JP3776772B2 - 電動芝刈機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータでカッタブレードを駆動し、機体の後方にハンドルを延出し、このハンドルに電動モータをオン・オフ制御する操作機構を設けた電動芝刈機に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動芝刈機として、例えば▲1▼特開平6−38611号公報「電動芝刈機」や▲2▼特開平9−36号公報「ハンドモーアの刈取操作装置」が知られている。
上記▲1▼は、同公報の図2及び図3によれば、ハンドル22の左右に第一・第二ハウジング32,32aを取付け、これらのハウジング32,32aにベイルバー30(以下、「操作レバー」と呼ぶ)を回転自在に取付け、第一ハウジング32内に電気スイッチ40及び作動ボタン36を収納し、ハンドル22の先端で作動ボタン36を操作することで電気スイッチ40をON/OFFするようにしたものである。
【0003】
上記▲2▼は、同公報の図2によれば、ハンドル1の把持部20にクラッチレバー2を回転自在に取付け、ハンドル1の先端部にブレードクラッチスイッチSW2を取付け、これらのクラッチレバー2とブレードクラッチスイッチSW2との間をばね22で連結することで、ブレードクラッチスイッチSW2をクラッチレバー2で遠隔操作をするようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記▲1▼の電動芝刈機では、操作レバーの回転範囲と電気スイッチ40のスイッチストロークとのマッチングをとるために、操作レバーと電気スイッチ40との間に作動ボタン36を介在させる必要があり、スイッチ動作のための構造が繁雑になる。
また、上記▲2▼のハンドモーアの刈取操作装置では、クラッチレバー2の回転範囲とブレードクラッチスイッチSW2のスイッチストロークとのマッチングをとるために、ブレードクラッチスイッチSW2とクラッチレバー2との間にばね22を介在する必要があり、スイッチ動作が不正確になることがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、スイッチ動作のための構造が簡単且つ直接的で、スイッチ動作を正確にできるスイッチ操作機構を搭載した電動芝刈機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、機体に電動モータを搭載し、この電動モータでカッタブレードを駆動し、機体の後方にハンドルを延出し、このハンドルに電動モータをオン・オフ制御する操作機構を設けた電動芝刈機において、操作機構を、電動モータをオン・オフ制御する非接触式リードスイッチと、このリードスイッチのオン・オフ状態を決定するために要部をハンドルに回転可能に取付けた扇状の舌片部材と、この舌片部材を回転させる操作レバーと、から構成から構成し、
操作レバーと舌片部材との間に、操作レバーと舌片部材とを係合させる若しくは切り離すクラッチ機構を介在させたことを特徴とする。
【0007】
電動モータをオン・オフ制御するために非接触式リードスイッチを設け、このリードスイッチのオン・オフ状態を決定するために扇状の舌片部材の要部をハンドルに回転可能に取付け、この舌片部材を操作レバーで回転させるようにした。舌片部材がリードスイッチに近接しているときと、舌片部材がリードスイッチから離れたときの区分によりオン・オフ状態を決定する。
【0008】
舌片部材を扇状にすることで、操作レバーを大きく回転させても、この間前記近接状態を保つことが可能になり、非接触式リードスイッチがオン状態又はオフ状態のままとなり、スイッチ作動は安定する。例えば、舌片部材を大きくすることでスイッチのON状態又はOFF状態の設定範囲を広範囲にとることができる。この結果、設計の自由度の拡大を図ることができる。
さらに、非接触式リードスイッチと操作レバーとを近づけることで、スイッチ動作のために簡単且つ直接的な構造の実現を図ることができる。
【0009】
操作レバーと舌片部材との間に、操作レバーと舌片部材とを係合させる若しくは切り離すクラッチ機構を介在させることで、スイッチの誤動作防止を図る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0011】
図1は本発明に係る電動芝刈機の斜視図であり、10は電動芝刈機、11は機体、12は前輪、13は後輪、14はグラスバッグ、15はグラスカバー、16はハンドル、21はカッタハウジング、27はカバー部材、28は操作機構、41は電源をON/OFFするための接続部材としてのメインキー、42はメインキー41を抜き差しする差込み口としての中継部材、73は操作レバー、74はクラッチ機構を示す。
本発明に係る電動芝刈機10は、後述するように、操作機構28を、電動モータをオン・オフ制御する非接触式リードスイッチと、このリードスイッチのオン・オフ状態を決定するために要部(かなめぶ)をハンドル16に回転可能に取付けた扇状の舌片部材と、この舌片部材を回転させる操作レバー73と、から構成した電動芝刈機である。
【0012】
図2は図1の2矢視図であり、電動芝刈機10の側面を示す。
電動芝刈機10は、機体11にメインキー41を抜き差しすることで電動モータ22をオン・オフ制御し、この電動モータ22でカッタハウジング21内のカッタブレード23を回すことで芝草を刈り、カッタハウジング21内のスクロール部31から機体11後方に刈り芝を送り、この刈り芝をグラスバッグ14で収集するリヤディスチャージ式の電動芝刈機である。
【0013】
図3は図1の3矢視図であり、電動芝刈機10の側面を示す。
電動芝刈機10は、中継部材42にメインキー41を差込み、図1に示す操作機構28で電動モータ22をONにし、この電動モータ22で矢印aの如くカッタブレード23を回転させ、このカッタブレード23で芝を刈り、カッタブレード23の回転で発生する渦流で刈り芝をカッタハウジング21のスクロール部31から矢印bの如くグラスバック14に送り込む。
【0014】
すなわち、電動芝刈機10は、機体11にメインキー41を抜き差しすることで電動モータ22をオン・オフ制御し、この電動モータ22でカッタハウジング21内のカッタブレード23を回すことで芝草を刈り、カッタハウジング21内のスクロール部31から機体11後方に刈り芝を送り、この刈り芝をグラスバッグ14で収集する方式の電動芝刈機において、スクロール部31を機体11の左又は右の一方側に配置し、メインキー41の抜き差しをする中継部材42を機体11の他方側に配置したものと言える。
【0015】
一般的に、スクロール部から機体後方に刈り芝を送り、この刈り芝をグラスバッグで収集するリヤディスチャージ式の電動芝刈機では、スクロール部に刈り芝が付着するため、定期的にスクロール部を清掃する必要に迫られ、スクロール部の清掃しやすい構造が望まれる。
そこで、スクロール部31を機体11の左又は右の一方側に配置し、メインキー41の抜き差しをする中継部材42を機体11の他方側に配置することで、作業者は機体11の横に廻りメインキー41の抜き差しを行ない、この状態にて機体12の横倒しを行ない、スクロール部31の清掃をすることができる。すなわち、作業者は機体12の側方からメインキー41の抜き差し及び機体12の横倒しの二つの作業を場所を変えずに行なうことで、清掃作業の作業性の向上を図ることができる。
以下、電動芝刈機10の構成を詳細に説明する。
【0016】
図4は本発明に係る電動芝刈機の分解斜視図であり、電動芝刈機10の主要構成部品を示す。
電動芝刈機10は、カッタハウジング21と、このカッタハウジング21に取付ける電動モータ22と、この電動モータ22のモータ軸22aに取付けるカッタブレード23と、電動モータ22の上部に配置する制御部24と、これらの電動モータ22及び制御部24の上からカッタハウジング21に取付けるバッテリブラケット25と、このブラケット25に載置するバッテリ26と、これらの電動モータ22、制御部24、バッテリブラケット25及びバッテリ26を一括して覆うカバー部材27と、電動モータ22をON/OFF制御する操作機構28と、からなる。なお、バッテリブラケット25は、電動モータ22をカッタハウジング21に取付けるときに共締め固定するようにした。
【0017】
カッタハウジング21は、本体部21aに電動モータ22を取付けるための開口21bを形成し、本体部21aに電動モータ22を固定するためのボス21c・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)を形成し、本体部21a内にカッタブレード23の回転を許容するとともに刈り芝を機体11(図3参照)後方のグラスバッグ14に搬送するスクロール部31を形成したものである。
また、電動モータ22を、カッタハウジング21のボス21c・・・に取付けることでカッタハウジング21の内外に連通する連通穴32・・・(1個のみ示す)を形成する。
【0018】
制御部24は、コントロールケース34と、このコントロールケース34に収納した制御基板35とから構成するもので、この制御基板35に電動モータ22を制御するために操作機構28の構成部品である非接触スイッチ36を接続し、電動芝刈機10が作業可能であることを作業者に知らせるために常時点灯させる表示灯37を接続し、機体11の走行や各種の作業時に常時鳴り続けるブザー38を接続したものである。また、電源をONにするための前記メインキー41を備え、このメインキー41を差込む前記中継部材42を備える。
なお、この中継部材42は、コネクタであって後述するようにバッテリ26を充電するための接続部分をも兼ねる。
【0019】
バッテリブラケット25は、金属製の素材で形成したものであって、電動モータ22の側方及び上部を覆う本体部25aと、この本体部25aから延ばした延出部25bと、中継部材42を取付けるための前記取付けブラケット29とからなり、カッタハウジング21に電動モータ22と共に固定するようにしたものである。
また、25c,25dは、本体部25aに形成した通風のための開口、25eは、延出部25bに形成した通風のための開口である。
【0020】
前述したように、電動芝刈機10は、カッタハウジング21に、バッテリブラケット25及び電動モータ22とを共締め固定したものであると言える。
すなわち、カッタハウジング21に、バッテリブラケット25及び電動モータ22とを共締めすることで、電動芝刈機10の組立性の向上を図ることができる。
【0021】
バッテリ26は、ニケッル・カドニューム系のバッテリであって、前バッテリ43、上バッテリとしての第1・第2上バッテリ44,45とから構成したものである。
前バッテリ43は、定格電圧1.2Vのセル46・・・を複数個組合せたものであって、バッテリブラケット25の延出部25bに縦置きに配置した。
第1・第2上バッテリ44,45は、前バッテリ43と同様に、定格電圧1.2Vのセル46・・・を複数個組合せたものであって、バッテリブラケット25の本体部25aに横置きに配置した。
【0022】
バッテリ26は、高性能バッテリが好ましく、ニケッル・カドニューム系のバッテリの他に、その他のニッケル系又はリチューム系のバッテリを用いてもよい。
一般的に、ニッケル系又はリチューム系のバッテリは充電時の温度管理が容易であることが知られる。そこで、バッテリをニッケル系又はリチューム系のバッテリにすることで、充電作業の作業性の向上を図ることができる。
【0023】
カバー部材27は、樹脂で形成した部材であり、前方下部にルーバ47を備えたカバーであって、後方に通風孔27a・・・を形成し、左側方に中継部材42を開放する逃げ部27bを形成したものである。また、ルーバ47は、空気の流通を図る開放口47a・・・を形成した。
【0024】
図5は図1の5−5線断面図であり、電動芝刈機10の側面断面を示す。
電動芝刈機10は、カッタブレード23をカッタハウジング21で囲い、このカッタハウジング21上部に電動モータ22を取付け、この電動モータ22を充電可能なバッテリ26で駆動する電動芝刈機において、バッテリ26を、電動モータ22の上に配置した第1・第2上バッテリ44,45と、電動モータ22の前に配置した前バッテリ43とから構成したものであると言える。
【0025】
すなわち、バッテリ26を、電動モータ22の上に配置した第1・第2上バッテリ44,45と、電動モータ22の前に配置した前バッテリ43とから構成することで、電動芝刈機10の重量バランスの確保を図ることができる。この結果、電動芝刈機10の操作性の向上を図ることができる。
【0026】
また、電動芝刈機10は、機体11に充電可能なバッテリ26を搭載し、このバッテリ26で電動モータ22を回転させ、この電動モータ22でカッタハウジング21内のカッタブレード23を回転させる電動芝刈機において、電動モータ22及びバッテリ26を一括して覆うカバー部材27を備え、このカバー部材27は、側面視において機体11の前方から後方に上り勾配に形成するとともに前方下部に開放口47aを形成し、且つ後方に通風孔27aを形成することで開放口47aから通風孔27aに通風させることでバッテリ26若しくは電動モータ22を冷却するようにした構造であるとも言える。
【0027】
電動モータ22及びバッテリ26を一括して覆うカバー部材27を、側面視において機体11の前方から後方に上り勾配に形成し、カバー部材27の前方下部に開放口47aを形成し、且つ後方に通風孔27aを形成する。開放口47aから通風孔27aに通風することでバッテリ26若しくは電動モータ22を冷却する。これにより、バッテリ26若しくは電動モータ22を過度に発熱させることを防止し、電動芝刈機10を長時間の連続使用にも耐え得るようにすることができる。
【0028】
図6は図1の6−6線断面図であり、電動芝刈機10のカバー部材27(図5参照)を取外した状態の芝刈機を示す。
電動芝刈機10は、カッタハウジング21に、電動モータ22の側方及び上部を覆う本体部25aを有するとともに電動モータ22の両側から前方に延ばした延出部25bを有するバッテリブラケット25を取付け、このブラケット25の本体部25aに第1・第2上バッテリ44,45を搭載し、延出部25bに前バッテリ43を分散して搭載したものであるとも言える。
【0029】
すなわち、バッテリブラケット25の本体部25aに第1・第2上バッテリ44,45を搭載し、バッテリブラケット25の延出部25bに前バッテリ25bを分散して搭載したので、前バッテリ43、第1・第2上バッテリ44,45や電動モータ22の間に空気が流通しやすくすることができる。この結果、前バッテリ43、第1・第2上バッテリ44,45や電動モータ22の放熱の促進を図ることができる。
【0030】
電動芝刈機10は、バッテリブラケット25を金属製とするとともにバッテリブラケット25のバッテリ43,44,45搭載位置に通風のための開口25c,25d,25eを設けたものであるとも言える。
バッテリブラケット25を金属製とするとともにバッテリブラケット25のバッテリ43,44,45搭載位置に通風のための開口25c,25d,25eを設けることで、電動モータ22やバッテリ43,44,45のさらなる放熱の促進を図ることができる。
【0031】
なお、前バッテリ43及び第1・第2上バッテリ44,45は、バッテリブラケット25にそれぞれ弾性ベルト49a,49b,49cで固定したことを示す。
【0032】
図7は本発明に係る電動芝刈機の制御システム図であり、電動芝刈機の制御システム50は、電動モータ22を制御する先に説明した制御部24と、バッテリ26の充電をするための充電器51、とから構成する。
【0033】
制御部24の回路構成は、過電流を遮断する過電流遮断回路55と、電動芝刈機10の作動をコントロールするコントロールブロック56と、充電時にバッテリ26温度を監視するサーミスタ57と、サーミスタの情報に基づいて充電を停止するサーマルブレーカ58とからなり、メインキー41及び充電器51の双方をコンパチブルに抜き差し可能な前記中継部材42を備える。
【0034】
制御部24は、充電時にバッテリ26温度をサーミスタ57で監視する。すなわち、バッテリ26の温度管理制御機能を有していることを示す。
制御部24にバッテリの温度管理制御機能を持たせることで、充電時の信頼性の向上を図ることができる。この結果、バッテリの寿命を延ばすことができる。
【0035】
コントロールブロック56は、電動モータ22を制御するモータ制御回路61と、表示灯37を点灯させる点灯回路62と、ブザー38を駆動するブザー駆動回路63と、からなる。なお、表示灯37はLED(発光ダイオード)である。
【0036】
モータ制御回路61は、電動モータ22を制御する回路であって、電動モータ22をON/OFFする操作機構28(図4参照)の非接触スイッチ36を接続した。
点灯回路62は、バッテリ26の電圧が、後述するメモリ効果を受ける直前の電圧を超えているときに表示灯37を常時点灯させ、前記電圧を下回ったときに表示灯37を消灯する回路である。すなわち、バッテリ26の電圧が0.97V/セルよも低い電圧ならない限り表示灯37を常時点灯させるようにした回路である。
【0037】
例えば、バッテリ26を駆動源とした電動芝刈機10(図5参照)に、メモリ効果を受ける直前の電圧を超えているときに常時点灯させる表示灯37を設けることで、作業者は、電動芝刈機10の表示灯37が点灯しているときは作業を続行し、表示灯37が消灯したときは作業を中止してバッテリ26の充電を行なえばよい。
すなわち、電動芝刈機10にバッテリ26の電圧が、メモリ効果を受ける直前の電圧を超えているときに常時点灯させる表示灯37を備えることで、作業者にバッテリ26の充電時期を的確に知らせる。これをもってバッテリ26が短寿命になることを防ぐことができる。
【0038】
ブザー駆動回路63は、電動モータ22の回転中は常時ブザー38を鳴らす回路であって、バッテリ26の電圧が予め設定した電圧を下回ったときにブザー38の作動を止めるようにした回路である。
【0039】
すなわち、電動芝刈機10(図5参照)は、機体11に充電可能なバッテリ26を搭載し、このバッテリ26を駆動源として機体11の走行や各種の作業を行なう電動芝刈機において、機体11の走行や各種の作業時に常時鳴り続けるブザー38を備え、作動中であることを作業者に知らせるようにしたものであると言える。
【0040】
一般的に、電動モータ駆動方式の作業機は、エンジン駆動方式の作業機に比べはるかに騒音レベルが低い。従って、この様な電動芝刈機を騒音の大きな環境で使用する場合は、電動芝刈機の作動中であるか否かを感覚的に判断しにくい場合が生ずる。
すなわち、電動芝刈機10(図5参照)に機体11の走行や各種の作業時に常時鳴り続けるブザー38を取付け、作動中であることを作業者に知らせることで、電動芝刈機10の作業性及び取扱い性の向上を図ることができる。
【0041】
また、電動芝刈機10(図1参照)は、ブザー38がバッテリ26の電圧が予め設定した電圧を下回ったときに作動が止るようにしたものであると言える。
ブザー38がバッテリ26の電圧が予め設定した電圧を下回ったときに作動が止るようにすることで、いたずらなバッテリ26消費の防止を図ることができる。
【0042】
中継部材42は、6個の接続端子を設けたコネクタであって、正極端子としての1番端子C1(本図ではC1を単に「1」と表示する。以下同じ)に過電流遮断回路55を介してバッテリ26の正極に接続し、2番端子C2にバッテリ26の負極及びコントロールブロック56の一方を接続し、3番端子C3にコントロールブロック56の他方を接続し、4番端子C4にサーマルブレーカ58の一端を接続し、5番端子C5にサーミスタの一端を接続し、6番端子C6にサーマルブレーカ58の他端及びサーミスタ57の他端を接続したものである。
【0043】
メインキー41は、電気的に接続した一対のピンP1,P3(本図ではP1,P3を単に「1」、「3」と表示する)を備えたプラグであって、中継部材42の1番端子C1及び3番端子C3に差込むことで、1番端子C1と3番端子C3との間をショートするプラグである。
【0044】
充電器51は、中継部材42に接続する充電器側プラグ52と、家庭用電源に接続する電源プラグ53とを備える。
充電器側プラグ52は、中継部材42の1番端子C1、2番端子C2、4番端子C4、5番端子C5及び6番端子C6に、それぞれ接続するための1番ピンR1(本図ではR1を単に「1」と表示する。以下同じ)、2番ピンR2、4番ピンR4、5番ピンR5及び6番ピンR6を備えたプラグであって、バッテリ26を充電するためのプラグである。
以上から、中継部材42は、メインキー41及び充電器側プラグ52の双方をコンパチブルに抜き差し可能なコネクタであると言える。
【0045】
すなわち、電動芝刈機10は、中継部材42にバッテリ26を充電するための充電器51を接続する接続部分を一体的に設けたものである。
中継部材42に、バッテリ26を充電するための充電器51を接続する接続部分を一体的に設けることで、例えば、放電時は中継部材42に接続部材(メインキー41)を差込み、充電時は中継部材42に充電器51を差込めばよく、放電時又は充電時に伴う誤挿入の防止を図ることができる。この結果、電動芝刈機10における放電時又は充電時の利便性の向上を図ることができる。
【0046】
電動芝刈機10は、中継部材42がバッテリ26の正極に接続した正極端子(1番端子C1)を有し、この正極端子が充電器51からバッテリ26の正極に接続する充電用の正極端子を兼ねるようにしたものであるとも言える。
正極端子(1番端子C1)が充電器51からバッテリ26の正極に接続する充電用の正極端子を兼ねるようにすることで、制御部24及び中継部材42の簡素化を図ることができる。この結果、電動芝刈機10のコストの低減を図ることができる。
【0047】
また、電動芝刈機10(図5参照)は、機体11に充電可能なバッテリ26を搭載し、このバッテリ26で電動モータ22を回転させ、この電動モータ22を制御部24で制御することで機体11の走行や各種の作業を行なう電動芝刈機において、バッテリ26と制御部24との間に中継部材42を介在させ、この中継部材42に差込むための接続部材(メインキー41)を用意し、この接続部材を中継部材42に差込むことでバッテリ26と制御部24を接続し、接続部材を中継部材42から取外すことでバッテリ26と制御部24を切り離すようにしたものであると言える。
【0048】
バッテリ26と制御部24との間に中継部材42を介在させ、この中継部材42に差込むための接続部材(メインキー41)を用意し、この接続部材を中継部材42に差込むことでバッテリ26と制御部24を接続する。また、接続部材を中継部材42から取外し、バッテリ26と制御部24を切り離すようにすることで、バッテリ26から制御部24を完全に遮断することができる。これをもって、非作動時の放電の減少を図れるとともに長期保管時の過放電の防止を図ることができる。この結果、バッテリ26の寿命を延ばすことができる。
【0049】
図8は本発明に係る電動芝刈機のバッテリの寿命を表すグラフである。横軸は放電深度(%)、縦軸は充放電のサイクル数である。ここで、放電深度とは、電池の放電の深さを表すもので、パーセントで表示する。例えば、バッテリ容量を100としたときに完全放電を行なった場合に放電深度100%と表示する。また、サイクル数とは、バッテリの充放電の可能回数を表す。
ニケッル・カドニューム系のバッテリは、完全放電をしても容量回復をし、鉛電池などに比べると過放電に強い電池である。しかし、完全放電を繰り返すとバッテリの寿命の低下を招く。例えば、放電深度100(%)、即ち完全放電を繰り返すとバッテリのサイクル数は500〜800回であり、放電深度50(%)の充放電を繰り返す場合はバッテリのサイクル数は1700〜1800回に延びる。
【0050】
図9は本発明に係る電動芝刈機のバッテリのメモリ効果を表すグラフである。横軸は放電時間(min)、縦軸はバッテリ電圧(V)である。
ニケッル・カドニューム系のバッテリでは、浅い充放電を繰り返した後に、深い放電を行なうと放電時の電圧が二段落ちする現象が知られる。これをメモリー効果と呼ぶ。
グラフ中、放電時間60(min)まではバッテリ電圧1.3から1.1(V)に緩やかに下降する。しかし、放電時間60(min)を超えるとバッテリ電圧が急激に下降する。
図8及び図9から、バッテリを長期間使用するためには、第1に完全放電を繰り返さないこと。第2にメモリ効果を引起こす浅い放電ばかりを繰り返さないこと。これらに二項目に注意を払う必要がある。すなわち、適度な放電深度での充放電が望まれる。
【0051】
経験的に、定格1.2V/セルのバッテリでは、メモリ効果を引起こす放電終了電圧を1.1V/セルと見込み、電動芝刈機10(図1参照)は、放電終了電圧を1.1V/セル以下に設定することを狙って、バッテリ電圧が9.7V/セルよりも低い電圧ならない限り常時点灯させる表示灯37(図5参照)を設けた。
【0052】
図5に戻って説明すると、電動芝刈機10は、機体12に充電可能なバッテリ26を搭載し、このバッテリ26を駆動源として機体12の走行や各種の作業を行なう電動芝刈機において、浅い充放電サイクルを繰り返した後に深い放電を行なう場合に放電時の電圧が二段落ちする現象をメモリー効果と呼ぶときに、バッテリ26の電圧が、メモリ効果を受ける直前の電圧を超えているときに常時点灯させる表示灯37を備えたものであると言える。
すなわち、電動芝刈機10にバッテリ26の電圧が、メモリ効果を受ける直前の電圧を超えているときに常時点灯させる表示灯37を備えることで、作業者にバッテリ26の充電時期を的確に知らせ、これをもってバッテリ26が短寿命になることを防ぐことができる。
【0053】
以上に述べた電動芝刈機10の放熱のメカニズムの一例を次に説明する。
図10(a),(b)は本発明に係る電動芝刈機の作用説明図であり、(a)は電動芝刈機が動作中の空気流れを示し、(b)は電動芝刈機が停止直後の空気流れを示す。
(a)において、電動芝刈機10が動作中はカッタブレード23の回転でカッタハウジング21内は負圧になる。従って、ルーバ47の開放口47a(図4参照)から矢印▲1▼の如く外気を引き込み、前バッテリ43の側方を経由し、カッタハウジング21に電動モータ22を取付けることで形成した連通穴32(図4参照)からカッタハウジング21内に流れ込む。
一方、カバー部材27の通風孔27aから矢印▲2▼,▲3▼の如く外気を引き込み、第1・第2上バッテリ44,45の側方を経由し、前記連通穴32(図4参照)からカッタハウジング21内に流れ込む。矢印▲1▼〜▲3▼に示した空気の流れで、前バッテリ43、第1・第2上バッテリ44,45及び電動モータ22の強制冷却を図ることができる。
【0054】
(b)において、電動芝刈機10が停止直後は前バッテリ43、第1・第2上バッテリ44,45及び電動モータ22が発熱状態にある。そこで、前記連通穴32から矢印▲4▼〜▲6▼の如く前バッテリ43、第1・第2上バッテリ44,45又は電動モータ22の廻りを通過する自然対流で前バッテリ43、第1・第2上バッテリ44,45及び電動モータ22は放熱することができる。また、これに伴って、ルーバ47の開放口47a(図4参照)からカバー部材27の通風孔27aに矢印▲7▼の如くの空気の流れも期待でき、さらなる放熱の促進を図ることができる。
【0055】
すなわち、電動芝刈機10は、カッタハウジング21に、カバー部材27に連通する連通穴32を設け、カッタブレード23を回転させることで開放口47a(図4参照)及び通風孔27aからカッタハウジング21内に至る送風流を作るとともにカッタブレード23の停止中は電動モータ22又は前バッテリ43、第1・第2上バッテリ44,45の熱でカッタハウジング21内から通風孔27aに逆流させるようにしたものと言える。
【0056】
図11は本発明に係る電動芝刈機の操作機構の側面断面図である。
操作機構28は、電動モータ22(図2参照)をON/OFFするためにハンドル16の左側に構成する機構であって、ハンドル16の左側に取付けたブラケット71と、このブラケット71に取付けた前記非接触式リードスイッチ36と、このリードスイッチ36のON/OFF状態を決定するために要部(かなめぶ)72aをブラケット71に回転可能に取付けた扇状の舌片部材72と、この舌片部材72を回転させるための操作レバー73と、これらの操作レバー73と舌片部材72とを係合させる若しくは切り離すクラッチ機構74と、からなる。なお、71aは舌片部材72を回転自在に支持するためにブラケット71に取付けた支持ピンである。
【0057】
非接触式リードスイッチ36は、マグネット36aを備えたリードスイッチであり、舌片部材72を鉄系の金属にて形成することで、この舌片部材72をマグネット36aに近づける又は離すことによる磁束の変化を検出し、リードスイッチ36のON/OFF状態を決定するものである。なお、36bは非接触式リードスイッチ36から制御部24(図4参照)に接続するためのハーネスである。操作レバー73は、コ字形状のレバーであって、左端をブラケット71を介してハンドル16に回転自在に取付け、右端をハンドル16に回転自在に取付けた。
【0058】
クラッチ機構74は、ブラケット71に回転可能に且つ操作レバー73と同軸に取付けたレバー部材76と、このレバー部材76に回転可能に取付けたフック部材77と、このフック部材77に一端を回転可能に取付けるとともに他端をクラッチレバー76の先端部76aにスライド可能に取り付けたフック駆動棒78と、フック部材77・支持ピン71a間に付勢した引張りばね79aと、フック部材77を嵌合させるために舌片部材72に設けた係合ピン72bと、舌片部材72・ブラケット71間に付勢した引張りばね79bと、から構成する。なお、78aはフック駆動棒78の駆動ノブである。
【0059】
図12は本発明に係る電動芝刈機の操作機構の正面断面図である。
電動芝刈機10(図5参照)は、機体11に電動モータ22を搭載し、この電動モータ22でカッタブレード23を駆動し、機体11の後方にハンドル16(図1参照)を延出し、このハンドル16に電動モータ22をオン・オフ制御する操作機構28を設けた電動芝刈機において、操作機構28を、電動モータ22をオン・オフ制御する非接触式リードスイッチ36と、このリードスイッチ36のオン・オフ状態を決定するために要部72aをハンドルに回転可能に取付けた扇状の舌片部材72と、この舌片部材72を回転させる操作レバー73と、から構成したものとも言える。
【0060】
電動モータ22をオン・オフ制御するために非接触式リードスイッチ36を設け、このリードスイッチ36のオン・オフ状態を決定するために扇状の舌片部材72の要部72aをハンドル16に回転可能に取付け、舌片部材72を操作レバー73で回転させるようにした。
舌片部材72がリードスイッチ36に近接しているときと、舌片部材72がリードスイッチ36から離れたときの区分によりオン・オフ状態を決定する。
【0061】
舌片部材72を扇状にすることで、操作レバー73を大きく回転させても、この間前記近接状態を保つことが可能になり、非接触式リードスイッチ36がオン状態又はオフ状態のままとなり、スイッチ作動は安定する。例えば、舌片部材72を大きくすることで、スイッチ36のON状態又はOFF状態の設定範囲を広範囲にとることができる。この結果、設計の自由度の拡大を図ることができる。さらに、非接触式リードスイッチ36と操作レバー73とを近接させることで、スイッチ動作のために簡単且つ直接的な構造の実現を図ることができる。
【0062】
また、電動芝刈機10は、操作レバー73と舌片部材72との間に、操作レバー73と舌片部材72とを係合させる若しくは切り離すクラッチ機構74を介在させたものとも言える。
操作レバー73と舌片部材72との間に、操作レバー73と舌片部材72とを係合させる若しくは切り離すクラッチ機構74を介在させることで、スイッチON/OFFの誤動作防止を図ることができる。この結果、電動芝刈機10(図2参照)の操作性の向上を図ることができる。
【0063】
以上に述べた操作機構28の動きを説明する。
図13(a)〜(c)は本発明に係る電動芝刈機の操作機構の動作説明図である。
(a)において、電動モータ22(図5参照)を回転させる前の操作機構28の状態を示す。舌片部材72を非接触式リードスイッチ36のマグネット36aに近接させることで、リードスイッチ36のモードは、OFF状態に設定したことを示す。
また、クラッチ機構74は、舌片部材72の係合ピン72bにフック部材77が噛んでいないので、解除状態であることを示す。すなわち、この状態で操作レバー73を矢印aの如く回転させても舌片部材72は回転しない。すなわち、リードスイッチ36のモードが、OFF状態からON状態に変らないので、電動モータ22は回転しない。
【0064】
(b)において、フック駆動棒78を矢印b1の如く押すことで、舌片部材72の係合ピン72bにフック部材77を矢印b2の如く噛ませる。この噛ませた状態で、レバー部材76とともに操作ハンドル73を矢印b3の如く回転させることで、舌片部材72を矢印b4の如く回転させるる。
なお、この舌片部材72の位置では、未だ舌片部材72が非接触式リードスイッチ36のマグネット36aに近接しているので、リードスイッチ36のモードは、OFF状態である。
【0065】
(c)において、操作ハンドル73を矢印c1の如く回転した結果、舌片部材72が非接触式リードスイッチ36のマグネット36aから離れる。すなわち、リードスイッチ36のモードをON状態にすることで、電動モータ22の回転を開始させる。
【0066】
尚、実施の形態では図11に示すように、非接触スイッチにマグネット36aを備えた非接触式リードスイッチ36を用いたが、これに限るものではなく、発光素子と受光素子を組合せたフォトカプラなどを含む非接触スイッチを用いたものであってもよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、操作機構を、電動モータをオン・オフ制御する非接触式リードスイッチと、このリードスイッチのオン・オフ状態を決定するために要部をハンドルに回転可能に取付けた扇状の舌片部材とから構成したので、操作レバーを大きく回転させても、この間近接状態を保つことが可能になり、非接触式リードスイッチがオン状態又はオフ状態のままとなり、スイッチ作動は安定する。例えば、舌片部材を大きくすることでスイッチのON状態又はOFF状態の設定範囲を広範囲にとることができる。この結果、設計の自由度の拡大を図ることができる。
さらに、電動モータをオン・オフ制御する非接触式リードスイッチと、このリードスイッチのオン・オフ状態を決定するために要部をハンドルに回転可能に取付けた扇状の舌片部材と、この舌片部材を回転させる操作レバーとから構成することで、スイッチ動作のために簡単且つ直接的な構造の実現を図ることができる。
【0068】
操作レバーと舌片部材との間に、操作レバーと舌片部材とを係合させる若しくは切り離すクラッチ機構を介在させたので、スイッチの誤動作防止を図ることができる。この結果、電動芝刈機の操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動芝刈機の斜視図
【図2】図1の2矢視図
【図3】図1の3矢視図
【図4】本発明に係る電動芝刈機の分解斜視図
【図5】図1の5−5線断面図
【図6】図1の6−6線断面図
【図7】本発明に係る電動芝刈機の制御システム図
【図8】本発明に係る電動芝刈機のバッテリの寿命を表すグラフ
【図9】本発明に係る電動芝刈機のバッテリのメモリ効果を表すグラフ
【図10】本発明に係る電動芝刈機の作用説明図
【図11】本発明に係る電動芝刈機の操作機構の側面断面図
【図12】本発明に係る電動芝刈機の操作機構の正面断面図
【図13】本発明に係る電動芝刈機の操作機構の動作説明図
【符号の説明】
10…電動芝刈機、11…機体、16…ハンドル、21…カッタハウジング、22…電動モータ、23…カッタブレード、28…操作機構、36…非接触式リードスイッチ、72…舌片部材、72a…要部、73…操作レバー、74…クラッチ機構。
Claims (1)
- 機体に電動モータを搭載し、この電動モータでカッタブレードを駆動し、機体の後方にハンドルを延出し、このハンドルに前記電動モータをオン・オフ制御する操作機構を設けた電動芝刈機において、
前記操作機構は、前記電動モータをオン・オフ制御する非接触式リードスイッチと、このリードスイッチのオン・オフ状態を決定するために要部を前記ハンドルに回転可能に取付けた扇状の舌片部材と、この舌片部材を回転させる操作レバーと、からなり、
前記操作レバーと舌片部材との間に、前記操作レバーと舌片部材とを係合させる若しくは切り離すクラッチ機構を介在させたことを特徴とする電動芝刈機。
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