JP2017507317A - 胎盤成長因子2の選択的測定法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、妊娠中の被検者において、胎盤成長因子2(PlGF−2)の検出のための免疫測定法に関する。さらに、本発明は、当該妊娠中の被検者のPlGF−2のレベルの測定を含む、出生前の障害の、診断、予後診断、リスク評価及び治療コントロールのため当該方法の使用に関する。

Description

本発明は、臨床診断の分野に属する。特に、本発明は、被検者の体液由来の試料における、胎盤成長因子2(PlGF−2)または、そのフラグメントのレベルの測定に関する。
少なくとも、1億3000万の女性が、毎年、世界中で出産する。それらの約15%が、妊娠関連の合併症または病気を経験する。たとえば、すべての妊娠の5%まで、最初の妊娠の10%、および、慢性的な高血圧の既往歴を持つ女性の20−25%において、子癇前症(preeclampsia)が発症する。妊娠中の高血圧性障害は、母体および胎児の疾病を引き起こす可能性があり、そして、それらは妊産婦の死亡の主要な原因のままである。
多くの国で、出生前の合併症および/または胎児異常のリスクを決定するためのスクリーニングの方法が、妊娠中の女性を、治療し、アドバイスを支援するルーチンとなった。たとえば、ヨーロッパでは、医療従事者は、通常、母体血中に存在する、生化学的なマーカーを使用して、胎児の染色体異常をスクリーンする。母親の年齢、妊娠関連血漿タンパク質A(pregnancy associated plasma potein A)(PAPP−A)およびフリーのβ ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β−hCG)の血清学的マーカー、および、後頸部浮腫測定(NT)の厚さ、の超音波マーカーの組み合わせは、11−13週において、5%の偽陽性率に対して、約82〜90%のダウン症候群の検出率で、機能することを示した(マーロン等、2005年.NEJM 353(19):2001−2010年、ビンドラ等、2002年、Ultrasound Obstet Gynecol 20:219−225)。このようなスクリーニングは、侵襲と、胎児のリスクを齎す、さらなる診断テストを正当化する、十分に高いリスクを有する女性を識別するのに役立つ。ただし、このスクリーニングは、まだ、ダウン症候群の場合および他の異数性(aneuploidy)の影響を受ける妊娠の有意な数の検出に失敗し、依然として、5%の偽陽性率で診断する。
現在、母体の試料を使用した、子癇前症の早期発見のための、ルーチンのスクリーンは、採用されていない。この生命を脅かす妊娠障害の検出において、進行を予測し、役立つことができる非侵襲的バイオ マーカーの探索は、まだ非常に重要である。子癇前症の進行が、より早期に検出できるのであれば、重症度減少および回復さえ含む、より良い成果が、多くのケースにおいて、可能であるだろう。妊娠中に、初期または後期の段階で、進行している子癇前症または子癇前症の存在の評価のための、信頼性の高いリスク評価方法は、妊婦や赤ちゃん、または両者の健康への悪い結果の可能性を減らすことになる。
胎盤機能不全のような、子癇前症、一般的な炎症性応答、内皮機能不全および血液凝固系の活性化の場合に認識されてきた、病態生理学的(patho-physiological)な観察に基づき.何年も、さまざまな生物物理学的および生化学的マーカーから検討されてきた(グリル等.2009年、Reproductive Biology and Endocrinology 7:70)。子癇前症の予測において、最も広く使用されるイメージング技術は、子宮胎盤(uteroplacental)のドップラー超音波である。胎盤灌流(placental perfusion)の障害は、流量波形比(flow waveform ratios)を測定することによって、または、子宮弓状血管の拡張期ノッチ(diastolic notching of the uterine arcuate vessels)を検出することにより、評価できる。しかし、低および高リスク患者群の両者において、予測値が、ルーチンのスクリーニングを推奨するほどには、十分に高くない(コンデ−アグデロ等、2004年、Obstet Gynecol 104:1367−1391頁)ことがみられる。
母体の試料に存在する、多くの生物学的マーカーが、子癇前症に関連するとして、認識されている。これらの潜在的なマーカーは、血管新生因子(angiogenic factors)(たとえば、胎盤成長因子(PlGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、可溶性のfms様チロシンキナーゼ−1(sFlt−1))、可溶性エンドグリン(sEng)、P−セレクチン、セルフリーの胎児DNA、ADAM12、胎盤蛋白質13(PP−13)、ペントラキシン3(Pentraxin)(PTX3)および妊娠関連血漿蛋白質A(PAPP−A)を含む(グリル等、2009年、Reproductive Biology and Endocrinology 7:70)。胎盤成長因子(PlGF)は、現在、子癇前症が進行している妊娠中の女性のリスクを評価するために、使用することが現在提案されている(アコレカー等、2008年、Ultrasound Obstet Gynecol 32:732−739頁)。PlGFは、子癇前症の信頼できるマーカーとして、いくらか受け入れられているが、より高い特異性、感度および予測力によって特徴付けられる代替のおよび追加のマーカーを有することが望ましい。
したがって、出生前の合併症および/または胎児異常のための正確なスクリーニング方法の必要性が存在する。
胎盤成長因子(PlGF)は、血管内皮増殖因子(VEGF)と相同な血管新生グリコプロティンであり、ヒトでは、PIGFプライマリ トランスクリプトの代替のmRNAスプライシングのため、少なくとも、4つのアイソフォームが存在する(デ・ファルコ、2012年、Exp Mol Med 44:1−9)。これらのアイソフォームは、PlGF−1、PlGF−2、PlGF−3、およびPlGF−4と指定されている。「PlGF」という用語は、様々なアイソフォームを区別しない。前記4つのアイソフォーム間の主な違いは、PlGF−1および3は、非ヘパリン結合性で、パラ分泌の態様で(in a paracrine manner)、で、潜在的に、ターゲットに影響することができる。一方、PlGF−2および4は、追加のヘパリン結合ドメインを有し、ほとんどの場合、オートクリン的(in an autocrine way)に機能する可能性が高い。主要なアイソフォームは、PlGF−1およびPlGF−2と考えられる。PlGF−1(SEQ ID NO:2)は、131のアミノ酸を含む(分子量=モノマー 14.7kDa、ダイマー 29.4kDa)。PlGF−2(SEQ ID NO:3)は、PlGF−1配列と、さらに 21アミノ酸のヘパリン結合サイト挿入(heparin binding site insertion)(分子量=モノマー 17.3kDa、ダイマー 34.6kDa)を含む。PlGF−2蛋白質の全長の長さは、したがって、152アミノ酸である。PlGF−3(SEQ ID NO:4)は、PlGF−1および、C末端の近くに72アミノ酸の挿入を含む(分子量=モノマー 22.8kDa、ダイマー 45.6kDa)。したがって、PlGF−3タンパク質の全長の長さは 203アミノ酸である。PlGF−4(SEQ ID NO:5)は、PlGF−3および21アミノ酸のヘパリン結合サイト挿入(分子量=モノマー 26.2kDa、ダイマー 52.4kDa)を含む。PIGF−4の全長の長さは、したがって、224アミノ酸である。
PlGFは、様々な生理学的および病理学的条件において、血管新生の重要なレギュレータである。異なるPlGFアイソフォームが、血管の形成を調節する、実際の分子メカニズムは、まだ、完全には理解されていない(フィッシャー等、2008年、Nat Rev Cancer 8:942−956)。多様なPlGFフォームによって誘導される、血管新生反応は、異なることが報告されている(ホフマン等、2013年、J Biol Chem 288:17976−17989)。PlGF−1ではなく、PlGF−2が、特別に、ヘパリン結合ドメインを介して、ヘパリンに結合し、この相互作用が、細胞移動(cell migration)、血管成長(vessel growth)および血管発芽(vascular sprouting)に重要であることが、実証されている。
妊娠において、PlGFは、胎盤発育に関与し、いくつかの研究は、妊娠(gestation)11+0−13+6週において、胎児三染色体性21(ダウン症候群)、18(エドワーズ症候群)および13(パトー症候群)の妊娠において、母体血清PlGF濃度が、低下し、その後、子癇前症が進行し、胎児発育遅延(SGA)の新生児を分娩する、ことを報告する(レビン等、2004年、NEJM 350:672−683;サラゴザ等、2009年、Ultrasound Obstet Gynecol 33:382−386;パンジャ等、2012年、Fetal Diagn Ther 31:87−93;アコレカー等、2008年、Ultrasound Obstet Gynecol 32:732−739;プーン等、2008年、Prenat Diagn 28:1110−1115)。すべてのこれらの研究において、主要な測定された、アイソフォームは、PlGF−1であった。正常または病変の妊娠における、PlGF−2の母体血清中濃度を報告する研究はない。
ヒト血液において、循環しているPlGF−2 アイソフォームの絶対濃度について、そして、妊娠中の女性における、胎児の異数性、子癇前症およびSGAの診断のための関連性については、何も知られていない。WO2010/059952 A1は、対照試料に比べ、子癇前症の被検者の試料において、PlGF−2の増加レベルを報告する。
本発明者は、意外にも、出生前の障害を有する被検者の試料において、PlGF−2のレベルが減少することを発見した。彼らは、妊娠中の女性からの体液の試料において、特定のPlGF−2 アイソフォーム(PlGF−2)のレベルの測定により、妊娠中の女性が、進行する子癇前症、胎児の異数性を有する胎児、および/または、胎児発育遅延(SGA)の胎児を分娩する、リスクが増加するか否かを決定するために使用できることを、見出した。
標準的な(canonical)PlGFの前駆体の配列、SEQ ID NO:1(UniProtKB/Swiss-Prot アセッション番号P49763)において、アミノ酸1乃至18は、シグナル配列を示し、アミノ酸132乃至203は、未知の機能のドメインを表し、および、前駆体アミノ酸において、214乃至234は、ヘパリン結合ドメインを示す。PlGF−1のアミノ酸配列は、SEQ ID NO:2によって表される。PlGF−2(SEQ ID NO:3)において、アミノ酸124乃至144は、ヘパリン結合ドメイン(SEQ ID NO:6)を表す。PlGF−3(SEQ ID NO:4)において、アミノ酸114乃至185は、本明細書で、『ループ3』として言及される、未知の機能のドメイン(SEQ ID NO:7)を示す。PIGF−4(SEQ ID NO:5)において、アミノ酸144乃至185は、『ループ3』を示し、アミノ酸196乃至216は、ヘパリン結合ドメインを示す。以下において、PlGFファミリーおよび関連する、アミノ酸配列が与えられ;当該前駆体において、アミノ酸1乃至18は、シグナル配列(下線)を示し;当該前駆体において、アミノ酸214乃至234、PlGF−2において、アミノ酸124乃至144、および、PlGF−4において、アミノ酸196乃至216は、ヘパリン結合ドメイン(イタリック)を示し;前記前駆体において、アミノ酸132乃至203;PlGF−3において、アミノ酸114乃至185、および、PlGF−4において、アミノ酸114乃至185は、未知の機能のドメインを示す(太字)。
発明の概要
本発明は、以下を含む、妊娠女性の被検者または当該被検者の胎内の胎児において、出生前の障害または病態の、診断、予後診断、リスク評価、リスク層別化(risk stratification)および/または治療コントロールに関する。
(i)被検者からの試料における、胎盤成長因子2(PlGF−2)のレベルを決定すること、
(ii)試料において決定されたレベルを、出生前の障害または病態がない、被検者から由来した対照レベルと比較すること;
ここで、対照レベルと比較したときの、被検者からの試料における減少したレベルは、出生前の障害または病態、および/または、被検者または胎児が、出生前の障害または病態を取得する増加するリスク、および/または、出生前の障害または病態の悪化の増大するリスクを示す。
本発明は、さらに、妊娠中の女性被検者または当該被検者の出生前の胎児における、出生前の障害または病態を診断するための方法に関する。ここで、前記胎盤成長因子2(PlGF−2)のレベルは、診断される被検者からの試料によって測定され、0.90、0.85、0.80、0.75、または0.70の「中央値の倍数」(MoM)以下のPlGF−2レベルは、出生前の障害または病態を示す。
また、本発明は、次の工程を含む、胎盤成長因子2(PlGF−2)の検出のための、免疫測定法に関する。
(a)PlGF−2と、2つの抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体の間で、3成分の複合体の形成を可能にする条件の下で、PlGF−2を含む、ことが疑われる、試料と、PlGFに特異的な、第1の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはそれらの誘導体、および、PlGF−2に特異的な、第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはそれらの誘導体と接触させ、そして、
(b)2つの抗体若しくは抗原結合フラグメント、若しくは、その誘導体のPlGF−2への結合を検出する。
本発明の免疫測定法は、本発明の診断方法の文脈で使用することができる。さらに、本発明は、抗体および本発明の方法において使用されるためのキットに関する。
図1は、モノクローナルPlGF−2抗体である、477/E5および477/G2の、用量応答曲線を示す。 図2は、実施例2および3のホモジニアス時間分解蛍光イムノアッセイシステム(Time Resolved Amplified Cryptate Emission)(TRACE)技術を用いた、PlGF−2について、均一のサンドイッチ蛍光免疫測定分析の用量応答曲線を示す。 図3は、PlGF−1およびPlGF−2用量応答曲線を示し、PlGF−1アイソフォームとの交差反応性を持たない、PlGF−2に特異的アッセイを示す(実施例4)。 図4は、ヘパリン結合部位に対応する、21−aaのペプチドの有無における、PlGF−2の濃度の定量を示す。特定のヘパリン結合ドメイン ペプチドを、アッセイにおいて追加したとき、シグナルの抑制はなかった。従って、SEQ ID NO:6に対応する、線形21aaペプチドは、モノクローナル抗体477/G2によって認識されなかった。
発明の詳細な説明
本発明は、出生前の障害または病態の、診断、予後診断、リスク評価および/または治療コントロールの方法を提供する。出生前の障害または病態は、妊娠障害または病態あるいは、胎児障害または病態であってもよい。本方法は、妊娠の試料における、PlGFアイソフォーム2(PlGF−2)のレベルの特異的な検出に基づく。すなわち、PlGF−2レベルは、妊娠している女性被検者の試料において決定される。対照群に対して、減少した、PlGF−2レベルは、出生前の障害または病態の指標を示す。したがって、本発明の診断方法は、妊娠中の女性被検者または、被検者の胎児における、出生前の障害または病態の診断、予後診断、リスク評価、リスク層別化および/または治療コントロールに使用される可能性がある。
したがって、1つの側面で、本発明は、妊娠中の女性被検者または当該被検者の胎生胎児における、出生前の障害または病態の、診断、予後診断、リスク評価、リスク層別化および/または、治療コントロールのための方法に関し、以下を含む。
(i)被検者からの試料において、胎盤成長因子2(PlGF−2)レベルを測定すること、
(ii)出生前の障害または病態のない、被検者由来の対照レベルと、当該試料について測定されたレベルとを比較すること。
ここで、対照レベルと比較したときの、被検者からの試料における減少したレベルは、出生前の障害または病態、および/または、被検者または胎児が、出生前の障害または病態を獲得する増加するリスク、および/または出生前の障害または病態の悪化のリスクの増加を示す。
本発明は、さらに、妊娠中の女性被検者または当該被検者の出生前の胎児の出生前の障害または病態を診断するための方法に関する。ここで、胎盤成長因子2(PlGF−2)のレベルは、診断される被検者からの試料において測定し、そして、対照群の0.90、0.85、0.80、0.75、または0.70の「中央値の倍数(multiple of the median)」(MoM)以下のPlGF−2レベルは、出生前の障害または病態を示す。中央値の倍数(MoM)は、対照群の中央値から、個々のテスト結果が、どの程度逸脱しているかを測定するものである。MoMは、通常、医療スクリーニングテストの結果、特に、個々のテストの結果が、高く変動する際に、その結果を報告するために使用される。出生前のスクリーニング検体の濃度は、妊娠を通じて、常に変化する。たとえば、母体血清中のAFPの濃度は、オープン神経管欠損症(open neural tube defects)(妊娠15−20週)を検出するための最も有利な時間中、1週に、約15%増加する。この妊娠年齢の効果(gestational age effect)のために、これらの値を、妊娠年齢特異的な中央値(MoM)に変換して、正規化する。したがって、研究室は、最初に、たとえば、300から500人の女性から、ルーティンで得られた血清について測定してもよい。測定は、最初、質量単位(たとえば、ng/ml)または国際単位(たとえば、IU/ml)で表される。加重対数線形回帰分析(Weighted log-linear regression analysis)は、問題の試料について、各妊娠週の中央値のレベルを決定するために、方程式を計算するために、使用される。その後、各女性の測定は、適切な妊娠年齢の中央値で除算され、中央値の倍数(MoM)で結果が出される。女性の集団の全体の中央値は、定義で、1.00 MoMとされる。「中央値の倍数」は、たとえば、0.90が中央値の90%を意味するように、中央値に適用される係数を示す。好ましい、MoMの値は、0.85、0.80または0.75であり、より好適には、0.80および0.75であり、そして、最も好ましくは、0.75である。たとえば、好適なしきい値は、以下の表2から導き出すことができる。以下において、代表的なしきい値が議論される。しかし、目的の特異性および/または感度または対照群に依存して、他のしきい値を使用できる。たとえば、122.3pg/ml(0.83MoMに相当)以下の値は、子癇前症を示す可能性がある。128.7pg/ml(0.75のMoMに相当)以下の値は、胎児発育遅延を示す可能性がある。三染色体性13、三染色体性18および、三染色体性21の好適なしきい値は、たとえば、それぞれ、125pg/ml(0.75のMoMに相当)、113pg/ml(0.81のMoMに相当)および、99.6pg/ml(0.76のMoMに相当)である。
また、MoMの代わりに、新しく開発された「過激度(degrees of extremeness)」(DoE)は、血液由来マーカーとともに、リスク計算のために使用できる(メルツ、2007年、Ultraschall in Med 28:270−272;シュミット等、2007年、Frauenarzt 48:1089−1092)。DoEは、中央値と実際の値の差、中央値と5thパーセンタイルの値の差(測定値が中央値以下のとき)、若しくは、中央値と95thパーセンタイルの値の差(測定値が中央値以上のとき)、との比率である(メルツ、2007年、Ultraschall in Med 28:270−272;メルツ等、2007年、Ultrasound Obstet Gynecol 30:542−543)。この仮定の下、中央値のとき、DoEは0であり、95th パーセンタイルのとき、1.0で、および、5thパーセン タイルのとき、−1.0である。さらに、ベイズの定理(Bayesian theorem)(シェチニンら、2007年、 IEEE Trans Inf Technol Biomed 11:312−319)は、PalomakiおよびHaddowの配列尤度比(sequential likelihood ratios)の数学的概念の代わりに、使用することができる(パロマキおよびハドゥ、1987年、Am J Obstet Gynecol 156:460−463)。
出生前の障害または病態は、妊娠中の女性被検者またはその被検者の胎内の胎児の障害または病態であることができる。たとえば、出生前の障害または病態は、妊娠中の女性被検者の子癇前症であってもよい。前記出生前の障害または病態は、また、「胎児発育遅延」の子供、または、異数性のような異常がある子供を分娩する、女性被検者のリスクなどの不利な妊娠の結果に関係していてもよい。したがって、胎児の、出生前の障害または病態は、たとえば、「胎児発育遅延」または異数性であってよい。
他の側面において、本発明は、本発明の診断の方法の文脈で使用することができる、PlGF−2の検出のための、免疫測定法に関する。本免疫測定法は、PlGF−2に対して特異的な、抗体、好適には、モノクローナル抗体を使用した、PlGF−2の検出に基づく。すなわち、この抗体は、好適には、他の抗原、特に、PlGF−2の他のアイソフォーム、と交差反応をしない。本免疫測定法において、たとえば、すくなくとも、1つの抗体が、PlGF−2に特異的である、サンドウィッチ形態において(下記参照)、2つの抗体の組み合わせが使用されてもよい。たとえば、第1の抗体は、PlGFに特異的であり(必ずしも、アイソフォーム2に特異的である必要はなく、任意に、PlGF−2に結合できる)、そして、第2の抗体は、PlGF−2に特異的である。したがって、本発明は、以下の工程を含む、胎盤成長因子2(PlGF−2)の検出のための免疫測定法に関する。
(a)PlGF−2と、2つの抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体の間で、三元の複合体の形成を可能にする条件の下で、PlGFに特異的な、第1の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体、および、PlGF−2に特異的な、第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体と、PlGF−2を含む疑いのある試料とを接触する工程、および
(b)2つの抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体の、PlGF−2への結合を検出する工程。
特記されていない場合は、次のように、用語「抗体」も、また、抗原結合フラグメント若しくは誘導体を含む。第1の抗体は、それが、PlGF−2を検出できる限り、PlGFに特異的な任意の抗体でありえる。このような抗体は市販されている。たとえば、第1の抗体は、ヒトのPlGFに対する、ポリクローナル抗体でありえる。このような抗体は、たとえば、R&Dシステムズ ヨーロッパ社から購入できる(参照番号:AF−264−PB)。
本発明に係る、免疫測定法において、前記第2の抗体は、PlGF−2(SEQ ID NO:3)の配列について、好ましくは、ヘパリン結合ドメイン(SEQ ID NO:6)における、エピトープに特異的であることができる。しかし、好適には、第2の抗体は、他のPlGFアイソフォームには存在しない、PlGF−2の立体配座のエピトープに結合する。
以下に、より詳細に説明するように、本明細書に記載された免疫測定法の、(第1および/または第2)の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体は、たとえば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体または遺伝子組換えモノクローナル抗体であってよい。
ここで、好ましくは、前記第1および第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体は、PlGF−2の異なる立体配座および重複しないエピトープに特異的である。
第1の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体は、たとえば、SEQ ID NO:1の配列内に含まれるエピトープに特異的であってもよい。
第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体は、たとえば、2013年11月21日に、Leibniz-Institut DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ; Inhoffenstr. 7B、 Braunschweig、 Germany)において、DSM ACC3222として寄託した、セルライン477/G2、および2013年11月21日に、DSMZにおいて、DSM ACC3221として、寄託された、セルライン477/E5から選択される、ハイブリドーマ細胞株によって製造されてもよい。ここで、好適には、第2の抗体は、DSM ACC3222として寄託した、ハイブリドーマ細胞株477/G2によって製造される。
ここで好適には、第1の抗体は、ポリクローナル抗PlGF抗体、たとえば、R&Dシステムズ ヨーロッパ社、アビンドン 英国によって、参照番号AF−264−PBとして、提供されている、商業的に入手可能な抗体、である。特定の実施態様において、第1の抗体は、ポリクローナル抗PlGF抗体、たとえば、R&Dシステムズ ヨーロッパ社、アビンドン 英国によって、参照番号AF−264−PBとして、提供されている、商業的に入手可能な抗体、であり、第2の抗体は、DSM ACC3222として寄託された、ハイブリドーマ細胞株477/G2によって製造された抗体である。
PlGF−2に対する抗体の結合は、好ましい条件下に行われる(すなわち、免疫反応が許容される条件、すなわち、免疫複合体の形成に基づく、PlGF−2に対する抗体の結合する)。そのような条件は、当業者に知られており、たとえば、下記のように、免疫測定法の標準フォーマットが使用できる。そのような条件は、好適には、生理的温度、pHおよびイオン強度の下であることが望ましく、たとえば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)のような、培地で行うことができる。
好適な検出方法は、たとえば、ラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay)(RIA)、化学発光− と蛍光− 免疫測定法、酵素免疫測定法(EIA)、酵素免疫測定(Enzyme-linked immunoassays)(ELISA)、ルミネックス系ビーズアレイ(Luminex-based bead arrays)、蛋白質のマイクロ アレイ アッセイのような様々な形式の、たとえば、イムノクロマトグラフィック ストリップ テストのような、急速なテスト形式、および、選択された/多重反応モニタリング(Selected/Multiple reaction monitoring)(SRM/MRM)のような、免疫測定法を含む。
アッセイは、同種または異種のアッセイであり得、競合および非競合のアッセイでありうる。特に好ましい実施態様において、アッセイは、非競合免疫測定法である、サンドイッチアッセイの形式のアッセイである。ここで、検出され、および/または、定量化される分子は、第1の抗体および第2の抗体に結合する。第1の抗体は、たとえば、ビーズ、ウェルまたは他のコンテナーの表面、チップまたはストリップのような、固相に結合してもよい。そして、第2の抗体は、たとえば、色素で、放射線同位元素で、または、反応性または触媒活性の部位で、ラベルされた抗体である。
そして、試料に結合する、標識された抗体の量は、適切な方法で測定される。「サンドイッチ アッセイ」に含まれる、一般的な成分および手順がよく確立され、当業者に知られている(免疫測定法ハンドブック、デビッド ワイルド編、エルゼビア株式会社、オックスフォード;第3版(2005年5月)、ISBN−13:978−0080445267;フルシィッグ C等、Curr Opin Chem Biol、2006年2月;10(1):4−10、PMID:16376134、参照により本明細書に組み込まれる)。
特に好ましい実施態様においては、アッセイは、2つの捕捉の分子(capture molecules)、好適には、共に、液体反応混合物において、拡散して存在する抗体を含む。ここで、第1のラベリング コンポーネントは、第1の捕捉の分子に結合し、前記第1のラベリング コンポーネントは、蛍光− または、化学発光− の消光または増幅に基づく、ラベリング システムの一部であり、そして、前記マーキング システムの第2のラベリング コンポーネントは、両方の捕捉の分子が検体に結合することによって、試料を含む溶液中に形成されたサンドイッチ複合体の検出ができる、測定可能なシグナルが生成されるように、前記第2の捕捉の分子に結合する。
さらにより好適には、前記ラベリング システムは、蛍光色素または化学発光色素、特に、シアニンタイプの色素と組合せた、希土類クリプテートまたは、希土類キレートを含む。
本発明の文脈において、蛍光ベースのアッセイは、たとえば、FAM(5−または6−カルボキシフルオレセイン)、VIC、NED、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、IRD−700/800、CY3、CY5、CY3.5、CY5.5、Cy7のようなシアニン色素、キサンテン、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、TET、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトディフルオレセイン(6-Carboxy-4’,5’-dichloro-2’,7’-dimethodyfluorescein)(JOE)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、5−カルボキシローダミン−6G(R6G5)、6−カルボキシローダミン−6G(RG6)、ローダミン、ローダミン グリーン、ローダミン レッド、ローダミン110、BODIPY TMRのようなBODIPY色素、オレゴン グリーン、ウンベリフェロンのようなコーマリン、ヘキスト33258のようなベンジミド;テキサス レッド、ヤキマ イエローのようなフェナンスリジン、Alexa Fluor、PET、エチジウムブロミド、アクリジニウム色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、ポリメチン色素などを含む群から選択されてもよい、色素の使用を含む。
本発明の文脈において、化学発光ベースのアッセイは、カーク・オスマー、Encyclopedia of chemical technology、4版、編集責任者、J.I.クロシュビッツ;編者、M.ハウ・グラント、ジョン・ウイリー&サンズ、1993年、15巻、518−562頁)において、化学発光材料について記載された物理的な原則に基づく、色素の使用を含む。なお、これは、551−562頁における引用を含み、参照によって本明細書に組み込まれる。好適な化学発光色素は、アクリジニウム エステルである。PlGF−2は、たとえば、B.R.A.H.M.S KRYPTOR コンパクト PLUS(Thermo Scientific B.R.A.H.M.S GmbH、ヘニングスドルフ/ベルリン、ドイツ)機において、完全に自動化されたサンドイッチ免疫測定システムを用いて、測定されてもよい。このランダム アクセス分析機(random access analyzer)は、2つの蛍光色素分子(fluorophores)間における、非放射能性の移動に基づく、敏感な、ホモジニアス時間分解蛍光イムノアッセイシステム(Time Resolved Amplified Cryptate Emmission)(TRACE))技術を採用する。
本発明の特定の実施態様において、抗体の1つ(たとえば、第1の抗体)は、標識化され、そして、他の抗体(たとえば、第2の抗体)は、固相に結合されるか、または、固相に選択的に結合することができる。しかし、上述のように、本発明の方法の文脈において、第1および第2の抗体は、液体反応混合物中に分散して存在するものであることが好ましい。そして、ここで、蛍光または化学発光の消光または増幅に基づく、ラベリング システムの一部である、第1のラベリング コンポーネントは、第1の抗体に結合する。そして、前記ラベリング システムの第2のラベリング コンポーネントは、第2の抗体に結合し、両抗体が、検出されるPlGF−2に結合後、測定する溶液中に形成されたサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能なシグナルが生成されることになる。
本明細書で述べたように、「assay(アッセイ)」または「diagnostic assay(診断アッセイ)」は、診断の技術分野で適用することができる、任意の型であることができる。
そのようなアッセイは、検出される試料が、一定の親和性を持つ、1つまたは複数の捕捉プローブに結合することに基づいてもよい。
捕捉分子および、標的分子または興味のある分子の間の相互作用に関して、親和定数は、好適には、10−1より大きい。
アッセイの「感度」は、そうであると、正しく識別される、実際の陽性の割合、すなわち、肯定的な結果を識別する能力(真の陽性結果/陽性の数)に関する。したがって、アッセイによって検出できる試料の濃度が低くなればなるほど、アッセイは、より感度が高くなる。アッセイの「特異性」は、そうであると正しく識別される、陰性の割合、すなわち、否定的な結果を識別する能力(真の陰性/陰性の結果)、に関する。抗体について、前記「特異性」は、抗原エピトープの1つだけと反応する、個々の抗原結合部位の能力として定義される。抗体の結合挙動は、また、その「親和性、アフィニティ(affinity)」およびその「親和性(avidity)」の点で特徴付けることができる。抗体の「親和性(affinity)」は、単一の抗原エピトープおよび単一の抗原結合部位の間の反応の強さの度合いである。抗体の「親和性(avidity)」は、多くのエピトープを持つ抗原と多価抗体の間の結合の全体的な強さの度合いである。
診断および/予後診断の感度および特異性は、試験の単なる分析の「質」以上に依存し、また、異常な結果を構成するものの定義にも依存する。実際には、受信者操作特性(Receiver Operating Characteristic curves (ROC curves))(ROC曲線)は、一般に、「正常」(すなわち、出生前の障害または病態を持っていない明らかに健康な個人)および「病気」集団の相対頻度対変数の値をプロットすることによって計算される。任意の特別のマーカーについて、病気を有するおよび有しない、被検者のマーカー レベルの分布は、重複する可能性が高い。そのような状態では、試験は、絶対的に、100%の精度で、病気と正常を、区別できない。そして、重複部分は、試験が、病気と正常を区別できない部分を示す。しきい値を選択すると、それ以下では、試験は、異常であると考え、そして、それ以上では、試験は、正常であると考える。ROC曲線の下の領域は、行われた測定が、病態を正確に識別できるという確率の度合いである。試験の結果が、必ずしも正確な数値を与えていない場合でも、ROC曲線は、使用できる。結果をランク付けすることができる限り、ROC曲線を作成できる。たとえば、「病気」の試料の試験結果が、程度によって(たとえば、1=低、2=正常、および、3=高)、ランク付けされるかもしれない。このランキングは、「正常」集団と、作成されたROC曲線における結果と関連付けることができる。これらの方法は、技術分野においてよく知られている。例えば、ハンリー等、1982年、Radiology 143:29−36頁を参照。好ましくは、約0.5以上、より好適には、約0.7以上、まだより好ましくは、約0.8以上、さらにより好適には、約0.85以上、そして、最も好ましくは、約0.9以上のROC曲線領域を提供するために、しきい値が選択される。この文脈において、用語「約」は、測定値の±5%を指す。
ROC曲線の水平軸は、偽陽性の比率にともなって増加する、(1−特異性)を示す。曲線の縦軸は、真陽性の比率にともなって増加する感度を示す。したがって、選択した特定のカットオフについて、(1−特異度)の値が、決定され、そして、対応する感度を得ることができる。ROC曲線下の面積は、測定されたマーカー レベルが、病気または病態を正確に識別できる、という確率の指標である。したがって、ROC曲線下の面積は、試験の有効性を決定するために使用できる。
他の実施態様において、陽性尤度比(positive likelihood ratio)、陰性尤度比(negative likelihood ratio)、オッズ比(odds ratio)、または、ハザード比(hazard ratio)は、障害または病態(「病気にかかったグループ」)の、リスクを予測する、または診断する、試験の能力の指標として使用できる。陽性尤度比の場合、1の値は、肯定的な結果が「病気」と「対照」群の両方の被検者の間で同等に本当らしいことを示す。1より大きい値は、肯定的な結果が、病気群において、より可能性が高いことを示す。そして、1未満の値は、肯定的な結果が、対照群において、より可能性が高いことを示す。陰性尤度比の場合、1の値は、否定的な結果が、「病気」と「対照」群の両方の被検者の間で、同等に可能性があることを示す。そして、1より大きい値は、否定的な結果が、試験群において、可能性がより高いことを示す。そして、1未満の値は、否定的な結果が、対照群において、可能性がより高いことを示す。
オッズ比の場合、1の値は、肯定的な結果が、「病気」と「対照」群の両方の被検者の間で、同等に可能性があることを示す。1より大きい値は、肯定的な結果が、病気群において、可能性がより高いことを示す。そして、1未満の値は、肯定的な結果が、対照群において、可能性がより高いことを示す。
ハザード比の場合、1の値は、エンドポイント(たとえば、死)の相対的リスクが、「病気」と「対照」群の両方において、同等であることを示す。1より大きい値は、リスクが、病気群において、より高いことを示す。そして、1未満の値は、リスクが、対照群において、より高いことを示す。
当業者は、診断または予後診断のインジケーターと、将来の臨床的結果の診断または予後リスクとを関連付けることは、統計分析(statistical analysis)であると、理解するであろう。たとえば、統計的有意性のレベルによって決まるように、X未満のマーカーレベルは、患者が、Xより高い又は等しいレベルを有する患者より、不利な結果を被る可能性がより高いという、シグナルとなる可能性がある。さらに、ベースライン レベルからの、マーカー濃度の変化は、患者の予後の反射かもしれない。そして、マーカー レベルにおける、変化の度合いは、有害事象の重症度と関連する可能性がある。統計的有意性は、しばしば、2つまたはそれ以上の集団を比較し、そして、信頼区間および/または、p値の決定によって決まる。たとえば、ダウディおよびウェアデン、研究のための統計、John Wiley & Sons、ニューヨーク、1983年を参照。本発明の好適な信頼区間は、90%、95%、97.5%、98%、99%、99.5%、99.9%および99.99%であり、好適なp値は、0.1、0.05、0.025、0.02、0.01、0.005、0.001および0.0001である。
「抗体」という用語は、通常、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体とそれらの結合フラグメント、特に、いわゆる「単鎖抗体」と同様、Fc−フラグメントを含む(バード R. E.等、1988年、Science 242:423-6)、chimeric, humanized, in particular CDR-grafted antibodies, and dia or tetrabodies(ホリガー P.等、(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:6444-8)。また、含まれるのは、例えば、試料に含まれる、興味ある分子に特異的に結合する、ファージ提示法(phage display)を含む、技術によって選択された、免疫グロブリン様タンパク質である。この文脈において、「特異的な結合」という用語は、興味のある分子またはそのフラグメントに対する抗体を指す。興味のある分子またはその前述のフラグメントに対する親和性が、興味のある分子を含んでいる試料に含まれる、他の分子に対する場合と比較して、少なくとも、好ましくは、50倍より高く、より好ましくは、100倍より高く、最も好ましくは、少なくとも1000倍より高いならば、抗体は、特異的であると考えられる。抗体を作る方法、および、特定の特異性を持つ抗体を選択する方法は、技術分野において良く知られている。本明細書で上記のように、モノクローナル抗体が、好ましい。
本発明は、また、DSM ACC3222として寄託されたセルライン477/G2、および、DSM ACC3221として寄託されたセルライン477/E5から選択された、ハイブリドーマ細胞株により製造された、モノクローナル抗体に関する。本発明は、また、DSM ACC3222として寄託されたセルライン477/G2、および、DSM ACC3221として寄託されたセルライン477/E5から選択された、ハイブリドーマ細胞株により製造された、抗体と同じエピトープに結合する抗体に関する。
さらに、本発明は、下記を含む、PlGF−2の検出用キットに関する。
(i)PlGFに特異的な、第1の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体;および、
(ii)PlGF−2に特異的な、第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体。
たとえば、
(i)第1の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体が、SEQ ID NO:1の配列内に含まれるエピトープに特異的である。および/または
(ii)第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体が、PlGF−2の構造的エピトープに特異的である。好ましくは、前記キットの、第1の抗体が、ポリクローナル抗PlGF抗体、たとえば、R&Dシステムズ ヨーロッパ社、アビンドン 英国によって、参照番号AF−264−PBとして、提供されている、商業的に入手可能な抗体、である。前記キットの特定の実施態様において、第1の抗体は、ポリクローナル抗PlGF抗体、たとえば、R&Dシステムズ ヨーロッパ社、アビンドン 英国によって、参照番号AF−264−PBとして、提供されている、商業的に入手可能な抗体、であり、そして、第2の抗体は、DSM ACC3222として寄託された、ハイブリドーマ細胞株477/G2によって製造された抗体である。
前記キットの1つの実施態様において、第2の抗体は、DSM ACC3222として寄託されたセルライン477/G2、および、DSM ACC3221として寄託されたセルライン477/E5から選択された、ハイブリドーマ細胞株により製造された、モノクローナル抗体である。好適には、DSM ACC3222として寄託されたセルライン477/G2から選択された、ハイブリドーマ細胞株により製造された、モノクローナル抗体である。
本発明は、また、DSM ACC3222として寄託されたセルライン477/G2、および、DSM ACC3221として寄託されたセルライン477/E5から選択された、ハイブリドーマ細胞株を提供する。
本発明は、たとえば、さらには、体液からの生物的試料において、PlGF−2またはそのフラグメントを、検出、および/または定量のために、サンドイッチ免疫測定法形式の、本発明に従った、キットの使用に関する。そのようなフラグメントは、少なくとも、2つの抗体が結合する2つのエピトープにわたる(spanning)配列を含む。たとえば、前記キットは、全PlGF−2を、検出、および/または定量のために使用することができる。
「試料」という用語は、好適には、生物学的試料である。本明細書で使用される、「試料」は、たとえば、患者のような、興味のある被検者の、診断、予後診断、または、評価の目的のために得られた、体液または組織の試料を示すことができる。本発明の目的のための、「患者」または「被験者」は、ヒト、および他の動物、特に、哺乳類、並びに、他の生物、の両方を含む。したがって、本件方法は、ヒトの診断および動物への両方に適用できる。好ましい実施態様において、患者は哺乳類で、そして、最も好ましい実施態様においては、患者または被験者はヒトである。
本明細書において好適には、試料は、妊娠中の女性被験者の体液または組織の試料である。体液の試料が好ましい。好適な、試料は、血液、血清、プラズマ、髄液(cerebrospinal fluid)、尿、唾液(saliva)、痰(sputum)および、胸水(pleural effusions)を含む。さらに、当業者は、いくつかの試験試料は、分別や精製の手順に従って、たとえば、全血を、血清または血漿成分に分離してからのほうが、もっと容易に分析できるであろうことを理解するであろう。したがって、本発明の好ましい実施態様において、試料は、血液試料、血清試料、血漿試料、脳脊髄液試料、唾液試料および尿試料、または、上記試料のいずれかの抽出物を含んでなる群から選択される。好ましくは、試料は、血液試料であり、より好ましくは、血清試料または血漿試料である。血清試料は、本発明の文脈において最も好ましい試料である。
本発明の文脈における、「血漿」は、遠心分離後に得られる抗凝固剤を含む血液の、事実上無細胞の上清である。定型的な抗凝固剤は、EDTAまたはクエン酸のような、カルシウム イオン結合化合物、および、ヘパリナート(heparinate)、またはヒルジンのような、トロンビン阻害剤を含む。無細胞血漿は、抗凝固された血液(たとえば、クエン酸化、EDTAまたはヘパリン化血液)を、2000から3000gで、少なくとも、15分間の遠心分離により得られる。
「血清」は、血液が凝固された後に、収集される全血の液体の分画である。凝固血液(血腫)が、遠心分離したとき、血清は上澄みとして得られる。いくつかの凝固因子は残るものの、血清は、フィブリノーゲンを含まない。
適当な場合、液体の試料を得るために、試料は、本発明における使用に先立ち、均質化、または、溶剤で抽出する必要がある場合がある。これにより、液体試料は、溶液または懸濁液であってよい。液体試料は、本発明で使用される前に、1つまたは複数の前処理に付すことができる。このような前処理は、希釈、ろ過、遠心分離、濃縮、堆積(sedimentation)、沈殿、透析を含み、これらに限定されない。前処理は、また、溶液に、酸、塩基、バッファー、塩類、溶剤、反応性色素、表面活性化剤、乳化剤、キレート剤のような、化学物質または生化学的な物質の添加を含んでよい。
本発明の方法は、さらに、診断または予後診断またはリスク評価または病状のスクリーニングのための、試料における、PlGF−2のレベルの測定に関する。
本発明の更なる実施態様において、本発明に係る方法は、出生前の障害の、診断または予後診断またはリスク評価またはスクリーニングのために、全PlGF−2を検出するために使用されてもよく、以下の工程を含む、
(i)被験者の体液の試料を提供すること、
(ii)当該被験者の試料において、PlGF−2の量を測定すること、
(iii)PlGF−2の量を、対照試料と比較すること、ここで、対照試料からの減少は、出生前の障害の存在を示す。
本発明の免疫測定法、抗体またはキットは、それゆえ、被験者の障害または病態の、診断、予後診断、リスク評価、リスク層別化(risk stratification)および/または、治療コントロールのために使用される。
本発明の文脈において、前記障害または病態は、好適には、妊娠中の女性の被験者または胎児における、出生前の障害又は病態である。本発明の文脈において、妊娠中の女性の被験者における、前記出生前の障害又は病態は、好適には、子癇前症または、胎児の異数性を持つ胎児または胎児発育遅延の胎児を分娩するリスクから選択される。
本発明の文脈において、前記被験者は、妊娠の第1、第2または第3期でよい。好適には、被験者は、妊娠の第1期である。しかし、被験者は、また、第2期であってもよい。被験者は、また、第3期であってもよい。特に、子癇前症または胎児発育遅延の場合、被験者は、妊娠の第1、第2、または第3期であって良く、好ましくは、第1期である。
本発明の診断および予後診断の方法の文脈において、PlGF−2レベルに加えて、さらなる決定的なパラメーターが、決定されてもよい。たとえば、年齢、体重および/またはボディマス指数(BMI)に関連する情報は、さらに、診断に使用できる。さらに、パラメーターには、被験者の他の疾患または病態の存在または過去の存在を含む。さらに、他の関連するバイオ マーカーが、被験者、たとえば、本発明の方法に使用された同じ試料において、決定されてもよい。したがって、いくつかの実施態様において、診断に関連する、少なくとも、1つの、さらなるパラメーターが、試料において決定される。したがって、PlGF−2は、本発明の診断または予後診断の方法で使用されるマーカー パネル(marker panel)の一部であってもよい。たとえば、障害または病態が子癇前症であるとき、さらなるパラメーターは、PAPP−A、超音波マーカー(拍動指数、拡張期ノッチ(diastolic notching)、平均動脈圧(Mean Arterial Pressure)、PlGF、sFlt、母親の既往歴、可溶化エンドグリン(sEng)、インヒビンA、アクチビンA、血管内皮増殖因子(VEGF)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)およびセルフリーの胎児DNAからなる群から選択される1つまたはそれ以上であってもよい。
たとえば、障害または病態が異数性であるとき、さらなるパラメーターは、PAPP−A、フリーのβ hCG、胎児項部透過像(nuchal translucency)、母親の年齢、AFP、PlGF、胎児の鼻骨(fetal nasal bone)、大横径/鼻骨比(biparietal diameter/nasal bone ratio)、hCG、インヒビンA、非抱合エストリオール3(unconjugated estriol)3(uE3)およびセルフリー胎児DNAからなる群から選択される1つまたはそれ以上であってもよい。
たとえば、障害または病態が、「胎児発育遅延」とき、さらなるパラメーターは、PAPP−A、母親の既往歴(maternal history)、PlGF、sFlt、AFP、フリーβ hCG、hCG、インヒビンA、アクチビンA、sEng、子宮底部の高さ(symphysis-fundal height)(SFH)、胎児計測(fetal biometry)(大腿骨長(FL)、頭囲(head circumference)(HC)、大横径(biparietal diameter)(BPD)、腹囲(abdominal circumference)(AC))および超音波マーカー(拍動指数、臍動脈ドップラー(Umbilical artery Doppler)、中大脳動脈(Middle cerebral artery Doppler)、胎児静脈管ドップラー(Ductus venosus Doppler)からなる群から選択される1つまたはそれ以上であってもよい。鑑別診断(differential diagnosis)のため、PlGF−2のレベルに加えて、他のマーカーおよび情報を使用することができる。
「バイオ マーカー(バイオロジカル マーカー)」という用語は、測定可能および定量可能な、バイオロジカル パラメーター(たとえば、特定の酵素の濃度、特定のホルモン濃度、集団における特定の遺伝子の表現型分布、生物学的物質の存在)に関連し、病のリスク、精神疾患、環境曝露とその効果、病気の診断、代謝過程、薬物乱用、妊娠、セルラインの開発、疫学研究等のような、健康および生理学関連の評価の指標として役立つ。さらに、バイオ マーカーは、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、または治療に対する薬理学的応答の指標として、客観的に、測定および評価される、特徴として規定される。バイオ マーカーは、バイオ試料(血液、尿、または組織テストとして)に基づき測定されてもよい。ヒトから得た記録(血圧、心電図(ECG)、またはホルター(Holter))であってもよい。または、イメージング テスト(子宮超音波、または項部透光性(Uteroplacental Doppler ultrasound、or nuchal translucency))であってもよい(コンデ−アグデロ等、2004年、Obstet Gynecol 104: 1367-1391; ビンドラ等、2002年. Ultrasound Obstet Gynecol 20: 219-225))。バイオマーカーは、環境因子への暴露のレベルや種類、遺伝的感受性、暴露への遺伝的応答、無症状や臨床疾患のバイオマーカー、または、治療への反応の指標など、を含む、さまざまな、健康又は病気の特徴を示すことができる。したがって、バイオ マーカーについて考える単純な方法は、病形質(disease trait)(危険因子またはリスク バイオマーカー)、病気の病態(前臨床または臨床)、または、発症率(進行)の指標としてである。したがって、バイオ マーカーは、先行バイオ マーカー(antecedent biomarkers)(病気を発症するリスクを識別する)、スクリーニング バイオマーカー(不顕性の疾患のスクリーニング)、診断バイオマーカー(明白な疾患を認識する)、ステージング バイオ マーカー(病気の重症度を分類する)、または、予後バイオマーカー(将来の病気の経過の予測であり、再発および治療への反応、および、療法の有効性の監視を含む)として分類できる。バイオマーカーは、また、サロゲート エンド ポイントとして役立つ。サロゲート エンド ポイントは、関心のある真の結果の測定に代わる、治療法の安全性および有効性を評価する臨床試験の結果として使用できる。基礎原理は、サロゲート エンド ポイントの変化は、関心のある結果の変化と密接に関連することである。サロゲート エンド ポイントは、評価のための大規模な臨床試験を必要とする、罹患率および死亡率のような、エンド ポイントより、より短い時間、および、より少ない費用で、収集できる、という利点を有する。サロゲート エンド ポイントのさらなる価値は、関心のある露出/介入により近く、より遠い臨床イベントよりも、より容易に、作因的に関連する、という事実を含む。サロゲート エンド ポイントの重要な不利な点は、関心のある臨床結果が、多数の要因(サロゲート エンド ポイントに加えて)によって影響を受ける場合、残渣交絡(residual confounding)は、サロゲート エンド ポイントの有効性を減らす場合があることである。関心のある結果について、露出または介入の効果の、少なくとも、50%を説明できる場合、サロゲート エンド ポイントの有効性がより大きいことが示唆されている。たとえば、バイオ マーカーは、タンパク質、ペプチドまたは核酸分子であってもよい。
本発明の範囲内において、出生前の障害は、好適には、子癇前症、胎児発育遅延および、三染色体性13、三染色体性18、および、三染色体性21を含む異数性に関連する。
本発明の1つの実施態様において、全PlGF−2の測定は、妊娠第1期(妊娠の1から13週)、第2期(妊娠の14から26週)または、第3期(妊娠の27から40週)内において、実施される。
本発明の範囲において、PlGF−2は、SEQ ID NO:3にしたがった、ヒトPlGF−2を意味すると理解される。本発明にしたがった、これらのポリペプチドは、また、グリコリゼーション(glycolization)、脂肪化(lip(o)idization)、または、誘導体化のような、翻訳後修飾も可能である。
本発明の範囲において、全PlGF−2は、フリーのPlGF−2および、たとえば、ホモ二量体(homodimeric)PlGF−2複合体およびヘテロ二量体PlGF−2/VEGF−A複合体を含むことができる、多量体複合体(multimeric complexes)に結合したPlGF−2を意味するものと理解される。
本発明の更なる実施態様において、予後診断またはリスク層別化(risk stratification)は、子癇前症の、早期発症(妊娠20から34週の間)または遅発発症(妊娠34週の後)に関連する。
本発明の他の実施態様において、さらなるマーカーは、血圧と同様、sFlt−1、PlGF、VEGF、PP−13、ADAM12、P−セレクチン、セルフリー 胎児DNA、PTX3、PAPP−A、ビスファチン(visfatin)、インヒビンA、 アクチビンA、 ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotrophin (hCG))、β-hCG、α−フェトプロテイン(alpha-fetoprotein (AFP))、メタロプロテアーゼ−9(metalloproteinase-9 (MMP-9))、超音波マーカー(ultrasound markers) (子宮動脈拍動指数および/または拡張期ノッチ(uterine artery pulsatility index and/or diastolic notching) の群から選択され、追加で決定される。
本発明の好ましい実施態様において、前記のさらなるマーカーが、sFlt−1、PlGF、PAPP−A、子宮動脈拍動指数(uterine artery pulsatility index)および血圧を含む群から選択される。
本明細書において使用される、用語「被験者」は、生きているヒトまたはヒト以外の雌生物を指す。好適には、本明細書において、被験者は、第1期から第3期までの妊娠しているヒト被検者である。好適には、第1期または第2期であり、さらに好適には、妊娠の第1期の被験者である。たとえば、被験者は、妊娠11−13週である。本明細書において、「胎児」は、胚形成期(embryonic stage)の段階の後、出生前の、成長している哺乳類を指す。ヒトにおいて、胎児の段階は、妊娠9週の初めに始まる。
本明細書において使用される、用語「試料」は、上述の試料を指す。
「対照試料(reference sample)」という用語は、病気や障害を持っておらず、病気や障害を発症していない、被験者又は被験者の群から得た試料に関連する。前記被験者又は被験者の群は、試験される被験者と同じ性別および人種を示す。「コントロール レベル」は、1つまたはそれ以上の「対照試料」から由来し、そして、好適には、出生前の障害または病態のない被験者から由来する。
本明細書において、好適には、「対照群」は、被験者と同じ妊娠期から選ばれ、または、同じ妊娠年齢(たとえば、妊娠週において)からさえ選択される。たとえば、被験者が、妊娠の11−13週であるとき、対照群もまた、妊娠の11−13週からである。
本発明の文脈において、「診断(Diagnosis)」は、被験者の病気または臨床病態の認識および(初期の)検出に関連し、そして、また、鑑別診断(differential diagnosis)を含んでもよい。また、ある実施態様においては、病気または臨床病態の重症度の評価は、用語「診断」に含まれていてもよい。
「予後診断(Prognosis)」は、特定の疾患や臨床病態に罹患している、被験者のための、結果または特定のリスクの予測に関連する。これは、回復の機会または前記被験者の不利な結果の機会の推定を含めることができる。
本発明において、「リスク層別化(risk stratification)」という用語は、被験者のさらなる予後診断にしたがって、被験者を、異なるリスク群にグループ化することに関する。リスク層別化は、また、予防および/または、治療方法を適用する階層にも関する。
本発明の文脈において、治療コントロールという用語は、前記被検者の治療方法の監視および/または調整を指す。
本発明の文脈において、「スクリーニング」という用語は、特定の1つのマーカーまたは複数のマーカーならびに、定義したスクリーニングのカットオフ レベルを使用して、特定の障害のリスクが高い集団において、個人を識別するために、集団を調査する工程を指す。スクリーニングは、集団に適用され、診断は、個々の患者レベルで適用される。
「子癇前症」という用語は、妊娠中の女性の高血圧と蛋白尿(proteinuria)が特徴の、高血圧マルチ システム障害(multi-system disorder)を含む。子癇前症の最も一般的な症状は、高血圧、尿のタンパク質増加、および、手および顔のむくみまたは浮腫である。本発明の特定の実施態様において、子癇前症は、高血圧症(収縮期および拡張期の血圧(systolic and diastolic blood pressure)が、それぞれ、3140および90mmHg)および蛋白尿(24時間の尿の収集において、≧300mgの蛋白排泄、または、≧2+のディップスティック)として定義される。
異数性は、染色体の異常な数であり、染色体異常の1つのタイプである。余分なまたは不足している染色体は、遺伝性障害(先天性欠損症)の一般的な原因である。染色体が、2つのセルの間で、適切に分離しないとき、異数性は、細胞分裂中に発生する。異数性は、たとえば、胎児の三染色体性21(ダウン症候群)、18(エドワーズ症候群)および13(パトー症候群)を含む。
胎児発育遅延は、決定された潜在的なサイズに達していない、成長阻害を有する胎児を指す。胎児の体重は、妊娠年齢の10パーセンタイル以下である。
次の実施例および図は、本発明の、より詳細な説明のために使用されるが、本発明は、上記実施例および図に限定されない。
本明細書において、引用されたすべての特許および非特許文献は、完全に参照によって組み込まれる。
実施例1:抗体の生成
ポリクローナル抗体
ヒトPlGFに対する、ポリクローナル抗体は、(R&Dシステムズ ヨーロッパ社 アビンドン 英国;参照番号:AF−264−PB)から商業的に入手した。
モノクローナル抗体の開発
PlGF−2に対する、モノクローナル抗体は、標準の手順により製造された(ハーロー E、 レーン D、抗体 - 実験室のマニュアル(A Laboratory Manual)、Cold Spring Harbor: Cold Spring Harbor Laboratory、 1988年;レーン、1985年、Journal of Immunology Methods 81:223-228)。抗ヒトPLGF−2抗体の製造のため、8週齢の雌性BALB/cマウスを、140ミリモル/Lの塩化ナトリウムを含む、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)11ミリモル/Lに溶解した、50μgのヒト遺伝子組換えPlGF−2(R&Dシステム ヨーロッパ、アビンドン 英国)で免疫した。免疫原の追加抗原注射(Subsequent booster injections)を、4週間間隔で投与した。融合は、最初の免疫後3ヶ月に、SP2/0マウス骨髄腫細胞(SP2/0−Ag14)を用いて行われた。クローン477/G2および477/E5は、固定化された遺伝子組換えヒトPlGF−2を用いて、ELISAによってスクリーニングされた。抗体は、製造者の指示に従って、タンパク質Aの高速アフィニティークロマトグラフィー(GE ヘルスケア ライフ サイエンス)により精製された。
モノクローナル抗体の選択は、組換えPlGF−2(SEQ ID NO:3)の認識のために得られた信号に基づいた。2つの用量応答曲線は、図1に示される。ベストの信号は、クローン477/G2を使用して得られた。
抗体のラベリング(Labelling)
本アッセイにおいて、ポリクローナル抗ヒトPlGF抗体(R&Dシステム ヨーロッパ社、アビンドン 英国)と、モノクローナル抗ヒトPlGF−2抗体を、それぞれ、Lumi4(R)−Tb(ルミポア社、リッチモンド、カナダ)および、シアニン5.5(英国GE ヘルスケア)と結合させた。カップリング反応は、製造者の規定したカップリング手順に従って行われた。
実施例2:モノクローナルおよびポリクローナル抗体を用いた、PlGF−2 アッセイの開発
ホモジニアス時間分解蛍光イムノアッセイシステム(Time Resolved Amplified Cryptate Emission)技術を利用した(マチス、1993年、Clin Chem 39(9): 1953-9)、均一な(homogenous)サンドイッチ蛍光免疫測定法は、PlGF−2の検出用に開発された。
ストックされた、Lumi4(R)−Tb−結合(conjugated)抗体およびシアニン 5.5−結合(conjugated)抗体の溶液を、アッセイ緩衝液(pH 7、リン酸ナトリウム100mmol/L、0.375%のウシ血清アルブミン フリーのプロテアーゼ、0.25mg/mLのマウスIgG、0.25mg/mLのウシIgG、0.25mg/mLのヤギIgG)でそれぞれ、0.125μg/mlおよび5μg/mLに、使用前に希釈された。組換えヒトPlGF−2は、熱で処理された、脱フィブリン通常ヒト血漿で希釈され、標準PlGF−2を製造した。免疫測定は、70μLの試料/キャリブレーター、40μLのシアニン 5.5−結合抗体溶液および40μLのLumi4(R)−Tb−結合抗体溶液を、37℃で、B.R.A.H.M.S KRYPTOR compact PLUS 機 (Thermo Scientific B.R.A.H.M.S 社、ヘニグスドルフ/ベルリン ドイツ)で、製造者の指示にしたがって、培養することにより行われた。
アッセイの反応時間は、29分であった。707および620nmにて、同時2波長測定により、B.R.A.H.M.S KRYPTOR compact PLUS 機を使用して、特定の蛍光(RFU)を測定した。
実施例3:クローン477/G2を用いたアッセイの用量応答曲線
用量応答曲線は、前述のように、モノクローナル免疫測定法において、組換えPlGF−2(SEQ ID NO:3)を、標準物質として使用することによって、作成することができた。典型的な用量応答曲線を、図2に示した。
実施例4:アッセイによる PlGF−2 アイソフォーム認識の特異性
市販のP1GF−1およびP1GF−2の標準は、特定のPlGF−2アッセイを使用して測定された。図3は、PlGF−2の特定のアッセイは、PlGF−1アイソフォームと交差反応性がないことを示す。したがって、この方法は、特定のPlGF−2のアイソフォームのみを検出する。
実施例5:PlGF−2アイソフォームの立体配座のエピトープの認識
組換えPlGF−2は、特定のPlGF−2アッセイを使用してアッセイした。試料は、PlGF−2(SEQ ID NO:6)のヘパリン結合ドメインに特異的な、21aaペプチドの10μg/mlを含むように調整した。アッセイにおいて、組換えPlGF−2の認識を阻害するために、高濃度の21aaペプチド(組換えPlGF−2と比較して、1x10倍高い)が使用された。
特定のヘパリン結合ドメイン ペプチドが、アッセイにおいて追加されたとき、シグナルの阻害はなかった(図4)。したがって、SEQ ID NO:6に対応する、線形の21aaペプチドは、477/G2のモノクローナル抗体によって認識されなかった。この抗体は、PlGF−2アイソフォームの立体配座のエピトープを認識した。
実施例6:出生前の障害におけるPlGF−2
調査集団
PlGF−2が、病理学的妊娠の有用なマーカーであるかどうかを決定するために、前記のPlGF−2の均質なサンドイッチ蛍光免疫測定法が、女性からの血清試料中のPlGF−2を評価するために使用された。女性は、295人が正常の妊娠で、三染色体性21で影響された妊娠15人、三染色体性18で影響された妊娠10人、三染色体性13で影響された妊娠10人、後に、34週前に分娩を必要とする子癇前症(PE)を発症した妊娠30人および胎児発育遅延(SGA)を分娩した30例であった。特定のPlGF−2アッセイは、組換えヒトPlGF−2を用いて、調整された。
試料は、第1期における、ルーチンの病院検診で取得された。すべての妊娠女性は、キング大学病院倫理委員会により承認された同意書に署名した。
測定
PlGF−2は、B.R.A.H.M.S KRYPTOR compact PLUS 機 (Thermo Scientific B.R.A.H.M.S 社、ヘニグスドルフ/ベルリン ドイツ)において、.完全に自動化されたサンドイッチ免疫測定システムを使用して検出された。このランダム アクセス分析器は、2つのフルオロフォア(fluorophores)間の非放射能性の移動に基づき、敏感なホモジニアス時間分解蛍光イムノアッセイシステム(Time Resolved Amplified Cryptate Emmission )(TRACE)技術を採用した。PlGF−2の検出のための自動アッセイは、基本的に、商業的に入手可能なポリクローナル抗体(R&Dシステム ヨーロッパ社、アビンドン 英国;参照番号AF−264−PB)と、PlGF−2と特異的結合する、上記新規モノクローナル抗体を用いた、サンドイッチ蛍光測定法に基づく。特定のPlGF−2アッセイは、組換えヒトPlGF−2で調整された。B.R.A.H.M.S PlGF-2 KRYPTORアッセイは、測定範囲は、15から14461pg/mLであった(図2)。PlGF−2アッセイの変動は、2複製を含む26の対照試料に対して決定された。最初に実行された検量線は、7日間の期間中、参照曲線として使用された。検出限界は、15pg/mLであり、定量限度(機能感度)は、<42pg/mLであった。アッセイ内およびアッセイ間変動は、それぞれ、PlGF−2濃度が100pg/mLで、8.8%および9.4%で、505pg/mLで、2.3%および2.9%、1018pg/mLで、1.3%および2.4%であった。
胎児における、染色体異常のリスクを決定するため、以下のパラメーターを、第1期中に妊娠中の女性から採取した試料で測定した:
i)PAPP−A、フリー β hCG、
ii)PAPP−A、フリー β hCG、PlGF、
iii)PAPP−A、フリー β hCG、PlGF、PlGF−2。
検出率および擬陽性率は、これらのバイオ マーカーを組み合わせたアルゴリズムを用いて決定された。
妊娠中の女性における、子癇前症の進行のリスク評価分析のために、次のパラメーターを、第1期中に当該被験者から採取した試料で測定した:
i)PAPP−A、PI、MAP、
ii)PAPP−A、PI、MAPおよびPlGF
iii)PAPP−A、PI、MAP、PlGFおよびPlGF−2。
検出率および擬陽性率は、これらのバイオ マーカーを組み合わせたアルゴリズムを用いて決定された。
統計解析
胎児の異数性のリスクを決定する数学的なアルゴリズムは、正常集団およびそれぞれの胎児異数性集団の中央値を決定することによって計算される。調査結果を標準化するために、PAPP−A、フリー β hCG、PlGFおよびPlGF−2は、中央値の倍数(MoM)で表現される。事前のリスク(オッズとして表される)は、母体の年齢別の有病率から導き出し、影響されたおよび影響されない、妊娠における、バイオケミカルマーカーのログ ガウス分布(log Gaussian distributions)から得た尤度比(LR)を乗じた。PAPP−A、フリー β hCG、PlGFおよびPlGF−2の組合せのため、影響を受ける、および、影響を受けない妊娠における、ログ MoM値間の相関係数を決定した。リスク評価を実行するための統計的プロセスは、影響を受けない妊娠および子癇前症の妊娠のための中央値を決定することによって、計算される。各生化学的および生物物理学的マーカーについて、MoMが計算される。そして、尤度比を決定するのに、多変量ガウス解析が実行される。子癇前症のリスク決定のために、事前のリスクは、一般的な集団リスクに基づいた。対照と各結果グループ毎のMoMの中央値の違いの有意性を決定するため、マン−ホイットニーのU検定が適用された。
結果
患者の特性は、表1に示した。対照試料と比較した、PlGF−2のMoM中央値は、子癇前症の女性の試料(p=0.001)、SGAグループの女性の試料(p<0.0001)、三染色体性21のグループの女性の試料(p=0.005)、三染色体性18のグループの女性の試料(p=0.001)、および、三染色体性13のグループの女性の試料(p=0.004)で有意に低かった(表2)。
1/250のリスクカットオフ値に対して、三染色体性21のリスク評価のための、多項目分析は、妊娠に関連する血漿タンパク質A(PAPP−A)、フリーのβ hCG、PlGFおよびPlGF−2の測定は、PAPP−A、フリーのβ hCGの測定後のFPR(FPR:9.6%)、または、PAPP−A、フリーのβ hCGおよびPlGFの測定後のFPR(FPR:9.6%)と比較して、4.8%の最も低い偽陽性率によって特徴付けられた、ことを示した(表3)。
1/250のリスクカットオフ値に対して、三染色体性13のリスク評価のための、多項目分析は、妊娠に関連する血漿タンパク質A(PAPP−A)、フリーのβ hCG、PlGFおよびPlGF−2の測定は、PAPP−A、フリーのβ hCGの測定後のDR(DR:90%)、または、PAPP−A、フリーのβ hCGおよびPlGFの測定後のDR(DR:90%)と比較して、100%の最も高い検出率によって特徴付けられた、ということを示した(表4)。
子癇前症のリスク評価のための、多項目分析は、妊娠に関連する血漿タンパク質A(PAPP−A)、拍動指数(PI)、平均動脈圧(MAP)、PlGFおよびPlGF−2の測定は、PAPP−A、PI、MAPの測定後の検出率(DR:55%)、または、PAPP−A、PI、MAPおよびPlGFの測定後のDR(DR:77%)と比較して、82%の最も高い検出率によって特徴付けられた、ということを示した(表5)。
実施例7:SGAおよび子癇前症患者の第3期における、PlGF−2:
子癇前症および胎児発育遅延(SGA)患者の、妊娠第3期におけるPlGF−2レベルは、実施例6で説明したように決定した。患者の特徴は、表6に示す。PlGF−2のMoMの中央値は、対照試料と比較して、子癇前症の女性の試料において(p<0.0001)、そして、妊娠第3期のSGAのグループの女性の試料において(p<0.0001)、有意に低かった(表7)。

Claims (22)

  1. 妊娠している女性の被験者または前記被験者の出生前の胎児(unborn fetus)における、出生前の障害または病態の、診断、予後診断(prognosis)、リスク評価、リスク層別化(risk stratification)および/または、治療コントロールのための、以下を含む方法、
    (i)被験者からの試料における、胎盤成長因子2(PlGF−2)のレベルを決定する、
    (ii)前記試料の決定されたレベルを、出生前の障害または病態のない被験者からの対照レベル(control level)と比較する;
    ここで、対照レベルと比較して、前記被験者からの試料において、レベルが低いことは、出生前の障害または病態、および/または、前記被験者または胎児が、出生前の障害または病態を獲得する増大するリスク、および/または、出生前の障害または病態の悪化の増大するリスクを示す、方法。
  2. 妊娠している女性の被験者または前記被験者の出生前の胎児(unborn fetus)の出生前の障害または病態を診断する方法、
    ここで、胎盤成長因子2(PlGF−2)のレベルは、診断される被験者からの試料において決定され、および、対照群の0.85の「中央値の倍数(multiple of the median) (MoM)」より低いPlGF−2レベルが、出生前の障害または病態を示す方法。
  3. 以下の工程を含む、胎盤成長因子2(PlGF−2)を検出するための免疫測定法、
    (a)PlGF−2と、2つの抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体の間で、3つの複合体の形成を可能にする条件の下に、PlGF−2を含む疑いのある試料と、PlGFに特異的な、第1の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体、および、PlGF−2に特異的な、第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体とを接触する工程、および
    (b)2つの、抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体の、PlGF−2への結合を検出する工程、を含む、免疫測定法。
  4. 前記第1及び第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体が、異なる立体配座(conformational)で、および重複しないエピトープに特異的である、請求項3の免疫測定法。
  5. 前記第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体が、PlGF−2の立体配座(conformational)のエピトープに特異的である 、請求項4の免疫測定法。
  6. 抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体または遺伝子組換えモノクローナル抗体である、請求項3乃至5のいずれか1項の免疫測定法。
  7. 第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体が、DSM ACC3222として寄託されたセルライン477/G2およびDSM ACC3221 として寄託されたセルライン477/E5から選択された、ハイブリドーマ細胞株によって製造された 、請求項6の免疫測定法。
  8. 試料が、血液、血清、血漿および尿から選択された体液のような、被験者の体液または組織から採取された、請求項3乃至6のいずれか1項の免疫測定法。
  9. 抗体の1つがラベル化され、他方の抗体は、固相に結合するか、または、固相に選択的に結合できること、を特徴とする、請求項3乃至8のいずれか1項の免疫測定法。
  10. 第1および第2の抗体は、液体反応混合物中に分散して存在し、そして、蛍光または化学発光の消光または増幅に基づく、ラベリング システムの一部である、最初のラベリング コンポーネントが、第1の抗体に結合し、そして、前記ラベリング システムの第2のラベリング コンポーネントが第2の抗体に結合し、両抗体が検出されるPlGF−2に結合した後、測定する溶液中に形成されたサンドイッチ複合体の検出が可能な、測定できるシグナルが生成される、請求項3乃至8のいずれか1項の免疫測定法。
  11. 前記ラベリング システムが、特に、シアニンタイプの、蛍光または化学発光の色素との組合せの、希土類クリプテートまたはキレートを含むことを特徴とする 、請求項10の免疫測定法。
  12. DSM ACC3222として寄託されたセルライン477/G2およびDSM ACC3221として寄託されたセルライン477/E5から選択された、ハイブリドーマ細胞株によって製造された 、モノクローナル抗体。
  13. 請求項12の抗体と同じエピトープに結合する抗体。
  14. (i)PlGFに特異的な第1の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体;および
    (ii)PlGF−2に特異的な、第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体
    を含む、PlGF−2検出用キット。
  15. (i)第1の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体が、SEQ ID NO:1の配列内に含まれるエピトープに特異的であり;および/または
    (ii)第2の抗体若しくは抗原結合フラグメント若しくはその誘導体が、PlGF−2の構造的エピトープに特異的である、
    請求項14のキット。
  16. 第2の抗体が、請求項12または12の抗体である、請求項14または15のキット。
  17. 診断、予後診断(prognosis)、リスク評価、リスク層別化のため、および/または被験者の障害または病態の治療コントロールのための、請求項3乃至11のいずれか1項の免疫測定法の使用、前記請求項12または13の抗体、或いは請求項14または15のキット。
  18. 前記障害または病態が、妊娠中の女性の被験者または胎児における、出生前の障害または病態である、請求項17の使用。
  19. 妊娠中の女性被験者における、前記出生前の障害または病態が、子癇前症または、異数性の子供を分娩するリスクまたは胎児発育遅延の新生児を分娩するリスクから選択される、請求項1または2の方法、或いは請求項18の使用。
  20. 前記被験者が、妊娠の第1期にある、請求項1、2若しくは19のいずれか1項の方法または、請求項19の使用。
  21. 子癇前症の診断に関連する、少なくとも、1つのさらなるパラメーターが、試料において決定される、請求項1、2若しくは19乃至20のいずれか1項の方法または、請求項19乃至20のいずれか1項の使用
    ここで、必要に応じて、
    (a)前記障害または病態が子癇前症であり、子癇前症のさらなるパラメーターが、PAPP−A、超音波マーカー(拍動指数(Pulsatile-Index、拡張期ノッチ)、平均動脈圧、PlGF、sFlt、母親の既往歴、可溶性エンドグリン(soluble Endoglin)(sEng)、インヒビンA、アクチビンA、血管内皮増殖因子(VEGF)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)およびセルフリー胎児DNA、よりなる群から選択される1つまたはそれ以上である。
    (b)前記障害または病態が異数性であり、さらなるパラメーターが、PAPP−A、フリーのβ hCG、胎児項部透過像(nuchal translucency)、母親の年齢、AFP、PlGF、胎児の鼻骨(fetal nasal bone)、大横径/鼻骨比(biparietal diameter/nasal bone ratio)、hCG、インヒビンA、非抱合エストリオール3(unconjugated estriol)(uE3)およびセルフリー胎児DNA、よりなる群から選択される1つまたはそれ以上である。または
    (c)前記障害または病態が、胎児発育遅延であり、さらなるパラメーターが、PAPP−A、母親の既往歴、PlGF、sFlt、AFP、フリーのβ hCG、hCG、インヒビン−A、アクチビンA、sEng、子宮底部の高さ(symphysis-fundal height)(SFH)、胎児計測(fetal biometry)(大腿骨長(FL)、頭囲(head circumference)(HC)、大横径(biparietal diameter)(BPD)、腹囲(abdominal circumference)(AC)および超音波マーカー(拍動指数、臍動脈ドップラー(Umbilical artery Doppler)、中大脳動脈(Middle cerebral artery Doppler)、胎児静脈管ドップラー(Ductus venosus Doppler)よりなる群から選択される1つまたはそれ以上である。
  22. DSM ACC3222として寄託されたセルライン477/G2およびDSM ACC3221として寄託されたセルライン477/E5から選択された、ハイブリドーマ細胞株。
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