JP3778114B2 - 露光制御方法、露光制御回路、撮像装置、プログラム、記憶媒体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光制御方法、露光制御回路、撮像装置、並びにプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体に関する。より詳細には、撮像素子の電子シャッタ機能を利用してフリッカを抑制する機能を備えた場合における露光制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
被写体画像を撮像する撮像装置においては、たとえばCCD(Charge Coupled Device) 撮像素子やCMOS型撮像素子などの撮像素子に入射する光量を制御する仕組み(以下入射光量制御という)が採られている。
【0003】
この入射光量制御には、撮像レンズにメカニカルな絞り機構を設けたもの(以下メカアイリスともいう)、撮像レンズにメカニカルなシャッタ機構を設けたもの(以下メカシャッタともいう)、あるいは撮像素子のセンサ部における信号電荷の蓄積時間(露光時間)の制御が可能ないわゆる電子シャッタ機能を利用するものなどがある。これらは、単独で使用されてもよいが、メカアイリスはメカシャッタや電子シャッタと組み合わせて使用されることもある。
【0004】
電子シャッタの基本原理は、センサ部において信号電荷(光電荷)を読み出す直前の所望期間だけ電荷を蓄積し、それ以前の信号電荷を別の場所(たとえば基板)に掃き出すことで実現している。たとえば、垂直同期信号VDに同期したタイミングで信号電荷をセンサ部から垂直転送レジスタに読み出すが、その読出タイミングから遡ったある時期(露光タイミング)に、それ以前にセンサ部に蓄積された信号電荷をたとえば基板に掃き出すために基板にシャッタパルスを印加する。この露光タイミングから読出タイミングまでの期間が露光期間(露光時間)となる。
【0005】
ところで、撮像装置においては、定常的に明るさが変化しない光源下での撮像の場合は問題ないが、たとえば蛍光灯のように周期的な発光特性を有しかつ撮像素子の露光周期と同期していない光源下での撮像の場合、フリッカ(特に画面輝度のちらつきを輝度フリッカという)が発生する。
【0006】
ここで、「フリッカ」とは、光源の照度変化と、撮像装置の露光周期との関わりで映像信号が変化する現象のことである。たとえば、周波数fの商用電源を使用した光源における=1/nf(nは通常2)秒周期の照度変化と、撮像装置のフィールド周期fvのビート成分で映像信号の輝度信号成分が変化し、これにより出力画像が変化し、この周期が人間の目の残像特性にも関係して画像がちらついて感じられる現象のことである。特に、フィールド周波数が60HzのNTSC方式でのf=50Hzの地域や、フィールド周波数が50HzのPAL方式でのf=60Hzの地域では極端に有害で、しかも白熱電球より蛍光灯の方が、発光特性上照度変化があり、顕著である。
【0007】
たとえば、蛍光灯の発光周期は10msで、60Hzの露光動作の1周期は16.7msであると、これらの最小公倍数は50msとなり、3回の露光動作で両者の関係は元に戻る。したがって、露光期間の種類としては3種類となり、これらの間で撮像素子の出力信号レベルが異なることが、20Hzのフリッカ発生の原因となる。
【0008】
また、電子シャッタ機能を使用する場合、高速シャッタモードにすればするほど1フィールド期間に撮像素子に電荷を蓄積する蓄積時間が短くなるため、フリッカの振幅が通常のシャッタ速度である1/60秒の場合よりも大きくなり、電子シャッタ速度が速くなればなるほどフリッカが顕著となり、画面上のチラツキ(特に画像輝度)として画質を著しく劣化させる。
【0009】
また、蛍光灯に使用されている蛍光体には緑色と赤色と青色との3色があり、各色の発色しはじめるタイミングは同じであるが、光量が減少し、最後に消えるまでの時間には差がある。一般的には、前記3色のうち、特に緑色の発光時間が長く、ついで赤色、最も短いのが青色である。したがって、高速シャッタのシャッタタイミングによっては、前記発色光のうち1色あるいは2色のみの光成分しかとらえることができない場合が発生する。
【0010】
つまり、1フィールドごとに蛍光灯の発色光成分すなわち色温度が異なることになり、カラー画像の撮像装置に不可欠なホワイトバランス処理を行なうにあたり、1フィールドごとにホワイトバランスが変化することになる。したがって、映像信号には前記輝度フリッカと同様な周期で色信号成分のフリッカが発生することになる。以下、この色信号成分のフリッカを色フリッカといい、前述の輝度フリッカと色フリッカの両者を纏めて光源フリッカという。
【0011】
このような光源フリッカを防止する一手法として、撮像素子のシャッタモードを光源の点滅周期に応じて切り替える方法が広く知られている。たとえば、NTSC方式仕様の50Hz電源地域では1/100秒とする。電子シャッタ速度1/100の秒が蛍光灯点滅周期1/100秒と同期するので、電子シャッタ動作の位相と蛍光灯点滅の位相がどのようにずれていても、固定された電子シャッタ速度である1/100秒の間に撮像素子に入射される光量が一定に保たれ、光源フリッカ(輝度フリッカおよび色フリッカともに)が生じないようになる。
【0012】
しかしながら、この場合は、光源フリッカを防止できても、電子シャッタを利用した露光制御は不可能となってしまう。このため、被写体照度が高い側では、照度上昇に伴って撮像素子が電子的に飽和することがある。あるいは、撮像素子が飽和しなくても、後段の信号処理系が飽和することもある。これら場合、画像輝度が増大し、画像が白っぽく潰れてしまう。
【0013】
この対策として、メカアイリスと組み合わせることで、光源フリッカを防止しつつ画像潰れが生じないように露光制御することが考えられる。ところが、今日では、撮像装置本体のローコスト化のために、メカニカルな絞り機構(メカアイリス)を取り除き、撮像素子に内蔵された電子シャッタ機能だけで露光制御を行なうように構成することが多い。このような露光制御を電子アイリスという。
【0014】
このようなメカアイリス機構を持たず電子アイリスにより露光制御する撮像装置にあっては、光源フリッカ防止のときに、撮像素子が飽和しない限りにおいて、被写体照度の変動にかかわりなく画像輝度を一定にするための手法として、撮像素子から出力された信号を自動利得制御することも考えられる。以下、本明細書においては、撮像素子への入射光量を制御する入射光量制御だけでなく、この自動利得制御も含めて、露光制御という。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動利得制御を機能させたとしても、自動利得制御が働く被写体照度範囲を超えてより高照度側になると、AGCゲインがゲイン下限値の0dBで固定となってしまうため、照度上昇に伴って画像輝度が増大してしまう。メカアイリスがあれば、入射光量を絞ることで画像が飽和しないように画像輝度を適正レベルに保つことができるが、前述のように、今日の撮像装置の多くはメカアイリスがないので、画像輝度の増大(飽和現象)を防止することはできない。
【0016】
この場合、光源の点滅周期よりシャッタ速度を速くすれば、画像の輝度の高い部分の飽和を回避できるが、シャッタ速度を速くした分だけ1フィールド期間に撮像素子に電荷を蓄積する蓄積時間が短くなり、光源フリッカが目立つようになる。
【0017】
このように、電子アイリスにより露光制御をする従来の撮像装置では、自動利得制御を機能させたとしても、被写体照度の変動にかかわりなく画像輝度を一定にできるのは、被写体照度がある範囲内にある場合に限られ、適応できる被写体照度の範囲に限界があり、特に高照度側では、光源フリッカが発生しても画像輝度を適切にするか、画像が多少飽和気味になっても光源フリッカを抑制するかの2者択一となっていた。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光源フリッカを抑制しつつ、画像が飽和しない、良好な画像を取得し得る被写体照度の範囲を拡張することができる露光制御方法を提供することを目的する。
【0019】
また本発明は、このような露光制御方法を適用した露光制御回路、あるいはこの露光制御回路を搭載した撮像装置を提供することを目的とする。
【0020】
さらに本発明は、前記露光制御方法をマイクロプロセッサなどのコンピュータにより実施するためのプログラム、およびこのプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る露光制御方法においては、先ず、撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得しながら、測光データを略一定に保つように撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値をプラスの範囲(0dBを含む)で制御し、かつ、光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を点滅周期に同期させて(たとえば光源を駆動する電源の周波数の2倍に対応するシャッタ速度に設定)被写体画像を撮像する。そして、設定したゲイン値、点滅周期に同期するように設定したシャッタ速度、および測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するときには、マイナスゲインに切り替える。
【0022】
このマイナスゲインの切替えは、撮像素子に設定されたシャッタ速度下において取得される撮像信号に基づく画像信号の大きさが小さくなるようにするのがよい。つまり、そのゲイン値では測光データを一定に維持できないようになったら、マイナスゲインを設定する。これにより、撮像素子で得られた撮像信号自体はお大きいままであるが、ゲイン調整後の撮像信号が小さくなり、その結果、再度、測光データを一定に維持できるようになる。
【0023】
なお、このようにマイナスゲインに設定すると、実際には撮像素子で取得されていた信号成分が、消失してしまう。そこで、マイナスゲインに設定する際には、その消失信号成分を使用して、画像を補正することが望ましい。
【0024】
本発明に係る露光制御回路は、撮像素子からの撮像信号に基づいて取得された測光データに基づいて、その測光データを略一定に保ち、かつ、光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、利得制御部に設定するゲイン値と、シャッタ速度設定部に設定する、光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度(たとえば光源を駆動する電源の周波数の2倍に対応するシャッタ速度)との組合わせを決定するとともに、利得制御部に設定するゲイン値、シャッタ速度設定部に設定する点滅周期に同期したシャッタ速度、および測光部が取得した測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するときには、マイナスのゲイン値を利得制御部に指示する露光制御部とを備えた。
【0025】
本発明に係る露光制御回路は、撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得する測光部を備えてもよい。
【0026】
本発明に係る撮像装置は、シャッタ速度を切替可能な撮像素子と、撮像素子からの撮像信号に基づいて画像を生成する画像信号処理部と、撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得する測光部と、撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値を制御する利得制御部と、撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を切り替えるシャッタ速度設定部とを備える。またこの撮像装置は、測光部により取得された測光データに基づいて、この測光データを略一定に保ち、かつ、光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、利得制御部に対するゲイン値と光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度(たとえば光源を駆動する電源の周波数の2倍に対応するシャッタ速度)との組合わせを決定し、この決定したシャッタ速度の切替指示をシャッタ速度設定部に通知するとともに、決定したゲイン値を利得制御部に通知する露光制御部を備える。
【0027】
そして、この露光制御部は、利得制御部に設定したゲイン値、シャッタ速度設定部に設定した点滅周期に同期したシャッタ速度、および測光部が取得した測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するときには、マイナスのゲイン値を利得制御部に指示する。
【0028】
利得制御部は、ゲイン量を少なくとも正の範囲内で任意に調整可能な第1の利得制御部と、予め定められた固定マイナスゲインに設定する第2の利得制御部とを有するものであるのが好ましい。そしてこの場合、露光制御部は、第1の利得制御部に対する正のゲインと、第2の利得制御部に設定する固定マイナスゲインとの総和がマイナスのゲイン値となるように、つまり総合ゲインがマイナスとなるようにゲイン値を決定する。
【0029】
なお、第2の利得制御部に固定マイナスゲインを設定させた瞬間には、そのままでは露光制御に不連続が生じる。そこで、露光制御部は、第2の利得制御部に対して固定マイナスゲインに設定させた略瞬間には、この固定マイナスゲインを補う分のプラスゲインを第1の利得制御部に対して設定することが望ましい。
【0030】
本発明に係る撮像装置においては、撮像素子からのアナログの撮像信号をデジタルデータに変換するA/D変換部を備え、第1の利得制御部および第2の利得制御部は、A/D変換部から出力されたデジタルデータのゲインを切り替えるものとすることが望ましい。つまり、第1および第2の利得制御部は、デジタルパートに設置されていることが望ましい。
【0031】
この場合、露光制御部は、第2の利得制御部が固定マイナスゲインに設定した条件下において、被写体照度の上昇に伴うアナログ撮像信号の上昇分を補正するように、第1の利得制御部に対するゲイン値を決定することが望ましい。
【0032】
また本発明に係る撮像装置においては、利得制御部がマイナスゲインに設定することにより失われる消失信号成分を記憶する記憶部を備えたものとすることが望ましい。この場合、画像信号処理部は、記憶部に記憶された消失信号成分を使用して画像を補正することが望ましい。
【0033】
本発明に係るプログラムは、本発明に係る露光制御方法を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0034】
【作用】
上記構成によれば、フリッカ成分を抑圧するようなシャッタ速度に設定し、かつ測光データを略一定に保つようにゲイン値を制御して被写体画像を撮像する。そして、設定したゲイン値、シャッタ速度、および測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、所定条件に合致したら、利得をマイナスに切り替える。たとえば、先ず、フリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度にして、ゲイン値をプラスの範囲で制御しながら撮像する。そして、ゲイン値、シャッタ速度、および測光データの関係が、所定条件に達したら、具体的には、そのゲイン値では測光データを一定に維持できないようになったら、マイナスゲインを設定する。これにより、再度、測光データを一定に維持可能にする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明に係る撮像装置の第1実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の撮像装置10は、光源の一例である蛍光灯19に照射された被写体18からの反射光を集光するレンズ11と、レンズ11を介して得られた光学像を光電変換する撮像素子12と、撮像素子12からのアナログ撮像信号を増幅するプリアンプ13と、プリアンプ13からのアナログ撮像信号をディジタル信号に変換するA/D変換部14と、撮像素子12を駆動する駆動部15と、タイミング信号生成部200や露光制御部260などを含むデジタル信号処理部(DSP;Disital Signal Processor)20とを備えた構成となっている。
【0037】
上記構成の撮像装置10において、レンズ11は、被写体18の画像を撮像素子12の撮像面上に結像させる。撮像素子12としては、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )型撮像素子などの固体撮像素子が用いられる。この撮像素子12は、タイミング信号生成部200から発生された各種のタイミング信号に基づいて駆動部15によって駆動され、その撮像面上に結像された被写体画像を画素単位で電気信号に変換し、撮像信号としてプリアンプ13に供給する。
【0038】
撮像素子12としてCCD撮像素子を用いる場合、タイミング信号生成部200は、撮像素子12のセンサ部に蓄積された信号電荷を読み出すための読出パルスXSG、垂直転送クロックφV1〜φV4(4相駆動の場合)、水平転送クロックφH1,φH2(2相駆動の場合)、および電子シャッタ速度を規定するシャッタパルスXSUBなどを生成し、駆動部15に供給する。駆動部15は、タイミング信号生成部200から供給された種々のパルスを所定レベルの電圧信号に変換し撮像素子12に供給する。
【0039】
撮像素子12は、基板にシャッタパルスXSUBを印加し、各センサ部に蓄積された信号電荷を基板に掃き出させることによってセンサ部での信号電荷の蓄積時間(露光時間)を制御する電子シャッタ機能を有している。すなわち、通常の動作時には、一定の設定電圧(基板電圧)で基板をバイアスしておくことで、センサ部に信号電荷が蓄積されるのに対し、電子シャッタ時には、基板電圧にさらにシャッタパルスXSUBを加えることにより、基板側のバリアが崩れ、センサ部に蓄積された信号電荷が基板へ掃き出される。
【0040】
プリアンプ13は、入射光の強弱に応じて信号の大小が変化する撮像素子12からの間歇的な撮像信号を連続的な撮像信号に変換する相関二重サンプリング(Cor-related Double Sampling;以下“CDS”という)部130と、CDS部130からのアナログ撮像信号の信号レベルを所定レベルに利得制御するアナログAGC(Auto Gain Control )部132とを有する。
【0041】
このプリアンプ13は、撮像素子12から出力される撮像信号をCDS部130によりサンプルホールドして必要なデータを取り出すとともに、適正なレベルに合わせるためにアナログAGC部132にてゲインコントロールを行なう。このプリアンプ13の出力信号は、A/D変換部14に供給される。A/D変換部14は、プリアンプ13の出力信号をアナログ信号からディジタル信号に変換してデジタル信号処理部20に供給する。
【0042】
デジタル信号処理部20は、撮像素子12に対する電子シャッタ速度を設定するシャッタ速度設定部の機能を有するタイミング信号生成部(タイミングジェネレータ;TG)200と、A/D変換部14からのデジタル撮像信号を所定レベルに利得制御するデジタル増幅部210とを備えている。この第1実施形態では、デジタル増幅部210が、本発明に係る自動利得制御部として機能する。
【0043】
タイミング信号生成部200は、露光制御部260から電子シャッタ制御信号SCを受け取り、この電子シャッタ制御信号SCに含まれるシャッタ速度変数SSで表されたシャッタ速度に対応するシャッタパルスXSUBを生成し、読出パルスXSG、垂直転送クロックφV1〜φV4、水平転送クロックφH1,φH2などの種々のパルス信号とともに、駆動部15に供給する。駆動部15は、タイミング信号生成部200から供給された種々のパルス信号に基づいて、所定レベルの駆動パルス信号を生成し撮像素子12に供給する。
【0044】
またデジタル信号処理部20は、A/D変換部14から供給されるデジタル撮像信号をR(赤),G(緑),B(青)の原色信号に分離する原色分離部222、原色分離部222からの原色信号に基づいて色信号と輝度信号とをそれぞれ分離/生成する色信号処理部230、輝度信号処理部240、および輝度信号/色信号に基づいて映像信号VDを生成するエンコーダ部248を含む映像信号処理部(カメラ信号処理部)220と、D/A変換部280とを有する。
【0045】
A/D変換部14をデジタル信号処理部20内に設ける構成を採ることもでき、またD/A変換部280をデジタル信号処理部20外に設ける構成を採ることもできる。
【0046】
色信号処理部230は、ホワイトバランスアンプ232、ガンマ補正部233、色差マトリクス部234などを有する。ホワイトバランスアンプ232は、図示しないホワイトバランスコントローラから供給されるゲイン信号に基づき、原色分離部222から供給される原色信号のゲインを調整(ホワイトバランス調整)し、ガンマ補正部233および輝度信号処理部240に供給する。
【0047】
ガンマ補正部233は、ホワイトバランスが調整された原色信号に基づいて、忠実な色再現のためのガンマ(γ)補正を行ない、ガンマ補正された各色用の出力信号R,G,Bを色差マトリクス部234に入力する。色差マトリクス部234は、色差マトリクス処理を行なって得た色差信号R−Y,B−Yをエンコーダ部248に入力する。
【0048】
輝度信号処理部240は、原色分離部222から供給される原色信号に基づいて比較的周波数が高い成分までをも含む輝度信号YHを生成する高周波輝度信号生成部242と、ホワイトバランスアンプ232から供給されるホワイトバランスが調整された原色信号に基づいて比較的周波数が低い成分のみを含む輝度信号YLを生成する低周波輝度信号生成部244と、2種類の輝度信号YH,YLに基づいて輝度信号Yを生成しエンコーダ部248に供給する輝度信号生成部246とを有する。
【0049】
エンコーダ部248は、色信号副搬送波に対応するデジタル信号で色差信号R−Y,B−Yをデジタル変調した後、輝度信号処理部240にて生成された輝度信号Yと合成して、デジタル映像信号VD(=Y+S+C;Sは同期信号、Cはクロマ信号)に変換した後、D/A変換部280に入力する。D/A変換部280は、デジタル映像信号VDをアナログ映像信号Vに変換する。
【0050】
さらにデジタル信号処理部20は、デジタル増幅部210からの出力信号の一例である輝度信号YLに基づいて被写体照度を示す測光データDLを取得する測光部250と、測光部250により得られた測光データDLを略一定に保つように、光源としての蛍光灯19などの点滅周期に同期した電子シャッタ速度とデジタル増幅部200におけるゲイン値との組合せを決定し、この決定した電子シャッタ速度を示す電子シャッタ制御信号SCをタイミング信号生成部200に通知するとともに、決定したゲイン値を示すゲイン制御信号GC2をデジタル増幅部210に指示する露光制御部260とを有する。
【0051】
電子シャッタ制御信号SCは、電子シャッタ速度を示すシャッタ速度変数SSを含む。ゲイン制御信号GC2は、後述するデジタルAGC部212に対するデジタルゲインの設定値であるAGCゲイン変数GGと、後述するマイナスゲイン切替部214に対するマイナスゲイン設定のための切替信号を含む。
【0052】
測光部250は、画面分割測光、輝度ピーク検出、および積算データ出力などの機能を持ち、輝度信号処理部240より処理中の輝度信号YLの信号振幅データを受けて、輝度信号YLを積算して被写体照度に対応する測光データDLを取得し、露光制御部260に出力する
露光制御部260は、測光部250から入力された測光データDLに基づいてこの測光データDLの値が常に一定になるようにデジタル増幅部210に対してゲイン制御信号GC2を出力するとともに、タイミング信号生成部200に対して電子シャッタ制御信号SCを出力する。なお、露光制御部260は、必要に応じて、アナログAGC部132に対しても、ゲイン制御信号GC1を出力する。
【0053】
上記構成の撮像装置10における一連の撮像動作について簡単に説明すると以下の通りである。撮像素子12の結像面には、レンズ11などの光学系を介して入射された被写体18の光学像が結像される。撮像素子12は、タイミング信号生成部200からの種々のタイミング信号に応答して駆動され、その結像面に結像した光学像に対応するアナログ撮像信号を出力する。撮像素子12から出力されるアナログ撮像信号は不連続となっているが、CDS部130により連続的なアナログ撮像信号に変換され、アナログAGC部132に入力される。
【0054】
アナログAGC部132は、露光制御部260からのゲイン制御信号GC1に対応してアナログ撮像信号を増幅する。たとえば、ゲイン制御信号GC1がアクティブであれば、出力レベルが一定レベルになるよう、自動利得制御を作動させる。この増幅されたアナログ撮像信号はA/D変換部14でデジタル撮像信号に変換された後にデジタル信号処理部20に入力される。
【0055】
デジタル信号処理部20において、デジタル撮像信号は、色信号処理部230や輝度信号処理部240によって色成分と輝度成分とに対して所要の各処理が施される。そして、デジタル信号処理部20で処理されて得られたアナログ映像信号Vは、撮像装置10内の他の機能部分に出力されたり、図示しない出力端子を介して、装置外部に出力される。また、デジタル信号処理部20は、輝度信号YLを測光部250に供給する。
【0056】
測光部250は、入力された輝度信号YLの所望部分(たとえば測光パターンに応じて)を積算し、被写体照度の測定値としての測光データDLを露光制御部260に供給する。露光制御部260は、測光データDLの値が一定となるようにゲイン制御信号GC2をデジタル増幅部210に供給するとともに、電子シャッタ制御信号SCをタイミング信号生成部200に供給する。
【0057】
図2は、撮像装置10における露光制御機能を説明する図であって、図2(A)は露光制御機能に直目した機能ブロック図、図2(B)はA/D変換直後の撮像データとデジタル増幅部210にて処理された撮像データとの関係を示す図である。
【0058】
図2(A)に示すように、蛍光灯19に照らされた被写体18の光学像が撮像素子12に結像され、撮像素子12により取得されたアナログ撮像信号がアナログAGC部132に入力される。アナログAGC部132は、露光制御部260からのゲイン制御信号GC1がアクティブ(オン)のときには、“+0dB〜+6dB”までの範囲内で、自身の出力端における信号レベルが一定となるように、利得(ゲイン)を自動制御する一方、ゲイン制御信号GC1がインアクティブ(オフ)のときには、“+0dB”すなわち入力された撮像信号をそのままのレベルで出力する。アナログAGC部132から出力された撮像信号は、A/D変換部14にてデジタル化され、デジタル増幅部210に入力される。
【0059】
また図2(A)に示すように、デジタル増幅部210は、×1.0(等倍;+0dB)〜×5.0倍(+14dB)の範囲内で信号レベルを増幅するデジタルAGC部212と、×1.0(等倍;+0dB)、×1/2倍(−6dB)、および×1/4倍(−12dB)の何れかで増幅(実質的には減衰)した後、映像信号処理部220に供給するマイナスゲイン切替部214とを有している。
【0060】
デジタルAGC部212に対するゲイン設定は、露光制御部260からのゲイン制御信号GC2に含まれているAGCゲイン変数GGによってなされる。また、マイナスゲイン切替部214は、デジタルデータのビットシフトによって、前記の減衰度を切り替える。このため、マイナスゲイン切替部214のマイナスゲインSW1,SW2には、露光制御部260からゲイン制御信号GC2が入力されている。
【0061】
マイナスゲイン切替部214は、マイナスゲインSW1,SW2の何れか一方がアクティブ(オン)のときには、デジタルデータを1ビット分右(LSB側)にシフトすることで、×1/2倍(−6dB)に、さらに両方がアクティブ(オン)のときには、デジタルデータを2ビット分右(LSB側)にシフトすることで、×1/4倍(−12dB)にする。このように、マイナスゲイン切替えは、A/D変換後のデータをデジタル的に1/2もしくは1/4にする(データの右シフトを行なう)ことにより容易に実現できる。
【0062】
たとえば図2(B)に示すように、A/D変換部14から“B7h”(hはヘキサデータを示す;以下同様)なる撮像データがデジタル増幅部210に入力され、デジタルAGC部212にて×1.5倍(約+3.5dB)に増幅されたとき、デジタルAGC部212からは“112h”なる撮像データが出力される。
【0063】
マイナスゲイン切替部214は、マイナスゲインSW1のみがアクティブ(オン)のときには、デジタルデータを1ビット右シフトすることで“89h”なる撮像データを出力し、マイナスゲインSW2もアクティブ(オン)のときには、デジタルデータを2ビット右シフトすることで“44h”なる撮像データを出力する。この場合、結果として、A/D変換後の撮像データ“B7h”は、“−8.5dB”に減衰した撮像データ“44h”となる。
【0064】
次に、上記撮像装置10における露光制御機能について詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態においては、フィールドレート(垂直周波数)60Hz駆動の撮像素子12を用いた撮像装置10を例にあげる。また、撮像装置10における露光制御機能は、ローコスト化のために、メカニカルな絞り機構(メカアイリス)を備えず、AGC(自動利得制御)と電子シャッタ速度の切替えを組み合わせた電子アイリス制御で実現する。
【0065】
この60Hz駆動の撮像装置10は、商用電源周波数が60Hzの地域(たとえば日本では関西地域)で用いるときには、電子シャッタ速度を任意の値に設定しても光源フリッカは殆ど起こらないが、商用電源周波数が50Hzの地域(たとえば日本では関東地域)で用いる場合、100Hzで発光している蛍光灯19と60Hzで露光動作している撮像素子12の組合せを例にとると、露光期間の種類が3種類となり、これらの間で撮像素子12からの撮像信号のレベルが異なることがフリッカの発生原因となる。
【0066】
本実施形態の撮像装置10では、この周波数関係にある場合に、電子シャッタ速度を商用電源周波数に同期した速度(特に1/50または1/100秒が有効)に設定することで、撮像信号のレベルを揃えフリッカを抑圧する。なお、電子シャッタ速度を1/50または1/100秒に設定することでフリッカを抑圧できる点に関しては周知であるので、詳細な説明は割愛するなお電子シャッタ速度を1/50秒に設定すると、露光時間がフィールドレートよりも長くなるので、動いている被写体18を撮像するとちらつきが生じる。。
【0067】
また、レベルが揃えられた撮像信号の絶対レベル(詳しくは、低周波輝度信号生成部244で生成された輝度信号YL)が所定レベルに維持されるように、デジタル増幅部210における増幅利得を制御する。
【0068】
図3は、露光制御部260による露光制御の電子シャッタ機能とAGC(自動利得制御)機能との関係を示す特性図である。ここで、図3(A)の特性図に示す横軸は被写体照度(撮像素子12に入力する光量)、縦軸はゲイン量(AGC量)である。なお、横軸の被写体照度に対応させて電子シャッタ速度(撮像素子12における電荷の蓄積時間)の切替線SS(Shutter Speed )、および合成ゲインの特性線CL0(CL;Characteristic Line)も併せて示してある。つまり、図3(A)は、シャッタ速度切替えと対応しての被写体照度とAGCゲインの関係を示す。
【0069】
また図3(B)の特性図に示す横軸は被写体照度、縦軸はA/D変換部14から出力されるデジタル撮像信号のレベルであり、被写体照度とデジタルパートへ入力される撮像信号の関係を示す。また図3(C)の特性図に示す横軸は被写体照度、縦軸は画像の明るさ(すなわち画像輝度)であり、被写体照度と画像輝度の関係を示す。
【0070】
被写体照度DL1以上が本来の第1のシャッタ速度である1/100秒に対応し、被写体照度DL2以上が本来の第2のシャッタ速度である1/200秒に対応し、被写体照度DL3以上が本来の第3のシャッタ速度である1/400秒に対応している。ここで、“本来の”とは、フリッカ防止を一切考慮しない場合において、被写体照度に応じて電子シャッタ速度を光源である蛍光灯19の点滅周期に同期した速度を選択する場合の設定値である。
【0071】
被写体照度がDL1以下およびDL3以上では、デジタルパートの総合AGCゲインは“+0dB”に設定される。また、被写体照度がDL0以下のときにおいて、露光制御部260からのゲイン制御信号GC1がアクティブのときには、アナログAGC部132におけるAGCゲインはゲイン上限値AGCmax(本例では+6dB)となっている。
【0072】
この被写体照度が“DL0”以下の区間では、アナログAGCによる補正が不足するので、図3(B)に示すように、画面の明るさ(画像輝度)が低下する。なお、被写体照度が“DL0”以下のとき電子シャッタ速度を1/50秒に設定して、あるいはデジタルAGCを作動させることで、画像の明るさが一定に保持される範囲をさらに低照度側に延長させてもよい。
【0073】
被写体照度が“DL0〜DL1”の範囲(図中のAで示す区間)では、電子シャッタ速度を1/100秒に維持したままとする。このA区間は、アナログAGC部132におけるAGCゲインが上限値AGCmaxから“+0dB”まで直線的に減少する第1の負性特性線CL1となっている。すなわち、このA区間は、1/100秒のシャッタ値で制御し、光量が少ないときはシャッタ速度1/100秒のままアナログAGCゲインを上げることで、図3(B)に示すように、アナログ撮像信号(すなわちA/D出力)を一定レベルに維持する。
【0074】
この区間Aでは、シャッタ速度は1/100秒に固定されているのでフリッカを防止できるとともに、アナログAGCによって画像の明るさを一定に保持することができ、図3(C)に示すように、画像の明るさを一定に保持することができ、適正な露光制御を実現することができる。
【0075】
被写体照度がDL1以上の区間は本来、適切な輝度の画像にしようとすると、1/100秒より短い蓄積時間でシャッタ速度を設定したい領域である。たとえば、丁度にDL1のとき、通常であればシャッタ速度を1/200秒に切り替える。しかしながら本実施形態では、シャッタ速度を1/100秒に維持する。その一方で、マイナスゲインSWを制御しつつデジタルAGCを作動させることで、適正な画像が得られるようにする。
【0076】
たとえば被写体照度が“DL1〜DL2”の範囲(図中のBの左半分B1で示す区間)では、マイナスゲイン切替部214の一方のマイナスゲインSWをアクティブ(オン)にして、その減衰分をデジタルAGC部212による利得制御で補正する。すなわち、区間B1では、デジタルAGCゲインがAGC1から“+0dB”まで直線的に減少する第2の負性特性線CL2となる。
【0077】
この区間B1では、シャッタ速度は1/100秒に固定されているのでフリッカを防止できる。また図3(B)に示すように、アナログ撮像信号(すなわちA/D出力)は上昇するものの、デジタルパートにてマイナスゲインで減衰させた分だけ輝度信号レベルを下げることができる。またマイナスゲインとデジタルAGCの総合ゲインによって、図3(C)に示すように、画像の明るさを一定に保持することができ、適正な露光制御を実現することができる。
【0078】
被写体照度が丁度DL1のときのデジタルAGCの立ち上がりの頂点に相当するデジタルAGCゲインであるAGC1の値は、a点つまりシャッタ速度が1/100秒かつマイナスゲインが“+0dB”のときの測光データDLの値と、b点つまりシャッタ速度が1/100秒かつ一方のマイナスゲインSWがオンのときにデジタルAGCのゲインがAGC1のときの測光データDLの値とを同じにするような値に定める。本例では、一方のマイナスゲインSWがオンのときには“−6dB”となるので、AGC1を+6dBに設定する。
【0079】
また被写体照度が“DL2〜DL3”の範囲(図中のBの右半分B2で示す区間)では、マイナスゲイン切替部214の両方のマイナスゲインSWをアクティブ(オン)にして、その減衰分をデジタルAGC部212による利得制御で補正する。すなわち、区間B2では、デジタルAGCゲインがAGC2から“+0dB”まで直線的に減少する第3の負性特性線CL3となる。
【0080】
この区間B2でも、シャッタ速度は1/100秒に固定されているのでフリッカを防止できる。また図3(B)に示すように、アナログ撮像信号(すなわちA/D出力)はさらに上昇するものの、デジタルパートにてマイナスゲインで減衰させた分だけ輝度信号レベルを下げることができる。またマイナスゲインとデジタルAGCの総合ゲインによって、図3(C)に示すように、画像の明るさを一定に保持することができ、適正な露光制御を実現することができる。
【0081】
被写体照度が丁度DL2のときのデジタルAGCの立ち上がりの頂点に相当するデジタルAGCゲインであるAGC2の値は、c点つまりシャッタ速度が1/100秒かつマイナスゲインが“−6dB”のときの測光データDLの値と、d点つまりシャッタ速度が1/100秒かつ両方のマイナスゲインSWがオンのときにデジタルAGCのゲインがAGC2のときの測光データDLの値とを同じにするような値に定める。本例では、両方のマイナスゲインSWがオンのときには“−12dB”となり、一方のマイナスゲインSWによって“−6dB”が設定されているので、AGC2を+6dBに設定する。つまり、本例では、AGC1=AGC2とする。
【0082】
このように、B区間では、シャッタ速度を1/100秒固定とすることでフリッカフリーにするとともに、1/100秒固定としたことによりアナログ撮像信号が上昇する分をマイナスゲインによって下げる。さらにこの間は、デジタルAGCを作動させることで、すなわちデジタルパートの総合ゲインによって、デジタル撮像信号の出力レベルを安定化させることで、画像輝度を一定に保持する。
【0083】
区間B(B1およびB2)において、アナログAGCでマイナスゲインの切替制御をせず、デジタルパートでマイナスゲインの切替制御をし、さらに減衰分をデジタルAGCを用いて補正するのは、なるべく前段での信号の飽和などを防ぎたいからである。つまり、AGC制御の全てをアナログパートで受け持つこととすると、非常に広いダイナミックレンジを確保してAGCループを形成なければならず、実際には飽和や過渡応答などの点で問題を生じ易いからである。
【0084】
なお、このようにする場合、アナログパート(A/D変換も含む)は、十分なダイナミックレンジをとる必要があるものの、AGC制御を小さく(前例は最大で+6dB)もしくは不要とすることができ、安定した露光制御を実現することができる。
【0085】
次に、被写体照度が“DL3”以上の範囲(図中のCで示す区間)は、マイナスゲインSWとデジタルAGCで制御できる領域よりさらに光量の多い場合である。このケースは、室外などの場合が多く、フリッカは発生しない条件下であることが多いと想定される。そこで、この区間Cでは、両方のマイナスゲインSWをインアクティブ(オフ;+0dBに戻す)にして、1/100秒未満の高速なシャッタ速度で露光制御を行なう。したがってこの区間Cでは、任意のシャッタ速度への切替え(以下シャッタフリーという)によって、アナログ撮像信号を安定化させる。これにより、デジタルパートのAGCを作動させなくても、画像の明るさを一定に保持することができ、適正な露光制御を実現することができる。
【0086】
すなわち、撮像装置10は、被写体照度がDL3以下の状態では、シャッタ速度1/100秒で動作し、被写体照度がDL3以上の状態では、シャッタフリーで動作する。そして、第1の負性特性線CL1において被写体照度がDL0から増加するにつれてアナログAGCゲインは直線的に減少し、被写体照度DL1つまりa点のときにアナログAGCゲインは“+0dB”となる。この間、自動利得制御(アナログAGC)により画像輝度は一定値を保つ。
【0087】
さたに被写体照度“DL1〜DL2”の範囲(B1区間)では、被写体照度とAGCゲインとの関係は第2の負性特性線CL2となり、被写体照度“DL2〜DL3”の範囲(B2区間)では、被写体照度とAGCゲインとの関係は第3の負性特性線CL3となる。これらの間(B区間)では、デジタルパートの自動利得制御(デジタルAGC)により画像輝度は一定値を保つ。さらに被写体照度“DL3”以上の範囲(C区間)では、シャッタフリーによる制御により画像輝度は一定値を保つ。
【0088】
フリッカフリーに対応した従来の露光制御によれば、第1の負性特性線CL1に沿って被写体照度が“DL1”よりも少しでも高くなると、AGCゲイン(アナログおよびデジタルともに)は“+0dB”に固定化されてしまう結果、画像輝度は、図3(B)に示すように増加し始め、画像が飽和してしまう。
【0089】
しかし、上記実施形態における露光制御によれば、AGCゲインが第1の負性特性線CL1を降下して“+0dB”になった段階で、デジタルパートのAGCゲイン制御を切り替える。つまり、被写体照度が“DL1”(第1マイナスゲイン切替ポイント)に到達すると、マイナスゲイン切替部214にて所定のマイナスゲインに設定し(前例では−6dB)するとともに、マイナスゲイン分を補うように、デジタルAGC部212のゲイン量をゲインAGC1に、すなわちa点からb点まで一気に立ち上げる。
【0090】
そして、被写体照度が“DL1”よりさらに増加すると、デジタルAGCゲインは、AGC1から“+0dB”に向けて第2の負性特性線CL2に沿って降下するようになる。つまり、図3(C)に示すように、自動利得制御が効いて画像輝度が一定に保持されている状態がより高照度側に向けて続く。
【0091】
また、被写体照度が“DL1〜DL2”の範囲でデジタルAGCゲインが第2の負性特性線CL2に沿って下降して“DL2”に到達になった段階で、デジタルパートのマイナスゲインをさらに切り替える。つまり、被写体照度が“DL2”(第2マイナスゲイン切替ポイント)に到達すると、マイナスゲイン切替部214にてマイナスゲインをもう1段階アップさせる(前例ではトータルで−12dBに設定する)とともに、このマイナスゲインのアップ分を補うように、デジタルAGC部212のゲイン量をゲインAGC2に、すなわちc点からd点まで一気に立ち上げる。
【0092】
そして、被写体照度が“DL2”よりさらに増加すると、デジタルAGCゲインは、AGC2から“+0dB”に向けて第3の負性特性線CL3に沿って降下するようになる。つまり、自動利得制御が効いて画像輝度が一定に保持されている状態が一層高照度側に向けて続く。
【0093】
図4は、露光制御部260による露光制御の処理手順におけるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、初期設定処理(S100)、AGC制御処理(S200)、マイナスゲイン切替判定処理(S300)、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)、およびシャッタ速度制御処理(S500)からなる。
【0094】
初期設定処理(S100)においては、たとえば電源投入に伴って初期のシャッタ速度を決定する。AGC制御処理(S200)においては、測光部250からの測光データDLが収束範囲に入るようにゲイン制御信号GCや電子シャッタ制御信号SCを制御する。マイナスゲイン切替判定処理(S300)においては、シャッタ速度とAGCゲインとの関係がマイナスゲイン切替えの要件を満たすか否かを判定する。マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)においては、マイナスゲイン切替部214を、所定のマイナスゲイン(前例では+0dB、−6dB、−12dBの何れか)のモードに切り替える。シャッタ速度制御処理(S500)においては、マイナスゲイン切替部214が“−12dB”モードから“+0dB”モードに切り替えられたとき、電子シャッタ速度を切り替えることで露光量を制御するシャッタフリーモードに切り替える。
【0095】
図5は、初期設定処理(S100)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、第1マイナスゲイン切替ポイントにおける補正分のAGCゲイン(AGC1)および第2マイナスゲイン切替ポイントにおける補正分のAGCゲイン(AGC2)を、図示しない不揮発性メモリより読み込んで、主メモリとしての図示しないRAMの所定のアドレスに格納する(S102)。このAGC1、AGC2の値は、マイナスゲイン切替部214におけるマイナスゲインの切替設定値に応じて、定められるのは前述の通りである。
【0096】
次に露光制御部260は、不揮発性メモリより電源投入前の前回使用時の最終的なマイナスゲインの設定値、シャッタ速度、露光モードなどを読み込み(S104)、主メモリ9のRAMに設定されるシャッタ速度変数SSにその前回の最終のマイナスゲインの設定値やシャッタ速度などを初期データとしてセットし(S106)、AGC制御処理(S200)の先頭ステップに進む(S108)。
【0097】
この初期設定処理(S100)を用いると、撮像装置10の設置場所が固定されているなどしていて、前回使用の条件と今回使用の条件とが似ており、撮像装置10周辺の照度変化が少ないときに有効である。たとえば、電源再投入の都度、周辺照度を測定し、その照度に応じて適切なシャッタ速度を演算する必要がなく、シャッタ速度の初期値設定が迅速に行なえる。
【0098】
図6は、AGC制御処理(S200)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、先ず、シャッタモードが“L”にセットされているか否かを判定する(S201)。“L”以外(すなわち“H”)のときには(S201−NO)、シャッタ速度制御処理(S500)の先頭ステップに進む(S220)。
【0099】
一方、シャッタモードが“L”のときには(S201−YES)、露光制御部260は、測光部250より測光データDLを読み込み(S202)、測光データDLの値が収束範囲の最大値より大きいか否かを判定する(S204)。測光データDLの値が最大値以下のときには(S204−NO)、直ちに測光データDLの値が収束範囲の最小値より小さいか否かを判定する(S208)。一方、測光データDLの値が最大値よりも大きい場合には(S204−YES)、デジタルAGCの利得(ゲイン値)が下がるよう、主メモリのRAMに設定されるAGCゲイン変数GGを一定量αだけ減少(デクリメント)した後(S206)、測光データDLの値が収束範囲の最小値より小さいか否かを判定する(S208)。
【0100】
測光データDLの値が最小値以上のときには(S208−NO)、直ちにAGC制御処理を終了してマイナスゲイン切替判定処理(S300)の先頭ステップに進む(S212)。一方、測光データDLの値が最小値よりも小さいときには(S208−YES)、デジタルAGCの利得(ゲイン値)が上がるよう、AGCゲイン変数GGを一定量αだけ増加(インクリメント)した後(S210)、マイナスゲイン切替判定処理(S300)の先頭ステップに進む(S212)。
【0101】
このAGC制御処理(S200)を繰り返す(後述するマイナスゲイン切替判定処理からリーターンする)ことにより、測光データDLの値は、最小値と最大値とで規定される収束範囲内に収束する。つまり、図3(A)において、第2の負性特性線CL2または第3の負性特性線CL3に沿ってデジタルAGCのゲインが制御され、また、図3(C)において、画像輝度が一定値に保たれる。
【0102】
図7は、マイナスゲイン切替判定処理(S300)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、先ず、AGCゲイン変数GGにセットされている値が“0dB”になっているか否かを判定する(S302)。“0dB”になっている場合には(S302−YES)、マイナスゲイン切替部214が“0dB”モードになっているか否かを判定する(S304)。“0dB”モードのときには(S304−YES)、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の先頭ステップに進む(S330)。
【0103】
つまり、ステップS302およびステップS304の判定がともに肯定的となるときは、AGCゲイン変数GGが“0dB”かつマイナスゲイン切替部214が“0dB”モードであるということ(第1のケースという)であり、これは、図3(A)において第1の負性特性線CL1を降下してa点に到達したということに対応している。そしてこのときは、マイナスゲイン切替部214を、“−6dB”モードに切り替えるために、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)に進む(S330)。
【0104】
また、ステップS304において判断が否定的となるときは(S304−NO)、AGCゲイン変数GGにセットされている値が“0dB”になっているか否かを判定する(S312)。“0dB”になっている場合には(S312−YES)、マイナスゲイン切替部214が“−6dB”モードになっているか否かを判定する(S314)。“−6dB”モードのときには(S314−YES)、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の先頭ステップに進む。
【0105】
つまりこのときは、AGCゲイン変数GGが“0dB”かつマイナスゲイン切替部214が“−6dB”モードであるということ(第2のケースという)であり、これは、図3(A)において第2の負性特性線CL2を下降してc点に達したということに対応している。そしてこのときは、マイナスゲイン切替部214を、“−12dB”モードに切り替えるために、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)に進む。
【0106】
また、ステップS314において判断が否定的となるときは(S314−NO)、AGCゲイン変数GGにセットされている値が“0dB”になっているか否かを判定する(S322)。“0dB”になっている場合には(S322−YES)、マイナスゲイン切替部214が“−12dB”モードになっているか否かを判定する(S324)。“−12dB”モードのときには(S324−YES)、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の先頭ステップに進む(S330)。
【0107】
つまりこのときは、AGCゲイン変数GGが“0dB”かつマイナスゲイン切替部214が“−12dB”モードであるということ(第3のケースという)であり、これは、図3(A)において第3の負性特性線CL3を下降してe点に達したということに対応している。そして、このときは、マイナスゲイン切替部214を、“+0dB”モードに切り替える(戻す)ために、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)に進む。
【0108】
ステップS302,S312,S322,S324において判断が否定的となるときはAGC制御処理(S200)の先頭ステップに進む(戻る)(S340)。つまり、上記の第1〜第3の3つのケース以外では、マイナスゲインの切替えは行なわない。
【0109】
なお、AGCゲイン変数GGが“0dB”にセットされているか否かの判断のステップS312,S322は、実際上はなくてもよく省略することができる。これは、ステップS304の判定が否定的であるときは、AGCゲイン変数GGは“0dB”になっているからである。
【0110】
図8は、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、ゲイン制御信号GC2のマイナスゲインSW1に対応するコマンドがインアクティブにセットされているか否かを判定する(S402)。インアクティブのときには(S402−YES)、露光制御部260は、マイナスゲインSW1に対応するコマンドをアクティブにすることで、マイナスゲイン切替部214を“−6dB”モードに設定する(S404)。
【0111】
また、これに伴うゲイン低下を補正するべく、デジタルAGC部212に対してのゲイン設定値を示すAGCゲイン変数GGを、“+0dB”からAGC1(本例では“+6dB”)に変更設定する(S406)。本例では、これを受けて、デジタルAGC部212は、デジタルデータを1ビット分左(MSB側)にシフトすることで、デジタルデータを×2倍(+6dB)する。つまり、マイナスゲイン切替部214における減衰度の切替えと同じように、ビットシフトによって、マイナスゲイン切替分を補正する。
【0112】
また、ステップS402の判定が否定的なときには、ゲイン制御信号GC2のマイナスゲインSW2に対応するコマンドがインアクティブにセットされているか否かを判定する(S412)。インアクティブのときには(S412−YES)、露光制御部260は、マイナスゲインSW2に対応するコマンドも(つまりマイナスゲインSW1,SW2の両者を)アクティブにすることで、マイナスゲイン切替部214を“−12dB”のモードに設定する(S414)。
【0113】
また、これに伴うゲイン低下を補正するべく、デジタルAGC部212に対してのゲイン設定値を、“+0dB”からAGC2(本例では“+6dB”)に変更設定する(S416)。本例では、これを受けて、デジタルAGC部212は、デジタルデータを1ビット分左(MSB側)にシフトすることで、デジタルデータを×2倍(+6dB)する。
【0114】
そしてAGCゲイン変数GGを変更した後には(S406,S416)、何れの場合にも、現在設定されているAGCゲイン変数GGの値を不揮発性メモリの所定のアドレスに格納し、AGC制御処理(S200)の先頭ステップに戻る(S430)。
【0115】
一方、ステップS412の判定が否定的であって、マイナスゲイン切替部214が“−12dB”モードにセットされているときには、AGCゲイン変数GGを“+0dB”に固定するとともに(S422)、ゲイン制御信号GC2のマイナスゲインSW1,SW2の両者に対応するコマンドをインアクティブにすることで、マイナスゲイン切替部214を“+0dB”のモードに設定する(S424)。また、電子シャッタ速度をシャッタフリーのモードに切り替えるために、シャッタモードを“H”に設定し、現在設定されているAGCゲイン変数GGの値およびシャッタモードの値を不揮発性メモリの所定のアドレスに格納し、シャッタ速度制御処理(S500)の先頭ステップに進む(S440)。
【0116】
ここで、ステップS404,S406は、図3(A)において、第1マイナスゲイン切替ポイント(a点,b点)上で、マイナスゲイン切替部214を“−6dB”モードに移行させるとともに、デジタルAGCゲインを0dB(a点)からAGC1(b点)へと切り替えることに対応している。同じく、ステップS414,S416は、第2マイナスゲイン切替ポイント(c点,d点)上で、マイナスゲイン切替部214を“−12dB”モードに移行させるとともに、デジタルAGCゲインを0dB(c点)からAGC2(b点)へと切り替えることに対応している。さらに、ステップS422,S424,S426は、第3マイナスゲイン切替ポイント(e点)上で、マイナスゲイン切替部214を“+0dB”モードに戻し、デジタルAGCを停止しさせ、シャッタフリーによる露光制御に移行させることに対応している。
【0117】
図9は、シャッタ速度制御処理(S500)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、シャッタモードが“H”にセットされているか否かを判定する(S502)。“H”以外(すなわち“L”)のときには(S502−NO)、AGC制御処理(S200)の先頭ステップに進む(S504)。
【0118】
一方、シャッタモードが“H”のときには(S502−YES)、露光制御部260は、測光データDLを監視しながら、この測光データDLが所定範囲に収束するように、電子シャッタ制御信号SCを制御してタイミング信号生成部200から発せられるシャッタパルスXSUBの発生時期を制御する。
【0119】
すなわち、露光制御部260は、先ず、測光部250より測光データDLを読み込み(S512)、測光データDLの値が収束範囲の最大値より大きいか否かを判定する(S514)。測光データDLの値が最大値以下のときには(S514−NO)、直ちに測光データDLの値が収束範囲の最小値より小さいか否かを判定する(S518)。一方、測光データDLの値が最大値よりも大きい場合には(S514−YES)、電子シャッタ速度が速くなるように主メモリのRAMに設定されるシャッタ速度変数SSを一定量βだけ減少(デクリメント)した後(S516)、測光データDLの値が収束範囲の最小値より小さいか否かを判定する(S518)。
【0120】
測光データDLの値が最小値以上のときには、直ちに測光部250より測光データDLを再度読み込むべくステップS512に戻る(S518−NO)。一方、測光データDLの値が最小値よりも小さいときには(S518−YES)、電子シャッタ速度が遅くなるようにシャッタ速度変数SSを一定量βだけ増加(インクリメント)した後(S520)、測光データDLを再度読み込むべくステップS512に戻る。
【0121】
つまり、測光データDLが収束範囲よりも高い場合には電子シャッタ速度が速くなるように、反対に測光データDLが収束範囲よりも低い場合には電子シャッタ速度が遅くなるように、シャッタパルスXSUBのタイミング制御を行ない、駆動部15を介して撮像素子12の露光時間をコントロールする。
【0122】
このシャッタ速度の切替え(S512〜S520)を繰り返すことにより、測光データDLの値は、最小値と最大値とで規定される収束範囲内に収束する。つまり、図3(A)のC区間におて、1/100秒未満の高速なシャッタ速度で露光制御が実行され、また、常に自動的に収束範囲として定められた一定レベルの撮像信号が得られ、図3(C)において、画像輝度が一定値に保たれる。
【0123】
なお、AGCゲイン変数GGが“0dB”にセットされているか否かの判断のステップS312,S322は、実際上はなくてもよく省略することができる。これは、ステップS304の判定が否定的であるときは、AGCゲイン変数GGは“0dB”になっているからである。
【0124】
なお、上記各処理の具体例の説明は、被写体照度が漸次増える方向における処理についてのものであるが、これとは逆方向の処理にする場合でも、基本的な処理は上記と変わらない。ただし、マイナスゲインの切替ポイントの判定処理時には、AGCゲイン変数GGの設定値AGC1,AGC2がマイナスゲインの切替分(本例では“+6dB”)にあることをその判定基準にするなどの変更を加える。またこの切替ポイントでは、アナログのAGCほどではないにしても、ハンティングが生じることもあり得る。この場合、たとえばヒステリシスを持たせた制御手法を採用することで、ハンティングを防止することができる。
【0125】
以上説明したように、第1実施形態の露光制御によれば、AGC制御とシャッタ速度切替えとを組み合わせ、さらに所定範囲の照度(DL1〜DL3)ではマイナスゲイン設定と組み合わせるようにしたので、広い範囲の照度に亘って、フリッカや飽和を生じさせることなく、画像の明るさを一定に保つように露光量を制御することができる。つまり、フリッカフリーで、かつ、画像輝度を安定化させるための自動利得制御機能の、被写体照度に対するダイナミックレンジを拡張することができる。
【0126】
たとえば、シャッタの蓄積時間を蛍光灯の発光特性の周期(点滅周期)に同期したまま、明るい場所で撮影しても、飽和することなく適切な光量の画像を出力することができる。また、蛍光灯下の室内を撮影したとき、画像中に明るい部分がある場合でも、フリッカを発生することを防ぐことができる。
【0127】
また、ビットシフトでマイナスゲイン設定ができるから、比較的、回路変更が容易にマイナスゲインSWを付加することができる。加えて、タイミング信号生成部200、測光部250、さらには露光制御部260は、従来のものの微小な変更で済むので、露光制御機能の全体としても、回路変更や制御アルゴリズムの変更が比較的容易に済む。
【0128】
また、露光制御が自動的になされるので、シャッタ速度やマイナスゲインの手動切替などが不要であり、ユーザの手を煩わせることがなく、操作性がよい。
【0129】
図10は、本発明に係る撮像装置の第2実施形態を示すブロック図である。ここで図10(A)は露光制御機能に直目した機能ブロック図、図10(B)はA/D変換直後の撮像データとデジタル増幅部210にて処理された撮像データとの関係を示す図である。図10(B)において、A/D変換部14から出力される撮像データは、“B7h”であり、図2(B)に示したものと同じである。
【0130】
第1実施形態では、マイナスゲイン切替部214が“−6dB”または“−12dB”モードに設定された際、デジタルデータのビットシフトによりデジタルデータのLSB側の1ビット分もしくは2ビット分のデータが消失する。このビットシフトにより失われる情報の差分(消失分の絶対量)は小さいものの、アナログパートにて取得してあった微細な情報を失う点では、たとえば鮮鋭度の高い画像を得る要求に対しては不利である。
【0131】
そこで、第2実施形態の撮像装置10のデジタル増幅部210は、マイナスゲイン切替部214によるビットシフトで失われるデータを保持する記憶部216,218を備え、マイナスゲイン切替部214が、“−6dB”または“−12dB”モードに設定された際、デジタルデータのビットシフトにより失われる情報を、映像信号処理部220にて使用可能にした点が、第1実施形態と異なる。
【0132】
図10(B)に示すように、マイナスゲイン切替部214が“+0dB”モードに設定されると、ビットシフトはないので、マイナスゲイン切替部214は、LSB0用の記憶部216およびLSB1用の記憶部218をクリアする。これにより何れからも、“0;ゼロ”なる消失データが出力される。
【0133】
次に“−6dB”モードに設定されると、マイナスゲイン切替部214は、入力データにおけるLSB0の値をLSB0用の記憶部216にセットする。本例では、記憶部216から“0;ゼロ”なる消失データが出力される。
【0134】
また“−12dB”モードに設定されると、入力データにおけるLSB1の値をLSB1用の記憶部218にセットする。本例では、記憶部218から“1”なる消失データが出力される。ここで、記憶部216,218に保持されるデータは、結果として、LSB0やLSB1に有効データ“1”が存在していたか否かを示す判定フラグとなる。
【0135】
映像信号処理部220は、この記憶部216,218に保持されている情報を使って、所定の処理をする。たとえば、処理過程においてまるめ処理(切り捨て/切り上げ)をする際、記憶部216,218に保持されている情報が“1”のときには、消失分が処理済データに反映されるように、まるめ処理を補正する。たとえば、通常であれば、切り捨てするものを切り上げにする。
【0136】
これにより、マイナスゲイン切替部214が“−6dB”や“−12dB”モードに設定された場合であっても、たとえば精度のよいホワイトバランス制御ができ、あるいは高精細な画像を得ることができる。
【0137】
なお、ビットシフトにより失われる情報の変化周波数は一義的でないが、その絶対量は微量であり、主に比較的周波数が高い成分までをも含む輝度信号YHに対しての影響度合いが高いと考えられる。したがって、高周波輝度信号生成部242のみが、記憶部216,218に保持されている情報を使った処理を実行するようにしてもよい。
【0138】
図11は、本発明に係る撮像装置の第3実施形態を示すブロック図である。メモリカードなどの記録媒体を挿脱可能に構成した点、およびインターネットなどの通信網との接続が可能に構成した点が、第1および第2実施形態と異なる。
【0139】
すなわち、この第3実施形態の撮像装置10は、第1あるいは第2実施形態の撮像装置10に加えて、CPU902、ROM(Read Only Memory)904、RAM906、メモリ読出部907、および通信I/F(インターフェース)908を備える。記録媒体924は、たとえば、CPU902にソフトウェア処理をさせるためのプログラムデータや、測光データDLの収束範囲、マイナスゲイン切替部214におけるマイナスゲインの設定値などのデータを登録するなどのために利用される。メモリ読出部907は、記録媒体924から読み出したデータをRAM906に格納(インストール)する。通信I/F908は、インターネットなどの通信網との間の通信データの受け渡しを仲介する。
【0140】
このような構成の撮像装置10は、上記第1あるいは第2実施形態に示した撮像装置10の基本的な構成および動作と同様とすることができる。また、上述した処理をコンピュータに実行させるプログラムは、フラッシュメモリ、ICカード、あるいはミニチュアーカードなどの不揮発性の半導体メモリカードなどの記録媒体924を通じて配布される。さらに、サーバなどからインターネットなどの通信網を経由して前記プログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新してもよい。
【0141】
記録媒体924の一例としてのICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリには、上記実施形態で説明した撮像装置10(特にその主要部である測光部250や露光制御部260)における処理の一部または全ての機能を格納することができる。したがって、以下のプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体を提供することができる。たとえば、測光部用のプログラム、すなわちRAM906などにインストールされるソフトウェアは、上記実施形態に示された測光部250と同様に、画面分割測光、輝度ピーク検出、あるいは積算データ出力などの各機能部をソフトウェアとして備える。
【0142】
同様に、露光制御部用のプログラム、すなわちRAM906などにインストールされるソフトウェアは、上記実施形態に示された露光制御部260と同様に、測光データDLを測光部としての機能部から受け取り、測光データDLが一定レベルに保持され、かつ蛍光灯照明下においてもフリッカが生じないように、タイミング信号生成部200に対して電子シャッタ制御信号SCを発し、あるいはデジタルAGC部212に対してのAGCゲイン変数GGを制御し、さらには、所定照度のときにはマイナスゲイン切替部214をマイナスゲインモードに設定するなどの各機能部をソフトウェアとして備える。
【0143】
そしてメモリ読出部907は、記憶媒体924からプログラムデータまたは測光データDLの収束範囲などのデータを読み取ってCPU902に渡す。そしてソフトウエアは記憶媒体924からRAM906にインストールされる。なお、ROM904にプログラムデータの一部または収束範囲などのデータの一部をインストールしておいてもよい。RAM906は、メモリ読出部907によって読み出された種々のデータまたはプログラムや、CPU902がプログラムを実行することにより作成されたデータを記憶するとともに、記憶したデータまたはプログラムを読み取ってCPU902に渡す。
【0144】
ソフトウエアは、RAM906に読み出された後にCPU902により実行される。たとえばCPU902は、記録媒体の一例であるROM904およびRAM906に格納されたプログラムに基づいて上記の露光制御処理を実行することにより、上記処理を実行するための機能をソフトウェア的に実現することができる。すなわち、コンピュ−タを用いたデジタル信号処理によって、露光制御処理を実現することができる。それぞれの記憶媒体924には、それぞれのユーザ仕様に合わせた測光データDLの収束範囲あるいはマイナスゲイン設定値などのデータや、それに基づく適切な上記の露光制御処理を記述したプログラムを、他のユーザの設定内容に影響されることなく保持させておくことができる。
【0145】
こうすることで、たとえば、測光データDLの収束範囲あるいはマイナスゲイン設定値などのデータを、さらにはそれに基づく適切な上記の露光制御処理を、ユーザ仕様に合わせて、適宜設定できる。また、記憶媒体924の交換だけで、個々のユーザ仕様に合わせた処理に容易に切り替えることができる。
【0146】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0147】
たとえば、上記実施形態では、マイナスゲイン設定値として、−6dBおよび−12dBのみを設定可能とすることで、ビットシフトのみでマイナスゲインの設定を可能にしていたが、任意の値が設定されるものであってもよい。この場合、設定値に合わせるための演算回路が必要になるので、回路規模が大きくなる。
【0148】
また上記実施形態では、デジタルパートにて、マイナスゲインの切替えをするようにしていたが、先にも述べたように、アナログパートにて実行してもよい。また、デジタルAGC部212とマイナスゲイン切替部214とを逆の配置、つまり、マイナスゲイン切替部214の後段にデジタルAGC部212を配した構成であってもよい。さらに、測光部250や露光制御部260を除く部分の構成は、上記実施形態以外の構成をとってもよい。
【0149】
また、たとえばフリッカ検知部を備え、フリッカを検知したときに限って、光源の点滅周期に同期した電子シャッタ速度に設定する露光制御を実行するようにしてもよい。フリッカ検知の手法としては、たとえば100Hzで発光している蛍光灯と60Hzで露光動作している撮像素子の組合せを例にとると、露光期間の種類が3種類となり、これらの間で撮像素子からの撮像信号のレベルが異なることがフリッカの発生原因となる。
【0150】
よって、たとえば、1画面分の輝度積算値を、垂直同期信号のタイミングで毎VD入力し、各積算値のレベル比較を毎VD行なって、3VDおきのピークパターンを検出し、その検出数がある期間内で所定の確率を越えたらフリッカ有りと判定するとよい。また上記実施形態では、蛍光灯の点滅周期と撮像素子の露光周期との関わりで生じるフリッカについて説明したが、光源は蛍光灯に限るものではない。
【0151】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、AGC制御とシャッタ速度切替えとを組み合わせ、さらに所定範囲の照度ではマイナスゲイン設定と組み合わせるようにしたので、広い範囲の照度に亘って、フリッカや画像飽和を生じさせることなく、画像の明るさを適正レベルに保つように露光制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る撮像装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】 撮像装置における露光制御機能を説明する図である。
【図3】 露光制御部による露光制御の電子シャッタ機能とAGC機能との関係を示す特性図である。
【図4】 露光制御部による露光制御の処理手順におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】 初期設定処理(S100)の具体例を示すフローチャートである。
【図6】 AGC制御処理(S200)の具体例を示すフローチャートである。
【図7】 マイナスゲイン切替判定処理(S300)の具体例を示すフローチャートである。
【図8】 マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の具体例を示すフローチャートである。
【図9】 シャッタ速度制御処理(S500)の具体例を示すフローチャートである。
【図10】 本発明に係る撮像装置の第2実施形態を示すである。
【図11】 本発明に係る撮像装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…撮像装置、11…レンズ、12…撮像素子、13…プリアンプ、14…A/D変換部、15…駆動部、18…被写体、19…蛍光灯、20…デジタル信号処理部、130…CDS部、132…アナログAGC部、200…タイミング信号生成部、210…デジタル増幅部、212…デジタルAGC部、214…マイナスゲイン切替部、220…映像信号処理部、230…色信号処理部、231…原色分離部、232…ホワイトバランスアンプ、233…ガンマ補正部、234…色差マトリクス部、240…輝度信号処理部、242…高周波輝度信号生成部、244…低周波輝度信号生成部、246…輝度信号生成部、248…エンコーダ部、250…測光部、260…露光制御部、DL…測光データDL、GC1,GC2…ゲイン制御信号、SC…電子シャッタ制御信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光制御方法、露光制御回路、撮像装置、並びにプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体に関する。より詳細には、撮像素子の電子シャッタ機能を利用してフリッカを抑制する機能を備えた場合における露光制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
被写体画像を撮像する撮像装置においては、たとえばCCD(Charge Coupled Device) 撮像素子やCMOS型撮像素子などの撮像素子に入射する光量を制御する仕組み(以下入射光量制御という)が採られている。
【0003】
この入射光量制御には、撮像レンズにメカニカルな絞り機構を設けたもの(以下メカアイリスともいう)、撮像レンズにメカニカルなシャッタ機構を設けたもの(以下メカシャッタともいう)、あるいは撮像素子のセンサ部における信号電荷の蓄積時間(露光時間)の制御が可能ないわゆる電子シャッタ機能を利用するものなどがある。これらは、単独で使用されてもよいが、メカアイリスはメカシャッタや電子シャッタと組み合わせて使用されることもある。
【0004】
電子シャッタの基本原理は、センサ部において信号電荷(光電荷)を読み出す直前の所望期間だけ電荷を蓄積し、それ以前の信号電荷を別の場所(たとえば基板)に掃き出すことで実現している。たとえば、垂直同期信号VDに同期したタイミングで信号電荷をセンサ部から垂直転送レジスタに読み出すが、その読出タイミングから遡ったある時期(露光タイミング)に、それ以前にセンサ部に蓄積された信号電荷をたとえば基板に掃き出すために基板にシャッタパルスを印加する。この露光タイミングから読出タイミングまでの期間が露光期間(露光時間)となる。
【0005】
ところで、撮像装置においては、定常的に明るさが変化しない光源下での撮像の場合は問題ないが、たとえば蛍光灯のように周期的な発光特性を有しかつ撮像素子の露光周期と同期していない光源下での撮像の場合、フリッカ(特に画面輝度のちらつきを輝度フリッカという)が発生する。
【0006】
ここで、「フリッカ」とは、光源の照度変化と、撮像装置の露光周期との関わりで映像信号が変化する現象のことである。たとえば、周波数fの商用電源を使用した光源における=1/nf(nは通常2)秒周期の照度変化と、撮像装置のフィールド周期fvのビート成分で映像信号の輝度信号成分が変化し、これにより出力画像が変化し、この周期が人間の目の残像特性にも関係して画像がちらついて感じられる現象のことである。特に、フィールド周波数が60HzのNTSC方式でのf=50Hzの地域や、フィールド周波数が50HzのPAL方式でのf=60Hzの地域では極端に有害で、しかも白熱電球より蛍光灯の方が、発光特性上照度変化があり、顕著である。
【0007】
たとえば、蛍光灯の発光周期は10msで、60Hzの露光動作の1周期は16.7msであると、これらの最小公倍数は50msとなり、3回の露光動作で両者の関係は元に戻る。したがって、露光期間の種類としては3種類となり、これらの間で撮像素子の出力信号レベルが異なることが、20Hzのフリッカ発生の原因となる。
【0008】
また、電子シャッタ機能を使用する場合、高速シャッタモードにすればするほど1フィールド期間に撮像素子に電荷を蓄積する蓄積時間が短くなるため、フリッカの振幅が通常のシャッタ速度である1/60秒の場合よりも大きくなり、電子シャッタ速度が速くなればなるほどフリッカが顕著となり、画面上のチラツキ(特に画像輝度)として画質を著しく劣化させる。
【0009】
また、蛍光灯に使用されている蛍光体には緑色と赤色と青色との3色があり、各色の発色しはじめるタイミングは同じであるが、光量が減少し、最後に消えるまでの時間には差がある。一般的には、前記3色のうち、特に緑色の発光時間が長く、ついで赤色、最も短いのが青色である。したがって、高速シャッタのシャッタタイミングによっては、前記発色光のうち1色あるいは2色のみの光成分しかとらえることができない場合が発生する。
【0010】
つまり、1フィールドごとに蛍光灯の発色光成分すなわち色温度が異なることになり、カラー画像の撮像装置に不可欠なホワイトバランス処理を行なうにあたり、1フィールドごとにホワイトバランスが変化することになる。したがって、映像信号には前記輝度フリッカと同様な周期で色信号成分のフリッカが発生することになる。以下、この色信号成分のフリッカを色フリッカといい、前述の輝度フリッカと色フリッカの両者を纏めて光源フリッカという。
【0011】
このような光源フリッカを防止する一手法として、撮像素子のシャッタモードを光源の点滅周期に応じて切り替える方法が広く知られている。たとえば、NTSC方式仕様の50Hz電源地域では1/100秒とする。電子シャッタ速度1/100の秒が蛍光灯点滅周期1/100秒と同期するので、電子シャッタ動作の位相と蛍光灯点滅の位相がどのようにずれていても、固定された電子シャッタ速度である1/100秒の間に撮像素子に入射される光量が一定に保たれ、光源フリッカ(輝度フリッカおよび色フリッカともに)が生じないようになる。
【0012】
しかしながら、この場合は、光源フリッカを防止できても、電子シャッタを利用した露光制御は不可能となってしまう。このため、被写体照度が高い側では、照度上昇に伴って撮像素子が電子的に飽和することがある。あるいは、撮像素子が飽和しなくても、後段の信号処理系が飽和することもある。これら場合、画像輝度が増大し、画像が白っぽく潰れてしまう。
【0013】
この対策として、メカアイリスと組み合わせることで、光源フリッカを防止しつつ画像潰れが生じないように露光制御することが考えられる。ところが、今日では、撮像装置本体のローコスト化のために、メカニカルな絞り機構(メカアイリス)を取り除き、撮像素子に内蔵された電子シャッタ機能だけで露光制御を行なうように構成することが多い。このような露光制御を電子アイリスという。
【0014】
このようなメカアイリス機構を持たず電子アイリスにより露光制御する撮像装置にあっては、光源フリッカ防止のときに、撮像素子が飽和しない限りにおいて、被写体照度の変動にかかわりなく画像輝度を一定にするための手法として、撮像素子から出力された信号を自動利得制御することも考えられる。以下、本明細書においては、撮像素子への入射光量を制御する入射光量制御だけでなく、この自動利得制御も含めて、露光制御という。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動利得制御を機能させたとしても、自動利得制御が働く被写体照度範囲を超えてより高照度側になると、AGCゲインがゲイン下限値の0dBで固定となってしまうため、照度上昇に伴って画像輝度が増大してしまう。メカアイリスがあれば、入射光量を絞ることで画像が飽和しないように画像輝度を適正レベルに保つことができるが、前述のように、今日の撮像装置の多くはメカアイリスがないので、画像輝度の増大(飽和現象)を防止することはできない。
【0016】
この場合、光源の点滅周期よりシャッタ速度を速くすれば、画像の輝度の高い部分の飽和を回避できるが、シャッタ速度を速くした分だけ1フィールド期間に撮像素子に電荷を蓄積する蓄積時間が短くなり、光源フリッカが目立つようになる。
【0017】
このように、電子アイリスにより露光制御をする従来の撮像装置では、自動利得制御を機能させたとしても、被写体照度の変動にかかわりなく画像輝度を一定にできるのは、被写体照度がある範囲内にある場合に限られ、適応できる被写体照度の範囲に限界があり、特に高照度側では、光源フリッカが発生しても画像輝度を適切にするか、画像が多少飽和気味になっても光源フリッカを抑制するかの2者択一となっていた。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光源フリッカを抑制しつつ、画像が飽和しない、良好な画像を取得し得る被写体照度の範囲を拡張することができる露光制御方法を提供することを目的する。
【0019】
また本発明は、このような露光制御方法を適用した露光制御回路、あるいはこの露光制御回路を搭載した撮像装置を提供することを目的とする。
【0020】
さらに本発明は、前記露光制御方法をマイクロプロセッサなどのコンピュータにより実施するためのプログラム、およびこのプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る露光制御方法においては、先ず、撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得しながら、測光データを略一定に保つように撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値をプラスの範囲(0dBを含む)で制御し、かつ、光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を点滅周期に同期させて(たとえば光源を駆動する電源の周波数の2倍に対応するシャッタ速度に設定)被写体画像を撮像する。そして、設定したゲイン値、点滅周期に同期するように設定したシャッタ速度、および測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するときには、マイナスゲインに切り替える。
【0022】
このマイナスゲインの切替えは、撮像素子に設定されたシャッタ速度下において取得される撮像信号に基づく画像信号の大きさが小さくなるようにするのがよい。つまり、そのゲイン値では測光データを一定に維持できないようになったら、マイナスゲインを設定する。これにより、撮像素子で得られた撮像信号自体はお大きいままであるが、ゲイン調整後の撮像信号が小さくなり、その結果、再度、測光データを一定に維持できるようになる。
【0023】
なお、このようにマイナスゲインに設定すると、実際には撮像素子で取得されていた信号成分が、消失してしまう。そこで、マイナスゲインに設定する際には、その消失信号成分を使用して、画像を補正することが望ましい。
【0024】
本発明に係る露光制御回路は、撮像素子からの撮像信号に基づいて取得された測光データに基づいて、その測光データを略一定に保ち、かつ、光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、利得制御部に設定するゲイン値と、シャッタ速度設定部に設定する、光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度(たとえば光源を駆動する電源の周波数の2倍に対応するシャッタ速度)との組合わせを決定するとともに、利得制御部に設定するゲイン値、シャッタ速度設定部に設定する点滅周期に同期したシャッタ速度、および測光部が取得した測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するときには、マイナスのゲイン値を利得制御部に指示する露光制御部とを備えた。
【0025】
本発明に係る露光制御回路は、撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得する測光部を備えてもよい。
【0026】
本発明に係る撮像装置は、シャッタ速度を切替可能な撮像素子と、撮像素子からの撮像信号に基づいて画像を生成する画像信号処理部と、撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得する測光部と、撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値を制御する利得制御部と、撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を切り替えるシャッタ速度設定部とを備える。またこの撮像装置は、測光部により取得された測光データに基づいて、この測光データを略一定に保ち、かつ、光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、利得制御部に対するゲイン値と光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度(たとえば光源を駆動する電源の周波数の2倍に対応するシャッタ速度)との組合わせを決定し、この決定したシャッタ速度の切替指示をシャッタ速度設定部に通知するとともに、決定したゲイン値を利得制御部に通知する露光制御部を備える。
【0027】
そして、この露光制御部は、利得制御部に設定したゲイン値、シャッタ速度設定部に設定した点滅周期に同期したシャッタ速度、および測光部が取得した測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するときには、マイナスのゲイン値を利得制御部に指示する。
【0028】
利得制御部は、ゲイン量を少なくとも正の範囲内で任意に調整可能な第1の利得制御部と、予め定められた固定マイナスゲインに設定する第2の利得制御部とを有するものであるのが好ましい。そしてこの場合、露光制御部は、第1の利得制御部に対する正のゲインと、第2の利得制御部に設定する固定マイナスゲインとの総和がマイナスのゲイン値となるように、つまり総合ゲインがマイナスとなるようにゲイン値を決定する。
【0029】
なお、第2の利得制御部に固定マイナスゲインを設定させた瞬間には、そのままでは露光制御に不連続が生じる。そこで、露光制御部は、第2の利得制御部に対して固定マイナスゲインに設定させた略瞬間には、この固定マイナスゲインを補う分のプラスゲインを第1の利得制御部に対して設定することが望ましい。
【0030】
本発明に係る撮像装置においては、撮像素子からのアナログの撮像信号をデジタルデータに変換するA/D変換部を備え、第1の利得制御部および第2の利得制御部は、A/D変換部から出力されたデジタルデータのゲインを切り替えるものとすることが望ましい。つまり、第1および第2の利得制御部は、デジタルパートに設置されていることが望ましい。
【0031】
この場合、露光制御部は、第2の利得制御部が固定マイナスゲインに設定した条件下において、被写体照度の上昇に伴うアナログ撮像信号の上昇分を補正するように、第1の利得制御部に対するゲイン値を決定することが望ましい。
【0032】
また本発明に係る撮像装置においては、利得制御部がマイナスゲインに設定することにより失われる消失信号成分を記憶する記憶部を備えたものとすることが望ましい。この場合、画像信号処理部は、記憶部に記憶された消失信号成分を使用して画像を補正することが望ましい。
【0033】
本発明に係るプログラムは、本発明に係る露光制御方法を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0034】
【作用】
上記構成によれば、フリッカ成分を抑圧するようなシャッタ速度に設定し、かつ測光データを略一定に保つようにゲイン値を制御して被写体画像を撮像する。そして、設定したゲイン値、シャッタ速度、および測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、所定条件に合致したら、利得をマイナスに切り替える。たとえば、先ず、フリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度にして、ゲイン値をプラスの範囲で制御しながら撮像する。そして、ゲイン値、シャッタ速度、および測光データの関係が、所定条件に達したら、具体的には、そのゲイン値では測光データを一定に維持できないようになったら、マイナスゲインを設定する。これにより、再度、測光データを一定に維持可能にする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明に係る撮像装置の第1実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の撮像装置10は、光源の一例である蛍光灯19に照射された被写体18からの反射光を集光するレンズ11と、レンズ11を介して得られた光学像を光電変換する撮像素子12と、撮像素子12からのアナログ撮像信号を増幅するプリアンプ13と、プリアンプ13からのアナログ撮像信号をディジタル信号に変換するA/D変換部14と、撮像素子12を駆動する駆動部15と、タイミング信号生成部200や露光制御部260などを含むデジタル信号処理部(DSP;Disital Signal Processor)20とを備えた構成となっている。
【0037】
上記構成の撮像装置10において、レンズ11は、被写体18の画像を撮像素子12の撮像面上に結像させる。撮像素子12としては、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )型撮像素子などの固体撮像素子が用いられる。この撮像素子12は、タイミング信号生成部200から発生された各種のタイミング信号に基づいて駆動部15によって駆動され、その撮像面上に結像された被写体画像を画素単位で電気信号に変換し、撮像信号としてプリアンプ13に供給する。
【0038】
撮像素子12としてCCD撮像素子を用いる場合、タイミング信号生成部200は、撮像素子12のセンサ部に蓄積された信号電荷を読み出すための読出パルスXSG、垂直転送クロックφV1〜φV4(4相駆動の場合)、水平転送クロックφH1,φH2(2相駆動の場合)、および電子シャッタ速度を規定するシャッタパルスXSUBなどを生成し、駆動部15に供給する。駆動部15は、タイミング信号生成部200から供給された種々のパルスを所定レベルの電圧信号に変換し撮像素子12に供給する。
【0039】
撮像素子12は、基板にシャッタパルスXSUBを印加し、各センサ部に蓄積された信号電荷を基板に掃き出させることによってセンサ部での信号電荷の蓄積時間(露光時間)を制御する電子シャッタ機能を有している。すなわち、通常の動作時には、一定の設定電圧(基板電圧)で基板をバイアスしておくことで、センサ部に信号電荷が蓄積されるのに対し、電子シャッタ時には、基板電圧にさらにシャッタパルスXSUBを加えることにより、基板側のバリアが崩れ、センサ部に蓄積された信号電荷が基板へ掃き出される。
【0040】
プリアンプ13は、入射光の強弱に応じて信号の大小が変化する撮像素子12からの間歇的な撮像信号を連続的な撮像信号に変換する相関二重サンプリング(Cor-related Double Sampling;以下“CDS”という)部130と、CDS部130からのアナログ撮像信号の信号レベルを所定レベルに利得制御するアナログAGC(Auto Gain Control )部132とを有する。
【0041】
このプリアンプ13は、撮像素子12から出力される撮像信号をCDS部130によりサンプルホールドして必要なデータを取り出すとともに、適正なレベルに合わせるためにアナログAGC部132にてゲインコントロールを行なう。このプリアンプ13の出力信号は、A/D変換部14に供給される。A/D変換部14は、プリアンプ13の出力信号をアナログ信号からディジタル信号に変換してデジタル信号処理部20に供給する。
【0042】
デジタル信号処理部20は、撮像素子12に対する電子シャッタ速度を設定するシャッタ速度設定部の機能を有するタイミング信号生成部(タイミングジェネレータ;TG)200と、A/D変換部14からのデジタル撮像信号を所定レベルに利得制御するデジタル増幅部210とを備えている。この第1実施形態では、デジタル増幅部210が、本発明に係る自動利得制御部として機能する。
【0043】
タイミング信号生成部200は、露光制御部260から電子シャッタ制御信号SCを受け取り、この電子シャッタ制御信号SCに含まれるシャッタ速度変数SSで表されたシャッタ速度に対応するシャッタパルスXSUBを生成し、読出パルスXSG、垂直転送クロックφV1〜φV4、水平転送クロックφH1,φH2などの種々のパルス信号とともに、駆動部15に供給する。駆動部15は、タイミング信号生成部200から供給された種々のパルス信号に基づいて、所定レベルの駆動パルス信号を生成し撮像素子12に供給する。
【0044】
またデジタル信号処理部20は、A/D変換部14から供給されるデジタル撮像信号をR(赤),G(緑),B(青)の原色信号に分離する原色分離部222、原色分離部222からの原色信号に基づいて色信号と輝度信号とをそれぞれ分離/生成する色信号処理部230、輝度信号処理部240、および輝度信号/色信号に基づいて映像信号VDを生成するエンコーダ部248を含む映像信号処理部(カメラ信号処理部)220と、D/A変換部280とを有する。
【0045】
A/D変換部14をデジタル信号処理部20内に設ける構成を採ることもでき、またD/A変換部280をデジタル信号処理部20外に設ける構成を採ることもできる。
【0046】
色信号処理部230は、ホワイトバランスアンプ232、ガンマ補正部233、色差マトリクス部234などを有する。ホワイトバランスアンプ232は、図示しないホワイトバランスコントローラから供給されるゲイン信号に基づき、原色分離部222から供給される原色信号のゲインを調整(ホワイトバランス調整)し、ガンマ補正部233および輝度信号処理部240に供給する。
【0047】
ガンマ補正部233は、ホワイトバランスが調整された原色信号に基づいて、忠実な色再現のためのガンマ(γ)補正を行ない、ガンマ補正された各色用の出力信号R,G,Bを色差マトリクス部234に入力する。色差マトリクス部234は、色差マトリクス処理を行なって得た色差信号R−Y,B−Yをエンコーダ部248に入力する。
【0048】
輝度信号処理部240は、原色分離部222から供給される原色信号に基づいて比較的周波数が高い成分までをも含む輝度信号YHを生成する高周波輝度信号生成部242と、ホワイトバランスアンプ232から供給されるホワイトバランスが調整された原色信号に基づいて比較的周波数が低い成分のみを含む輝度信号YLを生成する低周波輝度信号生成部244と、2種類の輝度信号YH,YLに基づいて輝度信号Yを生成しエンコーダ部248に供給する輝度信号生成部246とを有する。
【0049】
エンコーダ部248は、色信号副搬送波に対応するデジタル信号で色差信号R−Y,B−Yをデジタル変調した後、輝度信号処理部240にて生成された輝度信号Yと合成して、デジタル映像信号VD(=Y+S+C;Sは同期信号、Cはクロマ信号)に変換した後、D/A変換部280に入力する。D/A変換部280は、デジタル映像信号VDをアナログ映像信号Vに変換する。
【0050】
さらにデジタル信号処理部20は、デジタル増幅部210からの出力信号の一例である輝度信号YLに基づいて被写体照度を示す測光データDLを取得する測光部250と、測光部250により得られた測光データDLを略一定に保つように、光源としての蛍光灯19などの点滅周期に同期した電子シャッタ速度とデジタル増幅部200におけるゲイン値との組合せを決定し、この決定した電子シャッタ速度を示す電子シャッタ制御信号SCをタイミング信号生成部200に通知するとともに、決定したゲイン値を示すゲイン制御信号GC2をデジタル増幅部210に指示する露光制御部260とを有する。
【0051】
電子シャッタ制御信号SCは、電子シャッタ速度を示すシャッタ速度変数SSを含む。ゲイン制御信号GC2は、後述するデジタルAGC部212に対するデジタルゲインの設定値であるAGCゲイン変数GGと、後述するマイナスゲイン切替部214に対するマイナスゲイン設定のための切替信号を含む。
【0052】
測光部250は、画面分割測光、輝度ピーク検出、および積算データ出力などの機能を持ち、輝度信号処理部240より処理中の輝度信号YLの信号振幅データを受けて、輝度信号YLを積算して被写体照度に対応する測光データDLを取得し、露光制御部260に出力する
露光制御部260は、測光部250から入力された測光データDLに基づいてこの測光データDLの値が常に一定になるようにデジタル増幅部210に対してゲイン制御信号GC2を出力するとともに、タイミング信号生成部200に対して電子シャッタ制御信号SCを出力する。なお、露光制御部260は、必要に応じて、アナログAGC部132に対しても、ゲイン制御信号GC1を出力する。
【0053】
上記構成の撮像装置10における一連の撮像動作について簡単に説明すると以下の通りである。撮像素子12の結像面には、レンズ11などの光学系を介して入射された被写体18の光学像が結像される。撮像素子12は、タイミング信号生成部200からの種々のタイミング信号に応答して駆動され、その結像面に結像した光学像に対応するアナログ撮像信号を出力する。撮像素子12から出力されるアナログ撮像信号は不連続となっているが、CDS部130により連続的なアナログ撮像信号に変換され、アナログAGC部132に入力される。
【0054】
アナログAGC部132は、露光制御部260からのゲイン制御信号GC1に対応してアナログ撮像信号を増幅する。たとえば、ゲイン制御信号GC1がアクティブであれば、出力レベルが一定レベルになるよう、自動利得制御を作動させる。この増幅されたアナログ撮像信号はA/D変換部14でデジタル撮像信号に変換された後にデジタル信号処理部20に入力される。
【0055】
デジタル信号処理部20において、デジタル撮像信号は、色信号処理部230や輝度信号処理部240によって色成分と輝度成分とに対して所要の各処理が施される。そして、デジタル信号処理部20で処理されて得られたアナログ映像信号Vは、撮像装置10内の他の機能部分に出力されたり、図示しない出力端子を介して、装置外部に出力される。また、デジタル信号処理部20は、輝度信号YLを測光部250に供給する。
【0056】
測光部250は、入力された輝度信号YLの所望部分(たとえば測光パターンに応じて)を積算し、被写体照度の測定値としての測光データDLを露光制御部260に供給する。露光制御部260は、測光データDLの値が一定となるようにゲイン制御信号GC2をデジタル増幅部210に供給するとともに、電子シャッタ制御信号SCをタイミング信号生成部200に供給する。
【0057】
図2は、撮像装置10における露光制御機能を説明する図であって、図2(A)は露光制御機能に直目した機能ブロック図、図2(B)はA/D変換直後の撮像データとデジタル増幅部210にて処理された撮像データとの関係を示す図である。
【0058】
図2(A)に示すように、蛍光灯19に照らされた被写体18の光学像が撮像素子12に結像され、撮像素子12により取得されたアナログ撮像信号がアナログAGC部132に入力される。アナログAGC部132は、露光制御部260からのゲイン制御信号GC1がアクティブ(オン)のときには、“+0dB〜+6dB”までの範囲内で、自身の出力端における信号レベルが一定となるように、利得(ゲイン)を自動制御する一方、ゲイン制御信号GC1がインアクティブ(オフ)のときには、“+0dB”すなわち入力された撮像信号をそのままのレベルで出力する。アナログAGC部132から出力された撮像信号は、A/D変換部14にてデジタル化され、デジタル増幅部210に入力される。
【0059】
また図2(A)に示すように、デジタル増幅部210は、×1.0(等倍;+0dB)〜×5.0倍(+14dB)の範囲内で信号レベルを増幅するデジタルAGC部212と、×1.0(等倍;+0dB)、×1/2倍(−6dB)、および×1/4倍(−12dB)の何れかで増幅(実質的には減衰)した後、映像信号処理部220に供給するマイナスゲイン切替部214とを有している。
【0060】
デジタルAGC部212に対するゲイン設定は、露光制御部260からのゲイン制御信号GC2に含まれているAGCゲイン変数GGによってなされる。また、マイナスゲイン切替部214は、デジタルデータのビットシフトによって、前記の減衰度を切り替える。このため、マイナスゲイン切替部214のマイナスゲインSW1,SW2には、露光制御部260からゲイン制御信号GC2が入力されている。
【0061】
マイナスゲイン切替部214は、マイナスゲインSW1,SW2の何れか一方がアクティブ(オン)のときには、デジタルデータを1ビット分右(LSB側)にシフトすることで、×1/2倍(−6dB)に、さらに両方がアクティブ(オン)のときには、デジタルデータを2ビット分右(LSB側)にシフトすることで、×1/4倍(−12dB)にする。このように、マイナスゲイン切替えは、A/D変換後のデータをデジタル的に1/2もしくは1/4にする(データの右シフトを行なう)ことにより容易に実現できる。
【0062】
たとえば図2(B)に示すように、A/D変換部14から“B7h”(hはヘキサデータを示す;以下同様)なる撮像データがデジタル増幅部210に入力され、デジタルAGC部212にて×1.5倍(約+3.5dB)に増幅されたとき、デジタルAGC部212からは“112h”なる撮像データが出力される。
【0063】
マイナスゲイン切替部214は、マイナスゲインSW1のみがアクティブ(オン)のときには、デジタルデータを1ビット右シフトすることで“89h”なる撮像データを出力し、マイナスゲインSW2もアクティブ(オン)のときには、デジタルデータを2ビット右シフトすることで“44h”なる撮像データを出力する。この場合、結果として、A/D変換後の撮像データ“B7h”は、“−8.5dB”に減衰した撮像データ“44h”となる。
【0064】
次に、上記撮像装置10における露光制御機能について詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態においては、フィールドレート(垂直周波数)60Hz駆動の撮像素子12を用いた撮像装置10を例にあげる。また、撮像装置10における露光制御機能は、ローコスト化のために、メカニカルな絞り機構(メカアイリス)を備えず、AGC(自動利得制御)と電子シャッタ速度の切替えを組み合わせた電子アイリス制御で実現する。
【0065】
この60Hz駆動の撮像装置10は、商用電源周波数が60Hzの地域(たとえば日本では関西地域)で用いるときには、電子シャッタ速度を任意の値に設定しても光源フリッカは殆ど起こらないが、商用電源周波数が50Hzの地域(たとえば日本では関東地域)で用いる場合、100Hzで発光している蛍光灯19と60Hzで露光動作している撮像素子12の組合せを例にとると、露光期間の種類が3種類となり、これらの間で撮像素子12からの撮像信号のレベルが異なることがフリッカの発生原因となる。
【0066】
本実施形態の撮像装置10では、この周波数関係にある場合に、電子シャッタ速度を商用電源周波数に同期した速度(特に1/50または1/100秒が有効)に設定することで、撮像信号のレベルを揃えフリッカを抑圧する。なお、電子シャッタ速度を1/50または1/100秒に設定することでフリッカを抑圧できる点に関しては周知であるので、詳細な説明は割愛するなお電子シャッタ速度を1/50秒に設定すると、露光時間がフィールドレートよりも長くなるので、動いている被写体18を撮像するとちらつきが生じる。。
【0067】
また、レベルが揃えられた撮像信号の絶対レベル(詳しくは、低周波輝度信号生成部244で生成された輝度信号YL)が所定レベルに維持されるように、デジタル増幅部210における増幅利得を制御する。
【0068】
図3は、露光制御部260による露光制御の電子シャッタ機能とAGC(自動利得制御)機能との関係を示す特性図である。ここで、図3(A)の特性図に示す横軸は被写体照度(撮像素子12に入力する光量)、縦軸はゲイン量(AGC量)である。なお、横軸の被写体照度に対応させて電子シャッタ速度(撮像素子12における電荷の蓄積時間)の切替線SS(Shutter Speed )、および合成ゲインの特性線CL0(CL;Characteristic Line)も併せて示してある。つまり、図3(A)は、シャッタ速度切替えと対応しての被写体照度とAGCゲインの関係を示す。
【0069】
また図3(B)の特性図に示す横軸は被写体照度、縦軸はA/D変換部14から出力されるデジタル撮像信号のレベルであり、被写体照度とデジタルパートへ入力される撮像信号の関係を示す。また図3(C)の特性図に示す横軸は被写体照度、縦軸は画像の明るさ(すなわち画像輝度)であり、被写体照度と画像輝度の関係を示す。
【0070】
被写体照度DL1以上が本来の第1のシャッタ速度である1/100秒に対応し、被写体照度DL2以上が本来の第2のシャッタ速度である1/200秒に対応し、被写体照度DL3以上が本来の第3のシャッタ速度である1/400秒に対応している。ここで、“本来の”とは、フリッカ防止を一切考慮しない場合において、被写体照度に応じて電子シャッタ速度を光源である蛍光灯19の点滅周期に同期した速度を選択する場合の設定値である。
【0071】
被写体照度がDL1以下およびDL3以上では、デジタルパートの総合AGCゲインは“+0dB”に設定される。また、被写体照度がDL0以下のときにおいて、露光制御部260からのゲイン制御信号GC1がアクティブのときには、アナログAGC部132におけるAGCゲインはゲイン上限値AGCmax(本例では+6dB)となっている。
【0072】
この被写体照度が“DL0”以下の区間では、アナログAGCによる補正が不足するので、図3(B)に示すように、画面の明るさ(画像輝度)が低下する。なお、被写体照度が“DL0”以下のとき電子シャッタ速度を1/50秒に設定して、あるいはデジタルAGCを作動させることで、画像の明るさが一定に保持される範囲をさらに低照度側に延長させてもよい。
【0073】
被写体照度が“DL0〜DL1”の範囲(図中のAで示す区間)では、電子シャッタ速度を1/100秒に維持したままとする。このA区間は、アナログAGC部132におけるAGCゲインが上限値AGCmaxから“+0dB”まで直線的に減少する第1の負性特性線CL1となっている。すなわち、このA区間は、1/100秒のシャッタ値で制御し、光量が少ないときはシャッタ速度1/100秒のままアナログAGCゲインを上げることで、図3(B)に示すように、アナログ撮像信号(すなわちA/D出力)を一定レベルに維持する。
【0074】
この区間Aでは、シャッタ速度は1/100秒に固定されているのでフリッカを防止できるとともに、アナログAGCによって画像の明るさを一定に保持することができ、図3(C)に示すように、画像の明るさを一定に保持することができ、適正な露光制御を実現することができる。
【0075】
被写体照度がDL1以上の区間は本来、適切な輝度の画像にしようとすると、1/100秒より短い蓄積時間でシャッタ速度を設定したい領域である。たとえば、丁度にDL1のとき、通常であればシャッタ速度を1/200秒に切り替える。しかしながら本実施形態では、シャッタ速度を1/100秒に維持する。その一方で、マイナスゲインSWを制御しつつデジタルAGCを作動させることで、適正な画像が得られるようにする。
【0076】
たとえば被写体照度が“DL1〜DL2”の範囲(図中のBの左半分B1で示す区間)では、マイナスゲイン切替部214の一方のマイナスゲインSWをアクティブ(オン)にして、その減衰分をデジタルAGC部212による利得制御で補正する。すなわち、区間B1では、デジタルAGCゲインがAGC1から“+0dB”まで直線的に減少する第2の負性特性線CL2となる。
【0077】
この区間B1では、シャッタ速度は1/100秒に固定されているのでフリッカを防止できる。また図3(B)に示すように、アナログ撮像信号(すなわちA/D出力)は上昇するものの、デジタルパートにてマイナスゲインで減衰させた分だけ輝度信号レベルを下げることができる。またマイナスゲインとデジタルAGCの総合ゲインによって、図3(C)に示すように、画像の明るさを一定に保持することができ、適正な露光制御を実現することができる。
【0078】
被写体照度が丁度DL1のときのデジタルAGCの立ち上がりの頂点に相当するデジタルAGCゲインであるAGC1の値は、a点つまりシャッタ速度が1/100秒かつマイナスゲインが“+0dB”のときの測光データDLの値と、b点つまりシャッタ速度が1/100秒かつ一方のマイナスゲインSWがオンのときにデジタルAGCのゲインがAGC1のときの測光データDLの値とを同じにするような値に定める。本例では、一方のマイナスゲインSWがオンのときには“−6dB”となるので、AGC1を+6dBに設定する。
【0079】
また被写体照度が“DL2〜DL3”の範囲(図中のBの右半分B2で示す区間)では、マイナスゲイン切替部214の両方のマイナスゲインSWをアクティブ(オン)にして、その減衰分をデジタルAGC部212による利得制御で補正する。すなわち、区間B2では、デジタルAGCゲインがAGC2から“+0dB”まで直線的に減少する第3の負性特性線CL3となる。
【0080】
この区間B2でも、シャッタ速度は1/100秒に固定されているのでフリッカを防止できる。また図3(B)に示すように、アナログ撮像信号(すなわちA/D出力)はさらに上昇するものの、デジタルパートにてマイナスゲインで減衰させた分だけ輝度信号レベルを下げることができる。またマイナスゲインとデジタルAGCの総合ゲインによって、図3(C)に示すように、画像の明るさを一定に保持することができ、適正な露光制御を実現することができる。
【0081】
被写体照度が丁度DL2のときのデジタルAGCの立ち上がりの頂点に相当するデジタルAGCゲインであるAGC2の値は、c点つまりシャッタ速度が1/100秒かつマイナスゲインが“−6dB”のときの測光データDLの値と、d点つまりシャッタ速度が1/100秒かつ両方のマイナスゲインSWがオンのときにデジタルAGCのゲインがAGC2のときの測光データDLの値とを同じにするような値に定める。本例では、両方のマイナスゲインSWがオンのときには“−12dB”となり、一方のマイナスゲインSWによって“−6dB”が設定されているので、AGC2を+6dBに設定する。つまり、本例では、AGC1=AGC2とする。
【0082】
このように、B区間では、シャッタ速度を1/100秒固定とすることでフリッカフリーにするとともに、1/100秒固定としたことによりアナログ撮像信号が上昇する分をマイナスゲインによって下げる。さらにこの間は、デジタルAGCを作動させることで、すなわちデジタルパートの総合ゲインによって、デジタル撮像信号の出力レベルを安定化させることで、画像輝度を一定に保持する。
【0083】
区間B(B1およびB2)において、アナログAGCでマイナスゲインの切替制御をせず、デジタルパートでマイナスゲインの切替制御をし、さらに減衰分をデジタルAGCを用いて補正するのは、なるべく前段での信号の飽和などを防ぎたいからである。つまり、AGC制御の全てをアナログパートで受け持つこととすると、非常に広いダイナミックレンジを確保してAGCループを形成なければならず、実際には飽和や過渡応答などの点で問題を生じ易いからである。
【0084】
なお、このようにする場合、アナログパート(A/D変換も含む)は、十分なダイナミックレンジをとる必要があるものの、AGC制御を小さく(前例は最大で+6dB)もしくは不要とすることができ、安定した露光制御を実現することができる。
【0085】
次に、被写体照度が“DL3”以上の範囲(図中のCで示す区間)は、マイナスゲインSWとデジタルAGCで制御できる領域よりさらに光量の多い場合である。このケースは、室外などの場合が多く、フリッカは発生しない条件下であることが多いと想定される。そこで、この区間Cでは、両方のマイナスゲインSWをインアクティブ(オフ;+0dBに戻す)にして、1/100秒未満の高速なシャッタ速度で露光制御を行なう。したがってこの区間Cでは、任意のシャッタ速度への切替え(以下シャッタフリーという)によって、アナログ撮像信号を安定化させる。これにより、デジタルパートのAGCを作動させなくても、画像の明るさを一定に保持することができ、適正な露光制御を実現することができる。
【0086】
すなわち、撮像装置10は、被写体照度がDL3以下の状態では、シャッタ速度1/100秒で動作し、被写体照度がDL3以上の状態では、シャッタフリーで動作する。そして、第1の負性特性線CL1において被写体照度がDL0から増加するにつれてアナログAGCゲインは直線的に減少し、被写体照度DL1つまりa点のときにアナログAGCゲインは“+0dB”となる。この間、自動利得制御(アナログAGC)により画像輝度は一定値を保つ。
【0087】
さたに被写体照度“DL1〜DL2”の範囲(B1区間)では、被写体照度とAGCゲインとの関係は第2の負性特性線CL2となり、被写体照度“DL2〜DL3”の範囲(B2区間)では、被写体照度とAGCゲインとの関係は第3の負性特性線CL3となる。これらの間(B区間)では、デジタルパートの自動利得制御(デジタルAGC)により画像輝度は一定値を保つ。さらに被写体照度“DL3”以上の範囲(C区間)では、シャッタフリーによる制御により画像輝度は一定値を保つ。
【0088】
フリッカフリーに対応した従来の露光制御によれば、第1の負性特性線CL1に沿って被写体照度が“DL1”よりも少しでも高くなると、AGCゲイン(アナログおよびデジタルともに)は“+0dB”に固定化されてしまう結果、画像輝度は、図3(B)に示すように増加し始め、画像が飽和してしまう。
【0089】
しかし、上記実施形態における露光制御によれば、AGCゲインが第1の負性特性線CL1を降下して“+0dB”になった段階で、デジタルパートのAGCゲイン制御を切り替える。つまり、被写体照度が“DL1”(第1マイナスゲイン切替ポイント)に到達すると、マイナスゲイン切替部214にて所定のマイナスゲインに設定し(前例では−6dB)するとともに、マイナスゲイン分を補うように、デジタルAGC部212のゲイン量をゲインAGC1に、すなわちa点からb点まで一気に立ち上げる。
【0090】
そして、被写体照度が“DL1”よりさらに増加すると、デジタルAGCゲインは、AGC1から“+0dB”に向けて第2の負性特性線CL2に沿って降下するようになる。つまり、図3(C)に示すように、自動利得制御が効いて画像輝度が一定に保持されている状態がより高照度側に向けて続く。
【0091】
また、被写体照度が“DL1〜DL2”の範囲でデジタルAGCゲインが第2の負性特性線CL2に沿って下降して“DL2”に到達になった段階で、デジタルパートのマイナスゲインをさらに切り替える。つまり、被写体照度が“DL2”(第2マイナスゲイン切替ポイント)に到達すると、マイナスゲイン切替部214にてマイナスゲインをもう1段階アップさせる(前例ではトータルで−12dBに設定する)とともに、このマイナスゲインのアップ分を補うように、デジタルAGC部212のゲイン量をゲインAGC2に、すなわちc点からd点まで一気に立ち上げる。
【0092】
そして、被写体照度が“DL2”よりさらに増加すると、デジタルAGCゲインは、AGC2から“+0dB”に向けて第3の負性特性線CL3に沿って降下するようになる。つまり、自動利得制御が効いて画像輝度が一定に保持されている状態が一層高照度側に向けて続く。
【0093】
図4は、露光制御部260による露光制御の処理手順におけるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、初期設定処理(S100)、AGC制御処理(S200)、マイナスゲイン切替判定処理(S300)、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)、およびシャッタ速度制御処理(S500)からなる。
【0094】
初期設定処理(S100)においては、たとえば電源投入に伴って初期のシャッタ速度を決定する。AGC制御処理(S200)においては、測光部250からの測光データDLが収束範囲に入るようにゲイン制御信号GCや電子シャッタ制御信号SCを制御する。マイナスゲイン切替判定処理(S300)においては、シャッタ速度とAGCゲインとの関係がマイナスゲイン切替えの要件を満たすか否かを判定する。マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)においては、マイナスゲイン切替部214を、所定のマイナスゲイン(前例では+0dB、−6dB、−12dBの何れか)のモードに切り替える。シャッタ速度制御処理(S500)においては、マイナスゲイン切替部214が“−12dB”モードから“+0dB”モードに切り替えられたとき、電子シャッタ速度を切り替えることで露光量を制御するシャッタフリーモードに切り替える。
【0095】
図5は、初期設定処理(S100)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、第1マイナスゲイン切替ポイントにおける補正分のAGCゲイン(AGC1)および第2マイナスゲイン切替ポイントにおける補正分のAGCゲイン(AGC2)を、図示しない不揮発性メモリより読み込んで、主メモリとしての図示しないRAMの所定のアドレスに格納する(S102)。このAGC1、AGC2の値は、マイナスゲイン切替部214におけるマイナスゲインの切替設定値に応じて、定められるのは前述の通りである。
【0096】
次に露光制御部260は、不揮発性メモリより電源投入前の前回使用時の最終的なマイナスゲインの設定値、シャッタ速度、露光モードなどを読み込み(S104)、主メモリ9のRAMに設定されるシャッタ速度変数SSにその前回の最終のマイナスゲインの設定値やシャッタ速度などを初期データとしてセットし(S106)、AGC制御処理(S200)の先頭ステップに進む(S108)。
【0097】
この初期設定処理(S100)を用いると、撮像装置10の設置場所が固定されているなどしていて、前回使用の条件と今回使用の条件とが似ており、撮像装置10周辺の照度変化が少ないときに有効である。たとえば、電源再投入の都度、周辺照度を測定し、その照度に応じて適切なシャッタ速度を演算する必要がなく、シャッタ速度の初期値設定が迅速に行なえる。
【0098】
図6は、AGC制御処理(S200)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、先ず、シャッタモードが“L”にセットされているか否かを判定する(S201)。“L”以外(すなわち“H”)のときには(S201−NO)、シャッタ速度制御処理(S500)の先頭ステップに進む(S220)。
【0099】
一方、シャッタモードが“L”のときには(S201−YES)、露光制御部260は、測光部250より測光データDLを読み込み(S202)、測光データDLの値が収束範囲の最大値より大きいか否かを判定する(S204)。測光データDLの値が最大値以下のときには(S204−NO)、直ちに測光データDLの値が収束範囲の最小値より小さいか否かを判定する(S208)。一方、測光データDLの値が最大値よりも大きい場合には(S204−YES)、デジタルAGCの利得(ゲイン値)が下がるよう、主メモリのRAMに設定されるAGCゲイン変数GGを一定量αだけ減少(デクリメント)した後(S206)、測光データDLの値が収束範囲の最小値より小さいか否かを判定する(S208)。
【0100】
測光データDLの値が最小値以上のときには(S208−NO)、直ちにAGC制御処理を終了してマイナスゲイン切替判定処理(S300)の先頭ステップに進む(S212)。一方、測光データDLの値が最小値よりも小さいときには(S208−YES)、デジタルAGCの利得(ゲイン値)が上がるよう、AGCゲイン変数GGを一定量αだけ増加(インクリメント)した後(S210)、マイナスゲイン切替判定処理(S300)の先頭ステップに進む(S212)。
【0101】
このAGC制御処理(S200)を繰り返す(後述するマイナスゲイン切替判定処理からリーターンする)ことにより、測光データDLの値は、最小値と最大値とで規定される収束範囲内に収束する。つまり、図3(A)において、第2の負性特性線CL2または第3の負性特性線CL3に沿ってデジタルAGCのゲインが制御され、また、図3(C)において、画像輝度が一定値に保たれる。
【0102】
図7は、マイナスゲイン切替判定処理(S300)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、先ず、AGCゲイン変数GGにセットされている値が“0dB”になっているか否かを判定する(S302)。“0dB”になっている場合には(S302−YES)、マイナスゲイン切替部214が“0dB”モードになっているか否かを判定する(S304)。“0dB”モードのときには(S304−YES)、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の先頭ステップに進む(S330)。
【0103】
つまり、ステップS302およびステップS304の判定がともに肯定的となるときは、AGCゲイン変数GGが“0dB”かつマイナスゲイン切替部214が“0dB”モードであるということ(第1のケースという)であり、これは、図3(A)において第1の負性特性線CL1を降下してa点に到達したということに対応している。そしてこのときは、マイナスゲイン切替部214を、“−6dB”モードに切り替えるために、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)に進む(S330)。
【0104】
また、ステップS304において判断が否定的となるときは(S304−NO)、AGCゲイン変数GGにセットされている値が“0dB”になっているか否かを判定する(S312)。“0dB”になっている場合には(S312−YES)、マイナスゲイン切替部214が“−6dB”モードになっているか否かを判定する(S314)。“−6dB”モードのときには(S314−YES)、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の先頭ステップに進む。
【0105】
つまりこのときは、AGCゲイン変数GGが“0dB”かつマイナスゲイン切替部214が“−6dB”モードであるということ(第2のケースという)であり、これは、図3(A)において第2の負性特性線CL2を下降してc点に達したということに対応している。そしてこのときは、マイナスゲイン切替部214を、“−12dB”モードに切り替えるために、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)に進む。
【0106】
また、ステップS314において判断が否定的となるときは(S314−NO)、AGCゲイン変数GGにセットされている値が“0dB”になっているか否かを判定する(S322)。“0dB”になっている場合には(S322−YES)、マイナスゲイン切替部214が“−12dB”モードになっているか否かを判定する(S324)。“−12dB”モードのときには(S324−YES)、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の先頭ステップに進む(S330)。
【0107】
つまりこのときは、AGCゲイン変数GGが“0dB”かつマイナスゲイン切替部214が“−12dB”モードであるということ(第3のケースという)であり、これは、図3(A)において第3の負性特性線CL3を下降してe点に達したということに対応している。そして、このときは、マイナスゲイン切替部214を、“+0dB”モードに切り替える(戻す)ために、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)に進む。
【0108】
ステップS302,S312,S322,S324において判断が否定的となるときはAGC制御処理(S200)の先頭ステップに進む(戻る)(S340)。つまり、上記の第1〜第3の3つのケース以外では、マイナスゲインの切替えは行なわない。
【0109】
なお、AGCゲイン変数GGが“0dB”にセットされているか否かの判断のステップS312,S322は、実際上はなくてもよく省略することができる。これは、ステップS304の判定が否定的であるときは、AGCゲイン変数GGは“0dB”になっているからである。
【0110】
図8は、マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、ゲイン制御信号GC2のマイナスゲインSW1に対応するコマンドがインアクティブにセットされているか否かを判定する(S402)。インアクティブのときには(S402−YES)、露光制御部260は、マイナスゲインSW1に対応するコマンドをアクティブにすることで、マイナスゲイン切替部214を“−6dB”モードに設定する(S404)。
【0111】
また、これに伴うゲイン低下を補正するべく、デジタルAGC部212に対してのゲイン設定値を示すAGCゲイン変数GGを、“+0dB”からAGC1(本例では“+6dB”)に変更設定する(S406)。本例では、これを受けて、デジタルAGC部212は、デジタルデータを1ビット分左(MSB側)にシフトすることで、デジタルデータを×2倍(+6dB)する。つまり、マイナスゲイン切替部214における減衰度の切替えと同じように、ビットシフトによって、マイナスゲイン切替分を補正する。
【0112】
また、ステップS402の判定が否定的なときには、ゲイン制御信号GC2のマイナスゲインSW2に対応するコマンドがインアクティブにセットされているか否かを判定する(S412)。インアクティブのときには(S412−YES)、露光制御部260は、マイナスゲインSW2に対応するコマンドも(つまりマイナスゲインSW1,SW2の両者を)アクティブにすることで、マイナスゲイン切替部214を“−12dB”のモードに設定する(S414)。
【0113】
また、これに伴うゲイン低下を補正するべく、デジタルAGC部212に対してのゲイン設定値を、“+0dB”からAGC2(本例では“+6dB”)に変更設定する(S416)。本例では、これを受けて、デジタルAGC部212は、デジタルデータを1ビット分左(MSB側)にシフトすることで、デジタルデータを×2倍(+6dB)する。
【0114】
そしてAGCゲイン変数GGを変更した後には(S406,S416)、何れの場合にも、現在設定されているAGCゲイン変数GGの値を不揮発性メモリの所定のアドレスに格納し、AGC制御処理(S200)の先頭ステップに戻る(S430)。
【0115】
一方、ステップS412の判定が否定的であって、マイナスゲイン切替部214が“−12dB”モードにセットされているときには、AGCゲイン変数GGを“+0dB”に固定するとともに(S422)、ゲイン制御信号GC2のマイナスゲインSW1,SW2の両者に対応するコマンドをインアクティブにすることで、マイナスゲイン切替部214を“+0dB”のモードに設定する(S424)。また、電子シャッタ速度をシャッタフリーのモードに切り替えるために、シャッタモードを“H”に設定し、現在設定されているAGCゲイン変数GGの値およびシャッタモードの値を不揮発性メモリの所定のアドレスに格納し、シャッタ速度制御処理(S500)の先頭ステップに進む(S440)。
【0116】
ここで、ステップS404,S406は、図3(A)において、第1マイナスゲイン切替ポイント(a点,b点)上で、マイナスゲイン切替部214を“−6dB”モードに移行させるとともに、デジタルAGCゲインを0dB(a点)からAGC1(b点)へと切り替えることに対応している。同じく、ステップS414,S416は、第2マイナスゲイン切替ポイント(c点,d点)上で、マイナスゲイン切替部214を“−12dB”モードに移行させるとともに、デジタルAGCゲインを0dB(c点)からAGC2(b点)へと切り替えることに対応している。さらに、ステップS422,S424,S426は、第3マイナスゲイン切替ポイント(e点)上で、マイナスゲイン切替部214を“+0dB”モードに戻し、デジタルAGCを停止しさせ、シャッタフリーによる露光制御に移行させることに対応している。
【0117】
図9は、シャッタ速度制御処理(S500)の具体例を示すフローチャートである。露光制御部260は、シャッタモードが“H”にセットされているか否かを判定する(S502)。“H”以外(すなわち“L”)のときには(S502−NO)、AGC制御処理(S200)の先頭ステップに進む(S504)。
【0118】
一方、シャッタモードが“H”のときには(S502−YES)、露光制御部260は、測光データDLを監視しながら、この測光データDLが所定範囲に収束するように、電子シャッタ制御信号SCを制御してタイミング信号生成部200から発せられるシャッタパルスXSUBの発生時期を制御する。
【0119】
すなわち、露光制御部260は、先ず、測光部250より測光データDLを読み込み(S512)、測光データDLの値が収束範囲の最大値より大きいか否かを判定する(S514)。測光データDLの値が最大値以下のときには(S514−NO)、直ちに測光データDLの値が収束範囲の最小値より小さいか否かを判定する(S518)。一方、測光データDLの値が最大値よりも大きい場合には(S514−YES)、電子シャッタ速度が速くなるように主メモリのRAMに設定されるシャッタ速度変数SSを一定量βだけ減少(デクリメント)した後(S516)、測光データDLの値が収束範囲の最小値より小さいか否かを判定する(S518)。
【0120】
測光データDLの値が最小値以上のときには、直ちに測光部250より測光データDLを再度読み込むべくステップS512に戻る(S518−NO)。一方、測光データDLの値が最小値よりも小さいときには(S518−YES)、電子シャッタ速度が遅くなるようにシャッタ速度変数SSを一定量βだけ増加(インクリメント)した後(S520)、測光データDLを再度読み込むべくステップS512に戻る。
【0121】
つまり、測光データDLが収束範囲よりも高い場合には電子シャッタ速度が速くなるように、反対に測光データDLが収束範囲よりも低い場合には電子シャッタ速度が遅くなるように、シャッタパルスXSUBのタイミング制御を行ない、駆動部15を介して撮像素子12の露光時間をコントロールする。
【0122】
このシャッタ速度の切替え(S512〜S520)を繰り返すことにより、測光データDLの値は、最小値と最大値とで規定される収束範囲内に収束する。つまり、図3(A)のC区間におて、1/100秒未満の高速なシャッタ速度で露光制御が実行され、また、常に自動的に収束範囲として定められた一定レベルの撮像信号が得られ、図3(C)において、画像輝度が一定値に保たれる。
【0123】
なお、AGCゲイン変数GGが“0dB”にセットされているか否かの判断のステップS312,S322は、実際上はなくてもよく省略することができる。これは、ステップS304の判定が否定的であるときは、AGCゲイン変数GGは“0dB”になっているからである。
【0124】
なお、上記各処理の具体例の説明は、被写体照度が漸次増える方向における処理についてのものであるが、これとは逆方向の処理にする場合でも、基本的な処理は上記と変わらない。ただし、マイナスゲインの切替ポイントの判定処理時には、AGCゲイン変数GGの設定値AGC1,AGC2がマイナスゲインの切替分(本例では“+6dB”)にあることをその判定基準にするなどの変更を加える。またこの切替ポイントでは、アナログのAGCほどではないにしても、ハンティングが生じることもあり得る。この場合、たとえばヒステリシスを持たせた制御手法を採用することで、ハンティングを防止することができる。
【0125】
以上説明したように、第1実施形態の露光制御によれば、AGC制御とシャッタ速度切替えとを組み合わせ、さらに所定範囲の照度(DL1〜DL3)ではマイナスゲイン設定と組み合わせるようにしたので、広い範囲の照度に亘って、フリッカや飽和を生じさせることなく、画像の明るさを一定に保つように露光量を制御することができる。つまり、フリッカフリーで、かつ、画像輝度を安定化させるための自動利得制御機能の、被写体照度に対するダイナミックレンジを拡張することができる。
【0126】
たとえば、シャッタの蓄積時間を蛍光灯の発光特性の周期(点滅周期)に同期したまま、明るい場所で撮影しても、飽和することなく適切な光量の画像を出力することができる。また、蛍光灯下の室内を撮影したとき、画像中に明るい部分がある場合でも、フリッカを発生することを防ぐことができる。
【0127】
また、ビットシフトでマイナスゲイン設定ができるから、比較的、回路変更が容易にマイナスゲインSWを付加することができる。加えて、タイミング信号生成部200、測光部250、さらには露光制御部260は、従来のものの微小な変更で済むので、露光制御機能の全体としても、回路変更や制御アルゴリズムの変更が比較的容易に済む。
【0128】
また、露光制御が自動的になされるので、シャッタ速度やマイナスゲインの手動切替などが不要であり、ユーザの手を煩わせることがなく、操作性がよい。
【0129】
図10は、本発明に係る撮像装置の第2実施形態を示すブロック図である。ここで図10(A)は露光制御機能に直目した機能ブロック図、図10(B)はA/D変換直後の撮像データとデジタル増幅部210にて処理された撮像データとの関係を示す図である。図10(B)において、A/D変換部14から出力される撮像データは、“B7h”であり、図2(B)に示したものと同じである。
【0130】
第1実施形態では、マイナスゲイン切替部214が“−6dB”または“−12dB”モードに設定された際、デジタルデータのビットシフトによりデジタルデータのLSB側の1ビット分もしくは2ビット分のデータが消失する。このビットシフトにより失われる情報の差分(消失分の絶対量)は小さいものの、アナログパートにて取得してあった微細な情報を失う点では、たとえば鮮鋭度の高い画像を得る要求に対しては不利である。
【0131】
そこで、第2実施形態の撮像装置10のデジタル増幅部210は、マイナスゲイン切替部214によるビットシフトで失われるデータを保持する記憶部216,218を備え、マイナスゲイン切替部214が、“−6dB”または“−12dB”モードに設定された際、デジタルデータのビットシフトにより失われる情報を、映像信号処理部220にて使用可能にした点が、第1実施形態と異なる。
【0132】
図10(B)に示すように、マイナスゲイン切替部214が“+0dB”モードに設定されると、ビットシフトはないので、マイナスゲイン切替部214は、LSB0用の記憶部216およびLSB1用の記憶部218をクリアする。これにより何れからも、“0;ゼロ”なる消失データが出力される。
【0133】
次に“−6dB”モードに設定されると、マイナスゲイン切替部214は、入力データにおけるLSB0の値をLSB0用の記憶部216にセットする。本例では、記憶部216から“0;ゼロ”なる消失データが出力される。
【0134】
また“−12dB”モードに設定されると、入力データにおけるLSB1の値をLSB1用の記憶部218にセットする。本例では、記憶部218から“1”なる消失データが出力される。ここで、記憶部216,218に保持されるデータは、結果として、LSB0やLSB1に有効データ“1”が存在していたか否かを示す判定フラグとなる。
【0135】
映像信号処理部220は、この記憶部216,218に保持されている情報を使って、所定の処理をする。たとえば、処理過程においてまるめ処理(切り捨て/切り上げ)をする際、記憶部216,218に保持されている情報が“1”のときには、消失分が処理済データに反映されるように、まるめ処理を補正する。たとえば、通常であれば、切り捨てするものを切り上げにする。
【0136】
これにより、マイナスゲイン切替部214が“−6dB”や“−12dB”モードに設定された場合であっても、たとえば精度のよいホワイトバランス制御ができ、あるいは高精細な画像を得ることができる。
【0137】
なお、ビットシフトにより失われる情報の変化周波数は一義的でないが、その絶対量は微量であり、主に比較的周波数が高い成分までをも含む輝度信号YHに対しての影響度合いが高いと考えられる。したがって、高周波輝度信号生成部242のみが、記憶部216,218に保持されている情報を使った処理を実行するようにしてもよい。
【0138】
図11は、本発明に係る撮像装置の第3実施形態を示すブロック図である。メモリカードなどの記録媒体を挿脱可能に構成した点、およびインターネットなどの通信網との接続が可能に構成した点が、第1および第2実施形態と異なる。
【0139】
すなわち、この第3実施形態の撮像装置10は、第1あるいは第2実施形態の撮像装置10に加えて、CPU902、ROM(Read Only Memory)904、RAM906、メモリ読出部907、および通信I/F(インターフェース)908を備える。記録媒体924は、たとえば、CPU902にソフトウェア処理をさせるためのプログラムデータや、測光データDLの収束範囲、マイナスゲイン切替部214におけるマイナスゲインの設定値などのデータを登録するなどのために利用される。メモリ読出部907は、記録媒体924から読み出したデータをRAM906に格納(インストール)する。通信I/F908は、インターネットなどの通信網との間の通信データの受け渡しを仲介する。
【0140】
このような構成の撮像装置10は、上記第1あるいは第2実施形態に示した撮像装置10の基本的な構成および動作と同様とすることができる。また、上述した処理をコンピュータに実行させるプログラムは、フラッシュメモリ、ICカード、あるいはミニチュアーカードなどの不揮発性の半導体メモリカードなどの記録媒体924を通じて配布される。さらに、サーバなどからインターネットなどの通信網を経由して前記プログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新してもよい。
【0141】
記録媒体924の一例としてのICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリには、上記実施形態で説明した撮像装置10(特にその主要部である測光部250や露光制御部260)における処理の一部または全ての機能を格納することができる。したがって、以下のプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体を提供することができる。たとえば、測光部用のプログラム、すなわちRAM906などにインストールされるソフトウェアは、上記実施形態に示された測光部250と同様に、画面分割測光、輝度ピーク検出、あるいは積算データ出力などの各機能部をソフトウェアとして備える。
【0142】
同様に、露光制御部用のプログラム、すなわちRAM906などにインストールされるソフトウェアは、上記実施形態に示された露光制御部260と同様に、測光データDLを測光部としての機能部から受け取り、測光データDLが一定レベルに保持され、かつ蛍光灯照明下においてもフリッカが生じないように、タイミング信号生成部200に対して電子シャッタ制御信号SCを発し、あるいはデジタルAGC部212に対してのAGCゲイン変数GGを制御し、さらには、所定照度のときにはマイナスゲイン切替部214をマイナスゲインモードに設定するなどの各機能部をソフトウェアとして備える。
【0143】
そしてメモリ読出部907は、記憶媒体924からプログラムデータまたは測光データDLの収束範囲などのデータを読み取ってCPU902に渡す。そしてソフトウエアは記憶媒体924からRAM906にインストールされる。なお、ROM904にプログラムデータの一部または収束範囲などのデータの一部をインストールしておいてもよい。RAM906は、メモリ読出部907によって読み出された種々のデータまたはプログラムや、CPU902がプログラムを実行することにより作成されたデータを記憶するとともに、記憶したデータまたはプログラムを読み取ってCPU902に渡す。
【0144】
ソフトウエアは、RAM906に読み出された後にCPU902により実行される。たとえばCPU902は、記録媒体の一例であるROM904およびRAM906に格納されたプログラムに基づいて上記の露光制御処理を実行することにより、上記処理を実行するための機能をソフトウェア的に実現することができる。すなわち、コンピュ−タを用いたデジタル信号処理によって、露光制御処理を実現することができる。それぞれの記憶媒体924には、それぞれのユーザ仕様に合わせた測光データDLの収束範囲あるいはマイナスゲイン設定値などのデータや、それに基づく適切な上記の露光制御処理を記述したプログラムを、他のユーザの設定内容に影響されることなく保持させておくことができる。
【0145】
こうすることで、たとえば、測光データDLの収束範囲あるいはマイナスゲイン設定値などのデータを、さらにはそれに基づく適切な上記の露光制御処理を、ユーザ仕様に合わせて、適宜設定できる。また、記憶媒体924の交換だけで、個々のユーザ仕様に合わせた処理に容易に切り替えることができる。
【0146】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0147】
たとえば、上記実施形態では、マイナスゲイン設定値として、−6dBおよび−12dBのみを設定可能とすることで、ビットシフトのみでマイナスゲインの設定を可能にしていたが、任意の値が設定されるものであってもよい。この場合、設定値に合わせるための演算回路が必要になるので、回路規模が大きくなる。
【0148】
また上記実施形態では、デジタルパートにて、マイナスゲインの切替えをするようにしていたが、先にも述べたように、アナログパートにて実行してもよい。また、デジタルAGC部212とマイナスゲイン切替部214とを逆の配置、つまり、マイナスゲイン切替部214の後段にデジタルAGC部212を配した構成であってもよい。さらに、測光部250や露光制御部260を除く部分の構成は、上記実施形態以外の構成をとってもよい。
【0149】
また、たとえばフリッカ検知部を備え、フリッカを検知したときに限って、光源の点滅周期に同期した電子シャッタ速度に設定する露光制御を実行するようにしてもよい。フリッカ検知の手法としては、たとえば100Hzで発光している蛍光灯と60Hzで露光動作している撮像素子の組合せを例にとると、露光期間の種類が3種類となり、これらの間で撮像素子からの撮像信号のレベルが異なることがフリッカの発生原因となる。
【0150】
よって、たとえば、1画面分の輝度積算値を、垂直同期信号のタイミングで毎VD入力し、各積算値のレベル比較を毎VD行なって、3VDおきのピークパターンを検出し、その検出数がある期間内で所定の確率を越えたらフリッカ有りと判定するとよい。また上記実施形態では、蛍光灯の点滅周期と撮像素子の露光周期との関わりで生じるフリッカについて説明したが、光源は蛍光灯に限るものではない。
【0151】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、AGC制御とシャッタ速度切替えとを組み合わせ、さらに所定範囲の照度ではマイナスゲイン設定と組み合わせるようにしたので、広い範囲の照度に亘って、フリッカや画像飽和を生じさせることなく、画像の明るさを適正レベルに保つように露光制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る撮像装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】 撮像装置における露光制御機能を説明する図である。
【図3】 露光制御部による露光制御の電子シャッタ機能とAGC機能との関係を示す特性図である。
【図4】 露光制御部による露光制御の処理手順におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】 初期設定処理(S100)の具体例を示すフローチャートである。
【図6】 AGC制御処理(S200)の具体例を示すフローチャートである。
【図7】 マイナスゲイン切替判定処理(S300)の具体例を示すフローチャートである。
【図8】 マイナスゲイン/デジタルAGC切替処理(S400)の具体例を示すフローチャートである。
【図9】 シャッタ速度制御処理(S500)の具体例を示すフローチャートである。
【図10】 本発明に係る撮像装置の第2実施形態を示すである。
【図11】 本発明に係る撮像装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…撮像装置、11…レンズ、12…撮像素子、13…プリアンプ、14…A/D変換部、15…駆動部、18…被写体、19…蛍光灯、20…デジタル信号処理部、130…CDS部、132…アナログAGC部、200…タイミング信号生成部、210…デジタル増幅部、212…デジタルAGC部、214…マイナスゲイン切替部、220…映像信号処理部、230…色信号処理部、231…原色分離部、232…ホワイトバランスアンプ、233…ガンマ補正部、234…色差マトリクス部、240…輝度信号処理部、242…高周波輝度信号生成部、244…低周波輝度信号生成部、246…輝度信号生成部、248…エンコーダ部、250…測光部、260…露光制御部、DL…測光データDL、GC1,GC2…ゲイン制御信号、SC…電子シャッタ制御信号
Claims (14)
- 撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得しながら、当該測光データを略一定に保つように前記撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値をプラスの範囲で制御し、かつ、前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、前記撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を前記点滅の周期に同期させて、前記被写体画像を撮像し、
前記設定したゲイン値、前記点滅の周期に同期するように設定したシャッタ速度、および前記測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するとき、マイナスゲインに切り替えることを特徴とする露光制御方法。 - 前記撮像素子の前記設定されたシャッタ速度にて取得される前記ゲイン値が調整された撮像信号に基づく前記画像信号の大きさがゲイン調整前よりも小さくなるように前記マイナスゲインを設定することを特徴とする請求項1に記載の露光制御方法。
- 前記マイナスゲインに設定することにより失われる消失信号成分を使用して、前記所定の画像信号に基づいて生成される画像を補正することを特徴とする請求項1に記載の露光制御方法。
- 撮像素子からの撮像信号に基づいて取得された測光データに基づいて、当該測光データを略一定に保ち、かつ、前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、前記撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値を制御する利得制御部に設定するゲイン値と、前記撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を切り替えるシャッタ速度設定部に対して設定する、前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度との組合わせを決定するとともに、前記利得制御部に設定するゲイン値、前記シャッタ速度設定部に設定する前記点滅の周期に同期したシャッタ速度、および前記測光部が取得した測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するとき、マイナスのゲイン値を前記利得制御部に指示する露光制御部と
を備えたことを特徴とする露光制御回路。 - 前記撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得する測光部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の露光制御回路。
- 光源に照射された被写体画像を撮像する撮像装置であって、
シャッタ速度を切替可能な撮像素子と、
前記撮像素子からの撮像信号に基づいて画像を生成する画像信号処理部と、
前記撮像素子からの撮像信号に基づいて測光データを取得する測光部と、
前記撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値を制御する利得制御部と、
前記撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を切り替えるシャッタ速度設定部と、
前記測光部により取得された測光データに基づいて、当該測光データを略一定に保ち、かつ、前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、前記利得制御部に対するゲイン値と前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度との組合わせを決定し、この決定したシャッタ速度の切替指示を前記シャッタ速度設定部に通知するとともに、決定したゲイン値を前記利得制御部に通知する露光制御部と
を備え、
前記露光制御部は、前記利得制御部に設定したゲイン値、前記シャッタ速度設定部に設定した前記点滅の周期に同期したシャッタ速度、および前記測光部が取得した測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するとき、マイナスのゲイン値を前記利得制御部に指示する
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記利得制御部は、ゲイン量を少なくとも正の範囲内で任意に調整可能な第1の利得制御部と、予め定められた固定マイナスゲインに設定する第2の利得制御部とを有し、
前記露光制御部は、前記第1の利得制御部に対する正のゲインと、前記第2の利得制御部に設定する固定マイナスゲインとの総和が前記マイナスのゲイン値となるようにゲイン値を決定する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。 - 前記露光制御部は、前記第2の利得制御部に対して前記固定マイナスゲインに設定させた略瞬間には、当該固定マイナスゲインを補う分のプラスゲインを前記第1の利得制御部に対して設定することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子からのアナログの撮像信号をデジタルデータに変換するA/D変換部を備え、
前記第1の利得制御部および前記第2の利得制御部は、前記A/D変換部から出力されたデジタルデータのゲインを切り替えるものであることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。 - 前記露光制御部は、前記第2の利得制御部が前記固定マイナスゲインに設定した条件下において、前記被写体照度の上昇に伴う前記アナログの撮像信号の上昇分を補正するように、前記第1の利得制御部に対するゲイン値を決定することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
- 前記利得制御部が前記マイナスゲインに設定することにより失われる消失信号成分を記憶する記憶部を備え、
前記画像信号処理部は、前記記憶部に記憶された消失信号成分を使用して、前記所定の画像信号に基づいて生成される画像を補正する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。 - 前記露光制御部は、前記光源を駆動する電源の周波数の2倍に対応するシャッタ速度を前記シャッタ速度設定部に設定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
- 撮像素子のシャッタ速度と前記撮像素子により得られた撮像信号のゲインとを調整する露光制御処理を電子計算機に実行させるためのプログラムであって、
前記電子計算機を、
前記撮像素子からの撮像信号に基づいて取得された測光データに基づいて、当該測光データを略一定に保ち、かつ、前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、前記撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値を制御する利得制御部に設定するゲイン値と、前記撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を切り替えるシャッタ速度設定部に設定する、前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度との組合わせを決定するとともに、前記利得制御部に設定するゲイン値、前記シャッタ速度設定部に設定する前記点滅の周期に同期したシャッタ速度、および前記測光部が取得した測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するとき、マイナスのゲイン値を前記利得制御部に指示する露光制御部として機能させることを特徴とするプログラム。 - 撮像素子のシャッタ速度と前記撮像素子により得られた撮像信号のゲインとを調整する露光制御処理を電子計算機に実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体であって、
前記プログラムは、前記電子計算機を、
前記撮像素子からの撮像信号に基づいて取得された測光データに基づいて、当該測光データを略一定に保ち、かつ、前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧するように、前記撮像信号に基づく所定の画像信号のゲイン値を制御する利得制御部に設定するゲイン値と、前記撮像素子の電子シャッタのシャッタ速度を切り替えるシャッタ速度設定部に設定する、前記光源の点滅に起因するフリッカ成分を抑圧可能なシャッタ速度との組合わせを決定するとともに、前記利得制御部に設定するゲイン値、前記シャッタ速度設定部に設定する前記点滅の周期に同期したシャッタ速度、および前記測光部が取得した測光データの3つの情報に基づいて取得される被写体照度が、予め定められた条件に合致するとき、マイナスのゲイン値を前記利得制御部に指示する露光制御部として機能させることを特徴とするコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
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