JP3777940B2 - 光導波路の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は従来の光導波路の側面図であり、図19は従来の電子部品を示す側面図である。図20は図18に示した光導波路と、図19に示した電子部品とを組合わせた光部品の側面図である。
【0003】
図18に示す光導波路1は、クラッド基板2と、クラッド基板2上に形成されクラッド基板2より屈折率の高いコア3と、コア3を覆うように形成されたクラッド被膜4とで構成されている。
【0004】
図19に示す電子部品5は、基板6と、基板6上に形成された導電性物質からなる電気回路パターン7と、電気回路パターン7に接続された受光素子8とで構成されている。
【0005】
図20に示した光部品9は、支持体10と、支持体10の中央に形成された光導波路1と、支持体10の一方(図では右側)の端に形成され発光素子11を有する電子部品12と、支持体10の他方(図では左側)の端に形成され受光素子8を有する電子部品5とで構成されている。電子部品12も電子部品5と同様に基板6と、基板6上に形成された電気回路パターン7と、電気回路パターン7に接続された受光素子8及び発光素子1とで構成されている。
【0006】
この光部品9は、発光素子11から出射した光を効率よく光導波路1のコア3の露出端面に入射させるように、位置や方向を精密に調節した後、その状態を保つように、かつ、光導波路1から出射した光を受光素子8に入射させるように位置や方向を精密に調節したものである。
【0007】
図21は光導波路と電子部品とを一体化した光部品の他の従来例の側面図である。
【0008】
この光部品13は、電気絶縁板14と、電気絶縁板14上に形成され導電性物質からなる電気回路パターン15と、電気絶縁板14上に形成され電気回路パターン15を覆うように形成された平坦化クラッド被膜16と、平坦化クラッド被膜16上に形成されたコア17と、コア17を覆うように形成されたクラッド18とで構成されたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図20に示した光部品9は、光導波路1と電子部品5、12とを組合わせる時に、発光素子11から出射する光が最も効率よく光導波路1のコア3に入射するように位置や方向を精密に調整したり、光導波路1のコア3を透過した光が最も効率よく受光素子8に入射するように位置や方向を精密に調整したりした後、光導波路1と電子部品5、12とを支持体10に固定する必要がある。従って、調整の工程に長時間を要するという問題がある。また、図20に示した光部品9を量産した時に調整の状態の変動に対応して、性能上の変動が生じやすいという問題がある。さらに、図20に示した光部品9は光導波路1と電子部品5、12とを固定するための支持体10が必要であり、かつ、光導波路1、受光素子8及び発光素子11を固定するための部品を設ける必要があるので、小形化、軽量化が必要な場合には大きさ、形状、重量に限界がある。
【0010】
次に図21に示した光部品13は、電気絶縁板14及び電気回路パターン15からなる回路基板上に光導波路を形成する際、電気絶縁板14上に電気回路パターン15を形成する関係上、電気絶縁板14の表面と電気回路パターン15の表面との間に段差があるため、まず、段差を高分子樹脂で埋めて平坦化するための膜を形成する必要があり、電気回路パターン15間の微細な空間に高分子樹脂を流し込まなければならず、高分子樹脂が流し込み切れずに空孔が生じ、剥離しやすいという問題がある。また、図21に示した光部品13は平面的な二次元の形状のものしか構成できないという問題がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、生産性が高く、小型、軽量化しやすく三次元立体形状化が可能な光導波路の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の光導波路の製造方法は、光導波路のコアと同一形状の突起部が設けられた可動部と、可動部の周囲を覆う固定部とを有する下側金型を準備し、ベースフィルム上に電気回路パターン、接着剤層を順次形成した転写フィルムを準備し、転写フィルムを下側金型の可動部上に突起部と重ならないように、かつ、ベースフィルムが下側金型に接するように配置し、下側金型を上側金型で覆った後、両金型を射出成型機の型締部間に装着し、両金型間に射出成形機の射出部からクラッド基板となる高分子樹脂を射出充填すると共に可動部で圧縮し、高分子樹脂を冷却固化させた後、両金型からクラッド基板を取り出して、クラッド基板に形成された溝に高分子樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を充填して固化させてコアを形成し、コアをクラッド基板と略等しい屈折率を有する高分子樹脂で覆って固化させてクラッド被膜を形成するものである。
【0013】
上記構成に加え本発明の光導波路の製造方法は、ベースフィルムに、受光素子や発光素子等の素子搭載接続用の孔を形成して導電性物質の一部を表面に露出させ、ベースフィルムを電気回路パターンの絶縁保護層としてもよい。
【0014】
上記構成に加え本発明の光導波路の製造方法は、ベースフィルムを電気回路パターンの搬送にのみ用い、接着剤層と高分子樹脂との接着力がベースフィルムと電気回路パターンとの接着力よりも強くなるようにし、クラッド基板を両金型から取り出した後、ベースフィルムを剥離し、露出した電気回路パターンに絶縁保護層として電気絶縁被膜を形成してもよい。
【0015】
上記構成に加え本発明の光導波路の製造方法は、溝にコア用の高分子樹脂を充填する際に、高分子樹脂を電気絶縁被膜として用い、溝への充填と電気絶縁被膜の塗布とを同時に行ってもよい。
【0016】
上記構成に加え本発明の光導波路の製造方法は、クラッド被膜を形成する際に、高分子樹脂を電気絶縁被膜として用い、溝にコア用の高分子樹脂を充填して固化した後、コアの表面露出部全体を含む表面にクラッド被膜の形成と電気絶縁被膜の塗布とを同時に行ってもよい。
【0017】
本発明によれば、光導波路のコアが形成される突起部を有する下側金型及び上側金型を用いて射出成型する前に、両金型内に電気回路パターンが形成された転写フィルムを配置した後射出成型することにより、転写フィルムが埋め込まれたクラッド基板が形成される。このクラッド基板に形成された溝にコア用高分子樹脂を充填固化し、クラッド被膜で覆うことにより光導波路となり、転写フィルムのベースフィルムを剥離することにより電気回路パターンを露出させて受光素子や発光素子等の素子と電気的に接続することができる。すなわち、光導波路と電気回路とを一体的に形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0019】
図1は本発明の光導波路に用いられるクラッド基板用の射出成型機の概念図である。図2は図1に示した射出成型機の部分拡大断面図である。但し、図2において高分子樹脂は省略されている。図3は図1に示したクラッド基板に用いられる転写フィルムの断面図である。図4は図1に示した射出成型機で製造されたクラッド基板の断面図である。図5は図4に示したクラッド基板にコア及びクラッド被膜を形成した基板の断面図である。図6は図5に示した基板に電気絶縁被膜を形成した光導波路の断面図である。
【0020】
まず、図3に示すような転写フィルム20を準備する。転写フィルム20は、搬送のためのベースフィルム21上に導電性物質からなる電気回路パターン22、高分子樹脂と接着性のよい接着剤層23を順次形成したものである。
【0021】
次に図1及び図2に示すような光導波路のコアと同一形状の突起部24が設けられた可動部27と、可動部27の周囲を覆う固定部28とを有する下側金型25を準備する。下側金型25は矢印26方向に移動可能になっている。固定部28には高分子樹脂注入用の溝30が形成されている。
【0022】
このような下側金型25の上に転写フィルム20を、突起部24と重ならないように、かつベースフィルム21が下側金型25と接するように所望の位置に配置する。
【0023】
次に上側金型29を準備する。上側金型29はその下面にクラッド基板を形成するための凹部31と、射出成型機の射出部32からのクラッド用の高分子樹脂33を注入するためのゲート部34と、溝35とが形成されている。溝35は下側金型25の固定部28の溝30と対向する位置に形成されている。
【0024】
下側金型25を上側金型29で覆った後、両金型25、29を射出成型機の型締部36a、36b間に装着する。
【0025】
射出成型機の射出部32内で加熱して流動可能にしたクラッド用の高分子樹脂33を、射出部32から両金型25、29内に射出充填し、高分子樹脂33が流動性を保持しているうちに、両金型25、29内で下側金型25の可動部27を矢印26方向に駆動して高分子樹脂33を圧縮し、その状態で高分子樹脂33を冷却固化することにより、図4に示すような溝37と転写フィルム20とを有するクラッド基板38が得られる。
【0026】
なお、可動部27を駆動するための駆動力としては型締部36a、36bの駆動力を用いてもよく、新たに油圧装置、ボールネジ装置等を用いてもよい。
【0027】
ここで、可動部27で加圧することについて図7、8を参照して説明する。
【0028】
尚、図7は従来の射出成型法による成型品の断面図であり、図8は本発明で用いた射出圧縮成型法による成型品の断面図である。
【0029】
クラッド基板38を射出成型する際に、単なる射出部を用いて金型29のゲート部34の高分子樹脂33が冷却固化するまで圧力を加える保圧工程を用いることが挙げられるが、ゲート部34から末端部(クラッド基板の反対側)までの間に圧力損失が生じ、ゲート部34の高分子樹脂33が冷却固化してしまうと、金型25、29の成型部に圧力が伝わらない。このため射出圧力が不足している部分には、成型品としてのクラッド基板38aにヒケ39が生じる。特に微細な溝37を成型する場合にはその溝37の周辺にヒケ39が生じやすくなる(図7参照)。
【0030】
しかし、本発明のように射出成型時に圧縮する方法(射出圧縮成型法)を用いると、圧力が均一に加わるためにヒケ39が生じにくく、微細な溝37を精度よく、形成することができる(図8参照)。
【0031】
本発明はこのような射出圧縮成型法を用いるため、精度よいコアを有する光導波路を得ることができる。
【0032】
次に両金型25、29から取出したクラッド基板38にはコアが形成される溝37と、転写フィルム20とが一体的に形成されているので、転写フィルム20のベースフィルム21を剥離することにより電気回路パターン22が露出する。
【0033】
図4に示したクラッド基板38の溝37に、クラッド基板38の屈折率よりも屈折率が高いコア用の高分子樹脂を充填し、固化させることにより光導波路パターンを有するコア40が形成される。コア40が形成された後、コア40の表面露出部全体を含む表面に、コア用の高分子樹脂よりも屈折率が低い(好ましくはクラッド基板38用の高分子樹脂33と略等しい)高分子樹脂を塗布し固化することにより図5に示すようなクラッド被膜41を有する成型品42が得られる。
【0034】
図6に示すように電気回路パターン22の表面に、受光素子や発光素子等の素子と電気的に接続する部分以外に電気絶縁被膜43を形成することにより図6に示すような光導波路44が得られる。なお、転写フィルム20のベースフィルム21を剥離せずに素子と電気的に接続するための孔を形成してもよい。また、クラッド基板38の溝37にコア用の高分子樹脂を充填する際に、そのコア用の高分子樹脂を電気回路パターン22の所定の領域に同時に塗布してもよく、クラッド被膜41用の高分子樹脂を形成する際に電気回路パターン22の所定の領域にその高分子樹脂を同時に塗布してもよい。
【0035】
ここで、クラッド基板38用の高分子樹脂及びクラッド被膜41用の高分子樹脂としては、フッ素系高分子樹脂、鎖状アクリル系高分子樹脂及びそれらのフッ化物、エポキシ系高分子樹脂、フェノール系高分子樹脂、オレフィン系高分子樹脂、カーボネート系高分子樹脂、スチレン系高分子樹脂等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0036】
導電性物質としては、銅、銅合金、金、銀、アルミニウム、導電性接着剤等が挙げられるが、転写フィルム20を形成することができ、目的とする特性を有するものであれば、特にこれらに限定されるものではない。
【0037】
図9は本発明の光導波路の製造方法を示すフローチャートである。
【0038】
ベースフィルム21上に電気回路パターン22、接着剤層23を順次形成した転写フィルム20を準備する(ステップS1)。
【0039】
光導波路のコアと同一形状の突起部24が設けられた可動部27と、固定部28とを有する下側金型25を準備する(ステップS2)。
【0040】
下型金型25の上に突起部24と重ならないように、かつ、ベースフィルム21が下側金型25に接するように転写フィルム20を配置する(ステップS3)。
【0041】
下側金型25を上側金型29で覆い、型締部36a、36b内に挿入し、両金型25、29内に射出部からクラッド基板用の高分子樹脂33を注入すると共に可動部27で圧縮し、高分子樹脂33を冷却固化させる(ステップS4)。
【0042】
両金型25、29からクラッド基板38を取り出して溝37にコア用の高分子樹脂を注入、固化してコア40を形成する(ステップS5)。
【0043】
コア40をクラッド被膜41で覆う(ステップS6)。
【0044】
電気回路パターン22上に電気絶縁被膜43を形成することにより本発明の光導波路44が得られる(ステップS7)。
【0045】
【実施例】
(実施例1)
図10は本発明の光導波路の一実施例を示す外観斜視図である。
【0046】
同図に示す光導波路45は、クラッド基板46と、クラッド基板46に埋め込まれクラッド基板46より屈折率の高いコア47からなる光導波路パターン48と、クラッド基板46に埋め込まれた導電性物質からなる電気回路パターン49とが一体的に形成されたものである。光導波路パターン48が形成された部分のクラッド基板46はクラッド被膜50で覆われ、電気回路パターン49は素子(図示せず。)と接続される部分以外の部分が電気絶縁被膜51で覆われている。クラッド基板46はクランク状の断面を有しており、電気回路パターン49に接続される受発光素子と、光導波路パターン48のコア47の端面とが対向するようになっている。なおクラッド基板46の形状は図ではクランク断面形状であるが、この形状に限定されるものではない。
【0047】
図11は図10に示した光導波路に用いられるクラッド基板用の射出成型機の概念図である。尚、図1に示した射出成型機と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0048】
図11に示す射出成型機との相違点は、金型内の空間形状が平板状でなく略クランク形状である点である。
【0049】
下側金型25aは、図11に示すようにクラッド用の高分子樹脂33を圧縮するための可動部27aと、可動部27aを覆う固定部28aとで構成されている。可動部27aにはコア47が形成される溝24aを有する転写部材52が取付けられている。この転写部材52により溝24aを精密に成型することができる。
【0050】
上側金型29aは、その下面にクラッド基板46を形成するための凹部53と、射出成型機の射出部32からのクラッド用の高分子樹脂33を注入するためのゲート部34と、溝35とが形成されている。溝35は下側金型25aの固定部28aの溝30と対向する位置に形成されている。
【0051】
転写フィルム20は、ベースフィルム21としてポリエチレンテレフタレートのフィルムを用い、このフィルム上に導電性物質として銅箔を用いて電気回路パターン22を形成し、その電気回路パターン22の上に接着剤層23としてエポキシ系接着剤を塗布したものを用いた。
【0052】
転写フィルム20をベースフィルム21が転写部材52に接するように転写部材52上に配置した後、上側金型29aで下側金型25aを覆い、両金型25a、29aを型締部36a、36b間に装着し、クラッド用の高分子樹脂33として屈折率1.49のポリメチルメタクリレートを用いて両金型25a、29a内に射出充填し、ポリメチルメタクリレートが流動性を帯びている間に高分子樹脂33を可動部27aで圧縮し、圧縮した状態で高分子樹脂33を冷却固化させることにより、図12に示すような微細な溝54が形成され、電気回路パターン49が表面に埋設転写されたクラッド基板(高分子成型品)46が得られる。尚、図12は図11に示した射出成型機で得られるクラッド基板の外観斜視図である。
【0053】
このクラッド基板46の溝54に、屈折率1.6のエポキシ樹脂を充填固化させてコア47を形成すると共に、電気回路パターン49の素子を搭載、接続する接続部を残してその接続部以外の部分に図示しないマスクを用いてエポキシ樹脂を塗布し、固化して電気絶縁被膜51を形成した後、コア47の表面露出部の全てを含む表面に屈折率1.49のポリメチルメタクリレートを塗布してクラッド被膜50を形成することにより、図10に示したような電気回路を一体化した光導波路が得られる。尚、溝54へのエポキシ樹脂の充填にはディスペンサを用いたがこれに限定されるものではない。
【0054】
ここで、下側金型用の転写部材52は、図13(a)〜(g)に示すような電鋳法により製作した。尚、説明を簡略化するため転写部材52の形状を平板状とした。尚、図13(a)〜(g)は下側金型用の転写部材の製造工程を示す工程図である。
【0055】
基板55上に感光性レジスト56を塗布する(図13(a))。
【0056】
感光性レジスト56にフォトマスク57を介して紫外線を照射し(図13(b))、感光性レジスト56からなるマスタモデル58を形成する(図13(c))。
【0057】
そのマスタモデル58の表面に金属を真空蒸着して導電膜(破線で示す)59を形成する(図13(d))。
【0058】
導電膜59上に電鋳(メッキ)によりニッケル厚膜60を形成し(図13(e))、このニッケル厚膜60に鋼板61を裏打ち接合して補強して上側金型25aの可動部27aに取付けられるようにする(図13(f))。
【0059】
感光性レジスト56及び基板55を剥離することにより転写部材52が得られる。
【0060】
(実施例2)
図14は転写フィルムの変形例を示す部分断面図である。図15は上側金型と下側金型との間の空間を示す部分断面図である。
【0061】
同図に示す転写フィルム62は、ベースフィルム63に細い導電性の線材からなる電気回路パターン64を貼付けたものである。
【0062】
この転写フィルム62は、素子を搭載し接続する部分をベースフィルム63の標準面より若干陥没させて陥没部63aを形成し、この電気回路パターン64が曲がった状態になるようにしたものである。この陥没部63aに相当する下側金型25bに図15に示すような凹み65を形成しておくと、図16に示すように線が曲がった状態で成型品66の表面から突出するので、素子を搭載・接続しやすくなる。尚、図16は図14に示した転写フィルムと図15に示した金型とを用いて形成したクラッド基板の電気回路パターン周辺部の部分拡大断面図である。
【0063】
(実施例3)
図17は本発明の光導波路の製造方法を適用したクラッド基板の製造装置の平面図である。
【0064】
図17に示す製造装置は、ロール状に巻かれた転写フィルム67を搬送する搬送装置68と、搬送装置68から搬送された転写フィルム67を上側金型69及び下側金型70で挟む型締部71と、型締部71で挟まれた両金型69、70内にクラッド用の高分子樹脂を注入してクラッド基板を射出成型する射出部72と、金型69、70で成型されたクラッド基板から剥離されたベースフィルム73を回収して巻取る巻取り部74と、巻取り部74を間欠的に駆動する駆動装置(例えばステッピングモータ)75とで構成されている。尚、76、77は芯であり、78はクラッド用の高分子樹脂のペレットを投入するためのホッパである。
【0065】
この製造装置が作動すると、転写フィルム67が金型69、70内に搬送されると共に型締部71の上側部材が上昇して金型69、70内に転写フィルム67の電気回路パターンが位置するように停止する。型締部71の上側部材が下降して転写フィルム67が金型69、70内に挟まれると、射出部72からクラッド用の高分子樹脂が注入されると共に、下側金型69の図示しない可動部で高分子樹脂を加圧し、冷却固化することによりクラッド基板が形成される。型締部71の上側部材が上昇して電気回路パターンが埋め込まれたクラッド基板が取出されることにより金型内にはベースフィルム73が残る。駆動装置75が駆動して金型69、70内に残ったベースフィルム73を芯77に巻取る。以下順次上記工程を繰り返すことによりクラッド基板を連続的に効率よく量産することができる。
【0066】
以上において本発明によれば、光導波路と電気回路とが一体化されているので、両者を組み立て調整する工程が少なくてすむ他、組み立ての不具合が少なくなり、調整後固定するための支持体が不要であり、かつ、固定のための固定台や空間が不要であるので、全体として小型、軽量化できる。
【0067】
また、電気回路が表面に露出する部分が少なく全体として薄肉にできる他、平坦化されているので、電気絶縁層を塗布する場合にも凹凸のコーナ部に塗布材料が充分にいきわたらなかったり、ピンホールが生じたりするような従来見られた欠陥が少なくなる。また、溝に充填するコア用の高分子樹脂あるいは高分子樹脂やコア用の高分子樹脂の露出表面全体を含む面に塗布するクラッド被膜用高分子樹脂を電気絶縁被膜として用いることが可能であり、かつ、転写フィルムのベースフィルムを電気絶縁被膜として用いることが可能であるため、必要に応じて電気絶縁被膜を形成する工程と、コア用高分子樹脂を溝に充填する工程あるいは成形の工程と同時に行うことができ、製造工程を短縮することができ、生産性の向上を図ることができる。また、射出圧縮成型法を用いているので形状の自由度が大きく、三次元の立体形状の光導波路を得ることができる。この結果、小型化、軽量化を図ることができる。
【0068】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0069】
生産性が高く、小型、軽量化しやすく三次元立体形状化が可能な光導波路及びその製造方法の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光導波路に用いられるクラッド基板用の射出成型機の概念図である。
【図2】 図1に示した射出成型機の部分拡大断面図である。
【図3】 図1に示したクラッド基板に用いられる転写フィルムの断面図である。
【図4】 図1に示した射出成型機で製造されたクラッド基板の断面図である。
【図5】 図4に示したクラッド基板にコア及びクラッド被膜を形成した基板の断面図である。
【図6】 図5に示した基板に電気絶縁被膜を形成した光導波路の断面図である。
【図7】 従来の射出成型法による成型品の断面図である。
【図8】 本発明で用いた射出圧縮成型法による成型品の断面図である。
【図9】 本発明の光導波路の製造方法を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の光導波路の一実施例を示す外観斜視図である。
【図11】 図10に示した光導波路に用いられるクラッド基板用の射出成型機の概念図である。
【図12】 図11に示した射出成型機で得られるクラッド基板の外観斜視図である。
【図13】 (a)〜(g)は下側金型用の転写部材の製造工程を示す工程図である。
【図14】 転写フィルムの変形例を示す部分断面図である。
【図15】 上側金型と下側金型との間の空間を示す部分断面図である。
【図16】 図14に示した転写フィルムと図15に示した金型とを用いて形成したクラッド基板の電気回路パターン周辺部の部分拡大断面図である。
【図17】 本発明の光導波路の製造方法を適用したクラッド基板の製造装置の平面図である。
【図18】 従来の光導波路の側面図である。
【図19】 従来の電子部品を示す側面図である。
【図20】 図18に示した光導波路と、図19に示した電子部品とを組合わせた光部品の側面図である。
【図21】 光導波路と電子部品とを一体化した光部品の他の従来例の側面図である。
【符号の説明】
20 転写フィルム
24 突起部
25 下側金型
27 可動部
28 固定部
29 上側金型
32 射出部
33 クラッド用の高分子樹脂
Claims (5)
- 光導波路のコアと同一形状の突起部が設けられた可動部と、該可動部の周囲を覆う固定部とを有する下側金型を準備し、ベースフィルム上に電気回路パターン、接着剤層を順次形成した転写フィルムを準備し、該転写フィルムを上記下側金型の可動部上に上記突起部と重ならないように、かつ、上記ベースフィルムが下側金型に接するように配置し、該下側金型を上側金型で覆った後、両金型を射出成型機の型締部間に装着し、両金型間に射出成形機の射出部からクラッド基板となる高分子樹脂を射出充填すると共に上記可動部で圧縮し、上記高分子樹脂を冷却固化させた後、両金型からクラッド基板を取り出して、該クラッド基板に形成された溝に上記高分子樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を充填して固化させてコアを形成し、上記コアを上記クラッド基板と略等しい屈折率を有する高分子樹脂で覆って固化させてクラッド被膜を形成することを特徴とする光導波路の製造方法。
- 上記ベースフィルムに、受光素子や発光素子等の素子搭載接続用の孔を形成して導電性物質の一部を表面に露出させ、ベースフィルムを上記電気回路パターンの絶縁保護層とする請求項1に記載の光導波路の製造方法。
- 上記ベースフィルムを上記電気回路パターンの搬送にのみ用い、上記接着剤層と高分子樹脂との接着力が上記ベースフィルムと上記電気回路パターンとの接着力よりも強くなるようにし、上記クラッド基板を上記両金型から取り出した後、上記ベースフィルムを剥離し、露出した電気回路パターンに絶縁保護層として電気絶縁被膜を形成する請求項1または2に記載の光導波路の製造方法。
- 上記溝にコア用の高分子樹脂を充填する際に、該高分子樹脂を電気絶縁被膜として用い、上記溝への充填と上記電気絶縁被膜の塗布とを同時に行う請求項3に記載の光導波路の製造方法。
- 上記クラッド被膜を形成する際に、高分子樹脂を電気絶縁被膜として用い、上記溝にコア用の高分子樹脂を充填して固化した後、コアの表面露出部全体を含む表面にクラッド被膜の形成と電気絶縁被膜の塗布とを同時に行う請求項3に記載の光導波路の製造方法。
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