JP6606552B2 - 特異的に精製された抗プレセプシン抗体 - Google Patents

特異的に精製された抗プレセプシン抗体 Download PDF

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Description

本発明は、検体中のプレセプシン測定に有用な、抗プレセプシンポリクローナル抗体に関する。
CD14分子は、単核球細胞の膜表面に発現している糖タンパク質であり、LPS(リポポリサッカライド)のレセプターとしての機能を有することが知られている。CD14分子には、細胞表面上に発現している膜結合型CD14(mCD14)と、可溶型CD14(sCD14)の2種類が存在する。sCD14として、分子量約55kDaおよび約49kDaのsCD14(以下「高分子量可溶型CD14」または「高分子量sCD14」という。)が知られており、敗血症(SEPSIS)、後天性免疫不全症候群(AIDS)、急性呼吸促進症候群(ARDS)、全身性エリテマトーデス(SLE)等、多くの疾患における患者の血中で高値を示す事が報告されている。そのため、これらの高分子量sCD14は疾患特異的なマーカーではないと考えられている(非特許文献1〜2)。
一方、敗血症患者において特徴的に血中濃度が上昇する、新たなsCD14の分子種として、sCD14−ST(可溶性CD14抗原サブタイプ,プレセプシンともいう)が存在することが報告されている。
sCD14−ST(プレセプシン)とは、sCD14のうち、非還元条件下SDS−PAGEにおいて分子量13±2kDaに泳動されることを特徴とし、CD14のN端部を保持しているものである。高分子量sCD14と比べると、C端側が大きく欠失したアミノ酸配列を有しており、高分子量sCD14とは異なりLPS結合能を有していない。また、プレセプシンは高分子量sCD14とは異なる免疫原性を示すため、抗体を用いて両者を区別できる。プレセプシンは敗血症患者において特異的に血中濃度が上昇する(特許文献1)。また、敗血症との判別が難しい、全身性炎症反応(SIRS)を示す患者と比較しても、敗血症患者の血中で高値を示すという報告があり、プレセプシンは敗血症の特異的な診断マーカーであると考えられている(非特許文献3)。
プレセプシンを特異的に認識するウサギ由来ポリクローナル抗体(S68抗体)及びラット由来モノクローナル抗体(F1146−17−2)が開示されている(特許文献1、2)。
現在、プレセプシンの測定には、プレセプシンに対する特異抗体としてウサギ由来ポリクローナル抗体を用いた測定系が実用化され、測定キットが欧州及び日本で上市されている(PATHFASTTM Presepsin,三菱化学メディエンス株式会社)。
ウサギ由来のポリクローナル抗体については、マウスなどのげっ歯類由来の抗体と比較して抗原認識能が多様で、かつ強い抗原親和性を備えるが、その一方で、ウサギの個体差が比較的大きいため、安定して作製することが難しく、その抗体製品はロット差が大きいといわれている。
国際公開WO2005/108429 国際公報WO2004/044005
Hayashiら、Infection and Immunity,67:417−420、1999年 Lawnら、Clinical&Experimental Immunology,120:483−487,2000年 Yaegashiら、Journal of Infection and Chemotherapy, 11:234−238、2005年
従来、プレセプシン測定にはウサギ由来抗プレセプシンポリクローナル抗体(S68抗体)が用いられている。しかし、S68抗体でELISAを構築して検体を測定すると、抗体のロット間で測定値のばらつきが比較的大きいということが判明した。
本発明の課題は、S68抗体と比較して、抗体ロット間で測定値のばらつきの少ない、プレセプシン測定に適する、抗プレセプシンポリクローナル抗体を提供することである。
また、本発明の別の課題は、プレセプシンと特異的に結合し、ヒト血中に存在する高分子量sCD14との交叉反応を生じにくい、特異性の高い抗体を提供することである。
また、本発明のさらに別の課題は、S68抗体と比較して、プレセプシンとの反応性が高い、抗プレセプシンポリクローナル抗体を提供することである。
本発明の目的は、上記のような課題の少なくとも1つを解決することができる抗プレセプシンポリクローナル抗体を提供することである。
従来のウサギ由来抗プレセプシンポリクローナル抗体(S68抗体)は、S68ペプチド(配列番号2)でウサギを免疫して得られたポリクローナル抗体を、S68ペプチドを固定化したアフィニティーカラムで精製して作製される。本発明者は、S68ペプチド固定化したカラムに替えて、P03ペプチド(配列番号1)を固定化したアフィニティーカラムにより、ポリクローナル抗体を精製することにより、プレセプシンとの反応性の高い抗プレセプシンポリクローナル抗体が得られることを見出した。ここで、P03ペプチドは、S68ペプチドの一部を含む配列である。
本発明者は、P03ペプチドを用いて精製して得られたポリクローナル抗体の特異性をペプチド競合阻止反応試験で確認した。そして、P03ペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体(以下、「P03特異ポリクローナル抗体」ともいう)が、S68抗体と比較して、抗体ロット間で測定値のばらつきが少なく、ヒト血中に存在する高分子量可溶型CD14(以下、「血中高分子量sCD14」ともいう)との交叉反応を生じにくい、プレセプシン測定に適した性能を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、抗体ロット間の測定値のばらつきについては、P03特異ポリクローナル抗体3ロットと、S68抗体3ロットとを用いて、複数の検体(プレセプシン濃度既知)のプレセプシン濃度を測定し、得られた測定値と既知濃度との相関分析を行って、回帰直線の傾きの変動係数(CV)を実施例において評価した。P03特異ポリクローナル抗体のアッセイ系のCV(10.6%)は、S68抗体(20%)と比較して低値であり、P03特異ポリクローナル抗体を用いたアッセイ系では、抗体ロット間で測定値のばらつきが少ないことが実施例において確認された。
また、血中高分子量sCD14との交叉反応については、P03特異ポリクローナル抗体を用いたELISAアッセイ系では、血中高分子量sCD14に対する交差反応は検出感度以下であることが実施例において確認された。
一般的に、ポリクローナル抗体の作製工程における特異的精製は、投与抗原(本発明ではS68ペプチド)を用いて行われ、投与抗原の他に、より特異的精製に適するペプチドは通常想定されない。今回、S68ペプチドの一部を含む配列のP03ペプチドを用いた特異的精製により、S68抗体と比較して、よりプレセプシン測定に適する抗体が得られたことは驚くべきことであった。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体。
[2] 抗プレセプシンポリクローナル抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体の含有率が、S68抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体の含有率と比較して高い、抗プレセプシンポリクローナル抗体。
[2−1] 抗プレセプシンポリクローナル抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体の含有率が40%以上である、抗プレセプシンポリクローナル抗体。
[3] 抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合が30%以上競合阻止され、
抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合の競合阻止が30%未満である、
上記[1]ないし[2−1]のいずれか1項に記載の抗体。
[3−1] さらに、次の(A)〜(C)から選択される少なくとも1つを満たす[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の抗体。
(A)抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号6のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合の競合阻止が30%未満である
(B)抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合の競合阻止が30%未満である
(C)抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合の競合阻止が30%未満である
[4] 抗体を用いたELISAアッセイ系は、S68抗体を用いたELISAアッセイ系と比較して、ヒト血中に存在する高分子量可溶型CD14に対する交叉反応の発生率が低い、上記[1]ないし[3−1]のいずれか1項に記載の抗体。
[5] 抗体を用いたELISAアッセイ系により、プレセプシンを含有する検体(プレセプシン濃度既知)のプレセプシン濃度を測定して、測定値と既知濃度との相関分析を行うとき、回帰直線の傾きの変動係数(CV)が15%以下である、上記[1]ないし[4]のいずれか1項に記載の抗体。
[6] 抗体は、プレセプシンに対して、10−7未満の親和性(KD)で結合する、上記[1]ないし[5]のいずれか1項に記載の抗体。
[7] 配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体を精製して得られる、上記[1]ないし[6]のいずれか1項に記載の抗体。
[8] 配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体に、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗体の割合を高める処理を施すことにより得られた、上記[1]ないし[6]のいずれか1項に記載の抗体。
[9] 配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体を、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドを固定化したカラムを用いて精製して得られる、抗プレセプシンポリクローナル抗体。
[10] さらに、配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体を除去する処理が施された、上記[9]に記載の抗体。
[11] さらに、配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体の結合活性を弱める処理が施された、上記[9]に記載の抗体。
[11−1] 抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合が30%以上競合阻止され、
抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合の競合阻止が30%未満である、
上記[9]ないし[11]のいずれか1項に記載の抗体。
[11−2] 抗体を用いたELISAアッセイ系は、S68抗体を用いたELISAアッセイ系と比較して、ヒト血中に存在する高分子量可溶型CD14に対する交叉反応の発生率が低い、上記[9]ないし[11−1]のいずれか1項に記載の抗体。
[11−3] 抗体を用いたELISAアッセイ系により、プレセプシンを含有する検体(プレセプシン濃度既知)のプレセプシン濃度を測定して、測定値と既知濃度との相関分析を行うとき、回帰直線の傾きの変動係数(CV)が15%以下である、上記[9]ないし[11−2]のいずれか1項に記載の抗体。
[11−4] 抗体は、プレセプシンに対して、10−7未満の親和性(KD)で結合する、上記[9]ないし[11−3]のいずれか1項に記載の抗体。
[12] 少なくとも、配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物からポリクローナル抗体を得る工程と、得られた抗体を、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドを固定化したカラムを用いて精製する工程とを含む、抗プレセプシンポリクローナル抗体の製造方法。
[13] さらに、配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体を除去する工程を含む、上記[12]に記載の製造方法。
[14] 少なくとも、上記[1]ないし[11−4]のいずれか1項に記載の抗体と、プレセプシンを含有する検体とを接触させる工程を含む、プレセプシンの測定方法。
[15] 少なくとも、上記[1]ないし[11−4]のいずれか1項に記載の抗体を含む、プレセプシン測定用キット。
[16] 少なくとも、上記[1]ないし[11−4]のいずれか1項に記載の抗体を含む、敗血症を検出するためのキット、又は、敗血症の検出若しくは診断を補助するためのキット。
本発明により、プレセプシンとの反応性に優れ、検体中のプレセプシン測定に適する抗プレセプシンポリクローナル抗体が提供される。これにより、プレセプシン測定の質および精度を高めることが可能となる。
本発明の好ましい態様の抗体は、抗体によるプレセプシン測定の際の抗体のロット間での測定値のばらつきが小さく、プレセプシン測定に適するため、安定的に、品質のそろった、実用性に優れる抗体を提供することが可能となる。
一般に、抗体による検体の測定(特に診断薬)では、抗体のロットが異なっても、実施例5で示されるような回帰直線の傾きが常に一定の範囲に収まることが重要であるところ、本発明の好ましい態様の抗体は、回帰直線の傾きのCV値が10%程度であり、抗体のロットが異なっても回帰直線の傾きが規格内に収まりやすい。
本発明のさらに好ましい態様の抗体は、サンドイッチELISA系において、プレセプシンと特異的に結合し、S68抗体と比較して、ヒト血中に存在する高分子量sCD14との交叉反応を生じにくいため、特異性の高い測定が可能である。
実施例5で得られたP03特異ポリクローナル抗体(P03−A)の回帰直線を示す図である。 実施例5で得られたP03特異ポリクローナル抗体(P03−B)の回帰直線を示す図である。 実施例5で得られたP03特異ポリクローナル抗体(P03−C)の回帰直線を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。
1.本発明の抗体
本発明は、以下の抗プレセプシンポリクローナル抗体(「本発明の抗体」という)を提供する。
(1)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体(P03特異ポリクローナル抗体);または
(2)抗プレセプシンポリクローナル抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体(P03特異ポリクローナル抗体)の含有率が、S68抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体(P03特異ポリクローナル抗体)の含有率と比較して高い、抗プレセプシンポリクローナル抗体。
「プレセプシン」は、sCD14−ST(可溶性CD14抗原サブタイプ)ともいう。CD14には、前述の通り、膜結合型CD14(mCD14)のほかに可溶型CD14(sCD14)があり、血中には分子量の異なる複数の可溶型CD14が存在する。プレセプシンは、CD14の可溶型の断片であり、以下の1)〜3)の性質を有する物質をいう。
1) 非還元条件下SDS−PAGEでは、分子量13±2kDaである、
2) N末端配列に配列番号3のアミノ酸配列(ヒト全長可溶型CD14のアミノ酸配列)の1位〜11位のアミノ酸配列を有する、及び、
3) 配列番号2に記載の16アミノ酸残基(配列番号3のアミノ酸配列の53位から68位のアミノ酸配列に相当する)からなるペプチド(S68ペプチド)を抗原として作製した抗体に特異的に結合する。
本発明において、プレセプシンとは、特に説明しない限り、ヒトプレセプシンである。プレセプシンは、例えば、プレセプシン標準品(WO2005/108429の実施例16に記載のrsCD14−ST)である。あるいは、プレセプシンとしての結合活性を有する、プレセプシンの一部を改変した物質が用いられてもよい。
「抗プレセプシンポリクローナル抗体」とは、プレセプシンを免疫学的に認識する、および/または、プレセプシンと通常の抗原抗体反応を示すポリクローナル抗体である。抗原抗体反応を示すことは、凝集法、サンドイッチ法、固相直接法、競合法等で確認できる。抗体が認識する対象と該抗体との結合を親和性として表した場合、通常、平衡解離定数(KD)は、10−7M未満である。
「配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド」は、P03ペプチドである。「P03ペプチド」は、ヒト全長可溶型CD14(配列番号3)の52位〜61位に相当するアミノ酸配列からなるペプチドである。
「配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する」とは、抗体が、プレセプシンのアミノ酸配列のうち、配列番号1(P03ペプチド)のアミノ酸配列に特異的に結合するが、他のペプチドとは結合しないことをいう。抗体が、P03ペプチドのアミノ酸配列中に存在するエピトープを特異的に認識するが、他のペプチドを認識しないと言い換えられてもよい。より具体的には、例えば、本明細書の実施例3の記載に従い、ペプチド競合阻止反応試験(好ましくは吸光度を利用する)を行ったとき、本発明の抗体とプレセプシンとの結合に対する、P03ペプチド添加による競合阻止は30%以上であり、他のペプチド添加による競合阻止は30%未満であることで示されてもよい。
「他のペプチド」は、例えば、配列番号6のアミノ酸配列からなるペプチド(P01ペプチド)、配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド(P02ペプチド)、配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチド(P04ペプチド)、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド(P05ペプチド)、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド(P06ペプチド)、配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド(P07ペプチド)、および配列番号12のアミノ酸配列からなるペプチド(P08ペプチド)である。「配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する」ことには、カラムに固定化したP03ペプチドに特異的に結合することが含まれる。「カラムに固定化したP03ペプチド」には、N末端またはC末端にシステインを結合し、当該システインを介してカラムに結合したP03ペプチドが含まれ得る。
ここで、配列番号6のアミノ酸配列(P01ペプチド)は、配列番号3のアミノ酸配列の46位〜55位のアミノ酸配列に相当する。配列番号7のアミノ酸配列(P02ペプチド)は、配列番号3のアミノ酸配列の49位〜58位のアミノ酸配列に相当する。配列番号8のアミノ酸配列(P04ペプチド)は、配列番号3のアミノ酸配列の55位〜64位のアミノ酸配列に相当する。配列番号9のアミノ酸配列(P05ペプチド)は、配列番号3のアミノ酸配列の58位〜67位のアミノ酸配列に相当する。配列番号10のアミノ酸配列(P06ペプチド)は、配列番号3のアミノ酸配列の61位〜70位のアミノ酸配列に相当する。配列番号11のアミノ酸配列(P07ペプチド)は、配列番号3のアミノ酸配列の64位〜73位のアミノ酸配列に相当する。配列番号12のアミノ酸配列(P08ペプチド)は、配列番号3のアミノ酸配列の67位〜76位のアミノ酸配列に相当する。
「抗プレセプシンポリクローナル抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体の含有率が、S68抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体の含有率と比較して高い」とは、抗プレセプシンポリクローナル抗体中に含まれるP03特異ポリクローナル抗体の割合が、S68抗体中に含まれるP03特異ポリクローナル抗体の割合と比較して高いことを意味する。このような抗体は、好ましい性能をもつP03特異ポリクローナル抗体の含有率が、S68抗体と比較して高いため、S68抗体と比較して、優れた性能を発揮する。
このような抗体は、例えば、配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体に、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド(P03ペプチド)に特異的に結合する抗体の割合を高める処理を施すことにより得ることができる。詳細は後述する。
「S68抗体」は、S68ペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体を、S68ペプチドを固定化したカラムを用いて精製して得られる抗S68ペプチドポリクローナル抗体である。「S68ペプチド」は、配列番号2のアミノ酸配列(配列番号3のアミノ酸配列の53位から68位のアミノ酸配列)からなるペプチドである。具体的なS68抗体の作製方法は、WO2004/044005の実施例1及び後述の実施例1に記載の通りである。
抗プレセプシンポリクローナル抗体及びS68抗体中のP03特異ポリクローナルの含有率の算出は、特に限定されないが、例えば、実施例1および実施例6の記載に従い、抗プレセプシンポリクローナル抗体又はS68抗体(A)を精製して、P03特異ポリクローナル抗体(B)を取得し、(A)と(B)のタンパク量を測定して、(B)の(A)に対する比率を求めることができる。タンパク量の測定は、例えば、実施例1−3に記載の方法などを用いることができる。
抗プレセプシンポリクローナル抗体とS68抗体におけるP03特異ポリクローナル抗体の含有率の比較は、好ましくは、抗プレセプシンポリクローナル抗体とS68抗体のそれぞれ複数のロットについて上記のように含有率を算出し、含有率の平均値を比較するのが好ましい。複数のロットとは特に限定されないが、3ロット以上であることが好ましい。
本発明の好ましい態様のひとつは、抗プレセプシンポリクローナル抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体(P03特異ポリクローナル抗体)の含有率が高い抗プレセプシンポリクローナル抗体である。
「抗プレセプシンポリクローナル抗体中のP03特異ポリクローナル抗体の含有率が高い」とは、抗プレセプシンポリクローナル抗体に含まれるP03特異ポリクローナル抗体の割合が、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、とりわけ好ましくは70%以上であることをいう。ポリクローナル抗体中のP03特異ポリクローナル抗体の含有率の算出は、前述のとおり実施できる。
この態様においては、抗プレセプシンポリクローナル抗体中に含まれ得る抗体は、P03特異ポリクローナル抗体の他、(1)P03ペプチドを認識し、かつ他のペプチドを認識する抗プレセプシンポリクローナル抗体、(2)P03ペプチドを認識せず、かつ他のペプチドを認識する抗プレセプシンポリクローナル抗体である。「他のペプチド」は、例えば、P01ペプチド、P02ペプチド、P04ペプチド、P05ペプチド、P06ペプチド、P07ペプチドおよびP08ペプチドである。
このような抗体は、例えば、配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体に、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド(P03ペプチド)に特異的に結合する抗体の割合を高める処理を施すことにより得ることができる。詳細は後述する。
本発明において、「抗体」の語は、特に断りのない限り、「抗体又はその抗原結合性断片」の意味で用いられる。「抗原結合性断片」は、抗体の部分断片の中で、元の抗体と実質的に同じ抗原結合性を有する断片のことをいう。抗原結合性断片は、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)などが挙げられる。
本発明の抗体は、非ヒト哺乳動物に由来する。本発明の抗体が由来する非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウサギ、ヤギ、馬、羊、ブタ、ラット、マウス等が挙げられる。抗体作製の容易さの面では、ウサギ、ヤギ等が好ましく、ウサギがより好ましい。
本発明の抗体は、プレセプシンとの反応性に優れ、検体中のプレセプシン測定に適する。本発明の抗体におけるプレセプシンとの反応性の評価は、本発明の抗体を用いてサンドイッチELISA系を構築して行ってもよい。当該サンドイッチELISA系は、より好ましくは、(a)本発明の抗体と、(b)F1106−13−3抗体又はF1031−8−3抗体(WO2004/044005の実施例3に記載)が用いられるサンドイッチELISAである。より具体的には、実施例2の記載に従い、本発明の抗体を固相に固定してプレセプシンと反応させ、吸光度により、本発明の抗体のプレセプシンに対する反応性を評価してもよい。実施例2に示すように、抗体とプレセプシン0pg/mLを反応させたときの吸光度を1としたときの、抗体とプレセプシン500pg/mLを反応させたときの吸光度の比(S/N比)を求め、抗体のS/N比を、プレセプシンとの反応性評価に用いることができる。本発明の抗体のS/N比は、好ましくは36以上、より好ましくは40以上、さらに好ましくは45以上である。また、本発明の抗体のS/N比は、S68抗体と比較して高く、好ましくは、1.2倍以上であり、より好ましくは、2倍以上であり、さらに好ましくは、2〜3倍である。
本発明の抗体は、プレセプシンに対して特異的に結合し、好ましくは、S68抗体のプレセプシンに対する親和性と比較して優れた親和性を有する。本発明の抗体は、プレセプシンに対する親和性(平衡解離定数、KD値)が、10−7M未満であることが好ましく、より好ましくは10−8M未満である。本発明の抗体のプレセプシンに対する平衡解離定数は、例えば、10−7M〜10−13Mの範囲である。親和性(平衡解離定数、KD値)は、例えば、BIACORE(GEヘルスケア)を用いて測定することができる。
好ましくは、本発明の抗体は、
該抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、P03ペプチドを競合反応させる(好ましくは、吸光度を利用する)反応系において、抗体とプレセプシンとの結合が30%以上競合阻止され、
該抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、P05ペプチドを競合反応させる(好ましくは、吸光度を利用する)反応系において、抗体とプレセプシンとの結合の競合阻止が30%未満である、
ことで特徴づけられてもよい。当該反応系は、好ましくはサンドイッチELISAである。より好ましくは、(a)本発明の抗体と、(b)F1106−13−3抗体又はF1031−8−3抗体(WO2004/044005の実施例3に記載)が用いられるサンドイッチELISAである。より具体的には、競合阻止反応は、実施例3に記載の方法により評価されうる。
より好ましくは、本発明の抗体は、P01ペプチド、P06ペプチド、P07ペプチド、およびP08ペプチドによる競合阻止が30%未満である。さらに好ましくは、本発明の抗体は、P02ペプチドおよびP04ペプチドから選択される少なくとも1つのペプチドによる競合阻止が30%未満である。最も好ましくは、本発明の抗体は、P02ペプチドおよびP04ペプチドによる競合阻止が30%未満である。
本発明の抗体は、好ましくは、プレセプシンと特異的に結合するが、ヒト血中に存在する主要な可溶型CD14である、約55kDa及び約49kDaの可溶型CD14(以下、「血中高分子量sCD14」ともいう)との交叉反応の発生率が低い。プレセプシンは、高分子量sCD14と分子量が異なり、高分子量sCD14よりもアミノ酸配列が短い。このため、血液中でのプレセプシンの構造が、高分子量sCD14と異なり、抗体に対する反応性が異なると考えられ、従って、本発明の抗体はプレセプシンにより強く結合することが考えられる。
交叉反応性の評価は、本発明の抗体を用いてサンドイッチELISA系を構築して行ってもよい。当該サンドイッチELISA系は、より好ましくは、(a)本発明の抗体と、(b)F1106−13−3抗体又はF1031−8−3抗体(WO2004/044005の実施例3に記載)が用いられるサンドイッチELISAである。より具体的には、交叉反応性の評価は、実施例4に記載した方法により行い得る。実施例4に従い、本発明の抗体を固相に固定して血清中の高分子量sCD14と反応させ、吸光度により、本発明の抗体の交差反応性の評価を行うことができる。
高分子量sCD14は、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるヒト全長可溶型CD14を用いてもよく、あるいは、例えば、正常人の体液の3C10抗体アフィニティーカラム吸着により作製してもよい(WO2005/108429実施例23参照)。血中高分子量sCD14を含有する検体は、例えば、正常ヒト血清とCD14吸収ヒト血清(血中高分子量sCD14を低減させた血清)とを用いて作製できる。CD14吸収ヒト血清は、例えば、実施例4の記載に従い、正常ヒト血清を、抗CD14抗体を固定化したアフィニティーカラムにアプライすることにより得ることができる。
交叉反応性は、例えば、下記の式により算出することができる。
交叉反応性(%)=(抗体を用いて測定された、血中高分子量sCD14を含有する検体の吸光度を、プレセプシン標準曲線上にプロットして求められる濃度÷測定に用いた高分子量sCD14濃度)×100
上記式により求めた本発明の抗体の高分子量sCD14に対する交叉反応性は、好ましくは検出感度以下である。
好ましくは、本発明の抗体を用いたELISAアッセイ系は、S68抗体を用いたELISAアッセイ系と比較して、血中高分子量sCD14に対する交叉反応の発生率が低い(交叉反応性の値(%)が小さい)。交叉反応の発生率を比較する場合は、抗体の複数ロット(例えば、3ロット以上)の交叉反応性の平均値を比較することが好ましい。
本発明の抗体は、好ましくは、ヒト血清中のプレセプシン濃度の測定に用いたとき、S68抗体と比較して、抗体のロット間で測定値のばらつきが小さく、抗体のロット間の均一性が高いという特徴を有する。ロット間での測定値のばらつきを評価するためのヒト血清中のプレセプシン濃度の測定は、本発明の抗体を用いてサンドイッチELISA系を構築して行ってもよい。当該サンドイッチELISA系は、より好ましくは、(a)本発明の抗体と、(b)F1106−13−3抗体又はF1031−8−3抗体(WO2004/044005の実施例3に記載)が用いられるサンドイッチELISAである。
より具体的には、ロット間での測定値のばらつきは、実施例5に記載した方法により評価し得る。実施例5の記載に従い、本発明の抗体(例えば、3ロットを用いる)を固相に固定して複数の検体(プレセプシン濃度既知)中のプレセプシン濃度を測定し、得られた測定値と既知濃度を用いて相関分析を実施して回帰直線を求め、その回帰直線の傾きの変動係数(CV)を求めることができる。この求めた傾きのCVを抗体ロット間での測定値のばらつきの評価に用いてもよい。本発明の好ましい態様の抗体の傾きのCVは、好ましくは15%以下、より好ましくは13%以下、とりわけ好ましくは11%以下である。別の好ましい態様では、本発明の抗体の傾きのCVは、S68抗体と比較して小さく、その差は、好ましくは、3%以上、より好ましくは、5%以上、さらに好ましくは、8%以上である。基準とするプレセプシン濃度既知の検体のプレセプシン濃度の測定は、S68抗体を用いたプレセプシン測定キット(例えば、PATHFASTTM Presepsin,三菱化学メディエンス株式会社、等)を用いることが好ましい。
本発明の抗体は、測定系を構築して、複数の検体中(プレセプシン濃度既知)のプレセプシンを測定するとき、測定値と既知濃度の相関のよい抗体が好ましい。相関がよいとは、好ましくは、相関係数が0.9以上であり、より好ましくは、0.95以上である。
本発明のいくつかの態様では、本発明の抗体は精製された抗体である。
本発明の抗体は、例えば、配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチド(例えば、S68ペプチド)を免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体を精製して得られる。
あるいは、本発明の抗体は、例えば、配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチド(例えば、S68ペプチド)を免疫原として用いて免疫したウサギから得られたポリクローナル抗体に、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド(P03ペプチド)に特異的に結合する抗体の割合を高める処理を施すことにより得られる。
本発明の抗体の製造方法は、具体的には、後述の通りである。
2.本発明の抗体の製造方法
本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物からポリクローナル抗体を得る工程と、得られた抗体を、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド(P03ペプチド)を固定化したカラムを用いて精製する工程とを含む、抗プレセプシンポリクローナル抗体の製造方法を提供する。
本発明の抗体の製造において、免疫原として用いるペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。「連続した9個以上のアミノ酸残基」は、好ましくは、連続した10個以上、より好ましくは連続した12個以上、とりわけ好ましくは連続した16個のアミノ酸残基である。さらに、抗原とするペプチドは、配列番号2に記載のアミノ酸残基の連続した9個以上のアミノ酸を含めば、その他のアミノ酸配列に限定はないが、好ましくはペプチドすべてのアミノ酸配列が配列番号2アミノ酸配列由来するペプチドである。後述のキャリアをSH基を介して結合するために、ペプチドのN末端またはC末端(好ましくは、N末端)にシステインを挿入してもよい。免疫原とするペプチドは、とりわけ好ましくは、配列番号2のアミノ酸配列中の連続した16個のアミノ酸残基(すなわち、全てのアミノ酸残基)からなるペプチド(S68ペプチド)であるが、N末端またはC末端(好ましくは、N末端)にシステインを挿入してもよい。
免疫原とするペプチドの作製方法は、一般的に使用されるペプチド合成機(ペプチドシンセサイザー433A型、パーキン−エルマージャパン)等を用いた方法、遺伝子組換え法(東京大学医科学研究所 制癌研究部編、新細胞工学実験プロトコール、秀潤社)等が挙げられる。
例えば、配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドは433A型ペプチド合成機を用いてFmoc法により合成でき、TFAによる脱保護、樹脂からの切断の後、C18 HPLCカラム(Capcell−pak、資生堂)を用いて精製し、目的のペプチドを調製することができる。
抗原が蛋白質である場合は、そのまま免疫原とすることができるが、8〜30アミノ酸残基以下のペプチドの場合は分子量が小さいため、通常免疫原性を持たないことがある。この場合、キャリアと結合させて若しくはMultiple Antigen Peptide(MAP)法を用いてMAPペプチドを調製して、免疫原性を有する分子量を有させ、免疫原とすればよい。
上記ペプチドと結合させるキャリアは、キャリア蛋白、ポリマーが挙げられる。キャリア蛋白は牛血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、サイログロブリンまたはオボアルブミン等の異種蛋白を用いればよい。これらキャリア蛋白は、ペプチド若しくはキャリア蛋白のアミノ酸に含まれる側鎖の官能基を利用して、またはマレイミド基、N−ヒドロキシスクシニミド(NHS)基若しくはアルデヒド基を導入して、上記ペプチドと結合させればよい。この場合、官能基を利用できるアミノ酸(例えば、システイン)をペプチドに結合するようにしてもよい。ポリマーはマンナン若しくはキトサン等の糖類、ポリビニルピロリドン(PVA)が挙げられる。これらポリマーは上記ペプチドと、吸着若しくは上記のような化学結合により結合させればよい。
本発明のいくつかの態様では、免疫原は、N末端に挿入されたシステインを介してKLHと結合したS68ペプチド(S68ペプチド−KLH)である。
上記のとおり調製した免疫原を用いて、公知技術(例えば、免疫実験操作法、日本免疫学会編、日本免疫学会発行、参照)を用いて、免疫原に対するポリクローナル抗体を作製することができる。
上記のとおり調製した免疫原を用いて非ヒト哺乳動物を免疫する。例えば、免疫原20〜1000μgを非フロインド完全アジュバント、RIBIアジュバント、ALUM等のアジュバントと混合し、非ヒト哺乳動物に免疫することができる。非ヒト哺乳動物としては、ウサギ、ヤギ、馬、羊、ブタ、ラット、マウス等が挙げられ、ウサギ、ヤギ等が好ましく、ウサギがより好ましい。免疫方法としては筋肉内投与、皮内投与、皮下投与、腹腔内投与、リンパ節投与等の方法が使用可能である。初回投与後1〜4週間間隔でフロインド不完全アジュバント、RIBIアジュバント、ALUM等のアジュバントと混合した免疫原を同様に投与することにより、あるいは免疫原を直接静脈内に投与することにより追加免疫を行うことができる。
免疫原に対するポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された非ヒト哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは、血液から採取することができる。血液は、免疫した非ヒト哺乳動物から通常の採血方法、例えば頚動脈、耳静脈、心臓、足の静脈等より血液を採取する。採取した血液より、遠心等により抗血清を分離することができる。ポリクローナル抗体の作製に際しては、免疫された非ヒト哺乳動物から抗体価の認められた個体から得られた抗血清を用いるのが好ましい。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、標識化P03ペプチドと抗血清とを反応させたのち、P03ペプチドに結合した標識の活性を測定すること、あるいはプレートに固定化したP03ペプチドと抗血清とを反応させた後、P03ペプチドに結合した抗体の量を標識2次抗体で検出することにより行なうことができる。抗血清は、その後、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等を添加する塩析法によりγグロブリン分画を沈殿させ、適当な緩衝液に透析後、プロテインA、プロテインG等のγグロブリンを特異的に精製することができるアフィニティーマトリクスを用いて免疫原に対するポリクローナル抗体(例えば、IgG画分の精製ポリクローナル抗体)を調製することができる。
このように調製したポリクローナル抗体には、P03特異ポリクローナル抗体に加えて、P03特異ポリクローナル抗体以外の抗プレセプシンポリクローナル抗体が含まれ得る。そこで、本発明は、上記のように調製したポリクローナル抗体に、P03ペプチドに特異的に結合する抗体の割合を高める処理を施す。そのような処理としては、例えば、精製が挙げられる。
得られたポリクローナル抗体からP03ペプチドに結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体(「P03精製ポリクローナル抗体」という)を精製するために、アフィニティーマトリックスを用いた精製を行う。より具体的には、そのようなアフィニティーマトリックスは、P03ペプチドを固定化したカラムを用いる。P03ペプチドは、SH基を介してカラムに結合するために、N末端またはC末端にシステインを結合してもよい。N末端にシステインを結合したP03ペプチドのアミノ酸配列およびC末端にシステインを結合したP03ペプチドのアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号4および配列番号5に示す。好ましくは、P03ペプチドを固定化したカラムとして、N末端にシステインを結合したP03ペプチドと、C末端にシステインを結合したP03ペプチドの両方を結合したカラムを用いる。P03精製ポリクローナル抗体は、上記で得られた精製IgG画分を、このようなカラムを用いて精製することで、作製することができる。
P03精製ポリクローナル抗体は、上記のようなP03ペプチドを用いた精製により得られたP03ペプチドに結合する抗体であり、P03精製ポリクローナル抗体中の、P03特異ポリクローナル抗体の含有率は、S68抗体中のP03特異ポリクローナル抗体の含有率と比較して高い。そのため、P03精製ポリクローナル抗体は、S68抗体と比較して、P03特異ポリクローナル抗体に由来する優れた性能を発揮することができる。
必要に応じて、得られた抗体について、実施例3の記載に従い、ペプチド競合阻止反応試験を実施して、抗体の特異性の確認を行ってもよく、その結果に応じて、抗体に以下の処理を加えてもよい。
例えば、作製したP03精製ポリクローナル抗体には、P03特異ポリクローナル抗体に加えて、P02ペプチドおよびP04ペプチドから選択される少なくとも1つのペプチド、例えば、P02ペプチドまたはP04ペプチドに結合するポリクローナル抗体を含む場合がある。
本発明のいくつかの態様においては、得られたP03精製ポリクローナル抗体に、さらに、P04ペプチドに結合する抗体を除去する処理、好ましくは、P02ペプチドおよびP04ペプチドに結合する抗体を除去する処理を施すようにしてもよい。これらのペプチドに結合する抗体を除去する処理としては、例えば、アフィニティーマトリックスを用いた精製が挙げられる。より具体的には、例えば、抗体にP04ペプチドにも結合する抗体が含まれている場合は、アフィニティーマトリックスは、P04ペプチドを固定化したカラムを用いる。P04ペプチドは、SH基を介してカラムに結合するために、N末端またはC末端にシステインを結合してもよい。好ましくは、P04ペプチドを結合したカラムとして、N末端にシステインを結合したP04ペプチドとC末端にシステインを結合したP04ペプチドとの両方を結合したカラムを用いる。このようなカラムを用いた精製を行うことで、P03精製ポリクローナル抗体から、P04ペプチドに結合する抗体を除去することができる。抗体にP02ペプチドにも結合する抗体が含まれる場合には、上記に準じて、P02ペプチドを固定化したカラムを用いて精製することができる。これにより、P03精製ポリクローナル抗体から、P03ペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体(「P03特異ポリクローナル抗体」という)を作製し得る。
本発明の別のいくつかの態様においては、得られたP03精製ポリクローナル抗体に、さらに、P04ペプチドにも結合する抗体の結合活性を弱める処理、好ましくは、P02ペプチドにも結合する抗体およびP04ペプチドにも結合する抗体の結合活性を弱める処理を施すようにしてもよい。例えば、P04ペプチドに結合する抗体の結合活性を弱める処理としては、P03精製ポリクローナル抗体に、P04ペプチドを添加し、抗原抗体反応を生じさせ、P04ペプチドに結合する抗体の結合活性をブロックすることが挙げられる。P02ペプチドに結合する抗体の結合活性を弱める処理も、上記に準じて行うことができる。これにより、P03精製ポリクローナル抗体におけるP04ペプチドにも結合する抗体の結合活性、好ましくは、P02ペプチドにも結合する抗体およびP04ペプチドにも結合する抗体の結合活性を弱めることもできる。
抗原結合性断片は、上記のように製造したポリクローナル抗体より、公知の方法で作製することができる。
抗原結合性断片のうち、Fabは、H鎖のN末端側約半分とL鎖全体がジスルフィド結合で結合した抗原結合活性を有する抗体断片であり、例えば、ポリクローナル抗体IgGを蛋白質分解酵素パパインで処理して断片化し、必要に応じて公知の方法で精製することにより作製することができる。
F(ab’)は、Fabがヒンジ領域のジスルフィド結合を介して結合されたものであり、ポリクローナル抗体IgGを蛋白質分解酵素ペプシンで処理して断片化し、必要に応じて公知の方法で精製することにより作製することができる。
Fab’は、F(ab’)のヒンジ領域のジスルフィド結合を切断して得られる抗原結合活性を有する抗体断片であり、例えば、F(ab’)を還元剤ジチオスレイトール処理してヒンジ領域のジスルフィド結合を切断し、必要に応じて公知の方法で精製することにより作製することができる。
3.プレセプシンの測定方法
本発明は、本発明の抗体を用いて、プレセプシンを免疫学的に測定する方法であり、本発明の抗体とプレセプシンを含有する検体とを接触させる工程を含む、方法(「本発明の測定方法」という)を提供する。本発明において「測定」の語は、「検出」「定量」「アッセイ」等の語と相互に変換して用いることができ、定量的及び定性的な決定を含む意味で用いられる。プレセプシンの測定は、好ましくは、in vitroで行う。
プレセプシンは敗血症の検出に用いられるマーカーとして知られているため、この方法は、本発明の抗体とプレセプシンを含有する検体を接触させる工程を含む、敗血症を検出するための方法ということもできる。
すなわち、1)本発明の抗体を用いて、被験者の検体中のプレセプシン濃度を測定する工程、及び、2)1)で得られたプレセプシン濃度がカットオフ値と比較して高値であるか否かを判定する工程を含む、敗血症を検出する方法、あるいは、敗血症の検出若しくは診断を補助するための方法ということもできる。このときのカットオフ値は、314〜600pg/mLであり、好ましくは400〜580pg/mL、より好ましくは450〜550pg/mL、さらに好ましくは、500pg/mLである。
本発明において、「疾患の検出」は、「疾患の検出の補助」あるいは「疾患の診断の補助」に読み替えて用いられてもよい。
また、抗体は、例えば、敗血症と全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome、SIRS)との判別、敗血症の重症化のリスク評価、敗血症の予後予測(死亡率予測)、敗血症の重症度評価、術後感染症の検出、播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation、DIC)の検出、感染性DICの検出、心疾患の検出、細菌感染を伴う呼吸器感染症の検出、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の検出、発熱性好中球減少症(febrile neutropenia、FN)の検出、血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome、HPS)の検出及び食細胞の機能評価から選ばれる少なくとも1つの疾患の検出又は評価のために使用することができる。
術後感染症は、術後に発症した感染症を総称し、手術およびそれに必要な補助療法による全ての感染症を意味する。また、術後感染症は、Guideline for prevention of surgical site infection,1999 (CDC)に基づき術後感染症と診断される疾患全てを含むものである。
心疾患としては、例えば、急性冠症候群(ACS)、急性心不全、急性非代償性心不全(ADHF)、慢性心不全、冠動脈疾患、狭心症、心筋梗塞、虚血性脳卒中、出血性脳卒中及び一過性脳虚血発作が挙げられる。
細菌感染を伴う呼吸器感染症としては、下気道感染症又は肺炎が挙げられる。下気道感染症には急性下気道感染症と慢性下気道感染症が含まれる。急性下気道感染症には急性気管炎、急性気管支炎、急性細気管支炎が含まれ、多くは上気道へのウイルス感染が下気道に波及することにより発症するが、一部で細菌による二次感染が続発する。細菌二次感染の兆候が見られた場合は抗生剤投与の適応となる。慢性下気道感染症は、気管支拡張症や慢性閉塞性肺疾患などで器質的障害を有する下気道に細菌の持続的な感染が成立した病態であり、持続感染と急性憎悪が存在する。下気道の器質的障害を発生させる疾患には、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎、陳旧性肺結核、じん肺、非結核性抗酸菌症、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、肺線維症、慢性気管支喘息などが含まれる。持続感染、急性憎悪ともに抗生剤投与の適応となる。肺炎には市中肺炎、院内肺炎が含まれる。好ましくは市中肺炎である。
食細胞の機能評価としては、(a)好中球、顆粒球および/または白血球の貪食能の測定、(b)好中球、顆粒球および/または白血球の貪食能の測定することによる、免疫機能の評価、(c)自家細胞移植又は他家細胞移植の際の移植用細胞の品質評価、及び、(d)食細胞による貪食が関連する疾患の検出等が挙げられる。食細胞による貪食が関連する疾患としては、例えば、自己免疫疾患、関節リウマチ、乳房炎、痛風、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、地中海熱、中耳炎、鼻炎、肺炎、結核、膀胱炎、羊水感染症、及び膿精液症が挙げられる。食細胞による貪食が関連する疾患を検出する際に用いる検体としては、組織液、リンパ液、関節液、乳汁、脳脊髄液、膿、唾液、涙液、粘液、鼻水、痰、尿、腹水、羊水、精液などの体液、また、鼻腔、気管支、肺、皮膚、腹腔、各種臓器、関節、骨などを洗浄した後の洗浄液を用いうる。
本発明の抗体を用いて、プレセプシンを免疫学的に測定する方法としては、例えば、エンザイムイムノアッセイ((以下、EIA又はELISAとも記す)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、化学発光免疫測定法(CLIA),蛍光抗体法(FAT)、蛍光酵素免疫測定法(FEIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、放射免疫測定法(RIA)、イムノクロマト法、凝集法、競合法等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明においては、直接法と間接法のいずれが用いられてもよい。ビオチン−アビジン(ストレプトアビジン)複合体を形成させて検出する増感法が用いられてもよい。
EIAは、酵素標識抗体を用いた免疫測定法の一つであり、直接法、間接法等が挙げられる。好ましい例としては、サンドイッチELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)である。
サンドイッチELISAとは、抗原認識部位の異なる2種類以上の抗体を用いて、あらかじめ一方の抗体は固相に固定し、検出したい抗原を2種類の抗体で挟んで、抗体−抗原−抗体複合体を形成させることにより測定する方法である。
化学発光酵素免疫測定法(CLEIA:Chemiluminescent Enzyme Immunoassay)は、検体中の抗原と、磁性粒子やビーズ等に固相した抗体を反応させた後、酵素標識抗体を反応させ、洗浄(B/F分離)後、化学発光基質を加えて酵素反応後、発光強度を測定する方法である。
例えば、検体中の抗原とビオチンを結合させた抗体を液相で反応させ、ストレプトアビジンを結合させた磁性粒子へ抗体をトラップし、洗浄(B/F分離)後、酵素標識抗体を反応させ、上記同様の処理を行ってもよい。
標識酵素としてアルカリホスファターゼ(ALP)を用いるとき、化学発光基質は、CDP−StarTM,AMPPDTM,CSPDTMが用いられることが好ましい。標識酵素がHRPのときは、化学発光基質は、ルミノールが用いられることが好ましい。
検出感度は、一般的に、化学発光>蛍光>吸光(呈色)の順に高いといわれ、求める感度に応じて測定法を選択しうる。
化学発光免疫測定法(CLIA:Chemiluminescent Immunoassay)は、検体中の抗原と磁性粒子などに固相した抗体を反応させた後、化学発光物質で標識した抗体を反応させ、洗浄(B/F分離)後、発光強度を測定する方法である。標識物質は、アクリジニウム等が用いられる。
蛍光酵素免疫測定法(FEIA:Fluorescent Enzyme Immunoassay)は、検体中の抗原と固相化した抗体を反応させた後、酵素標識抗体を反応させ、洗浄(B/F分離)後、蛍光基質を加えて酵素反応後、蛍光強度を測定する方法である。標識酵素には、HRPやALP等が用いられる。蛍光基質は、標識酵素がHRPのときは、AmplexTMRed等が用いられ、標識酵素がALPのときは、4−MUP(4−Methylumbelliphenyl phosphate)、AttoPhosTM等が用いられることが好ましい。
電気化学発光免疫測定法(ECLIA:Electro Chemiluminescence Immunoassay)は、検体中の抗原と磁性粒子に固相した抗体及び電気化学発光物質で標識した抗体を反応させた後、洗浄(B/F分離)し、電気エネルギーによる発光強度を測定する方法である。標識物質にはルテニウム等が用いられる。標識物質には、Ru(bpy)等が用いられ、電極への荷電による酸化と、トリプロピルアミン(TPA)等による還元反応により励起発光を繰り返す。
放射免疫測定法((RIA:Radioimmunoassay)は、放射性同位元素による標識体を用いた測定方法である。例えば、検体中の抗原とビーズ等に固相した抗体を反応された後、放射性同位元素(125I等)で標識した抗体を反応させ、洗浄(B/F分離)後、125Iの放射線量を測定することができる。
イムノクロマト法は、被検体が、試験ストリップ上を試薬を溶解しながら移動する毛細管現象を応用した免疫測定法である。検体中の抗原が、試験ストリップ上の標識抗体及びキャプチャー抗体の3者と免疫複合体を形成し、標識物の色を確認する方法である。抗体の標識は、金コロイド、酵素、蛍光物質等が用いられる。酵素標識抗体を用いる場合は、試験ストリップ上に酵素基質を配置し発色させる。
フロースルー法は、不溶性担体であるメンブレン上で、検体中の溶液と共に被験物質である抗原が、抗体−抗原−抗体複合体を形成させる方法である。このとき、メンブレンに固定されなかった物質は、通常は垂直にメンブレンの表から裏を通って除去される。
凝集法は、検体中の抗原と試薬中の抗体を反応させ、凝集を観察する方法である。固相を用いない方法、固相として人工的に作製された粒子を用いる粒子凝集法(particle agglutination:PA)、PAの中でもラテックス粒子を用いたラテックス凝集法(latex agglutination:LA)等が挙げられる。
競合法は、例えば、固相に抗体を結合させ、被検試料と一定量の標識抗原を同時に反応させ、結合した標識物の量から試料中の抗原の量を測定することができる。
本発明の抗体は、上述の測定方法に好ましく用いられる。
プレセプシン測定に用いられる検体は、特に限定されないが、水性の検体が好ましく、例えば、血液(全血、血漿、血清等)、尿、組織液、リンパ液、関節液、乳汁、脳脊髄液、膿、唾液、涙液、粘液、鼻水、痰、腹水、用水、精液などの体液、また、鼻腔、気管支、肺、皮膚、腹腔、各種臓器、関節、骨などを洗浄した後の洗浄液、あるいは、細胞培養上清、またはカラム溶出液等が挙げられる。これらの試料は、そのまま、あるいは各種緩衝液等で希釈あるいは抽出後濃縮され、測定に用いられる。
また、検体として、全血検体を用いる場合には、全血検体を採取してから72時間、48時間以内、24時間以内、12時間以内、6時間以内、又は4時間以内に分析を実施されてもよい。また、EDTA採血管又はヘパリン採血管により全血検体を採取されてもよい。好ましくは、EDTA採血管に全血検体を採取して6時間以内に分析すること、又は、ヘパリン採血管により全血検体を採取して4時間以内に分析することが挙げられる。
4.sCD14−ST測定用キット
本発明は、本発明の抗体を必須の構成要素するプレセプシン測定用キット(「本発明の測定キット」という)を提供する。
本発明の測定キットは、好ましくは、プレセプシン測定のための補助試薬を含む。補助試薬としては、例えば、一次抗体、二次抗体、標識抗体、標識酵素、金コロイド等の標識物質、発色基質、蛍光基質(AmplexTM Red,AttoPhosTM,4−MUP等)、化学発光基質(ルミノール、CDP−StarTM,AMPPDTM,CSPDTM等)、ビオチン−ストレプトアビジン等の特異結合物質、不溶性担体、ブロッキング剤、希釈液、洗浄液、標準物質等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の測定キットは、プレセプシン測定法に合わせて、適宜組み合わせて用いられる。
一次抗体は、好ましくは、プレセプシンに結合する抗体であり、より好ましくは、本発明の抗体と異なるエピトープを認識する抗体が好ましい。例えば、WO2004/044005の実施例3に記載のF1106−13−3抗体やF1031−8−3抗体などが挙げられる。
本発明の抗体と一次抗体のいずれを標識抗体としてもよい。本発明の抗体と一次抗体のいずれも標識されていない場合は、標識された二次抗体を用いてもよい。
不溶性担体としては、例えば、磁性粒子、ビーズ、ガラス、セルロース、ニトロセルロース、多孔性合成ポリマー、グラスファイバー、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン、プラスチックプレート、ラテックス粒子、不織布、濾紙等が挙げられる。
抗体の標識は、ペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ(ALP)、β−ガラクトシダーゼ等の酵素、金コロイド等、好ましく用いられるが、これらに限定されない。
例えば、HRPを用いる場合は、発色基質として、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、o−フェニレンジアミン(OPD)等が挙げられる。ALPを用いる場合は、発色基質としてp−ニトロフェニルフォスフェート(pNPP)等が挙げられる。β−ガラクトシダーゼを用いる場合の発色基質としては、o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(o−Nitrophenyl −β−D-Galactopyranoside:ONPD)等が例示される。
例えば、サンドイッチELISA法用の測定キットは、本発明の抗体及び一次抗体(いずれかの抗体が酵素標識されていてもよい)、発色基質、希釈液、標準物質等を含有しうる。本発明の抗体及び一次抗体が標識されていない場合、標識された二次抗体を含有してもよい。
化学発光酵素免疫法(CLEIA)用の測定キットは、例えば、磁性粒子等に固相化した抗体、酵素標識抗体、化学発光基質、希釈液、洗浄液等を含有しうる。
蛍光酵素免疫測定法(FEIA)の測定キットは、例えば、磁性粒子等に固相化した抗体、酵素標識抗体、蛍光基質、希釈液、洗浄液等を含有しうる。
電気化学発光免疫測定法(ECLIA)の測定キットは、例えば、ビオチン化抗体、Ru(bpy)標識抗体、ストレプトアビジンコーティング磁性粒子、トリプロピルアミン等を含有しうる。
イムノクロマト法による測定キットは、試料添加部、試薬部、検出部及び吸収部を、試験添加部に添加される液性検体が上記の順に移動するように設けた試験ストリップである。例えば、試薬部に標識した第二の抗体を含浸させ、検出部に第一の抗体が結合した不溶性担体を設置することができる。
試験ストリップは、多孔性担体等を用いることが例示される。多孔性担体は、例えば、ニトロセルロース、セルロース、セルロース誘導体、ナイロン、ナイロン繊維、ガラス線維、多孔性合成ポリマー等が挙げられる。吸収部は、水吸収性材料のスポンジ等の吸収ポリマー、セルロース濾紙、濾紙等が挙げられる。
敗血症患者では、特徴的にプレセプシン血中濃度が上昇することが報告されているため、本発明のプレセプシン測定用キットは、敗血症の検出用キット、又は、敗血症の検出若しくは診断を補助するためのキットであってもよい。
また、本発明の測定キットは、敗血症の診断薬、あるいは、敗血症診断の補助薬として用いることができる。プレセプシン測定用キットは、このような敗血症の検出等を目的とするとき、本発明の抗体を用いて測定した、被験者の検体中のプレセプシン濃度が、カットオフ値より高値であるときに、被験者を敗血症の可能性があると判定し、検出又は診断を補助することができる。このとき、カットオフ値は、314〜600pg/mLであり、好ましくは400〜580pg/mL、より好ましくは450〜550pg/mL、さらに好ましくは、500pg/mLである。
また、プレセプシン測定用キットは、例えば、敗血症と全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome、SIRS)との判別、敗血症の重症化のリスク評価、敗血症の予後予測(死亡率予測)、敗血症の重症度評価、術後感染症の検出、播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation、DIC)の検出、感染性DICの検出、心疾患の検出、細菌感染を伴う呼吸器感染症の検出、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の検出、発熱性好中球減少症(febrile neutropenia、FN)の検出、血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome、HPS)の検出及び食細胞の機能評価から選ばれる少なくとも1つの疾患の検出又評価のために使用することができる。プレセプシン測定用キットは、上記に記載の少なくとも1つの疾患の検出又は評価のためのキットであってもよい。
5.敗血症患者の治療方法
本発明は、本発明の抗体を用いて、敗血症の検出を補助するための方法が施行された被験者に対して、敗血症治療を行う、敗血症患者の治療方法を提供する。
敗血症の検出を補助するための方法は、前述のとおりである。敗血症治療は、特に限定されないが、例えば、抗菌薬やステロイドの投与、昇圧剤、補液、酸素投与、人工呼吸管理、持続的血液濾過透析、血漿交換などが挙げられる。
6.被験薬(又は治療薬)のスクリーニング方法
本発明は、本発明の抗体、あるいは、本発明の測定キットを用いて、被験薬(又は治療薬)が投与された被験者の検体中のプレセプシン濃度を決定する工程を含む、被験薬(又は治療薬)のスクリーニング方法を提供する。被験薬が対象とする疾患は、被験者の検体中のプレセプシン濃度が上昇する疾患であれば特に限定されない。好ましくは、被験薬の投薬前と投与後で被験者の検体中のプレセプシン濃度を比較して、被験薬投与後のプレセプシン濃度が投与前と比較して低下するか否かを決定する。あるいは、被験薬投与後の被験者の検体中のプレセプシン濃度が正常人レベルまで低下するか否かを決定してもよい。
すなわち、以下の工程を含む被検薬のスクリーニング方法である。
1)被検薬が投与された被験者の検体中のプレセプシン濃度を決定する工程
7.抗プレセプシンポリクローナル抗体のスクリーニング方法
本発明は、少なくとも下記の工程を含む、検体中のプレセプシン測定に有用な抗プレセプシンポリクローナル抗体を得るための、抗体のスクリーニング方法である。
1)候補の抗プレセプシンポリクローナル抗体を得る工程、および、
2)当該候補の抗体を用いてプレセプシン測定系を構築し、当該抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド(P03ペプチド)を競合反応させる反応系において、前記抗体とプレセプシンとの結合が30%以上競合阻止され、
前記抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド(P05ペプチド)を競合反応させる反応系において、前記抗体とプレセプシンとの結合の競合阻止が30%未満である抗体を選択する工程
前記競合阻止反応試験は、実施例3の記載に従い行うことができる。
好ましくは、さらに、P01ペプチド、P02ペプチド、P04ペプチド、P06ペプチド、P07ペプチド、および/またはP08ペプチドによる競合阻止が30%未満である抗体を選択する工程を追加してもよい。これらのペプチドは適宜選択できる。
尚、本明細書において引用した全ての文献、及び公開公報、特許公報、その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。
以下の実施例により本発明を更に詳述するが、本発明はこれら実施例に限定して理解されるべきものではない。
実施例1 S68ペプチド又はP03ペプチドにより特異的に精製されたポリクローナル抗体の作製
S68ペプチドを免疫原としてウサギに免疫して得られたウサギ抗S68ペプチドポリクローナル抗体について、P03ペプチド(配列番号1)又はS68ペプチド(配列番号2)をそれぞれ固体化したアフィニティーカラムを用いて特異精製を実施した。
1−1 ウサギ抗S68ペプチドポリクローナル抗体の調製
WO2004/044005の実施例1に記載の方法に従って、免疫原としてS68ペプチド−KLHを使用してウサギを免疫した後、定法に従い抗血清を調製し、硫安塩析、プロテインA精製(Prosep−A、ミリポア)により、3ロットの精製IgG画分(A、B、C)を調製した。
1−2 P03ペプチド固定化アフィニティーカラム及びS68ペプチド固定化アフィニティーカラムの調製
マニュアルに従い、3.0mLのSulfoLink Coupling Gel(サーモサイエンス)をカラムに充填し、カラム体積の6倍量の50mM Tris、5mM EDTA(pH8.5)で洗浄した。カラムの底にフタをした。次に、N末にシステインを結合したS68ペプチド(2.5mg)、N末又はC末にシステインを結合したP03ペプチド(3.0mg、配列番号4及び5の等量混合物)をそれぞれ、50mM Tris、5mM EDTA(pH8.5)で1mg/mLに溶解した。
N末にシステインを結合したP03ペプチド(配列番号4:CKRVDADADPR)
C末にシステインを結合したP03ペプチド(配列番号5:KRVDADADPRC)
調製したペプチド溶液を各カラムのゲルに添加し、カラムの上にシールをした。15分間室温で転倒攪拌し、続けて30分間室温で静置した。カラムの上下のフタを外して反応液を自然滴下で回収した。次にゲルをゲルの3倍量の50mM Tris、5mM EDTA(pH8.5)で洗浄後、50mM Cysteinを含む溶液で未反応の活性基をブロッキングした。反応終了後、ゲルをゲルの16倍量の1M NaClと16倍量のリン酸緩衝液(PBS、pH7.4)で洗浄した。ゲルは1M NaCl/PBS溶液を添加して冷蔵庫で保存した。
1−3 特異精製抗体の調製
1−2で調製したS68ペプチド固定化ゲル及びP03ペプチド固定化ゲルをそれぞれ1mL/カラムに分注し、PBSで洗浄し平衡化した。次に、1−1で得られた3ロットの精製IgG画分(各50mg)を、2種類のペプチド固定化アフィニティーカラムにそれぞれ0.5mL/minの流速でアプライし、PBSで未吸着分画を洗浄した。続けて0.1M Glycine−HCl緩衝液(pH2.5)で溶出し、ピーク画分を回収した。得られた溶出画分を中和し、濃縮後、PBS(pH7.4)で透析した。得られたそれぞれの抗体の純度をSDS−PAGEで確認したところ、150kDa付近に単一バンドが確認された。また、DC Protein Assay(バイオラッド)でタンパク濃度を測定した。表1に調製した各抗体のタンパク濃度の結果を示した。S68−A、S68−BおよびS68−Cは、S68ペプチド固定化アフィニティーカラムにより特異精製して得られた抗体を表し、P03−A、P03−BおよびP03−Cは、P03ペプチド固定化アフィニティーカラムにより精製して得られた抗体を表す。
表1
実施例2 プレセプシンとの反応性の評価
実施例1で調製した6種類の特異精製抗体をそれぞれ用いたサンドイッチELISAを作製してプレセプシン標準品(WO2005/108429の実施例16に記載のrsCD14−ST)を測定し、各抗体の反応性を評価した。(以下、P03ペプチド固定化アフィニティーカラムにより特異精製して得られた抗体を「P03精製ポリクローナル抗体」、S68ペプチド固定化アフィニティーカラムにより特異精製して得られた抗体を「S68抗体」という。)
2−1 各抗体固相化プレートの調製
実施例1で調製した6種類の抗体をそれぞれPBS(pH7.4)で5μg/mLに希釈し、イムノプレート(MAXISORP、C8プレート、ヌンク)に分注した。プレートをシールし4℃一夜静置した。翌日プレートを冷蔵PBS(pH7.4)で5回洗浄後、ブロッキング液200mLを添加し、各抗体を固相化したプレートを調製した。
2−2 サンドイッチELISAによる特異精製抗体の反応性の比較
プレセプシン標準品を検体希釈液(0.1%BSAを含むD−PBS(pH7.4))で500pg/mLに希釈した。2−1で調製した各プレートに検体希釈液(プレセプシン標準品0pg/mLに相当)及びプレセプシン標準品500pg/mLをウエル当たり50μL添加し、シェイカー(TAITEC bioShakerM−BR−022UP)を用いて、500rpm、25℃で1時間反応させた。反応終了後、プレートウォッシャー(バイオテックMW−96AR・Nunc−ImmunoWash)を用いて0.05%Tween20を含む生理食塩水で5回洗浄し、ペルオキシダーゼ標識F1106−13−3抗体(WO2004/044005の実施例3に記載)を標識抗体希釈液で0.125μg/mLに希釈した溶液を各ウエルに50μL添加した。25℃、500rpmで2時間反応後、同様に5回洗浄し、テトラメチルベンジジン溶液(TMB、BioFx)を各ウエルに添加し、室温で20分間反応した。各ウエルに1M硫酸溶液を50μL添加し反応を停止し、引き続きプレート分光光度計(CORONA ELECTRIC MTP-300)で450nm/650nmの吸光度を測定した。プレセプシン標準品0pg/mL又は500pg/mLを添加したときの各抗体の吸光度を表2に示した。
その結果、吸光度を用いて求めたS/N比(プレセプシン標準品500pg/mL添加時の吸光度/プレセプシン標準品0pg/mLの吸光度)は、P03精製ポリクローナル抗体で44から57であったのに対して、S68抗体では17から35であった。P03精製ポリクローナル抗体のS/N比は、S68抗体と比較して、約2〜3倍高いことが明らかになった。この結果から、同じポリクローナル抗体由来でも、P03ペプチド固定化アフィニティーカラムによる精製は、S68ペプチド固定化カラムによる精製と比較して、よりプレセプシンとの反応性の高い抗体を調製できることが分かった。
表2
実施例3 特異性の評価 ペプチド競合阻止反応
実施例1で調製した6種類の抗体の特異性を評価するため、実施例2で作製したサンドイッチELISAを用いて、各抗体とプレセプシンとの反応に対して、S68ペプチド由来の部分ペプチド(各10アミノ酸、表3参照)を添加し、競合阻止反応試験を行った。
3−1 ペプチドの調製
S68ペプチドのN末端3アミノ酸を含む10アミノ酸をP01ペプチドとし、3アミノ酸ずつC末側にずらしたペプチド8種類を合成した(表3)。それら合成ペプチドをPBS(pH7.4)で20mg/mLに希釈し、阻止ペプチドとした。
表3
3−2 特異性の評価
プレセプシン標準品をPBS(pH7.4)で希釈し、400pg/mLの標準品を調製した。また、コントロールとしてペプチドを含まないPBS(pH7.4)を使用した。実施例2に記載の方法にしたがって、各特異精製抗体で調製したプレートに3−1で調製した阻止ペプチド25μLとプレセプシン標準品25μLを添加し、25℃、500rpmで1時間反応させた。プレートを洗浄後、標識抗体を添加し、同様に反応させた。得られた吸光度から、コントロールと比較して吸光度が30%以上低下したペプチドを結合活性ありと判断した。
その結果、S68抗体はP01からP05までのペプチドに反応する抗体が含まれているのに対して、P03精製ポリクローナル抗体は、P03ペプチド及びP04のペプチドに反応する抗体が2ロット、P02ペプチド、P03ペプチド及びP04ペプチドに反応する抗体が1ロットであった。結果を表4に示した。
表4
実施例4 血中高分子量sCD14に対する交叉反応性の比較
実施例1で得られた6種類の抗体の血中高分子量sCD14に対する交叉反応性をサンドイッチELISAを用いて測定した。実施例3の結果から、P03精製ポリクローナル抗体にはP03ペプチドにもP04ペプチドにも結合する抗体が含まれていることが明らかになった。そこで、P03精製ポリクローナル抗体を用いたELISAでは、血中高分子量sCD14及びプレセプシン標準品の希釈液中に最終濃度20μg/mLとなるようにP04ペプチドを添加し、P04ペプチドに結合する抗体の結合活性をブロックすることにより、P03ペプチドに特異的に結合する抗体(P03特異ポリクローナル抗体)の評価を実施した。
4−1 血中高分子量sCD14の調製
血中高分子量sCD14の調製は、次のように実施した。抗CD14抗体(F1024−1−3:WO01/072993の実施例2に記載)を固定化したカラムに正常ヒト血清をアプライし、CD14を吸収することによりCD14吸収ヒト血清を調製した。CD14吸収ヒト血清及び正常ヒト血清の血中高分子量sCD14濃度はCD14 ELISAキット(R&D社、#DC140)を用いて測定した。それぞれの血中高分子量sCD14濃度は正常ヒト血清1603ng/mL、CD14吸収ヒト血清21ng/mLであり、これらを混合することにより高分子量sCD14希釈列を調製した。
4−2 交叉反応性の測定
血中高分子量sCD14(21〜1603ng/mL)の希釈系列を調製し、希釈液で20倍希釈して、実施例2に記載の方法に従い、各抗体を用いたELISAにより吸光度を測定した。また、プレセプシン標準品(0〜500pg/mL)を測定し、得られた吸光度を用いてプレセプシンの標準曲線を作成した。抗体を用いたELISAにより、血中高分子量sCD14を含有する検体(1603ng/mL)の吸光度を測定し、これをプレセプシン標準曲線上にプロットし、この吸光度に対応する濃度を求めた。この得られた濃度を、測定に用いた血中高分子量sCD14濃度(20倍希釈して測定するため、80ng/mLを使用)で割ることにより、交叉反応性を算出した。
交叉反応性(%)=(抗体を用いて測定された、血中高分子量sCD14を含有する検体の吸光度を、プレセプシン標準曲線上にプロットして求められる濃度÷測定に用いた血中高分子量sCD14濃度)×100(%)
結果を表5に示した。
その結果、P03特異ポリクローナル抗体を用いたELISAアッセイ系では、血中高分子量sCD14に対する交叉反応は検出感度以下であり、P03特異ポリクローナル抗体は、血中高分子量sCD14に対する交叉反応が極めて起こりにくいことが分かった。このことから、P03特異ポリクローナル抗体を用いて作製したELISAは、S68抗体を用いたELISAと比較して、プレセプシンをより精度よく測定できることが示された。
表5(ND:検出感度以下)
実施例5 濃度既知の敗血症患者検体の測定
実施例1で得られた6種の抗体で作製したELISAを用いて、濃度既知の敗血症患者検体22例を測定し、相関分析を行った。濃度既知の検体のプレセプシン測定は、S68抗体を用いたプレセプシン測定キットを用いて行った。P03精製ポリクローナル抗体は、実施例4に準じて、プレセプシン標準品及び患者検体の希釈液中にP04ペプチドが最終濃度20μg/mLとなるようにP04ペプチドを添加し、P04ペプチドに結合する抗体をブロックし、P03特異ポリクローナル抗体の評価を実施した。
5−1 サンドイッチELISAによる敗血症患者検体の測定
実施例2に記載のサンドイッチELISAを用いて、プレセプシン標準品(0〜500pg/mL、8点を各n=2)及び検体希釈液で20倍に希釈した敗血症患者検体を測定した(n=2)。SoftMax Pro(モレキュラデバイス)を用いて、プレセプシン標準品の吸光度から標準曲線を作成し、各検体濃度を算出した。変動係数(CV)30%以上の測定値は解析より除外した。
5−2 測定結果の相関分析
5−1で得られた測定値と既知濃度を用いて、excel2007で相関分析を実施し、回帰直線を求めた。P03特異ポリクローナル抗体(3ロット)について作製された回帰直線を図1〜3に示す。回帰分析の結果を表6に示した。
その結果、S68抗体3ロットでは回帰直線の傾きの変動係数(CV)が20%であったのに対して、P03特異ポリクローナル抗体3ロットでは10.6%であった。P03特異ポリクローナル抗体を使用することにより、安定して抗体のロット間で測定値のばらつきの少ないプレセプシン測定キットの調製が可能となることが示された。
表6
実施例6 P03特異ポリクローナル抗体の調製
実施例3の結果、P03ペプチド固定化アフィニティーカラムにより調製した抗体には、P03ペプチドにもP04ペプチドにも結合する抗体が含まれることが分かった。そこで、得られた抗体からP04ペプチドに結合する抗体を除去することにより、P03ペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体を調製する。以下の方法は、他のペプチドに結合する抗体を除去する場合にも応用可能である。
6−1 P04ペプチド固定化アフィニティーカラムを用いた方法
実施例1に記載の方法に従って、P04ペプチドを用いて、P04ペプチド固定化アフィニティーカラムを調製する。実施例1−3に従い、P04ペプチド固定化アフィニティーカラムに実施例1−1で得られたIgG画分を通す。P04ペプチドと結合する抗体は、P04ペプチド固定化アフィニティーカラムを通すことにより除去される。次に、得られた未吸着画分を実施例1に記載の方法に従ってP03ペプチド固定化アフィニティーカラムにより精製することにより、P03特異ポリクローナル抗体が得られる。
6−2 P04ペプチドを添加する方法
実施例1−1で得られたIgG画分にP04ペプチドを添加した後に、P03ペプチド固定化アフィニティーカラムで精製する。この処理により、P04ペプチドと結合する抗体を除去して精製することが可能であり、P03特異ポリクローナル抗体が得られる。
[配列番号:1]P03ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:2]S68ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:3]ヒト全長可溶型CD14のアミノ酸配列である。
[配列番号:4]N末にシステインを結合したP03ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:5]C末にシステインを結合したP03ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:6]P01ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:7]P02ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:8]P04ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:9]P05ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:10]P06ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:11]P07ペプチドのアミノ酸配列である。
[配列番号:12]P08ペプチドのアミノ酸配列である。

Claims (14)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体。
  2. 抗プレセプシンポリクローナル抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体の含有率が、S68抗体中の、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗プレセプシンポリクローナル抗体の含有率と比較して高い、抗プレセプシンポリクローナル抗体。
  3. 抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合が30%以上競合阻止され、
    抗体とプレセプシンとの結合が阻止されるように、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチドを競合反応させる反応系において、抗体とプレセプシンとの結合の競合阻止が30%未満である、
    請求項1または2に記載の抗体。
  4. 抗体を用いたELISAアッセイ系は、S68抗体を用いたELISAアッセイ系と比較して、ヒト血中に存在する高分子量可溶型CD14に対する交叉反応の発生率が低い、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の抗体。
  5. 抗体を用いたELISAアッセイ系により、プレセプシンを含有する検体(プレセプシン濃度既知)のプレセプシン濃度を測定して、測定値と既知濃度との相関分析を行うとき、回帰直線の傾きの変動係数(CV)が15%以下である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の抗体。
  6. 抗体は、プレセプシンに対して、10−7未満の親和性(KD)で結合する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抗体。
  7. 配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体を精製して請求項1ないし6のいずれか1項に記載の抗体を得ることを含む、抗プレセプシンポリクローナル抗体の製造方法
  8. 配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物から得られたポリクローナル抗体に、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗体の割合を高める処理を施すことにより請求項1ないし6のいずれか1項に記載の抗体を得ることを含む、抗プレセプシンポリクローナル抗体の製造方法
  9. 少なくとも、配列番号2のアミノ酸配列の1位〜9位のアミノ酸残基を含み、かつ配列番号2のアミノ酸配列中の連続した9個以上のアミノ酸残基を含むペプチドを免疫原として用いて免疫した非ヒト哺乳動物からポリクローナル抗体を得る工程と、得られた抗体を、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドを固定化したカラムを用いて精製する工程とを含む、抗プレセプシンポリクローナル抗体の製造方法。
  10. さらに、配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体を除去する工程を含む、請求項に記載の製造方法。
  11. さらに、配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体の結合活性を弱める処理を施す工程を含む、請求項9に記載の製造方法。
  12. 少なくとも、請求項1ないしのいずれか1項に記載の抗体と、プレセプシンを含有する検体とを接触させる工程を含む、プレセプシンの測定方法。
  13. 少なくとも、請求項1ないしのいずれか1項に記載の抗体を含む、プレセプシン測定用キット。
  14. 少なくとも、請求項1ないしのいずれか1項に記載の抗体を含む、敗血症を検出するためのキット、又は、敗血症の検出若しくは診断を補助するためのキット。
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