JP3776904B2 - シロキサン除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発酵ガス等の被処理ガスに含まれるシロキサンを除去して被処理ガスを精製するシロキサン除去方法に関し、更に詳細には、樹脂吸着剤によりシロキサンを効率的に吸着除去し、シロキサンを吸着した樹脂吸着剤を再生しながらシロキサンを連続的に除去するシロキサン除去方法に関する。
近年、化石燃料を燃焼させた際に発生する二酸化炭素が地球温暖化の要因の一つとして問題になっており、これに関連して工ネルギー問題が重要視されてきている。その中で下水汚泥や農業廃棄物、食品廃棄物等を嫌気性菌により醗酵させた際に発生するメタンガスを、燃料ガス、発電用ガスタービン駆動用ガスや燃料電池用原料ガス等に高度利用することが注目されている。しかし、醗酵ガス中にはシロキサンが含まれており、そのシロキサンが燃焼時に酸化珪素(SiO)となって微粒子化し、このシリカ微粒子がガスタービンやガスエンジンに付着して、発電に障害を起こすことが問題となっている。
そこで、醗酵ガス等の被処理ガスに含有されるシロキサンを除去する方法として、活性炭による吸着除去方法が一般的に行われている。特開2002−58996には、500m/g以上の比表面積と1〜2nmの細孔と0.1cm/g以上の積算容量を有する賦活化処理された炭素質を用いるシロキサン除去技術が開示されている。特開2002−58997には、ヨウ素のオキソ酸、臭素のオキソ酸、ヨウ素の酸化物又は臭素の酸化物を表面に担持した活性炭を用いるシロキサン除去技術が開示されている。
これら2件の公知技術は活性炭を吸着剤として使用し、被処理ガスからシロキサンを吸着して被処理ガスを精製し、この精製ガスを前述した発電などに利用しようとするものである。しかし、活性炭にシロキサンを吸着させると、シロキサンの吸着能力は次第に低減し、活性炭はいずれ飽和に達してシロキサンを吸着しなくなる。飽和に達した活性炭を如何にして再生するかは、前記公開公報には全く記載されていない。また、活性炭を再生する過程では、シロキサンの吸着処理が停止するという事態が出現する。再生過程でも被処理ガスは連続的に供給されるから、活性炭の再生中におけるシロキサンの除去処理をどうするかに関しては全く解決されていない。
また、非特許文献1には、活性炭や樹脂吸着剤を用いたシロキサン吸着方法、テトラデカンや水酸化ナトリウム水溶液、硫酸水溶液によるシロキサンの液吸収方法が報告されている。特に、この文献1には、樹脂吸着剤としてXAD樹脂が開示され、その中でもXAD−2やXAD−4がシロキサンの吸着に効果的であることが記載されている。しかし、この文献1において、シロキサンを吸着したXAD樹脂を如何にして再生するかについて次の記載がある。即ち、吸着剤に吸着されたシロキサンを回収する方法として、ヘキサンを脱離溶媒として使用し超音波をかける方法が記載されている。しかし、この方法は、溶媒を使用する上に超音波も使用し、本特許のようにガスで簡易に再生する方法ではなく、必然的に人手を要することになる。また、使用済みのXAD樹脂を新品に交換する場合には、交換作業に人手を必要とし、シロキサンの除去処理の自動化を図ることはできない。
シロキサンは、シリコンオイルの主成分であり溶剤の一種と考えれば、溶剤の回収方法が適用できる。そして、非特許文献2に記載されているように、溶剤回収装置としては、従来から活性炭を利用した多吸着槽切替方式が実用化されている。しかし、吸着剤としては活性炭が使用されており、樹脂による吸着は全く記載されていない。特に、この多吸着槽切替方式では、一つの活性炭槽の吸着能力が飽和すると、他の活性炭槽に切り替えて吸着処理を続行し、飽和した活性炭は熱水蒸気によって再生されるが、他の無機ガスによる再生の記述はない。熱水蒸気の取り扱いには、ボイラーなどの熱処理技術が必要になり、活性炭を使用する場合には再生処理の簡易化を図ることが不可能になる。
また同様に、再生型のシロキサン吸着除去方法としては、特開2002−66246が存在する。この公知技術では、吸着剤として多孔質吸着剤が使用され、具体的には活性炭、ゼオライト、アルミナ、モレキュラーシーブスなどが列挙されているが、樹脂吸着剤には全く言及されていない。更に、この公知文献には、複数の吸着剤充填槽を並設し、一つの充填槽の吸着能力が低減すると、他の充填槽に切り替えて吸着処理を連続的に行う技術が開示されている。しかし、吸着能力が低減した充填槽にはパージガスを導入して被処理ガスを追い出し、その後吸着剤を人為的に交換することが記載されている。やはり、前述した非特許文献2と同様で、吸着剤の人為的交換作業が必要となり、またパージガス処理が付加されるため、連続吸着処理の自動化が困難であるという大きな欠陥を有している。
特開2002−58996 特開2002−58997 特開2002−66246 HUPPMANN R.; WERNER LOHOFF H.; SCHROEDER H.F."Cyclic siloxanes in the biological waste water treatment process: determination, quantification and possibilities of elimination", Fresenius’journal of analytical chemistry,354(1), 66-71, 9refs.(1996) 最新吸着技術便覧、竹内監修、p29(1999)
以上から分かるように、従来技術には次のような欠点が存在し、この欠点を解消することが本発明が解決しようとする課題である。
まず、発酵ガス中のシロキサンを除去する方法として活性炭による吸着方法が実施されている。しかし、醗酵ガス中には飽和水蒸気が含まれており、活性炭の吸着能力は前記飽和水蒸気の存在下で急激に低減することが知られている。つまり、多量の水蒸気が含まれている実際の発酵ガスに対しては活性炭の吸着能力はそれ程大きくない。吸着剤として活性炭に拘泥する限り、長期間に亘ってシロキサンを継続的に除去する為には大型の吸着塔に大量の活性炭を充填する必要がある。従って、吸着塔を小型化する場合には、吸着量が少なくなるため活性炭を頻繁に交換する必要がある。活性炭の交換は人手で行う必要があるから、活性炭を使う限りシロキサン吸着処理の自動化が困難になる。このことは、ゼオライト、アルミナ、モレキュラーシーブス等の他の多孔性吸着剤でも全く同様である。また、活性炭を始めとして、シロキサンを吸着した多孔性吸着剤を如何にして簡易に再生するかについては従来技術では全く明らかにされていないため、使用済みの吸着剤が大量に蓄積される結果となる。
更に、被処理ガス中のシロキサンを連続的に除去するために、複数の吸着剤充填槽を並設し、一つの充填槽の吸着能力が低減すると、他の充填槽に切り替える技術が存在する。しかし、吸着能力が低減した吸着剤を新品吸着剤に交換する作業は人手で行わなければならないから、シロキサン連続除去処理の自動化は不可能な状態にある。この困難は活性炭吸着剤のみならず、XAD樹脂を含めた他の吸着剤でも同様である。
従って、本発明は、吸着されたシロキサンを簡易且つ効率的に脱離できる再生可能な吸着剤を発見し、この吸着剤を用いて、シロキサンの吸着方法と吸着剤の自動再生方法を提供することを目的とする。また、この吸着剤を使用して、シロキサンの吸着とシロキサンの脱離を交互に行ってシロキサンの自動除去処理を実現するシロキサン除去方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、シロキサンを吸着した樹脂吸着剤に再生用ガスを通気してシロキサンを脱離し、樹脂吸着剤を再生するシロキサン除去方法である。
本発明の第2の形態は、樹脂吸着剤にシロキサンを含有した被処理ガスを流通してシロキサンを吸着除去し、シロキサンを吸着した樹脂吸着剤に再生用ガスを通気することによりシロキサンを脱離して樹脂吸着剤を再生し、吸着と再生を繰り返しながら被処理ガスからシロキサンを除去するシロキサン除去方法である。
本発明の第3の形態は、樹脂吸着剤を充填した複数の吸着塔を設け、少なくとも一つの吸着塔に被処理ガスを流通してシロキサンを吸着除去し、同時に他の少なくとも一つの吸着塔に再生用ガスを通気してシロキサンの脱離により樹脂吸着剤を再生して、シロキサンの吸着除去と樹脂吸着剤の再生を並行して行い、一定時間後に被処理ガスと再生用ガスの通気を切替えて前記吸着処理と前記再生処理を交換してシロキサンを連続除去するシロキサン除去方法である。
本発明の第4の形態は、再生用ガスが加熱されたガスであるシロキサン除去方法である。
本発明の第5の形態は、再生用ガスを通気して樹脂吸着剤を再生する場合に樹脂吸着剤を充填した吸着塔を加熱するシロキサン除去方法である。
本発明の第6の形態は、樹脂吸着剤がイオン交換樹脂であるシロキサン除去方法である。
本発明の第7の形態は、樹脂吸着剤が無官能基型のイオン交換樹脂であるシロキサン除去方法である。
本発明の第8の形態は、樹脂吸着剤がスチレン・ジビニルベンゼン共重合体系合成吸着剤であるシロキサン除去方法である。
本発明の第1の形態によれば、シロキサンを吸着する吸着剤として樹脂吸着剤が選択される。樹脂吸着剤はシロキサンを効率的に吸着できることが非特許文献1に記載されている。本発明者等は、前記吸着性能に加えて、樹脂吸着剤にシロキサンを吸着させた後、この樹脂吸着剤に再生用ガスを通気するだけでシロキサンが効率的に樹脂吸着剤から脱離されることを発見して本発明を完成させたものである。このシロキサンの脱離現象は本発明者等によって初めて発見された新規な性質であり、再生用ガスの単純な通気により吸着されたシロキサンが樹脂吸着剤から自然に分離し、分離されたシロキサンを再生用ガスとともに下流側に排気できる。この排気ガスを公知の手段で処理すれば、排気ガスからシロキサンを単離でき、再生用ガスとシロキサンの分別回収が可能になる。再生用ガスとしては、窒素ガス、空気、酸素ガス、ヘリウム・ネオン・アルゴン等の不活性ガス、その他の広範囲のガスが利用できることが分かった。
本発明に使用される樹脂吸着剤は有機樹脂からなる吸着剤で、シロキサン吸着能力を有する全ての樹脂吸着剤が利用できる。この樹脂吸着剤は活性炭に匹敵する大きな比表面積と細孔容積を有し、微細な連続孔が樹脂内部まで発達している。細孔径は数nm〜数十nmにまで自在に選択でき、樹脂吸着剤を特定すると、細孔径の均一性が極めて高いので、シロキサンの分子径に応じた細孔径を有する樹脂吸着剤を選択できる利点を有する。
本発明の第2の形態によれば、樹脂吸着剤にシロキサンを吸着させ、シロキサンを吸着した樹脂吸着剤に再生用ガスを通気してシロキサンを脱離し、吸着(シロキサン除去)と脱離(樹脂吸着剤の再生)を交互に行うことによって、被処理ガスからシロキサンを連続除去できるシロキサン除去方法が確立される。従来技術では使用済み活性炭を新品活性炭に人手で交換する不効率性が存在したが、本発明により、シロキサンの吸着と樹脂吸着剤の再生をガスの切り替えだけで行える画期的な方法が実現できるのである。つまり、樹脂吸着剤に被処理ガスを通気すればシロキサンを吸着でき、シロキサン吸着後の樹脂吸着剤に再生用ガスを通気すれば樹脂吸着剤が再生できる。従って、同一の樹脂吸着剤に対し、被処理ガスと再生用ガスを交互に通気するだけで、樹脂吸着剤を交換すること無く、シロキサンの連続除去処理が実現できる。ガスの交互通気はバルブの切替だけで実現できるから、バルブの電子制御によりシロキサンの吸着除去処理と樹脂吸着剤の再生処理を自動化することができる。
本発明の第3の形態によれば、少なくとも一つの吸着塔に被処理ガスを通気してシロキサンを吸着除去し、同時に他の少なくとも一つの吸着塔に再生用ガスを通気してシロキサンの脱離により樹脂吸着剤を再生し、一定時間後に被処理ガスと再生用ガスの通気を切替えて前記吸着処理と前記再生処理を交換してシロキサンの連続除去方法が実現される。前述したように、樹脂吸着剤に被処理ガスを通記すればシロキサンを吸着でき、その後にこの樹脂吸着剤に再生用ガスを通記すればシロキサンを脱離して樹脂吸着剤を再生できる。従って、少なくとも2系統の樹脂吸着剤を用意し、一方の吸着塔に被処理ガスを通気してシロキサン除去を行う間に、他方の吸着塔には再生用ガスを通気して樹脂吸着剤を再生する。次の時点で、前記一方の吸着塔に再生用ガスを通気して樹脂吸着剤を再生し、前記他方の吸着塔に被処理ガスを通気してシロキサンを除去する。これを交互に繰り返せばシロキサンの吸着処理と樹脂吸着剤の再生処理が並行して連続的に行うことができるから、長時間に亘るシロキサンの除去処理を人手を介することなく連続的に実現できる。被処理ガスと再生用ガスの切替はバルブの電子制御により構成できるから、シロキサンの連続除去処理を全自動化することが可能になる。
本発明の第4の形態によれば、再生用ガスとして加熱ガスを利用できる。シロキサンを吸着した樹脂吸着剤に加熱された再生用ガスを通気すると、シロキサンの脱離効率が室温再生よりも一層に向上できることが本発明者等によって発見された。加熱温度は室温以上の任意温度まで可能であり、例えば70℃〜150℃の加熱再生用ガスで再生すると、樹脂吸着剤はほぼ新品の樹脂吸着剤の水準にまで回復することが確認された。回復率は加熱温度、ガス種に多少依存する。再生用ガスが元々高温ガスである場合には加熱する必要は無いが、室温の再生用ガスの場合には、再生用ガスの通気配管にヒータ等の加熱手段を配設するだけでよい。前記回復率から考えて150℃程度までの加熱で十分であるから、加熱手段は加温手段と言い換えてもよい。
本発明の第5の形態によれば、樹脂吸着剤を充填した吸着塔を加熱することによって、樹脂吸着剤の再生を効率化することができる。再生用ガスを直接加熱すると熱伝達率が比較的低いため、加熱エネルギーの無駄が生じ易い。そこで、本発明では、樹脂吸着剤を充填した吸着塔を加熱することにより、樹脂吸着剤が加熱され、また導入される再生用ガスも加熱されるから、樹脂吸着剤からのシロキサンの脱離効率が向上する。加熱温度は室温〜任意温度まで選択できるが、約150℃程度まで加熱すれば、樹脂吸着剤は十分に回復することは前述と同様である。
本発明の第6の形態によれば、イオン交換樹脂である樹脂吸着剤を使用できる。イオン交換樹脂は架橋した三次元高分子基体に官能基が結合した有機樹脂で、官能基がイオン交換基として環境中のイオンを交換して環境を浄化する機能を奏する。従って、被処理ガスからシロキサンを吸着するイオン交換樹脂が本発明の樹脂吸着剤として利用される。イオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂、その他キレート樹脂が選択的に使用できる。
本発明の第7の形態によれば、無官能基型のイオン交換樹脂が樹脂吸着剤として使用できる。この種の樹脂吸着剤としては、その化学構造により、例えば芳香族系、置換芳香族系、アクリル系の合成吸着剤が利用される。ここで、芳香族系は架橋スチレン系の多孔質重合体であり、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体系合成吸着剤などが含まれる。置換芳香族系は前記芳香族重合体の芳香核に置換原子として臭素原子などを結合させた疎水性重合体であり、その他の芳香族系樹脂吸着剤の誘導体も含まれる。アクリル系はメタクリル酸エステル重合体を骨格とした親水性重合体で、その誘導体も含まれる。
本発明の第8の形態によれば、樹脂吸着剤としてスチレン・ジビニルベンゼン共重合体系合成吸着剤が利用できる。本発明の共重合体には、ランダム共重合体のみならず、グラフト共重合体やブロック共重合体も含まれる。スチレン・ジビニルベンゼン共重合体系合成吸着剤は、本発明者等の研究によれば、特にシロキサンを強力に吸着する性質を有し、樹脂吸着剤の中でもシロキサン吸着性能に優れていることが分かった。また、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体系合成吸着剤は、吸着したシロキサンを再生用ガスの通気で容易に脱離し、特に加熱下で脱離能力が増大することが本発明者等の研究で発見された。このような吸着性能と脱離性能の優秀性に着目して、本発明ではスチレン・ジビニルベンゼン共重合体系合成吸着剤が好適に使用される。
本発明者等が吸着脱離試験で上記性能を確認したスチレン・ジビニルベンゼン共重合体系合成吸着剤としては、三菱化学株式会社によって提供されるダイヤイオンHP20、HP21、セパビーズSP850、SP825、SP206、SP207があり、またローム&ハースによって提供されるアンバーライトXAD2、XAD4、XAD16、XAD1180がある。勿論、これらと同様の性能を有した他社製のスチレン・ジビニルベンゼン共重合体系合成吸着剤が利用できることは云うまでもない。
以上のように、本発明では、シロキサンを強力に吸着し、しかも再生用ガスの通気でシロキサンを脱離するという樹脂吸着剤の特性を発見して、ガス再生型あるいは加熱ガス再生型のシロキサン除去方法を確立したものである。このように、本発明によれば、樹脂吸着剤を使用してガスパージ再生型あるいは加熱ガスパージ再生型のシロキサン除去方法が実現でき、醗酵ガスのような水分を多く含んだシロキサン含有ガスからでも、連続的に繰り返しシロキサンの除去が可能である。従って、シロキサン除去装置の小型化・低コスト化・高性能化を実現することが可能になる。
本発明は、樹脂吸着剤を充填剤として使用し、例えば、有機物の嫌気性発酵ガスの如きシロキサンを含有する被処理ガスから、吸着・再生方式により、シロキサンを連続的に効率よく除去する方法である。以下に、本発明に係るシロキサン除去方法の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明にかかるシロキサン除去方法を実現する一実施形態の装置図である。この実施形態では、一方の吸着塔により被処理ガスを精製(シロキサン吸着)し、同時に他方の吸着塔を再生(シロキサン脱離)するシロキサン吸着再生装置1の一例が示されている。
本発明でシロキサンとは、シロキサン結合(Si−O−Si)を基本結合構造とする鎖状又は環状のシロキサン化合物である。鎖状シロキサンとは、例えば、メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンなどである。また、環状シロキサンとは、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)などである。勿論メチル基は他の炭化水素基で置換されてもよく、HがF、Cl等で置換されてもよく、更にはこれらシロキサンの重合化合物も本発明のシロキサンに含まれる。
前記シロキサンを含有する被処理ガスRAは、例えば有機物の嫌気性発酵ガスのようなシロキサンを含有するガスである。この被処理ガスRAは被処理ガス流量制御装置14により所定の流量に制御されて被処理ガス供給管2から矢印方向に供給される。MFCとはマスフローコントローラーの略で、流量制御装置を意味している。
A、Bは2系統の吸着塔9、9を表し、本図の以下の説明では吸着塔A、Bと称する。この吸着塔A、Bの中に樹脂吸着剤が夫々充填されている。配管4a、6aは吸着塔Aに接続され、配管4b、6bは吸着塔Bに接続されている。バルブV1、V7は吸着塔Aのガス流を開閉制御し、バルブV2、V8は吸着塔Bのガス流を開閉制御する。精製ガス回収管8に接続されるバルブV9は精製ガスRFを送出するための開閉弁であり、バルブV10は吸着塔A、Bの圧力を調整するための圧力調節弁である。
今、バルブV1、V7及びV9を開き他のバルブ全てを閉じ、被処理ガスRAを供給する。このとき、被処理ガスRAは吸着塔Aを流通し、この流通過程で吸着塔Aの樹脂吸着剤と接触してシロキサンが樹脂吸着剤に吸着される。被処理ガスRAはシロキサンを除去されて精製ガスRFとなり、この精製ガスRFはバルブV7、V9及びV10を経て次段の装置に排出される。
また、同様に、バルブV2、V8及びV9を開き他のバルブ全てを閉じて、被処理ガスRAを供給する。このとき、被処理ガスRAは吸着塔Bを流通し、この流通過程で吸着塔Bの樹脂吸着剤と接触してシロキサンが樹脂吸着剤に吸着される。被処理ガスRAはシロキサンを除去されて精製ガスRFとなり、この精製ガスRFはバルブV8、V9及びV10を経て次段の装置に排出される。このように、バルブの開閉により、吸着塔Aだけを吸着操作したり、吸着塔Bだけを吸着操作することができる。勿論、吸着塔A、Bの両者を同時に吸着動作させることもできる。
次に、シロキサンを吸着した樹脂吸着剤の再生操作について説明する。窒素ガス等の再生用ガスRVは、樹脂吸着剤を再生する場合に使用される。この再生用ガスRVは再生用ガス流量制御装置16により所定の流量に制御されて再生用ガス供給管10から矢印方向に供給される。MFCはマスフローコントローラーの略で、流量制御装置を意味する。
バルブV5、V3は吸着塔Aを再生処理する場合に使用され、バルブV6、V4は吸着塔Bを再生処理する場合に使用される。今、吸着塔Aの樹脂吸着剤がシロキサンを吸着して使用済み状態であり、この吸着塔Aの樹脂吸着剤を再生処理する場合を説明する。バルブV5、V3だけを開放し、他の全てのバルブを閉鎖する。
再生用ガス流量制御装置16により所定流量に制御された再生用ガスRVが再生用ガス供給管10からバルブV5を介して吸着塔Aに供給される。この再生用ガスRVは吸着塔A内の樹脂吸着剤と接触し、樹脂吸着剤に吸着されたシロキサンを脱離する。脱離したシロキサンは再生用ガスRVの気流中に混合され、再生用ガスRVは排気ガスEXへと変化する。この排気ガスEXはバルブV3を介して排気ガス排出管12へと流出し、排気ガスEXは図示しない後段の装置へと排出される。
次に、吸着塔Bの樹脂吸着剤がシロキサンを吸着して使用済み状態であり、この吸着塔Bの樹脂吸着剤を再生処理する場合を説明する。バルブV6、V4だけを開放し、他の全てのバルブを閉鎖する。
所定流量に制御された再生用ガスRVが再生用ガス供給管10からバルブV6を介して吸着塔Bに供給される。この再生用ガスRVは吸着塔B内の樹脂吸着剤と接触し、樹脂吸着剤に吸着されたシロキサンを脱離する。脱離したシロキサンは再生用ガスRVの気流中に混合され、再生用ガスRVは排気ガスEXへと変化する。この排気ガスEXはバルブV4を介して排気ガス排出管12へと流出し、排気ガスEXは図示しない後段の装置へと排出される。
以上のように、バルブV5、V3の開閉により吸着塔Aだけを再生操作したり、バルブV6、V4の開閉により吸着塔Bだけを再生操作することができる。また、バルブV3、V4、V5、V6を開閉すると吸着塔A、Bの両者を同時に再生操作することも可能である。
図1の装置の通常運転では、吸着塔Aが吸着行程にある場合には、吸着塔Bは再生行程にあり、逆に吸着塔Aが再生行程にある場合には、吸着塔Bは吸着行程にある。また、吸着行程と再生行程の間には吸着塔Aと吸着塔Bの内圧を等しくする均圧行程が挟まれる。その理由は、吸着行程にある吸着塔は加圧状態にあり、再生行程にある吸着塔は大気圧状態にあるため、バルブV7とバルブV8を同時に開放して両者の内圧を等しくし、吸着行程と再生行程の転換を円滑に行うためである。
表1にバルブV1〜V9の開閉操作の詳細が示されている。これらの開閉操作は電子的に自動制御される。第1行程では、吸着塔Aと吸着塔Bを均圧にするため、バルブV7とバルブV8だけが開となり、他の全てのバルブが閉に設定される。第2行程では、吸着塔Aを吸着行程、吸着塔Bを再生行程に設定するため、バルブV1、V7、V9が開となり、バルブV6、V4も開となり、他の全てのバルブは閉に設定される。
第2行程の終了時点では、吸着塔Aは加圧状態、吸着塔Bは大気圧状態となっている。そこで、第3行程で両吸着塔A、Bを均圧化するために、バルブV7、V8を開にして他のすべてのバルブを閉にする。その後、第4行程に移行し、吸着塔Aが再生行程、吸着塔Bが吸着行程に設定される。吸着塔Aを再生行程とするために、バルブV3、V5を開にする。同時に、吸着塔Bを吸着行程とするために、バルブV2、V8、V9を開に設定する。その他の全てのバルブは閉に設定される。
第4行程の終了時点では、吸着塔Aは大気圧状態、吸着塔Bは加圧状態となっているから、バルブV7、V8だけを開にして他の全てのバルブを閉にし、第1行程の均圧行程へと帰還する。このように、第1行程〜第4行程を繰り返して、バルブの開閉操作により吸着塔A、Bを全自動運転するのである。シロキサンの吸着後は必ずガス通気による再生が行われるから、樹脂吸着剤は常に初期状態にリセットされて吸着能力を回復し、次の吸着状態へと移行してシロキサンを効率的に除去できる。また、2系統の吸着塔を交互運転するから、常にどちらかの吸着塔が吸着行程にあり、連続的に供給される被処理ガスを間断なく精製し、シロキサンの連続除去運転が実現される。
Figure 0003776904
前記実施形態では、2系統の吸着塔を並列配置したが、3系統以上の吸着塔を配置することもできる。例えば、4系統の吸着塔群を並列配置した場合には、2系統が吸着行程にあるときに、他の2系統が再生行程にあるようにし、吸着行程と再生行程を交互に反復することによって、シロキサンの連続除去処理が実現できる。また、2本の吸着塔を直列配置し、この直列配置された吸着塔を2系統設けて、第1系統を吸着行程、第2系統を再生行程にあるように設定すれば、交互運転によりシロキサンの連続除去処理が実現できることも言うまでもない。このように、吸着塔の配置は自在に設計することが可能である。
図2は、樹脂吸着剤によりシロキサンを吸着して被処理ガスを精製するシロキサン吸着試験装置の概略構成図である。シロキサン吸着試験装置3は、被処理ガス生成装置Cとカラム9(吸着塔に相当)から構成される。被処理ガス生成装置Cは、水5aの入ったボトル5とD4やD5からなるシロキサン7aの入ったボトル7を直列して構成されている。窒素ガスからなる搬送ガスCGを前記ボトル5、7に通気すると、水蒸気とシロキサン蒸気が混入された被処理ガスRAが生成される。
供給量をコントロールする為に、水、シロキサンのボトル5、7にはヒーターと温度計が設置され温度調節器によって加温できるようにしてある。樹脂吸着剤9aはカラム9に充填され、水蒸気とシロキサンを添加した被処理ガスRAが通気できるように接続してある。被処理ガスRAがカラム9を通過するとシロキサンが吸着される。シロキサンが除去された精製ガスRFは、水素炎イオン化検出器(FID)が付属されたガスクロマトグラフ装置11で分析され、シロキサンの濃度が測定される。
[実施例1:樹脂吸着剤−1]
窒素ガスに水分濃度を相対湿度90%(25℃)、シロキサンとしてオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)を約4ppm添加し、カラム9には、樹脂吸着剤−1(Gaskuropack−54 :GLサイエンス社製カラム充填剤)を充填し、空間速度(SV)=12000h−1で被処理ガスを通気した。
図3に樹脂吸着剤−1としてカラム出口のシロキサン濃度の経時変化が示してある。図3の縦軸はD4の濃度(ppm)を対数表示で示し、横軸は経過時間である。カラム9ヘのガス通気を開始してから29時間後にカラム出ロガス中にシロキサンが検出され、その後シロキサン濃度は急激に立ち上がり、44時間後にシロキサン濃度はカラムヘの添加濃度とほぼ同じとなった。このことから、樹脂吸着剤−1はシロキサン吸着力が29時間〜44時間継続する性能を有することが分かった。
[実施例2:樹脂吸着剤−2]
カラム9ヘの充填剤を樹脂吸着剤−2(セパビーズSP−850:三菱化学製)に替え、他の条件は実施例1と同様にして実験を行なった。カラム9ヘのガス通気を開始してから76時間後にカラム出口ガス中にシロキサンが検出された。その後シロキサン濃度は急激に立ち上がり、120時間後シロキサン濃度はカラムヘの添加濃度とほぼ同じとなった。図3に樹脂吸着剤−2に関するカラム出口のシロキサン濃度の経時変化が示してある。このことから、樹脂吸着剤−2はシロキサン吸着力が76時間〜120時間継続する性能を有することが分かった。
[比較例1:活性炭]
カラム9ヘの充填剤を活性炭(粒状白鷺G2X:武田薬品製)に替え、他の条件は実施例1と同様にして実験を行なった。カラム9ヘのガス通気を開始してから1時間後に、カラム出口ガス中に既にシロキサンが検出され、その後緩やかに上昇し、94時間かかってシロキサン濃度は添加濃度の半分の値になった。図3に活性炭に関するカラム出口のシロキサン濃度の経時変化が示してある。水分を含有した被処理ガスに対して、活性炭のシロキサン吸着能力は極めて低いことが実証された。樹脂吸着剤ではシロキサンの完全吸着能力は29時間又は76時間であるのに対し、活性炭では1時間に過ぎない。このことから、樹脂吸着剤を使用する本発明の吸着能力が如何に高いか理解できるであろう。
図4は、本発明においてシロキサンを吸着した樹脂吸着剤を再生用ガスで室温状態で再生する再生試験装置の概略構成図である。再生用ガスを樹脂吸着剤に通気するだけでシロキサンを脱離できることは本発明者等により初めて発見されたものである。この新規な発見を応用して、シロキサンの連続除去方法が開発された。この再生試験装置13はカラム9と再生用ガスRVで構成される。カラム9(吸着塔に相当)には樹脂吸着剤9aが充填されている。室温状態にある窒素ガス等の再生用ガスRVを矢印a方向にカラム9に通気すると、樹脂吸着剤9aに吸着されていたシロキサンが脱離される。脱離したシロキサンは再生用ガスRVに混入して排気ガスEXが生成され、矢印b方向に排気される。
図5は、本発明においてシロキサンを吸着した樹脂吸着剤を再生用ガスで加熱状態下で再生する再生試験装置の概略構成図である。樹脂吸着剤からのシロキサン脱離効率は加熱状態で向上することが本発明者により初めて確認された。この再生試験装置13は、図4と同様に、カラム9と再生用ガスRVで構成され、再生用ガスRVを加熱するために加熱装置15が配管に付設されている。他の構成は図4と同様であるから、その説明を省略する。
図6は、本発明においてシロキサンを吸着した樹脂吸着剤を再生用ガスで加熱状態下で再生する第2の再生試験装置の概略構成図である。この再生試験装置13では、カラム9が加熱装置15により加熱され、このカラム9に室温の再生用ガスRVが通気される構成である。他の構成は図4と同様であるから、その説明を省略する。
[実施例3:樹脂吸着剤−1の室温再生]
実施例1で使用したシロキサンを吸着したカラム9に、再生用ガスRVとして窒素ガスを室温(25℃)下で空間速度(SV)=12000h−1で12時間流し、樹脂吸着剤の再生を行なった。再生後の吸着能力を試験するため、再生されたカラム9に再び実施例1と同条件で被処理ガスRAを流し、シロキサンの吸着能力を調べた。
カラム9ヘのガス通気を開始してから16時間後にカラム出口中にシロキサンが検出され、その後シロキサン濃度は急激に立ち上がり、28時間後シロキサン濃度はカラムヘの添加濃度とほぼ同じとなった。図7に室温再生後の表示でカラム出口のシロキサン濃度の経時変化が示してある。図7の縦軸はD4の濃度(ppm)を示し、横軸は経過時間を示す。樹脂吸着剤−1で表示されたグラフは、図3の樹脂吸着剤−1のグラフと同じもので、新品の樹脂吸着剤−1の吸着グラフである。16時間の室温再生後の吸着グラフは新品の樹脂吸着剤−1の吸着グラフまでは完全には復帰していないことが分かる。しかし、室温下の再生でも57%は再生されており、この範囲でシロキサンの吸着・脱離を繰り返せば、連続的なシロキサンの除去が可能であることが分かる。
[実施例4:樹脂吸着剤−1の70℃再生]
実施例3で使用したシロキサンを吸着したカラムを70℃に加熱し、窒素ガスを空間速度(SV)=12000h−1で12時間通気して吸着剤の再生を行った。このカラム9に再び実施例1と同条件で被処理ガスRAを流し、シロキサンの吸着能力を調べた。カラム9ヘのガス通気を開始してから28時間後カラム出口ガス中にシロキサンが検出され、その後シロキサン濃度は急激に立ち上がり、39時間後シロキサン濃度はカラムヘの添加濃度とほぼ同じとなった。図7に70℃再生後としてカラム出口のシロキサン濃度の経時変化が示してある。
70℃再生後のシロキサン吸着グラフは新品の樹脂吸着剤−1のシロキサン吸着グラフにほとんど近接していることが分かる。このように、樹脂吸着剤を加熱再生すると、シロキサンが効率的に脱離し、新品吸着剤とほぼ同一水準まで吸着能力が復帰することが確認された。勿論、再生用ガスRVの通気時間を長くして再生効率を上げてもよいし、加熱温度を更に高温にすることによって再生効率を上げてもよいことは云うまでもない。
[比較例2:活性炭の70℃再生]
比較例1で使用したシロキサンを吸着したカラム(活性炭充填)を70℃に加熱し、窒素ガスを空間速度(SV)=12000h−1で12時間流して樹脂吸着剤の再生を行なった。このカラムに再び比較例1と同条件で被処理ガスを流し、シロキサンの吸着能力を調べた。
カラム9ヘのガス通気を開始してから1時間後に、カラム出口ガス中に既にシロキサンが検出され、その後緩やかに上昇し、16時間後にシロキサン濃度は1ppmを越えた。図8に活性炭としてカラム出口のシロキサン濃度の経時変化が示してある。図8の縦軸はD4の濃度(ppm)を等間隔で示し、横軸は経過時間を示す。図8において、新品活性炭のシロキサン吸着グラフが示され、この新品活性炭のグラフは図3の活性炭の吸着グラフと同一である。
図8から分かるように、活性炭では、70℃で加熱再生しても、シロキサン吸着能力は殆ど回復せず、吸着力は新品活性炭の1/5程度しかない。これに対し、図7から分かるように、樹脂吸着剤では70℃の加熱再生でほぼ新品樹脂吸着剤と同程度の吸着能力にまで回復するのである。従って、従来から吸着剤として使用されている活性炭は室温再生や加熱再生でも殆ど再生できないが、樹脂吸着剤では室温再生や加熱再生により効率的に再生することができる。樹脂吸着剤の再生方法と高回復率は本発明者等によって初めて発見されたものであり、この発見を応用して本発明は完成されたものである。
上記実施例では、再生ガスとして窒素ガスを使用したが、本発明では窒素ガスに限定されるものではなく、空気、酸素ガス、アルゴン、メタン、二酸化炭素、水蒸気などの多種のガス、またはそれらの混合ガスを用いてもよい。
従って、本発明に係るシロキサン除去方法は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例や設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
以上から明らかなように、本発明方法によれば、樹脂吸着剤を使用して、室温ガスパージ再生型又は加熱ガスパージ再生型のシロキサン除去方法が実現できる。また、発酵ガスのように水分を多く含んだシロキサン含有ガスからでも、連続的に繰り返しシロキサンの除去が可能になり、除去装置の小型化・低コスト化・高性能化及びシロキサン連続除去処理が実現できる。
本発明にかかるシロキサン除去方法を実現する一実施形態の装置図である。 樹脂吸着剤によりシロキサンを吸着して被処理ガスを精製するシロキサン吸着試験装置の概略構成図である。 樹脂吸着剤又は活性炭を用いてシロキサンの吸着能力を測定したシロキサン吸着グラフ。 本発明においてシロキサンを吸着した樹脂吸着剤を再生用ガスで室温状態で再生する再生試験装置の概略構成図である。 本発明においてシロキサンを吸着した樹脂吸着剤を加熱された再生用ガスで再生する再生試験装置の概略構成図である。 本発明においてシロキサンを吸着した樹脂吸着剤を再生用ガスで加熱状態下で再生する第2の再生試験装置の概略構成図である。 室温又は70℃で再生された樹脂吸着剤を用いてシロキサンの吸着能力を測定したシロキサン吸着グラフである。 比較例として70℃で再生された活性炭を用いてシロキサンの吸着能力を測定したシロキサン吸着グラフである。
符号の説明
1 シロキサン吸着再生装置
2 被処理ガス供給管
3 シロキサン吸着試験装置
4a 配管
4b 配管
5 ボトル
5a 水
6a 配管
6b 配管
7 ボトル
7a シロキサン
8 精製ガス回収管
10 再生ガス供給管
11 ガスクロマトグラフ装置
12 排気ガス排出管
13 再生試験装置
14 被処理ガス流量制御装置
15 加熱装置
16 再生ガス流量制御装置
9 吸着塔
A 吸着塔
B 吸着塔
C 被処理ガス生成装置
V1〜V9 バルブ
V10 圧力調節バルブ
EX 排気ガス
RA 被処理ガス
RV 再生用ガス
RF 精製ガス

Claims (6)

  1. スチレン・ジビニルベンゼン共重合体からなる樹脂吸着剤を充填した複数の吸着塔を設け、少なくとも一つの吸着塔に水分を含む被処理ガスを流通してシロキサンを吸着除去し、同時に他の少なくとも一つの吸着塔に室温以上150℃以下の再生用ガスを通気してシロキサンの脱離により樹脂吸着剤を再生して、シロキサンの吸着除去と樹脂吸着剤の再生を並行して行い、一定時間後に被処理ガスと再生用ガスの通気を切替えて前記吸着処理と前記再生処理を交換してシロキサンを連続除去することを特徴とするシロキサン除去方法。
  2. 70〜150℃に加熱された前記再生用ガスを前記吸着塔に通気する請求項1に記載のシロキサン除去方法。
  3. 前記再生用ガスを通気する前記吸着塔を70〜150℃に加熱する請求項1に記載のシロキサン除去方法。
  4. 水分を含む被処理ガスからシロキサンを除去して精製ガスを得るシロキサン除去装置であって、吸着工程と再生工程とに切り換え使用する複数の吸着塔と、前記吸着塔の吸着工程と再生工程とを切り替える手段と、前記吸着塔の一端に接続された被処理ガス導入経路と、前記吸着塔の他端に接続され、該吸着塔で精製された精製ガスを導出する精製ガス導出経路と、前記精製ガス導出経路に接続され、前記吸着剤に吸着されたシロキサンを脱着して再生するための室温以上150℃以下の再生用ガスを導入する再生用ガス導入経路と、前記被処理ガス導入経路に接続され、吸着塔内を通過した再生用ガスを排気ガスとして導出する排気ガス導出経路とを備えており、前記吸着塔にはスチレン・ジビニルベンゼン共重合体からなる樹脂吸着剤を充填したことを特徴とするシロキサン除去装置。
  5. 前記再生用ガスを70〜150℃に加熱するための加熱装置を設けた請求項4に記載のシロキサン除去装置。
  6. 前記吸着塔に、吸着剤を70〜150℃で再生するための加熱装置を設けた請求項4に記載のシロキサン除去装置。
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