JP3777601B2 - スイッチ操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース内に配置したスイッチをケースの外部から回動操作するスイッチ操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に従来例を示す。可変抵抗器やロータリースイッチ等の回転式のスイッチ1は、端子2が回路基板3に設けた端子孔4に挿通された状態で回路基板3の背面側に半田付され、それによってスイッチ1が回路基板3に固定されている。このスイッチ1はケース5内に収納され、ケース5の前面部6に設けてある貫通穴7からスイッチケース8の上部(径小部8A)と回動軸9がケース5の外部に突出している。また、貫通穴7の隙間部分は埃や水などの浸入を防ぐためにゴム製のグロメット10によって塞がれている。グロメット10は予めケース5の貫通穴7周囲に装着しておき、スイッチ1が固定された回路基板3を前面部6の背面側に装着した際に、回動軸9がグロメット10に設けられた丸孔11に挿通されるようになっている。
【0003】
回動軸9の先端側には操作ツマミ12が装着されている。回転式のスイッチ1は操作ツマミ12を回した際に、回動軸9と操作ツマミ12との間で操作ツマミ12が空転しない様、回動軸9の先端側は断面がDの字状(Dの字部9A)としてある。そして、回動軸9のDの字部9Aが挿入される操作ツマミ12の軸部13にはDの字部9Aと一致する凹穴14が設けてある。この凹穴14にDの字部9Aが挿入されるが、Dの字部9Aを挿入した際、凹穴14の底面15にDの字部9Aの先端面16が突き当たった状態となる。この様に、凹穴14に回動軸9のDの字部9Aを挿入することによって操作ツマミ12が回動軸9に装着される。17はケース5の前面部6上に配設された表示板であり、図示しないがスイッチ1の回動操作に対応した表示が表面側に施してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スイッチ1がトラクターや建設機械用の車などのモニタ装置に用いられている場合、モニタ装置が運転席の真横に配置されることがある。すると乗車の際、誤ってスイッチの操作部上に腰を下ろそうとしたり、乗車後であっても、手をついて力をかけてしまうといったことがある。その際、操作ツマミ12が下方(スイッチ1側)に押されて回動軸9に大きな力が加わると、スイッチ1内部が破壊してしまう虞がある。また、図4に示す様にスイッチケース8と回路基板3との間に隙間が生じた(スイッチ1が回路基板3の底面から浮き上がった)状態で端子2が半田付されていた場合には、半田にクラックが入ってしまい導通不良を起こす虞がある。また、モニタ装置が運転席の真横以外に配置されている場合であっても、突出している操作ツマミ12に力を加えたり、プッシュ式のスイッチと思いこみ操作ツマミ12を無理に押してしまうということもあり、同様な結果となる可能性がある。
【0005】
本発明はこの様な点に鑑みなされたもので、スイッチを回動操作する操作ツマミにスイッチ側への押圧が加わったとしても、スイッチとしての機能を満足するスイッチ操作装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、先端側が断面Dの字部である円柱状の回動軸を有するスイッチと、前記Dの字部箇所が挿入される凹穴を設けた軸部を有する操作部材と、前記スイッチが収納され前記回動軸または前記軸部が挿通される貫通穴を有するケースと、このケースの前面部上に配設された表示板と、前記貫通穴の周囲に装着され前記表示板の表面上に密着されるフランジ部を有するシール部材と、前記操作部材に設けられ前記フランジ部に当接して前記操作部材の押圧方向への移動を規制する突出部とを備え、前記突出部が前記フランジ部に当接した際、前記Dの字部の先端面と前記凹穴の底面とが非接触状態であるとともに、前記円柱状箇所と前記Dの字部箇所との境目に生じるカット面と前記軸部の下端面とが非接触状態であるものである。
【0008】
また、前記操作部材が金属製のスプリング部材を介して前記回動軸に装着されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態を示すスイッチ操作装置の要部断面図である。本実施形態におけるスイッチ操作装置は、金属製の回動軸9を有する回転式のスイッチ1と、スイッチ1が半田付により固定された硬質の回路基板3と、スイッチ1が収納される合成樹脂製の貫通穴7を有するケース5と、貫通穴7の隙間部分を塞ぐシール部材としてのグロメット10と、回動軸9の先端側に装着され回動軸9を回動操作する操作部材としての操作ツマミ12と、ケース5の前面部6上に配設されスイッチ1の回動操作に対応した表示が施された表示板17を備えている。
【0010】
スイッチ1は回動軸9の他に、スイッチケース8と、スイッチケース8の底面側に突出した端子2を備えており、端子2が回路基板3に設けられた端子孔4に挿通された状態で回路基板3の背面側に半田付されている。なお、回動軸9は円柱状であるが、従来例と同様に、先端側はDの字部9Aとしてある。
【0011】
ケース5は前面部6と、周壁18と、前面部6の背面側に形成され回路基板3を取付固定するための取付ボス19を有している。また、スイッチ1に対応した前面部6箇所には回動軸9とスイッチケース8の上部(径小部8A)が挿通される貫通穴7と、貫通穴7の周囲に環状リブ20が設けてある。この貫通穴7から回動軸9と径小部8Aがケース5の外部に突出するようになっている。スイッチ1が半田付固定された回路基板3は取付ボス19にビス21によって締め付け固定される。
【0012】
弾性を有するゴムからなるグロメット10は、スイッチケース8の径小部8Aとケース5の前面部6との間の貫通穴7の隙間部分を塞ぐために貫通穴7周囲の前面部6に装着されるものであり、断面略コの字状の挟持部22で以て貫通穴7周囲の前面部6および表示板17箇所を挟み込んでいる。また、表示板17の表面上には挟持部22から延長されたフランジ部23が密着状態に接している。なお、ケース5の前面部6に設けられた環状リブ20は、フランジ部23と表示板17との間から水がケース5内に浸透するのを防ぐ壁である。
【0013】
グロメット10に設けられた丸孔11から突出している回動軸9のDの字部9Aには合成樹脂製の操作ツマミ12が装着される。操作ツマミ12は、軸部13と、回動軸9を回動操作するための操作部24と、グロメット10のフランジ部23に当接する突出部25を備えている。従って、操作ツマミ12の操作部24を手で摘んで回すと、突出部25がフランジ部23に接した状態で回ることになる。この突出部25は回動軸9の軸心を中心とする円形のリング状(円筒状)に設けてある。
【0014】
また、本実施形態においては軸部13に凹穴14Aが設けてあり、この凹穴14Aに金属製のスプリング部材26が嵌入してある。図2にスプリング部材26の断面を示す。スプリング部材26は回動軸9のDの字部9Aの形状とほぼ一致する略筒状となっているが、中心側に撓んだ弾性片26Aを有している。操作ツマミ12の凹穴14Aに嵌入したスプリング部材26内に回動軸9のDの字部9Aを挿入することによって操作ツマミ12が回動軸9に装着されるが、Dの字部9Aを挿入すると操作ツマミ12に設けられた突出部25がグロメット10のフランジ部23に当接する。この時、凹穴14Aの底面15と、回動軸9の軸心と直交するDの字部9Aの先端面16との間には隙間Xが生じるようになっている。つまり、底面15と先端面16とは非接触状態となっている。同様に、軸部13(あるいはスプリング部材26)の下端面27と、回動軸9の円柱状箇所とDの字部9A箇所との境目に生じるカット面28との間にも隙間Xが生じるようになっている。
【0015】
この様に構成されたスイッチ操作装置において、仮に操作ツマミ12にスイッチ1側への押圧が加わると、操作ツマミ12に設けてある突出部25の先端がグロメット10のフランジ部23に僅かに食い込むようになるが、前述した様に、操作ツマミ12の凹穴14Aの底面15とDの字部9Aの先端面16との間、および軸部13の下端面27と回動軸9のカット面28との間にフランジ部23の食い込み量以上の隙間Xが設けてあるため、これらの隙間Xが多少狭くなったとしても凹穴14Aの底面15がDの字部9Aの先端面16に当たることはない。同様に、軸部13の下端面27がカット面28に当たることはない。従って、操作ツマミ12に押圧が加わったとしても回動軸9に力が加わらず、スイッチ1の破壊に至ったり、半田にクラックが入ったりすることがない。なお、操作ツマミ12に加わる力が取り除かれると、フランジ部23の反発力によって操作ツマミ12は元の位置に戻る。
【0016】
また、操作ツマミ12に設けた突出部25をリング状にしたことにより、操作ツマミ12を回動操作する際のフランジ部23との摩擦抵抗がより少なくて済む。また、軸部13に凹穴14Aを設けてスプリング部材26を嵌入し、このスプリング部材26内に回動軸9のDの字部9Aを挿入した、つまり金属製のスプリング部材26を介して回動軸9に操作ツマミ12を装着するようにしたことにより、弾性片26AでDの字部9Aを押すようになり、回動軸9のDの字部9Aと操作ツマミ12との間で操作ツマミ12ががたついたり、操作ツマミ12が抜けやすいというようなことが少なくなる。従って、スプリング部材26は無くとも良いがあった方がベターである。また、突出部25がフランジ部23に当接しているため、フランジ部23の浮き上がりが無く、防水効果が増す。
【0017】
図3は、本発明の第2実施形態を示すスイッチ操作装置の要部断面図である。前記第1実施形態と同一もしくは相当箇所には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。スイッチ1は、前記第1実施形態と同様に先端側にDの字部9Aを設けた回動軸9と、スイッチケース8と、端子2を備えており、端子2が回路基板3に設けられた端子孔4に挿通された状態で回路基板3の背面側に半田付されている。なお、スイッチケース8には径小部8Aを有しない。従って、スイッチ1が収納されるケース5の貫通穴7から回動軸9(Dの字部9A)がケース5の外部に突出しないようになっている。
【0018】
グロメット10は、断面略コの字状の挟持部22で以て貫通穴7周囲の前面部6および表示板17箇所を挟み込んでいる。そして、操作ツマミ12を回動軸9のDの字部9Aに装着した際に、操作ツマミ12の軸部13とケース5の前面部6との間の貫通穴7の隙間部分を塞ぐようになっている。また、表示板17の表面上には挟持部22から延長されたフランジ部23が密着状態に接している。
【0019】
操作ツマミ12は、回動軸9のDの字部9Aが挿入される凹穴14を有する軸部13と、回動軸9を回動操作するための操作部24と、グロメット10のフランジ部23に当接する突出部25を備えている。この突出部25は回動軸9の軸心を中心とする円形のリング状(円筒状)に設けてある。凹穴14は回動軸9のDの字部9Aの形状と一致している。凹穴14に回動軸9のDの字部9Aを挿入することによって操作ツマミ12が回動軸9に装着されるが、Dの字部9Aを挿入すると操作ツマミ12に設けられた突出部25がグロメット10のフランジ部23に当接する。この時、軸部13の下端面27と、回動軸9の軸心と直交する回動軸9の円柱状箇所とDの字部9A箇所との境目に生じるカット面28との間には隙間Xが生じるようになっている。つまり、下端面27とカット面28とは非接触状態となっている。同様に、凹穴14の底面15と、回動軸9の先端面16との間にも隙間X1が生じるようになっている。
【0020】
この様に構成されたスイッチ操作装置において、仮に操作ツマミ12にスイッチ1側への押圧が加わると、操作ツマミ12に設けてある突出部25の先端がグロメット10のフランジ部23に僅かに食い込むようになるが、前述した様に、軸部13の下端面27と回動軸9のカット面28との間、および操作ツマミ12の凹穴14の底面15とDの字部9Aの先端面16との間に隙間X,X1が設けてあるため、これらの隙間が多少狭くなったとしても、軸部13の下端面27が回動軸9のカット面28に当たることはない。この様に本実施例においても、前記第1実施形態と同様に、操作ツマミ12に押圧が加わったとしても回動軸9に力が加わらず、スイッチ1の破壊に至ったり、半田にクラックが入ったりすることがない。
【0021】
なお、各実施形態において突出部25の形状を円形のリング状としたが、円形に限定するものではない。また、突出部25の先端が全周に渡ってフランジ部23に当接する必要はなく、部分的に当接しない箇所があっても良い。但し、回動軸9の軸心を中心とする連続した円形のリング状(円筒状)とした方が操作ツマミ12を回動操作する際のフランジ部23との摩擦抵抗が最も少なくて済み、回動操作しやすい。また、本発明はトラクターや建設機械用の車以外の車、あるいは車両以外の機器などにも適用されるものである。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、スイッチを回動操作する操作ツマミにスイッチ側への押圧が加わったとしても、スイッチとしての機能を満足するスイッチ操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すスイッチ操作装置の要部断面図。
【図2】同実施形態のスプリング部材を示す断面図。
【図3】本発明の第2実施形態を示すスイッチ操作装置の要部断面図。
【図4】従来例を示すスイッチ操作装置の要部断面図。
【符号の説明】
1 スイッチ
3 回路基板
5 ケース
7 貫通穴
9 回動軸
10 グロメット(シール部材)
12 操作ツマミ(操作部材)
15 底面
16 先端面
23 フランジ部
25 突出部
26 スプリング部材
X 隙間
Claims (2)
- 先端側が断面Dの字部である円柱状の回動軸を有するスイッチと、前記Dの字部箇所が挿入される凹穴を設けた軸部を有する操作部材と、前記スイッチが収納され前記回動軸または前記軸部が挿通される貫通穴を有するケースと、このケースの前面部上に配設された表示板と、前記貫通穴の周囲に装着され前記表示板の表面上に密着されるフランジ部を有するシール部材と、前記操作部材に設けられ前記フランジ部に当接して前記操作部材の押圧方向への移動を規制する突出部とを備え、前記突出部が前記フランジ部に当接した際、前記Dの字部の先端面と前記凹穴の底面とが非接触状態であるとともに、前記円柱状箇所と前記Dの字部箇所との境目に生じるカット面と前記軸部の下端面とが非接触状態であることを特徴とするスイッチ操作装置。
- 前記突出部が前記回動軸を中心とするリング状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ操作装置。
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