JP3774177B2 - 急性冠症候群の発症を予知するための診断用キット - Google Patents

急性冠症候群の発症を予知するための診断用キット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性突然死などの急性冠症候群の発症予知が可能な診断用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
粥状動脈硬化の発症、進展並びに急性冠症候群の発症のメカニズムは、in vitro及び動物を用いたin vivoの研究成果から徐々に明らかにされつつある。
しかし、臨床的には、どのような症例の場合にいつプラークが破綻するのか、どのようなマーカーが予知に使えるのか、診断技術の進歩など命題が多い(北 徹、日本臨牀, 60: 851-859, 2002)。したがって、急性冠症候群の発症を予知する診断技術は無い状況にある。しかも、心筋梗塞症の臨床例での発症の瞬間については、その事実の集積例が乏しいため、発症機序研究の焦点を定めるのは安易ではない(平盛勝彦、他: 動脈硬化、27: 159-164, 2000)。
【0003】
ここで、心筋梗塞の発症機序は、心筋壊死巣の成立過程から、第1段階として心筋梗塞の発症の下地成立、第2段階として心筋梗塞の発症、第3段階として心筋壊死巣の拡大と完成の3段階に分けて考えると理解しやすいとされている(Hiramori K : Jpn Cire J, 50: 213, 1986)。冠危険因子や冠硬化症は第1段階の心筋梗塞症の下地の成立に関わってくるが、現在知られている冠危険因子だけでは心筋梗塞の発症を説明することは出来ないとも言われている(平盛勝彦, 他: 動脈硬化, 27: 160, 2000)。
【0004】
結局のところ、冠動脈硬化症とか冠動脈病変と、心筋梗塞症との関連性は意外に乏しいのではないか、未知の真の大きな危険因子が存在する可能性が示唆されている。それは、心筋梗塞症が心筋の疾患であるから、心筋そのものに発症の原因があるのではないかとの考えすら主張されている状況にある(平盛勝彦, 他: 動脈硬化, 27: 163, 2000)。
【0005】
この様に、急性冠症候群の発症機序が全く不明であることから、真の発症予知の技術はなく、マーカーの代用として一部の急性相反応蛋白、酸化LDL、レムナント様リポ蛋白、preβ1-HDLなどが用いられているにすぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
心筋梗塞症の臨床例での発症の瞬間に関する事実の集積は乏しいが、急性冠症候群発症後の状況については、多くの観察データが存在する。その事例をいくつか挙げると、Fusterらは、心筋梗塞患者の約40%は冠動脈が高度に狭窄しているが、プラークの破綻は起らず、びらんと凝固亢進状態が認められることを発見している(Fuster V et al: Thromb Haemost 78: 247-255, 1997)。また、Farbらも、冠動脈血栓症により突然死した症例の約40%がプラークの破綻を伴わず、比較的狭窄度の低いプラークの表在性びらんにより、血栓症が引き起こされていたと報告している。さらに、プラークびらんは、プロテオグリカンと平滑筋細胞に富むプラークに多く認められている(Farb A et al: Circulation 94: 1354-1363, 1996)。
【0007】
従来、心筋梗塞は冠動脈硬化による管腔の狭窄によると考えられていたが、実際は上述のごとく、びらんと凝固亢進状態による血栓形成によることが多いことがわかってきている。また、これらの現象と密接に関連する事実も多く観察されている。即ち、インターフェロンγを分泌するTリンパ球は、不安定狭心症、心筋梗塞などの発生に極めて重要と考えられているが、どのような因子がTリンパ球を活性化させるかは現時点では明らかではない(北 徹: 日本臨牀 60: 851-859, 2002)。さらに、内皮細胞の損傷による表在性びらんにより、動脈壁のコラーゲンをはじめとするプロテオグリカン類が露出し、血小板凝集を誘発することから血栓形成病変となることも考えられている。また、酸化変性リポ蛋白(酸化LDL、酸化HDL)が血小板を凝集させることも報告されている(高橋行広, 他: 臨床病理, 44: 169, 1996)。
【0008】
さらに最近の研究の進歩から、冠動脈の攣縮(冠攣縮)は異型狭心症のみならず、その他の安静狭心症や労作狭心症および急性心筋梗塞など、虚血性心疾患全般の発生上も重要な役割を果たしていることが明らかにされてきた(Yasue H, et al: Circ Res, 52: 147-152, 1983)。
【0009】
冠攣縮における血液凝固系の関与を調べる目的で、トロンビンによるフィブリノーゲンの分解産物であるfibrinopeptide A(FPA)を指標として検討された成績から、冠攣縮時の血漿FPA値の上昇が主として冠循環内で生じること、即ち、冠攣縮により凝固カスケードの亢進が引き起こされ、冠攣縮から冠動脈血栓の形成、ひいては急性心筋梗塞発症へと進展する可能性も示唆されている(小川久雄: 動脈硬化, 27: 257-261, 2000)。
【0010】
一方、酸化LDLやリゾフォスファチジルコリン(Lyso PC)が血管内皮依存性の血管弛緩反応を障害したり(Kugiyama K, et al: Nature 344: 160, 1990)、(Tanner FC, et al: Circulation 83: 2012, 1991)、血管平滑筋細胞の過剰な収縮反応を誘発することも知られている(Galle J, et al: 66: 1287, 1990)。また、異型狭心症患者の血清LDLは健常者に比べて酸化変性を受けやすいことが知られ、異型狭心症における酸化LDLの関与が示唆されている(Miwa K, et al: J Am Coll Cardiol. 26: 632, 1995)。
【0011】
さらに、LDLよりも易酸化性のHDLの酸化変性がin vivoにおける冠攣縮の発生に関与することも報告されている。酸化HDLは血管内皮保護作用の低下に加えて、それ自身が直接に内皮機能障害もしくは血管平滑筋の過剰反応を引き起こし、冠攣縮の発生に関与している可能性があるとしている(大村寛敏, ほか: フリーラジカルの臨床, 15: 61-66, 2000)。
これらの結果から、LDLおよびHDLが酸化変性を受けることで、両者がともに、冠攣縮に関与している可能性が大きいとみられている。
【0012】
一方、近年、慢性関節リウマチ(RA)や全身エリテマトーデス(SLE)の患者には動脈硬化や血栓症による心血管病変の合併が多いことが報告されている(Wolfe, F et al: Arthritis Rheum. 37: 481-494, 1994)、(Manzi, S et al: Am.J.Epidemiol.145:408-415, 1997)。血清脂質に関しては、RAではHDLコレステロールの低下、SLEではVLDLの上昇とHDLコレステロールの低下が認められている。このHDLコレステロールの低下は炎症の治療に伴って正常化することが確認されている(浅沼ゆう, 他: 炎症と免疫, 9: 165-172, 2001)。
【0013】
現在、動脈硬化の発生および進展の機序を説明する仮説として、Rossが提唱した障害反応仮説が広く受け入れられているが、このRossの説では、動脈硬化は血管内皮細胞の傷害に始まるが、何がどのように内皮細胞を傷害するかについては、さまざまな原因が列挙されているにすぎない。
【0014】
Nagasawaらは、冠攣縮誘発部位の内皮細胞の形態について電子顕微鏡を用いて検討した結果、攣縮部では内皮細胞間に多数のbrigeやgapの形成を認めるとともに、多数の白血球が付着している事実を報告し、冠攣縮が内皮細胞傷害を引き起こし、動脈硬化進展のinitiatorとなる可能性を述べている(Nagasawa K, et al: Circ. Res. 65: 272-282, 1989)、(長澤一成: 日本臨牀52: 117-120, 1994)。
【0015】
この様な急性冠症候群の発症にかかわる周辺状況からみて、本症の発症にかかわる未知な原因物質もしくは誘因物質は冠攣縮(虚血状態)により、虚血部位で産生される可能性が大きいと考えられる。
すなわち、急性冠症候群の発症にかかわる原因物質もしくは誘因物質は虚血部位に集積した活性化白血球が産生する活性酸素やプロテアーゼの作用により形成される。また、この時、現場に居合わせるVLDL, IDL, LDLやHDLも同時に酸化され、酸化HDLや酸化VLDL、酸化IDL、酸化LDL、若しくは酸化HDLと酸化VLDL、酸化IDL、酸化LDLの複合体が形成されると考えられる。
【0016】
この様な状況下で本発明者は、HDLとLDLからなる複合体中に存在する血清アミロイドA(SAA)、アポC2、アポC3、アポA2、時にアポEがミスフォールディングした状態で存在すること、若しくはこれらの蛋白がamyloidogenesisの特性を有することを発見し、これらの物質が急性冠症候群の発症にかかわるのではないかと考えた。蛋白質のミスフォールディングは、外部ストレスにより変性や化学修飾を受けることで引き起こされる。本発明のケースでは、リポ蛋白中に存在する各種アポ蛋白が酸化変性を受けてミスフォールディング状態の構造に変化し、致死的会合体を形成すると考えられる。また、従来から、動脈硬化では消化困難な変性リポ蛋白の存在が重要視されてきたが、本発明者らが発見した本物質がそれに相当する可能性が大きい。
【0017】
冠イベント発症局所の冠動脈では、この致死的会合体による血管内皮細胞傷害と、NO合成酵素(eNOS)の活性化能を有するHDLが短時間のうちに消費されるため、NOによる内皮依存性の血管弛緩反応の急速な減少が同時に起こり、冠攣縮がさらに誘発されると同時に血管内皮に傷害をもたらし、これがプラークの破裂や亀裂、あるいはびらんを引き起こし、血栓形成の引き金になると考えられる。これが血管内腔側からの冠イベント発症シナリオの推測である。
【0018】
この急性冠症候群の発症にかかわる原因物質もしくは誘因物質を推測するに当って、さらに勘案すべき条件として、Tリンパ球の集積に関わる物質で、かつ、慢性関節リウマチ(RA)における心血管病変の合併の多さを説明しうる物質でなければならない。この点に関しては、SAAをはじめとするamyloidgenesisな蛋白、もしくは、これらの蛋白のうちでミスフォールディングな特性を呈した蛋白(致死的会合体)の関与が大きいと本発明者は考えている。
【0019】
さらに、別の視点から、冠動脈硬化病変および急性冠症候群の発症、冠動脈形成術(PTCA)後病変(再狭窄)に関して、特に炎症の場としての冠動脈外膜が重要であるとする考えがある(岡本栄一, 他: Molecular Medicine, 38: 臨時増刊号, 265-270, 2001)。この場合、冠動脈外膜にSAA、アポC2、アポC3、アポA2、低分子化アポEなど、amyloidogenesisもしくはミスフォールディングした特性を有する蛋白がperi-collagen typeとして、外膜の膠原繊維周辺から沈着し、アミロイドによる冠動脈病変が心アミロイドーシスの発現にかかわる可能性も考えられ、心筋原因説も説明できると考えている。
【0020】
この様に、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、急性冠症候群の発症を予知するという、今日まで存在しなかった診断用キットを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、急性冠症候群の発症時に観察された諸現象や、本症の発症と関連性が大きい他疾患の病態特性を総合化することにより、急性冠症候群の発症予知マーカーを発見したことにより完成したものである。
【0022】
すなわち、本発明の診断用キットは、急性冠症候群の発症を予知するために用いられる診断用キットであって、ヒトから採取した血液中のリポ蛋白中に存在し、ミスフォールディングによる会合体が形成された蛋白を発症予知マーカーとして、この発症予知マーカーを検出するための測定手段を備えるものとして構成される。
上記の発症予知マーカーは、具体的にはSDS抵抗性を示す蛋白として観察されるものである。すなわち、診断用キットの測定対象となる発症予知マーカーは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で分析した場合に、本来の分子量に相当するバンド位置に比べて、移動度が少ない側にバンドがシフトする蛋白として観察されるものである。
【0023】
また、上記の発症予知マーカーは、アミロイド蛋白、アミロイド前駆体及びアミロイド形成能を有する蛋白から選ばれる少なくとも1種以上の蛋白を前駆体とする蛋白であり、具体的には、血清アミロイドA蛋白、アミロイドA蛋白、アポA1、アポA2、アポC2、アポC3及びアポEから選ばれる少なくとも1種以上の蛋白を前駆体とする蛋白である。
すなわち、リポ蛋白中には、上記の如く多種類の発症予知マーカーが存在するので、発症予知マーカーの検出にあたっては、その中から最低1種類の発症予知マーカーを選択すればよいのである。
なお、上記以外のアポB100、アポB48のアポ蛋白にはミスフォールディングによる会合体の形成が認められないので、発症予知マーカーの対象からは除外される。
【0024】
また、本発明では、上記のリポ蛋白は、HDL分画、VLDL分画、IDL分画、LDL分画、HDL分画とVLDL、IDL、LDL分画の複合体のうち、いずれの分画であってもよい。なお、本発明において「HDL分画」とは、ヒトから採取した血液からHDLを分画、分取したものをいい、この中には酸化ないし変性を受けたHDLと天然型HDLのいずれか1種以上が含まれている。また、本発明において、「VLDL分画」、「IDL分画」、「LDL分画」とは、ヒトから採取した血液からVLDL, IDL, LDLを分画、分取したものをいい、この中には酸化ないし変性を受けたVLDLやIDL, LDL及び天然型VLDL、天然型IDL、天然型LDLのいずれか1種以上が含まれている。
【0025】
また、本発明では、上記の発症予知マーカーを検出するための測定手段としては、リポ蛋白−発症予知マーカー複合体の濃度測定手段を備えたものが好ましい。かかる複合体の濃度測定手段としては、酵素免疫法、ラテックス凝集法及びイムノクロマト法などの免疫測定手段を備えたものが好適に使用できる。
上記の免疫測定手段としては、発症予知マーカーを検出するため一次抗体と、リポ蛋白中に存在する天然型もしくは変性アポ蛋白を検出するための二次抗体とから構成されるものが好ましく使用できる。
具体的には、一次抗体としては、抗ヒト血清アミロイドA蛋白抗体と抗ヒトアミロイドA蛋白抗体を用いることが好ましく、二次抗体としては、アポB100を検出するための抗体を用いることが好ましい。
【0026】
また、本発明の診断用キットは、上記の免疫測定手段に加えて、リポ蛋白中に存在する天然型のアポ蛋白と発症予知マーカーの前駆体蛋白とを架橋剤により結合させた複合体を、リポ蛋白−発症予知マーカー複合体の濃度算出用の測定手段として備えることが好ましい。かかる測定手段を備えることにより、リポ蛋白−発症予知マーカー複合体の標準サンプルとすることができ、濃度算出用の検量線の作成を簡易に行なうことができる。具体的には、アポ蛋白としてはアポB100を用いることが好ましく、発症予知マーカーの前駆体蛋白としては血清アミロイドA蛋白を用いることが好ましい。
【0027】
また、本発明の診断用キットは、上記の免疫測定手段に加えて、ヒトから採取した血液からVLDL, IDL, LDLを分画、分取するためのデキストラン硫酸試薬を測定手段として備えることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の診断用キットは、上述した発症予知マーカーの検出にあたり、リポ蛋白−発症予知マーカー複合体の濃度測定手段を備えたものとして構成される。この複合体の濃度測定手段としては、▲1▼複合体を検出するための免疫測定手段を備えることが好ましく、必要に応じて、▲2▼検出された複合体の濃度を算出するための標準サンプル、▲3▼ヒトから採取した血液から特定のリポ蛋白を分画、分取するための試薬を備えることが好ましい。
【0029】
診断用キットに備えられる免疫測定手段は、複合体濃度を簡便、迅速、確実に測定できるものであれば、酵素免疫法、ラテックス凝集法及びイムノクロマト法等の公知の免疫測定手段を採用することができる。
かかる免疫測定手段としては、リポ蛋白中に存在する発症予知マーカーを検出するための一次抗体と、天然型もしくは変性アポ蛋白を検出するための二次抗体とから構成されるサンドイッチELISA法による測定手段が好適に使用できる。
【0030】
本発明者の検討によれば、急性冠症候群の発症前の患者から採取した血液中には、上記のリポ蛋白―発症予知マーカー複合体が存在し、この複合体にはミスフォールディングによる会合体が形成されていない天然型のアポ蛋白若しくはその一部が断片化された蛋白が存在し、さらにこの蛋白は、この蛋白を検出するための抗体と反応する特性を有する。したがって、かかる蛋白を検出するための抗体は、上記免疫測定手段の二次抗体として利用することができる。本発明では、具体的には、アポB100が上記の性質を有する蛋白に該当するので、二次抗体としてアポB100抗体が好適に使用できる。
【0031】
また、本発明者の検討によれば、発症予知マーカーはミスフォールディングによる会合体を形成する一方で、その前駆体となる蛋白に対する抗体と結合する特性を有する。したがって、その前駆体蛋白に適用できる抗体であれば一次抗体としてそのまま用いることができる。かかる一次抗体としては、アミロイド蛋白、アミロイド前駆体及びアミロイド形成能を有する蛋白から選ばれる少なくとも1種以上の蛋白に対する抗体を用いることができ、具体的には血清アミロイドA蛋白、アミロイドA蛋白、アポA1、アポA2、アポC2、アポC3及びアポEから選ばれる蛋白に対する抗体を挙げることができる。上記の中では、血清アミロイドA蛋白に対する抗体とアミロイドA蛋白に対する抗体が特に好適に使用できる。
【0032】
本発明の診断用キットには、分析の便宜を考慮して、リポ蛋白−発症予知マーカー複合体濃度を算出するための標準サンプルを備えることができる。この標準サンプルは、具体的には、上述した免疫測定手段によりリポ蛋白―発症予知マーカー複合体が検出された場合において、その検量線を作成することによって、上記複合体濃度を算出するために用いられるものである。かかる標準サンプルとしては、上記複合体のリポ蛋白中に存在する天然型のアポ蛋白であって、上記の免疫測定手段に用いた二次抗体に対応する抗原であるアポ蛋白と、発症予知マーカーの前駆体蛋白とをEMCS等の架橋剤により結合させた複合体を用いることが好ましい。
本発明では、かかる複合体を構成するアポ蛋白としてはアポB100が好適に使用でき、発症予知マーカーの前駆体蛋白としては血清アミロイドA蛋白が好適に使用できる。
【0033】
本発明の診断用キットには、分析の便宜を考慮して、特定のリポ蛋白を分画、分取するための試薬を備えることができる。例えば、血清からVLDL, IDL, LDL分画を分画して測定試料とする場合には、CaCl2を含有するデキストラン硫酸試薬を備えるようにすればよい。実際の分画は、デキストラン硫酸試薬に対して血清を添加、混和した後、室温で30分程度放置し、次いで遠心処理を施してから上清をデカンテーションして捨て、沈殿をNaCl溶液で溶解することにより行なう。
【0034】
【実施例】
(実施例1;高脂血症患者から採取した血液中に存在するLDL−血清アミロイドA蛋白複合体中の血清アミロイドA蛋白の性状)
[1−1.複合体からの電気泳動用サンプルの調製法]
4例の正脂血清と4例の高脂血清それぞれ約2mlから、また3例の高脂pool血清それぞれ約10mlから超遠心分離法によりLDLを分取し、抗SAAポリクローナル抗体(DAKO社)固定化アフィニティーカラムでSAAとLDLの複合体(SAA-LDL)を精製した。
次いで精製した各SAA-LDL溶液100μlにchloroform-methanol混合溶液(2:1,V/V)200μlを添加し1分間撹拌後、12,000rpmで1分間遠心し下層のchloroformを静かに除去した。そして更に3.000rpmで 5分間遠心後、上清を除去し、bottomの蛋白をSDS-PAGE sample buffer(4%SDS,10%glycerol,
0.0625M Tris-HCl buffer,pH6.8)50μlで溶解後、SDS-PAGE非還元試料とした。また、非還元試料に2−メルカプトエタノールを5%となるように添加し、100℃で5分間煮沸して、SDS-PAGE還元試料とした。
【0035】
[1−2.電気泳動条件]
ゲル濃度2〜15%のポリアクリルアミドゲル(第一化学薬品(株))を泳動槽にセットし、ゲルの各wellに調製した非還元試料と還元試料を各々10μlアプライした。そして泳動槽の陽極側と陰極側に泳動用buffer(0.025MTris,0.192M
glycine,0.1%SDS、pH8.4)を注ぎ、ゲル1枚あたり40mA 、1時間泳動した。次いでゲルをblotting buffer(0.025M Tris、0.192MGlycine、20%methanol)中でナイロンメンブレンと重ね、水槽型ブロッティング装置に移しblotting bufferを注ぎ、45V、2時間通電しメンブレンに転写した。その後メンブレンをTBS(0.15M NaClを含む0.1M tris-HCl、pH8.0)50mlに浸し、5分間振盪した。次いでTBSを捨て、BlockAce(大日本製薬(株))20mlを加え、4℃、over nightでブロックキングを行った。
【0036】
[1−3.メンブレンの染色条件]
BlockAceを捨て、抗体希釈溶液(0.05%Tween 20,0.15M NaCl,BlockAce1/10量を含む0.1M tris-HCl buffer pH8.0)で抗SAAポリクローナル抗体(DAKO社)を1μg/mlに希釈した溶液20mlにメンブレンを浸し、室温で1時間振盪しながら反応させた。次に抗体溶液を捨て、メンブレン洗浄液(0.05% Tween 20,0.5M NaClを含む 0.02M tris-HCl buffer pH8.0)100mlで5分間1回、15分間2回それぞれ洗浄液を新しいものに替えて洗浄した。
そして抗体希釈溶液でGoat F(ab')2 Anti-Rabbit Ig's,HRP(No.AMI4404 BIOSOURCE社)を5000倍に希釈した溶液20mlを加え、室温で1時間振盪しながら反応させた。抗体溶液を捨て、メンブレン洗浄液100mlで5分間1回、15分間2回それぞれ洗浄液を新しいものに替えて洗浄した。
次いでメンブレンの水分を軽く除いた後、発光用基質液(No.34075 PIERCE社)をメンブレン全体に浸透させ、気泡が入らないようにナイロン袋でメンブレンを包み、X線フィルム用カセットにセットした。暗室でオートラジオグラフィー用フィルムをセットし、数分間露光した後、現像した。得られた結果を図1に示した。
【0037】
図1(B)から、血清アミロイドA蛋白(12kDa)はほとんど認められず、SDS抵抗性を呈し、約50 kDaの分子量のものが大半であった。この結果から、血清アミロイドAはamyloidgenesis若しくはミスフォールディングの状態で存在するか又は他の蛋白をまき込んでいるものと考えられる。
また、上記の複合体中に存在する他のアポ蛋白についても同様の実験を行なった。その結果、アポA2、アポC2、アポC3の各蛋白が特にSDS抵抗性を呈し、本来の分子量よりはるかに大きいサイズを呈した。
【0038】
(実施例2;高脂血症患者から採取した血液中に存在するLDL−血清アミロイドA蛋白複合体中のアポB100の特徴)
[2−1.複合体からの電気泳動用サンプルの調製法]
2例の正脂血清と2例の高脂血清それぞれ約2mlから、また3例の高脂pool血清それぞれ約10mlから超遠心分離法によりLDLを分取し、抗SAAポリクローナル抗体(DAKO社)固定化アフィニティーカラムに吸着したSAAとLDLの複合体(SAA-LDL)と吸着しなかったスルーLDLを精製した。
次いで精製した各SAA-LDL溶液100μlと各スルーLDL溶液100μlにchloroform-methanol混合溶液(2:1,V/V)200μlを添加し1分間撹拌後、12,000rpmで1分間遠心し、下層のchloroformを静かに除去した。
そして更に3,000rpmで 5分間遠心後、上清を除去しbottomの蛋白をSDS-PAGE sample buffer(4%SDS,10%glycerol,0.0625M Tris-HCl buffer pH6.8)50μlで溶解後、SDS-PAGE非還元試料とした。
【0039】
[2−2.電気泳動条件]
ゲル濃度2〜15%のポリアクリルアミドゲル(第一化学薬品(株))を泳動槽にセットし、ゲルの各wellに調製した非還元試料を10μlアプライした。そして泳動槽の陽極側と陰極側に泳動用buffer(0.025M Tris、0.192MGlycine、0.1%SDS、pH8.4)を注ぎ、ゲル1枚あたり40mA 、1時間泳動した。
次いで、ゲルをblotting buffer(0.025M Tris、0.192MGlycine、20%methanol)中でナイロンメンブレンと重ね、水槽型ブロッティング装置に移しblotting bufferを注ぎ45V、2時間通電しメンブレンに転写した。
その後、メンブレンをTBS(0.15M NaClを含む0.1M tris-HCl、pH8.0)50mlに浸し、5分間振盪した。次いで、TBSを捨て、BlockAce(大日本製薬)20mlを加え、4℃、over nightでブロックキングを行った。
【0040】
[2−3.メンブレンの染色条件]
BlockAceを捨て、抗体希釈溶液(0.05%Tween 20,0.15M NaCl,BlockAce1/10量を含む0.1M tris-HCl buffer pH8.0)で抗apoBポリクローナル抗体(DAKO社)を1μg/mlに希釈した溶液20mlにメンブレンを浸し、室温で1時間振盪しながら反応させた。
次に抗体溶液を捨て、メンブレン洗浄液(0.05% Tween 20,0.5M NaClを含む 0.02M tris-HCl buffer pH8.0)100mlで5分間1回、15分間2回それぞれ洗浄液を新しいものに替えて洗浄した。そして抗体希釈液でGoat F(ab')2 Anti-Rabbit Ig's,HRP(No.AMI4404 BIOSOURCE社)を5000倍に希釈した溶液20mlを加え、室温で1時間振盪しながら反応させた。抗体溶液を捨て、メンブレン洗浄液100mlで5分間1回、15分間2回それぞれ洗浄液を新しいものに替えて洗浄した。
次いでメンブレンの水分を軽く除き、発光用基質液(No.34075 PIERCE社)をメンブレン全体に浸透させ、気泡が入らないようにナイロン袋でメンブレンを包み、X線フィルム用カセットにセットした。暗室でオートラジオグラフィー用フィルムをセットし、数分間露光した後、現像した。得られた結果を図2に示した。
【0041】
図2から、アミロイドA蛋白と複合体を形成していない通常のLDLは変性度が少ない(すなわち断片化が少ない)のに対して、血清アミロイドA蛋白と複合体を形成しているLDLでは、アポB100蛋白の変性度が大きく、断片化が認められた。
【0042】
(実施例3;急性冠症候群の発症予知マーカーとしてのVLDL, IDL, LDL−血清アミロイドA蛋白複合体の有用性の検討)
下記に示す測定手段を備えた診断用キットを用いて、143症例の安定状態にある冠動脈硬化症患者を対象にして、冠危険因子をはじめとする表1と表2に示す関連検査項目および患者特性についてprospective cohort studyを実施した。結果、1年間の経過追跡中に15症例において心血管事故死をはじめとするイベントが発生し、この予知には年齢とVLDL, IDL, LDL−血清アミロイドA蛋白複合体の濃度測定が有効とする成績を得た。
【0043】
【表1】
Figure 0003774177
【0044】
【表2】
Figure 0003774177
【0045】
[3−1.血清中のVLDL,IDL,LDL−血清アミロイドA蛋白複合体の濃度測定]
上記複合体の濃度測定は下記のプロトコールにしたがって行なった。
(3−1−1.試料の調製)
1) デキストラン硫酸液(0.05M CaCl2)1.5mlに対して血清50μlを添加し、混和した後室温で30分間放置する。
2) 3000rpmで15分間遠心し、上清をデカントで捨てる。
3) 1mlの2.5%NaCl溶液で沈澱を溶解し、この溶解液を試料とする。
【0046】
(3−1−2.ELISAによる測定)
1) 抗ヒト血清アミロイドA及びアミロイドA抗体を0.05M Tris-HCl、0.15M NaCl pH8.0緩衝液に10μg/mlで溶解し、マイクロプレートに100μl/wellで分注する。
2) 4℃下で一晩物理吸着後、蒸留水で3回洗浄し、0.1%ショ糖と牛血清アルブミン、0.05%アジ化ナトリウムを含む0.05M、pH7.5で調製したTris-HCl緩衝液を100μl/wellで分注し、室温で30分以上静置した後、液を廃棄し4℃で乾燥させる。乾燥したマイクロプレートを蒸留水250μl/wellで3回洗浄する。
3) マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma GlobulinとRabbit Gamma Globulin含有1%BSA溶液を100μl/well分注し、これに上述の試料あるいは標準液を50μl添加する。
4) 室温下一晩反応させる。
5) 0.05%Tween20溶液250μl/wellで5回洗浄する。
6) ビオチン標識Fab′化IgG-アポB100抗体を1%BSA溶液で1.6μg/mlとし、100μl/well分注する。
7) 37℃下1.5時間反応させる。
8) 5)と同様、0.05%Tween20溶液250μl/wellで5回洗浄する。
9) HRP標識アビジンD(Vector Laboratories社製)を1%カゼイン溶液で15000倍希釈とし、100μl/well分注する。
10) 37℃下30分間反応させる。
11) 5)と同様、0.05%Tween20溶液250μl/wellで5回洗浄する。
12) 発色試薬を100μl/well分注し、室温下30分間反応させる。
13) 1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応を停止する。
14) 主波長450nm、副波長620nmで測光する。
15) 下記に示すプロトコールにしたがって人工的に調製したリコンビナントSAA−アポB100複合体により求めた検量線から試料中のVLDL, IDL, LDL−血清アミロイドA(アミロイドA)複合体濃度を算出する。
なお、本プロトコールでは、一次抗体として抗ヒト血清アミロイドA抗体に加えて、抗ヒトアミロイドA蛋白抗体も使用している。これは、VLDL, IDL, LDLと複合体を形成している血清アミロイドA蛋白(アミノ酸残基数104)の一部がC末端から28残基が切断されたN末の76残基からなるアミロイドA蛋白に変化しているためである。
【0047】
[3−2.血清アミロイドA蛋白−アポB100複合体の作製法]
(3−2−1.EMCS修飾リコンビナントSAA(rSAA)の調製)
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で調製したrSAA100μg/ml溶液500μlにDMFで溶解したEMCS(同仁化学)を0.62mg添加し37℃、30分間反応させた。その後、PD-10を用いて0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)でゲル濾過し、DMFと非結合のEMCSを除いた。
(3−2−2.還元アポB100の調製)
0.01%EDTA-2Kを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で調製したWater-soluble apoB-100 500μg/ml溶液500μlにDTTを10mM添加し37℃、90分間反応させた。その後、PD-10を用いて0.01%EDTA-2Kを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)でゲル濾過し、DTTを除いた。
(3−2−3.rSAA−アポB100複合体の調製)
還元apoB100 45μg/ml、200μlにEMCS修飾rSAAを3μg/ml、1.5μg/ml、0.75μg/ml、0.375μg/ml、0.187μg/ml添加し混合比の異なる各試料を調製し、4℃、18時間反応させた。
(3−2−4.ELISAによる複合体形成の確認)
各試料中のrSAA濃度を0.15M NaClを含む0.1M tris-HCl緩衝液(pH8.0)で160ng/mlに調製した。次にこの試料を0.1M tris-HCl緩衝液で倍々希釈して、固相抗体に抗SAA抗体、二次抗体に抗apoB100抗体を用いたELISAで測定した。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の測定用キットの測定対象となる発症予知マーカーは、急性冠症候群の発症予知マーカーとして優れて有用なものであり、かかる発症予知マーカーを免疫測定手段により検出するための測定手段を備えた本発明のキットは、急性冠症候群の発症を予知するための診断用キットとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高脂血症患者から採取した血液中に存在するLDL−血清アミロイドA蛋白複合体中の血清アミロイドA蛋白の性状を電気泳動により分析した結果を示す図である。
【図2】高脂血症患者から採取した血液中に存在するLDL−血清アミロイドA蛋白複合体中のアポB100の特徴を電気泳動により分析した結果を示す図である。

Claims (4)

  1. 急性冠症候群の発症を予知するために用いられる診断用キットであって、ヒトから採取した血液中のSAA−LDL蛋白複合体を発症予知マーカーとして、該マーカーの濃度を検出するための免疫測定手段を備える診断用キット。
  2. 免疫測定手段が、抗ヒト血清アミロイドA蛋白抗体と抗ヒトアミロイドA蛋白抗体から構成された一次抗体と、抗ヒトapoB100抗体から構成された二次抗体とからなる、請求項1に記載の診断用キット。
  3. 免疫測定手段に加えて、アポB100と血清アミロイドA蛋白とを架橋剤により結合させた複合体を、SAA−LDL蛋白複合体の濃度算出用の測定手段として備える請求項1又は2に記載の診断用キット。
  4. 免疫測定手段に加えて、ヒトから採取した血液からVLDL, IDL, LDLを分画、分取するためのデキストラン硫酸試薬を測定手段として備える請求項1〜3のいずれかに記載の診断用キット。
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