以下の実施形態は、設定支援装置、設定支援システム、及びプログラムに関し、とくに複数の分岐回路に一対一に対応する複数の回路名称の設定を支援する設定支援装置、設定支援システム、及びプログラムに関する。
(実施形態1)
(1.1)概要
本実施形態に係る設定支援装置1は、図1に示すように、管理装置4に対する、複数の回路名称の設定を支援する。管理装置4は、分電盤2に接続される複数の分岐回路3に関する計測値を、複数の分岐回路3に一対一に対応し記憶部41に記憶された複数の回路名称に対応付けて管理する。
設定支援装置1は、複数の回路名称を表す名称データを取得する取得部11と、名称データを出力する出力部12とを備えている。出力部12は、記憶部41への複数の回路名称の書き込みを行う設定装置5と、分電盤2に付されるラベル6の作成用のラベル作成装置7との両方に対して、名称データを出力するように構成されている。
ここでいう「設定」は、記憶部41への書き込みを意味している。ここでいう「回路名称」は、分電盤2に接続された複数の分岐回路3の各々に対応付けて設定される情報であって、分岐回路3の各々を特定するための情報である。回路名称は、例えば「冷蔵庫」、「照明」、「エアコン」、及び「テレビ」など、分岐回路3に含まれる負荷の種類を特定する情報、又は、「玄関」、「リビング」、「寝室」、「浴室」、及び「階段」など、分岐回路3に含まれる負荷の場所を特定する情報である。さらに、回路名称は、例えば「玄関照明」、「寝室エアコン」、及び「階段照明」など、負荷の種類を特定する情報と場所を特定する情報との組み合わせであってもよい。なお、複数の回路名称は複数の分岐回路3に対して一対一に対応していればよく、例えば「リビング」と「寝室」とのそれぞれの負荷について、「エアコン」のように同語の回路名称が設定されていてもよい。
本実施形態の設定支援装置1によれば、出力部12は、複数の回路名称を表す名称データを、記憶部41への複数の回路名称の書き込みを行う設定装置5へ出力する。これにより、複数の分岐回路3の各々を特定するための情報(回路名称)の設定が支援されるので、管理装置4では単なるID(識別情報)でなく回路名称に対応付けて、複数の分岐回路3に関する計測値が管理されることになる。そのため、管理装置4で管理される複数の分岐回路3をユーザが特定しやすくなる。しかも、設定支援装置1では、出力部12は、設定装置5と、分電盤2に付されるラベル6の作成用のラベル作成装置7との両方に対して、名称データを出力する。つまり、出力部12が出力する名称データは、複数の回路名称の記憶部41への書き込みと、ラベル6の作成とに兼用されることになる。言い換えれば、分電盤2の施工に含まれるラベル6の作成時に用いられる名称データを、記憶部41への複数の回路名称の書き込み用に流用できるので、管理装置4で用いられる回路名称の設定にかかる手間が軽減される。その結果、管理装置4で用いられる回路名称の誤設定や、設定忘れが生じにくくなり、管理装置4で管理される複数の分岐回路3をユーザが特定しやすくなる、という利点がある。
ところで、管理装置4においては、回路名称の設定が必須でなく、複数の分岐回路3の各々について回路名称が設定されていない状態で管理装置4が運用されることがある。回路名称が設定されていない状態では、管理装置4は、複数の分岐回路3の各々を例えば「回路1」、「回路2」…等の、ID(識別情報)によって識別する。そのため、一例として、管理装置4にて複数の分岐回路3の各々の消費電力を計測値として管理する場合、回路名称が設定されていれば「玄関照明の消費電力**〔W〕」と表示されるところ、「回路1の消費電力**〔W〕」と表示されることになる。したがって、ユーザにとっては、いずれの負荷、又はいずれの場所での消費電力であるかを特定することが困難であり、管理装置4としての機能が十分に発揮されないことになる。
さらに、管理装置4を用いたサービスとして、宅内の負荷の動作を遠方(宅外)のユーザに通知する、いわゆる見守りサービスがある。このようなサービスに管理装置4が用いられる場合には、遠方のユーザが複数の分岐回路3を特定する必要があるので、複数の分岐回路3の各々について回路名称の設定はとくに重要になる。また、管理装置4で管理される計測値を、多数の需要家施設から収集して、いわゆるビッグデータとして活用するサービスにおいても、複数の分岐回路3の各々について回路名称の設定は重要になる。
要するに、管理装置4において複数の分岐回路3の各々について回路名称が正しく設定されることは、管理装置4の機能を十分に発揮したり、管理装置4を用いた種々のサービスを展開したりする上で、大きな意義を持つ。そして、本実施形態の設定支援装置1を用いれば、管理装置4で用いられる回路名称の設定にかかる手間が軽減され、管理装置4で用いられる回路名称の誤設定や、設定忘れが生じにくくなる。これにより、管理装置4では単なるID(識別情報)でなく回路名称に対応付けて、複数の分岐回路3に関する計測値が管理されることになる。したがって、本実施形態の設定支援装置1は、管理装置4にとって非常に有用である。
(1.2)詳細説明
以下、本実施形態に係る設定支援装置1、及び設定支援システム10について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態では、設定支援装置1は、需要家施設において複数の分岐回路3の消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測するための電力計測システムの管理装置4に適用され、複数の分岐回路3の各々の回路名称の設定に用いられる。ここでいう「需要家施設」は、電力の需要家の施設を意味しており、電力会社等の電気事業者から電力の供給を受ける施設だけでなく、太陽光発電設備等の自家発電設備から電力の供給を受ける施設も含む。本実施形態では、戸建住宅を需要家施設の一例として説明する。
(1.2.1)分電盤
ここではまず、複数の分岐回路3が接続される分電盤2の構成について、図1を参照して説明する。
分電盤2には、系統電源20が電気的に接続される。分電盤2は、系統電源20に電気的に接続される主幹ブレーカ22と、主幹ブレーカ22の二次側端子に電気的に接続される複数の分岐ブレーカ21とをキャビネット内に備えている。複数の分岐ブレーカ21には、複数の分岐回路3がそれぞれ電気的に接続される。これにより、分電盤2は、系統電源20からの交流電力を複数の分岐回路3に分配する。なお、ここでいう「分岐回路」は、分岐ブレーカの二次側端子に接続される配線路、配線器具(アウトレット、壁スイッチなど)、及び各種の負荷(照明器具、エアーコンディショナなど)を含んでいる。
本実施形態では一例として、単相三線式の配電方式を想定する。この場合、系統電源20と分電盤2との間は、第1電圧線(L1)、第2電圧線(L2)、及び中性線(N)からなる三線式の電力線によって電気的に接続される。第1電圧線又は第2電圧線と、中性線との間の電圧が100〔V〕(実効値)であると仮定する。この場合、複数の分岐ブレーカ21のうち第1電圧線と第2電圧線との一方及び中性線に接続された分岐ブレーカ21には100〔V〕が印加され、第1電圧線及び第2電圧線に接続された分岐ブレーカ21には200〔V〕が印加される。
分電盤2にはラベル6が付される。ここでいう「ラベル」は、例えば「玄関照明」、「寝室エアコン」、及び「階段照明」のように、回路名称が表記された、いわゆるネームカードである。本実施形態では、ラベル6は、複数の分岐回路3に一対一に対応する複数の回路名称が印刷された印刷物である。すなわち、ラベル作成装置7は、本実施形態ではプリンタ(印刷装置)であって、専用の用紙、又は汎用の印刷用紙に複数の回路名称を印刷することによって、ラベル6を作成する。
ラベル6は、分電盤2のキャビネット内での複数の分岐ブレーカ21の配置に合わせて複数の回路名称が印刷され、複数の分岐ブレーカ21に複数の回路名称を一対一で対応させた状態で、分電盤2に設けられたラベル取付スペースに取り付けられる。なお、ラベル6は、切取線にて複数の分岐回路3に対応する複数のラベル片に分割され、複数のラベル片が複数の分岐ブレーカ21にそれぞれ取り付けられる構成であってもよい。また、ラベル6は、複数の分岐ブレーカ21の各々へ貼付可能なシールであってもよい。
(1.2.2)電力計測システム
次に、設定支援装置1が適用される電力計測システムについて、図1を参照して説明する。
電力計測システムは、管理装置4と、複数の分岐回路3に関する計測値を計測する計測部8とを備えている。ここでいう「計測値」は、複数の分岐回路3の各々についての、消費電力と消費電力量との少なくとも一方である。
計測部8は、分電盤2のキャビネット内に収納されている。計測部8は、複数の分岐ブレーカ21の各々を流れる電流を計測する電流センサの出力を用いて、複数の分岐回路3の各々について計測値を計測する。計測値は、瞬時電力を表す消費電力であってもよいし、又は消費電力を一定時間(例えば1分間)積算した消費電力量であってもよい。また、計測値は、消費電力と消費電力量との両方であってもよい。本実施形態では一例として、計測値は、消費電力(瞬時電力)であることとする。電流センサとしては、コアを用いない(コアレスの)空芯コイルからなり、貫通孔内を通過する電流に応じた出力を生じるロゴスキコイルが用いられる。また、電流センサは、例えばCT(Current Transformer)センサ、ホール素子、GMR(Giant Magnetic Resistances)素子等の磁気抵抗素子、シャント抵抗などであってもよい。
計測部8は、電力線(第1電圧線、第2電圧線、及び中性線)の線間電圧と、電流センサの出力とから、計測値を求める。計測部8は、分電盤2のキャビネット外に配置された管理装置4と通信を行う通信アダプタとしての機能を有している。計測部8は、計測値を含む計測データを、管理装置4に定期的に送信する。計測データにおいては、複数の分岐回路3についての計測値は「回路1」、「回路2」…等の、ID(識別情報)に一対一に対応付けられている。なお、計測部8は、複数の分岐回路3の各々についての計測値だけでなく、需要家施設の総消費電力量を計測値として求める構成であってもよい。
管理装置4は、記憶部41を有している。記憶部41への複数の回路名称の書き込みは、設定装置5によって行われる。本実施形態では、設定装置5は、管理装置4との通信機能を有している。設定装置5は、例えば分電盤2のキャビネット内に収納されている。管理装置4は、例えば需要家施設内であって分電盤2のキャビネット外に設けられている。
ここでは、複数の回路名称が記憶部41に既に記憶されていることとして説明し、複数の回路名称の設定方法については「(1.2.4)名称設定方法」の欄にて説明する。記憶部41においては、IDごとに回路名称がテーブル形式で記憶されることにより、複数の回路名称が、複数の分岐回路3のIDと一対一に対応付けて記憶されている。例えば、「回路1」というIDには「玄関照明」という回路名称が対応付けて記憶され、「回路2」というIDには「寝室エアコン」という回路名称が対応付けて記憶される。
管理装置4は、計測部8から計測データを受信すると、計測データに含まれる複数の分岐回路3に関する計測値を、複数の回路名称に対応付けて管理する。具体的には、管理装置4は、記憶部41を参照して、計測データに含まれる分岐回路3のIDを回路名称に置換して、回路名称と計測値とを対応付けた状態で管理する。ここで、管理装置4は、複数の分岐回路3に関する計測値を複数の回路名称に対応付けて回路毎データとして、記憶部41又はその他の記憶装置に記憶することで、計測値を管理する。ただし、計測値を管理する手段は計測値を記憶することに限らず、管理装置4は、例えば計測値を他装置に出力してユーザへの通知を行う構成であってもよい。
本実施形態では、管理装置4は、HEMS(Home Energy Management System)コントローラであって、計測値をモニタへ表示したり、計測値に基づいて(HEMS対応)機器を制御したりすることができる。ここで、管理装置4は、例えばマイコン(マイクロコンピュータ)を主構成とし、マイコンのメモリに記録されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、種々の機能を実現する。プログラムは、予めマイコンのメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。
計測値をモニタへ表示するに当たり、管理装置4は、例えば「玄関照明の消費電力**〔W〕」といったテキストデータをモニタへ出力することにより、モニタに「玄関照明の消費電力**〔W〕」といったテキストを表示させる。ここで、管理装置4は、複数の分岐回路3のうちの一部の分岐回路3について計測値をモニタへ表示してもよいし、複数の分岐回路3の全てについて計測値をモニタへ表示してもよい。
このように、本実施形態の電力計測システムでは、複数の分岐回路3に関する計測値(消費電力)が、複数の回路名称に対応付けて管理されるので、管理装置4で管理される複数の分岐回路3をユーザが特定しやすくなる。例えば「玄関照明の消費電力**〔W〕」と表示されることで、ユーザにとって、いずれの負荷、又はいずれの場所での消費電力であるかを特定しやすくなる。
(1.2.3)設定支援装置
次に、設定支援装置1について、図1を参照して説明する。
設定支援装置1は、取得部11及び出力部12に加えて、ユーザインタフェース13、第1通信部14、第2通信部15、第3通信部16、及び付加部17を備えている。
ユーザインタフェース13は、本実施形態ではタッチパネルディスプレイからなり、人の操作を受け付けたり、表示等の手段によって人へ情報を提示したりする。ユーザインタフェース13は、取得部11及び付加部17の各々と電気的に接続されている。これにより、取得部11及び付加部17の各々は、ユーザインタフェース13を用いて人が入力したデータを受け取ることができる。
第1通信部14は、設定装置5との間で通信を行うように構成されている。第2通信部15は、ラベル作成装置7との間で通信を行うように構成されている。第1通信部14及び第2通信部15の各々は、出力部12と電気的に接続されている。これにより、出力部12は、第1通信部14を介して通信により設定装置5にデータを出力可能になる。また、出力部12は、第2通信部15を介して通信によりラベル作成装置7にデータを出力可能になる。なお、第1通信部14及び第2通信部15の各々の通信方式は、例えば免許を必要としない小電力無線である。この種の小電力無線については、用途などに応じて使用する周波数帯域や空中線電力などの仕様が各国で規定されている。例えば日本国においては、420MHz帯や920MHz帯の電波を使用する小電力無線(特定小電力無線)が規定されている。
第3通信部16は、ルータとの間で通信を行うように構成されている。第3通信部16は、取得部11及び付加部17の各々と電気的に接続されている。これにより、取得部11及び付加部17の各々は、第3通信部16及びルータを介してインターネットに接続可能になる。
付加部17は、付加情報を表す付加データを取得し、名称データに付加データを付加するように構成されている。ここでいう付加データは、複数の分岐回路3に関する情報であって、複数の回路名称以外の情報からなるデータである。取得部11及び付加部17の各々は、出力部12と電気的に接続されている。これにより、付加データがある場合、付加部17にて名称データに付加データが付加され、名称データと付加データとが組み合わされて出力部12から出力されることになる。
付加データは、例えば分電盤2の品番、管理装置4のシリアル番号、複数の分岐回路3の各々の電圧区分、並びに複数の分岐ブレーカ21の各々のサイズ及び極数などの情報を含む。ここでいう「電圧区分」は、複数の分岐回路3の各々について、印加電圧が100〔V〕か200〔V〕かを表す情報である。つまり、第1電圧線と第2電圧線との一方及び中性線に接続された分岐回路3の電圧区分は「100〔V〕」であり、第1電圧線及び第2電圧線に接続された分岐回路3の電圧区分は「200〔V〕」である。さらに、付加データは、複数の分岐ブレーカ21の各々の定格電流、分電盤2の施工年月日、太陽光発設備等の追加設備の導入年月日、及びその他の備考情報などの情報を含んでいてもよい。ここでいう「備考情報」は、例えば感震機能付きのブレーカの有無、避雷器の有無、及び分電盤の設置地域(都道府県)、及び戸建住宅か集合住宅かの別などの情報を含んでいる。
本実施形態では、設定支援装置1は、分電盤2の施工業者によって管理されるパソコン(パーソナルコンピュータ)、タブレット端末、又はスマートフォンのような汎用の情報端末である。この設定支援装置1は、CPU及びメモリを有するコンピュータを主構成としており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータを設定支援装置1として機能させる。プログラムは、ここではインターネットなどの電気通信回線を通じて、又はメモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されるが、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよい。つまり、汎用の情報端末は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、設定支援装置1としての機能を実現する。
以上説明した構成によれば、設定支援装置1は、ユーザインタフェース13を用いて人が入力した名称データを、取得部11にて取得することができる。つまり、分電盤2の施工業者は、ユーザインタフェース13を用いて、複数の回路名称を表すテキストデータ(名称データ)を入力することができ、取得部11は、このようにして入力された名称データをユーザインタフェース13から取得する。付加データについても同様であって、付加部17は、分電盤2の施工業者によって入力された付加データをユーザインタフェース13から取得する。
さらに、取得部11は、第3通信部16及びルータ経由で、インターネットを介して名称データを取得することも可能である。つまり、インターネットに接続されたサーバ装置等に複数の回路名称を表すテキストデータ(名称データ)が予め格納されていれば、取得部11は、この名称データをダウンロードすることで名称データをサーバ装置等から取得することが可能である。付加データについても同様であって、付加部17は、インターネット経由で付加データをサーバ装置等から取得可能である。なお、ここでいうサーバ装置等には、単体のサーバ装置だけでなく、クラウド(Cloud Computing)のような分散型のコンピュータも含む。
また、設定支援装置1において、出力部12は、設定装置5に対し、第1通信部14を介して通信により名称データを出力する。つまり、出力部12は、取得部11が取得した名称データを、第1通信部14を介して設定装置5に出力する。設定装置5は、出力部12から名称データを受け取ると、名称データを用いて、管理装置4の記憶部41への複数の回路名称の書き込みを行う。これにより、管理装置4の記憶部41には、複数の回路名称が設定されることになる。
さらには、出力部12は、ラベル作成装置7に対し、第2通信部15を介して通信により名称データを出力する。つまり、出力部12は、取得部11が取得した名称データを、第2通信部15を介してラベル作成装置7に出力する。ラベル作成装置7は、出力部12から名称データを受け取ると、名称データを用いて、専用の用紙、又は汎用の印刷用紙に複数の回路名称を印刷する。これにより、ラベル作成装置7にて、複数の回路名称が印刷されたラベル6が作成されることになる。なお、図1において、ラベル作成装置7、ラベル6、及び分電盤2間の矢印は、ラベル作成装置7で印刷されて分電盤2に取り付けられる、というラベル6の流れを概念的に表している(図4,5においても同様)。
設定支援装置1は、ユーザインタフェース13が特定の操作(例えばタッチパネルディスプレイ上の「送信ボタン」を押す操作)を受け付けると、出力部12から名称データを出力する。ここで、出力部12が設定装置5に名称データを出力するタイミングと、出力部12がラベル作成装置7に名称データを出力するタイミングとは、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。つまり、出力部12は、設定装置5及びラベル作成装置7に対して同時に名称データを出力してもよいし、設定装置5及びラベル作成装置7に対して別々に名称データを出力してもよい。設定装置5及びラベル作成装置7へ別々に名称データが出力される場合、設定装置5とラベル作成装置7とのどちらに先に名称データを出力するかは、例えばユーザインタフェース13が受け付ける操作によって決定することが好ましい。具体的には、例えばタッチパネルディスプレイ上の「名称設定ボタン」を押す操作をユーザインタフェース13が受け付けると、出力部12は設定装置5に名称データを出力する。一方、タッチパネルディスプレイ上の「ラベル作成ボタン」を押す操作をユーザインタフェース13が受け付けると、出力部12はラベル作成装置7に名称データを出力する。
なお、出力部12が出力する名称データは、取得部11が取得した名称データと完全に一致しなくてもよく、データの内容(複数の回路名称)が取得部11が取得した名称データと共通であればよい。出力部12が出力する名称データは、例えば取得部11が取得した名称データを所定のデータ形式に変換して得られたデータであってもよい。さらに、出力部12から設定装置5に出力される名称データと、出力部12からラベル作成装置7に出力される名称データとについても、完全に一致しなくてもよく、例えば互いにデータ形式が異なっていてもよい。
(1.2.4)名称設定方法
次に、上述した構成の設定支援装置1を用いて複数の回路名称を設定する方法について、図2を参照して説明する。ここでは、分電盤2の施工業者が設定支援装置1を用いて管理装置4で用いられる回路名称の設定を行うと仮定する。図2は、設定支援装置1のユーザインタフェース(タッチパネルディスプレイ)13に表示される表示画面の一例を表している。
設定支援装置1は、回路名称の入力を支援する入力支援ツールとしての機能を有している。具体的には、設定支援装置1は、入力支援ツールとして動作することで、図2に示すような入力画面9を表示し、回路名称の入力を促す。このような入力支援ツールは、例えば表計算ソフトをプラットフォームに用いたアプリケーションソフトによって実現される。入力支援ツールは、ルータ経由でインターネット上のサーバ装置等に接続し、サーバ装置等の機能を利用するAPI(Application Programming Interface)の仕様であってもよい。
入力画面9は、回路番号欄91と、名称入力欄92と、品番入力欄93と、シリアル番号入力欄94とを含んでいる。回路番号欄91には、複数の分岐回路3のID(識別情報)としての「回路番号」が表示される。名称入力欄92には回路名称が入力される。回路番号欄91と名称入力欄92とは一対一に対応付けられており、名称入力欄92には、回路番号欄91に表示される回路番号毎に回路名称が入力される。品番入力欄93には分電盤2の品番が入力される。シリアル番号入力欄94には管理装置4のシリアル番号が入力される。なお、図2では、回路番号「1」(回路1)〜「10」(回路10)に対応して、「玄関照明」〜「2階廊下照明」の回路名称が入力された状態の入力画面9を示している。
分電盤2の施工業者は、入力画面9上で、ユーザインタフェース13を用いて回路名称の入力を行う。ここにおいて、施工業者は、ユーザインタフェース13を用いたテキスト入力により回路名称の入力を行ってもよいし、プルダウンリストなどで一覧表示される規定の回路名称の中から任意の回路名称を選択することにより回路名称の入力を行ってもよい。このように、基本的には、取得部11はユーザインタフェース13にて入力される名称データを取得する。
さらに、本実施形態では、品番入力欄93に分電盤2の品番が入力されると、設定支援装置1が、この品番に基づいて、自動的に分電盤構成(分岐ブレーカ21の数など)を特定するように構成されている。具体的には、設定支援装置1は、分電盤2の品番に対応する分電盤構成を示すデータを、インターネットを介してサーバ装置等から取得部11にて取得する。ここで、分電盤構成を示すデータには、デフォルトとなる名称データが含まれていてもよい。この場合、分電盤2の施工業者は、デフォルトの名称データをベースに、修正が必要な分岐回路3についてのみ、回路名称を入力(修正)すればよい。
また、需要家施設が建売住宅などで、複数種類の典型的なモデルのいずれかと同じ間取りを採用している場合には、いずれのモデルに該当するかを選択するだけで、このモデルに対応する複数の回路名称をまとめて入力することも可能である。この場合、設定支援装置1は、例えばシリアル番号入力欄94に入力された管理装置4のシリアル番号に基づいて、該当するモデルの名称データを、インターネットを介してサーバ装置等から取得部11にて取得する。したがって、分電盤2の施工業者は、モデルの名称データをベースに、修正が必要な分岐回路3についてのみ、回路名称を入力(修正)すればよい。
なお、付加データ(付加情報)の入力については、入力画面9上で行われてもよいし、入力画面9とは別の画面上で行われてもよい。また、入力画面9には、分電盤2における複数の分岐ブレーカ21の配置図が表示されてもよい。この場合、分電盤2の施工業者は、実際の分電盤2と照らし合わせながら回路名称を入力することができ、回路名称の入力ミスが低減する。
複数の回路名称の入力が完了すると、分電盤2の施工業者は、入力画面9上の送信ボタン95を押すように操作(タップ)する。これにより、設定支援装置1は、出力部12から名称データを出力する。
ここでは一例として、出力部12は、まずラベル作成装置7に名称データを出力する。これにより、ラベル作成装置7にて、図3に例示するように、複数の印刷スペース61の各々に回路名称が印刷されたラベル6が作成されることになる。なお、複数の印刷スペース61は、複数の分岐回路3のID(回路番号)と一対一に対応して設けられている。ラベル6における複数の印刷スペース61の配置は、分電盤2における複数の分岐ブレーカ21の配置に合わせて設定されている。
その後、ユーザインタフェース13が特定の操作(例えばタッチパネルディスプレイ上の「名称設定ボタン」を押す操作)を受け付けると、出力部12は、設定装置5に名称データを出力する。これにより、設定装置5にて管理装置4の記憶部41への複数の回路名称の書き込みが行われ、管理装置4において複数の回路名称が設定されることになる。
設定支援装置1は、ラベル作成装置7及び設定装置5に出力後の名称データについては、設定支援装置1のメモリに保存してもよいし、保存せずに破棄してもよい。
(1.2.5)設定支援システム
次に、設定支援システム10について図1を参照して説明する。
設定支援システム10は、管理装置4と、設定装置5と、取得部11と、出力部12とを備えている。本実施形態では、管理装置4と設定装置5と設定支援装置1とが、設定支援システム10を構成する。
すなわち、管理装置4は、分電盤2に接続される複数の分岐回路3に関する計測値を、複数の分岐回路3に一対一に対応し記憶部41に記憶された複数の回路名称に対応付けて管理する。設定装置5は、記憶部41への複数の回路名称の書き込みを行う。取得部11は、複数の回路名称を表す名称データを取得する。出力部12は、設定装置5と、分電盤2に付されるラベル6の作成用のラベル作成装置7との両方に対して、名称データを出力するように構成されている。
ここで、設定装置5は、管理装置4の動作開始をトリガにして、出力部12から名称データを取得し、記憶部41への複数の回路名称の書き込みを行うように構成されている。ここでいう管理装置4の動作開始の時点は、管理装置4への通電が開始し、かつ管理装置4と設定装置5とが通信可能な状態になった時点である。管理装置4は、動作を開始すると設定要求信号を設定装置5に送信する。設定要求信号を受信した設定装置5は、設定支援装置1の出力部12から名称データを取得し、管理装置4の記憶部41に複数の回路名称の書き込みを行う。
また、本実施形態の設定支援システム10は、付加部17をさらに備えている。付加部17は、複数の分岐回路3に関する情報であって複数の回路名称以外の情報からなる付加情報を表す付加データを取得し、名称データに付加データを付加する。さらに、管理装置4は、付加データに基づいて、計測値の計測に用いるパラメータの設定を行うように構成されている。すなわち、例えば分電盤2の品番、複数の分岐回路3の各々の電圧区分、並びに複数の分岐ブレーカ21の各々のサイズ及び極数などの負荷情報を表す付加データに基づけば、管理装置4は、計測値の計測に必要なパラメータを自動的に設定可能となる。
(1.3)効果
以上説明した本実施形態の設定支援装置1及び設定支援システム10によれば、出力部12は、複数の回路名称を表す名称データを、記憶部41への複数の回路名称の書き込みを行う設定装置5へ出力する。これにより、複数の分岐回路3の各々を特定するための情報(回路名称)の設定が支援されるので、管理装置4では単なるID(識別情報)でなく回路名称に対応付けて、複数の分岐回路3に関する計測値が管理されることになる。そのため、管理装置4で管理される複数の分岐回路3をユーザが特定しやすくなる。しかも、出力部12は、設定装置5と、分電盤2に付されるラベル6の作成用のラベル作成装置7との両方に対して、名称データを出力する。これにより、出力部12が出力する名称データは、複数の回路名称の記憶部41への書き込みと、ラベル6の作成とに兼用されることになる。言い換えれば、分電盤2の施工に含まれるラベル6の作成時に用いられる名称データを、記憶部41への複数の回路名称の書き込み用に流用できるので、管理装置4で用いられる回路名称の設定にかかる手間が軽減される。その結果、管理装置4で用いられる回路名称の誤設定や、設定忘れが生じにくくなり、管理装置4で管理される複数の分岐回路3をユーザが特定しやすくなる、という利点がある。
また、本実施形態のように、設定支援装置1は、設定装置5との間で通信を行う通信部(第1通信部14)をさらに備え、出力部12は、設定装置5に対し、通信部(第1通信部14)を介して通信により名称データを出力するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、設定支援装置1から設定装置5に対しては、名称データは通信により出力(送信)されることになるので、設定支援装置1と設定装置5との間の物理的な距離によらずに名称データのやり取りが可能になる。ただし、この構成は設定支援装置1に必須の構成ではなく、第1通信部14は省略されてもよい。
また、本実施形態のように、取得部11は、インターネットを介して名称データを取得するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、設定支援装置1は、例えば分電盤2の品番、又は管理装置4のシリアル番号などに基づいて、インターネット上のサーバ装置等に格納されている名称データを取得することができる。したがって、回路名称の入力の手間が一層軽減される、という利点がある。ただし、この構成は設定支援装置1に必須の構成ではなく、取得部11がインターネットを介して名称データを取得する機能は省略されてもよい。
また、本実施形態のように、設定支援装置1は、付加データを取得し、名称データに付加データを付加する付加部17をさらに備えることが好ましい。付加データは、複数の分岐回路3に関する情報であって複数の回路名称以外の情報からなる付加情報を表すデータである。この構成によれば、設定支援装置1において、例えば分電盤2の品番、管理装置4のシリアル番号、及び複数の分岐回路3の各々の電圧区分など、複数の回路名称以外の情報(付加情報)を表すデータを名称データに付加できる。したがって、これらの付加情報を複数の回路名称とは別に設定する場合に比べて、設定作業の手間が軽減される。ただし、この構成は設定支援装置1に必須の構成ではなく、付加部17は省略されてもよい。
また、本実施形態の設定支援システム10のように、設定装置5は、管理装置4の動作開始をトリガにして、出力部12から名称データを取得し、記憶部41への複数の回路名称の書き込みを行うように構成されていることが好ましい。この構成によれば、分電盤2の施工後に管理装置4が施工されて管理装置4が動作を開始した際、自動的に、管理装置4に複数の回路名称が設定されることになる。その結果、管理装置4の動作開始後すぐに、管理装置4が活用可能な状態となる。ただし、この構成は設定支援システム10に必須の構成ではなく、管理装置4の動作開始をトリガにして設定装置5が複数の回路名称の書き込みを行う機能は省略されてもよい。
また、本実施形態の設定支援システム10のように、設定支援システム10は付加部17をさらに備えていることが好ましい。付加部17は、複数の分岐回路3に関する情報であって複数の回路名称以外の情報からなる付加情報を表す付加データを取得し、名称データに付加データを付加する。この場合、管理装置4は、付加データに基づいて、計測値の計測に用いるパラメータの設定を行うように構成されていることが好ましい。この構成によれば、管理装置4での計測値の計測に用いられるパラメータが、自動的に設定されるため、パラメータの設定を管理装置4の施工後に現場(需要家施設)で行う必要がない。したがって、パラメータの誤設定や、設定忘れが生じにくくなり、管理装置4の信頼性が向上する。ただし、この構成は設定支援システム10に必須の構成ではなく、付加部17は省略されてもよい。
(1.4)プログラム
設定支援装置1がコンピュータ(マイコンを含む)を主構成とする場合、コンピュータのメモリに記録されるプログラムは、管理装置4に対する複数の回路名称の設定を支援するコンピュータを取得部11及び出力部12として機能させるためのプログラムである。ここでいう管理装置4は、分電盤2に接続される複数の分岐回路3に関する計測値を、複数の分岐回路3に一対一に対応し記憶部41に記憶された複数の回路名称に対応付けて管理する。また、ここでいう取得部11は、複数の回路名称を表す名称データを取得する。出力部12は、記憶部41への複数の回路名称の書き込みを行う設定装置5と、分電盤2に付されるラベル6の作成用のラベル作成装置7との両方に対して、名称データを出力する。
このプログラムによれば、専用の設定支援装置1を用いなくても、本実施形態の設定支援装置1と同等の機能を実現でき、管理装置4で管理される複数の分岐回路3をユーザが特定しやすくなる、という利点がある。
(1.5)変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。
本実施形態では、戸建住宅を需要家施設の一例として説明しているが、この例に限らず、需要家施設は、集合住宅の各住戸などの戸建住宅以外の住宅、あるいは事務所、店舗等の非住宅であってもよい。需要家施設が集合住宅の各住戸であって、集合住宅の1階の住戸と、2階、3階の住戸とで間取りが同じである場合には、1階の住戸の名称データを、2階、3階の住戸に使い回すことができる。この場合、分電盤2の施工業者は、例えば1階の住戸についてのみ複数の回路名称を入力すればよく、回路名称の設定の手間が一層軽減される。なお、住戸間の関係(間取りが同じか否か)は、例えば管理装置4のシリアル番号によって識別可能である。
また、分岐回路3に関する計測値は、消費電力や消費電力量に限らず、例えば電流値や漏電の有無、負荷の動作状態など、分岐回路3に関する何らかの計測値であればよい。
また、第1通信部14及び第2通信部15の各々の通信方式は、特定小電力無線に限らず、その他の無線通信であってもよい。さらに、第1通信部14及び第2通信部15の各々の通信方式は、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルなどを用いた有線通信であってもよい。
また、計測部8と管理装置4との間の通信方式についても、第1通信部14及び第2通信部15の各々と同様に、例えば特定小電力無線であってもよいし、その他の通信方式(無線通信及び有線通信を含む)でもよい。管理装置4と設定装置5との間の通信方式についても、第1通信部14及び第2通信部15の各々と同様に、例えば特定小電力無線であってもよいし、その他の通信方式(無線通信及び有線通信を含む)でもよい。
また、管理装置4は、需要家施設外に設けられていてもよく、例えばサーバ装置又はクラウド(Cloud Computing)にて実現されていてもよい。この場合、管理装置4は、例えば複数の分岐回路3の計測値(消費電力など)の総和から、複数の分岐回路3の各々の計測値を分離する、ディスアグリゲーション(Disaggregation)型のサービスに適用することが可能である。ディスアグリゲーション型のサービスにおいては、管理装置4は、例えば主幹ブレーカ22を流れる電流値に関する計測データを、需要家施設の計測部8又はスマートメータなどから受信することで、複数の分岐回路3の計測値の総和を取得する。管理装置4がディスアグリゲーション型のサービスに適用される場合においては、設定支援装置1は、需要家施設外の管理装置4に対する、複数の回路名称の設定を支援することになる。そして、管理装置4において、複数の分岐回路3の各々について回路名称の設定が行われることにより、複数の分岐回路3の計測値の総和からの管理装置4での計測値の分離精度の向上が期待できる。
また、設定装置5は、設定支援装置1又はその他の情報端末との通信により、記憶部41に書き込まれた複数の回路名称の各々を修正する機能を有していることが好ましい。これにより、一度設定された回路名称を変更したり、需要家施設のユーザ(住人)が回路名称をカスタマイズしたりすることが可能になる。例えば、需要家施設のユーザにて、家族の名前を含めた回路名称(「**ちゃんの部屋」など)を設定することが可能となる。
また、設定装置5及び計測部8の各々は分電盤2のキャビネット外に設けられていてもよい。設定支援装置1及び管理装置4の各々は分電盤2のキャビネット内に設けられていてもよい。さらに、設定装置5は、設定支援装置1と一体であってもよいし、管理装置4と一体であってもよい。
また、設定支援装置1は、汎用の情報端末に限らず専用のデバイスであってもよい。
(実施形態2)
本実施形態の設定支援装置1Aは、図4に示すように、インターネット100を介して、記憶装置101に名称データをアップロードするアップロード部18をさらに備える点で、実施形態1の設定支援装置1と相違する。設定支援装置1Aは、管理装置4Aと共に設定支援システム10Aを構成する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、設定支援装置1Aは、第1通信部14(図1参照)に代えてアップロード部18を備えている。アップロード部18は、ルータとの間で通信を行うように構成されている。アップロード部18は、出力部12と電気的に接続されている。これにより、出力部12は、アップロード部18及びルータを介してインターネット100に接続可能になり、インターネット100上の記憶装置101に名称データを出力(アップロード)可能になる。付加データがある場合には、付加部17にて名称データに付加データが付加され、名称データと付加データとが組み合わされて出力部12から出力(アップロード)される。なお、アップロード部18におけるインターネット100への接続機能は、第3通信部16と兼用されていてもよい。
本実施形態では、記憶装置101は、インターネット100に接続されたサーバ装置、又はクラウドである。記憶装置101は、設定支援装置1Aからインターネット100経由で名称データ(及び付加データ)を受信すると、名称データ(及び付加データ)を格納する。
ここで、設定装置5Aは、管理装置4Aに設けられている。管理装置4Aは、インターネット100に接続可能に構成されている。本実施形態では、管理装置4Aは、動作開始時に、インターネット100上の記憶装置101に自動的にアクセスし、記憶装置101から名称データ(及び付加データ)を取得するように構成されている。このとき、管理装置4Aは、管理装置4Aのシリアル番号を記憶装置101に送信することで、シリアル番号に対応する名称データ(及び付加データ)を取得する。言い換えれば、出力部12は、インターネット100経由で、設定装置5A(管理装置4A)に名称データ(及び付加データ)を出力することになる。
以上説明したように、本実施形態の設定支援装置1Aは、インターネット100を介して、記憶装置101に名称データをアップロードするアップロード部18をさらに備えている。この設定支援装置1Aによれば、インターネット100経由で設定装置5Aへの名称データ(及び付加データ)の出力が可能になる。しかも、名称データは記憶装置101に格納されるので、記憶装置101に名称データのバックアップが作成されることになり、名称データ(及び付加データ)の紛失が生じにくい。また、インターネット100上の記憶装置101に名称データが格納されることで、ある需要家施設で用いた名称データを他の需要家施設へ流用することも容易になる。さらに、記憶装置101に名称データ(及び付加データ)が格納されることで、管理装置4Aを用いたサービスを提供する事業者において、顧客の管理や、施工ミスの発見などにこれらのデータを活用することが可能である。例えば、付加データに、分電盤2の施工年月日、及び太陽光発設備等の追加設備の導入年月日の情報が含まれていれば、分電盤2及び追加設備の点検時期又は交換時期を事業者にて管理することができる。
また、本実施形態のように、インターネット上の記憶装置101に名称データがアップロードされることで、管理装置4Aを用いたサービスを提供する事業者において、分電盤2の施工業者が回路名称の入力を行ったか否かを確認することができる。そこで、管理装置4Aを用いたサービスを提供する事業者は、回路名称の入力を行った施工業者に対し、ポイントなどの特典を付与することも可能である。
なお、出力部12は、設定装置5Aだけでなく、ラベル作成装置7に対しても、インターネット100経由で、名称データを出力する構成であってもよい。
その他の構成及び機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態の設定支援装置1Bは、図5に示すように、記録媒体102へのデータの書き込みを行う書込部19をさらに備える点で、実施形態1の設定支援装置1と相違する。さらに、本実施形態では、出力部12は、設定装置5Bに対し、書込部19により記録媒体102を介して名称データを出力するように構成されている。設定支援装置1Bは、設定装置5B及び管理装置4Bと共に設定支援システム10Bを構成する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、設定支援装置1Bは、第1通信部14(図1参照)に代えて書込部19を備えている。記録媒体102は、例えばメモリカード、USBメモリ、及びCD−ROMなどである。書込部19は、出力部12と電気的に接続されている。これにより、書込部19は、出力部12から出力される名称データを記録媒体102に書込可能になる。付加データがある場合には、付加部17にて名称データに付加データが付加され、名称データと付加データとが組み合わされて記録媒体102に書き込まれる。
ここで、設定装置5Bは、記録媒体102から名称データ(及び付加データ)を読み込む機能を有している。本実施形態では、設定装置5Bは、記録媒体102の接続時(挿入時)に、自動的に記録媒体102から名称データ(及び付加データ)を読み込むように構成されている。言い換えれば、出力部12は、記録媒体102を介して、設定装置5Bに名称データ(及び付加データ)を出力することになる。なお、図5において、記録媒体102及び設定装置5B間の矢印は、書込部19から取り出されて設定装置5Bに接続(挿入)される、という記録媒体102の流れを概念的に表している。
以上説明したように、本実施形態の設定支援装置1Bは、記録媒体102へのデータの書き込みを行う書込部19をさらに備え、出力部12が、設定装置5Bに対し、書込部19により記録媒体102を介して名称データを出力するように構成されている。この設定支援装置1Bによれば、記録媒体102を媒体として設定装置5Bへの名称データ(及び付加データ)の出力が可能になる。そのため、分電盤2の施工から管理装置4Bの施工までに時間が空く場合でも、記録媒体102にて名称データ(及び付加データ)を保持し続けることができる。また、記録媒体102に名称データが格納されることで、ある需要家施設で用いた名称データを他の需要家施設へ流用することも容易になる。
なお、出力部12は、設定装置5Bだけでなく、ラベル作成装置7に対しても、記録媒体102経由で、名称データを出力する構成であってもよい。また、設定支援装置1Bは、第1通信部14と書込部19との両方を備えていてもよい。
その他の構成及び機能は実施形態1と同様である。
なお、上記実施形態1〜3(変形例を含む)の構成は、互いに組み合わせても適用可能である。また、実施形態1で説明したプログラムおよび設定支援システム10についても、実施形態2及び3で説明した技術と組み合わせて適用可能である。