JP3777867B2 - 自動設計・作図装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動設計・作図装置に関し、特に分電盤や配電盤のような盤を対象とする自動設計・作図装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、分電盤や配電盤のような盤を対象とする自動設計・作図装置が種々提案されている。例えば特開平9−22420号公報には、設計対象の盤に必要な部品種を従属関係が判るように階層構造でファイルに書き込み処理を行う入力手段と、入力手段より得られる部品間の従属関係に基づいて、実際に使用する部品と属性を決定する前処理手段と、決定された部品と属性データに基づいて部品の配置及び部品相互の接続形状を決める配置処理手段と、配置処理手段で得られた位置データに基づいて必要な種類の図面を作成する作図処理手段とを備え、前処理手段が部品発生ルールに基づいて、基本的な部品に付随する付属部品を発生する部品発生部を具備し、前処理手段が部品種や部品種間の従属関係に基づいて使用部品の配置上の特性を決定する部品特性判定部を具備し、前処理手段が部品種に基づいて部品をグループ分けするグループ分け部を具備し、前処理手段が部品種と配置位置に基づいて部品相互の接続相手を仮定する仮相手決定部を具備し、前処理手段が決定されたグループ内の仮相手部品相互の接続形状を決定する部品配置処理部を具備し、前処理手段が決定された仮相手部品相互の接続形状とグループ配置を決定するグループ配置処理部を具備し、前処理手段がグループ配置処理が終了した段階で接続相手と接続形状を再検討して最終的な接続相手を決定する相手決定部を具備する自動設計・作図装置が開示されている。
【0003】
上記従来例では、複数の基本的な部品を入力することで使用部品の選択、配置、接続形状等のデータを自動的に作成して作図することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、分電盤や配電盤のような盤には材質(合成樹脂製又は金属製)、設置形態(露出形、埋込形又は半埋込形など)、寸法あるいは形状等が異なる複数種類のものが存在するので、盤を製造するメーカにおいては各盤毎に最も一般的に使用される遮断器(主幹ブレーカ、分岐ブレーカ等)の種類、台数、接続属性、遮断器の支持部品等の組み合わせを標準品として規定し、標準品以外の盤の設計及び作図を行う際に標準品のデータの一部を変更(追加及び削除を含む)して新たに図面を作成するような設計(以下、「流用設計」という)を行う場合がある。
【0005】
しかしながら、上記従来の自動設計・作図装置においては、上述のような流用設計を行う場合にも設計に必要な全てのデータをいちから入力する必要があり、設計及び作図に多大な工数を要してしまう。これは、上記従来例に限らずに一般的な自動設計・作図装置に共通の課題となっている。また、上記従来例のように設計仕様のデータを入力する画面だけでは、実際の分電盤内部における遮断器等の配置や配線経路等のイメージを想像し難く、特に初心者においてはかなり困難である。
【0006】
さらに従来の自動設計・作図装置から出力される図面は、入力された設計仕様について作成された図面でしかなく、この入力データや図面を他に転用するようなことは無く、あったとしても自動的に転用することはできなかった。
【0007】
一方、一般的な流用設計では客先仕様に基づいて標準品の図面(標準図面)の変更、すなわち機器、部品、部材の追加・削除・置換を手作業あるいは一部汎用のCADシステムを用いて行っており、部品等の上下関係による図形の見え隠れを忠実に図面に現したり、設計仕様通りに間違いなく作図するには多大な工数がかかっている。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、標準品からの流用設計が容易に行える自動設計・作図装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、設計対象となり且つ標準品として予め品番が割り当てられた複数種の盤の内部に配設される複数種の遮断器及びこれら遮断器を盤内部に支持するための複数種の支持部品の種類、配置、遮断器間の配線経路並びに付属部材や付属加工等の標準品の仕様に関する情報を格納した標準品情報マスタと、少なくとも標準品の品番が入力可能な入力手段と、入力手段により入力される品番に対応した標準品の仕様に関する情報を標準品情報マスタから読み込む標準品情報読み込み手段と、標準品情報読み込み手段で読み込んだ情報に基づいて少なくとも遮断器や支持部品の種類、配置並びに配線経路を実際の盤内部を模したイメージで表示する盤内イメージ出力手段と、少なくとも付属部材情報や付属加工情報を含む特定情報の項目名と各項目に対応して選択可能な仕様を表示するとともに当該仕様の選択指示を受け付ける特定情報入出力手段と、盤内イメージ出力手段が表示する情報のうちで変更対象となる情報の指示を受け付ける情報変更手段と、情報変更手段で指示を受け付けた情報について予め用意された複数の選択候補を表示して当該選択候補の選択指示を受け付ける変更仕様表示/入力手段と、変更仕様表示/入力手段により入力される選択候補の情報を処理して変更仕様表示/入力手段に表示させる情報変更処理手段と、情報変更処理手段の処理結果に基づき変更仕様に応じた遮断器や支持部品の種類、配置並びに配線経路を盤内イメージ出力手段に表示する画面内容変更手段と、標準品の仕様及び変更された仕様に対応した図面を作成する作図処理手段とを備えたことを特徴とし、実際の盤内部における遮断器等の配置や配線のイメージで表示することにより、設計者が直感的に操作することができ、また標準品から流用設計する際に流用元の標準品の品番を入力すれば、標準品の設計仕様データが画面上に整理された形式で表示されるために設計仕様データの入力が容易に行える。しかも、設計仕様データの各入力項目については、設計仕様に応じて選択可能な項目のみが表示されるために誤った設計仕様が入力される設計ミスが防止できるとともに設計工数の削減が図れる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、画面内容変更手段が、情報変更手段及び変更仕様表示/入力手段によって遮断器間の電気的な接続属性が変更された場合に遮断器間の配線経路を変更して盤内イメージ出力手段に表示する部品間配線経路変更処理手段を具備することを特徴とし、請求項1の発明の作用に加えて、遮断器の接続属性の変更結果が画面上に反映されるために設計ミスが生じにくく且つ直感的な操作が可能となり、設計工数をさらに削減することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、特定情報入出力手段が、遮断器に対応する分岐回路名を表示するための分岐回路名称シールを作成するか否か指示を受け付ける分岐回路名称仕様作成指示部と、分岐回路名称シールの実寸法に略等しい寸法で分岐回路名称入力用画面を表示して当該分岐回路名称シールに記入する分岐回路名称入力を受け付ける分岐回路名称入力部とを具備し、作図処理手段が、分岐回路名称入力部より入力された分岐回路名称を分岐回路名称シールに印刷するための分岐回路名称図面を作成する分岐回路名称作図部を具備することを特徴とし、請求項1の発明の作用に加えて、従来別途作成していた分岐回路名称シールを設計仕様の作成と同時に作成することができ、また分岐回路名称の入力画面が実際の分岐回路名称シールと同じ寸法なので、設計者にとって直感的に操作可能であり、文字がシール内に入らないなどの不具合を未然に防ぐことができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3の発明において、変更内容に対応して予め決定された変更仕様コードを変更仕様の内容から自動的に設定する変更仕様コード設定手段と、設定された変更仕様コードとともに変更仕様及び遮断器の種類や配置、接続属性等の設計仕様のデータを記憶装置に保存する設計データ保存手段とを備えたことを特徴とし、請求項1又は2又は3の発明の作用に加えて、保存されたデータを、各設計仕様に対応した製品の受注動向などの分析に使用することができる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、作図処理手段により作成された図面を印刷する図面印刷手段を備え、この図面印刷手段が、設計データ保存手段により記憶装置に保存された設計仕様データの内容と印刷を行う図面の内容を印刷時に比較して設計仕様や変更仕様の入力時と印刷する図面の間の相違を検出する検図処理部を具備することを特徴とし、請求項4の発明の作用に加えて、記憶装置に保存された設計仕様データの内容と印刷を行う図面の内容との相違(矛盾)を事前に検証することができ、設計仕様と異なる図面を誤って作成することが防止できる。
【0014】
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において、変更仕様コード設定手段により設定されて設計データ保存手段により記憶装置に記憶された変更仕様コードと設計仕様データとから標準品情報マスタに登録されている標準品情報からの変更対象となる機器や新たに必要となる機器、部材等に関する組み替え情報や配膳情報を作成する組み替え・配膳情報作成手段と、作成された組み替え・配膳情報を示すリストを作成する組み替え・配膳リスト作成手段とを備えたことを特徴とし、請求項4又は5の発明の作用に加えて、組み替え・配膳情報を示すリストを自動的に作成することで工数の削減が図れる。
【0015】
請求項7の発明は、請求項4又は5又は6の発明において、設計データ保存手段が、変更仕様コードと設計仕様データを記憶装置に保存する際に変更仕様コードと設計仕様データの組み合わせを単位として保存回数を累積して変更仕様コード及び設計仕様データとともに記憶装置に保存する保存回数累積処理部と、記憶装置に保存された累積値が所定値を越えた場合に設計仕様データに対して予め決められた品番設定ルールに従って新たに標準品としての品番を付与する品番決定処理部と、決定された品番及び設計仕様データを標準品情報マスタに登録する標準品マスタ登録処理部とを具備することを特徴とし、請求項4又は5又は6の発明の作用に加えて、頻繁に行われる組み替えのパターンを標準品に登録することで設計作業に要する工数や組み替え作業に要する工数を無くすことができ、盤の設計・製造に要するコストが削減できる。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、設計データ保存手段が、標準品マスタ登録処理部が新たに標準品として登録した設計仕様データに基づいて標準品の品番等の仕様データを記載したカタログに記載すべきデータ及び図面を生成するカタログデータ生成処理部を具備したことを特徴とし、請求項7の発明の作用に加えて、カタログデータを自動的に生成することで新規に追加された標準品のカタログデータのメンテナンスが不要となり、また、記載もれや、次のカタログ発行までの間にカタログに記載されない標準品が存在するなどの不具合が生じることをなくせる。
【0017】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、設計データ保存手段が、カタログデータ生成処理部により生成された内容をネットワーク上で配信される電子カタログの情報に追加登録するとともに登録された内容をネットワーク内の特定端末に報知する報知処理部を具備することを特徴とし、請求項8の発明の作用に加えて、新たに追加された標準品の情報を他の設計者などに報知する工数が不要となり、報知漏れがなくなる。
【0018】
請求項10の発明は、請求項1〜9の何れかの発明において、作図処理手段が、作図処理時に実際の盤や部品、部材の上下関係に応じた高さ情報が予め付与されて部品、部材要素シンボルとして保存する部品・部材ライブラリと、部品・部材ライブラリに保存された部品・部材要素シンボルを変更仕様及び設計仕様データに応じて収集し且つ配置し、高さ方向の上下関係に応じて下側に隠れる部分を非表示とする隠線処理部とを具備することを特徴とし、請求項1〜9の何れかの発明の作用に加えて、実際の盤を忠実に図面化することが可能となり、組み替えに応じて図面の変更を行う工数を大幅に削減することができる。
【0019】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、部品及び部材に付与する高さ情報を外部記憶装置に記憶し、作図処理手段により作図処理を行う度毎に部品・部材変更要素に高さ情報を付与し、隠線処理部により下側に隠れる部分を非表示にすることを特徴とし、請求項10の発明の作用に加えて、盤を構成する要素間の上下関係に柔軟性を持たせることができ、設計の自由度を高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態では住宅用分電盤を設計対象として例示するが、これに限定する趣旨ではなく、配電盤等の他の盤を設計対象としても良い。
【0021】
図1は本実施形態の自動設計・作図装置の構成を示すブロック図であり、キーボード60やマウス61等の入力デバイスあるいはハードディスク装置のような外部記憶装置63からのデータ入力を処理するとともにディスプレイ装置62の画面上に表示されるデータ出力や外部記憶装置63へのデータ出力を処理する入出力処理手段1と、入力されたデータ並びに出力されるデータに対する種々の処理を行うデータ処理手段2と、データ処理手段2によるデータ処理に基づいて住宅用分電盤(以下、「分電盤」と略す)の内部における主幹ブレーカや分岐ブレーカの配置、配線経路、接続属性等を表す図面等を作成する作図手段3と、作図手段3で作成される図面等を印刷するための処理を行う図面印刷手段4と、ハードディスク装置等で構成され、後述する標準品の仕様に関する情報を格納した標準品情報マスタ5とを備えている。なお、入出力処理手段1、データ処理手段2、作図手段3並びに図面印刷手段4は、例えば汎用のコンピュータ装置により実現可能である。
【0022】
ここで、標準品情報マスタ5に格納されている標準品情報について説明する。従来技術でも説明したように、住宅用分電盤には材質(合成樹脂製又は金属製)、設置形態(露出形、埋込形又は半埋込形など)、寸法あるいは形状等が異なる複数種類のものが存在し、メーカにおいては各種類毎に最も一般的に使用される遮断器(主幹ブレーカ、分岐ブレーカ等)の種類、台数、接続属性、遮断器の支持部品等の組み合わせを標準品と規定して、各標準品に個別の品番を割り当てている。なお、遮断器についても種類毎に個別の品番を割り当てている。そして、標準品情報には、組み合わされる主幹ブレーカ及び分岐ブレーカ等の品番、各分岐ブレーカの主幹ブレーカに対する接続属性(1次送り、2次送り又は単独)、主幹ブレーカや分岐ブレーカ等を支持して分電盤の筐体(以下、「ボックス」と呼ぶ)内部に取り付ける支持部品の種類・個数・配置、遮断器間の配線経路、付属部材や付属加工等の標準品の仕様に関する情報が含まれる。付属部材に関する情報には、例えばアース端子の取付方法や電力会社との最大契約容量を記載した最大契約容量シールの有無、分電盤を施工する施工者を記載した施工者銘板取付の有無、ボックス内部において主幹ブレーカや分岐ブレーカとそれ以外の機器とを分離するセパレータ取付の有無等が含まれ、付属加工に関する情報には、リミッタを1次送り配線する場合の電線の加工(電線色の配列及び電線の直径)、渡り電線加工(電線色の配列及び電線の直径)、ボックスの深さ、ボックス及びカバー・扉の色等が含まれる。
【0023】
図2(a)はディスプレイ装置62の画面(以下、単に「画面」という)上の表示を図示したものであり、少なくとも標準品の品番が入力可能な入力手段6と、入力手段6により入力される品番に対応して標準品情報読み込み手段7によって標準品情報マスタ5から読み込まれた標準品の仕様に関する情報(以下、「標準品情報」という)に基づいて、少なくとも遮断器や支持部品の種類、配置並びに配線経路を実際の分電盤内部を模したイメージで表示する盤内イメージ出力手段8と、少なくとも付属部材情報や付属加工情報を含む特定情報の項目名と各項目に対応して選択可能な仕様を表示するとともに当該仕様の選択指示を受け付ける特定情報入出力手段9とが設けてある。ここで、上記入力手段6、特定情報入出力手段9並びに盤内イメージ出力手段8は入出力処理手段1に具備され、標準品情報読み込み手段7はデータ処理手段2に具備され、それぞれソフトウェアによって実現されるものである。なお、入力手段6、盤内イメージ出力手段8並びに特定情報入出力手段9を1つの画面上に統合して実現しているが、これらを別々の画面上に構成することも可能である。
【0024】
次に標準品情報マスタ5に格納されている標準品情報を用いて流用設計を行う手順を説明する。まず図3のフローチャートに示すように、キーボード60を使って流用元の標準品の品番を入力手段6の品番入力欄6aに入力すると、入力手段6が入力された品番データを標準品情報読み込み手段7に与え、標準品情報読み込み手段7が品番データに対応する標準品情報を検索して標準品情報マスタ5から読み出し、読み出した標準品情報を盤内イメージ出力手段8並びに特定情報入出力手段9に与える。盤内イメージ出力手段8では、与えられた標準品情報に基づいて実際の分電盤内部を模したイメージで図面を組み立て、例えば図2(a)に示すように左端にリミッタを配設するためのリミッタスペースLS、その右隣りに主幹ブレーカBE、さらにその右側に10台の分岐ブレーカB1〜B10のイメージを上下2列に5台ずつ表示するとともに主幹ブレーカBEの2次側と分岐ブレーカB1〜B10の1次側との配線経路(主幹バー等)SMのイメージを実線で表示し、且つ主幹ブレーカBEからリミッタスペースLSへの配線経路SLのイメージを点線で表示している。なお、配線経路SLを点線で表示しているのは、主幹ブレーカBEとリミッタを接続する電線が実装されずに同梱されているのみであることを意味している。
【0025】
また、特定情報入出力手段9では、与えられた標準品情報の中の特定情報(付属部材情報及び付属加工情報)に基づいて画面上の盤内イメージ出力手段8の下段に各特定情報の項目名9aと各項目に対応して選択可能な仕様9bとを表示する。
【0026】
例えば、標準品に対して分岐ブレーカB1…の種類を変更する場合の手順を、図4のフローチャートに基づいて説明する。まず、マウス61のカーソルを盤内イメージ出力手段8に表示された変更対象の分岐ブレーカBn(n=1〜10)のイメージに重ねてマウス61のボタンをクリックする(以下、このような操作を単に「マウス61で…をクリックする」と略す)と、盤内イメージ出力手段8が具備する情報変更手段10によって変更対象として分岐ブレーカBnが指示され、同じく盤内イメージ出力手段8が具備する情報変更処理手段11において、情報変更手段10で指示された分岐ブレーカBnに応じた変更可能な仕様に関する情報を標準品情報読み込み手段7を介して標準品情報マスタ5から取得する。そして、取得した変更可能情報が情報変更処理手段11から変更仕様表示/入力手段12に与えられ、図2(b)に示すように変更仕様表示/入力手段12が選択可能な分岐ブレーカの品種とその接続属性とをプルダウンメニューにより画面上に表示する。但し、プルダウンメニューの代わりにテキストボックス等の他の方法でデータを入力するようにしても良い。
【0027】
そして、分岐ブレーカBnの品種又は接続属性のプルダウンメニューで何れかの選択候補を選んで確定ボタン(図2(b)参照)をクリックすると、変更仕様表示/入力手段12が入力されたデータを取得して情報変更処理手段11にデータを渡す。例えば、分岐ブレーカBnの品種が標準品から変更されていれば、情報変更処理手段11により標準品と異なるイメージ色のデータと、選択された品種の品番のデータとが画面内容変更手段13に与えられる。さらに、品種の変更の有無にかかわらず、分岐ブレーカBnの接続属性が標準品から変更されていれば、情報変更処理手段11から画面内容変更手段13に対して標準品と異なるイメージ色のデータと、変更後の接続属性(この場合には「1次送り」又は「単独」)のデータとが与えられる。仮に接続属性が標準品の「2次送り」から「1次送り」に変更されたとすれば、画面内容変更手段13が具備する部品間配線経路変更処理手段14が主幹ブレーカBEと分岐ブレーカBnとの配線経路SMを「1次送り」に応じた配線経路SM’に変更し、この配線経路SM’のデータを画面内容変更手段13に与える。
【0028】
一方、盤内イメージ出力手段8では画面内容変更手段13から変更された内容のデータを受け取って分電盤内部のイメージを再度組み立てて画面上に表示する。このとき、品種が変更された分岐ブレーカB8,B10の各イメージの色を変更すると同時に変更後の品種を示す品番を分岐ブレーカB8,B10のイメージの下に表示することで変更箇所が明確になるようにしている(図2(b)参照)。また、図5(b)に示すように接続属性が変更された分岐ブレーカB9について配線経路SM’及びイメージ色を変更して表示する。なお、接続属性を「単独」に変更した場合には、図5(c)に示すように接続属性が変更された分岐ブレーカB10についてイメージ色を変更して表示する。また、分岐ブレーカBnを取り外すことも可能であり、その場合には取り外された分岐ブレーカBnのイメージを破線で表示する。さらに、分岐ブレーカBnだけでなく、主幹ブレーカBEの品種等を変更したり、リミッタスペースLSにリミッタを追加したり、あるいは分電盤内部のフリースペース(図示せず)に他の機器を追加することも可能である。
【0029】
上述のように本実施形態によれば、実際の分電盤内部における遮断器等の配置や配線のイメージを画面上に表示することにより、設計者が直感的に操作することができ、また標準品から流用設計する際に流用元の標準品の品番を入力すれば、標準品の設計仕様データ(標準品情報から得られるデータ)が画面上に整理された形式で表示されるために設計仕様データの入力が容易に行え、しかも、設計仕様データの各入力項目については、設計仕様に応じて選択可能な項目のみが表示されるために誤った設計仕様が入力される設計ミスが防止できるとともに設計工数の削減が図れるものである。
【0030】
ところで、ボックス内で主幹ブレーカBEや分岐ブレーカBnの前面を覆うカバーには、各分岐ブレーカBnに対応した分岐回路名称が記載されたシール(以下、「分岐回路名称シール」という)が貼着できるようになっており、この分岐回路名称シールも付属部材に含まれる。そこで、分岐回路名称シールに関する情報を標準品情報に加えて標準品情報マスタ5に格納するとともに、遮断器に対応する分岐回路名を表示するための分岐回路名称シールを作成するか否かの指示を受け付ける分岐回路名称仕様作成指示部15と、分岐回路名称シールの実寸法に略等しい寸法で分岐回路名称入力用画面を表示して当該分岐回路名称シールに記入する分岐回路名称入力を受け付ける分岐回路名称入力部16とを特定情報入出力部9に設けている(図1参照)。
【0031】
図6に示すように、分岐回路名称仕様作成指示部15は他の特定情報と同様に分岐回路名称シールの項目(図面上は「分岐回路名印刷」と表記)15aとプルダウンメニュー(選択可能な項目は印刷のある/なし)15bとを画面上に表示する。また、画面上のプルダウンメニュー15bの右隣には特定情報入出力手段9によって分岐回路名称入力ボタン16aが表示されており、この分岐回路名称入力ボタン16aがクリックされると、分岐回路名称入力部16が図7に示すような分岐回路名称入力用の画面(以下、「分岐回路名称入力用画面」という)を表示する。なお、上記プルダウンメニュー15bと分岐回路名称入力ボタン16aとを一つのボタンにまとめることも可能である。
【0032】
次に図7と図8のフローチャートとを参照して分岐回路名称シールの作成手順について説明する。分岐回路名称仕様作成指示部15のプルダウンメニュー15bにより「あり」を選択している状態で分岐回路名称入力ボタン16aをクリックすると、分岐回路名称入力部16は標準品情報に基づいて現在設定されている設計仕様に応じた分岐回路の個数及び並び方で分岐回路名称入力用の画面を表示する。この際、分岐回路名称入力部16は、図7に示すように実際の分岐回路名称シールに略等しい寸法の枠16b1〜16b10を表示するとともに、実際に印刷可能な文字数、文字の配置並びに文字の大きさで各枠16b1…内に入力可能としている。つまり、入力しようとする枠16b1…内でマウス61をクリックすることでその枠16b1…が選択され、キーボード60で打ち込んだ文字が選択された枠16b1内に順次表示され、例えばキーボード60のリターンキー等で入力文字列を確定する。そして、枠16b1…内への分岐回路名称の入力が終了すれば、入力された分岐回路名称のデータが分岐回路名称入力部16から作図手段3の作図処理手段17に与えられ、さらに作図処理手段17が具備する分岐回路名称作図部18において上記データを分岐回路名称シールに印刷するための作図処理が行われ、その作図されたデータに基づいて図面印刷手段4によって印刷が実行される。なお、上記分岐回路名称のデータは特定情報として標準品情報マスタ5に格納される。
【0033】
このように、従来は別途作成していた分岐回路名称シールを設計仕様の作成と同時に作成することができ、また分岐回路名称の入力画面が実際の分岐回路名称シールと同じ寸法なので、設計者にとって直感的に操作可能であり、文字がシール内に入らないなどの不具合を未然に防ぐことができる。
【0034】
ところで、上述のように標準品の仕様変更に対して予め下記のような変更内容に応じた変更仕様コードB1…を決定している。
【0035】
(変更仕様コードの例)
B1:分岐回路数の増減有り
B2:分岐ブレーカの品種変更有り
B3:分岐ブレーカの取り外し有り
……
B7:分岐回路名称表示を「あり」に変更
B8:分岐ブレーカの接続属性を「単独」に変更
B9:分岐ブレーカの接続属性を「1次送り」に変更
……
BA:最大契約量シールの貼り付け有りに変更
B:ハンドルロックの付加
なお、上記ハンドルロックとは、主幹ブレーカBE及び分岐ブレーカBnのハンドルに被着して誤操作を防止するものである。
【0036】
一方、上記各入力手段により入力された主幹ブレーカEBや分岐ブレーカBnの仕様(機器仕様)は、設計仕様毎に識別名を定義して、例えば主幹ブレーカBEを“MAIN”、分岐ブレーカBnを“BRANCH”とし、各識別名単位で仕様諸元をカンマ(“,”)で区切って連結する。例えば、主幹ブレーカEBであれば、“MAIN”に続いて変更の有無(0:なし,1:有り)、機器種類(ブレーカの品番)の順に連結され、分岐ブレーカBnであれば、“BRANCH”に続いて分岐回路の番号、変更の有無(0:なし,1:有り)、機器種類(ブレーカの品番、但し“SP”は取り外した状態を表す)、接続属性(0:2次送り、1:1次送り、2:単独)の順に連結されて、下記のような設計仕様データとしてデータ処理手段2が具備する設計データ保存手段20により外部記憶装置63に保存される。
【0037】
(設計仕様データの例)
HINBAN=BQFC3618W
……
MAIN=0,BJ360325K1
BRANCH=1,0,BS1112,0
BRANCH=2,0,BS1112,0
……
BRANCH=9,1,BS2022,0
BRANCH=10,1,SP,1
……
PRINT=1
……
ここで、上記“HINBAN”は流用元の標準品の品番、“PRINT”は分岐回路名称シールの印刷の有無(0:印刷なし、1:印刷有り)をそれぞれ表している。なお、設計仕様データの構造は上記のものに限定する趣旨ではなく、これ以外のデータ構造であっても良い。
【0038】
次に図9に示すフローチャートに基づいて変更仕様コード設定手段19及び設計データ保存手段20の動作を説明する。設計データ保存手段20は、変更仕様表示/入力手段12や特定情報入出力手段9等の各入力手段から設計情報を取得し、品番に対応した標準品情報と設計情報とに基づいて上記設計仕様データの組立を行う。
【0039】
一方、変更仕様コード設定手段19は組み立てられた設計仕様データの個々のデータ項目について標準品情報に対する変更の有無を調べ、変更がある場合にはその変更内容に対応する変更仕様コードを設定する。例えば、上記設計仕様データの例においては、分岐ブレーカB9,B10について品種の変更(B2)、分岐ブレーカB10の取り外し(B3)、分岐回路名称シールの印刷の「なし」から「あり」への変更(B7)及び分岐ブレーカB10の接続属性の「1次送り」への変更(B9)がそれぞれあり、変更仕様コード設定手段19がこれらの変更仕様コードB2,B3,B7,B9を設計仕様データに付加する。そして、設計データ保存手段20が変更仕様コードが付加された設計仕様データを外部記憶装置63に記憶する。
【0040】
このように設計仕様データを外部記憶装置63に保存しておけば、各設計仕様に対応した製品の受注動向などの分析に上記設計仕様データを使用することができる。
【0041】
ところで、作図処理手段17では標準品情報並びに設計仕様データに基づいて、部品・部材ライブラリ64に登録された遮断器や支持部材等の図形データと、マスタ65に登録されている配線経路等の図形データとから図面の作成を行うのであるが、作成した図面についてを図面印刷手段4によって直ちに印刷する場合もあれば、一旦外部記憶装置63等に保存して後から印刷を行う場合もある。この場合に外部記憶装置63等に保存されている図面データを本発明に係る自動設計・作図装置ではなく、汎用のCAD装置を使って編集及び印刷することも可能であるが、本発明に係る自動設計・作図装置で設計した内容と後からCAD装置によって編集、印刷された図面との間で設計仕様の相違が生じるおそれがある。仮にこのような相違が生じると、設計仕様データに基づく下位の工程や製造並びに件名情報管理等に関して矛盾が発生して重大な問題となる。
【0042】
そこで上記のような問題の発生を回避するために、作図処理手段7では機器の品番や接続属性並びに分岐回路の番号等を設計仕様データと同様の形式で、図面データに属性値として設定するとともに、この属性値に基づいて設計仕様データの内容と図面の内容との間の相違を検出する検図処理部21を図面印刷手段4に設けている。
【0043】
次に図10のフローチャートを参照して検図処理部21の動作を説明する。まず、作図処理手段17が設計データ保存手段20を介して外部記憶装置63に保存されている設計仕様データを取得し、予め作成されていた図面データとともに検図処理部21に与える。検図処理部21では、受け取った図面データに含まれる属性値から設計仕様(機器の品番、接続属性、分岐回路の番号等)を把握し、外部記憶装置63に保存されていた設計仕様データと比較する。そして、両者の間に相違がなければ印刷出力の処理を実行し、相違があれば相違する点を報知する処理を行う。ここで相違点の報知方法としては、例えば画面上に相違点を表示したり、外部記憶装置63に比較結果をログファイルとして書き出したり、あるいは画面上に表示される図面の上で相違する要素(機器や部材等のイメージ)をマーキングするといったようなことが考えられる。このように検図処理部21によって外部記憶装置63に保存されている設計仕様データと図面データとの相違を印刷前に事前に検証することができ、設計仕様と異なる図面を誤って作成することが防止できる。
【0044】
ところで、作図手段3には組み替え・配膳情報作成手段22と組み替え・配膳リスト作成手段23とが設けてある。例えば、標準品の分電盤に組み合わされている機器が、変更仕様コードの入力により別の機器に変更された場合に組み替えが発生したといい、この場合には標準品の分電盤から組み替え対象の機器を取り外し、代わりに変更された機器を取り付けて対応することになる。あるいは、分岐ブレーカBn等の分岐機器の接続属性が2次送りから1次送りに変更された場合には元の電線を取り外して新たに配線する必要があり、この場合にも組み替えが発生したといい、新たな電線が必要となる。また、このような組み替えの発生で新たに必要となる機器の情報や、あるいは変更仕様の入力により必要になった部材(電線等)の情報は分電盤の製造段階で配膳情報として必要になる。そこで、上記組み替え・配膳情報作成手段22により組み替え情報並びに配膳情報を作成するとともに、組み替え・配膳リスト作成手段23により組み替え情報並びに配膳情報を図11に示すようなリストLIとして作成するようにしている。
【0045】
次に図12のフローチャートを参照して上記リストLIの作成手順について説明する。まず、組み替え・配膳情報作成手段22が設計データ保存手段20を介して外部記憶装置63に保存されている設計仕様データを取得するとともに、標準品情報読み込み手段7を介して標準品情報マスタ5に格納されている標準品情報を取得し、標準品のデータと設計仕様データとを比較して組み替え情報並びに配膳情報を作成する。組み替え・配膳情報作成手段22で作成された組み替え情報並びに配膳情報が組み替え・配膳リスト作成手段23に与えられ、組み替え・配膳リスト作成手段23が図11に示すようなリストLI1,LS2を作成し、ディスプレイ装置62の画面上に表示する。一方のリストLI1は組み替え情報として組み替え後の機器構成(品番と台数)を示しており、他方のリストLI2は配膳情報として、組み替えの発生によって必要となる機器及び部材の「名称」、「品番」並びに「数量」を少なくとも示している。なお、上記リストLI1,LS2を図面印刷手段4により印刷することも可能である。
【0046】
上述のように組み替え・配膳情報を示すリストLI1,LS2を自動的に作成することにより、このようなLS1,LS2の作成に要する工数を削減することができる。
【0047】
ところで、設計データ保存手段20は、変更仕様コードと設計仕様データを外部記憶装置63に保存する際に変更仕様コードと設計仕様データの組み合わせを単位として保存回数を累積して変更仕様コード及び設計仕様データとともに外部記憶装置63に保存する保存回数累積処理部24と、外部記憶装置63に保存された累積値Nが所定値を越えた場合に設計仕様データに対して予め決められた品番設定ルールに従って新たに標準品としての品番を付与する品番決定処理部25と、決定された品番及び設計仕様データを標準品情報マスタ5に登録する標準品マスタ登録処理部26とを具備している。
【0048】
次に図13のフローチャートを参照して保存回数累積処理部24、品番決定処理部25並びに標準品マスタ登録処理部26の動作を説明する。
【0049】
既に説明したように、設計データ保存手段20が変更仕様表示/入力手段12や特定情報入出力手段9等の各入力手段から設計情報を取得し、品番に対応した標準品情報と設計情報とに基づいて上記設計仕様データの組立を行い、変更仕様コード設定手段19により付加された変更仕様コードB2,B3,B7,B9を設計仕様データに連結して、表1に示すような変更仕様コードと設計仕様データの組み合わせに累積値Nを付加したデータを外部記憶装置63に保存する。
【0050】
【表1】
Figure 0003777867
【0051】
このとき、保存回数累積処理部24では保存される変更仕様コードと設計仕様データの組み合わせが既存のものである場合には累積値Nをインクリメントし、既存のものでない場合には累積値Nに初期値(=1)を設定し、さらに変更仕様の内容に基づいて標準品として新たな品番の設定が可能か否かを判定する。品番設定が可能であれば、保存回数累積処理部24は累積値Nが所定値(例えば、100)を越えているか否かを判定する。そして、累積値Nが所定値(=100)を越えている場合には、品番決定処理部25が下記のような品番設定ルールに従って新たに標準品としての品番を付与する。
【0052】
例えば上記の例であれば、流用元の品番“BQFC3618W”を基準として、
1.“BQFC36”まではボックスの構造を示しているので、機器等が組み替わっても変更されない。
【0053】
2.その次の“18”は分岐回路数を示すので、分岐回路数が増減した場合にはこの値を変更する。例えば、分岐回路数が18回路から16回路に減少したら“18”を“16”に変更する。
【0054】
3.使用されない分岐回路の数がゼロでなければ、その数を追記する。例えば、上記流用元の品番では使用されない分岐回路数がゼロであるが、組み替えによって使用されない分岐回路が1回路発生したので、“BQFC36181W”となる。
【0055】
4.新規に標準品に設定された品番には末尾に“K”を付加し、“BQFC36181WK”とする。
上述のようにして元の標準品から流用設計された標準品に新たな品番“BQFC36181WK”が決定される。そして、この新たな品番が上記設計仕様データとともに標準品マスタ登録処理部26によって標準品情報マスタ5に登録される。
【0056】
上述のように頻繁に行われる組み替えのパターンを標準品に登録することで同じ作業を繰り返す必要がなくなり、設計作業に要する工数や組み替え作業に要する工数を無くすことができ、分電盤の設計・製造に要するコストが削減できるという利点がある。
【0057】
ところで、標準品の情報は通常カタログに記載されており、図14に示すようにカタログCTに記載するデータ(カタログデータ)としては、例えば品番に対応した製品の分電盤の外形寸法や主幹ブレーカの品種、分岐ブレーカの回路数、品種、並び、接続属性などの製品諸元のデータ及び標準価格と製品の姿図並びに寸法図などがある。そして、これらのカタログデータは外部記憶装置63に体系的に整理されて保存されている。
【0058】
図1に示すように、標準品マスタ登録処理部26が新たに標準品として登録した設計仕様データに基づいて、上記のようなカタログデータを生成するカタログデータ生成処理部27が設計データ保存手段20に設けてあり、図15のフローチャートを参照して上記カタログデータ生成処理部27の動作を説明する。
【0059】
カタログデータ生成処理部27は、新たに標準品として登録された設計仕様データを外部記憶装置63から収集して上述のような製品諸元データや姿図及び寸法図を生成する。そして、生成した製品諸元データ、姿図及び寸法図を設計データ保存手段20によりカタログデータとして外部記憶装置63に保存・登録する。なお、実際のカタログは上記カタログデータから必要な情報を収集し、印刷・製本されて発行される。
【0060】
上述のように、カタログデータ生成処理部27によりカタログデータを自動的に生成することで新規に追加された標準品のカタログデータのメンテナンスが不要となり、また、記載もれや、次のカタログ発行までの間にカタログに記載されない標準品が存在するなどの不具合が生じることをなくせる。
【0061】
ところで、近年のインターネット並びにイントラネットの普及に伴い、従来の印刷・製本されて提供されていたカタログを電子カタログとして電子データの形で作成し、インターネットやイントラネット等のネットワークを通じて製品情報を社内外の不特定多数に配信・公開することが一般的に行われるようになっている。
【0062】
そこで、上述のようにカタログデータ生成処理部27で生成されてテキスト形式やデータ形式あるいはデータベース形式で外部記憶装置63に保存されているカタログデータを、上記ネットワークを通して配信・公開するのに適した形式、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式へカタログデータ生成処理部27において変換し、設計データ保存手段20を介して電子カタログ用の外部記憶装置66に保存するようにしている。
【0063】
一方、新たな品番を登録し、電子カタログとして配信・公開するに当たって、どのような仕様の製品が新たに登録されたかを関係者(例えば、他の設計者など)に別途報知する必要が生じる場合がある。そのために新たな登録内容をネットワーク内の特定端末(上記関係者に割り当てられた端末)に報知する報知処理部28をカタログデータ生成処理部27に設けている。
【0064】
次に図16のフローチャートに基づき、図17及び図18を参照して上記カタログデータ生成処理部27及び報知処理部28の動作を説明する。
【0065】
カタログデータ生成処理部27は、上述のようにして生成したカタログデータをHTML形式に変換して電子カタログデータに追加する。このとき、新たに標準品として設定した品番に基づいて、追記の対象となる既存の電子カタログデータのHTML形式でのファイルの名称や格納場所が明らかとなるので、カタログデータ生成処理部27では上記ファイルの適当な箇所に変換された新規のカタログデータを挿入する。例えば、上述の例では各品番のカタログデータが分岐回路数の昇順に記載されているので、該当する分岐回路数の箇所に新規のカタログデータを挿入し(図18参照)、既存の電子カタログデータが保存されている外部記憶装置66に設計データ保存手段20を介して保存・登録する。そして、この電子カタログデータが図17に示すようにインターネットやイントラネットを通して配信・公開され、ブラウザを利用して各端末のディスプレイ装置67で表示することができる。
【0066】
一方、報知処理部28は電子カタログに追加された内容を上記関係者に報知するために新規のカタログデータから電子メールのデータを作成するとともに、外部記憶装置66等に予め保存されている上記関係者の電子メールのアドレス(以下、「メールアドレス」という)を読み込み、各メールアドレスに対して新規のカタログデータから作成した電子メールを発送する。而して、各関係者は自己の端末で上記電子メールを受信して電子カタログに追加された内容を知ることができる。なお、電子メール以外の報知手段として例えばファクシリミを用いることも可能であり、この場合には報知処理部28が新規のカタログデータからファクシミリのデータを作成するとともに、外部記憶装置66等に予め保存されている上記関係者のファクシミリ番号を読み込み、各ファクシミリ番号に対して新規のカタログデータから作成したファクシミリデータを発送するようにすればよい。
【0067】
上述のように新たに電子カタログに追加する内容を報知処理部28により関係者に自動的に報知するようにすれば、報知する工数が不要になるとともに報知漏れがなくなるという利点がある。
【0068】
ところで、本実施形態で設計対象として例示している住宅用分電盤は、図19(a)に示すような筐体(ボックス)40の内部に、下(底)から同図(b)に示すような遮断器支持部品41、同図(c)に示すような主幹ブレーカ42並びに同図(d)に示すような複数の分岐ブレーカ43が配設され、品種によってはカバー(中蓋)や同図(e)に示すような扉44がボックス40の前面に取着されたり、他の機器等を配設するためのフリースペースがボックス40に設けられたり、あるいはボックス40の底部に配設された木板上に遮断器が取り付けられることがある。なお、ボックス40の底部には分電盤の施工や遮断器あるいは部材の取り付けに必要な孔40aが設けてある。
【0069】
このような分電盤の図面として、図20(b)に示すような外観図(正面図)やボックス40内部の遮断器43,44等の配置図、さらには各遮断器43,44間の結線図を作成する必要がある。このうち外観図や配置図については、流用設計により標準品からの組み替えで機器の種類が変更されて機器の大きさが変わったりすると、標準品においては隠れて見えなかった部分が見えるようなったり、反対に見えていなかった部分が見えるようになることがあるから、これに対応して各図形間の上下関係に応じて下側に隠れてしまう図形の部分を図面上で非表示にする必要がある。
【0070】
そこで本実施形態では作図処理手段17に隠線処理部29を設けている。以下、図21のフローチャートに基づき、図22及び図23を参照して上記隠線処理部29の動作を説明する。
【0071】
既に説明したように部品・部材ライブラリ64にはボックス40や遮断器43,44あるいは遮断器支持部品41等の構成要素毎にその図形データ(部品・部材要素シンボル)が登録されているので、予め各構成要素毎に実際の高さ関係に応じた高さ情報(高さ寸法)を設定するとともに上記高さ情報を属性値として各図形データに対応させて部品・部材ライブラリ64に保存しておく。例えば、上述の例であればボックス40、遮断器支持部品41、主幹ブレーカ42、分岐ブレーカ43並びに扉44の各属性値をそれぞれ0,10,15,15,100とする。
【0072】
而して、作図処理手段17が設計データ保存手段20を介して外部記憶装置63に保存されている設計仕様データを取得すると、設計仕様データに応じた部品や部材の図形データを部品・部材ライブラリ64から収集して配置することによって、図22(a)(b)に示すように外観図や内部の配置図を作成する。このとき隠線処理部29は、作図処理手段17が収集した図形データの属性値(高さ情報)に基づいて各構成要素のシンボルの上下関係を計算し、図22(b)に示すように下側の構成要素のシンボルX1が上側の構成要素のシンボルX2に隠れてしまう部分(図22(c)の点線部分)を非表示にする(図22(d)参照)。
【0073】
例えば、図20(a)に示す標準品の配置図に対して主幹ブレーカ42を小型のものに変更する組み替えが生じていれば、ボックス40底部の孔40aや遮断器支持部品41の見え方が異なるので、隠線処理部29により処理を行うことで図23に示すような配置図が作成できる。そして、完成した外観図や配置図は外部記憶装置63に保存される。
【0074】
上述のように隠線処理部29を設けることによって、実際の分電盤を忠実に図面化することが可能となり、組み替えに応じて図面の変更を行う工数を大幅に削減することができる。
【0075】
ところで、上述のように各構成要素の高さ情報を属性値として図形データに追加する代わりに、各構成要素に対応した高さ情報(高さ寸法)を下記表2に示すような高さ情報マスタファイルとしてマスタ65等の外部記憶装置に登録するようにしても良い。
【0076】
【表2】
Figure 0003777867
【0077】
この場合の隠線処理部29の動作を図24のフローチャートに基づいて説明する。上述のように作図処理手段17が設計データ保存手段20を介して外部記憶装置63に保存されている設計仕様データを取得すると、設計仕様データに応じた部品や部材の図形データを部品・部材ライブラリ64から収集して配置することによって、外観図や内部の配置図を作成する。このとき作図処理手段17はマスタ65に登録されている高さ情報マスタファイルを参照して各図形データに対して対応する高さ情報を付与する。
【0078】
一方隠線処理部29は、作図処理手段17が付与した高さ情報に基づいて各構成要素のシンボルの上下関係を計算し、下側の構成要素のシンボルが上側の構成要素のシンボルに隠れてしまう部分を非表示にする。そして、完成した外観図や配置図は外部記憶装置63に保存される。
【0079】
上述のようにすれば、分電盤を構成する要素間の上下関係に柔軟性を持たせることができ、設計の自由度を高めることができる。
【0080】
【発明の効果】
請求項1の発明は、設計対象となり且つ標準品として予め品番が割り当てられた複数種の盤の内部に配設される複数種の遮断器及びこれら遮断器を盤内部に支持するための複数種の支持部品の種類、配置、遮断器間の配線経路並びに付属部材や付属加工等の標準品の仕様に関する情報を格納した標準品情報マスタと、少なくとも標準品の品番が入力可能な入力手段と、入力手段により入力される品番に対応した標準品の仕様に関する情報を標準品情報マスタから読み込む標準品情報読み込み手段と、標準品情報読み込み手段で読み込んだ情報に基づいて少なくとも遮断器や支持部品の種類、配置並びに配線経路を実際の盤内部を模したイメージで表示する盤内イメージ出力手段と、少なくとも付属部材情報や付属加工情報を含む特定情報の項目名と各項目に対応して選択可能な仕様を表示するとともに当該仕様の選択指示を受け付ける特定情報入出力手段と、盤内イメージ出力手段が表示する情報のうちで変更対象となる情報の指示を受け付ける情報変更手段と、情報変更手段で指示を受け付けた情報について予め用意された複数の選択候補を表示して当該選択候補の選択指示を受け付ける変更仕様表示/入力手段と、変更仕様表示/入力手段により入力される選択候補の情報を処理して変更仕様表示/入力手段に表示させる情報変更処理手段と、情報変更処理手段の処理結果に基づき変更仕様に応じた遮断器や支持部品の種類、配置並びに配線経路を盤内イメージ出力手段に表示する画面内容変更手段と、標準品の仕様及び変更された仕様に対応した図面を作成する作図処理手段とを備えたので、実際の盤内部における遮断器等の配置や配線のイメージで表示することにより、設計者が直感的に操作することができ、また標準品から流用設計する際に流用元の標準品の品番を入力すれば、標準品の設計仕様データが画面上に整理された形式で表示されるために設計仕様データの入力が容易に行え、しかも、設計仕様データの各入力項目については、設計仕様に応じて選択可能な項目のみが表示されるために誤った設計仕様が入力される設計ミスが防止できるとともに設計工数の削減が図れるという効果がある。
【0081】
請求項2の発明は、画面内容変更手段が、情報変更手段及び変更仕様表示/入力手段によって遮断器間の電気的な接続属性が変更された場合に遮断器間の配線経路を変更して盤内イメージ出力手段に表示する部品間配線経路変更処理手段を具備するので、請求項1の発明の効果に加えて、遮断器の接続属性の変更結果が画面上に反映されるために設計ミスが生じにくく且つ直感的な操作が可能となり、設計工数をさらに削減することができるという効果がある。
【0082】
請求項3の発明は、特定情報入出力手段が、遮断器に対応する分岐回路名を表示するための分岐回路名称シールを作成するか否か指示を受け付ける分岐回路名称仕様作成指示部と、分岐回路名称シールの実寸法に略等しい寸法で分岐回路名称入力用画面を表示して当該分岐回路名称シールに記入する分岐回路名称入力を受け付ける分岐回路名称入力部とを具備し、作図処理手段が、分岐回路名称入力部より入力された分岐回路名称を分岐回路名称シールに印刷するための分岐回路名称図面を作成する分岐回路名称作図部を具備するので、請求項1の発明の効果に加えて、従来別途作成していた分岐回路名称シールを設計仕様の作成と同時に作成することができ、また分岐回路名称の入力画面が実際の分岐回路名称シールと同じ寸法なので、設計者にとって直感的に操作可能であり、文字がシール内に入らないなどの不具合を未然に防ぐことができるという効果がある。
【0083】
請求項4の発明は、変更内容に対応して予め決定された変更仕様コードを変更仕様の内容から自動的に設定する変更仕様コード設定手段と、設定された変更仕様コードとともに変更仕様及び遮断器の種類や配置、接続属性等の設計仕様のデータを記憶装置に保存する設計データ保存手段とを備えたので、請求項1又は2又は3の発明の効果に加えて、保存されたデータを、各設計仕様に対応した製品の受注動向などの分析に使用することができるという効果がある。
【0084】
請求項5の発明は、作図処理手段により作成された図面を印刷する図面印刷手段を備え、この図面印刷手段が、設計データ保存手段により記憶装置に保存された設計仕様データの内容と印刷を行う図面の内容を印刷時に比較して設計仕様や変更仕様の入力時と印刷する図面の間の相違を検出する検図処理部を具備するので、請求項4の発明の効果に加えて、記憶装置に保存された設計仕様データの内容と印刷を行う図面の内容との相違(矛盾)を事前に検証することができ、設計仕様と異なる図面を誤って作成することが防止できるという効果がある。
【0085】
請求項6の発明は、変更仕様コード設定手段により設定されて設計データ保存手段により記憶装置に記憶された変更仕様コードと設計仕様データとから標準品情報マスタに登録されている標準品情報からの変更対象となる機器や新たに必要となる機器、部材等に関する組み替え情報や配膳情報を作成する組み替え・配膳情報作成手段と、作成された組み替え・配膳情報を示すリストを作成する組み替え・配膳リスト作成手段とを備えたので、請求項4又は5の発明の効果に加えて、組み替え・配膳情報を示すリストを自動的に作成することで工数の削減が図れるという効果がある。
【0086】
請求項7の発明は、設計データ保存手段が、変更仕様コードと設計仕様データを記憶装置に保存する際に変更仕様コードと設計仕様データの組み合わせを単位として保存回数を累積して変更仕様コード及び設計仕様データとともに記憶装置に保存する保存回数累積処理部と、記憶装置に保存された累積値が所定値を越えた場合に設計仕様データに対して予め決められた品番設定ルールに従って新たに標準品としての品番を付与する品番決定処理部と、決定された品番及び設計仕様データを標準品情報マスタに登録する標準品マスタ登録処理部とを具備するので、請求項4又は5又は6の発明の効果に加えて、頻繁に行われる組み替えのパターンを標準品に登録することで設計作業に要する工数や組み替え作業に要する工数を無くすことができ、盤の設計・製造に要するコストが削減できるという効果がある。
【0087】
請求項8の発明は、設計データ保存手段が、標準品マスタ登録処理部が新たに標準品として登録した設計仕様データに基づいて標準品の品番等の仕様データを記載したカタログに記載すべきデータ及び図面を生成するカタログデータ生成処理部を具備したので、請求項7の発明の効果に加えて、カタログデータを自動的に生成することで新規に追加された標準品のカタログデータのメンテナンスが不要となり、また、記載もれや、次のカタログ発行までの間にカタログに記載されない標準品が存在するなどの不具合が生じることをなくせるという効果がある。
【0088】
請求項9の発明は、設計データ保存手段が、カタログデータ生成処理部により生成された内容をネットワーク上で配信される電子カタログの情報に追加登録するとともに登録された内容をネットワーク内の特定端末に報知する報知処理部を具備するので、請求項8の発明の効果に加えて、新たに追加された標準品の情報を他の設計者などに報知する工数が不要となり、報知漏れがなくなるという効果がある。
【0089】
請求項10の発明は、作図処理手段が、作図処理時に実際の盤や部品、部材の上下関係に応じた高さ情報が予め付与されて部品、部材要素シンボルとして保存する部品・部材ライブラリと、部品・部材ライブラリに保存された部品・部材要素シンボルを変更仕様及び設計仕様データに応じて収集し且つ配置し、高さ方向の上下関係に応じて下側に隠れる部分を非表示とする隠線処理部とを具備するので、請求項1〜9の何れかの発明の効果に加えて、実際の盤を忠実に図面化することが可能となり、組み替えに応じて図面の変更を行う工数を大幅に削減することができるという効果がある。
【0090】
請求項11の発明は、部品及び部材に付与する高さ情報を外部記憶装置に記憶し、作図処理手段により作図処理を行う度毎に部品・部材変更要素に高さ情報を付与し、隠線処理部により下側に隠れる部分を非表示にするので、請求項10の発明の効果に加えて、盤を構成する要素間の上下関係に柔軟性を持たせることができ、設計の自由度を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】(a)及び(b)は同上の動作を説明するための説明図である。
【図3】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】(a)〜(c)は同上の動作を説明するための説明図である。
【図6】同上の動作を説明するための説明図である。
【図7】(a)〜(c)は同上の動作を説明するための説明図である。
【図8】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】同上の動作を説明するための説明図である。
【図12】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】同上の動作を説明するための説明図である。
【図15】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】同上の動作を説明するための説明図である。
【図18】同上の動作を説明するための説明図である。
【図19】同上の動作を説明するための説明図である。
【図20】同上の動作を説明するための説明図である。
【図21】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【図22】同上の動作を説明するための説明図である。
【図23】同上の動作を説明するための説明図である。
【図24】同上の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
5 標準品情報マスタ
6 入力手段
7 標準品情報読み込み手段
8 盤内イメージ出力手段
9 特定情報入出力手段
10 情報変更手段
11 情報変更処理手段
12 変更仕様表示/入力手段
13 画面内容変更手段
17 作図処理手段

Claims (11)

  1. 設計対象となり且つ標準品として予め品番が割り当てられた複数種の盤の内部に配設される複数種の遮断器及びこれら遮断器を盤内部に支持するための複数種の支持部品の種類、配置、遮断器間の配線経路並びに付属部材や付属加工等の標準品の仕様に関する情報を格納した標準品情報マスタと、少なくとも標準品の品番が入力可能な入力手段と、入力手段により入力される品番に対応した標準品の仕様に関する情報を標準品情報マスタから読み込む標準品情報読み込み手段と、標準品情報読み込み手段で読み込んだ情報に基づいて少なくとも遮断器や支持部品の種類、配置並びに配線経路を実際の盤内部を模したイメージで表示する盤内イメージ出力手段と、少なくとも付属部材情報や付属加工情報を含む特定情報の項目名と各項目に対応して選択可能な仕様を表示するとともに当該仕様の選択指示を受け付ける特定情報入出力手段と、盤内イメージ出力手段が表示する情報のうちで変更対象となる情報の指示を受け付ける情報変更手段と、情報変更手段で指示を受け付けた情報について予め用意された複数の選択候補を表示して当該選択候補の選択指示を受け付ける変更仕様表示/入力手段と、変更仕様表示/入力手段により入力される選択候補の情報を処理して変更仕様表示/入力手段に表示させる情報変更処理手段と、情報変更処理手段の処理結果に基づき変更仕様に応じた遮断器や支持部品の種類、配置並びに配線経路を盤内イメージ出力手段に表示する画面内容変更手段と、標準品の仕様及び変更された仕様に対応した図面を作成する作図処理手段とを備えたことを特徴とする自動設計・作図装置。
  2. 画面内容変更手段が、情報変更手段及び変更仕様表示/入力手段によって遮断器間の電気的な接続属性が変更された場合に遮断器間の配線経路を変更して盤内イメージ出力手段に表示する部品間配線経路変更処理手段を具備することを特徴とする請求項1記載の自動設計・作図装置。
  3. 特定情報入出力手段が、遮断器に対応する分岐回路名を表示するための分岐回路名称シールを作成するか否か指示を受け付ける分岐回路名称仕様作成指示部と、分岐回路名称シールの実寸法に略等しい寸法で分岐回路名称入力用画面を表示して当該分岐回路名称シールに記入する分岐回路名称入力を受け付ける分岐回路名称入力部とを具備し、作図処理手段が、分岐回路名称入力部より入力された分岐回路名称を分岐回路名称シールに印刷するための分岐回路名称図面を作成する分岐回路名称作図部を具備することを特徴とする請求項1記載の自動設計・作図装置。
  4. 変更内容に対応して予め決定された変更仕様コードを変更仕様の内容から自動的に設定する変更仕様コード設定手段と、設定された変更仕様コードとともに変更仕様及び遮断器の種類や配置、接続属性等の設計仕様のデータを記憶装置に保存する設計データ保存手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2又は3記載の自動設計・作図装置。
  5. 作図処理手段により作成された図面を印刷する図面印刷手段を備え、この図面印刷手段が、設計データ保存手段により記憶装置に保存された設計仕様データの内容と印刷を行う図面の内容を印刷時に比較して設計仕様や変更仕様の入力時と印刷する図面の間の相違を検出する検図処理部を具備することを特徴とする請求項4記載の自動設計・作図装置。
  6. 変更仕様コード設定手段により設定されて設計データ保存手段により記憶装置に記憶された変更仕様コードと設計仕様データとから標準品情報マスタに登録されている標準品情報からの変更対象となる機器や新たに必要となる機器、部材等に関する組み替え情報や配膳情報を作成する組み替え・配膳情報作成手段と、作成された組み替え・配膳情報を示すリストを作成する組み替え・配膳リスト作成手段とを備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の自動設計・作図装置。
  7. 設計データ保存手段が、変更仕様コードと設計仕様データを記憶装置に保存する際に変更仕様コードと設計仕様データの組み合わせを単位として保存回数を累積して変更仕様コード及び設計仕様データとともに記憶装置に保存する保存回数累積処理部と、記憶装置に保存された累積値が所定値を越えた場合に設計仕様データに対して予め決められた品番設定ルールに従って新たに標準品としての品番を付与する品番決定処理部と、決定された品番及び設計仕様データを標準品情報マスタに登録する標準品マスタ登録処理部とを具備することを特徴とする請求項4又は5又は6記載の自動設計・作図装置。
  8. 設計データ保存手段が、標準品マスタ登録処理部が新たに標準品として登録した設計仕様データに基づいて標準品の品番等の仕様データを記載したカタログに記載すべきデータ及び図面を生成するカタログデータ生成処理部を具備したことを特徴とする請求項7記載の自動設計・作図装置。
  9. 設計データ保存手段が、カタログデータ生成処理部により生成された内容をネットワーク上で配信される電子カタログの情報に追加登録するとともに登録された内容をネットワーク内の特定端末に報知する報知処理部を具備することを特徴とする請求項8記載の自動設計・作図装置。
  10. 作図処理手段が、作図処理時に実際の盤や部品、部材の上下関係に応じた高さ情報が予め付与されて部品、部材要素シンボルとして保存する部品・部材ライブラリと、部品・部材ライブラリに保存された部品・部材要素シンボルを変更仕様及び設計仕様データに応じて収集し且つ配置し、高さ方向の上下関係に応じて下側に隠れる部分を非表示とする隠線処理部とを具備することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の自動設計・作図装置。
  11. 部品及び部材に付与する高さ情報を外部記憶装置に記憶し、作図処理手段により作図処理を行う度毎に部品・部材変更要素に高さ情報を付与し、隠線処理部により下側に隠れる部分を非表示にすることを特徴とする請求項10記載の自動設計・作図装置。
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