JP3776123B2 - ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルからヘテロポリ化合物を分離除去する方法 - Google Patents
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Description
ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルは、多方面で使用され、例えばここでは、油圧油中又はポリウレタンの製造の際のジオール成分としてのそれらの使用が挙げられる。これらの化合物は、ブレンステッド−又はルイス酸触媒を用いる、相応するモノマー、例えば環状エーテル、アセタール、多価アルコール若しくはラクトンのカチオン重合又は共重合により製造される。開環重合用の特に有利な触媒として、ヘテロポリ酸及びヘテロポリ酸塩(以下に共通で「ヘテロポリ化合物(類)」又は「HPA」と称する)が実証されている。特定の新規誘導体の製造のための、しかしながら工業的な実施可能性及び既存の方法での製品品質を改良するためでもある種々の方法で、プロトン性化合物の存在下での重合が実施されている。
ヨーロッパ特許(EP)第126471号明細書は、例えば、水の存在下での、ポリエーテルグリコールの形成下での、HPAにより触媒作用された、テトラヒドロフラン(THF)の重合及びTHFと種々の他の環状エーテルとの共重合を教示している。ヨーロッパ特許(EP)第158229号明細書中には、環状エーテルとジ−及びより多価アルコールとの共重合によるポリエーテルグリコールの製造が記載されている。
特開昭61−200120号公報によると、ラクトン又は環状エーテルと一緒のラクトンを、ヒドロキシル基含有化合物の存在下に、触媒としてのヘテロポリ酸を用いて重合させることができる。
ポリエーテルグリコールモノエーテル及びポリエーテルグリコールモノエステルは、ヨーロッパ特許(EP)第503393号及び同第503394号明細書によると、モノアルコール又はモノカルボン酸の存在下でのHPA触媒を用いる環状エーテルの重合により製造できる。
ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルを製造するためのこれらの重合法では、不完全な反応に基づいて、なお残留量のモノマー(類)、残留量の添加されたプロトン性化合物、例えば水、アルコール、カルボン酸等、場合により使用溶剤及び溶かされたヘテロポリ化合物(類)を含有しているポリマー相が生じる。このポリマー相中に溶かされたHPA触媒の百分率は、これらの反応では著しく、ポリマー相に対して1重量%まで及びより多いことがある。溶かされた触媒は、単に、未反応のモノマー、プロトン性添加剤及び場合により使用溶剤をこの相から留去することよりなる分離の際には沈殿せず、溶かされた形でポリマー中に残留する。一方で、これは品質上の理由から防止しなければならず、他方で、ヘテロポリ酸は非常に高価であるので、経費上の理由から大部分の触媒を回収することが望ましい。
ヨーロッパ特許(EP)第181621号明細書中では、この問題を解決するために、ポリマー相に、使用モノマー(類)と共に共沸混合物を形成しない炭化水素又はハロゲン化炭化水素を加えることが提案されており、それにより、大部分の溶かされたヘテロポリ化合物が別個の相として沈殿される。引き続き、炭化水素/ポリマー相は自体慣用の方法で固体吸着剤を用いて処理される。ポリマーを得るために、最後に、未反応のモノマー、プロトン性添加剤及び場合により使用溶剤の分離の後に、最後に添加された(場合によりハロゲン化された)炭化水素を分離しなければならない。そのような後処理法は、(場合によりハロゲン化された)炭化水素の添加により増大されたポリマー相の容量により、より大きな規模の蒸留用装置が必要であり、かつそれに伴いより高い設備費用が生じ、その際、通常その沸点はモノマー(類)のそれより高い、添加された(場合によりハロゲン化された)炭化水素の除去により、著しく付加的なエネルギー経費が生じるという欠点を有する。
旧ソビエト発明者証(SU−A1)第1754732号明細書中では、ポリマー 50〜90%までポリマー相を濃縮の後に、同様に、1〜15個のC原子を有する炭化水素が、ヘテロポリ化合物を沈殿させるために添加されている。しかしながら次いで、吸着による更なる精製の代わりに、なお存在するヘテロポリ化合物(この場合には酸でなければらなない)と一緒に、沈殿し、かつ慣用の方法で除去されうる不溶性塩を形成する液状の有機窒素塩基が添加される。しかしながら、それにより達成されうる、ポリマー中のヘテロポリ化合物約50×10-6%の純度は、大抵の目的のためには充分ではない。
従って、本発明の課題は、ヘテロポリ酸を含有しているポリエーテル、ポリエステル及びポルエーテルエステルを精製するための、効果的な、より簡単かつより経費の安い方法を提供することであった。
この課題の解決策として、ヘテロポリ化合物(類)をポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステル、プロトン性成分及びヘテロポリ化合物(類)を含有している混合物から分離するにあたり、プロトン性成分を該混合物から、膜分離法を用いるか、又は蒸留、所望であれば存在する任意の溶剤及び/又は未反応のモノマーと一緒に共沸蒸留により分離し、蒸留を実施して、存在する未反応のモノマー及び任意の溶剤を完全に除去し、かつ引き続き前記のモノマーの添加によってヘテロポリ化合物を実質的に純粋な形で沈殿させる方法を提供する。
本発明による方法により、ポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルを、ヘテロポリ化合物(類)から精製することができる。その際に、記載の精製法は、HPA及び1種以上のそのようなポリマーを含有している任意の混合物のために使用することができる。記載のポリマー化合物は、例えば環状エーテル、アセタール、ジオール、より高級なアルコール及びラクトンの群のモノマーから構成されていてよい。しかしながら、他のモノマーから成るポリマー化合物から本発明による方法により、溶かされたヘテロポリ化合物を除去することも可能である。精製されるべきポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルの分子量は制限されていないが、5000未満であるのが有利である。
ヘテロポリ化合物(類)を含有しているポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルを、それ自体として又は溶かされた形で、例えば有利には重合の際に生じるその溶液状で使用する。本明細書及び請求項中では、「ポリマー相」又は「(ポリマー)混合物」とは、上記のポリマーの少くとも1種を含有している相を称するが、「ポリマー溶液」とは、更に付加的に溶剤として作用する低分子量の有機成分を含有している相を称する。
重合法自体は、ポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルの本発明による精製のためには特別な役割を果たさない。重合は連続的又は不連続的に実施しすることができ、かつ重合系は、例えば単相、2相又は不均一であってよい。
通常、重合の際に形成されたポリマー溶液は、なおかなりの割合のモノマー(類)、大部分の最初に添加されたプロトン性化合物(類)及び溶かされたヘテロポリ化合物(類)を含有している。プロトン性化合物とは、本発明の目的物に関しては、OH基を有し、かつpKs≦20を有する化合物と解され;例は、H2O、カルボン酸及びアルコールである。重合を溶剤の存在下で実施することは有利であり得るので、重合系は場合によりそれを含有してもよい。
HPA触媒を用いる有利な1重合法では、2種の液相を有する重合混合物が生じ、その際、1相は触媒相であり、他はモノマー/ポリマー相であるように操作する。例えば水の存在下に触媒としてH3PW12O40を用いてTHFを開環重合してポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)にする際に2相の重合系中に生じるような典型的なモノマー/ポリマー相は、次のような組成を有する(重量%で表示):THF 77.3%、ポリTHF 21.2%、H3PW12O40 1.2%、水0.3%。
従って、本発明による方法のために使用されるポリマー相の組成は、触媒、モノマー(類)、プロトン性添加剤の種類及び可能な場合に使用された溶剤の含有率に依存し、この方法にとっては厳密ではない。
本発明により重合溶液からプロトン性化合物を除去することは、種々の方法により行うことができる。例えば、膜分離法を使用するのが有利であることがある。更に、例えば分子篩を用いる吸着により、又は化学反応を用いる吸着、例えば除去によりプロトン性化合物を分離することができる。装置に関して非常に簡単な方法は、プロトン性化合物を場合によりモノマーとの共沸混合物として、蒸留により分離することである。全ての低沸点成分を一緒にポリマー溶液から除去し、引き続き再び、実質的にプロトン性化合物を不含である相応する量の純粋モノマーを添加することもできる。蒸留による分離の際に、50〜70℃の沸騰温度を可能にする圧力範囲内で作業するのが特に有利である。
プロトン性化合物の除去の際又は、全ての低沸点成分を一緒に除去する場合には、純粋モノマーを改めて添加する際に、大部分の、ポリマー溶液中に溶かされたHPAが固体の形で沈殿する。その際、溶液を好適な方法で、例えば慣用の撹拌により混合するのが有利であり得る。HPA除去のためには、この方法を簡単に実施することができる温度、通常は0〜60℃の温度を選択し;より高い温度では、ポリマー相中でのHPA溶解度が大きすぎることがある。混合物を、沈殿の完了のために0.1〜100時間放置することができる。通常、最大0.5時間で充分である。
蒸留によりプロトン性化合物を分離する場合には、留去される及び/又は添加されるモノマーの量を各個々の場合に関して最適化するのが好適である。一般に、プロトン性化合物の分離の後にヘテロポリ化合物を沈殿させるためには、0.1:1〜10:1のモノマー−ポリマー質量比を調節するのが有利である。
モノマー及びプロトン性化合物からの、分離された共沸混合物又は全ての分離された易揮発性化合物の混合物をも、通常は、更なる後処理なしに直接に重合工程中に戻すことができる。
本発明による方法を連続的又は不連続的に、しかしながら有利に連続的に実施することができ、その際、不活性ガス雰囲気下に作業するのが有利である。慣用の、連続法のために好適な反応器又は反応設備、例えば管状反応器又は撹拌釜カスケードをこのために使用することができる。
本発明による方法により、ポリエーテル−、ポリエーテル−又はポリエーテルエステル溶液中に溶かされた大部分のHPAを同様に、直接に重合工程中に戻すことができる形で分離することができる。例えば、水の存在下でのH3PW12O40により触媒作用されたTHF重合の際に得られた上記のモノマー/ポリマー相から、未反応のTHF及び水を留去し、かつ引き続き、留去されたTHFを純粋な乾燥THFにより補充することにより、最初にTHF/ポリTHF相中に溶かされていたH3PW12O40の約90%を固体の形で分離除去することができる。
個々の、プロトン性化合物の除去によるHPA沈殿の際に進行している事象は、なお不明である。可能な、基礎にある事実は、プロトン性成分の除去が、水素結合の消失を介してヘテロポリ化合物の溶解度を著しく引き下げるので、これがポリマー溶液から沈殿するということであるかもしれない。
本発明の意味でのヘテロポリ酸とは、金属の弱い多塩基酸素酸、有利にクロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンのそれら、及び/又はこれらの金属の相応する酸化物、例えばCrO3、MoO3、V2O5又はWO3及び他の金属又は非金属、例えばヒ素、ホウ素、ヨウ素、リン、セレン、ケイ素、ゲルマニウム又はテルルのそれらから、混合された、部分的無水物として生じる、少くとも2個の異なる中心原子を有する無機ポリ酸と解される。通常、これらのヘテロポリ酸中の、最初に記載の元素と最後に記載のとの原子比は、値2.5〜12を有し、この原子比は9又は12であるのが有利である。
本発明による方法で除去することができるヘテロポリ酸の例としては、次の化合物が挙げられる:
トデカモリブダト燐酸(H3PMo12O40 × nH2O)、
ドデカモリブダト珪酸(H4SiMo12O40 × nH2O)、
ドデカモリブダトセリウム(IV)酸(H8CeMo12O42 × nH2O)
ドデカモリブダト砒素(V)酸(H3AsMo12O40 × nH2O)、
ヘキサモリブダトクロム(III)酸(H3CrMo6O24H6 × nH2O)、
ヘキサモリブダトニッケル(II)酸(H4NiMo6O24H6 × 5H2O)、
ヘキサモリブダトヨウ素酸(H5IMo6O24 × nH2O)、
オクタデカモリブダト二燐酸(H6P2Mo18O62 × 11H2O)、
オクタデカモリブダト二砒素(V)酸(H6As2Mo18O62 × 25H2O)、
ノナモリブダトマンガン(IV)酸(H6MnMo9O32 × nH2O)、
ウンデカモリブダトバナダト燐酸(H4PMo11VO40 × nH2O)、
デカモリブダトジバナダト燐酸(H5PMo10V2O40 × nH2O)、
ドデカバナダト燐酸(H7PV12O36 × nH2O)、
ドデカタングスト珪酸(H4SiW12O40 × 7H2O)、
ドデカタングスト燐酸(H3PW12O40 × nH2O)、
ドデカタングストホウ素酸(H5BW12O40 × nH2O)、
オクタデカタングスト二燐酸(H6P2W18O62 × 14H2O)、
オクタデカタングスト二砒素(V)酸(H6As2W18O62 × 14H2O)、
ヘキサモリブダトヘキサタングストリン酸(H3PMo6W6O40 × nH2O)。
当然ながら、ヘテロポリ酸の混合物を除去することもできる。往々にして、本発明による方法は、ドデカタングスト燐酸、ドデカタングスト珪酸及び/又はドデカモリブダト珪酸の除去のために使用されるが、これらは、その良好な使用可能性に基づいて有利に触媒として使用されるからである。
本発明による方法を、その製法で遊離ヘテロポリ酸が触媒として使用されたポリマーの精製のために使用するのが特に有利である。しかしながら、ヘテロポリ酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩の分離も可能である。
前記のように低減されたHPA含有率を有するポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルを、固体吸着剤と接触させることにより更に精製することができる。その際、これらのポリマーを直接に又は溶液中で固体吸着剤を用いて処理することができる。場合によりなお溶剤含有のモノマー/ポリマー混合物を使用するのが有利である。その際、これらの混合物を、それらがHPA沈殿の際に生じるままで、しかしながら濃縮された又は希釈された形でも使用することができる。ポリマー相中に有利に含有されているモノマー量は、少くとも10重量%、より良好には50重量%以上であるべきである。
固体吸着剤の種類は、それがヘテロポリ化合物を吸着することができる限り、制限されず;活性炭、酸化アルミニウム、アルカリ土類金属及び希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩並びに塩基性イオン交換体が有利である。使用吸着剤の量は、HPA含有率に依存し、溶かされたHPAの2〜5000倍、有利に10〜1000倍のそれであってよい。一般的に、より多量の固体吸着剤の使用は、処理の後に、より低いHPA残量をもたらす。
この精製工程での温度は、特に制限されず、処理されるべき溶液が好適な粘度を有するように選択されるべきである。純粋な形で平均分子量1000を有するポリエーテルを使用する場合には、好適な温度は通常20〜150℃、有利に30〜100℃である。
精製されたポリマーが、固体吸着剤を用いる処理の後になおモノマー又は溶剤を含有している場合には、これらを、例えば常圧で又は真空中での蒸留により除去することができ、その際、純粋なポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルに対して1ppm未満であることがある非常に低いHPA含有率を有するポリマーを得ることができる。従って、本発明による方法により、ポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルを経済的な方法で高い純度で得ることができる。
下記の詳述する例の全ての濃度表示は、重量%で表示している。実験は、全て窒素下に実施した。ヘテロポリ酸の定量分析は、X線蛍光分析及び原子吸収を用いて実施した。
例1
ヨーロッパ特許第126471号明細書に従って、水の存在下に触媒としてH3PW12O40を用いてテトラヒドロフラン(THF)を重合してポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)にする際に生じるポリマー相を使用し、これは次の組成を有した:THF(77.3%)、ポリTHF(21.2%)、H3PW12O40(1.2%)、水(0.3%)。
この混合物200gから、60℃及び20ミリバールで水及びTHF合計151gが除去された。透明な粘性コンシステンシーを有する均一な残留物が残った。これに、無水THF150gを添加し、その際、大部分の予め溶かされていたH3PW12O40が沈殿した。濾過によりH3PW12O40 2.2gを分離した後に、ポリマー相に活性炭(Merck)20gを加え、室温で4時間振盪した。活性炭の分離及び真空中での濃縮の後に得られたポリTHF中で、H3PW12O40含有率は1ppm未満であった。
例2
ヨーロッパ特許第503393号明細書に従って、メタノールの存在下で触媒としてH4SiW12O40を用いてTHFを重合してポリテトラヒドロフランモノメチルエーテル(ポリTHFモノメチルエーテル)にする際に生じるポリマー相を使用し、これは次の組成を有した:THF(84.4%)、ポリTHFモノメチルエーテル(11.6%)、H4SiW12O40(2.2%)、メタノール(1.8%)。
この混合物200gから60℃及び20ミリバールでTHF及びメタノール合計170gを除去した。透明な粘性コンシステンシーを有する均一な残留物が残った。これに、無水THF150gを添加し、その際、大部分の予め溶かされていたH4SiW12O40が沈殿した。濾過によりH4SiW12O40 3.8gを分離した後に、ポリマー相に活性炭(Merck)20gを加え、室温で4時間振盪した。活性炭の分離及び真空中での濃縮の後に得られたポリTHFモノメチルエーテル中で、H4SiW12O40含有率は1ppm未満であった。
例3
ヨーロッパ特許第503394号明細書に従って、
ギ酸の存在下に触媒としてH3PW12O40を用いてTHFを重合させてポリテトラヒドロフランモノホルマート(ポリTHFモノホルマート)にする際に生じるポリマー相を使用し、これは次の組成を有した:THF(77.1%)、ポリTHFモノホルマート(17.6%)、H3PW12O40(2.4%)、ギ酸(2.9%)。
この混合物200gから、60℃及び20ミリバールでギ酸及びTHF合計155gを除去した。透明な粘性コンシステンシーを有する均一な残留物が残った。これに、無水THF100gを添加し、その際、大部分の予め溶かされていたH3PW12O40が沈殿した。濾過によりH3PW12O40 4.2gを分離した後に、ポリマー相に活性炭(Merck)20gを加え、室温で4時間振盪した。活性炭の分離及び真空中での濃縮の後に得られたポリTHFモノホルマート中で、H3PW12O40含有率は1ppm未満であった。
例4
ヨーロッパ特許第158229号明細書に従って、触媒としてH3PMo12O40を用いるTHF及びエチレングリコールの共重合の際に生じるポリマー相を使用し、これは次の組成を有した:THF(82.1%)、コポリマー(15.8%)、H3PMo12O40(1.6%)、エチレングリコール(0.5%)。
この混合物200gから、60℃及び20ミリバールでTHF及びエチレングリコール合計162gを除去した。透明な粘性コンシステンシーを有する均一な残留物が残った。これに、無水THF150gを添加し、その際、大部分の予め溶かされていたH3PMo12O40が沈殿した。濾過によりH3PMo12O40 2.5gを分離した後に、ポリマー相に活性炭(Merck)20gを加え、室温で4時間振盪した。活性炭の分離及び真空中での濃縮の後に得られたTHF及びエチレングリコールのコポリマー中で、H3PMo12O40含有率は1ppm未満であった。
例5
特開昭61−200120号公報に従って、水の存在下での触媒としてH3WO12O40を用いるカプロラクトン及びTHFの共重合の際に生じるポリマー相を使用し、これは次の組成を有した:カプロラクトン(54.3%)、ポリエーテルエステル(41.2%)、H3PW12O40(4.2%)、H2O(0.3%)。
この混合物200gから、60℃及び20ミリバールで水、THF及びカプロラクトン合計104gを除去した。透明な粘性コンシステンシーを有する均一な残留物が残った。これに、無水THF100gを添加し、その際、大部分の予め溶かされていたH3PW12O40が沈殿した。濾過によりH3PW12O40 6.8gを分離した後に、ポリマー相に活性炭(Merck)20gを加え、室温で4時間振盪した。活性炭の分離及び真空中での濃縮の後に得られたTHF及びカプロラクトンのコポリマー中で、H3PW12O40含有率は1ppm未満であった。
Claims (1)
- ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を、ポリエーテル、ポリエーテルエステル又はポリエステル、又はそれらの混合物と、水、アルコール及びカルボン酸から選択されるプロトン性化合物と、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩とを含有している混合物から分離する方法において、前記プロトン性化合物を該混合物から、膜分離法を用いるか、又は蒸留、所望であれば存在する任意の溶剤及び/又は未反応のモノマーと一緒に共沸蒸留により分離し、蒸留を実施して、存在する未反応のモノマー及び任意の溶剤を完全に除去し、かつ引き続きモノマーTHFの添加によってヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を実質的に純粋な形で沈殿させることを特徴とする方法。
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