JP3775073B2 - 自動二輪車のメータ取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車のメータ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車には車体の前部にカウリングを装着して走行中の空気抵抗の低減を図ると共に、ライダを走行風圧から守るようにしたものがある。カウリングは通常カウリングブレースを介して車体に取り付けられ、内部にはヘッドライトアッセンブリを備えている。また、カウリングブレースにはメータブラケットを介してメータユニットが例えばボルト等で締着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなカウリング装着車はヘッドライトのバルブを交換する際、カウリングの下側等から手を入れてバルブを交換する様になっているが、カウリングの内側とメータユニットとの間の隙間をパネル類で覆って外観を整えたものがあるため、これらのパネル類およびメータユニットが邪魔となってバルブの交換部が直接視認できず、バルブの交換作業が手探り状態となって困難であった。
【0004】
また、カウリングブレースのメータブラケットにメータユニットをボルト等で締着する際、カウリングがメータユニットの直上に位置するため、取付作業がしづらく、特にメータユニットの奥側は目視が困難で、しかも工具の入る余地がほとんどない状態である。
【0005】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、ヘッドランプバルブの交換作業性の向上を図った自動二輪車のメータ取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の他の目的は、メータユニットの取付作業性を向上させた自動二輪車のメータ取付構造を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動二輪車のメータ取付構造は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、車体フレームにヘッドパイプを設け、車体の前部にカウリングブレースを介してカウリングを取り付け、このカウリング内に後部からライトバルブを交換可能とするライトを上下に並設したヘッドライトアッセンブリを設けるとともに、上記カウリングブレースにメータブラケットを介してメータユニットを取り付けた自動二輪車のメータ取付構造において、上記カウリングブレース18を上記ヘッドパイプ7の前部に固定し、上記メータユニット23を上記メータブラケット22に着脱可能に取り付けると共に、上記メータユニット23を取り外した時に、上記カウリングブレース18の車体の幅方向に延びるブラケット取付チューブ24と上記カウリング5の上部に設けられたウインドスクリーン6との間から、上記ヘッドライトアッセンブリ20のライトバルブ交換部36を視認可能に構成したものである。
【0008】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、前記メータブラケット22は、前記ブラケット取り付けチューブ24の両端部からヘッドランプアッセンブリ20の上方を覆うように前方に延出し、メータブラケット22の左右両側に一対のヘッドライト取付けステー34を一体に設けると共に、ほぼ中央部にライトバルブ交換部36を臨む視認用開口部35を設けたものである。
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、前記メータブラケット22は前方のカウリングに近接した上側の位置と手前下方に離間した下側の位置にメータユニット取付け用の取付け穴29a,29bを形成すると共に、前記メータユニット23には前記メータブラケット22の上側の取付け穴29aに対応する位置の底面から下向きに突出する突起30を一体に形成し、この突起30をメータブラケット22上側の取付け穴29aに設けられた弾性体31に着脱可能に差し込む一方、メータユニットの下側をメータブラケット22下側の取付け穴29bに弾性体32を介して締着部材33で着脱可能に固定したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、この発明を適用した自動二輪車の一例を示す左側面図であり、図2はこの自動二輪車の前上部を拡大した部分断面図である。
【0011】
図1および図2に示すように、この自動二輪車1は、車体フレーム2を有し、この車体フレーム2の前方下部にエンジン(図示せず)を搭載する。エンジンの上方には燃料タンク3が配置され、その後方にシート4が設けられる。
【0012】
この自動二輪車1は車体の前部が流線形のカウリング5で覆われており、走行中の空気抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護とが図られている。カウリング5は例えば合成樹脂等の材料で成形され、カウリング5の上部には透明材料で形成されたウインドスクリーン6が設けられる。
【0013】
車体フレーム2の前方にはヘッドパイプ7が設けられ、このヘッドパイプ7には前輪8を回動自在に支持する左右一対のフロントフォーク9やフロントフェンダ10、ハンドルバー11等から構成されるステアリング機構12が設けられる。
【0014】
一方、車体フレーム2は、例えばツインチューブ型のもので、ヘッドパイプ7の直後で左右方向に拡開された後、互いに平行に後斜下方に延びる左右一対のメインフレーム13を有し、メインフレーム13の後端下部にはピボット部14が設けられる。
【0015】
ピボット部14にはピボット軸15が架設され、このピボット軸15にスイングアーム16がピボット軸15廻りにスイング自在に枢着されると共に、このスイングアーム16の後端に後輪17が回動自在に軸支される。
【0016】
図2に示すように、カウリング5は例えばカウリングブレース18を介してヘッドパイプ7に取り付けられる。カウリング5内には二個のライト19を上下に並設した二灯式のヘッドライトアッセンブリ20が設けられる。なお、いずれのライト19もその後部からライトバルブ21が交換可能に構成される。また、カウリングブレース18にはメータブラケット22を介してメータユニット23が着脱可能に取り付けられる。
【0017】
図3は、カウリングブレース18の左側面図である。また、図4はこのカウリングブレース18の平面図である。さらに、図5は図2のV矢視図である。そして、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【0018】
図3〜図5に示すように、カウリングブレース18は主に、車体の幅方向に延びるブラケット取付チューブ24と、このブラケット取付チューブ24の両端に設けられるカウリング取付チューブ25と、これらの取付チューブ24,25間に架設されるメータブラケット22とから構成され、センターチューブ26およびブレースホルダ27を介してヘッドパイプ7の前部に固定される。また、センターチューブ26、ブレースホルダ27およびブラケット取付チューブ24の接合部は補強部材28によって補強される。
【0019】
メータブラケット22は、例えば上下にそれぞれ二ヶ所、合計四ヶ所にメータユニット23取付用の取付穴29a,29bが形成される。図6に詳細に示すように、例えばメータユニット23の上側には突起30が一体に形成され、メータユニット23の陰になるメータブラケット22奥側の取付穴29aに設けられるゴム等の弾性体からなるグロメット31に着脱可能に差し込まれると共に、メータユニット23の下側はゴム等の弾性体からなるブッシュ32を介して例えばボルト33等の締着部材でメータブラケット22手前側の取付穴29bにメータブラケット22に着脱可能に固定される。
【0020】
また、メータブラケット22には左右一対のヘッドライト取付ステー34が一体に形成されると共に、両ステー34間で、メータブラケット22のほぼ中央には視認用開口部35が形成される。この視認用開口部35は、図5に詳細に示すように、ヘッドライトアッセンブリ20の例えば上側ライト後面のライトバルブ交換部36を臨む位置に開口される。
【0021】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0022】
通常、ヘッドライトアッセンブリ20のライトバルブ21を交換する際、作業者はカウリング5の下側等から手を入れてライトバルブ21を交換する様になっている。この時、メータユニット23が邪魔となってライトバルブ交換部36が直接視認できないが、メータユニット23をメータブラケット22に着脱可能に取り付けると共に、メータブラケット22にライトバルブ交換部36を臨む位置に視認用開口部35を開口したことにより、作業者はライトバルブ21を交換する時にメータユニット23を取り外すだけでライトバルブ交換部36が直接視認でき、交換作業性が向上する。また、ライトバルブ21の交換のみならず、その周辺のメンテナンス性も向上する。
【0023】
また、メータブラケット22にメータユニット23を固定する際、カウリング5がメータユニット23の直上に位置するため、取付作業がしづらく、特にメータユニット23の奥側は目視が困難で、しかも工具の入る余地がほとんどないが、取り付けが困難なメータユニット23の上側を、メータユニット23に形成された突起30をメータブラケット22奥側の取付穴29aに着脱可能に差し込む様にし、取り付けが比較的容易なメータユニット23の下側をボルト33等でメータブラケット22手前側の取付穴29bに着脱可能に固定するようにしたことにより、メータユニット22の取付作業が簡単になると共に、メータユニット23の固定も確実になる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る自動二輪車のメータ取付構造によれば、カウリングブレースを介して車体にカウリングを取り付け、このカウリング内にヘッドライトアッセンブリを設けると共に、上記カウリングブレースにメータブラケットを介してメータユニットを取り付けた自動二輪車において、上記メータユニットを上記メータブラケットに着脱可能に取り付けると共に、上記メータブラケットに開口部を形成し、上記メータユニットを取り外した時に上記開口部から上記ヘッドライトアッセンブリを視認可能に構成したため、ライトバルブの交換部が直接視認できて交換作業性を向上させる。
【0025】
また、メータブラケットにメータユニット取付用の取付穴を形成すると共に、メータユニットの上側に突起を一体に形成し、この突起をメータブラケット奥側の取付穴に設けられた弾性体であるグロメットに着脱可能に差し込む一方、メータユニットの下側をメータブラケット手前側の取付穴に弾性体であるブッシュを介して締着部材であるボルトで着脱可能に固定したため、メータユニットの取付作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車のメータ取付構造の一実施形態を示す自動二輪車の左側面図。
【図2】自動二輪車の前上部を拡大した部分断面図。
【図3】カウリングブレースの左側面図。
【図4】カウリングブレースの平面図。
【図5】図2のV矢視図。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 自動二輪車
5 カウリング
7 ヘッドパイプ
18 カウリングブレース
20 ヘッドライトアッセンブリ
21 ライトバルブ
22 メータブラケット
23 メータユニット
29a,29b メータユニット取付用の取付穴
30 突起
31 グロメット(弾性体)
32 ブッシュ(弾性体)
33 ボルト(締着部材)
35 メータブラケットの開口部
36 ライトバルブ交換部

Claims (3)

  1. 車体フレームにヘッドパイプを設け、車体の前部にカウリングブレースを介してカウリングを取り付け、このカウリング内に後部からライトバルブを交換可能とするライトを上下に並設したヘッドライトアッセンブリを設けるとともに、上記カウリングブレースにメータブラケットを介してメータユニットを取り付けた自動二輪車のメータ取付構造において、
    上記カウリングブレース18を上記ヘッドパイプ7の前部に固定し、上記メータユニット23を上記メータブラケット22に着脱可能に取り付けると共に、
    上記メータユニット23を取り外した時に、上記カウリングブレース18の車体の幅方向に延びるブラケット取付チューブ24と上記カウリング5の上部に設けられたウインドスクリーン6との間から、上記ヘッドライトアッセンブリ20のライトバルブ交換部36を視認可能に構成したことを特徴とする自動二輪車のメータ取付構造。
  2. 前記メータブラケット22は、前記ブラケット取り付けチューブ24の両端部からヘッドランプアッセンブリ20の上方を覆うように前方に延出し、メータブラケット22の左右両側に一対のヘッドライト取付けステー34を一体に設けると共に、ほぼ中央部にライトバルブ交換部36を臨む視認用開口部35を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のメータ取付け構造。
  3. 前記メータブラケット22は、前方のカウリングに近接した上側の位置と手前下方に離間した下側の位置にメータユニット取付け用の取付け穴29a,29bを形成すると共に、
    前記メータユニット23には前記メータブラケット22の上側の取付け穴29aに対応する位置の底面から下向きに突出する突起30を一体に形成し、
    この突起30をメータブラケット22上側の取付け穴29aに設けられた弾性体31に着脱可能に差し込む一方、メータユニットの下側をメータブラケット22下側の取付け穴29bに弾性体32を介して締着部材33で着脱可能に固定した請求項1または2に記載の自動二輪車のメータ取付構造。
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