JP3774505B2 - 中間調記録装置、中間調記録方法、インクタンク、ヘッドカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents
中間調記録装置、中間調記録方法、インクタンク、ヘッドカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な階調再現記録が可能な階調記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコンやワープロなどのOA機器が広く普及し、これら機器で入力した情報の出力も文字や線画などのいわゆる2値画像だけではなく、写真などの中間調画像の出力やカラー画像の出力をする機会が急速に増えてきている。
【0003】
これら画像を出力する出力方法として様々な記録方法や記録装置が開発されてきている。中でも、安価に高画質カラー記録が可能なインクジェット(IJ)記録方式が広く市場に受け入れられ始めている。このIJ記録装置を含め多くの普及版の記録装置では、上記中間調の記録を面積階調によって表現している。
【0004】
面積階調とは記録媒体上への記録面積を制御することで中間調再現を行う方法で、例えばIJ記録装置を例として説明すれば大きくはドット径変調方式と擬似階調方式の2種類に分類できる。ドット径変調方式は、記録する1ドットのインク吐出量を制御することで紙面上の1ドットの大きさを階調値に応じて制御し単位面積当たりの記録面積を制御する方法で、擬似階調方式はディザマトリックス法やED法(エラーディフュージョン法)など周知の階調再現方法が考案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の階調再現方法にあっては次のような不具合がある。
【0006】
1.ドット径変調手段にあっては現実的にドット当たりの吐出量の変調範囲は精々2倍程度であり、この程度の吐出量変調では中間調の再現能力としては不十分である。例えば80ng/ドットの吐出量での記録ドット径と8ng/ドットの吐出量での記録ドット径の紙面上で比較すると、1ドット当たりの吐出量は10倍違うにも拘らず紙面ドット径は2倍程度の差にしかならない。無論インクの組成によって若干の変動はあるにせよ、吐出量2倍程度の変調幅では紙面上での記録ドット径の制御による面積階調手段としてはとても十分とは言い難い。
【0007】
2.擬似階調方法、例えばディザマトリックス方法では既定のマトリックスサイズの中に記録するドットの数を制御する方法である。マトリックスサイズを大きくすることで階調再現能力も向上させることが可能であるが、事実上の解像度が低下し、文字や線画の先鋭度が悪化してしまう。さらには、特に低階調の画像部(ハイライト部)でドットの粒状感が違和感として生じる。前記ED法を用いれば解像度の低下は若干緩和されるがハイライト部での粒状感はドット濃度に起因して生じるので改善はされない。
【0008】
粒状感が目立たないように薄い淡インクを用いて記録する方法もあるが、むやみにインクを希釈して用いたのではハイライト部の粒状感は緩和できてもダーク部での最高濃度を満足できずに画像全体として高画質化は望めない。また、同色系統の複数の濃度のインクを記録インクとして用いる、いわゆる濃淡インク記録の方法がある。十分に薄いインクと十分に濃いインクを用いることでハイライト部の粒状感とダーク部の最高濃度を双方満足する記録方法であるが、この場合には階調再現において淡インク記録から濃インク記録への切り替わり部で粒状感が生じてしまう。すなわち十分に薄い淡インクで記録したハイライト画像の中に十分に濃い濃インクのドットを打ち込むと淡インク画像と濃インクドットのコントラストの差で粒状感が目立ってしまい、濃淡記録を行った効果が得られなくなる。無論、淡インクと濃インクのさらに中間濃度に希釈した中インクや、さらにそれらの中間の中淡インクや中濃インクなど、インクの希釈濃度の段階を増やしていけば解決できるが、記録ヘッドや記録インクを増やすことに伴い大幅なコストアップとなり実用化は困難である。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決し、実解像度を低減することなく、粒状感を抑制した高品位な中間調記録を行うことを最小限のインクの種類で可能とする中間調記録方法とこれによる中間調記録装置、中間調記録に適したインクタンク、ヘッドカートリッジおよびこれらを用いるインクジェット記録装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の中間調記録装置は、少なくとも1段階の濃度の色材を3種以上用いて、記録媒体に中間調記録を行う記録装置において、
前記3種の色材のうち、2種の色材はそれぞれ少なくとも2段階の濃度を有し、残りの1種類の色材は少なくとも1段階の濃度を有し、
前記2種の色材夫々について、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度の色材よる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記残りの1種の色材について、最低濃度の色材よる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0011】
この場合、前記2種の色材はマゼンタおよびシアンであるとしてもよい。
【0012】
また、前記3種の色材夫々の最低濃度の色材による記録明度は60以上であるとしてもよい。
【0013】
また、前記3種の色材が、黒を除いたカラーの記録インクであるとしてもよい。
【0014】
本発明の中間調記録方法は、少なくとも1段階の濃度の色材を3種以上用いて、記録媒体に中間調記録を行う記録方法において、
前記3種の色材のうち、2種の色材はそれぞれ少なくとも2段階の濃度を有し、残りの1種類の色材は少なくとも1段階の濃度を有し、
前記2種の色材夫々について、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度の色材よる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記残りの1種の色材について、最低濃度の色材よる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0015】
本発明のインクジェット記録装置は、少なくとも3種以上の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記3種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0017】
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0018】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0019】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、マゼンタ及びシアンの少なくとも2種の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
隣り合う段階の濃度のマゼンタインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、
隣り合う段階の濃度のシアンインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0020】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、少なくとも3種以上の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記3種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0021】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0022】
上記のインクジェット記録方法において、前記濃度の低いマゼンタインクによる記録明度が60以上であり、且つ前記濃度の低いシアンインクによる記録明度が60以上であるとしてもよい。
【0023】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、マゼンタ及びシアンの少なくとも2種の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
隣り合う段階の濃度のマゼンタインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、
隣り合う段階の濃度のシアンインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0024】
本発明のインクタンクは、上記のインクジェット記録装置で使用される複数のインクを収容する。
【0025】
この場合、収容するインクの種類を示すID情報が出力可能に構成されるとしてもよい。
【0026】
本発明のヘッドカートリッジは、上記のインクタンクを用いたヘッドカートリッジであって、
前記インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドを備え、
前記インクタンクに収容されるインクの種類を示すID情報が出力可能に構成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は上記のインクタンクを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記インクタンクに収容されるインクを吐出する記録ヘッドと、
前記インクタンクが出力するID情報により収容されるインクの種類を確認し、確認したインクの種類に応じて前記記録ヘッドの駆動条件を決定する打ち込み量制御部と、
を有することを特徴とする。
【0028】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、上記のヘッドカートリッジを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記ヘッドカートリッジを交換可能に載置する載置部と、
前記載置部に搭載されたヘッドカートリッジが出力するID情報により搭載されたヘッドカートリッジに収容されるインクの種類を確認し、確認したインクの種類に応じて前記記録ヘッドの駆動条件を決定する打ち込み量制御部と、
を有することを特徴とする。
【0029】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、2段階の濃度のマゼンタインクおよび2段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記2段階の濃度のマゼンタインクは、第1のマゼンタインクと前記第1のマゼンタインクよりも高い濃度の第2のマゼンタインクであり、
前記2段階の濃度のシアンインクは、第1のシアンインクと前記第1のシアンインクよりも高い濃度の第2のシアンインクであり、
前記第1マゼンタインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度と前記第2マゼンタインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度との差が35以内であり、且つ前記第1マゼンタインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記第1シアンインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度と前記第2シアンインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度との差が35以内であり、且つ前記第1シアンインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0030】
この倍、前記第2マゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度は1.0以上であり、
前記第2シアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度は1.0以上であるとしてもよい。
【0031】
また、前記第2マゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度は1.4以上であり、
前記第2シアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度は1.4以上であるとしてもよい。
【0032】
また、前記用いるインクとして、1段階の濃度のイエローインクを更に備え、
前記イエローインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差は35以内であるとしてもよい。
【0033】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、2段階の濃度のマゼンタインクおよび2段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、
前記2段階の濃度のマゼンタインクは、第1のマゼンタインクと前記第1のマゼンタインクよりも高い濃度の第2のマゼンタインクであり、
前記2段階の濃度のシアンインクは、第1のシアンインクと前記第1のシアンインクよりも高い濃度の第2のシアンインクであり、
前記第1マゼンタインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度と前記第2マゼンタインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度との差が35以内であり、且つ前記第1マゼンタインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記第1シアンインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度と前記第2シアンインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度との差が35以内であり、且つ前記第1シアンインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0034】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記マゼンタインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記シアンインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記イエローインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0035】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記マゼンタインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記シアンインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記イエローインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0036】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記マゼンタインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記シアンインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0037】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記マゼンタインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記シアンインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0038】
本発明の他の形態による中間調記録装置は、少なくとも1段階の濃度のインクを3種以上用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行う記録装置において、
前記3種のインクのうち、2種のインクはそれぞれ少なくとも2段階の濃度を有し、残りの1種類のインクは少なくとも1段階の濃度を有し、
前記2種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記残りの1種のインクについて、最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最高濃度のインクによって100%ベタ記録した場合の夫々光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0039】
本発明の他の形態による中間調記録方法は、少なくとも1段階の濃度のインクを3種以上用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行う記録方法において、
前記3種のインクのうち、2種のインクはそれぞれ少なくとも2段階の濃度を有し、残りの1種類のインクは少なくとも1段階の濃度を有し、
前記2種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記残りの1種のインクについて、最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最高濃度のインクによって100%ベタ記録した場合の夫々光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0040】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、少なくとも3種以上の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記3種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最高濃度のインクによって100%ベタ記録した場合の夫々光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0041】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の高いマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の高いシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記イエローインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0042】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の高いマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の高いシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記イエローインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0043】
本発明の他の形態によるインクジェット記録装置は、複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の高いマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の高いシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0044】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、マゼンタ及びシアンの少なくとも2種の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
隣り合う段階の濃度のマゼンタインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、且つ最高濃度のマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
隣り合う段階の濃度のシアンインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、且つ最高濃度のシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0045】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、少なくとも3種以上の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記3種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最高濃度のインクによって100%ベタ記録した場合の夫々光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0046】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の高いマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の高いシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0047】
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、マゼンタ及びシアンの少なくとも2種の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
隣り合う段階の濃度のマゼンタインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、且つ最高濃度のマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
隣り合う段階の濃度のシアンインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、且つ最高濃度のシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明による記録装置では、高画質な階調記録を行うためにほぼ同一色で明度の異なる有彩色の色材をそれぞれ記録する記録手段を有する。上記複数の記録手段は、複数の記録ヘッドを用いて記録を行う別体方式であってもよく、また1つの記録ヘッドで複数の濃度の記録を行う一体方式であってもよい。
【0055】
高画質な階調記録のためには、低中間調画像部(ハイライト部)から高中間調画像部(ダーク部)まで広い階調再現範囲と違和感のない階調のつなぎを実現することが重要である。広い再現範囲とは、言い替えれば再現可能な最高画像濃度が高いことであり、各色材のベタ画像濃度を一定値以上とすることで実現できる。また、違和感のない階調のつなぎとは定義が容易ではないが、一つの指標として周囲画像とのコントラストの差で定義できることを発明者らは見いだした。例えば記録媒体に記録ドットを印字する場合、記録媒体と印字ドットのコントラストがある一定以上となると画像にぼつぼつ感、ざらざら感(これを粒状感と称す)が気にかかり出す。コントラストの指標の一つとして明度差をあげることができるが、この明度差が25を超えると粒状感が意識され始め、35を超えると顕著に粒状感が感じられる。一般的なコピー用紙の明度は90前後であるので、この明度の記録媒体上に直接記録してもそのドットの粒状感が目立たないようにするためにはインクの記録明度は65以上であることが望ましい。よって、最も薄いインク(淡インク)による記録明度は65となるような記録インク(色材)を用いることとする。
【0056】
なお、前記記録明度とはCIE(国際照明委員会)が1976年に勧告した心理計測明度の定義で、通常L*で表記する値を意味する(今後特に明記しない場合、明度、色相、彩度はCIE1976での定義とする)。
【0057】
また記録明度の測定方法は、前記記録手段によって記録媒体上に記録した記録ドットの明度、または色材を100%ベタ記録した場合の記録領域の明度で、このときの光源は前記CIE定義の標準照明光D65である。
【0058】
また前記の通り、広い再現範囲を実現するために最高画像濃度を一定値以上と設定する必要がある。この最高濃度記録は高画質化を目的としたその記録装置固有の専用記録媒体であれば少なくとも測定色の補色フィルターを用いて測定する光学反射濃度(O.D)で1.4以上であることが望ましい。一般的なコピー用紙への記録であっても高画質を狙うためには前記O.Dで1.0以上は必要とされる。例えば後述する実施例についてY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)系のインクを用いてフルカラーを記録する系においては、Yインクは上記明度65以上のインクで濃度1.4が実現できる色相のインクなので、Y色材は明度85のインク1種類とする。M,Cインクは明度65に調整したインクではO.D1.4を達成できないのでこの明度65の記録明度となるM,C色材(淡インク)を1種類と、さらにO.D1.4を達成できるM,C色材(濃インク)を設定する。ここで、中間調記録ではハイライト部(低階調部)は上記淡インクで記録を行い、ダ−ク部(高階調部)記録に移るにしたがって濃インクによる記録を混在させて中間調記録を行う。濃インクを混在させた場合にこの濃インクによるドットの粒状感を目立たなくするためには淡インク記録部の明度と濃インク記録部の明度の明度差を前記同様望ましくは25以内、最大でも35以内になるように濃インクの明度(インク濃度)を決定する必要がある。実験の結果、濃インクによるM,Cの記録明度をおよそ50とすることで濃インク記録によるベタO.Dを1.4以上とすることができた。この記録明度50は淡インクとの記録明度の差が15と十分小さいので、淡インクと濃インクの中間濃度のインクをさらに使用することなく淡インク記録部に濃インク記録を混在していってもその粒状感は殆ど目立たないレベルとすることができる。したがって、この実施例の形態であればYは1種類、M,Cは各2種類の前記明度に調整したインクを用いることにより、低階調部から高階調部まで全ての中間調再現域において違和感のない階調のつなぎと広い階調再現範囲をもつ高画質階調記録装置を各色最小限の種類の(記録明度の)インク(色材)をもつことで可能になる。
【0059】
顕色性の概念としてはインクそのものの発色性の強さ、または記録媒体に描画された状態での発色の強さの度合いを示すものである。
【0060】
有彩色の場合は発色の強さの程度を表わすものであり、無彩色の場合は明るさの程度を表わすものである。そういう意味において、は同一の染料や顔料を用いている場合はインクの染料濃度であったりする。
【0061】
また、記録媒体に印字された状態で比較する場合においては光学反射濃度であったり、ほぼ同一色相での最大彩度であったりする。
【0062】
いわゆる光発色なものを優れた顕色性という位置付けとする。
【0063】
【実施例】
実施例1
次に実施例について図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施例では色材の種類は同一色相の色材を各1種類のみ有する記録装置についての例である。
【0064】
図1はインクジェット方式の記録装置を説明するための斜視図である。
【0065】
まず記録装置の全体構成を説明すると、図において、1001は紙またはプラスチックシートよりなる記録シートである。カセットなどに複数枚積み重ねられたシート1001が給紙ローラ(不図示)によって一枚ずつ供給され、一定間隔を隔てて配置され、それぞれ個々のステッピングモータ(図示せず)によって駆動する第一搬送ローラ対1003および第2搬送ローラ対1004によって矢印A方向に搬送されるように構成されている。
【0066】
1005は前記記録シート1に記録を行うためのインクジェット式の記録ヘッドである。1005aはK(ブラック)インクを記録する記録ヘッドであり、1005bはC(シアン)インクを記録する記録ヘッドであり、1005cはM(マゼンタ)インクを記録するヘッドであり、1005dはY(イエロー)インクを記録する記録ヘッドである。インクの濃度は各色1段階のみであり、不図示のインクカートリッジから各々供給されノズルから画信号に応じて吐出される。この記録ヘッド1005およびインクカートリッジはキャリッジ1006に搭載され、このキャリッジ1006にはベルト1007およびプーリ1008a,1008bを介してキャリッジモータ1023が連結している。したがって、前記キャリッジモータ1023の駆動により前記キャリッジ1006がガイドシャフト1009に沿って往復走査するように構成されている。
【0067】
前記構成により、記録ヘッド1005が矢印B方向に移動しながら画信号に応じてインクを記録シート1001に吐出してインク像を記録し、必要に応じて記録ヘッド1005はホームポジションに戻ってインク回復装置(不図示)によりノズルの目詰まりを解消するとともに、搬送ローラ対1003,1004が駆動して記録シート1001を矢印A方向に1行分搬送する。これを繰り返すことによって記録シート1001に所定記録行うものである。
【0068】
次に前記記録装置の各部材を駆動させるための制御系について説明する。この制御系は図2に示すように、例えばマイクロプロセッサなどのCPU1020a,このCPU1020aの制御プログラムや各種データを格納しているROM1000b、およびCPU1020aのワークエリアとして使用されるとともに、記録画像データなどの各種データの一時保管などを行うROM1020cなどを備えた制御系1020、インターフェース1021、操作パネル1022、各モータ(キャリッジ駆動用のキャリッジモータ1023、給紙モータ駆動用の給紙モータ1024、第1搬送ローラ対駆動用の第1搬送モータ1025、第2搬送ローラ対駆動用の第2搬送モータ1026)を駆動するためのドライバー1027、および記録ヘッド駆動用のドライバー1028からなる。
【0069】
上記制御部1020はインターフェース1021を介して操作パネル1022からの各種情報(例えば文字ピッチ、文字種類など)や、外部装置1029との画信号などのI/O(情報の入出力)を行う。また前記制御部1020はインターフェース1021を介して各モータ1023〜1026を駆動させるためのON,OFF信号、および画信号を出力し、この画信号によって各部材を駆動させる。
【0070】
前記記録装置では360dpi(dot/inch)の解像度で記録が行われる。記録ヘッドの解像度も360dpiで、各ヘッド1列に64ノズルの記録ノズルを有している。各ノズルから吐出される記録液滴は各ヘッド共通でおよそ40ngで一般的なコピー用紙に記録された場合の記録ドット径は約90μmである。したがって、縦横360dpiの格子点に各1ドット印字することで記録媒体の印字エリアが全面記録インクで覆われることとなる。(この印字比率で印字を行うことを以下「100%ベタ印字」と略記する)
本記録装置で対象としている記録媒体は、前記一般的なコピー用紙と、表面にインクを保持するコート層が設けられているインクジェット専用紙である。前記コピー用紙で前記100%ベタ印字を行った場合の光学反射濃度(O.D)が1.0以上、かつインクジェット専用紙で100%ベタ印字を行った場合の光学反射濃度(O.D)が1.4以上となるインク組成を表1に記す。Yインクの染料濃度(重量%)が3.0%で、他のK,C,Mインクの染料濃度は3.5%となっている。溶剤は表1に記す比率の通り、グリセリン、アセチレノール、尿素と純水からなる。
【0071】
【表1】
上記インクで前記インクジェット専用紙に記録を行った場合のO.Dと記録明度の関係を表2に記す。
【0072】
【表2】
表中「1倍」と記載されている列の値が上記インクで記録を行った場合の実験結果で、「100%」と記載されている行の値が前記100%ベタ印字を行った場合の値である。ちなみに「200%」は縦360dpi、横720dpiの格子点に各1ドット印字した場合の結果であり、単位面積当たりの記録ドットの打ち込み量は100%ベタ印字の場合の2倍となる。表1から明らかなように、100%ベタ印字時の各色の記録O.Dは、欄斜線左上にあるようにCインクが1.50、Mインクが1.42、Yインクが1.41でいずれも1.4を超えており、最高画像濃度が十分に高いことから高画質な階調記録を行う上で重要な1要素である階調再現範囲は十分に広くとることが可能となる。しかし、同表の同欄斜線右下に記すように記録明度はYが88.8と十分に高い明度を示しているのに比べ、Cが52.1、Mが46.2といずれも60を下回っている。該インクジェット専用の記録媒体の明度は94.2であり、記録媒体とC,Mインクの記録明度との差はそれぞれ42.1,48.0とかなり大きい差となる。前述の通り、記録明度差が35を超えると著しくドットの粒状感が出てしまうことから、階調再現において、特にハイライト部での階調再現で違和感のない滑らかなつなぎは期待できない。表2において、3倍、4倍、5倍と記している列がこのインクの希釈時の結果である。ここで、3倍とは前記1倍時の染料濃度を3分の1にしたインクで、4倍、5倍は各々4分の1、5分の1に染料濃度を下げたインクを表わす。同表に記した実験結果からも明らかなように、染料濃度を低下させることによって記録明度(斜線右下)は上げられ、粒状感も低減できる。しかし、希釈倍率を上げればそれに応じて100%ベタ記録時の濃度が落ちて、結果として階調再現の総合画像品位としてはトレードオフとなる。
【0073】
しかし、本実施例では階調再現性の品質を左右する上記ハイライト部での粒状感と最高画像濃度のバランスを定量的に判断し解を導く。すなわち、各色の記録明度が60以上になるようにY,M,Cのインクの染料濃度を決定する。記録明度を60以上とするのは、記録媒体との明度差を35以内(L*≦35)とするためである。1つの記録装置で対象とする記録媒体は通常1種類ではない。また、一般にユーザーが手に入れられるコピー用紙は多種多様であるので、ただ1つの媒体との明度差のみにとらわれてインクを設定することは適当ではない。しかしコピー用紙は多種多様ではあるがそれらの媒体明度はおよそ85から90の範囲であり、また上記インクジェット専用紙の媒体明度はおよそ90から95である。したがって最も厳しいインクジェット専用紙の媒体明度95であっても記録インクの記録明度を60以上に合わせておけば、殆どのコピー用紙、インクジェット専用紙で明度差25から35を達成できる。前記の通り明度差25は粒状感をなくすのに望ましい範囲であり、明度差35は粒状感を許容できる範囲であり、したがって記録明度を60以上とすることにより大半の記録媒体に対して最適な希釈濃度を決定できる。
【0074】
本実施例ではC,Mともに希釈倍率を3倍とすることによりC,M記録明度を60以上とすることが可能となる。したがって大半の記録媒体との明度差を35以内とでき、ハイライト部での階調再現においても違和感のない滑らかな階調のつなぎが達成できる。表3は上記条件を満たす各色インクの染料濃度である。C,Mインクの染料濃度が3.5%から3分の1の1.2%に下げられ、溶剤中の純水の重量%が73%から75.3%に変更されている。
【0075】
【表3】
上記C,Mの希釈インクを用いて100%ベタ印字を行った場合のO.Dは表2に示すようにそれぞれ0.9と0.75で決して、十分とは言えない。よって、本実施例では単位面積当たりに打ち込むインクの打ち込み量を増加させることで最高濃度の底上げを行う。1ドットの記録のドット径は前記の通り一般的なコピー用紙でおよそ90μmであり、記録解像度が360dpiであることを考慮すればベタ印字は前記100%ベタ印字で十分である。すなわち100%ベタ印字で記録媒体上の記録部は全面記録インクで覆うことができる。通常、前記面積階調で階調性を再現する場合、最高濃度は記録部の記録媒体を全面記録ドットで覆い尽くす時点を最高濃度と定めているが、記録媒体は必ずしも100%ベタしかインクを受容できないわけではない。実験では多くのコピー用紙が300%ベタまでインクを受容できた。よって、最高濃度をベタ300%印字すると、表2に記す通りCでO.D1.62、MでO.D1.42まで前記3倍インクで達成できる。Yは前記の通りインクを希釈しないので、前記表3の組み合わせのインクで記録明度、特にハイライト部で粒状感として問題となる記録ドット明度をC,M,Y通して35以下、画像最高記録濃度はC,M,Yと通して1.41以上が達成できる。
【0076】
なお、無彩色のK(ブラック)インクでは表3の染料濃度では記録明度28.5であり60を大きく下回っているが、KはC,M,Yインクを用いて薄いグレーを合成することができることと、性質的に無彩色のKは有彩色のカラー色相とは異なり、粒状感よりも黒文字や黒罫線を高コントラストで出力することが求められる色であり、必ずしも記録明度60以上を求められはしない。よって、本実施例ではKは高濃度のインクのままとするが、もちろん記録明度60以上、あるいは低階調の無彩色はC,M,Yインクの合成で記録することを考慮して記録明度60以下ではあるが現状の28.5よりも希釈したKインクを用いる方式であってももちろんよい。
【0077】
また、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の2次色などについては濃度、明度について言及していないが、例えば低階調部の2次色領域では画素単位では2つの色のドットを重複させずに面として2次色を生成するなど、1次色(C,M,Y)の濃度、明度が高画質階調再現できる仕様であれば、その組み合わせで作る2次色以降の色についても高画質階調再現が可能であることは当業者であれば容易に理解できるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0078】
300%ベタ印字の方法も、例えば360dpi画素に複数バスで印字を行うことによる4値記録(画素単位で印字しない、1ドット印字、2ドット印字、3ドット印字などの印字方法)の方法や、例えば横解像度を1080dpiとして単位面積当たりのインクの打ち込み量を360dpi時の3倍にすることで300%ベタ印字を行うなど、やはり当業者であれば複数の実現手段があることは容易に理解できよう。
【0079】
前記のように、有彩色を記録する全ての記録色材の記録明度を60以上(L*≧60)とすることで、前述の低階調部から高階調部まで全ての中間調再現域において違和感のない階調のつなぎと広い階調再現範囲をもつ高画質階調再現を実現した記録装置を同一色相で明度の異なる複数のインク(色材)を容易に提供できる。
【0080】
実施例2
次に、さらに高画質な階調記録が可能な他の例について説明する。実施例1では、ほぼ同一色相のインク1種類ずつで高画質階調記録を行うことが可能なインク組成の例について説明した。これは、前記の通り高画質階調記録は可能であるが高濃度画像の出力を実現するために対象記録媒体の許容受容範囲内で単位面積当たり多くのインクを打ち込む仕様であった。しかし、インクの打ち込み量を多くすると使用インク量が増大してランニングコストが増大する。また、インクタンクの交換頻度が増すなど操作上の煩わしさが増す。さらには、ページ当たりの印字ドット数が増大するので記録ヘッドの寿命も短命化してしまうなど、特に大量の印刷行う現場では無視できない差となって現れる場合もある。
【0081】
しかし、本実施例では単位面積当たりの打ち込みドット数を低減し上記問題を抑制した記録装置を実現する。本実施例では高画質階調記録が実現できる条件の下で、かつ、ベタ100%印字で最高濃度が達成できるようにほぼ同一色相に明度の異なる複数の記録明度インクを設定する。
【0082】
高画質階調記録を実現する条件とは、前述したように低階調部から高階調部まで全ての中間調再現域にいおいて違和感のない階調のつなぎが達成でき、広い階調再現範囲を有することである。具体的本実施例では、ほぼ同一色相の階調記録を行う場合に打ち込むドットの記録明度と周囲明度との明度差が35以内(最高明度の色材による記録明度と記録媒体の明度差が35以内であることを含む)で、最高濃度はインクジェット用の専用用紙では光学反射濃度(O.D)で1.4以上、一般的なコピー用紙であれば1.0とする。
【0083】
インクの選定はまずベタ100%印字で光学反射濃度が1.4以上を実現できる範囲から選択する(但し記録媒体はインクジェット専用紙)。本実施例では表1、表2を用いて説明したようにこの条件を満足するインク濃度としてC3.5%,M3.5%,Y3.0%(K3.5%)とする。これにより該インクによるベタ100%印字で1次色のO.DはC画像1.5、M画像1.42、Y画像1.41を達成することができる(これら濃度のインクを便宜上濃インクと称す)。
【0084】
次に、上記濃インクでは改善できない高画質階調再現、すなわちハイライト部などでの粒状感のない滑らかな階調つなぎの方法を考える。濃インクでの記録明度は表2に記す通り、C,M,Yはそれぞれ52.1,46.2,88.8である。前述の通り、記録明度の記録ドットを印字しても粒状感が目立たないためには背景(すなわち既に記録した画像)との明度差が35以内(望ましくは25以内)でなくてはならない。よって、濃インクよりも濃度の低いインク(便宜上淡インクと称す)の明度はC,Mそれぞれ87.1,81.2以下の範囲で選択できる(望ましくは明度差25以内であるのでC77.1以内、M71.2以内の記録明度である方がより好ましい)。また、淡インクでの記録明度は濃インクでの記録明度との明度差のほか、記録媒体との明度差も考慮しなくてはならない。本実施例で想定する記録媒体は実施例1同様の最大明度95である。よって、濃インク記録明度と記録媒体明度の中間に淡インクの記録明度を設定することで双方との明度差を許容範囲内に設定できる。したがって、C,Mの淡インクを表2の4倍、3倍とする。すなわち、Cの淡記録明度が73.0、Mの淡記録明度が65.0となる。Yは濃インクで濃度、明度双方を満足しているので淡インクを設定する必要はない。
【0085】
上記濃インク、淡インクの設定で、C画像に関しては媒体と淡記録画増間の明度差が22(95−73)、淡記録画像と濃記録画像間の明度差が20.9(73.0−52.1)、そして最大記録濃度(光学反射濃度O.D)が1.50となる。また、M画像に関しては媒体と淡記録画像間の明度差が30、淡記録画像と濃記録画像間の明度差が18.8、そして最大記録濃度(光学反射濃度O.D)が1.42となる。またY画像に関しては媒体とY画像間の明度差が6.2、そして最大記録濃度(光学反射濃度O.D)が1.41となる。全ての記録画像に関して前述の高画質階調記録の条件を満足させることができている。C,M淡インク組成を表4に記す。
【0086】
【表4】
Mの階調再現を考えると、媒体とM淡画像間の明度差が、M淡とM濃画像間の明度差より明度差で10以上大きく、M淡インクはもう少し明度が高い方がより好ましい場合が多いので、M淡インクの染料濃度を調整してもよいが、上記設定でも前記高画質階調記録の条件に入っているので問題はない。
【0087】
本実施例では、記録画像の最高濃度1.4以上と定めた点と、記録媒体を一般的なコピー用紙とインクジェット専用記録紙と定めた点と、インクを表1で定めた組成としたことなどの前提で、C,M,Yのインクの種類がたまたまC,Mが2種類、Yが1種類となったが、この前提を変えればインクの種類はいろいろな組み合わせで各々必要な種類数がまた別に決まってくる。前提がどうあれ、媒体間、各々のインク間の記録明度差が35以上(望ましくは25以内)の条件でインク組成(色材組成)を調整することで本発明の効果である高画質階調記録は実現されるものであり、本発明が本実施例の前提条件、および該条件の下での最適組み合わせの一例に限定されるものではもちろんない。但し、明度はその定義上最大値が100であり、記録装置が記録媒体に印字する系であれば、事実上存在する記録媒体の明度の最大値はおよそ95程度と判断できる。よって最大の記録明度として60以上の明度の記録ができる色材(淡色材)を有することで、殆どの場合記録媒体と淡色材による記録画像間での粒状感は抑制できる。
【0088】
また、実施例ではインクの組み合わせはC,M,YおよびKからなる組み合わせで例示したが、例えばR,G.Bの組み合わせであっても、また別の組み合わせであっても、さらには色相的には1種類のモノカラーの記録装置にあっても、高画質階調記録を行う上で本発明は適用できる。
【0089】
前述の「同一色相で明度が異なる色材(インク)」とは、同一色相の階調記録時に、主に低階調部(ハイライト部)の記録を行うときに用いる高明度色材と、主に高階調部(ダーク部)の記録を行うときに用いる低明度色材を、同一色相で明度が異なる色材を称している。よって、同一色相の階調記録時に用いる明度の異なるインクとは必ずしも2種類と限定されるものではない。同一色相の記録を行う明度の異なる色材を3種以上有する場合の構成および作用効果は前記実施例と同様であるので説明は省略する。
【0090】
実施例3
次に、本発明の他の実施例について説明する。以下に説明する実施例では「同一色相で明度が異なる色材(インク)」をインク色素濃度が異なるものとし、異なるインクカートリッジに収容して記録(プリント)を行うものである。以下、本実施例を説明する前に、本実施例の特徴を説明する。
【0091】
(1) カートリッジ交換によるインク色素濃度の変更に伴い、IDによる識別または設定入力により、打ち込み量、または最大打ち込み量の少なくとも一方をその色素濃度の組み合せに応じて変更する。こうして記録媒体上に吐出する色剤量の値または最大値を変更する手段を有している。
【0092】
(2) さらに改良された形態としては相対的に色素濃度の低い色剤を用いている場合、単純にその色素濃度の比に応じて最大打ち込み量を増加するのではなく、各ピクセル毎に1次色、2次色成分に色分解し、これらn次色のそれぞれ毎に色剤の最大打ち込み量を決定する。この決定に際して、単純に最大打ち込み量を増加させるのではなく、それぞれ独立に打ち込み量を制限しながら増加させ、各n次色に対してそれぞれ得られる最大打ち込み量まで引き上げることを特徴とする。これにより、相対的に色素濃度の低い色剤を用いても、1次色、2次色のいずれにおいても、相対的に色素濃度の高い色剤を使用した場合とはほぼ同等の光学反射濃度を得ることができ、しかも打ち込むインク量の増加を抑え、かつランキングコストを抑えることを可能にしている。
【0093】
(3) プリンタドライバ等に代表される色処理モジュールからの出力に対し、記録に使用する色剤の色素濃度に応じて、各色の記録データを2値データとするか、多値データとするか切り替え可能である。更に、階調性のより必要なモードに対しては、多値データ或は高解像度データでの出力を行える機能を有する。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0094】
図3は、本実施例のホストコンピュータ100と記録装置(インクジェットプリンタ)200とを含む記録システムの機能構成を説明する図である。
【0095】
図3において、ホストコンピュータ100では一般的に、OS(オペレーティングシステム)101と、そのOS101上で動作するアプリケーション・ソフト102との間で各種データのやり取りや制御が行なわれ、記録データはOS101とアプリケーション・ソフト102およびプリンタドライバ103との間でやり取りされ、プリンタドライバ103を介して記録装置200に伝送される。
【0096】
以下、ピクトリアル画像を扱うアプリケーション・ソフト102を使用して、記録装置200でカラー画像のプリントアウトを行う場合のデータの流れについて説明する。
【0097】
アプリケーション・ソフト102上で作成・編集された画像データは、ピクトリアル画像の場合、多値のRGB信号としてプリンタドライバ103に送られる。このプリンタドライバ103では、アプリケーション・ソフト102から受け取った多値のRGB信号を色処理をし、更にハーフトーン処理を施し、通常は2値のC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)信号に変換してホストコンピュータ100の記録装置200用のインターフェース、或はファイル用の記憶装置等のインターフェースに送り出す。
【0098】
本実施例では、記録装置200へのインターフェースに信号を出力し、記録装置200のコントローラソフト201にデータを送って、記録モードやインクカートリッジ203との整合性等をチェックする。その後、エンジンソフト202にデータを受け渡す場合を示している。エンジンソフト202では、この受け取ったデータを、コントローラソフト201により指定された記録モードやデータ構造として受け取り、記録データを吐出用パルスに変換してインクカートリッジ(記録ヘッド)203に送り出す。これによりインクカートリッジ203から色剤が吐出されて記録を行うように構成されている。逆にヘッドカートリッジ203のID情報ないし、インクタンクID情報等は、エンジンソフト202へ送られ、ヘッドカートリッジ203の情報に基づいて、メモリーの割り当てや、各種の最適化が成される。さらにその情報はコントローラ部に送られ、印字命令等が参照されて、プリンタドライバー103から送られるデータのデコード等するための情報に用いられる。
【0099】
図4は、本実施例の好適なカートリッジ交換式のインクジェット記録装置200の機械的構成を示す図で、インクジェット記録装置のフロントカバーを取り外して、装置構成の中が見えるようにした状態を示している。
【0100】
図4においては、1は交換式のインクカートリッジ(図3の203に相当)で、このカートリッジ1はインクを収容するインクタンク部分と記録ヘッドとを備えている。2は載置部であるキャリッジユニットで、インクカートリッジ1を装着して左右方向に移動して記録を行う。3はインクカートリッジ1を固定するためのホルダであり、カートリッジ固定レバー4に連動して作動する。即ち、インクカートリッジ1がキャリッジユニット2内に装着されてから、カートリッジ固定レバー4を作動することでインクカートリッジ1をキャリッジユニット2に圧着するように構成されている。これによりインクカートリッジ1の位置決めと、インクカートリッジ1とキャリッジユニット2との間の電気的なコンタクトを得ようとするものである。5は電気信号をキャリッジユニット2に伝えるためノフレキシブルケーブルである。6はキャリッジモータで、その回転によりキャリッジユニット2を主走査方向に往復動作させる。7はキャリッジベルトで、キャリッジモータ6によって移動するように駆動され、キャリッジユニット2を左右方向に移動させている。8はキャリッジユニット2を摺動可能に支持するためのガイドシャフトである。9はキャリッジユニット2のホームポジションを決めるためのフォトカプラを備えるホームポジションセンサである。10はホームポジションを検出させるための遮光板で、キャリッジユニット2がホーム位置に到達すると、そのキャリッジユニット2に設けられたフォトカプラを遮光することにより、キャリッジユニット2がホーム位置に到達したことが検知される。12は、インクカートリッジ1の記録ヘッドの回復機構等を含むホームポジションユニットである。13は記録媒体を排紙するための排紙ローラで、拍車ユニット(不図示)とで記録媒体を挟み込み、その記録媒体を記録装置外へ排出させるためのものである。14はLFユニットで、記録媒体を決められた量だけ副走査方向へ搬送するユニットである。
【0101】
図5は、本実施例で用いられるインクカートリッジ1の詳細図である。
【0102】
図において、15は交換式の黒(Bk)のインクタンクである。16はC,M,Yの各色剤であるインクを収容している交換式のインクタンクである。17はインクタンク16の連結口(色剤供給口)で、インクカートリッジ1と連結して色剤を供給している。18はインクタンク15の連結口(色剤供給口)である。色剤供給口17,18は、供給管20に連結されて記録ヘッド部21に色剤を供給する様に構成されている。19は電気信号のコンタクト部であり、フレキシブルケーブル5と接続されて、各種信号をインクカートリッジ1に伝える様に構成されている。
【0103】
図6は、インクカートリッジ1のコンタクト部19の詳細図である。
【0104】
このコンタクト部19には複数の電極パットが設けられており、このコンタクト部19の電極パットを通して、インク吐出に関する信号や、インクカートリッジ1を認識するためのID信号等が、インクジェット記録装置本体とやり取りされる。
【0105】
図7は、本実施例で用いられるインクカートリッジ1におけるインクタンクの種別を検知する別の方法を説明する図である。
【0106】
インクタンク15,16がインクカートリッジ1に装着され、フック70とタンクの突起73とが係合することによりカートリッジ1上にインクタンクが固定される。このフック70の力が作用する方向に、装着されたインクタンクの種類を検知するためのコンタクト部71が設けられている。このタンク検知用コンタクト部71は、インクカートリッジ1側とインクタンク15,16側の双方に設けられている。72は、そのコンタクト部71を拡大して示す図で、電極パット1、電極パット2、電極パット3の3つの電極パットが設けられている。この図には示していないが、インクカートリッジ1側も同様の電極パットが同数設けられており、コンタクト部71において電気的に接続されている。ここで、インクタンク15,16側のコンタクト部において、電極パット1、電極パット2は通電可能な状態になっているが、電極パット3は絶縁されているものとする。例えば、このような状態を通常のインクが注入されているインクタンクとする。これらの電極パットと接触している、カートリッジ1側のコンタクト部を介して、本実施例のインクジェット記録装置は、これらの電極パットに通電することにより、取り付けられているインクタンクが、どのような種類のインクを収容しているかを検知することができる。
【0107】
即ち、図7の例では、電極パット1と電極パット2の間には電流が流れるが、電極パット1と電極パット3および電極パット2とパット3との間には電流が流れない。この状態を予め、通常のインクタンクが取り付けられているとしてインクジェット記録装置本体がROM等に記憶させておく。これに対して、淡インクを注入しているインクタンクでは、例えば電極パット3を通電可能な状態にしておくことにより、通常のインクタンクと異なっていることを識別することが可能となる。
【0108】
また、本実施例の形態では、インクタンクを識別するための電極パットの数を3つとしているが、これら電極パット数を多くすることにより、より多くのインクタンクの種類を識別することが可能となる。
【0109】
更に、図6に示したコンタクト部19を介して導通状態を調べることにより、インクカートリッジ1が交換されたかどうかを検地することも可能である。
【0110】
図8は、本実施例のプリンタドライバ103における画像処理モジュールでの画像処理の一例を示すフローチャートである。
【0111】
まずステップS101で、RGBの輝度信号、即ち、RGBのそれぞれが8ビットで、計24ビットの入力信号に対し、CMY信号、即ち、CMYのそれぞれが8ビットで計24ビット、またはCMYKの計32ビットの濃度信号に変換する輝度濃度変換を行う。次にステップS102ではマスキング処理を行い、CMYの各色剤の中の色素の不要な色成分に対する補正処理を行う。次にステップS103に進み、UCR/BGR処理を行い、下地色除去と黒成分の抽出を行う。そしてステップS104では、各ピクセルに対して、1次色、2次色それぞれ別の打ち込み量に制限する。ここでは、1次色は300%、2次色は400%までに制限する。
【0112】
次にステップS105では、出力ガンマ補正を行い、その出力特性がリニアになるように補正する。ここまでは各色8ビットの多値出力で行う。次にステップS106に進み、8ビットの信号に対してハーフトーン処理を行って、CMYKの各色のデータを、1ビット乃至2ビットの信号に変換する。この際、ステップS106では誤差拡散法やディザ法等を用いたりしてハーフトーン処理が行われる。
【0113】
図10は、インクカートリッジ1のコンタクト部19からのヘッド識別信号、またはインクタンクの識別信号(ID信号)より記録装置の制御部において切り替えて実行される制御内容を分類して示す図である。
【0114】
本実施例ではIDによる識別を4種類として、その内の3種類(カラーの場合)のみを示している。ID=0(不図示)は、モノクローム専用カートリッジを表し、ID=1,2,3の場合はカラーカートリッジの場合を表わしている。図7は、カラーカートリッジの場合について分類した例を示す図である。ここではID番号が大きくなるほど、各色剤中少なくとも一つの色素濃度が低くなるように設定されている。
【0115】
本実施例では、ID=1のカートリッジを、従来のカラープリンタが使用している色素濃度(高濃度)のインクカートリッジとする。ID=2は、本実施例で用いるイエロー以外の色剤の色素濃度が低いインクカートリッジまたはインクタンクの場合を示している。ID=3は、本格的なピクトリアル画像を記録するために本実施例で用いる、更に色素濃度の低いインクを収容しているインクカートリッジまたはインクタンクの場合を示している。
【0116】
このように規定されたそれぞれのIDの値により、まず、色素濃度が異なることを認識をする。ここでいう色素濃度の違いと言うのは、各1次色における最大光学反射濃度の違いであり、色素そのものの変更を伴っても良い。そういう意味においては、これらIDの値は各1次色の色剤の最大光学反射濃度の走、または彩度の最大値差ともいえる。尚、本実施例では説明を簡単にするために、色素濃度の差としている。
【0117】
ID=1とID=2では、イエローが同じ色素濃度(2.5%)で、ID=2のマゼンタの色素濃度がID=1の場合の1/3で、同じくシアンの色素濃度が1/3、K(Bk)の色素濃度を約1/2としている。また、ID=1とID=3では、イエローが同じ色素濃度(2.5%)で、ID=3のマゼンタの色素濃度がID=1の場合の約1/4で、同様にシアンの色素濃度が約1/4、K(Bk)の色素濃度が約1/4となっている。
【0118】
図9に示すように本実施例では、色素濃度を1/2にすると光学反射濃度が約76%になり、色素濃度を1/3にすると約60%に、色素濃度を1/4にすると約53%に、色素濃度を3/4にすると約90%の光学反射濃度が得られる関係にある。この関係は色の種類によらずほぼ同一であった。
【0119】
図10において、「データ」で示す部分は、各IDにおいてプリンタドライバ103から記録装置200に対して送られるデータの構造の深さを示すものである。これは色剤中の色素濃度の変更に伴い、記録データの階調数を上げながら、更に、最大打ち込み量を変更するための変更である。このときインクカートリッジによる色剤の吐出量の変更を伴う変更を加えても良い。この場合も基本的には、単位面積当たりどれだけの色剤、更に言えば色素を打ち込んだかにより決定されるものであり、これも本発明の範疇とする。本実施例では、インク吐出量が一定の場合で説明する。この実施例では、IDの値に関係なく解像度を360×360dpiとし、ID=1では2値データ、ID=2では4値データ、ID=3では5値データとしている。階調数を上げる他の実施例としては、各IDに対してデータ階調数を2値に固定して、解像度を上げていっても、ほぼ同等の効果が得られる。
【0120】
次に図10における[対応メディア]は、各IDのインクカートリッジ1に対して対応可能なメディア(記録媒体)を示すものである。
【0121】
この対応メディアの選択の基準は、色々な角度から考えられるが、ここでは最大の色剤吸収量の差によって区別している。本実施例では、ピクトリアル用メディア(ピクトリアル紙)が色剤吸収量が最大で約500%であり、コート紙がそれについで多く約400%である。また普通紙が最小で、約200%となっている。
【0122】
更に、図10における「最大打ち込み量」は、CMYKおよびRGBでそれぞれ異なっている。この数字はプリンタドライバ103内で制限される各ピクセル毎の最大の打ち込み量を示すものである。不変的な表現としては各濃度に対する色剤の面密度を変更して同一濃度を示す部分においては色素量が約同等となるように変更を加えるものである。本実施例(ID=2,3の場合)での特徴は、従来の場合(ID=1)に比べて、1次色(CMYK)に対して2次色(RGB)の最大打ち込み量が2倍になっていない点にもある。
【0123】
図10から明らかなように、「色素濃度」と「最大打ち込み量」の変更の関係には以下のような関係がある。
【0124】
有彩色であるシアン、マゼンダ、イエロー(以降C,M,Y)において、異なるID間で、略同一色相(略同じ色)の色剤の色素濃度を比べたとき、少なくとも一つの色素濃度の高い色剤と、色素濃度の低い色剤の比率を求め、その比率の最大値と最小値を足した値以上に、最大打ち込み量を変更する。
【0125】
例えばID=1のカートリッジとID=2のカートリッジとを比較した場合、略同一色相で色素濃度の比率の一番大きい色剤はCとMである。この比率はMでは“3”であり、Cの場合も“3”となる(最大値)。そして最小値はYの場合で“1”となる。よって、これら最大値と最小値との合計を求めると“4”となる。従って、この場合は最大打ち込み量は、4(=3+1)倍以上、即ち、400%以上となる。具体的には、ID=2の場合、ID=1の場合に対して、1次色(CMY)は3倍の“300%”、2次色(RGB)では4倍の“400%”とする。
【0126】
このように最大打ち込み量を決定することにより、1次色のC,Mの場合は、ID=1の場合のように高い色素濃度のインクを収容しているインクカートリッジを使用した場合と略同等の光学反射濃度の画像を得ることができる。また、Yの場合は、ID=1の場合と同様であるため“100%”のままで良いことになる。即ち、図6の例で説明すると、染料濃度が1/3のインクを3回吐出して記録すると、その吐出された染料の量は約3倍となり、希釈液等の水分は記録媒体に吸収されたり蒸発するので、結果的に略3倍の光学的反射濃度が得られると考えられる。また図6からも明らかなように、染料濃度値が2/3以上では反射濃度が“0.9”以上となってほぼ飽和した状態となるため、染料濃度による反射濃度の差異がほとんど目立たなくなる。
【0127】
次に2次色、例えばレッド、グリーン、ブルー(以降R,G,B)の場合を考える。この2次色により示された最大打ち込み量は、対応するメディア(記録媒体)のインク吸収度に対応している。即ち、図7の例では、普通紙が最も吸収度が低く(200%)、次いでコート紙(400%)、最もインク吸収度の高いのがピクトリアル紙(500%)である。
【0128】
まず、Rについて考えると、Rはインクの色素を用いて(M+Y)で表現される。ここで、前述したように、Yは色素濃度が高い(明度が高い)ために最大打ち込み量は100%である。また、Mは最大打ち込み量が300%に設定されている。よって、R、即ち(M+Y)は400%で表され、ID=1の場合のRの値と略同等の光学反射濃度を得ることができる。同様に、Gに関しても(C+Y)より、Cは最大打ち込み量が300%に設定されている400%となり、ID=1の場合のGと略同等の光学反射濃度の画像を得ることができる。更に、Bの場合は(C+M)から(300%+300%=)600%となるが、このようにすると、インク打ち込み量が増える割には光学的反射濃度が上がらない。よって、実用的には(C+M=200%+200%)より400%とするのが適当である。これにより記録される画素の光学的反射濃度は、ID=1のインクカートリッジを用いた場合の約90%となる。
【0129】
ID=3のインクカートリッジを用いた場合も同様にして計算する。即ち、ID=1とID=3の場合の関係から1次色(C,M)400%、2次色(RGB)500%以上となる。この場合、2次色のB以外に付いてはID=1と略同等の光学反射濃度が得られるが、Bの場合500%では光学反射濃度が,ID=1の場合に比ベて少し低下するので600%としてもよい。何れにしろ、このように最大打ち込み量を変更することにより、図10に示す様に、「対応可能メディア」が限定されてくる。ここで、よりピクトリアルな画像を得たい場合には、色素濃度を下げて、その色素濃度に応じて最大打ち込み量を変更して、ピクトリアル画像に最適化された「対応メディア」を使用すればよい。
【0130】
上述のように行なうことにより、最大打ち込み量を変更すれば、最大限の効果を得ることが出来る。
【0131】
実際には、メディアの最大打ち込み量が理想的に変更できなくても、図9に示すように入力に対して出力されるデータを、階調の上の方(濃度の高い方)のデータをクリップさせたり、高次曲線を用いたり、出力データのカーブを理想より多少下回るレベルで画像設計を行なっても設計可能である。
【0132】
クリップさせて最大打ち込み量の上昇を抑えた場合でもあるレベルの階調までは同等の効果を得ることができる。
【0133】
この場合においてはクリップする手前までは、単位面積あたりの色素の密度が色剤によらずほぼ同等のレベルを保つようにすることが可能である。
【0134】
図11(A),(B)は、記録されるドットの配置を説明する図である。
【0135】
図11(A)は、2値データが360dpi×360dpiで記録される場合の記録媒体上のドットの配置を示し、図8(B)は、4値データ或は5値データが360dpi×360dpiで記録される場合の記録媒体上のドットの配置を示している。
【0136】
図11(A)では、各画素に1ドットが配置される打ち込み率の場合で、この状態を100%と定義している。従って、図11(B)の場合は200%となる。尚、2値データ、4値、5値データのいずれの場合でも、カートリッジごとにインクの吐出量の変更を行う場合は、各画素に対応する全てのドットが存在していても、100%にその変更した率を掛けた値で運用してもよい。
【0137】
図12(A)〜(C)は、本実施例のインクジェット記録装置200で、実際に記録媒体上に記録される場合のドット配置とデータ形式との関係を示した図である。
【0138】
図12(A)は、360dpiの2値データを示し、図12(B)は同じく360dpiの4値データを、図12(C)は360dpiの5値データの一例を示している。ここで図12(A)の2値データは、図11(A)に示すドット配置を用いて記録される。この場合、各画素のデータと記録されたドットとが一対一に対応するので、データが“0”の時は記録ドット無し、データが“1”の時は、360dpi×360dpiの各画素位置に1ドットが記録される。この様な記録方法は、本実施例ではID=1のインクカートリッジ1が装着されて記録に使用される場合に実行される。
【0139】
図12(B)は、ID=2のインクカートリッジ1が装着されている時に実行される4値データでの記録を示す。この場合、360dpi×360dpiに対応するアドレス(図11の700)と、720dpi×360dpiに対応するアドレス(図11(B)の701)に記録されるサブドットとして記録される。この場合のデータは、2ビット信号で与えられる。即ち、“00”の場合はドット無し、“01”の場合は360dpi×360dpiに対応するアドレスに1ドットを配置する。“10”の場合はインクジェット記録装置内でデコードして、360dpi×360dpiに対応するアドレス(700)と、720dpi×360dpiに対応するアドレス(701)にそれぞれ1ドットを配置する。この状態が、360dpi×360dpi(図11(A))に対して200%のインク打ち込み状態となる。更に、“11”の場合は、360dpi×360dpiのアドレス(700)に2つのドットを重ねて記録し、720dpi×360dpiに対応するアドレス(701)に1ドットを配置する。こうして図11(A)に対して300%のインク打ち込みを達成している。
【0140】
図12(C)の場合、一例として4ビットデータで5値を出力する場合を示しているが他の方法でも可能である。この図12(C)の記録において、図12(B)における記録と異なる点は、5値データが“1000”の記録時には、360dpi×360dpiに対応するアドレス(700)と、720dpi×360dpiに対応するアドレス(701)の両方で2つのドットを重ね打ちする。これにより、5値データの場合は、1次色で最大400%のインク打ち込みが可能となる。もちろん、図12(B)のデコードによりドットを配置してもよい。
【0141】
尚、上述した階調数を上げた記録方法を行うためには、1画素位置に2つのドット重ね打ちする必要があるため、周知のマルチパスによる記録が必須となる。他の実施の方法としては、カートリッジごとに記録素子の配列されている密度を上げてパス数は同じ1パス乃至、マルチパス記録を用いてもよい。
【0142】
例えば記録素子の間隔が360dpiピッチのカートリッジを使用し、階調数を上げる場合は、720dpiピッチのカートリッジを用いて本発明を実施してもよい。
【0143】
図13は、本実施例のインクジェット記録装置200の構成を示すブロック図で、前述の図面と共通する部分は同じ番号で示している。
【0144】
301は装置全体の動作を制御する制御部で、マイクロプロセッサなどのCPU310、CPU310により実行される制御プログラムや各種データを記憶しているROM311、CPU310による各種処理の実行時にワークエリアとして使用され、各種データを一時的に保持するRAM312等を備えている。このRAM312には、ホストコンピュータ100から受信した記録コードを記憶する受信バッファやYMCBの各色で記録する記録ヘッド1Y、1M、1C、1Bに対応してプリントデータ(イメージデータ)を記憶するY,M,C,Bの各色に対応したプリントバッファが設けられている。
【0145】
302は制御部301とともに打ち込み量制御手段を構成するヘッドドライバで、制御部301から主力される各色のプリントデータに応じて、黄色用記録ヘッド1Y、マゼンタ用記録ヘッド1M、シアン用記録ヘッド1C、黒用記録ヘッド1Bを駆動する。303、304のそれぞれはモータドライバで、それぞれ対応するキャリッジモータ6、或は紙送り用モータ305を回転駆動している。306はインターフェース(I/F)部で、本実施例のインクジェット記録装置200とホストコンピュータ100との間のインターフェースを制御している。307は操作部で、ユーザにより操作される各種キーや液晶等の表示器を備えている。
【0146】
図14は、本実施例のホストコンピュータ100により実施される記録コードの作成処理を示すフローチャートで、この処理は例えばプリンタドライバ103により実行される。
【0147】
まずステップS1で、記録装置200で使用されるメディアを指定し、ステップS2で、記録装置200からの信号に基づいて、記録装置200に装着されているインクカートリッジ1の種類(ID)を判断する。このようなカートリッジの判断或はメディア指示等は、例えばホストコンピュータ100のOS101により表示されている画面上で、記録装置200のモード等を設定することにより指示される。次にステップS3で、記録装置200に装着されているインクカートリッジ1の種類に応じて、例えばID=1のカートリッジであればステップS4に進み、従来より周知のように各色成分の画像データを2値化する。
【0148】
一方、ステップS3で、ID=2のカートリッジ1が装着されている時はステップS5に進み、Yデータを2値化し、その他の色に対応する記録データを4値データに変換する。またステップS3で、ID=3のカートリッジ1が装着されている時はステップS6に進み、Yデータを2値化し、その他の色に対応する記録データを5値データに変換する。こうしてステップS4,S5,S6のいずれかで変換された記録データに基づいて、ステップS7で記録コードを作成し、インクーフェース306を介して記録装置200に伝送する。
【0149】
図15は、本実施例のインクジェット記録装置200における記録処理を示すフローチャートで、この処理を実行する制御プログラムはROM311に記憶されている。
【0150】
まずステップS11で、ホストコンピュータ100から受信して受信バッファに記憶されている記録コードを読出し、ステップS12で、その読み出した記録コードを解析する。次にステップS13に進み、その解析結果に従って、各色に対応するプリントデータに変換する。こうしてステップS14に進み、その受信したデータに基づいて、現在装着されているインクカートリッジ1での記録が可能かどうかを判断し、可能でないときはステップS15で、操作部307にエラー表示等を行って処理を終了する。
【0151】
その装着されているカートリッジ1を使用した記録が可能であればステップS16に進み、カートリッジIDが“1”かどうかを調べ、そうであればステップS17に進み、全ての色データを2値のプリントデータに変換してプリントバッファに展開し、ステップS18で通常の1パスによる記録を行う。
【0152】
一方ステップS16で、カートリッジのIDが“1”でないときはステップS19に進み、Yデータだけを2値データに変換し、その他の色のデータを4値または5値データに変換する。尚、この処理は記録コードにより一義的に決定されても良く、或は装着されているカートリッジのIDに基づいて記録装置側で単独でなされても良い。こうしてステップS20に進み、各色が装着されているカートリッジに応じてパターン展開されたプリントデータを、各色に対応してプリントバッファに記億する。そしてステップS21に進み、その多値データを、図11および図12を参照して前述したように、マルチパスにより印刷する。
【0153】
図16は、このようなマルチパス(ステップS21)による記録処理を示すフローチャートである。
【0154】
まずステップS31で、キャリッジモータ6の駆動を開始し、ステップS32で、各色に対応するプリントバッファから、次に記録される各色のプリントデータを読出し、360dpiの解像度で記録する(図8の700の位置)プリントタイミングになったかどうかをみる。プリントタイミングになるとステップS33に進み、各色に対応するプリントデータを、ヘッドドライバ202を介してへッド1Y,1M,1C,1Bのそれぞれに出力して、図11の700で示す位置にドットを記録する(データが“0”または“00”でない場合)。次にステップS34に進み、イエロー以外の多値データに“10”以上のデータがあるかをみる。“10”以上のデータがなければ、図12のように1ドットだけのプリントであるため、そのままステップS37に進む。
【0155】
“10”以上のデータがあればステップS35に進み、図11の701で示す720dpiのドットを記録するタイミングになったかどうかをみる。そうであればステップS36に進み、そのプリントデータを対応する色のヘッド1M,1Cおよびヘッド1Bに出力して記録を行う。こうしてステップS37に進み、一走査分の記録処理が終了したかを調ベ、終了していないときはステップS32に戻り前述の処理を実行する。
【0156】
ステップS37で、1走査分の記録が終了するとステップS38に進み、ヘッドをホーム位置に戻すキャリッジリターンを行う。そしてステップS39に進み、再度キャリッジモータ6を順方向に回転駆動し、ステップS40でステップS32と同様に、360dpiでの記録位置に到達したかを調べ、そうでればステップS41に進み、プリントデータが“11”以上のデータがあるかどうかを調べ、あればステップS42でその位置にドットデータを記録する。また次にステップS43に進み、プリントデータが“1000”(5値の最大値)のデータがあるかどうかを調べ、あればステップS44に進み、720dpiの記録タイミングになったかどうかをみる。こうして記録タイミングになるとステップS45に進み、その位置に1ドットを記録する。
【0157】
こうしてステップS46で、一走査の記録が終了するとステップS47に進み、キャリッジユニット2をホーム位置に戻すキャリッジリターンを実行し、紙送り用モータ305を駆動して、各色のヘッドの記録素子分、記録用紙を搬送する。これにより、各色の記録ヘッドによる記録幅分の画像が記録されたことになる。こうしてステップS48に進み、1頁の記録が終了したかを調べ、終了していないときはステップS1に戻り、次の記録走査により記録される分のプリントデータを作成して、各色のプリントバッファに記憶する。こうして1頁の画像記録が終了するとステップS49に進み、その記録済みの記録用紙を排出して処理を終了する。
【0158】
尚、本実施例では、ホストコンピュータにおける処理と記録装置における処理とに分けて説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、このような機能は1つの装置或はユニット内で実行されても良い。
【0159】
以上の実施例では、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることで記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0160】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、上り好ましい。
【0161】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0162】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成でも良い。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0163】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0164】
また、以上の実施例の記録装置の構成に、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段を設けることや、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを設けることなどがある。
【0165】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、色相の異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0166】
以上説明した実施例においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30゜C以上70゜C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0167】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0168】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置の形態を取るものであっても良い。
【0169】
尚、本発明は、複数の機器から構成されるシスナムに通用しても良いし、1つの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。この場合、本発明に係るプログラムを格納した記憶媒体が本発明を構成することになる。そして、該記憶媒体からそのプログラムをシステム或は装置に読み出すことによって、そのシステム或は装置が、予め定められた仕方で動作する。
【0170】
尚、前述の実施例では、ホストコンピュータにおいて多値画像データを各色に対応したデータに分割し、その色に応じて2値化、或は多値化処理を行ったが、本発明はこれに限定されるものでなく、記録装置本体に、この様な機能を持たせても良い。また、ホストコンピュータから記録装置に記録コードを出力するのではなく、ホストコンピュータからプリントデータに展開したデータを記録装置に送信するようにしても良い。
【0171】
以上説明したように本実施例によれば、記録装置において、インクカートリッジまたはインクタンクを交換するにより、色素濃度の異るインクを交換して記録できる。またカートリッジの交換によるインクの色素濃度の変更に伴い、記録時におけるインクの打ち込み量または最大打ち込み量を、カートリッジのインク色素濃度の組み合せに応じて変更することにより、記録媒体上に吐出する色剤量の最大値を決定する。これにより、記録に使用する記録媒体の種類に応じた記録を行うことができる。
【0172】
また本実施例では、色素濃度の薄い色剤を用いて記録する場合、単純に色素濃度の比に応じて、その色素濃度の薄いインクの最大打ち込み量を増加するのではなく、各画素毎に、1次色、2次色成分に色分解し、使用する記録媒体の種類に応じて各n次色毎に色剤の最大打ち込み量を決定する。
【0173】
この機能を利用することにより、色素濃度の薄い色剤を用いても、1次色、2次色ともに、色素濃度の濃い色剤を用いて記録した場合と略同等の光学反射濃度の記録画像が得られる。
【0174】
基本的には、異なる色素濃度の色剤を用いても記録媒体上の単位面積当りの色素の量がカートリッジまたはインクタンクの交換により変更できることを特徴とするものである。基本的には、ほぼ同一の色素密度となるようにすることにより粒状感を下げながら最大濃度をほぼ同等とすることが可能となる。
【0175】
また本実施例によれば、記録媒体に打ち込むインク量を抑えて記録媒体にかかる負担を軽減しながら、かつランキングコストを抑えることが可能になる。このように、使用するインクの色素濃度量に応じてインクの打ち込み量を変吏し、更に、色毎にインクの打ち込み量を細かく制御できるので、インクの打ち込み量の限界値が低い記録媒体を使用して記録する汎用のインクジェット記録装置で特に有効である。
【0176】
顕色性の概念としてはインクそのものの発色性の強さ、又は記録媒体に描画された状態での発色の強さの度合いを示すものである。
【0177】
有彩色の場合は発色の強さの程度を表すものであり、無彩色の場合は明るさの程度を表すものでる。そういう意味に於いては同一の染料や顔料を用いている場合は、インクの染料濃度であったりする。
【0178】
また記録媒体に印字された状態で比較する場合に於いては光学反射濃度であったり、ほぼ同一色相での最大彩度の比較で有ったりする。
いわゆる高発色なものを優れた顕色性という位置づけとする。
又インクとしては液体に限らず、固体であってもよい。
【0179】
本実施例においては記録装置の一形態としてインクを媒体上に吐出する装置が開示されたが、本発明の情報処理装置はこれに限定されることなく他の記録装置、例えば感熱タイプ或いは昇華型カラー記録装置等の記録装置でも適用することができる。要はドットを用いて形成するものであれば全て本発明の範中に入る。
【0180】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、実解像度を低下させることなく、各色最小限のインクの種類を用いて、粒状感を抑制した高品位な中間調記録を行うことができる。
【0181】
以上説明したように本発明によれば、濃度の異なる色剤を収容したカートリッジを交換して使用できるようにし、これらカートリッジを交換することにより高品位の画像を記録できるという効果がある。
【0182】
本発明によれば、使用する色剤の濃度を変更して記録することにより、粒状感を大幅に低減させてより高品位の画像を記録できる。
【0183】
また本発明によれば、記録に使用する色材の濃度と記録媒体との種類に応して最適なインク打ち込み量を設定して画像を記録できるという効果がある。
【0184】
更に本発明によれば、濃度の薄い色剤を使用して記録する際、その色剤の使用量を制御して、記録媒体上で溢れをおこさす、かつ高濃度の色剤を用いた場合と略同等の濃度の画像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具現化する1実施例を説明する説明図である。
【図2】記録装置のロジックを説明するブロック図である。
【図3】本発明の他の実施例のホストコンピュータと記録装置とを含む記録システムの全体構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の他の実施例のインクジェット記録装置のフロントカバーを外した機構部の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例のインクジェット記録装置のインクカートリッジとインクタンクの斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例のインクジェット記録装置におけるインクカートリッジのコンタクト部を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例で用いられるインクカートリッジ1におけるインクタンクの種別を検地する別の方法を説明する図である。
【図8】本発明の他の実施例のプリンタドライバの色処理モジュールの処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施例におけるインクの染料(色素)濃度と反射濃度の関係を説明する図である。
【図10】本発明の他の実施例におけるインクの色素濃度とデータ、記録メディアおよび最大打ち込み量の関係を説明する図である。
【図11】本発明の他の実施例のインクジェット記録装置において記録媒体上に記録されるドットの配置を示す図で、(A)は360dpiでの記録ドットを示し、(B)は多値データに基づく記録ドット位置を示している。
【図12】本発明の他の実施例におけるプリントデータとドットの配置を示す図で、(A)は2値データの場合、(B)は4値データの場合、そして(C)は5値データの場合を示している。
【図13】本発明の他の実施例のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の他の実施例のホストコンピュータのプリンタドライバにおける記録コード化処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の他の実施例のインクジェット記録装置における処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の他の実施例のインクジェット記録装置におけるマルチパスでの記録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1001 記録シート
1003 第1搬送ローラ
1004 第2搬送ローラ
1005 記録ヘッド
1006 キャリッジ
1007 ベルト
1008a,1008b プーリ
1009 ガイドシャフト
1010 インクカートリッジ
1020 制御部
Claims (38)
- 少なくとも1段階の濃度の色材を3種以上用いて、記録媒体に中間調記録を行う記録装置において、
前記3種の色材のうち、2種の色材はそれぞれ少なくとも2段階の濃度を有し、残りの1種類の色材は少なくとも1段階の濃度を有し、
前記2種の色材夫々について、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度の色材よる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記残りの1種の色材について、最低濃度の色材よる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする中間調記録装置。 - 前記2種の色材はマゼンタおよびシアンであることを特徴とする請求項1に記載の中間調記録装置。
- 前記3種の色材夫々の最低濃度の色材による記録明度は60以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の中間調記録装置。
- 前記3種の色材が、黒を除いたカラーの記録インクである請求項1乃至3のいずれかに記載の中間調記録装置。
- 少なくとも1段階の濃度の色材を3種以上用いて、記録媒体に中間調記録を行う記録方法において、
前記3種の色材のうち、2種の色材はそれぞれ少なくとも2段階の濃度を有し、残りの1種類の色材は少なくとも1段階の濃度を有し、
前記2種の色材夫々について、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度の色材よる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記残りの1種の色材について、最低濃度の色材よる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする中間調記録方法。 - 少なくとも3種以上の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記3種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - マゼンタ及びシアンの少なくとも2種の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
隣り合う段階の濃度のマゼンタインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、
隣り合う段階の濃度のシアンインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 少なくとも3種以上の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記3種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記濃度の低いマゼンタインクによる記録明度が60以上であり、且つ前記濃度の低いシアンインクによる記録明度が60以上であることを特徴とする請求項8または12に記載のインクジェット記録方法。
- マゼンタ及びシアンの少なくとも2種の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
隣り合う段階の濃度のマゼンタインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、
隣り合う段階の濃度のシアンインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 請求項6、7、9のいずれかに記載のインクジェット記録装置で使用される複数のインクを収容するインクタンク。
- 収容するインクの種類を示すID情報が出力可能に構成されている請求項15に記載のインクタンク。
- 請求項15に記載のインクタンクを用いたヘッドカートリッジであって、
前記インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドを備え、
前記インクタンクに収容されるインクの種類を示すID情報が出力可能に構成されていることを特徴とするヘッドカートリッジ。 - 請求項15記載のインクタンクを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記インクタンクに収容されるインクを吐出する記録ヘッドと、
前記インクタンクが出力するID情報により収容されるインクの種類を確認し、確認したインクの種類に応じて前記記録ヘッドの駆動条件を決定する打ち込み量制御部と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項17記載のヘッドカートリッジを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記ヘッドカートリッジを交換可能に載置する載置部と、
前記載置部に搭載されたヘッドカートリッジが出力するID情報により搭載されたヘッドカートリッジに収容されるインクの種類を確認し、確認したインクの種類に応じて前記記録ヘッドの駆動条件を決定する打ち込み量制御部と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 2段階の濃度のマゼンタインクおよび2段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記2段階の濃度のマゼンタインクは、第1のマゼンタインクと前記第1のマゼンタインクよりも高い濃度の第2のマゼンタインクであり、
前記2段階の濃度のシアンインクは、第1のシアンインクと前記第1のシアンインクよりも高い濃度の第2のシアンインクであり、
前記第1マゼンタインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度と前記第2マゼンタインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度との差が35以内であり、且つ前記第1マゼンタインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記第1シアンインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度と前記第2シアンインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度との差が35以内であり、且つ前記第1シアンインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記第2マゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度は1.0以上であり、
前記第2シアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度は1.0以上であることを特徴とする請求項20に記載のインクジェット記録装置。 - 前記第2マゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度は1.4以上であり、
前記第2シアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度は1.4以上であることを特徴とする請求項20に記載のインクジェット記録装置。 - 前記用いるインクとして、1段階の濃度のイエローインクを更に備え、
前記イエローインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差は35以内であることを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 2段階の濃度のマゼンタインクおよび2段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、
前記2段階の濃度のマゼンタインクは、第1のマゼンタインクと前記第1のマゼンタインクよりも高い濃度の第2のマゼンタインクであり、
前記2段階の濃度のシアンインクは、第1のシアンインクと前記第1のシアンインクよりも高い濃度の第2のシアンインクであり、
前記第1マゼンタインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度と前記第2マゼンタインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度との差が35以内であり、且つ前記第1マゼンタインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記第1シアンインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度と前記第2シアンインクによって前記記録媒体に記録された記録領域の明度との差が35以内であり、且つ前記第1シアンインクによる記録領域の明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記マゼンタインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記シアンインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記イエローインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記マゼンタインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記シアンインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記イエローインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記マゼンタインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記シアンインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記マゼンタインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記シアンインクによる最高記録濃度が光学反射濃度で1.4以上を示し、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 少なくとも1段階の濃度のインクを3種以上用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行う記録装置において、
前記3種のインクのうち、2種のインクはそれぞれ少なくとも2段階の濃度を有し、残りの1種類のインクは少なくとも1段階の濃度を有し、
前記2種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記残りの1種のインクについて、最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最高濃度のインクによって100%ベタ記録した場合の夫々光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする中間調記録装置。 - 少なくとも1段階の濃度のインクを3種以上用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行う記録方法において、
前記3種のインクのうち、2種のインクはそれぞれ少なくとも2段階の濃度を有し、残りの1種類のインクは少なくとも1段階の濃度を有し、
前記2種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記残りの1種のインクについて、最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最高濃度のインクによって100%ベタ記録した場合の夫々光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とする中間調記録方法。 - 少なくとも3種以上の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記3種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最高濃度のインクによって100%ベタ記録した場合の夫々光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の高いマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の高いシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記イエローインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 少なくとも1段階の濃度の、マゼンタ、シアンおよびイエローの3種のインクを少なくとも用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の高いマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の高いシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記イエローインクの濃度は1段階であり、前記イエローインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記イエローインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の高いマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の高いシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録装置。 - マゼンタ及びシアンの少なくとも2種の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録装置において、
隣り合う段階の濃度のマゼンタインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、且つ最高濃度のマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
隣り合う段階の濃度のシアンインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、且つ最高濃度のシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 少なくとも3種以上の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記3種のインク夫々について、隣り合う段階の濃度のインクによる記録明度の差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最低濃度のインクよる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
前記3種のインク夫々の最高濃度のインクによって100%ベタ記録した場合の夫々光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 複数段階の濃度のマゼンタインクおよび複数段階の濃度のシアンインクを少なくとも用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
前記マゼンタインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のマゼンタインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の低いマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のマゼンタインクのうち濃度の高いマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記シアンインクの濃度は2段階であり、前記2段階の濃度のシアンインク夫々による記録明度の差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の低いシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、且つ前記2段階の濃度のシアンインクのうち濃度の高いシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - マゼンタ及びシアンの少なくとも2種の、それぞれが少なくとも2段階の濃度を有するインクを用いて、表面にインクを保持するコート層を有する記録媒体に中間調記録を行なうインクジェット記録方法において、
隣り合う段階の濃度のマゼンタインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のマゼンタインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、且つ最高濃度のマゼンタインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
隣り合う段階の濃度のシアンインクによる記録明度の差が35以内であり、且つ最低濃度のシアンインクによる記録明度と前記記録媒体の明度との明度差が35以内であり、且つ最高濃度のシアンインクによって100%ベタ記録した場合の光学反射濃度が1.4以上であり、
前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って測定されるものであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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