1つ選択する。
【0111】
S125において、選択した有効色領域の変換後の色、すなわち色再現範囲の外郭の色から色差△Eth以内に存在するフラットカラーの分割色領域を選択する。選択されたフラットカラーの分割色領域の数をNとし、選択した有効色領域の変換後の色とそのフラットカラーの分割色領域jの色との色差を△E1jとする。
【0112】
S126において、N=0か否かを判定する。N=0の場合には選択した有効色領域の変換後の色が他のフラットカラーとの識別性を低下させることはないので、そのまま変換を行なってもほかに影響を与えない。そのため、以下の色識別性向上のための処理は行なわない。
【0113】
N=0でないとき、色差△Eth以内となるフラットカラーの分割色領域との間で、色識別性を向上させるための処理を行なう。S127において、これらの色差△Eth以内のN個のフラットカラーの分割色領域について、変位ベクトル方向に色差が△Ethとなるように移動させた場合を考え、移動先の色を算出する。ここで、変位ベクトルとは、S124で選択した有効色領域を色再現範囲の外郭にマッピングするときの変換元の色から変換後の色へのベクトルである。ここでは、選択した有効色領域の色の変換と同方向にフラットカラーの色を変更してみる。
【0114】
S128において、移動先の色から色差△E1j以内にあるフラットカラーの分割色領域が存在するか否かを調べる。移動先の色から色差△E1j以内に他のフラットカラーの分割色領域が1つでも存在する場合、この移動は他のフラットカラーとの間で移動前よりも色識別性を劣化させるため、この移動を行なわないこととする。すなわち、色再現範囲外の有効色領域についてのみ、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルどおりの変換を行なうものとする。移動先の色から色差△E1j以内に他のフラットカラーの分割色領域が存在しない場合、この移動によって色識別性を向上させることができる。そのため、色再現範囲外の有効色領域について色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルどおりの変換を行なうとともに、その変換後の色から色差△Eth以内のフラットカラーの色を移動先に変換するものとする。そのために、S129において、色を変更するフラットカラーについて、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルの内容を書き換える。
【0115】
S130において、すべての色再現範囲外の有効色領域に対して処理を行なったか否かを判定し、未処理の有効色領域が残っているときはS124へ戻り、処理を続ける。また、すべての色再現範囲外の有効色領域について処理が終了した時点で、S131におけるフラットカラーに対するプロファイルを決定する。
【0116】
図8は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部におけるフラットカラーに対する処理の一例の説明図である。図7のフローチャートに示す処理を、例を用いて説明する。図8において曲線が色再現範囲の外郭を示しており、曲線の下側が色再現範囲内、曲線の上側が色再現範囲外である。有効色領域P1は色再現範囲外のフラットカラーである。S124においてこの有効色領域P1を選択したとする。この有効色領域P1を色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルに従って色再現範囲の外郭の色に変換したときの変換先をP1’とする。
【0117】
S125において、変換先P1’から色差△Eth以内にあるフラットからを探す。すると、△Eth以内の△E12の色差のフラットカラーP2が存在している。S127において、このフラットカラーP2を、有効色領域P1をP1’に変換したときのベクトルと同じ向きに、P1’との色差が△Ethとなるように移動してみる。この移動先をP2’とする。図8に示した例は、△Eth以内のフラットカラーが1つであるため図7のS126でN=1の場合に該当するが、N≧2の場合も同様に考えられる。
【0118】
そして、S128において、P2’から色差△E12以内に他のフラットカラーが存在しているか否かを判定する。P2’から最も近いフラットカラーとの色差を判定してみればよい。P2’から最も近いフラットカラーがP3であるとし、P2’とP3の色差を△E23とする。色差△E23がP1’とP2との色差△E12よりも小さいとき、P2をP2’へ移動することによって、P2’とP3との間の色識別性は、P1’とP2の間の色識別性の劣化よりもさらに劣化することになる。そのため、P2をP2’へ移動することはせず、P1をP1’へ変換するにとどめる。また、色差△E23がP1’とP2との色差△E12よりも大きいとき、P2をP2’へ移動することによってP1の変換による色識別性の劣化を回復することができる。そのため、P1をP1’へ変換するとともに、P2をP2’へ変換すればよい。
【0119】
なお、ここでは、P3の移動は考えていないが、P2のP2’への移動を容認し、P3の移動を考えるように構成してもよい。
【0120】
次に、グラデーションに対する圧縮処理について説明する。図9は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部におけるグラデーションに対する処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、領域判別部12において着目色領域と判別された分割色領域について行なう。
【0121】
まず、S141において色再現範囲内外フラグが色再現範囲外であるグループをすべて取り出す。S142において、未処理の色再現範囲外のグループの内の1つを選択する。S143において、選択したグループがすべて色再現範囲内となるような圧縮処理を施す。まず、グループに含まれる各分割色領域について、色再現範囲の外郭への張り付けを行なってみる。具体的には、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルを利用して、グループ内の各分割色領域を変換し、変換前と変換後の色差の差分ベクトル△EINT を求める。この処理は、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルに与えるアドレス値と、得られたデータ値から、各軸成分の差分をとることにより求められる。分割色領域iの色差の差分ベクトルを△EiINTとし、グループ内の分割色領域の差分ベクトルの大きさ|△EiINT|のうち最大のものを△EmaxINTとする。また、グループの分散ベクトルDの差分ベクトル△EmaxINT方向成分の長さをN、グループの彩度の小さい方の端点から色再現範囲の外郭までの分散ベクトルDの方向の距離をMとする。さらに、差分ベクトルが△EmaxINTとなる点から見たグループ内の距離をiとする。差分ベクトルが△EmaxINTの分割色領域ではi=0であり、他端ではi=Nとなる。これらの長さN、距離M、距離iはいずれも分割色領域の個数で示すものとする。
【0122】
このとき、グループ内の分割色領域i(すなわち、差分ベクトルが最大の分割色領域からの距離がiである分割色領域)における修正変化量△Ei は、
Mが閾値より小さいとき、
△Ei =△EiINT+α×{i/(N+M)}×△EmaxINT
Mが閾値以上のとき、
△Ei =△EiINT
により求める。なお、閾値は例えば10程度とすることができる。また、αは次の内積から求まり、
α=D・△EmaxINT/|△EmaxINT|2
である。α>1のときはα=1とする。すなわち、0≦α≦1である。
【0123】
このようにして求められた修正変化量△Ei によって、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルの内容を書き換える。すなわち、分割色領域の値を(L,C,H)とするとき、これに対応するマッピング後の値として(L+△Ei (L),C+△Ei (C),H+△Ei (H))を書き込む。ここで、△Ei (L),△Ei (C),△Ei (H)は、それぞれ△Ei のL,C,H成分である。
【0124】
S144において、色再現範囲外のグループについてすべて処理が終了したか否かを判定し、未処理のグループが存在する場合にはS142へ戻ってそれらの処理を行なう。すべて処理が終わった時点で、修正されたグラデーションのプロファイルが得られる。
【0125】
図10は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部におけるグラデーションに対する処理の一例においてグループ内の分割色領域が色再現範囲内に圧縮される様子の一例を示す説明図である。図中、破線の矢印は分散ベクトルを示している。また、黒丸は各分割色領域中の格子点である。さらに、白丸はグループの彩度の小さい方の端点から色再現範囲の外郭までの分散ベクトルDの方向に並ぶ格子点を示しており、白丸の数がMである。
【0126】
いくつかの具体例を用いてグループの色再現範囲内への圧縮の様子を説明する。まず、図10(A)に示す例では、グループ内に2つの分割色領域が存在し、すべて色再現範囲外である場合を示している。このグループの分散ベクトルはそれぞれの色差の差分ベクトル△EiINTとほぼ平行である。上述のようにグループ作成部13では分散ベクトルの方向にグループ化したので、グループ内の分割色空間の並び方向と分散ベクトルの方向はほぼ揃っている。この場合、外側の格子点における差分ベクトルが△EmaxINTである。また、M=2,N=1,α≒0.6である。色再現範囲から遠い格子点はi=0であるから、△E0INT=△EmaxINTだけ移動させる。色再現範囲に近い格子点(i=1)は、上述の修正変化量△Ei の式から、△Ei =△EiINT+△EmaxINT/3となり、色再現範囲の外郭よりも△EmaxINT/3だけ内側にマッピングされる。
【0127】
図10(B)に示す例では、グループ内の4つの分割色領域の内、1つのみが色再現範囲外である。また、分散ベクトルの方向と△EmaxINTの方向はほぼ平行であり、α≒1とする。M=1,N=3である。色再現範囲外の格子点については、修正変化量△E0 =△E0INT=△EmaxINTである。また、色再現範囲内の格子点については、△EiINT=0であるので、修正変化量△Ei =i・△EmaxINT/4ずつ色再現範囲内へ押し込むことになる。
【0128】
図10(C)に示した例では、色差の差分ベクトル△EmaxINTと分散ベクトルDとがほぼ直交している例である。この場合、2つのベクトルの内積はほぼ0となり、Mは無限大となる。また、α=0となる。この場合、上述の修正変化量△Ei の2つ目の式を採用し、△Ei =△EiINTとする。すなわち、各格子点における差分ベクトル△EiINTがそれぞれの修正変化量△Ei となる。そのため、各分割色領域は色再現範囲の外郭にマッピングされる。
【0129】
図10(D)に示した例では、図10(A)と図10(C)の場合を合わせた例であり、N=3,M=2,α≒0.6である。このとき、修正変化量△Ei =△EiINT+0.6i・△EmaxINT/5となる。最大の差分ベクトル△EmaxINTを有する分割色領域は色再現範囲の外郭にマッピングされ、他の分割色領域については修正変化量△Ei の式の第2項の分だけ色再現範囲内に押し込まれる。
【0130】
このようにして、各グループの分割色領域は、色の変化を保ったまま色再現範囲内の色に変換されるような、修正変化量△Ei が得られることになる。また、色再現範囲内に押し込まれる量は、それぞれの位置によってα・△EmaxINT/(N+M)だけ異なり、色再現範囲の内部へゆくに従って変化量が減少するように構成している。
【0131】
修正変化量△Ei の算式は上述のものに限らない。例えば、グループ内の各分割色領域の色差の差分ベクトル△EiINTの平均値のベクトルを△Qとする。そして、
△Ei =△EiINT+(1−EXP(−ri ))×(△EmaxINT−△EiINT)
ri =|Pi ・△Q|/|Pi |2
によって修正変化量△Ei を算出することができる。ここでri は分割色領域iに対する加重パラメータである。
【0132】
図11は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部において計算する別の修正変化量△Ei の計算の説明図である。上述の修正変化量△Ei の式は、加重パラメータri が非負の値であるので、△EiINTから△EmaxINTまでの値をとる関数である。加重パラメータri の値に応じて、修正変化量△Ei は図11(A)に示すような値となる。また、グループ内には色再現範囲内の分割色領域も色再現範囲外の分割色領域も含まれているが、色再現範囲内の分割色領域については色差の差分ベクトル△EiINTは0である。そのため、グループ内に色再現範囲内の分割色領域が含まれている場合には、修正変化量△Ei の最小値は0となり、修正変化量△Ei のグラフは加重パラメータri に応じて図11(B)に示すようになる。
【0133】
上述の修正変化量△Ei の計算式において、第1項の△EiINTは、上述のように分割色領域iに対する色差の差分ベクトルである。また、第2項の(1−EXP(−ri ))×(△EmaxINT−△EiINT)は、色再現範囲外の分割色領域については、色再現範囲の外郭からどのくらい内部に押し込むかを表わし、色再現範囲内の分割色領域については、その色からどのくらい内部に押し込むかを表わしている。押し込む程度は図11に示すように加重パラメータri による。
【0134】
加重パラメータri は、分割色領域iの分散ベクトルPi と色差の差分ベクトル△EiINTの平均値ベクトル△Qとの内積の関数である。すなわち、差分ベクトルの平均値ベクトル△Qの大きさと分散ベクトルPi の△Q方向の大きさとで加重パラメータri が決定される。そのため、加重パラメータri は、色差の差分ベクトルの平均値ベクトル△Qの向きと分散ベクトルPi の向きが等しいほど大きな値となる。また、色再現範囲内に存在する分割色領域が多いほど△Qが小さくなり、加重パラメータri も小さな値となる。
【0135】
このようにして、色の変化を保ったまま色再現範囲内の色に変換されるような、修正変化量△Ei が得られることになる。このほかにも種々の修正変化量△Ei の算出式が考えられ、本発明は上述の各計算式に限定されるものではない。
【0136】
なお、上述の処理ではグループ間の処理やフラットカラーとの間の処理については記載していないが、上述のような圧縮処理によって他のグループやフラットカラーとの間で色の識別性が低下する場合、近隣のグループやフラットカラーについて、さらに色再現範囲の内部へ変換するような処理を追加してもよい。
【0137】
図2に戻り、プロファイル作成部14においてプロファイルが作成されると、プロファイルリンク部15が画像出力装置7用の色座標系の変換を行なうプロファイルとの合成を行なう。図12は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態におけるプロファイルリンク部の処理の一例を示すフローチャートである。プロファイル作成部14までの処理において、フラットカラーの場合とグラデーションの場合と別々にプロファイルを作成した。S161ではこれらのプロファイルを合成し、色再現範囲圧縮用プロファイル(LCH→LCH用ダイレクトルックアップテーブルプロファイル)を作成する。さらに、S162において、画像出力装置7の表色系に合わせた色空間の変換を行なうためのプロファイルを合成し、最終的なプロファイル(LCH→YMCK用ダイレクトルックアップテーブルプロファイル)に変換する。このプロファイルは、色再現範囲への圧縮処理を考慮したプロファイルになっている。
【0138】
上述の実施の形態では、自動的に変換パラメータを作成する構成になっているが、例えばユーザーの指示を受けるようにし、ユーザーの指示に従って色再現範囲圧縮を考慮したプロファイルを作成するように構成してもよい。
【0139】
また、この実施の形態では、色再現範囲圧縮用LCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成した後でLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルと合成しているが、画像出力装置7が数種類ある場合に対処するため、色再現範囲圧縮用LCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイル自体を保持しておくように構成してもよい。
【0140】
図13は、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態を示すブロック図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。16はグループ判別部である。この第2の実施の形態では、フラットカラーかグラデーションかの判定を、グループを作成した後に行なう例を示している。また、この実施の形態では、分散ベクトルを用いない方法について示している。そのほかは第1の実施の形態と同様である。
【0141】
この第2の実施の形態における色変換パラメータ作成部1は、ヒストグラム作成部11、グループ作成部13、グループ判別部16、プロファイル作成部14、プロファイルリンク部15を有している。
【0142】
ヒストグラム作成部11は、LCH空間でのヒストグラムを作成する。LCH空間をどのように分割してヒストグラムを作成するかは、分割情報として保持部81から読み込むものとする。この実施の形態では、ヒストグラム作成部11は色空間の各分割色領域ごとに画素数をカウントするのみである。
【0143】
グループ作成部13は、ヒストグラム作成部11で作成した各分割色領域ごとのヒストグラムをもとに、隣接する分割色領域を結合してグループ化する。まず、ヒストグラム作成部11で作成したヒストグラムをもとに、色再現範囲外の分割色領域に頻度値が存在するか否かを判定する。すべての画素の色情報が色再現範囲内であれば以下の処理を行なわなくてもよい。このとき、色再現範囲外の色情報を有する画素数が所定値以下の場合には、例えば、従来より行なわれているような標準的な色変換パラメータ(色再現範囲圧縮用初期設定プロファイル)を用いることとして、以下の処理を打ち切るように構成してもよい。
【0144】
隣接する分割色領域をグループ化するか否かは、分割色領域間で頻度を比較し、頻度がある条件を満足する場合にグループ化する。一例として、分割色領域1での頻度をA、分割色領域2での頻度をBとした場合、A/BあるいはB/Aの値を閾値と比較して判定することができる。値が1に近い場合には同程度の頻度であると判定できるので両者を結合し、値が非常に大きいあるいは非常に小さい場合には頻度が大きく異なるものと判断し、結合しないとすることができる。あるいは差分を用いる方法もある。
【0145】
また、別の方法として、次の2つの式のうちのいずれかを満足すれば結合度合いが強いと判断してグループ化する方法もある。
max(A,B)>th1 かつ min(A,B)>th3
A>th2 かつ B>th2
ここで、th1〜th3は閾値であり、th1>th2>th3の関係を満たし、また、max(A,B)はA,Bのうち大きい方を、またmin(A,B)はA,Bのうち小さい方を示す。th1〜th3は予め設定しておいてもよいし、あるいは他の隣接する分割色領域あるいは周辺の分割色領域の結合具合を見て算出してもよい。閾値を算出する場合は、頻度の大きい分割色領域から周辺へと結合していき、グループを構成する分割色領域の個数や結合されている方向などに応じて閾値の大きさを制御する方法も考えられる。また、色によっても判断値は変化すると考えられるため、色に対して判断基準値をもつなどの方法も考えられる。
【0146】
このほかにも種々の手法を用いて分割色領域の結合度合いを判定し、結合の強い分割色領域を結合してゆくことができる。このようにして結合された複数の分割色領域及び結合されなかった分割色領域をそれぞれグループとする。
【0147】
グループ判別部16は、各グループがフラットカラーかグラデーションかを判断する。判断方法はグループの大きさ(LCH色空間での広がり)によって決める。例えば、あるグループの色空間における広がりが小さいとすると、同じような色が局所的に集中していたり、あるいは各所に散在している場合がある。このような2通りの場合も含めて、便宜上、フラットカラーと呼ぶことにする。また、色空間におけるグループの広がりが大きい場合は、そのグループ内の色が徐々に変化しているような部分が存在していることを示し、そのような場合を便宜上、グラデーションと呼ぶ。このようにして、各グループがフラットカラーかグラデーションかを判断する。
【0148】
グラデーションの場合、本来は隣接している色が類似の色であって、徐々に色の変化が存在する部分であるので、位置情報を使用してないと分からないのであるが、この実施の形態においても便宜上、色空間における広がりが小さいとフラットカラー、色空間におけるグループの広がりが大きいとグラデーションと判断することとした。もちろん、他の判断方法を用いてもよい。
【0149】
この実施の形態では、格子点ごとにヒストグラムを作成しているので、グループに属する格子点の数(以下Nとする)を数えて、N=1の場合はフラットカラー、N≧2の場合はグラデーションなどの分類をする方法が考えられる。しかしこの場合は、色空間の分割の細かさによっても影響を受け、分割のしかたが細かいと、フラットカラーもグラデーションも色空間における2つ以上の分割色領域に所属することがありうる。適切に分類するため、分類のための閾値を適宜設定すればよい。
【0150】
プロファイル作成部14では、まず色再現範囲外の色情報を有する画素を基準値以上(あるいはグループの大きさなどから算出される閾値以上)含むグループを選択する。選ばれた各グループに対してSat的圧縮処理を行なう。グループがグラデーションの場合には、グループ中の色再現範囲外の部分の分布を見て、色再現範囲への圧縮方法を判断するようにする。例えば、彩度方向への広がりが大きい場合にはPer的圧縮処理を用い、色相方向への広がりが大きい場合にはSat的圧縮処理を行なうなどとすればよい。この広がりの判断基準は、色によってもかなりの違いがあると考えられるので、例えば色領域ごとに判断の閾値をデータベースの形で持っていてもよい。
【0151】
この実施の形態では、格子点ごとにヒストグラムを作成しているので、グループ内の格子点の重心、重心を中心とした場合の明度、彩度、色相方向の広がり具合(格子点何個分の広がりか等)などを求め、それらの値により分布の状況を判断して色再現範囲への圧縮手法を選択すればよい。
【0152】
このような判断により、フラットカラーはSat的圧縮処理によって色再現範囲内へ色を圧縮し、また、グラデーションの場合はSat的圧縮処理かPer的圧縮処理のいずれかを行なうことになる。以下、Sat的圧縮処理の場合、Per的圧縮処理の場合と分けて処理を行なう。そして、それぞれの圧縮処理によって色変換パラメータを求める。具体的には、ダイレクトルックアップテーブル5に格納可能な初期値が設定された色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルを予め用意しておき、これを書き換えてゆくことによって最適な色再現範囲圧縮用プロファイルを得る。
【0153】
プロファイルリンク部15における処理は、上述の第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0154】
次に、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態における動作の一例について説明する。全体の動作については、上述の第1の実施の形態における動作と同様である。色変換パラメータ作成部1内の動作が異なるのみである。図14は、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態におけるグループ作成部までの動作の一例を示すフローチャートである。図14では、各処理部とともに使用する保持部81内のデータについても示している。画像入力装置2から入力された画像データは、入力側色変換部3においてRGB→LCHへの色空間の変換処理が行なわれ、色変換パラメータ作成部1に入力される。まずS171において、ヒストグラム作成部11は、色空間上の各分割色領域ごとにその分割色領域に含まれる色情報を有する画素数を計数する。
【0155】
次に、S172において、グループ作成部13は、隣接する分割色領域を見て、頻度をもとに分割色領域をグループ化する。図15は、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態におけるグループ作成部の処理の一例の説明図である。ここでは、上述の
max(A,B)>th1 かつ min(A,B)>th3
または、
A>th2 かつ B>th2
という条件を用いてグループを作成することにする。この条件は、隣接する分割色領域の頻度がある程度あればグループ化するとともに、頻度の大きい分割色領域に隣接する頻度の小さい分割色領域もグループに含めようとするものである。
【0156】
図15(B)は、図15(A)のLCH空間の一部について破線で分割色領域を示したものである。図15(B)に示す例では、例えば黒丸1つを10画素とし、それぞれ40,30,20,10画素のカウント値を有する分割色領域を示している。ここで、th1=35,th2=20,th3=12とすると、40画素の分割色領域に隣接する30画素、20画素の分割色領域はこの条件を満たし、結合度合いが強いと判断される。また、30画素と20画素の分割色領域についても結合度合いが強いと判断される。しかし、20画素と10画素の分割色領域は上述の条件を満たさず、結合度合いが弱いと判断される。また、30画素と10画素の分割色領域についても結合度合いが弱いと判断される。図15(C)において、結合度合いが強いと判断される部分に○を、結合度合いが弱いと判断される部分に×を付して示している。このような判断によって、図15(C)に点線で囲んで示した分割色領域が1つのグループとなる。なお、上述の閾値は、例えば保持部81から判断基準値として与えられるものとする。
【0157】
このような判断を各格子点について行なえば、結合度合いが強い格子点同士が集まったグループが何個か出来上がる。また、他のいずれの格子点とも結合度合いが弱い格子点については1つのみでグループとすればよい。
【0158】
結合の手法としては上述の手法のほかにも種々存在する。この例は隣接する格子点のみを見ての判断であったが、複数の格子点の頻度を見てその頻度分布から判断をおこなう手法も適用可能である。
【0159】
図16は、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態におけるグループ判別部からプロファイル作成部の途中までの動作の一例を示すフローチャート、図17は、それ以降の動作の一例を示すフローチャートである。グループ作成部13においてグループ分けの処理が終わると、次にS173において、グループ判別部16は、各グループがグラデーションかフラットカラーかの判別を行なう。グループ判別部16は、グループに属する格子点の数Nに基づいて、N=1の場合はフラットカラー、N≧2の場合はグラデーションなどの分類を行なう。この分類に用いる閾値は、保持部81から広がり判断値として与えられるものとする。
【0160】
続いてプロファイル作成部14においてプロファイルを作成する。プロファイル作成部14では、まずS174において、色再現範囲外の色情報を有する画素を基準値以上(あるいはグループの大きさなどから算出される閾値以上)含むグループを選択する。色再現範囲外の画素数が少ない場合、その画素数がそれなりに再現されれば良いと考えられ、画像に与える影響が少ないであろうと考えられる。よって、ある基準値を用いて、色再現範囲外画素が基準値以上の場合にのみ色再現範囲圧縮処理を行なうようにしている。もちろん、すべてのグループを選択してもよい。
【0161】
グループの選択の際に、色再現範囲内か範囲外を含むかを示す色再現範囲内外フラグを付与する。色再現範囲外の色情報を基準値以上含まない、すなわちほとんどの画素が色再現範囲内のグループについては、そのグループがフラットカラーであれば色再現範囲内フラットカラーとし、そのグループがグラデーションの場合には色再現範囲内グラデーションとしてその後の処理を行なう。また、色再現範囲外の色情報を有する画素を基準値以上含むフラットカラーのグループについては、色再現範囲外フラットカラーとして、以後の処理でSat的圧縮処理を行なう。
【0162】
色再現範囲外の色情報を有する画素を基準値以上含むグラデーションのグループの場合には、グループ中の色再現範囲外の部分の分布を見て、色再現範囲への圧縮方法を判断するようにする。例えば、彩度方向への広がりが大きい場合にはPer的圧縮処理を用い、色相方向への広がりが大きい場合にはSat的圧縮処理を行なうなどとする。この広がりの判断基準は、色によってもかなりの違いがあると考えられるので、例えば色領域ごとに判断の閾値をデータベースの形で持っていてもよい。
【0163】
この実施の形態では、格子点ごとにヒストグラムを作成しているので、S175において、グループ内の格子点の重心、重心を中心とした場合の明度、彩度、色相方向の広がり具合(格子点何個分の広がりか等)などを求め、S176において、それらの値により分布の状況を判断して色再現範囲への圧縮手法を選択する。このような判断により、グラデーションの場合はSat的圧縮処理かPer的圧縮処理のいずれかを行なうことになる。
【0164】
1つのグループ内に、色再現範囲外の部分が複数に分かれて存在する場合もありうる。例えば、グループGに対してA,B2つの色再現範囲外の部分が存在するとする。この場合、グループGのAなる色再現範囲外の部分が存在するとして処理するとともに、グループGにBなる色再現範囲外の部分が存在するとしても処理を行なう。
【0165】
以下、Sat的圧縮処理の場合、Per的圧縮処理の場合と分けて処理を行なう。まず、フラットカラーに対するSat的圧縮処理について説明する。色再現範囲外であるフラットカラーに対して、S177においてマッピング先が近いグループに対する処理を行なう。この処理は、色再現範囲外の格子点を色再現範囲外郭へ張り付けた場合、他のグループとの色識別性が低下してしまう場合があり、このような色識別性の低下を防ぐために行なわれる。
【0166】
まず、色再現範囲の外郭へ張り付けを行なった場合のLCHの値を調べる。色再現範囲の外郭へ張り付けを行なった場合のLCHの値は、色再現範囲外の格子点に対してあらかじめ色再現範囲外郭へのマッピング先データを決めておいてもよいし、あるいは、その都度色再現範囲外郭へのマッピングを行なってLCH値を算出してもよい。さらには、初期設定用の色変換パラメータ(色再現範囲圧縮用初期設定プロファイル)を用い、それらの値に応じてマッピングを行なってもよい。以下の説明では、フラットカラーには格子点1点のみが属するものとし、色再現範囲外のフラットカラー(格子点1点)に対するマッピングを考えるとする。
【0167】
図18は、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態のプロファイル作成部におけるフラットカラーのSat的圧縮処理の一例の説明図である。色再現範囲外の格子点を色再現範囲の外郭へ張り付けた場合、張り付け後の格子点間の色差(例えば上述の▲1▼式で定義した色差)が、ある基準値より小さい格子点の組を捜す。これらの格子点は色の識別性が小さくなっている。これらの格子点のマッピング前の色差(例えば上述の▲1▼式で定義した色差)をE1、マッピング後の色差をE2とすれば、E2が基準値以下の場合かつE1が基準値以上の場合、すなわち色再現範囲へ圧縮前には色識別性があったのに色再現範囲への圧縮後では識別性が劣化する場合には、例えばE1/E2に比例する大きさだけ彩度が小さい格子点をさらに色再現範囲内にマッピングするようにする。
【0168】
例えば、図18(A)に示すように、格子点P1,P2が色再現範囲外に存在するとき、この格子点を色再現範囲の外郭へ張り付けたときの点をP1’,P2’とする。これらの格子点P1とP2を色再現範囲の外郭へ張り付けると、マッピング後の点P1’とP2’の色差E2は非常に小さくなる。このような場合、例えば格子点P2の方が彩度が小さいとすると、格子点P2をP2’よりもさらに色再現範囲内に押し込み、P2”にマッピングする。このようにして、マッピング前の色の識別性をなるべく劣化させないようにしている。
【0169】
もし、複数のグループ間(格子点間)で、色識別性の劣化がおこった場合には、彩度が大きいグループ(格子点)から上述の処理を繰り返して行なえばよい。
【0170】
フラットカラーに対する色識別性を保つため、S178において、色再現範囲内に存在するフラットカラーと、色再現範囲外の格子点をマッピングした後のフラットカラー間の識別性が劣化しているか否かも考える。処理は上述と全く同様である。例えば、図18(C)に示すように、マッピング前の2つの格子点P1,P2間の色差E1が基準値以上であり、マッピング後のP1’,P2’間の色差E2が基準値以下である場合、図18(D)に示すように、E2/E1に比例する大きさだけ、彩度が小さい格子点P2を彩度が小さい方向にマッピングしなおせばよい。ここで、格子点P2は色再現範囲内であり、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルによるマッピング後の色は変化しない。そのため、格子点P2は色再現範囲内でありながらプロファイルを変更し、色の変換が行なわれることになる。
【0171】
さらに格子点P2を移動したことによって他の格子点P3との色の識別性が劣化することも考えられる。その場合には、格子点P3についても移動を考える。この時の移動距離は、格子点P2の移動距離よりも小さくする。また、移動方向は、例えば、格子点P2の移動方向に動かせばよい。このようにして順次格子点を移動させてゆけばよい。移動距離を変化させることにより収束する。移動距離や方向は、格子点間の位置関係や頻度などによって変化させることも可能である。
【0172】
上述の処理は、色再現範囲外のフラットカラーどうしの色識別性を考慮し、その後に色再現範囲内のフラットカラーとの色識別性を考慮するというように2つに処理を分けて考えたが、分けて処理する必要性はなく、最初から色再現範囲内、色再現範囲外を問わず色識別性が劣化するフラットカラーの組に対して処理を行なうようにしてもよい。
【0173】
また、フラットカラーに対してはSat的圧縮処理を行なうとしたが、上述のように色識別性の劣化を防ぐために彩度が小さい色をさらにマッピングしなおすという処理を行なっている。この処理は、ある意味ではPer的圧縮処理と似ており、従来の色相や明度を保存した変換法をそのまま適用しているわけではない。
【0174】
次に、グラデーションに対するSat的圧縮処理について説明する。色再現範囲外である格子点を含むグラデーションのグループに対しても、フラットカラーと同様にS177においてマッピング先が近いグループに対する処理を行なう。グラデーションと判断されたグループは複数の格子点を含むと考え、複数の格子点に対するマッピングを考える。仮にG1,G2というグループが存在するとして考える。グループG1に含まれる格子点数がg1、グループG2に含まれる格子点数がg2とし、グループG1,G2の中で、色再現範囲外の格子点を色再現範囲の外郭にマッピングした場合、マッピング前には色識別性があったのにマッピング後には色識別性が劣化する格子点の組み合わせがm通りあるとする。その場合、例えば、m/g1,m/g2などの値が、ある閾値以上になるならば、G1とG2とも大きな範囲を占める領域が同じような色になると判断して、彩度が小さいグループの各格子点に対して、上述のフラットカラーに対するSat的圧縮処理と同様の処理を行なえばよい。
【0175】
次に、グラデーションに対するPer的圧縮処理について説明する。Per的圧縮処理の場合、色再現範囲内にまで影響が及ぶため、影響を受ける格子点数が多くなる。また、どのような範囲を対象に色再現範囲の圧縮を行なうかも問題になる。ここではまず、同一処理を行なうグループをまとめ、後述の処理を簡便にできるようにしている。
【0176】
Per的圧縮処理を行なうグループがたくさんある場合、色再現範囲の外郭へのマッピング先がほとんど同じ(または重なる範囲が大きい)グループが存在する可能性がある。Per的圧縮処理は、階調性を保持するために広い範囲に処理を及ぼすことになるので、このような場合には影響を与える範囲が近いグループをまとめて処理をする方が都合がよい。まとめて処理を行なう方が都合の良いグループをまとめて1つと考え、「関連グラデーショングループ群」と呼ぶことにする。
【0177】
図19は、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態のプロファイル作成部における関連グラデーショングループ群の一例の説明図である。図19には、関連グラデーショングループ群としてまとめるグループの例をいくつか示している。図19(A)に示す例では、グループ1とグループ2を色再現範囲の外郭へマッピングしたとき、その範囲が完全に重なる例を示している。また、図19(B)に示す例では、さらにグループ1とグループ2を、階調性を保持して圧縮した際に、グループ3と共通する部分が発生する場合を示している。これらの場合には、グループ1、グループ2、さらにはグループ3を関連グラデーショングループ群としてまとめる。
【0178】
図19(C)では、グループ4のマッピング先をハッチングで示している。この領域の外周からグレー軸の方向に向かって線を引き、その範囲内に含まれる領域を色再現範囲圧縮対象領域と呼ぶ。この色再現範囲圧縮対象領域内のグループ5は、グループ4とともに関連グラデーショングループ群を構成する。
【0179】
この第2の実施の形態では、図17のS179において上述のような関連グラデーショングループ群の作成を行なう。そして、S180において、関連グラデーショングループ群またはグループをPer的圧縮処理を行なう対象とし、各関連グラデーショングループ群またはグループごとに、圧縮の大きさを決定してプロファイルを作成する。
【0180】
図20は、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態のプロファイル作成部におけるグラデーションのPer的圧縮処理の一例における圧縮率の説明図である。図20(A)に示すように、色再現範囲の外郭からグループの重心までの距離をa、グループの彩度方向の広がりをbとした場合、色再現範囲の圧縮後の彩度方向の広がりb’を、例えば、b/(a+b)に比例した値と定める。これは、グループの色再現範囲外の度合いが大きい場合には、圧縮後の彩度方向の広がりを小さくするように作用する。ただし、圧縮後の彩度方向の広がりが広くなる場合のように、色再現範囲外の部分を含むグループが色再現範囲内に入り込む割合に制限をつけたい場合には、そのような制限をつけられるように構成してもよい。例えば、色再現範囲の70%以内には入り込まないようにしたい等といった制限を設けることができる。図20(B)では、そのまま圧縮を行なった場合には圧縮後の彩度方向の広がりが大きくなりすぎるので、b’のように制限している。
【0181】
このPer的圧縮処理では、グラデーションのグループの最大彩度部分が色再現範囲の外郭にマッピングされるようにしている。また、彩度方向の広がりbはb’となるように圧縮している。グループの最大彩度部分以外の格子点は、色再現範囲の外郭からb’の範囲内にマッピングすればよい。図20(C)に示すように、グループの最大彩度から大きさpだけ離れた距離にある格子点は、色再現範囲外郭から、さらにp×b’/bの大きさだけ色再現範囲内に押し込めるようにする。方向は色再現範囲外の分割色領域に色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルを適用した場合の変移ベクトルの平均単位ベクトルを求め、色再現範囲内の格子点に対してはその方向に圧縮すればよい。色相方向に広がりのあるグラデーションに対しては、ある色相間隔ごとに方向ベクトル(単位ベクトル)を求めればよい。
【0182】
図21は、本発明の画像処理システムの第2の実施の形態のプロファイル作成部における関連グラデーショングループ群に対するPer的圧縮処理の一例における圧縮率の説明図である。関連グラデーショングループ群に対しては、それらを包含する領域を占める1つのグループが存在するものとして、上記と同様の処理を行なう。例えば、図21(A)に楕円で示す2つのグループが関連グラデーショングループ群である場合、図21(B)に示すように1つのグループとして圧縮を行なう。これによって、図21(A)に示すように、2つのグループそれぞれが圧縮されたことになる。しかも、2つのグループの関係は保持される。
【0183】
上述のように関連グラデーショングループ群を一つのグループとして上述のような一律的な圧縮を行なうほか、関連グラデーショングループ群を構成する各グループの特徴量、例えば彩度方向の広がり、頻度の分布等を用いて圧縮率を変えてもよい。
【0184】
図17に戻り、S181において、プロファイルリンク部15では、フラットカラーから作成したLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルとグラデーションから作成したLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルを合成して色再現範囲圧縮用のLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成し、さらに、画像出力装置7用の例えばLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルと合成して、LCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成する。このプロファイルは、色再現範囲圧縮を考慮したプロファイルになっている。
【0185】
なお、フラットカラー、グラデーションと別々に作成した色再現範囲圧縮用LCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルをまとめて、LCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成するとき、色再現範囲内の格子点で、かつフラットカラー、グラデーションそれぞれの処理でデータ値が変更されたために、データ値に食い違いが出る場合がある。その場合は、どちらかを優先させる、または2つの中間値をとるなど、何らかの方法によって調整する必要がある。
【0186】
この第2の実施の形態では、グループ化した後に色再現範囲の内外判定をしている。そのために、もし入力画像に色再現範囲外の部分が存在しないならば、無駄なグループ化の処理を行なうことになる。この意味では、上述の第1の実施の形態の方が無駄な処理は少ない。しかし、この第2の実施の形態の方が分散値などの演算時間の長い処理を行なわないので、全体としての処理量及び使用メモリ量を少なくすることも可能である。なお、第1の実施の形態における各種の変形は、この第2の実施の形態においても適用可能である。
【0187】
図22は、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態を示す構成図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。9は色変換パラメータ作成部、10はセレクタ、51〜5Nはダイレクトルックアップテーブル、91は位置空間分割部、92はヒストグラム作成部、93は色領域判別部、94はグループ作成部、95はグループ合成部、96はプロファイル・マスク作成部、97はプロファイルリンク部である。この第3の実施の形態は、上述の第1の実施の形態において、画像の位置情報をさらに用いるようにした例である。
【0188】
システムの全体構成及び全体の動作の概要は上述の第1の実施の形態とほぼ同じである。色変換パラメータ作成部9は第1の実施の形態の色変換パラメータ作成部1に相当する。この第3の実施の形態では、ダイレクトルックアップテーブルを複数有している。セレクタ10は、入力側色変換部3で色空間の変換が行なわれた画像を保持する機能を有している。そして、保持している画像のxy位置空間における位置領域ごとに画像を出力するダイレクトルックアップテーブルを切り換える。これにより、画像のxy位置空間における位置に応じた色変換処理が可能となる。例えば、画像の一部にグラデーション部分があり、また、平坦なフラットカラー部が存在する場合、グラデーション部分の画像についてはその部分のグラデーションに適したプロファイルを用いて変換し、フラットカラー部はその部分に応じたプロファイルによって変換を行なう。そのため、画像のxy位置空間上の位置が異なれば、同じ色が使用されていても別のプロファイルを使用可能である。
【0189】
色変換パラメータ作成部9は、画像のxy位置空間を分割し、ある位置領域ごとに色変換パラメータを作成する。それぞれの位置領域ごとに作成した色変換パラメータを、それぞれダイレクトルックアップテーブル51〜5Nにセットする。
【0190】
色変換パラメータ作成部9は、位置空間分割部91、ヒストグラム作成部92、色領域判別部93、グループ作成部94、グループ合成部95、プロファイル・マスク作成部96、プロファイルリンク部97を有している。ヒストグラム作成部92、色領域判別部93、グループ作成部94、プロファイル・マスク作成部96、プロファイルリンク部97は、それぞれ、上述の第1の実施の形態におけるヒストグラム作成部11、領域判別部12、グループ作成部13、プロファイル作成部14、プロファイルリンク部15と対応する。これらの各部については、相違点のみ説明する。
【0191】
位置空間分割部91は、入力画像のxy位置空間を分割する。分割されたxy位置空間の部分空間を分割位置領域と呼ぶ。xy位置空間の分割は、まず初期方法によって分割後、色の平均値と分散値を求める。分散値が閾値以下の場合には分割位置領域内はほぼ同一色であると考えられるので、その分割位置領域の色を平均値で代表させる。分散値が閾値よりも大きい場合には、その分割位置領域では色の変化が激しい部分であるので、さらに分割を行なう。細分後は同様に色の平均値と分散値を求める。すべての分割位置領域において分散値が閾値以下となるまで、分散値が閾値より大きい分割位置領域の分割を行なう。このようにしてすべての分割位置領域について、その分散値を閾値以下とし、それぞれの分割位置領域の代表色を平均値とする。また、各分割位置領域はそれぞれxy位置情報を有するものとする。もちろん、初期方法による分割のみとしたり、各1画素を分割位置領域とすることも可能である。
【0192】
ヒストグラム作成部92は、L* ,C* ,H゜,x,yの5次元空間でのヒストグラムをとる。実際の処理系でヒストグラムを作成することを考えれば、LCH空間を分割し、分割された分割色領域内でxy位置情報ごとにヒストグラムをとる。または、xy位置空間における分割位置領域内でLCHヒストグラムを作成する。ここでは一例として、LCH空間を分割し、分割された分割色領域内でxy位置情報ごとにヒストグラムをとる前者の方法を用いることにする。
【0193】
色領域判別部93およびグループ作成部94は、上述の第1の実施の形態における領域判別部12、グループ作成部13と同様である。グループ作成部94で作成する色空間上のグループは、xy位置空間上のグループと区別するため、以下の説明では色グループと呼ぶことにする。
【0194】
グループ合成部95は、各色グループごとにxy位置空間上の分布を調べ、隣接する分割位置領域の頻度が閾値以上の場合に分割位置領域をグループ化する。この分割位置領域のグループを位置グループと呼ぶ。そして、逆に位置グループがどのような色を含むかを調べ、位置グループに対応した分割色領域を新たな色グループとして定義し直す。このとき、含まれる分割色領域が完全に同一である色グループが複数できる可能性がある。この場合、それらの色グループをまとめて1つの色グループとするとともに、位置グループをまとめて1つにする。また、上記の方法で再色グループ化する場合、1つの色グループ内に隣接しない分割色領域が存在する場合も出てくる。この場合、さらに色グループを分ける方法も考えられるが、この実施の形態では隣接しない分割色領域を含んでいる場合も1つの色グループとして認識するものとする。このようにして位置グループと色グループを対応づけ、L* ,C* ,H゜,x,yの5次元空間でのグループ化を行なうことができる。
【0195】
プロファイル・マスク作成部96は、対応する色グループ、位置グループごとに、ダイレクトルックアップテーブルに設定するプロファイルを作成する。プロファイルの作成は、上述の第1の実施の形態と同様、フラットカラーかグラデーションかに応じてそれぞれの処理を行なう。また、そのプロファイルを使用するxy位置空間上の領域を示す位置マスクも、位置グループに応じて作成する。
【0196】
プロファイルリンク部97は、上述の第1の実施の形態と同様、プロファイル・マスク作成部96で作成されたプロファイルと、画像出力装置7に出力するためのプロファイルを合成する。プロファイル・マスク作成部96では、複数のプロファイルが作成されるので、作成されたプロファイルごとに合成を行なう。また、各プロファイルと位置マスクを対応させて保持部82に保持させる。
【0197】
次に、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態における動作の一例について説明する。全体の動作は、上述の第1の実施の形態とほぼ同様である。画像入力装置2で画像が読み取られ、得られた入力画像データは、入力側色変換部3でRGB空間からLCH空間に変換される。LCH信号は色変換パラメータ作成部9に入力されるとともに、セレクタ10に保持される。
【0198】
色変換パラメータ作成部9で入力画像データから、色再現範囲外の色に対する処理を含む色変換パラメータをxy位置領域ごとに作成するとともに、その色変換パラメータを適用するxy位置領域を示す位置マスクを作成する。作成した色変換パラメータをダイレクトルックアップテーブル51〜5Nにセットする。
【0199】
LCH画像をCMYK画像に変換する処理は、処理する画素の位置に応じてマスク情報を参照し、使用する色変換パラメータが設定されているダイレクトルックアップテーブルをセレクタ10で選択する。使用するパラメータの種類がメモリの数より大きい場合には、パラメータの読みかえなどの処理を行なって選択する。画素の値に応じて、選択されたダイレクトルックアップテーブル51〜5Nのいずれかから複数のテーブル値を読み取り、補間器6により補間を行ない、CMYK信号を画像出力装置7へ送信する。これにより画像出力装置7から画像が出力される。
【0200】
図23は、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態における色変換パラメータ作成部9の動作の一例の説明図である。図23では、各処理部とともに使用する保持部81内のデータについても示している。
【0201】
画像入力装置2から入力された画像データは、入力側色変換部3においてRGB→LCHへの色空間の変換処理が行なわれ、色変換パラメータ作成部1に入力される。まず、位置空間分割部91において、xy位置空間における分割を行なう。図24は、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態における位置空間分割部91の動作の一例を示すフローチャートである。まず、S191において、初期設定方法を用いて入力画像をxy位置空間で分割する。初期設定方法としては、例えば、x方向に50画素、y方向に50画素ずつに分割するなどとすればよい。分割した各領域を分割位置領域とする。
【0202】
S192において、各分割位置領域ごとに色の平均値LCHave および分散{σL,σC,σH}を求める。S193において分散値を閾値と比較する。すなわち、閾値を{th1,th2,th3}とするとき、σL≦th1かつσC≦th2かつσH≦th3であるか否かを判定する。分散値が閾値以下でない場合には、S194においてその分割位置領域を細分割し、S192以降の処理を細分割した各分割位置領域ごとに行なう。
【0203】
分散値が閾値以下の場合には、その分割位置領域の色の変化は少ないので、それ以上の分割は行なわない。S195においてすべての分割位置領域について処理が終了したか否かを判定し、未処理の分割位置領域が残っている場合にはその分割位置領域についての処理を行なうべくS192へ戻る。すべての分割位置領域について分散値が閾値以下となった時点で処理は終了する。このとき、各分割位置領域ごとに、S192で計算した色の平均値LCHave をその分割位置領域の代表色とする。
【0204】
図25は、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態における位置空間分割部の動作の一例の説明図である。上述のフローチャートを、具体例を用いて説明する。いま、図25(A)に示すような画像が入力されたものとする。図示の都合上、色の変化している部分にハッチングを施して示している。また、図25(A)において縦横の線がS191において行なった初期設定方法による分割線である。この縦横の線で区切られた各領域が初期設定方法で分割された分割位置領域である。各分割位置領域において、色の平均値と分散値を求め、閾値と比較する。ここでは、図25(A)に示したハッチング部分の色が大きく変化しているので、図25(B)にハッチングで示した分割位置領域の分散値が閾値以下とはならない。そのため、この分割位置領域については、図25(C)に示すように細分割し、それぞれの分割位置領域において色の平均値と分散値を求める。このようにして、すべての分割位置領域において色の分散値が閾値以下となるように細分割を繰り返す。すべての分割位置領域の色の分散値が閾値以下となったところで分割をやめる。各分割位置領域は、その分割位置領域を特定するためのxy位置情報と、代表色として色の平均値を持つ。
【0205】
図23に戻り、ヒストグラム作成部92は、分割情報を用いて色空間を分割し、各分割色領域ごとにその分割色領域に含まれる色情報を有する画素数を、分割位置領域ごとに計数する。そのため、各分割色領域ごとに、分割位置領域の情報であるxy位置情報とそれぞれのカウント値を保持することになる。なお、分割色領域の分割方法は、上述の第1の実施の形態と同様である。
【0206】
次に色領域判別部93において、各分割色領域の判別処理を行なう。そして、グラデーションの領域であると判定された分割色領域について、グループ作成部94において色グループを作成する。これらの分割色領域の判別処理及び色グループの作成処理は、上述の第1の実施の形態と同様であり、それぞれ図4、図5に示すフローチャートに従った処理が行なわれる。
【0207】
図26は、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態におけるグループ合成部の動作の一例を示すフローチャートである。S201において、未処理の色グループを1つ指定する。その色グループがxy位置空間のどこに分布しているかを調べるため、S202において、指定した色グループに属するすべての分割色領域について、分割位置領域ごとのヒストグラムを取得する。このヒストグラムはヒストグラム作成部92において作成されている。S203において、取得したヒストグラムからすべての分割位置領域で頻度が基準値以下か否かを判定する。すべての分割位置領域で頻度が基準値以下の場合には、その色グループは散在している色であるため、グラデーションとしての処理は必要ないと判断する。そのため、S204において色グループとしてのグループ化を解除する。
【0208】
1以上の分割位置領域で頻度が基準値を上回っていれば、その分割位置領域ではグラデーションとしての処理が必要である可能性がある。S205において、頻度が基準値を上回っている分割位置領域について、xy位置空間上で隣接しているものをグループ化し、位置グループを作成する。ここでいう隣接とは、上下、左右、斜め方向に隣り合っているものをいう。
【0209】
この位置グループは、1つの色グループについて複数作成されることもある。S206において1つの色グループについて1つの位置グループが作成されたか否かを判定する。1つのみである場合には、S207において位置グループと色グループとを対応づける。
【0210】
1つの色グループについて複数の位置グループが作成された場合には、S208において各位置グループについて再色グループ化の処理を行なう。すなわち、各位置グループがどのような色を含むかを調べ、各位置グループごとに含んでいる色に対応する分割色領域を調べ、グループ化する。このとき、位置空間分割部91において各分割位置領域ごとに代表色を選定しているので、位置グループを構成する各分割位置領域ごとにこの代表色がどの分割色領域に含まれるかを調べればよい。位置グループを構成する分割位置領域ごとに得られた分割色領域を新たな色グループとして定義し直す。そして、S209において新たな色グループについて、色グループの分散値等を計算する。
【0211】
新たな色グループをそれぞれの位置グループで作成した後、さらにS210において、すべての色グループのうちで同じ分割色領域をメンバとする色グループを求め、同じ分割色領域をメンバとする色グループを1つにまとめるとともに、対応する位置グループをまとめて1つにする。この処理は以降の処理を効率的に行なうための処理であり、この処理を行なわなくても構成可能である。
【0212】
S211において、すべての色グループに対して処理が終了したか否かを判定し、未処理の色グループが残っている場合にはその色グループについての処理を行なうべく、S201へ戻る。すべての色グループについての処理が終了すると、色グループと位置グループの対応がとれる。
【0213】
図27は、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態におけるグループ合成部の動作の一例の説明図である。図26に示したグループ合成部の動作の一例をさらに説明する。いま、図27(A)に示すように、分割色領域α〜δが1つの色グループにまとめられているとする。図27(A)における各立方体が1つの分割色領域を示している。
【0214】
この色グループに属する分割色領域について、分割位置領域ごとに画素数をカウントしたヒストグラムを取得する。そして、頻度が基準値以上の分割位置領域が存在する場合に、隣接する分割位置領域を連結して位置グループを作成する。このとき、例えば、図27(B)にハッチングを施して示すように、図27(B)に示した色グループに対応する位置グループが1つの場合と、図27(C)に示すように、不連続な位置に散在する複数の位置グループに分かれる場合がある。図27(B)に示すように1つの位置グループのみが作成された場合には、色グループと位置グループとの対応がとれるので、その色グループについての処理を終了する。
【0215】
また、図27(C)に破線の楕円で示すように複数の位置グループが作成される場合には、再色グループ化の処理を行なう。図27(C)では、ハッチングを施している分割位置領域a〜eが1つの色グループに含まれているものとする。隣接する分割位置領域を連結して位置グループを作成すると、これらの分割色領域は破線の楕円で示すように3つの位置グループにまとめることができる。各位置グループに含まれる各分割位置領域ごとに、代表色がどの分割色領域に含まれるかを調べる。図27(C)において、ハッチングを分けて示したように、分割位置領域a,b,dの代表色が同じ分割色領域に含まれ、含まれる分割色領域をβとする。また、分割色領域c,eの代表色は同じ分割色領域に含まれ、含まれる分割色領域をγとする。
【0216】
分割位置領域a,b,cからなる位置グループにおいては、分割位置領域a,cの代表色が分割色領域βに含まれ、分割位置領域bの代表色が分割色領域γに含まれるので、分割色領域βとγを1つの色グループとする。分割位置領域dからなる位置グループにおいては、その代表色が分割色領域γに含まれるので、分割色領域γを1つの色グループとする。さらに、分割位置領域eからなる位置グループも、その代表色が分割色領域γに含まれるので、分割色領域γを1つの色グループとする。このようにして、それぞれの位置グループについて対応する色グループが求められる。このようにして求められた色グループについて、それぞれ分散ベクトルが算出される。
【0217】
ここで、分割位置領域dと分割位置領域eに対応する色グループはともに分割色領域γのみを要素とするグループである。そのため、これらを1つの色グループにおよび位置グループにまとめる。これにより、分割色領域γからなる色グループと、分割位置領域d,eからなる位置グループとが対応づけられる。
【0218】
図23に戻り、プロファイル・マスク作成部96は、フラットカラーとグラデーションに分け、グラデーションでは各位置グループごとに、プロファイルを作成する。また、そのプロファイルを適用するxy位置空間上の領域を示すマスク情報も作成する。フラットカラーに対するプロファイルの作成処理は、上述の第1の実施の形態と同様であり、例えば、図7に示すフローチャートに従って作成することができる。このとき、フラットカラーに対応するプロファイルを適用するxy位置座標空間上の領域を示すマスク情報を作成することもできる。このマスク情報は、フラットカラーであると判定された分割色領域に対応する分割位置領域を連結することによって作成できるが、グラデーションに対してマスク情報を用意する場合、それらのマスク情報の適用範囲外の部分にフラットカラー用のプロファイルを適用するならばフラットカラー用のマスク情報を特別作る必要はない。
【0219】
グラデーションのプロファイルは、各位置グループごとに作成する。そのため、図9に示した上述の第1の実施の形態におけるグラデーションに対するプロファイル作成処理の一部が変更される。図28は、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態のプロファイル・マスク作成部におけるグラデーションに対するプロファイル作成処理の一例を示すフローチャートである。図中、図9と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。この第3の実施の形態では、S221,S222の処理が追加されている。
【0220】
S142において色グループが選択されると、その色グループ用の色再現範囲圧縮用プロファイルをセットする。このプロファイルとしては、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルを利用すればよい。そして、S143において、選択した色グループに属する分割色領域のマッピング先を変更する。変更されたプロファイルは、S222において、色グループ、位置グループと対応づけられる。
【0221】
このような処理を各色グループごとに行なうことによって、色グループの個数だけのプロファイルが作成され、色グループ、位置グループと対応づけられる。また、各位置グループに属する分割位置領域のxy位置情報に従い、それらの分割位置領域を含むxy位置空間上の領域を処理領域とするためのマスク情報を作成する。このマスク情報も色グループ、位置グループ、プロファイルと対応づけられる。
【0222】
なお、マスク情報は各プロファイルごとに作成するほか、どのプロファイルかを示す例えば数値を各分割位置領域ごとに保持するような1つのマスク情報にまとめてもよい。
【0223】
図29は、本発明の画像処理システムの第3の実施の形態におけるプロファイルリンク部の動作の一例を示すフローチャートである。プロファイルリンク部97では、フラットカラーから作成したLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルとグラデーションから作成した複数のLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルに対し、それぞれ、S231あるいはS232において、画像出力装置7用の例えばLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルと合成して、LCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成する。このLCHプロファイルは、色再現範囲圧縮を考慮したプロファイルになっている。
【0224】
このようにして作成されたフラットカラー用の1つのLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルと、グラデーション用の複数のLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルは、保持部82に保持され、ダイレクトルックアップテーブル51〜5Nに設定される。また、各LCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルに対応するマスク情報も保持部82に保持され、セレクタ10に送られる。セレクタ10は、マスク情報に従い、画素を入力するダイレクトルックアップテーブルを選択し、その画素の色情報を送出する。ダイレクトルックアップテーブル51〜5Nのいずれかから得られる複数のテーブル値を補間器6で補間し、画像出力装置7へ送り、画像が形成される。
【0225】
図30は、本発明の画像処理システムの第4の実施の形態を示すブロック図である。図中、図22と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。98はグループ判別部、99はプロファイル・マスク合成部である。この第4の実施の形態では、上述の第3の実施の形態においてフラットカラーかグラデーションかの判定を、グループを作成した後に行なう例を示している。また、上述の第2の実施の形態において、上述の第3の実施の形態と同様にxy位置情報を用いる例を示している。
【0226】
この第4の実施の形態における色変換パラメータ作成部9は、ヒストグラム作成部92、グループ作成部94、グループ判別部98、プロファイル・マスク作成部96、プロファイル・マスク合成部99、プロファイルリンク部97を有している。
【0227】
この第4の実施の形態では、入力画像は上述の第3の実施の形態における初期方法によってのみ分割する。そのため、改めて位置空間分割部91を設けていないが、ヒストグラム作成部92で分割情報に従って分割位置領域へのxy位置空間の分割を行なう。ヒストグラム作成部92は、色空間の分割も行ない、各分割色領域ごとに、分割位置空間ごとにヒストグラムを作成する。
【0228】
グループ作成部94は、色空間及びxy位置空間ともに隣接するものを結合してグループ化する。L* ,C* ,H゜,x,yの5次元で考えることになるが、上述の第3の実施の形態と同様、LCH色空間とxy位置空間とで分けて考える。色空間についてのグループ化するか否かの判断は、上述の第2の実施の形態と同様、各分割色領域の頻度に応じて行なう。また、xy位置空間についてのグループ化も同様の判断基準により判定できる。ここでは説明のため、色空間における分割色領域をグループ化したものを色グループとし、xy位置空間における分割位置領域をグループ化したものを位置グループとする。ここで、色グループと位置グループは1対1に対応するものとする。
【0229】
このようなグループ化の処理によって、同じ分割色領域に対応する分割位置領域であっても別の位置グループに属する場合があり、このような場合には1つの分割色領域が複数の色グループに含まれることになる。逆に1つの分割位置領域に異なる類似色でない複数の分割色領域に含まれる色が存在する場合、この分割位置領域は複数の位置グループに含まれることになる。1つの分割位置領域に複数の分割色領域あるいは複数の色グループが対応する場合には、実際の色変換処理で不都合を生じる場合が出る可能性が高い。そのような懸念に対しては、位置グループの分割の細かさを最初から小さくしておくか、あるいは1つの分割位置領域に複数の分割色領域または色グループが対応する分割位置領域をさらに細分割するなどの方法が考えられる。
【0230】
グループ判別部98は、各色グループについて、フラットカラーかグラデーションかを判別する。判別方法は、上述の第2の実施の形態と同様に、色グループに含まれる分割色領域の数によって判別することができる。あるいは、xy位置空間上での広がりをも考慮するように構成することができる。例えば、xy位置空間での広がりが小さければフラットカラー、大きければグラデーションといった判断を行なうことも考えられないわけではない。
【0231】
グループ合成部95は、色グループが重なる場合に、それらのグループをまとめて1つのグループとする。グループ作成部94では、色は似ているがxy位置が違うという場合に別グループと判断しているため、同じ色であっても違う色グループとなる場合が発生する。このような場合、LCH色空間で色グループの分布を見れば、色グループが同じ場所に重なって存在することがわかるので、これらの色グループを合成する。これに応じて、対応する位置グループも合成する。まとめたグループに対し、フラットカラーに対しては有効フラットカラーグループ、グラデーションに対しては有効グラデーショングループと呼ぶことにする。グループをまとめることにより、同じようなグループに対して似たような処理が繰り返されるのを防ぐことができる。
【0232】
プロファイル・マスク作成部96では、上述の第2の実施の形態におけるプロファイル作成部14と同様にしてフラットカラーとグラデーションとに分けてプロファイルを作成するとともに、マスク情報を作成する。また、グラデーションに対応するプロファイルは、それぞれの色グループに対応した別々のプロファイルを作成する。
【0233】
プロファイル・マスク合成部99では、フラットカラー用のプロファイルとグラデーション用のプロファイルを合成する。このとき、同一色(同一格子点)に対するフラットカラー用のプロファイルとグラデーション用のプロファイルのテーブル値が違う場合には、グラデーション用のプロファイルはマスク情報とともにフラットカラーのプロファイルとは別のプロファイルとして持つ。もし、フラットカラー用のプロファイルとグラデーション用のプロファイルのテーブル値がそれほど違わなければ、フラットカラー用のプロファイルとグラデーション用のプロファイルを分ける必要がないので合成する。この段階で、最終的に必要な色再現範囲圧縮用LCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルが1または複数(複数の場合はマスク情報を含む)決定される。
【0234】
プロファイルリンク部97は、プロファイル・マスク合成部99で合成した色再現範囲圧縮用LCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルと、画像出力装置7用の例えばLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルと合成して、LCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成する。
【0235】
次に、本発明の画像処理システムの第4の実施の形態における動作の一例について説明する。図31は、本発明の画像処理システムの第4の実施の形態におけるヒストグラム作成部およびグループ作成部の処理の一例を示すフローチャートである。画像入力装置2から入力された画像データは、入力側色変換部3においてRGB→LCHへの色空間の変換処理が行なわれ、色変換パラメータ作成部9に入力される。まずS241において、ヒストグラム作成部92は、色空間を分割し、分割された各分割色領域ごとに、その分割色領域に含まれる色情報を有する画素数を分割位置領域ごとに計数する。
【0236】
次にグループ作成部94において、分割色領域及び分割位置領域が近いものを集めてグループ化する。S242において、各分割色領域において、分割位置領域に対するヒストグラムをもとに、上下、左右、斜めに隣接する分割位置領域を位置グループとしてまとめる。
【0237】
どのような条件によってグループ化していくかは、種々の方法を用いることができる。例えば、上述の第2の実施の形態と同様に、閾値th1〜th3(th1>th2>th3)を定めて、隣接する分割色領域あるいは分割位置領域での頻度をA,Bとしたとき
max(A,B)>th1かつmin(A,B)>th3
A>th2かつB>th2
の両式のうち、どちらか一方を満足すれば結合度合いが強いと判断して1つのグループにまとめる。ここで、max(A,B)はA,Bのうち大きいほうを示し、min(A,B)はA,Bのうち小さいほうを示す。このような判断を各領域について行なえば、結合度合いが強い領域同士が集まったグループが何個か出来上がる。この例は隣接する領域のみを見て判断したが、複数の領域の頻度を見て、その頻度分布をみて、何らかの判断のものと分けていく、という手法もある。
【0238】
次に、S243において、隣接する分割色領域間で位置グループ同士を結合する。この場合、位置グループが重なる(共通の分割位置領域を持つ)、あるいは隣接する場合に位置グループを連結し拡大する方法など、いろいろ方法がある。色が近いか否かは、上述の第2の実施の形態と同様、色グループに含まれる分割色領域の数等によって判断することができる。
【0239】
図32は、本発明の画像処理システムの第4の実施の形態におけるグループ判別部からプロファイル・マスク作成部の途中までの処理の一例を示すフローチャートである。S244において、グループ判別部98は、各色グループについてフラットカラーかグラデーションかを判別する。方法としては、例えば、色グループに属する分割色領域の数を数えて、1の場合はフラットカラー、2以上の場合はグラデーションなどと分類すればよい。
【0240】
次にグループ合成部95は、後の処理を簡単にするために、グループをまとめる。例えば、同色で位置が違うフラットカラーは別の色グループとなる。しかし、フラットカラーに対しては、位置情報の違いによって色再現性を変える必要性が小さいと判断されるため、このようなグループはS245において、有効フラットカラーグループとして1つにまとめる。また、S246において、同様の処理をグラデーションに対して行なって有効グラデーショングループを作成する。例えば、同じような色で、位置が違う色グループでは、同じ色変換を用いて問題ないからである。
【0241】
プロファイル・マスク作成部96は、まずS247において、色グループの中から色再現範囲外の画素を含む色グループを選び出し、それぞれの処理を行なう。なお、色再現範囲外の画素数が少ない場合、その画素数がそれなりに再現されれば良く、画像に与える影響が少ないであろうと考えられる。よって、ある基準値を用いて、色再現範囲外の画素数が基準値以上の場合にのみ色再現範囲の圧縮処理を行なうようにしてもよい。
【0242】
フラットカラーについては、色再現範囲外と判断されたグループに対してはSat的色再現範囲圧縮を実施するものとする。色再現範囲外の画素を含むグラデーションと判断されたグループに対しては、次以降のステップで色再現範囲圧縮方法を決定する。なお、1つの色グループ内に、色再現範囲外部分が複数に分かれて存在する場合もありうる。例えば、色グループGにたいしてA,B2つの色再現範囲外部分が存在するとする。この場合、色グループGのAなる色再現範囲外部分が存在するとしたときの処理と、色グループGにBなる色再現範囲外部分が存在するとしたときの処理を行なう。
【0243】
色再現範囲外の分割色領域を含むグラデーションと判断されたグループについては、S248において色再現範囲外の分割色領域群がどのような分布をしているかを示す特徴量を計算する。具体的には、色再現範囲外の分割色領域群のL,C,H方向の分散を求める、あるいは分割色領域何個分の広がりかを調べる等、広がり具合を求め、S249においてそれらの値により分布の状況を判断して、グラデーションに対するSat的圧縮処理またはPer的圧縮処理のいずれかを選択する。
【0244】
分布状況を判断する場合、色によってその判断基準を変えたい場合もありうるであろう。そのような場合には、広がり判断データのような、色に応じた基準値を含めたようなデータを保持部81に保持させておき、特徴量の計算の際に用いてもよい。
【0245】
上述のようにして、プロファイル・マスク作成部96における前半の処理によって色再現範囲内のフラットカラーとグラデーション、色再現範囲外のフラットカラーとグラデーションに分類され、色再現範囲外のグラデーションについてはさらにSat的圧縮処理を行なうグループとPer的圧縮処理を行なうグループに分類できた。
【0246】
図33は、本発明の画像処理システムの第4の実施の形態におけるプロファイル・マスク作成部の途中から最後までの処理の一例を示すフローチャートである。まずSat的圧縮処理について説明する。このSat的圧縮処理は上述の第2の実施の形態と同様である。S250,S251の処理は、図17におけるS177,S178の処理と同じである。
【0247】
次にPer的圧縮処理について説明する。このPer的圧縮処理も上述の第2の実施の形態とほぼ同様であり、S252,S254は図17のS179,S180に対応している。S252において、関連グラデーショングループ群を作成する。ここで作成した関連グラデーショングループ群が、実際にPer的圧縮処理を行なう対象になる。この段階まで、グラデーションに対しては位置情報を保持している。これは同じ色であっても、Sat的処理、Per的処理の両方の処理をうける色が存在する場合を考えてのことである。S253では、本当に位置情報が必要な関連グラデーショングループ群が存在するか否かを調べる。
【0248】
方法としては、Sat的圧縮処理で影響がおよぶ分割色領域と、Per的圧縮処理で影響がおよぶ分割色領域が重なるか否かで判断すればよい。基本的には、分割色領域が重なる場合には、Per的圧縮処理は、後の色変換時にマスク情報を用いて処理を行なうため、別のプロファイルを持つようにすればよい。重なる分割色領域の割合がある閾値以下の場合には、分割色領域が重ならないとしてマスク情報を捨ててもよい。このように、マスク情報が必要なグループと不要なグループに分類し、マスク情報が不要のグループに対しては、位置情報を消去してもよい。
【0249】
S254では、関連グラデーショングループ群またはグループをPer的圧縮処理を行なう対象とし、各関連グラデーショングループ群またはグループごとに、圧縮の大きさを決定してプロファイルを作成する。このとき、S253でマスク情報を使用するとされた関連グラデーショングループ群またはグループについては、それぞれ別のプロファイルを作成する。また、マスク情報が必要ないとされた関連グラデーショングループ群またはグループについては、1つのプロファイルにまとめられる。
【0250】
このようにして、フラットカラーおよびSat的圧縮処理が可能なグラデーションについてはフラットカラー用のプロファイルを作成し、Per的圧縮処理を行なうグラデーションについてはマスク情報を用いないグラデーション用のプロファイルとマスク情報を用いる1以上のグラデーション用のプロファイルが作成される。
【0251】
なお、マスク情報を用いる場合、複数のプロファイルのすべてを持つ必要はない。マスク無しプロファイルの差分として必要な部分だけ持つように構成してもよい。
【0252】
図34は、本発明の画像処理システムの第4の実施の形態におけるプロファイル・マスク合成部からプロファイルリンク部までの処理の一例を示すフローチャートである。プロファイル・マスク合成部99では、S255において、Sat的圧縮処理で作成したフラットカラー用のダイレクトルックアップテーブルプロファイルと、Per的圧縮処理で作成したマスク情報を用いないグラデーション用のダイレクトルックアップテーブルプロファイルは重なる部分が無いので、これらを合成して1つにまとめる。
【0253】
さらに、合成したダイレクトルックアップテーブルプロファイルとマスク情報を有するグラデーション用のダイレクトルックアップテーブルプロファイルの合成を試みる。すなわち、マスク情報が必要なグラデーション用のダイレクトルックアップテーブルプロファイルに対し、本当にマスク情報が必要かの判断を行なう。例えば、S253でマスク情報が必要とされたけれども、実際に出来上がったダイレクトルックアップテーブルプロファイルを比較した場合、マスク情報無しのダイレクトルックアップテーブルプロファイルとほとんど変わらない場合もありうる。そのような場合にはダイレクトルックアップテーブルプロファイルをまとめて、マスク情報を消去する。
【0254】
S257において、S256でマスク情報が必要であると判定されたグラデーション用のダイレクトルックアップテーブルプロファイルについて、対応するマスク情報からビットマップ形式のマスクデータを作成する。あるいは、複数のマスク情報をもとに、いずれのダイレクトルックアップテーブルプロファイルを用いるかを選択する例えば数値情報を画素ごとに作成したマスクデータを作成する。
【0255】
このようにして、マスクデータの必要がないダイレクトルックアップテーブルプロファイルと、マスクデータが必要なグラデーション用のダイレクトルックアップテーブルプロファイルが作成される。マスクデータが必要なグラデーション用のダイレクトルックアップテーブルプロファイルは複数作成されることがある。
【0256】
プロファイル・マスク合成部99で作成されたマスクデータの必要がないダイレクトルックアップテーブルプロファイルと、マスクデータが必要なグラデーション用のダイレクトルックアップテーブルプロファイルは、S258において、プロファイルリンク部97で画像出力装置7の色空間に応じた色変換を行なうためのプロファイルと合成される。例えば、プロファイル・マスク合成部99でLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成し、画像出力装置7ではCMYK色空間を用いるとすれば、画像出力装置7用に保持されている色空間の変換のためのLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルと、プロファイル・マスク合成部99で作成したLCH→LCHダイレクトルックアップテーブルプロファイルとを合成して、色再現範囲圧縮処理を含むLCH→CMYKダイレクトルックアップテーブルプロファイルを作成する。このような画像出力装置7用のプロファイルとの合成は、プロファイル・マスク合成部99から複数のプロファイルが出力される場合には、それぞれのプロファイルに対して行なわれる。
【0257】
このようにして、合成された1以上のプロファイルは、ダイレクトルックアップテーブル51〜5Nに設定される。また、マスクデータがセレクタ10に入力され、マスクデータに従ってダイレクトルックアップテーブル51〜5Nのいずれかを選択して、入力画像データを選択したダイレクトルックアップテーブルに入力する。これにより、入力画像データに対して色再現範囲の圧縮処理を施し、さらに画像出力装置7用の色空間に変換された色情報が取り出されることになる。
【0258】
図35は、本発明の画像処理システムの第5の実施の形態を示す構成図である。図中、図22と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。901はクラスタ作成部、902はクラスタ解析部である。この第5の実施の形態は、上述の第3の実施の形態と同様に色情報とともに位置情報を用いてグループ分けを行なうが、ここでは画素単位に画素値を用いて位置グループを構成する。これによって、より適応的なグループを作成可能にしている。第3の実施の形態における分割位置領域と区別するため、ここでは画素単位の位置グループをクラスタと呼ぶことにする。
【0259】
システム全体の構成および全体の動作の概要は、第3の実施の形態とほぼ同じである。この第5の実施の形態における色変換パラメータ作成部100は、クラスタ作成部901、クラスタ解析部902、プロファイル・マスク作成部96、プロファイルリンク部97を有している。
【0260】
クラスタ作成部901は、入力画像から類似する特徴を持つ画素から構成される画像空間におけるクラスタを抽出する。クラスタ解析部902は、クラスタ作成部901で抽出されたクラスタごとにそのクラスタ内の色分布を認識して色グループを生成する。プロファイル・マスク作成部96は、クラスタ作成部901で抽出されたクラスタごとにクラスタ解析部902で生成した色グループに基づいてダイレクトルックアップテーブル51〜5Nに設定するプロファイルを作成する。プロファイルリンク作成部97は、プロファイル・マスク作成部96で作成されたプロファイルと、画像出力装置7に出力するためのプロファイルと合成して、各クラスタごとに新たなプロファイルを作成する。
【0261】
図36は、本発明の画像処理システムの第5の実施の形態における色変換パラメータ作成部100の動作の一例の説明図である。図36では、各処理部とともに使用する保持部81内のデータについても示している。
【0262】
画像入力装置2から入力された画像データは、入力側色変換部3においてRGB色空間からLCH色空間への変換処理が行なわれ、色変換パラメータ作成部100に入力される。ここでは、RGB色空間からLCH色空間へ変換したため、以下で用いる画像データおよび画素値はL,C,Hの3つの要素から構成される。
【0263】
クラスタ作成部901は、類似する特徴を持つ画素の集合をクラスタとして抽出する。ここで用いる特徴は、色空間における各座標値(L,C,H)と位置空間における各座標値(X,Y)の5つである。本発明では使用する特徴をこれらの5つ(L,C,H,X,Y)に限定するものではなく、これらの特徴は色に関する特徴を含んでいればどのような特徴をいくつ用いてもよい。
【0264】
この類似する特徴を持つ画素集合を抽出する処理は、クラスタリングにより実現できる。例えば、画像解析ハンドブック(東京大学出版会)p.648−651に示されている非階層的クラスタリング、いわゆるK−mean法を用いることができる。ここでは、K−mean法を用いた例について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、画像平面上において類似する特徴を持つ画素の集合を抽出できる方法であれば、どんな方法を用いても良い。
【0265】
図37は、本発明の画像処理システムの第5の実施の形態におけるクラスタ作成部901の動作の一例を示すフローチャートである。まず、S301では、初期クラスタを生成する。ここでは、あらかじめ保持部81に登録されている初期分割情報を用いて、初期クラスタを生成する。例えば、1辺が10画素の正方形の初期クラスタを生成することができる。初期クラスタを生成した際に、画素の再配置に用いるクラスタ中心を算出しておく。クラスタ中心を算出する方法もメディアン法や重心法など種々の方法が存在し、いずれを採用してもよいが、ここでは一例として、各クラスタに属する画素の色空間における各座標値(L,C,H)と位置空間における各座標値(X,Y)の平均値をクラスタ中心とした。
【0266】
S302では、すべての画素について、どのクラスタに属するかを調べて、クラスタを再構成する。ここでは、各画素がどのクラスタに属するかを調べるために、L,C,H,X,Yの5次元からなる特徴空間において注目画素と全てのクラスタ中心との重み付き距離を算出する。ここで、処理の効率化のため、全てのクラスタではなく、対象画素の近傍に存在するクラスタ中心についてのみ調べて重み付き距離を算出してもよい。
【0267】
対象画素TとクラスタTとクラスタ中心Mi(1≦i≦クラスタの総数)との重み付き距離Diは、
Di=√(a(LT −LMi)2 +b(CT −CMi)2 +c(HT −HMi)2 +d(XT −XMi)2 +e(YT −YMi)2 )
で算出できる。ここで、(LT ,CT ,HT ,XT ,YT )は対象画素TのL,C,H,X,Yの5次元からなる特徴空間上の座標であり、(LMi,CMi,HMi,XMi,YMi)はクラスタ中心MiのL,C,H,X,Yの5次元からなる特徴空間上の座標である。また、a,b,c,d,eはそれぞれL,C,H,X,Yに対する重み係数である。この重み係数を適当に定めることで、生成されるグループを調節することができる。例えば、cを比較的大きくして、dとeを比較的小さめに設定すれば、色相が近ければ位置空間上における距離が少々遠くても1つのグループとして構成することができる。
【0268】
この重み付き距離が最も小さいクラスタに対象画素が属するようにクラスタを再構成する。さらに、ある画素とクラスタ中心との最も小さい重み付き距離があらかじめ設定された閾値よりも大きい場合には、より適切なグループを作成するために、その画素1つからなるクラスタを新たに生成してもよい。
【0269】
S303では、S302で再構成されたクラスタのクラスタ中心を算出する。このクラスタ中心の算出方法は、S301で用いた方法と同様である。
【0270】
S304では、S302で行なわれたクラスタの再構成でクラスタが変更されたか否かを調べて、変更されていなければ、再構成は収束したものとみなして、S305の処理へ進む。変更されている場合には、S302に戻って処理を繰り返す。
【0271】
S305では、隣接しているクラスタ同士のクラスタ中心が、あらかじめ設定された閾値よりも小さい場合に、これらのクラスタを統合する。このようにして得られたクラスタから、ユニークなクラスタ番号およびクラスタ番号に対応するクラスタに属する画素集合のマスク情報を生成して、クラスタ解析部902に渡す。これらの情報は直接渡すのではなく、一時的な作業用の保持装置を介して間接的に渡すように構成することもできる。
【0272】
図36に戻り、クラスタ解析部902は、クラスタ作成部901で作成されたクラスタ内の色分布を認識して色グループを生成する。この例では、あるクラスタ内の画素が色空間上において分散しているか集中しているかにより、それぞれ、グラデーションかフラットカラーかの2つに分類する。色空間上において分散しているか集中しているかの判定は、クラスタ内の画素値(L,C,H)の分散があらかじめ設定された色分布の閾値よりも大きいか否かを調べることにより行なうことができる。また、クラスタ内の画素値(L,C,H)が色空間上で占める凸包空間の大きさがあらかじめ設定された閾値よりも大きいか否かを調べることによっても実現できる。さらに、クラスタ作成部901で作成されたクラスタごとに色再現範囲外の画素を含むか否かを調べて、含むならば、色再現範囲外の画素を含むという情報をクラスタに対して付加する。
【0273】
図38は、本発明の画像処理システムの第5の実施の形態におけるクラスタ解析部902の動作の一例を示すフローチャートである。まず、S311では、色分布が認識されていないクラスタを対象クラスタとして選択する。以降のS312からS317までの処理はこの選択されたクラスタが対象となる。
【0274】
S312では、対象のクラスタに属する画素の画素値(ここではL,C,H)の分散を算出し、分散ベクトルの絶対値Vを求める。S313では、S312で算出された分散ベクトルの絶対値Vをあらかじめ設定された色分布の閾値と比較して、分散ベクトルの絶対値Vの方が小さいならば対象のクラスタ内の色分布はフラットカラー、大きいならばグラデーションとみなして、それぞれ、S314、S315の処理に分岐する。S314では、対象のクラスタにフラットカラーという属性を与え、S315では、グラデーションという属性を与える。
【0275】
S316では、保持部81にあらかじめ設定されている色再現範囲内外データを用いて色再現範囲外に属する画素がクラスタ内に存在するか否かを調べて、色再現範囲外の画素を含んでいるならば、S317において対象のクラスタに色再現範囲外という属性を付加する。含んでいない場合は、S317の処理を行なわない。S318では、全てのクラスタに対して処理を行なったか否かを調べて、まだ未処理のクラスタが残っていれば、S311に戻り、処理を繰り返す。全てのクラスタに対しての処理が完了していれば、クラスタ解析部902における処理を終了する。
【0276】
図36に戻り、プロファイル・マスク作成部96は、クラスタ解析部902で認識されたクラスタ内の色分布がフラットカラーであるかグラデーションであるかにより、対象となるクラスタに適したプロファイルを作成する。フラットカラーという属性が付加されたクラスタに対するプロファイルの作成処理は、第1の実施の形態と同様であり、例えば図7に示したフローチャートにしたがって作成することができる。ここでは、フラットカラーという属性が付加されたすべてのクラスタに共通のプロファイルを作成することとする。また、グラデーションという属性が付加されたクラスタに対するプロファイルの作成処理についても、第1の実施の形態と同様であり、例えば図9に示されるフローチャートにしたがって各クラスタごとに作成することができる。
【0277】
また、上述の第3の実施の形態と同様、各プロファイルに対応するマスク情報も作成する。各クラスタごとにプロファイルが作成される場合には、クラスタ作成部901で作成したマスク情報をそのまま使用してもよい。また、例えばフラットカラーの部分のように共通したプロファイルを用いる場合には、クラスタ作成部901で作成したマスク情報から各プロファイルに対応したマスク情報を作成し、出力する。
【0278】
プロファイルリンク部97は、上述の第3の実施の形態と同様、プロファイル・マスク作成部96においてフラットカラーから作成したプロファイルとグラデーションから作成したクラスタごとの複数のプロファイルに対して、個別に、画像出力用のプロファイルと合成して、最終的なプロファイルを作成する。このプロファイルリンク部97における処理については、第3の実施の形態と同様であり、例えば図29に示したフローチャートにしたがって作成することができる。
【0279】
このようにして作成されたフラットカラー用の1つのプロファイルと、グラデーション用の複数のプロファイルは保持部82に保持され、ダイレクトルックアップテーブル51〜5Nに設定される。また、各プロファイルに対応する位置空間におけるマスク情報も保持部82に保持され、セレクタ10に送られる。セレクタ10は、マスク情報にしたがって画素を入力するダイレクトルックアップテーブルを選択し、その画素値(L,C,H)を送出する。ダイレクトルックアップテーブル51〜5Nのいずれかが得られる複数のテーブル値を補間器6で補間し、画像出力装置7へ送り、画像が形成される。
【0280】
図39は、本発明の画像処理システムにおける第6の実施の形態を示す構成図である。図中、図35と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。903はクラスタ補正部である。この第6の実施の形態は、第5の実施の形態と同様にクラスタを構成した後、クラスタをより適切な画素集合に補正する処理を加えた例である。システム全体の構成及び全体の動作の概要は、第5の実施の形態とほぼ同じである。色変換パラメータ作成部100は、クラスタ作成部901、クラスタ解析部902、クラスタ補正部903、プロファイル・マスク作成部96、プロファイルリンク部97を有している。
【0281】
クラスタ補正部903は、クラスタ解析部902で解析された結果とクラスタ間の色分布の関係を用いてクラスタ作成部901で作成されたクラスタを補正する。プロファイル・マスク作成部96は、クラスタ補正部903で補正したクラスタごとにそれぞれの色分布に基づいてダイレクトルックアップテーブル51〜5Nに設定するプロファイルを作成する。
【0282】
図40は、本発明の画像処理システムの第6の実施の形態における色変換パラメータ作成部100の動作の一例の説明図である。図40では、各処理部とともに使用する保持部81内のデータについても示している。画像入力装置2から入力された画像データは、入力側色変換部3においてRGB色空間からLCH色空間への変換が行なわれ、色変換パラメータ作成部100に入力される。
【0283】
クラスタ作成部901は、類似する特徴を持つ画素集合を抽出してクラスタを作成する。このクラスタを作成する処理は、上述の第5の実施の形態と同様でもよいが、ここでは効率化のため、分離統合法により生成した領域を初期分割領域としてK−mean法を用いて、類似する特徴を持つ画素の集合を抽出する例を示す。またこの例を上述の第5の実施の形態に適用することも可能である。この例で用いる特徴は、色空間における各座標値(L,C,H)と画像平面における各座標値(X,Y)の5つとするが、これ以外でもよい。
【0284】
図41は、本発明の画像処理システムの第6の実施の形態におけるクラスタ作成部901の動作の一例を示すフローチャートである。図中、後半のK−mean法を用いる部分は図37と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。まず、S321では、初期分割情報を用いて入力画像を分割し、初期分割領域を生成する。例えば、初期分割情報として16分割という値が保持部81に設定してあると仮定すると、ここでは、入力画像を縦横方向にそれぞれ16分割して、計256個の長方形の初期分割領域を生成することができる。
【0285】
S322では、各分割領域内の画素の値(L,C,H)の平均と分散を求めて、分散があらかじめ定められたクラスタリングの閾値よりも大きい場合にはこの分割領域をさらに分割する。また、隣接する分割領域同士の平均の差があらかじめ定められた閾値よりも小さい場合にはこれらの分割領域を合わせた分散を算出し、この分散があらかじめ定められた閾値よりも小さい場合にこれらの分割領域を統合する。
【0286】
S323では、S322の処理により分割領域の統合も分割も起こらなくなり、収束したか否かを調べる。収束した場合はS302の処理を行なう。分割領域の統合もしくは分割が発生しているならば、S322の処理を繰り返す。また、S322で行なう分割領域の分割は、分割領域の大きさにより制限を設けてもよい。これにより、極端に小さな分割領域の生成を避けることができ、収束する速度を向上させることができる。
【0287】
S302〜S305では、S322で生成された複数の分割領域を初期クラスタとみなして、以降、上述の第5の実施の形態において図37で述べたK−mean法と同様の処理を行なう。
【0288】
S324では、S305で生成されたクラスタのうち、クラスタに属する画素の数があらかじめ設定されたクラスタリングの閾値よりも小さい場合に、このクラスタを削除する。クラスタに属する画素の数が少ないということは、入力画像においてこのクラスタに属する画素が与える影響が小さいとみなすことができるため、これらのクラスタを削除することにより、本発明における効果を削除することなく処理を効率化できる。削除したクラスタに含まれていた画素については以降の処理によるプロファイルは作成せず、他のクラスタで作成されたプロファイルあるいはデフォルトのプロファイルによって色変換されることになる。
【0289】
図40に戻り、クラスタ解析部902は、クラスタ作成部901で抽出されたクラスタごとにその内部の色分布を認識し、色グループを生成する。色分布の認識は上述の第5の実施の形態と同様、分散の度合いによって判定することもできるが、ここでは、クラスタに属する画素の分散とクラスタに属する画素の間の画素値の変化率を用いてクラスタ内の色分布を認識する。例えば、クラスタに属する画素の分散があらかじめ設定された色分布の閾値よりも小さいならば、そのクラスタはほぼ均一な色をしたフラットカラーの領域であると推測できる。また、クラスタに属する任意の画素間の画素値の変化率があらかじめ定められた色分布の閾値よりも小さいならば、そのクラスタはクラスタ内の隣接した画素値の変化が緩やかなグラデーション領域であると推定できる。このような手法を上述の第5の実施の形態に適用してもよい。また、クラスタ補正部903で行なう処理に必要なクラスタに属する画素値によるヒストグラムを算出しておく。このヒストグラムは必要に応じて正規化しておいてもよい。
【0290】
図42は、本発明の画像処理システムの第6の実施の形態におけるクラスタ解析部902の動作の一例を示すフローチャートである。図中、図38に示した第5の実施の形態におけるクラスタ解析部902の動作の一例と同様の部分には同じ記号を付して説明を簡略化する。
【0291】
まず、S311からS314までは上述の第5の実施の形態と同様であり、未処理のクラスタを以降の処理対象として1つ選択し、対象のクラスタに属する画素値(L,C,H)の分散ベクトルを調べて、この分散ベクトルの絶対値(大きさ)があらかじめ設定された色分布の閾値よりも小さい場合にはフラットカラーという属性を選択されたクラスタに付加する。この分散ベクトルの絶対値があらかじめ設定された閾値よりも大きい場合は、さらに詳細な解析のために、S331の処理を行なう。
【0292】
S331では、対象のクラスタに属する画素から適当な2点を選択して、この2点を結ぶ直線上でかつ対象クラスタに属する画素の列を抽出する。そして、連続する画素値(L,C,H)の変化率の絶対値を算出して、その変化率の絶対値の最大値をそれぞれ、RL ,RC ,RH とする。図43は、本発明の画像処理システムの第6の実施の形態においてクラスタ解析部902の色分布の認識処理における具体例の説明図、図44は、同じく具体例の画素値のグラフである。例えば図43に示すようなクラスタが対象となっているとき、そのクラスタに属する画素から適当な2点P1とP2を選択する。そして、この2点を結ぶ直線上でかつ対象クラスタに属する画素の列、すなわち線分P1Q1および線分Q2P2上の画素の並びを抽出する。図44のグラフは、画素値をL,C,Hごとに画素の並びの順にグラフ化した例である。連続する画素値(L,C,H)の変化率の絶対値を算出して、その変化率の絶対値の最大値をそれぞれ、RL ,RC ,RH とする。図44に示したグラフ上の任意の点の接線の傾きがその点の変化率となる。なお、2点P1,P2の選択は、ある規則に従って選択したり、あるいはランダムに選択することができる。また、複数組選択し、各組から得られる変化率から絶対値の最大のものを得るように構成してもよい。
【0293】
S332では、S331で算出されたRL ,RC ,RH があらかじめ設定された閾値よりも小さければ、このクラスタ内の隣接画素の色は滑らかに変化していると判定し、S315において、対象クラスタにグラデーションという属性を付加する。RL ,RC ,RH があらかじめ設定された閾値よりも大きい場合にはクラスタ内の隣接画素の色の変化が大きいことが分かり、S333においてランダムという属性を与える。
【0294】
S316及びS317においては、上述の第5の実施の形態と同様に、対象クラスタが色再現範囲を含むか否かを調べ、含むならば、S317で色再現範囲外という属性を付加する。
【0295】
S334では、対象クラスタ内の画素値のヒストグラムを算出する。このヒストグラムは、クラスタ補正部903で使用される。この例では、色相(H゜)の1次元のヒストグラムを算出する。また、ここでヒストグラムを算出するのではなく、クラスタ補正部903で使用する際にヒストグラムを算出するように構成してもよい。
【0296】
そして、S318において、まだ解析を行なっていないクラスタが残っているか否かを調べて、残っているならば、S311に戻って処理を繰り返す。残っていないならば、クラスタ解析部902の処理を終了する。
【0297】
図40に戻り、クラスタ補正部903は、クラスタ作成部901で作成されたクラスタをクラスタ解析部902で認識された色分布に基づいて、再統合および再分割する。クラスタ作成部901で行なったクラスタリングは、位置空間における位置情報を加味して行なっているため、類似した色分布を持つ複数のクラスタが生成される可能性がある。したがって、プロファイル・マスク作成部96以降の処理を効率化するために、離れた位置に存在する類似した色分布を1つのクラスタに統合する。
【0298】
例えば、クラスタの代表色が類似していてかつクラスタに付加されている色分布が同じならばこの2つのクラスタを統合するように構成することができる。また、クラスタ解析部902で算出されたクラスタのヒストグラムを用いてある2つのヒストグラムの相関値があらかじめ定められた閾値よりも大きい場合にこの2つのクラスタを統合するように構成することもできる。さらに、クラスタ作成部901のクラスタの再構成で用いる重みつき距離の重み係数a,b,c,d,eの値によっては、クラスタ内部の色分布に偏りを生じる場合もある。したがって、クラスタに属する画素値のヒストグラムの形状、例えば、複数のピークを持っているか否かを調べて、複数のピークを持っているならば、ピーク部分の値を基にクラスタを再分割することができる。
【0299】
図45は、本発明の画像処理システムの第6の実施の形態におけるクラスタ補正部903の動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、S341〜S346のクラスタ再分割処理とS351〜S357のクラスタ再統合処理から構成されている。まず、S341では、クラスタ作成部901で生成されたクラスタからクラスタ再分割処理が行なわれていないクラスタを1つ選択する。
【0300】
S342では、クラスタ解析部902で算出された対象のクラスタのヒストグラムのピークを抽出する。図46は、本発明の画像処理システムの第6の実施の形態においてクラスタ解析部902で算出された対象のクラスタの色相(H゜)についてのヒストグラムの一例を示すグラフである。図46(A)は、極大値を1つだけ持つヒストグラムの例であり、図46(B)は極大値を2つ持つヒストグラムの例である。図46(A)に示すヒストグラムでは、ピーク値を持つ色相値としてH0 のみを算出することができる。一方、図46(B)に示すヒストグラムのように複数の極大値を持つ場合には、その複数の極大値がピーク値として有効であるか否かの検証を行なう。例えば、H1 とH2 との値がある程度離れており、H1 とH2 との間にある頻度の谷がはっきりしていれば、H1 とH2 とを異なるピーク値とみなすことができる。これは例えば以下の条件式
|H2 −H1 |≧Th1
Min(N1 ,N2 )−N3 ≧Th2
を満たすか否かを調べることにより、検証することができる。ここで、H1 ,H2 は隣合う極大値を持つ色相値であり、N1 ,N2 は、それぞれ、H1 とH2 に対応する色相値の頻度であり、N3 は、H1 ,H2 の間に存在する頻度の極小値である。また、Th1 ,Th2 は、あらかじめ定められた閾値である。Min(N1 ,N2 )は、N1 とN2 のうち小さい方の値である。
【0301】
そして、条件を満たした場合はそれぞれの極大値をピーク値として算出する。例えば、図46(B)においては、ピーク値H1 ,H2 を算出することができる。条件を満たさなかった場合には、例えば、頻度の大きい方の極大値で2つの極大値を代表させて1つのピーク値を算出することができる。例えば、図46(B)において条件を満たさなかった場合には、頻度が大きなH1 のみがピーク値として算出される。
【0302】
S343においては、S342で抽出したピーク値が複数存在するか否かを調べて、複数存在する場合には、対象のクラスタはさらに分割が可能であると判断して、S344とS345のクラスタ再分割処理を行なう。S344では、ピーク値に基づいてクラスタを再分割する。ここでは、ピーク値を算出するために色相のヒストグラムを用いたので、ピーク値の総数の初期クラスタにピーク値に等しいクラスタ中心を考えて色相値による画素の再配置を繰り返すことにより、クラスタの再分割を行なう。この方法は、K−mean法であり、既に図37において説明したので、詳細な説明は省略する。また、この例ではS342において色相だけのヒストグラムを用いてピーク値を算出したが、多次元のヒストグラム、例えば、(L,C,H)の3次元ヒストグラムを作成してピーク値を算出し、L,C,Hの3つの特徴によるクラスタの再分割を行なってもよい。S345では、S344において再分割されたクラスタの色分布を解析する。この解析手法は、クラスタ解析部902で説明した方法と同様である。
【0303】
S346では、再分割処理がまだ行なわれていないクラスタが存在するか否かを判定し、存在すればS341にもどって処理を繰り返す。全てのクラスタについての処理が完了したら、S351からS356のクラスタの再統合処理を行なう。
【0304】
S351では、前述のクラスタ再分割処理で生成されたクラスタを含む全てのクラスタから再統合処理が行なわれていないクラスタを1つ選択する。S352では、対象のクラスタの代表色に類似する代表色を持つクラスタを抽出して類似色リストを作成する。これは、対象のクラスタの代表色と他の全てのクラスタの代表色との差を算出して、この差があらかじめ設定された閾値よりも小さいクラスタを類似色リストに加えていくことで実現できる。
【0305】
S353からS355では、作成した類似色リストの中から対象のクラスタの色分布と同じ色分布を持つクラスタを抽出して、対象のクラスタと統合する。この結果、位置空間上で離れた位置に存在するクラスタでも代表色および色分布が類似していれば1つのクラスタとして扱うことが可能になる。代表色については、類似色リストの中からクラスタを選ぶことによって類似性が保証されている。色分布の類似性については、ここでは、クラスタ解析部902で認識した属性、すなわちフラットカラー、グラデーション、もしくはランダムのいずれかを色分布とし、この属性が一致していれば色分布が類似しているものとして、クラスタを統合する。
【0306】
S356では、統合されたクラスタの色分布を解析する。クラスタ内の色分布は同じ色分布のクラスタを統合したものであるから、統合されたクラスタの色分布も統合する前の各クラスタの色分布と同じはずである。したがって、ここでは、代表色を計算し直す処理のみを行なう。この処理が必要なければ、この解析を省略することもできる。
【0307】
S357では、再統合処理が行なわれていないクラスタが存在するか否かを調べて、まだ未処理のクラスタが残っているならば、S351に戻って処理を繰り返す。残っていないならば、クラスタ補正処理903を終了する。
【0308】
プロファイル・マスク作成部96は、クラスタ解析部902で認識されたクラスタ内部の色分布がランダムであるかフラットカラーであるかグラデーションであるかにより、対象となるクラスタに適したプロファイルを作成する。ここでは、ランダムという属性が付加されているクラスタについては階調性および色識別性ともに考慮する必要がないとみなして、このプロファイル・マスク作成部96では処理対象から外す。具体的には、ランダムという属性が付加されたクラスタに対するプロファイルの作成処理は、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルそのものを出力する。
【0309】
なお、フラットカラーという属性が付加されたクラスタに対するプロファイルの作成処理は、第1の実施の形態と同様であり、例えば図7に示したフローチャートにしたがって作成することができる。また、グラデーションという属性が付加されたクラスタに対するプロファイルの作成処理についても、第1の実施の形態と同様であり、例えば図9に示したフローチャートにしたがって作成することができる。
【0310】
プロファイルリンク部97は、プロファイル・マスク作成部96においてフラットカラーから作成したプロファイルとグラデーションから作成したクラスタごとの複数のプロファイルに対して、個別に、画像出力用のプロファイルと合成して、最終的なプロファイルを作成する。このプロファイルリンク部97における処理については、上述の第3あるいは第5の実施の形態と同様であり、例えば、図29に示したフローチャートにしたがって作成することができる。
【0311】
このようにして作成されたフラットカラー用(グラデーション以外を意味し、この例の場合はランダムという属性が与えられたクラスタも含む。)の1つのプロファイルと、グラデーション用の複数のプロファイルは保持部82に保持され、ダイレクトルックアップテーブル51〜5Nに設定される。また、各プロファイルに対応する位置空間におけるマスク情報も保持部82に保持され、セレクタ10に送られる。セレクタ10は、マスク情報にしたがって画素を入力するダイレクトルックアップテーブルを選択し、その画素値(L,C,H)を送出する。ダイレクトルックアップテーブル51〜5Nのいずれかから得られる複数のテーブル値を補間器6で補間し、画像出力装置7へ送り、画像が形成される。
【0312】
次に、本発明の画像処理システムの第7の実施の形態について説明する。上述の第1の実施の形態では、領域判別部12において分割色領域のうち頻度がある閾値以上であるものを対象分割色領域として抽出し、以後の処理をこの対象分割色領域について行なうことで高速化している。しかし、対象分割色領域の中には、プロファイル作成部14における処理において色再現範囲外の対象分割色領域を色再現範囲内に収める際に全く影響を受けない色再現範囲内の分割色領域も多数含まれている。これらの分割色領域については結果的に何の処理も行なわれないため、グループ作成部13におけるグループ化の処理やプロファイル作成部14における色差の判定処理などに無駄な時間を費やすことになる。また、不要な対象分割色領域の情報を保持しているため、多くのメモリ領域が必要となる。この第7の実施の形態では、プロファイル作成部14において処理対象となる可能性の高いグループのみをグループ作成部13で作成するために、領域判別部12で不必要な対象分割色領域を排除する処理を行ない、以降の処理を高速化した例を示す。なお、この第7の実施の形態では、上述の第1の実施の形態と比べ、領域判別部12の処理が異なるのみであり、他の処理部における処理内容は第1の実施の形態と同一であるため、以下では領域判別部12の処理についてのみ説明する。
【0313】
図47は、本発明の画像処理システムの第7の実施の形態における領域判別部12の処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す第1の実施の形態における領城判別部4の処理と同様の処理については、図4と同じ符号を付して説明を省略する。S101において、分割色領域ごとにヒストグラムの頻度を調べ、頻度が閾値以上であるものを対象分割色領域として選出する。S102において、S101で対象分割色領域と判定された分割色領域が色再現範囲内か外かを調ベ、分割色領域ごとに色再現範囲内か外かを示すフラグデータを付与する。S103において、S102での判定結果をもとに、すべての対象分割色領域が色再現範囲内か否かを調べる。色再現範囲外の分割色領域が存在する場合には、S361以降の処理を行なう。
【0314】
S361において、すべての対象分割色領域を、色再現範囲外フラグを持つ対象分割色領域と、色再現範囲内フラグを持つ対象分割色領域の2つに分類する。S362では、処理対象エリアを決定する。この処理対象エリアは、プロファイル作成部14において有効色領域(フラットカラーの分割色領域)に対して例えば図7に示す処理を行なうことで、移動する可能性のある色領域を示す。移動する可能性のある色領域は、例えば、色再現範囲外の色を色再現範囲内に移動させたときに類似する色再現範囲内の色の領域である。処理対象エリアの決定は、具体例としては処理対象エリアであるか否かを判断する判定条件を設定すればよい。判定条件の設定については後述する。
【0315】
S363において、色再現範囲内の対象分割色領域のうち、S362で決定した処理対象エリア内に存在する対象分割色領域のみを選択する。色再現範囲内の対象分割色領域のうち、S362で決定した処理対象エリア外にある対象分割色領域の情報は、後の処理では使用しないため、この段階で消去してもよい。色再現範囲外の対象分割色領域と、色再現範囲内の対象分割色領域のうちS362で決定した処理対象エリア内に存在する分割色領域を有効対象分割色領域と表現することにする。
【0316】
S364において、S363で選択された有効対象分割色領域に対して、対象分割色領域内の分布をもとに、各有効対象分割色領域に対するL方向、C方向、H方向の分散を求め、それぞれσL,σC,σHとする。S105において、各有効対象分割色領域に対して、S364で得られた分散値がすべて基準値以下か否かを判定し、すべて基準値以下の場合にはS106において画像種類をフラットカラーとし、それ以外の場合にはS107で画像種類をグラデーションとする。
【0317】
以降の処理については、有効対象分割色領域のみを対象として、第1の実施の形態と全く同様に処理を行なう。処理対象が有効対象分割色領域のみであるので、グループ作成部13におけるグループ化の処理や、プロファイル作成部14における類似色の判定処理等の処理対象が減少し、以降の処理を高速化することができる。
【0318】
図48は、処理対象エリアの決定処理の一例の説明図、図49は、同じくC* −H゜平面の処理対象エリアの一例の説明図、図50は、同じくL* −C* 平面の処理対象エリアの一例の説明図である。図49、図50において、色再現範囲の境界を太線で示しており、太線よりもC* の値が小さい側が色再現範囲であるとする。図48ないし図50においては色再現範囲外にある分割色領域を2つ示しており、それぞれ領域a、領域bとする。
【0319】
色再現範囲外の色を色再現範囲内の色で再現する場合、色再現範囲外の色の色相(H゜)を保持し、彩度(C* )、明度(L* )の一方または両方を変化させて色再現範囲内の色にするのが一般的である。色相を変化させる場合ももちろんあるが、大きく色相を変化させる場合はほとんど無い。彩度、明度を変化させる方法の代表例としては、明度を一定に保って彩度のみを変化させる方法や、ある目標点(色空間内のある点)に向かうように明度、彩度とも変化させる方法がある。
【0320】
例えば色相を保持する場合の処理対象エリアとして、図49、図50に示した例では、色相については図49に示すように分割色領域を含むエリアとし、明度については図50に示すように分割色領域を含みかつL* =50までのエリア、彩度についてはC* =0から分割色領域を含むエリアを選び、色再現範囲外の各分割色領域に対して対象処理エリアを設定している。なお、明度のエリアを規定するL* =50の数値は任意に設定することができる。また、それぞれのエリアの設定には、幾分かの余裕をもたせることができる。
【0321】
実際の処理対象エリアは、図49及び図50において粗いハッチングを施した部分を組み合わせた3次元空間上の領域である。この例では、色再現範囲外の分割色領域が2つ(領域aと領域b)存在するので、それぞれ、領域aによる処理対象エリアと領域bによる処理対象エリアの2つができる。例えば領域aが色相H1 〜H2 、明度L1 〜L2 、彩度C1 〜C2 であるとするとき、処理対象エリアとしては、色相H1 −αH1〜H2 +αH2、明度50〜L2 +αL 、彩度0〜C2 +αC の領域として決定することができる。
【0322】
図51は、処理対象エリアの決定処理の別の例の説明図である。図48ではLCHの3次元色空間において直方体形状の領域として処理対象エリアを決定したが、他の方法によって処理対象エリアを決定してもよい。例えば、図51(A)に示すように、色相を保存し、彩度及び明度が所定の目標値に向かうような三角柱状の領域を設定したり、図51(B)に示すように、色相、彩度、明度とも目標点に向かうような円錐形の領域を設定することも可能である。このとき、目標値や目標点は色ごとに適宜に設定してもよい。
【0323】
さらに別の方法として、色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルを用いる方法もある。この色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルは、色再現範囲外の色に対する最適と思われる色再現範囲外郭のマツピング先データを予め設定したものであり、プロファイル作成部14で用いるものと同一のものを利用することができる。この色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルから色再現範囲外の分割色領域を色再現範囲外郭へマッピングする方向(べクトル)を読み取り、その方向に対して、種々の形状のエリアを設定することも可能である。
【0324】
このようにして、色再現範囲外にある各分割色領域に対して、処理対象エリアを決定することができる。図47のS362では、色再現範囲外にあるすべての分割色領域から求まる処理対象エリアをまとめ、処理対象エリアとして決定する。このとき、近傍の処理対象エリアを適宜一つに統合して処理対象エリアの数を減らしてもよい。S363では、色再現範囲内の対象分割色領域に対して、このようにして決定されたいずれの処理対象エリアにも入ってないものについては、以降の処理において処理対象とならない領域であるとして、保持していたデータを破棄する。
【0325】
S362における処理は、処理対象エリアを設けて必要ないデータをS363で削除することによって、以降の処理の高速化するものであるが、処理対象エリアを求めるために処理時間がかかったのでは全体の処理効率が向上しない。そのため、処理対象エリアの決定及び不要な情報の削除は、なるべく簡単に行なえることが望ましい。上述の例では、LCHの各軸の値を制限するだけで条件の設定を行なうことができるので、非常に簡単に処理対象エリアの決定と不要な情報の削除を行なうことができる。逆に、この処理では必要ない分割色領域を大まかに分類できればよいため、処理対象エリアの決定方法は、簡単な処理を採用すればよい。
【0326】
なお、この例では内部処理のための座標系としてLCH座標系を用いているため、上述のように簡単な条件設定によって処理対象エリアを決定できた。他の座標系でも同様に条件設定を行なうことができる。例えばLab座標系では、色相を保持した領域は、a−b平面においてL軸を中心とする扇形状の領域として設定することができる。このときの条件は、2本の直線式として設定できる。このような式で処理対象エリアを決定する場合、作成された式をまとめて式の数を減らすことができる。なお、直交座標系であるLab色空間を円筒座標系に変換することによって、LCH座標系に変換することができ、いずれの座標系で処理対象エリアの決定処理を行なってもよい。他の座標系についても同様である。
【0327】
このように、この第7の実施の形態では、色再現範囲外の色を色再現範囲内の色にマッピングする場合に、全く色識別性の劣化を生じない色再現範囲内の分割色領域をあらかじめ排除しておき、処理に必要な分割色領域のみを取リ出すことができるため、その後の工程の処理を高速化できるとともに、無駄なデータを保持しないため、メモリ等の容量を節約することができる。
【0328】
なお、上述の各実施の形態においては、色変換パラメータ作成部1または9はLCH色空間において色再現範囲の圧縮処理を行なっているが、本発明はこれに限るものではなく、例えば均等知覚色空間であるLab色空間や、L* u* v* 色空間、あるいはその他の色空間においても同様の処理を行なうことができる。また、画像入力装置2および画像出力装置7の色空間についてもBGR色空間やCMYK色空間に限らず、種々の色空間であってよい。
【0329】
図52は、本発明の画像処理システムの第1の実施の形態における変形例を示すブロック図である。図52に示した構成では、入力として印刷用のYMCK色空間で表現された画像ファイルとし、内部処理を行なう色空間としてLab色空間としている。また、出力装置としてCRTを想定し、出力する画像の色空間をBGR色空間とした例を示している。
【0330】
この例の場合、入力側色変換部3ではYMCK→Lab色変換を行ない、ヒストグラム作成部11、領域判別部12、グループ作成部13はLab色空間上で処理を行ない、プロファイル作成部14はLab→Lab色変換を行なう色再現範囲圧縮用初期設定プロファイルを用いてプロファイルを作成する。またプロファイルリンク部15は、プロファイル作成部14で作成されたLab色空間上のプロファイルとLab→BGR色変換用のプロファイルをリンクさせて、ダイレクトルックアップテーブル5に設定するプロファイルを作成する。このプロファイルを用いてLab色空間からBGR色空間への色変換を行ない、CRT等の画像出力装置7へと出力することになる。
【0331】
この図52に示した例のほかにも、入力色空間としてYCbCr等の色信号を用いるなど、入力色空間や出力色空間、内部処理のための色空間は任意の色座標系を用いることが可能である。入力色空間及び内部処理のための色空間として用いた色座標系に応じて、入力側色変換部3を変更すればよいし、内部処理のための色空間として用いた色座標系に応じて色変換パラメータ作成部1の処理を変更すればよいし、出力色空間に応じてプロファイルリンク部15でリンクするプロファイルを変更すればよい。また、内部処理のための色空間と出力色空間が同じであれば、プロファイルリンク部15は不要である。
【0332】
この例では画像入力装置2の代わりに画像ファイルとしたように、画像出力装置7に出力しない構成であってもよく、記憶装置に記憶させたり、ネットワークなどによって他のシステムに転送したり、あるいは他のソフトウェアの入力とすることが可能である。また、変換パラメータ作成部1に入力される画像は、入力画像を間引いたものでもよく、この場合には処理を高速化することができる。
【0333】
なお、図52は上述の第1の実施の形態における構成について、各色空間を変更した例を示しているが、他の第2ないし7の実施の形態についても同様の変形が可能である。
【0334】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、入力された画像データに応じて色分布をグループ化し、グループごとに色再現範囲内となるように色再現パラメータを決定しているので、画像全体の色が変化することはなく、また色再現範囲外の色を変化させたことによる色識別性の低下も防ぐことができ、グラデーション部分はグラデーションとして再現し、同時にフラットな部分の色をフラットカラーに適した色で再現することができる。
【0335】
さらに、画像データのxy位置空間における位置情報を用いることによって、部分的な色再現パラメータの使用が可能となり、例えば、グラデーション部分の色の変化を保証しながら同じ色のフラットカラー部分の色を忠実に再現するなど、グラデーション部分の階調性とフラットカラー部分に適した色の再現を両立させることができる。このとき、クラスタリングによりグループを作成することで、生成されるグループをパラメータによって自由に調節でき、グループ内の色分布を詳細に解析することで、各部の色分布にさらに適した色再現範囲内への圧縮が実現できる。また、色情報と位置情報を同時に使用してグループ(クラスタ)を作成し、得られたグループ(クラスタ)を内部およびグループ(クラスタ)間の色分布に基づいて補正することにより、グループ(クラスタ)ごとに適応的に色再現範囲内へ変換するための色再現パラメータを効率的に決定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態における色変換パラメータ作成部1の動作の一例の説明図である。
【図3】 色空間の分割の説明図である。
【図4】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態における領域判別部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態におけるグループ作成部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のグループ作成部における処理着目領域と連結対象領域の連結処理の一例の説明図である。
【図7】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部におけるフラットカラーに対する処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部におけるフラットカラーに対する処理の一例の説明図である。
【図9】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部におけるグラデーションに対する処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部におけるグラデーションに対する処理の一例においてグループ内の分割色領域が色再現範囲内に圧縮される様子の一例を示す説明図である。
【図11】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態のプロファイル作成部において計算する別の修正変化量△Ei の計算の説明図である。
【図12】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態におけるプロファイルリンク部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図14】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態におけるグループ作成部までの動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態におけるグループ作成部の処理の一例の説明図である。
【図16】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態におけるグループ判別部からプロファイル作成部の途中までの動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態におけるプロファイル作成部の途中以降の動作の一例を示すフローチャートである。
【図18】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態のプロファイル作成部におけるフラットカラーのSat的圧縮処理の一例の説明図である。
【図19】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態のプロファイル作成部における関連グラデーショングループ群の一例の説明図である。
【図20】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態のプロファイル作成部におけるグラデーションのPer的圧縮処理の一例における圧縮率の説明図である。
【図21】 本発明の画像処理システムの第2の実施の形態のプロファイル作成部における関連グラデーショングループ群に対するPer的圧縮処理の一例における圧縮率の説明図である。
【図22】 本発明の画像処理システムの第3の実施の形態を示す構成図である。
【図23】 本発明の画像処理システムの第3の実施の形態における色変換パラメータ作成部9の動作の一例の説明図である。
【図24】 本発明の画像処理システムの第3の実施の形態における位置空間分割部91の動作の一例を示すフローチャートである。
【図25】 本発明の画像処理システムの第3の実施の形態における位置空間分割部の動作の一例の説明図である。
【図26】 本発明の画像処理システムの第3の実施の形態におけるグループ合成部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図27】 本発明の画像処理システムの第3の実施の形態におけるグループ合成部の動作の一例の説明図である。
【図28】 本発明の画像処理システムの第3の実施の形態のプロファイル・マスク作成部におけるグラデーションに対するプロファイル作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図29】 本発明の画像処理システムの第3の実施の形態におけるプロファイルリンク部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図30】 本発明の画像処理システムの第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図31】 本発明の画像処理システムの第4の実施の形態におけるヒストグラム作成部およびグループ作成部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図32】 本発明の画像処理システムの第4の実施の形態におけるグループ判別部からプロファイル・マスク作成部の途中までの処理の一例を示すフローチャートである。
【図33】 本発明の画像処理システムの第4の実施の形態におけるプロファイル・マスク作成部の途中以降の処理の一例を示すフローチャートである。
【図34】 本発明の画像処理システムの第4の実施の形態におけるプロファイル・マスク合成部からプロファイルリンク部までの処理の一例を示すフローチャートである。
【図35】 本発明の画像処理システムの第5の実施の形態を示す構成図である。
【図36】 本発明の画像処理システムの第5の実施の形態における色変換パラメータ作成部100の動作の一例の説明図である。
【図37】 本発明の画像処理システムの第5の実施の形態におけるクラスタ作成部901の動作の一例を示すフローチャートである。
【図38】 本発明の画像処理システムの第5の実施の形態におけるクラスタ解析部902の動作の一例を示すフローチャートである。
【図39】 本発明の画像処理システムにおける第6の実施の形態を示す構成図である。
【図40】 本発明の画像処理システムの第6の実施の形態における色変換パラメータ作成部100の動作の一例の説明図である。
【図41】 本発明の画像処理システムの第6の実施の形態におけるクラスタ作成部901の動作の一例を示すフローチャートである。
【図42】 本発明の画像処理システムの第6の実施の形態におけるクラスタ解析部902の動作の一例を示すフローチャートである。
【図43】 本発明の画像処理システムの第6の実施の形態においてクラスタ解析部902の色分布の認識処理における具体例の説明図である。
【図44】 本発明の画像処理システムの第6の実施の形態においてクラスタ解析部902の色分布の認識処理における具体例の画素値のグラフである。
【図45】 本発明の画像処理システムの第6の実施の形態におけるクラスタ補正部903の動作の一例を示すフローチャートである。
【図46】 本発明の画像処理システムの第6の実施の形態においてクラスタ解析部902で算出された対象のクラスタの色相(H゜)についてのヒストグラムの一例を示すグラフである。
【図47】 本発明の画像処理システムの第7の実施の形態における領域判別部12の処理の一例を示すフローチャートである。
【図48】 本発明の画像処理システムの第7の実施の形態における処理対象エリアの決定処理の一例の説明図である。
【図49】 本発明の画像処理システムの第7の実施の形態における処理対象エリアの決定処理の一例のC* −H゜平面の処理対象エリアの説明図である。
【図50】 本発明の画像処理システムの第7の実施の形態における処理対象エリアの決定処理の一例のL* −C* 平面の処理対象エリアの説明図である。
【図51】 本発明の画像処理システムの第7の実施の形態における処理対象エリアの決定処理の別の例の説明図である。
【図52】 本発明の画像処理システムの第1の実施の形態における変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…色変換パラメータ作成部、2…画像入力装置、3…入力側色変換部、4…画像保持部、5…ダイレクトルックアップテーブル、6…補間器、7…画像出力装置、10…セレクタ、11…ヒストグラム作成部、12…領域判別部、13…グループ作成部、14…プロファイル作成部、15…プロファイルリンク部、16…グループ判別部、51〜5N…ダイレクトルックアップテーブル、81,82…保持部、91…位置空間分割部、92…ヒストグラム作成部、93…色領域判別部、94…グループ作成部、95…グループ合成部、96…プロファイル・マスク作成部、97…プロファイルリンク部、98…グループ判別部、99…プロファイル・マスク合成部、100…色変換パラメータ作成部、901…クラスタ作成部、902…クラスタ解析部、903…クラスタ補正部。
Claims (44)
- 画像データを入力する入力手段と、該入力手段により入力された前記画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する色分布認識手段と、該色分布認識手段で認識された前記位置情報に基づいて色分布を複数のグループにグループ化するグループ化手段と、該グループ化手段によりグループ分けされたグループと前記位置情報と出力装置の色再現範囲に基づいて前記画像データの1または複数の色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定することを特徴とする画像処理装置。
- 前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数し、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数するとともに画素分布情報を認識し、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値および画素分布情報に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数するとともに各領域に属する画素の位置情報を対応づけ、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定するとともに隣接する各領域に属する画素の位置を判定し、2つの判定の結果に応じて色空間上の領域をグループ化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記グループ化手段は、色識別性の劣化を生じないと考えられる部分の色分布を除いてグループ化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 画像データを入力する入力手段と、該入力手段により入力された画像データに基づいて類似色画素から構成される画像平面上の領域を抽出し抽出した領域に基づいてクラスタを作成するクラスタ作成手段と、該クラスタ作成手段で生成された前記クラスタの色分布を認識してグループを生成するクラスタ解析手段と、該クラスタ解析手段で生成された前記グループと出力装置の色再現範囲に基づいて前記クラスタ作成手段で生成された前記クラスタごとに前記画像データの色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定することを特徴とする画像処理装置。
- 前記クラスタ解析手段で生成されたグループに基づいて前記クラスタ作成手段で生成された前記クラスタを再分割および再統合して新たなクラスタを作成し該新たなクラスタの色分布を認識して新たなグループを生成するクラスタ補正手段を有し、前記色再現パラメータ決定手段は、前記クラスタ補正手段で生成された前記新たなクラスタおよび前記新たなグループと出力装置の色再現範囲に基づいて前記新たなクラスタごとに前記画像データの色再現パラメータを決定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタ作成手段は、前記入力手段より入力された画像データから抽出した1つ以上の特徴量に基づいたクラスタリングによって画像空間におけるクラスタを抽出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタ作成手段は、前記入力手段より入力された画像データを画像空間上で複数のブロックに分割し、該ブロック内の画素値の分散に応じてブロックの分割および統合を繰り返すことにより大局的な類似色領域を抽出し、該大局的な類似色領域を基にクラスタリングによって詳細なクラスタを抽出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタ作成手段は、前記入力手段より入力された画像データを画像平面上で複数のブロックに分割し、該ブロック内の画素値の分散に応じてブロックの分割および統合を繰り返すことにより大局的な類似色領域を抽出し、該大局的な類似色領域の色分布を調べて位置情報を用いたクラスタ作成が必要か否かを判断し、該判断の結果に基づいて必要であれば前記大局的な類似色領域を基にクラスタリングによって詳細なクラスタを抽出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタ解析手段は、前記クラスタ作成手段により生成されたクラスタに属する画素の分散に基づいて色分布を認識することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタ解析手段は、前記クラスタ作成手段により生成されたクラスタに属する隣接画素の色情報の変化率と該クラスタに属する画素の分散に基づいて色分布を認識することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタ解析手段は、色識別性の劣化を生じないと考えられる部分の色分布を除いてグループ化することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタ補正手段は、前記クラスタ解析手段で認識したクラスタの代表色およびクラスタ内の色分布に基づいてクラスタの統合を行なうことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- 前記クラスタ補正手段は、前記クラスタ解析手段で認識したクラスタ内の色分布とクラスタ内の色情報による多次元ヒストグラムの形状に応じてクラスタの分割および統合を行なうことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- 前記色再現パラメータ決定手段は、前記グループの色変化の広がりの大きさを判定する階調判定手段を具備し、該階調判定手段による判定結果に基づいて前記色再現パラメータを決定することを特徴とする請求項1または6に記載の画像処理装置。
- 前記色再現パラメータ決定手段は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定することを特徴とする請求項1または6に記載の画像処理装置。
- 前記色再現パラメータ決定手段は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状およびグループの分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定することを特徴とする請求項1または6に記載の画像処理装置。
- 前記色空間は均等色空間であり、前記分布形状は、前記グループに含まれる均等色空間上の前記色部分空間における明度方向の広がり、色相方向の広がり、または、彩度方向の広がりのいずれか1つまたはそれらの組み合わせに基づいて判断されることを特徴とする請求項17または18に記載の画像処理装置。
- 前記色再現パラメータ決定手段は、第1の均等色空間から第2の均等色空間への変換パラメータと、当該変換パラメータを適用する画像空間上の位置を示す位置マスク情報をそれぞれ1つまたは複数作成することを特徴とする請求項1または6に記載の画像処理装置。
- 前記色再現パラメータ決定手段は、複数の前記グループをまとめたグループ群を生成し、該グループ群に対して色再現パラメータを決定することを特徴とする請求項1または6に記載の画像処理装置。
- 前記色再現パラメータ決定手段は、複数の前記グループをまとめたグループ群を生成し、該グループ群に対して第1の均等色空間から第2の均等色空間への変換パラメータおよび当該変換パラメータを適用する画像空間上の位置を示す位置マスク情報を決定することを特徴とする請求項1または6に記載の画像処理装置。
- 画像データを入力する入力手段と、予め設定される格子点データに基づいて前記入力手段により入力された画像データの色変換を行なう複数の多次元色変換テーブルと、前記入力手段により入力された前記画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する色分布認識手段と、該色分布認識手段で認識された前記位置情報に基づいて色分布を複数のグループにグループ化するグループ化手段と、該グループ化手段によりグループ分けされたグループと前記位置情報と出力装置の色再現範囲に基づいて複数の前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定する格子点データ決定手段を具備し、前記格子点データ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定することを特徴とする画像処理装置。
- 前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数し、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とする請求項23に記載の画像処理装置。
- 前記色分布認識手段は、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数するとともに画素分布情報を認識し、前記グループ化手段は、前記色分布認識手段で計数された隣接する領域の計数値および画素分布情報に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とする請求項23に記載の画像処理装置。
- 前記グループ化手段は、色識別性の劣化を生じないと考えられる部分の色分布を除いてグループ化することを特徴とする請求項23に記載の画像処理装置。
- 前記格子点データ決定手段は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定することを特徴とする請求項23に記載の画像処理装置。
- 前記格子点データ決定手段は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状およびグループの分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定することを特徴とする請求項23に記載の画像処理装置。
- 前記格子点データ決定手段は、前記グループ化手段によりグループ化された各グループに対応する位置マスク情報を決定する位置マスク情報決定手段と、前記位置マスク情報決定手段により決定された位置マスク情報に対応する前記格子点データのファイルを作成して記憶する記憶手段を具備し、前記記憶手段から前記位置マスク情報に基づいて格子点データを読み出すことにより格子点データを決定することを特徴とする請求項23に記載の画像処理装置。
- 画像データを入力する入力手段と、予め設定される格子点データに基づいて前記入力手段により入力された画像データの色変換を行なう複数の多次元色変換テーブルと、前記入力手段により入力された画像データに基づいて類似色画素から構成される画像空間上の領域を抽出し抽出した領域に基づいてクラスタを作成するクラスタ作成手段と、該クラスタ作成手段で作成されたクラスタの色分布を認識してグループを生成するクラスタ解析手段と、該クラスタ作成手段で作成したクラスタと前記クラスタ解析手段で生成したグループと出力装置の色再現範囲に基づいて複数の前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定する格子点データ決定手段を具備し、前記格子点データ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定することを特徴とする画像処理装置。
- 前記格子点データ決定手段は、前記画像種類としてフラットかグラデーションかを判断し、フラットの場合は色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用い、グラデーションの場合はグループ中の色再現範囲外の部分の分布に従って、彩度方向への広がりが大きい場合には階調性を保存した色域圧縮方法を用い、色相方向への広がりが大きい場合には色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用いて、前記多次元色変換テーブルの前記格子点データを決定することを特徴とする請求項23ないし請求項30のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 入力された画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する工程と、認識された前記位置情報に基づいて前記色分布を複数のグループにグループ化する工程と、該グループと前記位置情報と出力装置の色再現範囲に基づいて前記画像データの1または複数の色再現パラメータを決定する工程を有し、前記色再現パラメータの決定は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により行なうことを特徴とする画像処理方法。
- 前記色分布を認識する工程では、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数し、前記グループ化する工程では、前記色分布を認識する工程で計数された隣接する領域の計数値に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し、該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とする請求項32に記載の画像処理方法。
- 前記色分布を認識する工程では、色空間を複数の領域に分割し、分割された各領域に属する画素数を計数するとともに画素分布情報を認識し、前記グループ化する工程では、前記色分布を認識する工程で計数された隣接する領域の計数値および画素分布情報に基づいて隣接する領域の結合の可否を判定し、該判定の結果に応じて領域をグループ化することを特徴とする請求項32に記載の画像処理方法。
- 前記グループ化する工程では、色識別性の劣化を生じないと考えられる部分の色分布を除いてグループ化することを特徴とする請求項32に記載の画像処理方法。
- 前記色再現パラメータを決定する工程は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定する工程を含むことを特徴とする請求項32に記載の画像処理方法。
- 前記色再現パラメータを決定する工程は、前記グループに含まれる色空間上の色部分空間が前記色再現範囲外となる部分の分布形状およびグループの分布形状に基づき当該グループに対する色圧縮方法および色圧縮強度を決定する工程を含むことを特徴とする請求項32に記載の画像処理方法。
- 前記色再現パラメータを決定する工程は、第1の均等色空間から第2の均等色空間への変換パラメータと、当該変換パラメータを適用する画像空間上の位置を示す位置マスク情報をそれぞれ1つまたは複数作成する工程を含むことを特徴とする請求項32に記載の画像処理方法。
- 入力された画像データに基づいて類似色画素から構成される画像空間上の領域を抽出してクラスタを作成する工程と、該クラスタの色分布を認識してグループを作成する工程と、前記クラスタと前記グループと出力装置の色再現範囲に基づいて前記画像データの1または複数の色再現パラメータを決定する工程を有し、前記色再現パラメータの決定は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により行なうことを特徴とする画像処理方法。
- 前記色再現パラメータの決定の際に、前記画像種類としてフラットかグラデーションかを判断し、フラットの場合は色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用い、グラデーションの場合はグループ中の色再現範囲外の部分の分布に従って、彩度方向への広がりが大きい場合には階調性を保存した色域圧縮方法を用い、色相方向への広がりが大きい場合には色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用いて、前記色再現パラメータを決定することを特徴とする請求項32ないし請求項39のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- カラー画像データを入力する画像入力装置と、該画像入力装置から入力したカラー画像データに画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置により画像処理を施したカラー画像データを出力する画像出力装置を含む画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記カラー画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する色分布認識手段と、該色分布認識手段で認識された前記位置情報に基づいて前記色分布を複数のグループにグループ化するグループ化手段と、該グループ化手段によりグループ分けされたグループと前記位置情報と前記画像出力装置の色再現範囲に基づいて前記カラー画像データの色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段と、該色再現パラメータ決定手段により決定された色再現パラメータと前記位置情報に基づいて前記カラー画像データに色再現処理を施して前記画像出力装置に変換カラー画像データを出力する変換手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定するものであり、前記画像出力装置は、前記画像処理装置から出力された前記変換カラー画像データに基づいてカラー画像を出力することを特徴とする画像処理システム。
- カラー画像データを入力する画像入力装置と、該画像入力装置から入力したカラー画像データに画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置による画像処理の指示に基づいて前記カラー画像データに対して画像処理を施してカラー画像を出力する画像出力装置を含む画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記カラー画像データの色空間における色分布および画像空間における位置情報を認識する色分布認識手段と、該色分布認識手段で認識された前記位置情報に基づいて前記色分布を複数のグループにグループ化するグループ化手段と、該グループ化手段によりグループ分けされたグループと前記位置情報と前記画像出力装置の色再現範囲に基づいて前記カラー画像データの色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定するものであり、前記画像出力装置は、前記画像処理装置から出力された前記色再現パラメータおよび前記位置情報に基づいて前記カラー画像データに色変換処理を施してカラー画像を出力することを特徴とする画像処理システム。
- カラー画像データを入力する画像入力装置と、該画像入力装置から入力したカラー画像データに画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置による画像処理の指示に基づいて前記カラー画像データに対して画像処理を施してカラー画像を出力する画像出力装置を含む画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記カラー画像データに基づいて類似色画素から構成される画像空間上の領域を抽出して抽出した領域に基づいてクラスタを作成するクラスタ作成手段と、該クラスタ作成手段で作成されたクラスタの色分布を認識してグループを生成するクラスタ解析手段と、前記クラスタ作成手段で作成されたクラスタと前記クラスタ解析手段で生成されたグループと前記画像出力装置の色再現範囲に基づいて前記カラー画像データの色再現パラメータを決定する色再現パラメータ決定手段を具備し、前記色再現パラメータ決定手段は、それぞれのグループ毎に画像種類を判断し、それぞれのグループについて対応する画像種類ごとの色域圧縮方法により前記色再現パラメータを決定するものであり、前記画像出力装置は、前記画像処理装置から出力された前記色再現パラメータおよび前記位置情報に基づいて前記カラー画像データに色変換処理を施してカラー画像を出力することを特徴とする画像処理システム。
- 前記色再現パラメータ決定手段は、前記画像種類としてフラットかグラデーションかを判断し、フラットの場合は色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用い、グラデーションの場合はグループ中の色再現範囲外の部分の分布に従って、彩度方向への広がりが大きい場合には階調性を保存した色域圧縮方法を用い、色相方向への広がりが大きい場合には色再現範囲外の色を色再現範囲の外郭への張り付ける色再現範囲への色域圧縮方法を用いて、前記色再現パラメータを決定することを特徴とする請求項41ないし請求項43のいずれか1項に記載の画像処理システム。
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