JP5051960B2 - リポタンパク質と急性期タンパク質との複合体を検出し、系の不全または致死のリスクの増加を予測する方法 - Google Patents

リポタンパク質と急性期タンパク質との複合体を検出し、系の不全または致死のリスクの増加を予測する方法 Download PDF

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Description

【0001】
[関連出願の引用]
本願は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、1999年2月4日に提出され、Tohらに付与された米国特許出願番号第09/224,340号および1999年8月12日に提出され、Tohらに付与された米国特許出願番号第09/372,954号の一部継続出願である。本願はまた、引用することにより本明細書の一部をなすものとするFisherらに付与された米国特許第5,646,046号にも関連する。
【0002】
[背景技術]
血餅は、タンパク質が生物的増幅系として作用する酵素カスケードを形成する複雑な連鎖反応の最終産物である。この系により、比較的少数分子のイニシエーター産物は、フィブリンを生成する因子として知られる、一連の不活性なタンパク質の逐次的な活性化を誘発することができる。カスケード経路の動態の数学的なモデルは既に提案されている。
【0003】
血栓症および止血の試験は、血液がインビボにおいて血餅を形成し、血餅を破壊する能力のインビトロにおける検討である。凝固(止血)アッセイは手作業による方法として始まり、試験管を傾斜させたり、ループ状の針金で鎖状のフィブリンを取り出して、試験管内の血餅形成を観察していた。目標は、ある種の物質を添加することにより患者の血液試料が凝固するかどうかを判定することであった。インビトロにおける反応の開始から凝固形成時点までの時間の長さが先天性疾患、後天性疾患および治療モニタリングに関連することは後になって判明した。手動的技法の主観的エンドポイント決定に関連する本質的な変動を除去するために、(1)電気機械的特性、(2)血餅の弾性、(3)光散乱、(4)フィブリン接着および(5)インピーダンスに基づいて凝固時間を測定する装置が開発された。光散乱法では、時間の関数として試料を通過する光の透過を示すデータを収集する(時間依存性光学的測定プロフィール)。
【0004】
2つのアッセイ、PTおよびAPTTは、凝固系の異常をスクリーニングするために広範に使用されているが、例えば、プロテインC、フィブリノーゲン、プロテインSおよび/またはトロンビン時間のようないくつかの他のスクリーニングアッセイを使用することができる。スクリーニングアッセイが異常な結果を示す場合には、正確な異常源を単離するために、一つまたはいくつかの追加の試験が必要である。PTおよびAPTTアッセイは、血液凝固時間に必要な時間の測定を主に使用するが、PTの改良法は、フィブリノーゲン濃度を推定する際の光学的信号の変化の振幅も使用する。
【0005】
血液凝固は、通常、血餅形成に影響する広大な数の内部要因およびタンパク質以外に、薬物の投与によって影響される。例えば、ヘパリンは、外科手術後または他の条件下において血栓を防止するために使用され、または既存の血栓を融解するために使用される広範に使用される治療薬である。ヘパリンの投与は、典型的には、ヘパリンの存在下では血液凝固時間が長いAPTTアッセイを使用してモニターされる。PTアッセイの血液凝固時間はわずかにしか影響されない。他の数多くの血漿の異常もAPTTの延長という結果を生じることがあるので、スクリーニングアッセイ結果からこれらのエフェクターを識別する能力は臨床的に重要となることがある。
【0006】
時間依存性の光学的測定プロフィールなどの一以上の時間依存性測定プロフィールに基づいて試料中で止血不全を予測するために、本発明を考案し、開発した。また、本発明は、患者の血液または血漿試料について実施したアッセイから、光透過プロフィールなどの時間依存性プロフィールに基づいて、患者の播種性血管内凝固の存在を予測することに関する。
【0007】
[発明の開示]
本発明は、血餅形成が存在しない場合に試験試料の沈降物を検出する方法に関する。本発明の方法は、試験試料を提供するステップと、それに試薬を単独で、または沈降物の形成を生ずる追加の試薬と併用して、添加するステップとを含む。試薬は、好ましくは、金属の二価の陽イオンを含み、任意選択的に、血液凝固阻止物質を含む。沈降物の検出は、定性的であっても、定量的であってもよく、沈降物は、凝固アッセイ、ラテックス凝集または金ゾルアッセイ、ELISAなどのイムノアッセイまたは沈降物の検出または定量あるいはそれらの両方を可能にすると考えられる他の好適な方法などによって検出することができる。沈降物の形成はエンドポイントの値として、または動態的に検出することができる。この沈降物の検出により、患者の止血不全を予測することができる。本発明は、出血もしくは血栓、または詳細には播種性血管内凝固(DIC)に至ることがある止血不全を予測するのに有用である。
【0008】
さらに特には、本発明は、患者の血液試料の少なくとも一つの成分を有する試験試料に試薬を添加するステップと、時間依存性測定プロフィールを誘導するために、試験試料および試薬の反応による沈降物の形成を経時的に測定するステップとを含む方法に関し、試薬は、実質的なフィブリン重合を生ずることなく試験試料中に沈降物を形成することができる。本発明はまた、患者が止血不全を有するかどうかを決定する方法であって、患者から血液試料を得るステップと、前記血液試料から血漿を得るステップと、実質的なフィブリン重合を生ずることなく、止血機能不全の患者に沈降物形成を誘発することができる試薬を添加するステップと、試料のパラメータの一以上の測定値を採用し、試料のパラメータの変化を、沈降物の形成が存在する場合には、沈降物の形成と関連させることができるステップと、沈降物の形成が検出される場合には、患者が止血不全であると決定するステップとを含む方法に関する。
【0009】
本発明はまた、患者の試料中に、300kDaのタンパク質、血清アミロイドA反応性タンパク質および血清アミロイドC反応性タンパク質の少なくとも一つを含むタンパク質の複合体の存在を決定する方法であって、患者から試験試料を入手し、アルコール、血餅阻害剤および金属陽イオンを添加するステップを含み、300kDaのタンパク質、血清アミロイドA反応性タンパク質および血清アミロイドC反応性タンパク質の少なくとも一つを含むタンパク質の複合体を含む沈降物が形成される方法に関する。
【0010】
本発明はまた、患者の試験試料の一部に凝固試薬を添加するステップと、凝固試薬の添加により経時的に変化する試験試料のパラメータを測定することによって、前記試験試料の経時的なフィブリン形成をモニターするステップであって、前記試験試料中にフィブリン重合が形成される前のある時期に、もしあれば、前記パラメータの変化率を測定し、測定した変化率が所定の閾値を越える場合には、患者の試験試料の第2の部分を用いて、フィブリン重合が存在しない場合に、沈降物の形成を誘発する試薬を第2の部分に加えるステップと、経時的に沈降物の形成をモニターするステップと、沈降物の測定に基づいて止血不全の可能性または蓋然性を決定するステップとを含む方法に関する。
【0011】
本発明はまた、患者の炎症状態をモニターする方法であって、患者の試験試料のいくつかにおいて、フィブリン重合を生ずることなく沈降物形成を生ずることができる試薬を患者の試験試料に添加するステップと、前記沈降物形成を示す試験試料のパラメータを経時的に測定するステップと、変化するパラメータの傾きを求めるステップと、1日後または数時間後に上記ステップを反復するステップとを含み、1日後または数時間後の傾きの増加または低下が炎症状態の、それぞれ、進行または寛解を示す方法に関する。
【0012】
本発明はさらに、止血不全患者を診断し、治療する方法であって、フィブリン重合を生ずることなく沈降物形成を生ずる試薬を試験試料に添加するステップと、沈降物形成により変化する試験試料のパラメータの測定値を経時的に採用するステップと、前記パラメータの変化率を測定するステップと、前記変化率が所定の限界を超える場合には、患者は止血不全を有すると決定するステップと、前記変化率が所定の限界を超える場合には、前記止血不全の治療法で治療するステップとを含む方法に関する。
【0013】
本発明はまた、患者の試料に沈降物形成を生じさせることができる試薬を患者の試料に添加するステップと、前記試料の変化するパラメータを経時的にモニターするステップであって、前記パラメータが前記沈降物形成を示すステップと、前記パラメータの変化率または前記パラメータが所定の時間内に所定の限界を超えるかどうかを測定するステップと、少なくとも1度、異なる血漿/試薬比で上記ステップを反復するステップと、測定値の最大値、平均値および/または標準偏差を測定するステップと、最大値、平均値および/または標準偏差の測定値に基づいて止血不全を決定するステップとを含む方法に関する。
【0014】
本発明はさらに、図21のレーン5のC反応性タンパク質または300kDaのタンパク質に結合することができるリガンドを提供するステップと、患者の試験試料に前記リガンドを添加して、前記試験試料中のC反応性タンパク質または前記300kDaのタンパク質に前記リガンドを結合させるステップと、前記試料中のC−反応性タンパク質または前記300kDaのタンパク質の存在または量を検出するステップと、C反応性タンパク質または前記300kDaのタンパク質の検出および/または検出される量により患者の止血不全を診断するステップとを含むイムノアッセイに関する。
【0015】
本発明はさらに、炎症状態および/または止血不全が認められる被験者または被験動物に対する新規薬剤の効果を試験する方法であって、フィブリン重合を生ずることなく、被験者の試験試料のいくつかに沈降物形成を生ずることができる試薬を患者の試験試料に添加するステップと、前記沈降物形成を示す前記試験試料のパラメータを経時的に測定するステップと、所定の時間内に変化する前記パラメータの傾きおよび/または前記パラメータの値を測定するステップと、前記被験動物または被験者に薬剤を投与するステップと、1日後または数時間後に上記ステップを反復するステップとを含み、1日後または数時間後の前記傾きまたは値の増加または減少が前記薬剤の効果を示す方法に関する。
【0016】
[好ましい実施態様の説明]
本発明では、特定の異常(止血不全)だけでなく、疾患の進行も1人の患者においてモニターすることができる。さらに詳細には、系の不全および/または死亡も予測することができる。本明細書において使用する止血不全とは、(使用する試薬に応じて血餅形成前または血餅形成が存在しない場合に)沈降物の形成によって予測される状態である。
【0017】
播種性血管内凝固(DIC:止血不全の1種)の予後は、早期で、有用で、迅速に利用可能な診断マーカーがなくて妨げられている。本発明は、DICの早期診断および単一モニタリングマーカーとして有用であるだけでなく、定量可能で、標準化可能な変化も臨床管理において予後に適用できることを見出している。
【0018】
播種性血管内凝固(DIC)は既存の病因の二次的な応答であり、それによって正常な止血の局所的な事象とは異なり、止血応答が動転的で、播種性となる。患者の集中治療管理およびDICの止血機序の本発明者らの基礎知識の改善にもかかわらず、この患者群の生存率は依然として全く思わしくない。この合併症の管理の基礎は、最初の刺激源として一次病変を予防または根絶する方向に向かう積極的な治療の実施である。しかし、ある意味では、この問題は、早急で、適切な治療を促進するためのDICの1種の早期同定を残している。臨床研究者が利用できる技術的な方法(armory)はかなり増えたが、急性DICのペースにより特異的な試験のほとんどが使用できず、依然としてプロトロンビン(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)および血小板数などの従来のスクリーニング試験が信頼されている。これらの試験は個別的には特異性がなく、フィブリノーゲンおよびフィブリン分解産物/Dダイマーがさらに測定される場合に、DICに有用である。しかし、これらのパラメータの変化は全て同時に生じることはなく、従って連続試験が必要になることが多く、必然的に診断および臨床的に有用な治療が遅延する。
【0019】
APTT透過率波形(TW)の正常のS字形はDIC患者では「二相性」形に変化する。これは、正常なAPTT−TWのプラトー部分がなく、最初は徐々に下降する傾きで、次に傾きが急になることを表している(図1aおよびb)。また、この二相性パターンは、APTT血液凝固時間の結果が正常である場合でも見られることがある。
【0020】
PTまたはAPTTを必要とする採取直後の血液試料を2週間の研究期間中先見的に分析した。これらは、全血9部に対して抗凝固剤1部の比で0.105Mのクエン酸三ナトリウム液とし、光学的検出システム(Organon Teknika Corporation,Durham,NC,USA)を使用して臨床検査凝固アッセイを実施するための自動分析装置であるMDA(Multichannel Discrete Analyzer)180で低血小板血漿を分析した。MDA Simplastin LS(商標)を使用したPT(正常11.2〜15s)およびMDA Platelin LS(商標)および0.025Mの塩化カルシウム(Organon Teknika Corporation,USA)を使用したAPTT(正常23〜35s)の血液凝固時間を誘導する以外に、APTTのTWの分析を波長580nmで各場合に実施した。目で見えるプロフィールを定量するために、25秒経過時の光透過量を記録した。正常な波形は、光透過率が100%で、分析装置および図1aに小数点を入れないで、10000として示す。従って、二相性変化は光透過率が10000未満と低い。図1Bからわかるように、血餅形成前に光透過率レベルが低下するのは二相性の傾きの斜度の増加と直接関連する。25秒経過時の光透過率を記録することにより、患者間および同一患者において経時的に標準化することもできる。各試料の光透過率の最少レベルが使用される予定の場合には、これはAPTTの血液凝固時間の変動によって影響を受けることがあり、比較には理想的であるとは思われない。
【0021】
DIC症例を絶対に見逃さないようにするために、以下の基準に従った。(a)異常な二相性TWに遭遇した場合、または(b)特定のDICスクリーニングが必要であった場合、または(c)明らかな抗凝固治療が存在しない場合にPTまたはAPTTが長かった場合には、十分なDICスクリーニングを実施した。これはさらにトロンビン時間(TT)(正常10.5〜15.5秒)、フィブリノーゲン(Fgn)(正常1.5〜3.8g/l)、Nyocard D−Dimer(Nycomed Pharma AS,Oslo,Norway)でのDダイマーレベル(正常<0.5mg/l)の推定を含めてもよい。EDTA試料について同時に実施した血小板数(Plt)(正常150〜400 109/l)を記録した。また、DICに一致する二相性TWまたは凝固異常が認められる任意の患者には詳細な臨床状態を十分に解明した。
【0022】
DICの診断は、スクリーニング試験における少なくとも2つの異常の臨床検査所見および臨床所見(PTの延長、APTTの延長、Fgnの低下、TTの延長またはPltの減少)およびDICの病因において認められている一次状態に関連するDダイマーレベルの増加(>0.5mg/l)という所見に関連して厳密に規定した。そのような患者について連続的なスクリーニングも利用して、直接的な臨床評価および管理となるように、DICの診断の進行および確実性を図で示した。統計分析には、2×2表を使用して、DICを診断するためのAPTT−TWの、感度、特異性、正および負の予測を算出した。95%信頼区間(CI)は精密二項法(exact binomial method)で算出した。
【0023】
合計1,470の試料を分析した。これらは747人の患者由来であった。54人の患者由来の174の試料(11.9%)は二相性波形変化を示した。54人の患者のうち22人は、4つ以上の連続試料を分析に利用できた。DICは41人の患者において診断され、これらのうち30人は新鮮凍結血漿、寒冷型沈降物または血漿による輸血支持を必要とした。基礎的な臨床疾患は表1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0005051960
【0025】
DICが認められる41人の患者のうち40人は二相性TWを示した。一例の偽陰性結果(二相性TWを示さないDIC)は、子癇前症(PET)が認められる患者で生じ、分析に利用できる一例の試料は、21.0sというPTの延長、44.0sというAPTTの延長、1.5mg/lというDダイマーの増加を示した。5人の他の患者がこの検討においてPETが認められると同定されたが、だれもDICおよび二相性TWを示さなかった。二相性TWを有するが、DICの基準を満たさなかった14人の患者は、全員が、スクリーニング試験の一つまたは2つに異常を認める凝固障害の何らかの徴候を示した。これらの異常な結果は、上記に規定したDICの基準に達していなかった。これらの14人の患者のうちの4人は慢性肝疾患が認められ、PTの延長および軽度の血小板減少症が認められた。さら2人の患者は心房性細動が認められ、Dダイマーレベルだけが単独で上昇していた。残りの8人の患者は、外傷由来または感染症由来と疑われる多臓器不全でICUに収容されていたが、DICの典型的な臨床検査値変化を生じなかった。これらの患者のプロフィールは、「全身性免疫応答症候群(SIRS)」に一致するとICUに記載されていた。これらの所見に基づくと、二相性TWはDICの診断の感度97.6%で、特異性は98%である。光透過率波形を使用することは、二相性波形を検出する際に有用であることが見出された。
【0026】
【表2】
Figure 0005051960
【0027】
試験の正の予測値は74%で、二相性の傾きの斜度増加および光透過率レベルの低下により増加した(表2および図2)。検討の最初の2日後には、12人の患者が凝固試験の異常およびDダイマーレベルの上昇を示した。これらの患者は、検討の前の週に生じたDICから臨床症状が回復中の患者であった。これにより、TWの変化はDICの標準的なマーカーより、臨床事象にさらに密接に関連する可能性があるという印象が得られた。
【0028】
【表3】
Figure 0005051960
【0029】
22人の患者において4つ以上の連続試料を利用できたことにより、さらに評価することができた。表3は、大腸菌(E.coli)敗血症患者由来の連続試験結果のこのような一例を例示する。
【0030】
二相性TWの形状は、DIC診断の標準的な試験に変化が生じる前に出現した。PT、APTT、PltおよびDダイマーレベルが異常になり、DICの診断基準を満たしたのは同じ日の後の方であった。抗生物質の静脈内注射による治療により2日目までには臨床状態が改善し、DICの標準的なパラメータに先んじてこの患者のTWが正常化した。DダイマーおよびPltは、それぞれ、24時間後および48時間後まで異常のままであった。
【0031】
臨床事象とTWの変化のこのような関連は、臨床事象の経過を図で示すために試料を利用することができたDIC患者全員において見られた。TWの変化は、25秒経過時に透過率レベルを記録することにより定量可能で、標準化可能であるので、この分析は診断適用性を評価する際の手がかりとなる。図3は、腸穿孔による腹膜炎で最初に来院した患者の結果を例示する。この患者は術後グラム陰性菌敗血症がさらに合併し、DICが最初に悪化した後、適切な治療により徐々に回復に向かっていた。最初にDICが進行したとき、TWの二相性の傾きの斜度が増加し、光透過率レベルが低下した。これが逆転すると臨床症状の回復の予知となった。図4は、ジェットスキーの事故による重症の内部損傷および外傷が治癒していない患者の結果を例示する。最初は血液製剤投与により患者の状態は安定したが、失血が止まらないことにより状態は悪化し、劇症DICを発症した。二相性の傾きの斜度は増加が止まることなく、この患者の傷害の結果が死亡となったとき、透過率レベルが低下した。
【0032】
DICは種々の原発性疾患によって生ずることがあるので、臨床症状および臨床検査値の発現は患者による変動が顕著であるばかりでなく、同一患者でも経時的に変動が顕著であることがある。従って、診断において強力であるばかりでなく、実施が簡単で迅速な方法が必要である。二相性のTWは止血不全(例えば、DIC)に感受性があると思われ、凝固異常が認められる他の選択患者群または(i)事前分析のばらつき、(ii)異なるシリカに基づいたAPTT試薬、(iii)凝固反応の開始剤としてのトロンビンの使用または(iv)ヘパリンもしくは代用血漿形態による治療によって影響を受けた他の選択患者群では見られないことが示されているが、このDICアッセイの強靭さは先見的な検討によってのみ評価することができると思われる。二相性のTWは、総感度が97.6%で、特異性が98%のDIC診断精度を提供することを本発明の検討は示している。一方、標準的なパラメータはどれも個別でも(すなわち、PT、APTT、TT、Fgn、Plt、Dダイマー)または組み合わせても感度および特異性の程度に達しなかった。トロンビンと抗トロンビンとの複合体またはELISA技術に依存する他のマーカーの測定とは異なり、MDA−180からTWデータを容易に入手できることも簡便性および迅速性の基準を満足していると思われる。また、TW分析の利点は、(a)二相性TW変化はDICの単離試料において最も有用な一つの関連事項であると思われるので、一連の試験の連続的な推定値に信頼を置く必要はなく、また(b)二相性TWの形状または分解能は、DICにおいてモニターされる標準的で伝統的なパラメータの変化より先に生じることができ、臨床事象および成果に強力で明白な関連があることである。
【0033】
二相性TWは上記の基準によって規定したDICそのものを有さない患者にも診られたが、この臨床状態は止血不全、すなわち、血餅形成開始前に凝固が活性化され、二相性波形を生じるものに関連していた(例えば、慢性肝疾患または多臓器不全が認められる集中治療室に収容された重症患者において)。二相性TWは不顕性または代償性DICに感受性であること、および90%未満の透過率レベル(図2)またはそのレベルの連続的な低下(図4)はDICの顕性発現およびおそらく劇症型に向かう代償不全を反映すると思われる。この類の説明は、軽度な凝固活性化およびDダイマーレベルの上昇に関連する状態の、2人の心房性細動患者ではごくわずかな二相性TW(透過率レベルは約95%)しか観察されないことによって裏付けられている。これら2人の患者の追跡調査試料は入手できず、患者の詳細な臨床状態は気に止めるほどではなかったので、これらの患者の二相性TWは一過的であったと思われた。にもかかわらず、光透過率レベルが低下すると、二相性TWが止血不全、特にDICの予測となる可能性が大きくなることをこれらの症例は例示している。
【0034】
PETおよびDICが認められる患者において正常なTWが観察されることは、本発明の検討は任意の特定の患者群を調査するためには選択的に助けとなっておらず、合計6人のPET患者しか対象にしておらず、残りの5人はDICを認めなかったので、さらに調査を必要とする。本発明の検討の他の所見によって裏付けられると思われる一つの説明は、患者は試料採取時にはPETおよびDICから回復中であったと思われることである。依然として異常であり、DICを示す他のパラメータより先んじて、二相性TWはすでに正常であった。別の説明は、PETで見られる混乱した状態の止血経過はより局所化しており、他の状態によって生ずるDICとは異なるということである。この患者は胎児の分娩に劇的に応答しており、状態の全身徴候を示す標準的な臨床検査による凝固試験にもかかわらず、異常経過が胎盤に解剖学的に局在化されることを示唆している。
【0035】
DICを予測する際に有用となる25秒経過時の透過率の分析により、感度および特異性を大きく改善する本発明の第2の態様が見出された。特定の時間において透過率を見ることにより、波形が二相性波形でなくても、その経過時点におけるアーティファクトまたは他の低下を検出することができることが見出されている。例えば、25秒経過時の透過率の一過性の低下により、このような患者の試料は、波形が正常かまたは少なくとも二相性でなくても、二相性として注記されると思われる。また、患者の試料が、凝固時間が特に短く、血餅形成が例えば25秒(または事前に選択された時間がいつであってもその時間)より前に開始する場合には、25秒経過時における透過率低下の真の理由が、血餅形成がすでに始まっている、または生じている場合であっても、波形は二相性と注記されると思われる。
【0036】
このため、特定の経過時間において透過率を分析するのではなく、血餅形成開始前に波形の傾きを算出することが望ましいことが見出されている。この算出は血液凝固時間を測定し、その後血液凝固時間前の波形の傾きを測定することを含んでもよい。別の実施態様において、傾き(透過率ではない)が血液凝固時間前または、たとえ短かったとしても、事前に選択した経過時間前に測定される。図11からわかるように、例えば、DICを決定するために透過率を使用する場合には、特異性および感度が低い。しかし、図9からわかるように、血餅形成開始前の傾きを使用する場合には、特異性および感度はかなり改善され、DICなどの止血不全を診断する際に使用される標準的な試験より良好である。
【0037】
3セットの患者に追加の試験を実施した。最初のセットは、確認済みの51人の異なるDIC患者由来の試料に実施した9一例のAPTTアッセイからなった。第2のセットのデータは、確認済みの81人の異なる正常患者由来の試料に実施した110例のAPTTアッセイからなった。第3のセットのデータは、異常であるが非DIC試料に実施した37例のAPTTアッセイを含んだ。図5は、記載のデータセットを組み合わせを使用したAPTTアッセイから誘導される3つの異なるパラメータのDIC予測のROCプロット、すなわち、(1)25秒経過時の透過率(TR25)、(2)APTT血液凝固時間および(3)傾き 1(血餅形成開始時までの傾き)を例示する。傾き 1は最良の予測効果を示し、TR25がそれに次いだ。特に、APTT血液凝固時間が25秒より短い場合には、18秒経過時の透過率が予測的に有用であることも示された。3つのパラメータの最も高い有効性に関連する「カットオフ値」を表4に掲載する。
【0038】
【表4】
Figure 0005051960
【0039】
これらのカットオフ値は第3のセットを加えることによって変化し、試料集団に応じても変化する可能性があることに注目すべきである。図6および図7は、TR25および傾き 1の、それぞれ、DIC、正常および異常/非DIC集団のヒストグラムを示す。表5および表6は、それぞれ、図6および図7のヒストグラムを示す。
【0040】
【表5】
Figure 0005051960
【0041】
【表6】
Figure 0005051960
【0042】
図8および図10は、それぞれ、傾き 1およびTR25の群の分布を示し、図9および図11は、それぞれ傾き 1およびTR25の群の分布を示す。図9および図11は、図8および図10に示すデータの部分的な亜集団を示す。
【0043】
止血不全の予測が自動分析装置または半自動分析装置で実施される場合には、検出される二相性の波形に注意することができる。この方法では、装置の操作者または試験結果を解釈する人(例えば、医師または他の医療担当者)は二相性波形の存在およびDICなどの止血不全の可能性/蓋然性を変更することができる。印はモニターに表示されても、印刷されてもよい。約−0.0003未満または約−0.0005未満の傾きは、二相性波形を示す好ましいカットオフ値である。血餅形成前の傾きの斜度の増加は疾患の進行に相関する。
【0044】
上記の例は、APTTアッセイにおける波形分析は、止血不全患者に特徴的な二相性パターンを識別することができることを示している。大多数の症例において、この不全は、DICと標識されると思われる。この診断波形プロフィールは、シリカまたはエラグ酸系の試験した全てのAPTT試薬に見られた。また、驚くべきことに、二相性波形は特定の試薬を用いたPTアッセイにも見られること、およびその二相性波形は、同様に止血不全、主にDICを示すことが見出されている。
【0045】
二相性のAPTT波形を与える試料を使用し、PT試薬(トロンボプラスチン)、すなわち、Recombiplast(商標)(Ortho)、Thromborel(商標)(Dade−Behring)およびInnovin(商標)(Dade−Behring)を使用して、PT波形プロフィールを誘導した。Recombiplast(商標)およびThromborel(商標)はともに二相性応答を示すのが特に良好であった。Innovin(商標)は感度が中程度であった。PT反応において10秒経過時における透過率レベルを定量指標として使用すると、Recombiplast(商標)およびThromborel(商標)はInnovin(商標)より光透過率レベルが客観的に低かった。Thromborel(商標)は、その後の低下の前の最初の光透過率のわずかな増加を示すことができる。これは、一部には、Thromborel(商標)の相対的な不透明さに関連することがある。
【0046】
さらに別の検討を実施して、Platelin(商標)を使用したAPTTプロフィールとRecombiplast(商標)を使用したPT波形プロフィールとを比較した。集中治療室由来の4週間の連続試料を評価した。見た目および客観的評価では(APTTのTL18とPTのTL10を比較)、APTTプロフィールは、PTプロフィールより止血不全および臨床症状の進行の変化に感受性であった。この相対的な感受性は、図13(Recombiplast)および図14(Thromborel S)のPTプロフィールと比較して、図12(Platelin)のAPTTプロフィールにおいて見ることができる。同様に、光透過率のさらに小さい変化が生じる場合には、APTT波形は、PT波形より容易に異常を検出した。にもかかわらず、重症の程度の止血不全では、両方の二相性プロフィール共に一致した。
【0047】
本発明のさらに別の実施態様では、光透過率プロフィールなどの時間依存性の測定を、実質的または全く血餅形成が存在しない場合に実施することができる。この実施態様では、沈降物を形成する試薬を、フィブリンが重合しない環境において添加する。試薬は、DICなどの止血不全患者の試料に沈降を形成する任意の好適な試薬である。一例として、好ましくは遷移元素、さらに好ましくはカルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄またはバリウムイオンの二価陽イオンを試験試料に添加することができる。これらのイオンは、止血不全の指標として働くことができる特徴的な波形の活性化を生ずる。凝固試薬(APTT、PTまたはその他)が存在しない場合にこのアッセイを実施することもできる。特徴的な波形の活性化因子を含む試薬の一部として、または別の試薬に別個に血餅阻害剤を提供することもできる。血餅阻害剤は、ヒルジン、PPAK、ヘパリン、抗トロンビン、I2581等などの任意の好適な血餅阻害剤であってもよい。特徴的な波形の形成は、(例えば、光透過率の変化をモニターすることによって)濁度の変化をモニターするものなどの、このような波形を検出することができる自動分析装置でモニターおよび/または記録してもよい。
【0048】
図44は、2つの波形の例示であり、波形(三角)はAPTT凝固試薬を使用して試料に実施し、典型的な(二相性)波形を生じた試験であり、波形(四角)は血餅阻害剤(および試料中に沈降物形成を生ずる金属二価陽イオンなどの試薬)を使用した試料に実施した試験である。波形(四角)は止血不全患者であると結論付けるに至ることができる波形の一例で、凝固試薬が使用されない、および/または血餅阻害剤が時間依存性測定プロフィールを誘導する前に添加されている。一般的に言うと、沈降物形成により波形の傾きが大きくなると(同一期間における透過率の低下が大きいと)、患者の止血不全の重症度が大きい。図15はCRPのELISAの標準曲線である(標準として使用した患者から単離したCRP)。
【0049】
本発明において形成される沈降物は、クロマトグラフィーおよび精製手段によって単離され、特徴付けられる。ゲルろ過を以下のように実施した。カラム(Hiprep Sephacryl S−300 高分解能。例えば、10〜1500kDaの分解能)を使用した。容積は320ml(d=26mm、l=600mm)で、流速は1.35ml/分であった。
【0050】
図16は、患者および正常血漿の混合物に沈降物誘発剤(この場合には、二価カルシウム)およびトロンビン阻害剤(この場合には、PPACK)を添加する結果試料に生じる濁度の時間経過を示すグラフである。図17は、最大濁度変化と一つの試料中の患者の血漿の量の関係を示すグラフである。0.05単位は100%の患者の血漿を示す。
【0051】
患者の血漿の濁度変化に関与する成分の精製に使用するステップは以下のようであった。PPACK(10μM)を患者の血漿に添加した。塩化カルシウムを添加して50mMとし、8分インキュベーションし、エタノールを添加して5%とした。次いで、試料を4℃において、10,500×gで15分間遠心分離した。次いで、ペレットをHBS/1mMのクエン酸塩/10μMのPPACKに溶解し、35〜70%の(NH42SO4で分画した。最後に、5mlのベッド、0.02〜0.5MのNaCl濃度勾配および50ml/サイドを使用して、イオン交換クロマトグラフィーを実施し、2mlの分画を回収した。図18は、患者の血漿の35〜70%の硫酸アンモニウム分画により回収した物質の陰イオン交換クロマトグラフィー(Q−sepharose)の結果を示す。
【0052】
図19Aおよび図19Bは、患者の血漿の分画の結果、得られた種々の分画のそれぞれ、非還元および還元SDS−PAGEを示す。ロードの方向は左から右であり、5〜15%濃度勾配のNevilleゲルを用いた。ウェルあたり約10μgのタンパク質とした。レーン1では、上から下に分子量標準(94、67、45、30、20および14kDa)が見られる。レーン2では、35%の(NH42SO4ペレットが見られるが、レーン3では、70%の(NH42SO4上清が見られる。レーン4はQ−sepharose出発物質である。図19Aおよび図19Bで示されるように、(図18からの)ピーク1、2a、2bおよび3が、それぞれ、レーン5、6、7および8に見られる。レーン9ペレット1であるが、レーン10にも分子量標準が見られる。NH2末端配列決定の結果は、レーン8および9のピーク3である22kDaのタンパク質はC反応性タンパク質(CRP)であり、レーン9の10kDaのタンパク質はヒト血清アミロイドA(SAA)であることを示した。レーン5のピーク1は>300kDaタンパク質であり、図21からわかるように、血漿試料に金属の二価陽イオンを添加することによって形成される沈降物中のタンパク質(およびCRP)の複合体の一部である。
【0053】
CRPのイムノブロットは正常(NHP)およびDIC血漿において実施した。ブロットA(図20参照)では、還元SDS−PAGE/CRPイムノブロット法のために0.2μlの血漿を使用した。ロードした順番は左から右に、NHP、Pt、5、3、1、2、4、および8である。ブロットBでは、ロードした順番は、左から右に、NHP、Pt9、10、11、7、6、12であった。ブロットCでは、DIC患者血漿から精製されたCRPで、ロードしたCRPの量(ng)は、左から右に、3.91、7.81、15.625、31.25、62.5、125、250であった。ブロットは、2%(w/v)のBSAのPBS溶液、pH7.4でブロックし、次いでウサギ抗ヒトCRP−IgG(Sigma、Cat# C3527、PBS/0.01% Tween20で5000倍希釈)で順次探索し、HRP(PBS/0.01% Tween20で25000倍希釈)に結合した試験検出抗体で処理した。
【0054】
図21は、血漿が存在しない場合にQ−セファロースクロマトグラフィーで得られた物質に二価カルシウムを添加した結果の濁度の変化を例示する。陽性応答を示すピークはなかったが、ピーク1およびピーク3の物質の混合物は、沈降物にCRP、300kDaのタンパク質および一以上の他のタンパク質の関与を示す陽性の応答を示した(ピーク3+血漿は対照であった)。表7は、ELISAによって測定したμg/ml単位のCRPの量を示す表である。ΔA405nmは、トロンビン阻害剤(PPACK)が存在する場合に患者の血漿が再カルシウム化された場合に観察される最大濁度変化である。従って、表7は、吸光度が高い患者は種々の高いレベルのCRPを示し、2つ以上のタンパク質が沈降物形成に関与していることを示している。
【0055】
【表7】
Figure 0005051960
【0056】
本発明の一実施態様において、血漿に対する試薬の比は、沈降物形成を誘発する試薬を使用する複数の試験によって異なる。このようなばらつきにより、血漿に対する試薬の比を最適化する(例えば、血漿または試薬の濃度を変更する)ことによって、沈降物の形成の検出を増幅することができる。または、沈降物形成による傾きを複数の試験で平均することができる。図22からわかるように、カルシウム濃度の増加に対する応答が光透過率プロフィールに示されている。パネルAおよびBは、カルシウム濃度が異なる2人の正常患者を示すが(凝固剤は使用してない)、パネルCおよびDは、金属陽イオン(カルシウム)濃度が異なる2人の止血不全患者(これらの2症例ではDIC)を示す(カルシウム単独では任意の実質的なフィブリン重合を生じさせることはできない)。
【0057】
沈降物形成は、凝固剤を使用する場合には、止血不全患者において検出することができるが、使用する試薬は、フィブリン重合を生じることなく沈降物を形成することができるために有用である。図23からわかるように、APTT試薬などの凝固試薬と共に使用する場合(パネルB)と比較したとき、塩化カルシウムなどの試薬を単独で使用する場合には、傾きはより顕著で、より容易に検出可能である。図24からわかるように、血餅阻害剤を添加した場合には(この場合では、ヘパリン)、傾き 1を含む全てのパラメータは良好な結果を示し、最良の感度を示した。上記の理由により、フィブリン重合を生じることはなく、沈降物を形成することができる試薬および/または血餅阻害剤が好ましい。
【0058】
図25からわかるように、56人のITU患者のCRPレベルを18秒経過時の透過率に対してプロットした。破線は、18秒経過時の異常な透過率のカットオフである。図26は、18秒経過時のCRPおよび透過率の低下を示すさらに多くの試料を示す(10000−TR18)。これらの図は、沈降物形成により透過率レベルが異常な患者は全員CRPレベルが高いことを示す。しかし、CRPレベルが高い患者全員が異常な透過率レベルを示すわけではないので、CRPよりほかのものが沈降物に関与していることを示している。
【0059】
本発明のさらに別の態様において、CRPを含むタンパク質の複合体を含む沈降物の形成は、ラテックス凝集アッセイを使用することによって検出および/または定量される。この方法では、抗体は300kDaのタンパク質またはCRPに対して形成される。モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体が使用されても、それらは好適なラテックスに結合して、患者の試験試料または好ましくは既知の方法により患者の血漿の残りから分離された沈降物そのものと反応する。ラテックスの凝集量は、試料中のCRP複合体の量と比例する。
【0060】
または、タンパク質の複合体の存在および/または量が測定される既知の方法(サンドイッチ、競合または他のELISA)により、ELISAなどのイムノアッセイを実施することができる。例えば、固相に結合した抗体はCRPタンパク質複合体中のCRPに結合する。次いで、CRPタンパク質複合体中のCRPに結合し、それによってタンパク質の複合体を検出する第2の標識抗体を添加する。または、第2の標識抗体は複合体中の300kDaのタンパク質に特異的であってもよい。または、異なるアッセイでは、固相に結合した抗体は複合体中の300kDaのタンパク質に結合することができ、第2の(標識)抗体は300kDaのタンパク質またはCRPに結合する。このようなイムノアッセイは、同様に、SAAに特異性であるように適合させてもよい。上記の技法は当業者に既知であり、引用することにより本明細書の一部をなすものとするAntibodies, A Laboratory Manual, Harlow, Ed and Lane, David, Cold Spring Harbor Laboratory,1988に概略が示されている。
【0061】
さらに検討を行った後、「300kDa」のタンパク質は実際には、分子量500〜550kDaのVLDL(超低密度リポタンパク質)のアポ(B)−100化合物であると判定された。CRL−LDL(CRPと低密度リポタンパク質との複合体)、CRP−IDL(CRPと中間密度リポタンパク質との複合体)、CRP−カイロミクロン、CRP−HDL(CRPと高密度リポタンパク質との複合体)およびSAA−VLDL(血清アミロイドAとVLDLとの複合体)を含む別のリポタンパク質複合体が沈降物中に同様に存在してもよい。
【0062】
複合体の成分を特徴づけるために、沈降物をクエン酸塩に分散させ、陰イオン交換クロマトグラフィーを実施した(図34参照)。この手法により2つの大きなピークが得られ(以降「ピーク1」および「ピーク3」と呼ぶ)、最初のものは濁りが強かった。濁度は見て明らかで、320nmにおける吸光度測定によって定量した。分画を活性について試験した(再カルシウム化の結果、正常血漿に濁り形成)。ピーク3だけが、正常な血漿に添加したとき濁りを示した。
【0063】
沈降した物質をさらに特徴づけるために、脂質およびタンパク質分析を実施した。また、陰イオン交換クロマトグラフィーにより得られた分画に、SDS−PAGE、イムノブロット法およびアミノ酸配列分析を実施した。単離した物質は、超低密度リポタンパク質(VLDLおよびIDL)に典型的な割合のタンパク質、リン脂質、コレステロールおよびトリグリセリドを含むことが示された。表8参照。陰イオン交換およびSDS−PAGEによる分画は、沈降物は、見掛けの分子量が500kDa、22kDaおよび10kDaのクーマジーブルー染色するタンパク質バンドを含有することを示した。22kDaのタンパク質はアミノ末端配列QTDMS KAFV(配列番号:1)を生じ、タンパク質をC−反応性タンパク質であると同定した。10kDaのタンパク質は、配列決定装置の各サイクルにおいて2つの残基を示した。それらは、アミノ酸18および19から始まる血清アミロイドAから開始した。おそらく小さい分子量のために500kDaの種は、配列を生じなかった。しかし、このバンドの高い分子量は、VLDLの主要なタンパク質成分であるアポリポタンパク質Bに一致した。
【0064】
【表8】
Figure 0005051960
【0065】
分画後、高分子量バンドおよびSAAはピーク1に得られ、CRPはピーク3に得られた(図34参照)。ピーク2aおよび2bは図18では見られたが、図34では見られなかった。その理由は、図18のアッセイでは、試料中のタンパク質およびリポタンパク質の量がカラムのキャパシティを超えたからであった。図34のアッセイのように、カラムに過剰に適用されなければ、ピーク2aおよび2bは出現しない。沈降物およびピーク1および3の物質は、アポ(B)−100、CRPおよびSAAについてイムノブロットすることによって評価した。結果は、500kDaの物質をアポ(B)−100と同定することに一致し、22kDaの物質をCRPおよび10kDaの物質をSAAと同定することに一致した。
【0066】
沈降物形成にはどの成分が必要であるかを判定するために、出発物質、ピークおよび3の物質、それらの混合物を血漿が存在しない場合に再カルシウム化した。結果は、再カルシウム化したとき、出発物質は沈降物を形成したが、単離したピーク1またはピーク3の成分は沈降物を形成しないことを示した。しかし、ピーク1および3の混合物は沈降物を形成した。従って、VLDLおよびCRPは沈降物を形成するのに少なくとも必要とされると結論づけることができる。少なくとも10の異なる陽性血漿を用いてこの手法を反復したが、結果は同じであった。しかし、場合によっては、SAAは単離されたピーク中に回収されなかった。それにもかかわらず、SAAが存在しない場合でも、VLDLおよびCRPで沈降物が形成された。従って、SAAは沈降物/複合体には含まれることもあるが、その形成には必要ないと結論づけられる。
【0067】
再構成実験は、上記の複合体が形成する能力を証明するために実施した。図27からわかるように、種々の濃度(100/200μl:VLDL/CRPおよび50/20μlVLDL/CRP)のVLDLおよびピーク3(ピーク3=CRP、図18参照)は、VLDL単独と比較して、濁りによる吸光度の増加を示す。同様に、図28および29からわかるように、IDLとCRP並びにLDLとCRP(および、図30からわかるように、わずかな程度であるが、HDLとCRP)も、組み合わせると濁度が増加する。また、表9からさらにわかるように、精製されたCRPが存在する場合には、リポタンパク質によりカルシウム依存的濁度活性が異なる。
【0068】
【表9】
Figure 0005051960
【0069】
興味深いことに、上記複合体により(血餅形成が存在しない場合でも)、特徴的な傾きを示す患者の血漿に、カルシウムなどの二価金属の陽イオンを添加するとき生ずる濁度は、患者の血漿中のCRPのレベルに関連しないことが見出された。従って、本発明はCRPレベル自体を検出することに関するのではなく、CRPとリポタンパク質(特に、VLDL)の複合体を検出することに関する。本発明では、クエン酸血漿(citrated plasma)に二価金属の陽イオンを添加することによる)半ビボにおける複合体の形成はインビボにおける複合体の存在に相当し、これはおそらく、その患者が形成された複合体を除去することができないことを示していると考えられる。肝臓で血漿からVLDLおよびIDLが除去されるのは、表面アポEによって指示される。従って、血漿から複合体を除去することができない場合には、それはアポEの突然変異、断片化もしくは欠損またはリポタンパク質の酸化、突然変異もしくは断片化(例えば、β−VLDL、酸化LDL、Lp(a)と呼ばれる異常なLDLまたは異常な形態のVLDL、LDLもしくはIDL)による可能性がある。IDL、LDL、Lp(a)およびVLDLは全てアポ(B)−100を含有し、異常である場合には、血漿からの複合体の不適切な除去に何らかの作用をする可能性がある。当然のことであるが、突然変異、断片化またはそれ以外の異常な形態のCRPも血漿からの複合体の不適切な除去に何らかの作用をする可能性があり、血餅波形の傾きが特徴的となる。表10からわかるように、複合体形成による吸光度の変化は、患者の試料のCRP量に関連がない。CRPのレベルは、一般に、複合体形成に限定していない。実際、患者は高レベルのCRPを含有することがあるが、血漿は本明細書に上記する波形の傾きを示さないことが見出された。しかし、追加のVLDLを添加すると、(当然のことであるが、カルシウムなどのある種の二価金属の陽イオンが存在する場合には)、そのような試料は濁度の変化を受ける。
【0070】
【表10】
Figure 0005051960
【0071】
沈降物形成の検出は、臨床結果、特に患者の死亡に関連することも見出されている。集中治療室への529例の収容者のうち、178例の死亡が見られた(34%のベースラインの死亡確率)。患者は18秒経過時の透過率の読み値が96%であるか、または傾きが−0.00075以下であったとき、正の死亡予測値は50%に増加した。18秒経過時の透過率の読み値が65%未満(−0.00432以下の傾き)であったとき、この予測効果は77%に増加した。レシーバ オペレータ特徴分析(receiver operator characteristics analysis)を使用して、感度を損なうことなく予測を最大にする最適レベルは、18秒経過時の透過率のカットオフ値が90%(または、−0.00132以下の傾きカットオフ値)であった。このカットオフ値での死亡の予測値は75%であることがわかった。追加のデータを表11に示す。表11において、10人以上の患者集団について、一般に、負の傾きの値または透過率が低下すると、正の予測値は増加する。従って、傾きまたは透過率減少の存在が将来の臨床結果(例えば、死亡の可能性)の予測因子となるだけでなく、沈降物の形成が大きくなると(透過率の減少または傾きの増加が大きくなると)、切迫している死亡の予測因子が大きくなる。図31は、感度対特異性のROCプロットを示す。
【0072】
【表11】
Figure 0005051960
【0073】
集中治療室に収容された患者のうち25%は、臨床経過中、18秒経過時の透過率が90%以下(傾きは−0.00132以下)であることをデータは示唆している。従って、複合体形成の検出は、患者が死亡する可能性あるということ(および、これらの群では、傾きまたは透過率の急激な低下を有することに基づいて、他の患者より死亡の可能性が高いこと、および切迫している死亡(の可能性)を阻止することを期待して積極的な治療を行うことができる可能性が高いことを予測する際の有用なツールとなりうる。傾きのモニタリングも治療の効果をモニタリングする一方法である。
【0074】
従って、本発明の一実施態様において、患者(例えば、集中治療状況にある)の系の不全または死亡の可能性は、急性期タンパク質およびリポタンパク質を含む沈降物を形成させるために、血液試料の少なくとも1成分を含む患者の試験試料に一以上の試薬を添加することによって判定される。次いで、沈降物の形成を測定し、次に沈降物の形成を患者の系の不全または死亡の可能性と関連させる。患者の治療の有効性をモニターするために、この方法を複数回実施することができる(例えば、毎日、毎週等)。この方法単独または他の医学的指標との併用による予測値は、明らかに、試験を実施しない予測値より良好である。本発明の方法はまた、光透過率および/または吸光度を使用した自動分析装置を用いるなどの、沈降物の形成を経時的に測定することを含む。また、経時的に(または、最終エンドポイントとして)検出される沈降物の量を死亡の確率に相関させることができる(沈降物の形成が大きいと、系の不全または死亡の可能性が大きくなり、逆のこともいえる)。また、この実施態様における沈降物の形成は、フィブリン重合が存在しない場合でも形成することができる。
【0075】
図32はDIC患者から単離されたカルシウム沈降物のウェスタンブロットであり、図33はSDS−PAGEゲルである。図32は、移されて、アポB(VLDL、IDLおよびLDLに存在)に対するモノクローナル抗体で探索した2.5〜5%SDS−PAGEゲルのウェスタンブロットである。図32のレーン1は正常なヒト血漿であり、レーン2〜5はDIC患者の血漿であるが、レーン6〜9は、それぞれ、レーン2〜5で検討した患者から単離したDIC患者の血漿のカルシウム沈降物である。図33は、還元(レーン1〜4)および非還元(レーン5〜8)条件下において電気泳動した4人のDIC患者のカルシウム沈降物の5〜15%SDS−PAGEである。患者#1(レーン1、5)、患者#2(レーン2、6)、患者#3(レーン3、7)および患者#4(レーン4、8)の約5マイクログラムのタンパク質を適用した。電気泳動後、ゲルをクーマジーブルーで染色し、脱色後、乾燥した。CRPおよびSAAはイムノブロット法で同定し、アポBはN−末端配列決定およびイムノブロット法で同定した。
【0076】
複合体形成は、ホスホリルコリンもしくは種々の脂肪酸側鎖を有するホスホリルコリン(例えば、ホスファチジルコリン(phosphotidylcholine)またはホスホリルコリン、ホスホリルエタノールアミンもしくは種々の脂肪酸側鎖を有するホスホリルエタノールアミン(phosphylethanolamine)(例えば、ホスファチジルエタノールアミン(phosphotidylethanolamine)を含有する小胞またはホスホリルエタノールアミンを含有する小胞、またはEACA等によって阻害することができることも見出された。CRPはPCに直接結合すること、およびPCはリポタンパク質がCRPに結合するのに競合することが知られている。ホスファチジルコリン(phosphotidylcholine)は、複合体の主要なリン脂質成分であることが見出された。PE、アポ(A)およびスフィンゴミエリンは少量の成分であることが見出された。アポ(B)は直接CRPに結合することができるが、アポ(B)はリポタンパク質に結合しない「遊離の」形態では血漿中に存在しないので、これはインビボでは生じる可能性がない(従って、複合体形成に寄与する可能性がない)ことも見出された。
【0077】
従って、本発明のよりさらに別の態様では、リポタンパク質に結合した急性期タンパク質を含む沈降物を形成するために、一以上の試薬(凝固を生じても、生じなくてもよい)を患者の試験試料に添加するステップを含む方法が提供される。次いで、リポタンパク質への急性期タンパク質の結合を(経時的またはエンドポイントとして)測定する。複合体誘発試薬を添加する前または後に、リポタンパク質への急性期タンパク質の結合を少なくとも一部阻害する阻害試薬を添加する。次いで、阻害の程度を求める(例えば、複合体が形成されるかどうか、または形成される複合体の量に基づいて)。リポタンパク質の全てまたは実質的に全てが急性期タンパク質に結合した後で阻害試薬を添加しても、または複合体誘発試薬(例えば、カルシウムなどの金属の二価陽イオン)を添加する前に阻害試薬を添加してもよい。複合体阻害物質の種類は、上記のものであっても、またはアポBもしくはアポE、またはEDTA、クエン酸ナトリウム、または複合体形成に関与するエピトープに対する抗体などのCRPに結合するアポ−リポタンパク質であってもよい。複合体阻害試薬は、好ましくは、カイロミクロンもしくはカイロミクロン残遺物、またはLDL、VLDLもしくはIDLに結合したCRPを阻害しなければならない。2つ以上の濃度の複合体形成試薬および/または複合体阻害試薬を添加する方法を実施することができる。この実施態様は、複合体の量を定量する、および/または複合体の特異性を確立するために使用することができる。臨床結果の不良と複合体形成の関連性により、一実施態様において、インビボにおいて複合体の量を低下するために、複合体阻害試薬を治療薬として使用することができる。
【0078】
根本的な発明は複合体を検出し、それによって、死亡を予測することに関するが、本発明はまた、CRPに結合する総リポタンパク質を検出すること(および、それによって試料中のある種のリポタンパク質の総量を測定すること)にも関する。さらに詳細には、(CRPなどの)急性期タンパク質を、二価金属の陽イオンなどの沈降物誘発物質またはpHを少なくとも7未満に低下する試薬と共に試験試料に添加する。外因性の急性期タンパク質は、試験試料中のリポタンパク質VLDLの実質的に全て並びにLDLの大半に確実に複合体/沈降物を形成させる。複合体形成は、CRPとLDLおよびHDL間と比較したとき、CRPとVLDLおよびIDL間でははるかに大きいので(図42参照)、この実施態様では、外因性CRPを添加することによって形成される複合体を総VLDLおよび/またはVLDL+IDLレベルに関連させることができる。追加のCRPを添加する場合、CRPは単離もしくは精製CRPまたは組み換えCRPであってもよい。
【0079】
本発明は、試験試料に外因性脂質が添加されない場合でも、または患者に外因性脂質(例えば、Intralipidなどの脂質の静脈内注射)が添加されない場合でも、複合体形成を検出するのに有用であることが理解されるべきである。むしろ、本発明は、CRPなどの患者自身の急性期タンパク質と複合体形成したVLDLなどの患者自身のリポタンパク質を検出するのに望ましい。(外因性脂質を添加することにより、複合体を人工的に形成させるのではなく)、この「天然の」リポタンパク質と急性期タンパク質との複合体を測定することによって、本発明の試験は臨床結果の有用な予測因子となりうる。
【0080】
本発明のさらに別の実施態様では、血餅プロフィールの傾きおよび/または濁度の全体的な変化(例えば、光透過率または吸光度によって測定)を患者の状態を診断するために使用することができる。さらに特には、一以上の試薬を患者の試験試料に添加する。試験試料は、患者の血液の少なくとも1成分を含むべきである(例えば、血漿または血清を使用してもよい)。試薬は、インビトロにおいて、少なくとも一つの急性期タンパク質および少なくとも一つのリポタンパク質を含む複合体を形成することができるが、フィブリン重合を実質的に全く生じない。時間依存性測定プロフィールを誘導するために、複合体の形成を経時的に測定する。次いで、傾きおよび/または濁度の全体的な変化(「Δ」)を使用して、患者の状態を診断する(例えば、患者の死亡の可能性を予測する)。
【0081】
本発明のよりさらに別の実施態様において、治療薬(もしくは「試験化合物」)または治療剤を試験する方法は、血液に複合体が形成されている被験者または被験動物を提供するステップと、血液が複合体形成の徴候を示す被験者または被験動物に治療薬を投与するステップとを含む。次いで、治療薬を被験者に投与するか、またはインビトロにおいて試験試料に添加し、次に複合体形成が増加、低下もしくは完全に抑制されたかどうかを判定する。治療薬が患者に投与される場合には、治療薬は経時的に投与され、複合体の形成(または複合体が形成されないこと)が同様に経時的にモニターされることが好ましい。
【0082】
上記の目的のためには、「試験化合物」および「治療薬」という用語は、有機化合物、薬物または製薬学的に活性な物質、特に(特定の被験者の疾患を治療するために使用される承認済みの治療剤ではなく)被験者または被験動物(好ましくは、イヌ、ネコまたはラットなどの哺乳類)での臨床試験において有効性を確認するために試験されているものをいう。治療薬は、一般に、抗生物質、抗−炎症剤、抗凝固剤、プロコアギュラント(pro−coagulant)剤等であってもよい。臨床試験または薬物試験用の用途以外に、本発明の方法はまた、特定の患者における治療剤の有効性をモニターするために上記したものなどの承認済みの治療剤と併用して使用することもできる。従って、特定の治療薬が特定の患者に無効であることが早期に発見されている場合には、その患者により有効であることを証明することができる異なる治療薬に患者を移行させる機会が提供される。
【0083】
表12は、15人の患者のCRP、VLDL、傾き 1および濁度の変化を示す。
【0084】
【表12】
Figure 0005051960
【0085】
図37から55は、本発明の特徴をさらに例示する。
【0086】
本明細書に記載および例示されている本発明は、本発明の好ましい例と考えられるべきであり、本発明の精神または請求の範囲から逸脱することなく、本発明の方法の種々の変更を加えることができることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1Aおよび1B】 APTTアッセイの透過率の波形を例示し、(A)は正常を示し、(B)は二相性を示す。血液凝固時間を矢印で示す。
【図2】 二相性波形異常が認められる54人の患者において診断に関係する25秒経過時の透過率レベルを例示する。水平の破線は正常な透過率レベルを示す。
【図3】 敗血症後にDICを発症し、回復した患者の連続透過率レベル(A)と、1日目(B)、4日目(C)および6日目(D)の波形を例示する。
【図4】 外傷後DICを発症し、死亡した患者の連続透過率レベル(A)と、2日目(B)、5日目(C)および10日目(D)の波形を例示する。
【図5】 25秒経過時のDIC透過率を予測するROCプロット(TR25)、APTT血液凝固時間および傾き 1(血餅形成開始までの傾き)を例示する。
【図6】 TR25のDIC、正常および異常/非DIC集団のヒストグラムを示す。
【図7】 傾き 1のDIC、正常および異常/非DIC集団のヒストグラムを示す。
【図8】 傾き 11のグループ別分布を示す。
【図9】 図8に示すデータの部分的亜集団を示す。
【図10】 TR25のグループ別分布を示す。
【図11】 図10に示すデータの部分的亜集団を示す。
【図12】 Platelin(商標)を使用したAPTTアッセイの光透過率プロフィールである。
【図13】 Recombiplast(商標)を使用したPTアッセイの光透過プロフィールである。
【図14】 Thromborel S(商標)を使用したPTアッセイの光透過プロフィールである。
【図15】 CRPのELISAの標準曲線である。
【図16】 Ca2+およびPPACKを添加した結果生ずる試料の濁度の時間経過を、右に示す種々の割合で混合した正常および患者の血漿試料と比較して示すグラフである。HBS/1 mMクエン酸塩は希釈剤である。
【図17】 試料中の最大濁度変化と患者の血漿量との関係を示すグラフである。
【図18】 患者の血漿の分画後に回収された物質の陰イオン交換クロマトグラフィーの結果である。関心のあるピークを示す。
【図19】 患者血漿の種々の分画の非還元(A)および還元(B)SDS−PAGEを示す。
【図20】 正常(AおよびB)およびDIC血漿(C)のCRPのイムノブロットを示す。(A)および(B)において、レーンに患者の番号をつけてあり、(C)には、添加したCRPのng数をつけてある。
【図21】 血漿が存在しない場合に(一番上の曲線を除く)、Q−セファロースクロマトグラフィーで得られた物質に二価カルシウムを添加する結果得られる濁度の変化を例示する。
【図22】 光透過プロフィールにおいてカルシウム濃度の増加に対する応答を示す。プロフィールは2人の正常者(A、B)および2人のDIC患者(C、D)について示す。
【図23】 塩化カルシウム単独の場合(B)、または塩化カルシウムをAPTT試薬と併用した場合(A)の光透過プロフィールを示す。数は患者のID番号を示す。
【図24】 ヘパリンを用いた検量線である。
【図25】 18秒経過時の透過率に対する56人のITU患者のCRPレベルを示す。
【図26】 18秒経過時のCRPの試料および透過率の低下を示す(1000−TR18)。
【図27】 VLDL単独と比較した、VLDLおよびCRPの組み合わせ(ピーク3)の濁度に対する影響を示す再構成実験を図示する。この実験のVLDLの出発濃度は0.326mg/mLである。
【図28】 IDL単独と比較した、IDLおよびCRPの組み合わせ(ピーク3)の濁度に対する影響を示す再構成実験を図示する。この実験のIDLの出発濃度は0.06797mg/mLである。
【図29】 LDL単独およびCRP(ピーク3)単独と比較した、LDLおよびCRPの組み合わせの濁度に対する影響を示す再構成実験を図示する。この実験のLDLの出発濃度は0.354mg/mLである。
【図30】 HDL単独と比較した、HDLおよびCRPの組み合わせ(ピーク3)の濁度に対する影響を示す再構成実験を図示する。この実験のIDLの出発濃度は1.564mg/mLである
【図31】 感度対特異性のROCプロットである。
【図32】 アポ(B)−100のイムノブロットである。レーン1は正常なヒト血漿から単離したタンパク質である。レーン2〜5はDIC患者の血漿から単離したタンパク質試料であり、レーン6〜9はレーン2〜5と同じDIC患者のタンパク質試料のカルシウム沈降物である。モノクローナル抗体アポ(B)−100抗体は5000倍希釈で使用した。タンパク質はECL試薬で可視化した。
【図33】 還元条件下(レーン1〜4)または非還元条件下(5〜8)において電気泳動した4人のDIC患者のカルシウム沈降物のSDS−PAGEゲルである。患者#1(レーン1および5)、患者#2(レーン2および6)、患者#3(レーン3および7)および患者#5(レーン4および8)の約5μgのタンパク質を適用した。電気泳動後、ゲルをクーマジーブルーで染色し、脱色し、乾燥した。
【図34】 洗浄したカルシウム沈降物のQ−セファロスカラムから回収したピーク1および3の例示である。
【図35】 正常な血漿から単離したリポタンパク質に過剰のCRPおよびCa++を添加することによる濁度の変化を図示するグラフである。
【図36】 CRPとVLDLの相互作用の定量化を図示するグラフである。組み換えCRPと正常なVLDLを緩衝液中で種々の濃度で混合し、Ca2+添加後の最大濁度変化を記録した。VLDL濃度(コレステロールとして測定)は、0.030mM(四角)、0.065mM(三角)、0.10mM(ひし形)および0.15mM(円)であった。線は回帰線である。
【図37】 CRPとVLDLの相互作用の定量化を示すグラフである。組み換えCRPおよび正常なVLDLをリポタンパク質欠損血漿中で種々の濃度で混合し、Ca++添加後の最大濁度変化を記録した。VLDL濃度(コレステロールとして測定)は、0.030mM(四角)、0.065mM(三角)、0.10mM(ひし形)および0.15mM(円)であった。線は回帰線である。
【図38】 VLDL/CRP複合体の形成のカルシウム濃度依存性を図示するグラフである。複合体形成は5.0mMカルシウムでは最大値の半分である。
【図39】 緩衝液およびリポタンパク質が欠損した血漿中に過剰量のCRPが存在する場合の、種々の濃度のVLDLによる濁度の変化を図示するグラフである。
【図40】 EACAによるVLDL/CRP複合体形成の阻害を示す図である。EACAによる阻害のIC50は2.1mMである。
【図41】 濁度変化対種々のCRP濃度を図示するグラフである。
【図42】 VLDLとの複合体中のCRP濃度と患者の血漿試料の再カルシウム化による濁度の変化との関連を示すグラフである。15人の患者の血漿中のCRPおよびVLDL(コレステロール)の総濃度を測定する。正常なVLDLおよび組み換えCRPを補給した、リポタンパク質が欠損した正常血漿中で測定した複合体形成のパラメータを使用して、複合体中にCRPレベルを算出した。405nm(濁度)の吸光度変化を、試料にCaCl2およびトロンビン阻害剤PPACKを添加してから20分後に測定した。
【図43】 患者の血漿の再カルシウム化の結果生ずるVLDLレベルおよび濁度変化と種々のVLDL濃度との相関を図示するグラフである。
【図44】 正常、二相性および二相性/トロンビン阻害剤試料のMDA波形を図示するグラフである。
【図45】 陰イオン交換クロマトグラフィー前後に単離された沈降物の非還元クロマトグラフィーSDS−PAGEゲルである。レーン1〜3は出発物質、ピーク1およびピーク3をそれぞれ適用した。
【図46】 イムノブロットし、抗−アポ(B)(A)、抗−CRP(B)または抗−SAA(C)抗体で探索した非還元SDS−PAGEゲルである。ブロットは、陰イオン交換クロマトグラフィー前後に単離された沈降物の分析を示す。レーン1〜3は出発物質、ピーク1およびピーク3をそれぞれ適用した。
【図47】 陰イオン交換クロマトグラフィーから単離したピーク1およびピーク3の混合物による濁度の変化を図示するグラフである。
【図48】 正常な血漿および二相性波形の患者の血漿の混合物にCa++を添加した後の濁度の変化の時間経過を示すグラフである。右の値は総量50μLの患者の血漿の容量である。
【図49】 添加した種々の量の患者の血漿による濁度の変化の標準曲線アッセイを図示するグラフである。
【図50】 VLDLおよびCRPによるCa++−依存的濁度の変化に対するEACAの影響を図示するグラフである。
【配列表】
Figure 0005051960

Claims (22)

  1. 患者の系の不全および/または死亡の可能性の増加を予測する方法であって、
    a)血液試料から血漿または血清を得るステップと、
    b)少なくとも一つのリポタンパク質と少なくとも一つの急性期タンパク質とを含むタンパク質複合体の形成を生じさせる試薬を添加するステップと、
    c)前記血漿または血清のパラメータの一以上の測定値を採用し、複合体形成が存在する場合には、測定したパラメータを該複合体形成に関連させるステップと、
    d)形成された前記複合体の存在から、播種性血管内凝固(DIC)の存在を決定するステップと、
    e)前記患者の系の不全および/または死亡の可能性の増加にDICの存在を関連させるステップと
    を含み、
    (i)前記ステップ(b)において添加される試薬が、二価金属イオンを含み、
    (ii)前記ステップ(c)における前記測定値が、前記試料を透過する光透過率または吸光度の測定値であり、前記透過は、フィブリン重合に影響されず、
    (iii)前記測定が、凝固試薬の非存在下で行われ、
    (iv)前記少なくとも一つのリポタンパク質が、VLDL、IDLおよび/またはLDLを含み、前記少なくとも一つの急性期タンパク質がSAAおよび/またはCRPを含む、
    方法。
  2. 時間依存性測定プロフィールを誘導するために、前記試薬を添加した後に複数の測定を行う、請求項1に記載の方法。
  3. 前記測定値を採用する前に、一つの試薬が使用される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記金属イオンが、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄もしくはバリウムの一以上、または遷移元素の金属の一以上を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記試薬の一部として血餅阻害剤が提供されるか、前記試料に添加される追加の試薬の一部として血餅阻害剤が提供される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記血餅阻害剤が、ヒルジン、ヘパリン、PPACK、I2581または抗トロンビンの一以上を含む、請求項5に記載の方法。
  7. フィブリン重合が存在しないために、前記一以上の測定値が血餅形成に影響されない、請求項1に記載の方法。
  8. 前記一以上の測定値が複数の光透過率または吸光度の測定値であり、前記複数の測定値の変化率または全体的な変化が決定され、決定された全体的な変化および/または変化率に基づいてDICが測定される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記複合体の大部分がVLDLに結合したCRPを含む、請求項8に記載の方法。
  10. DICの寛解または進行を決定するために、ステップa)からe)が、後に少なくとももう1回実施される、請求項1に記載の方法。
  11. i)前記急性期タンパク質とリポタンパク質との複合体の形成により生ずる沈降物を測定するステップと、
    ii)タンパク複合体の形成を生じさせる前記試薬を添加する前または後に、前記複合体の形成を少なくとも部分的に阻害する阻害試薬を添加するステップと、
    iii)前記阻害試薬の阻害の程度を決定するステップと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記複合体を形成するように、全てのリポタンパク質または実質的に全てのリポタンパク質が急性期タンパク質と結合した後で、前記阻害試薬が添加される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記複合体形成試薬を添加する前に、前記阻害試薬が添加される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記阻害試薬が、CRPに結合することができるアポリポタンパク質、ホスホリルコリン、EDTA、クエン酸ナトリウム、またはリポタンパク質−急性期タンパク質結合部位に結合することができる抗体の一以上を含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記阻害試薬が、LDL、VLDLおよび/またはIDLと、CRPとの結合を阻害することができる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記阻害の程度の決定が、時間依存性測定プロフィールを誘導するために、経時的に実施される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記タンパク質複合体の形成を測定するステップと、前記一以上のリポタンパク質の濃度に複前記合体の形成を関連させるステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
  18. 前記試薬が二価の金属陽イオンおよび急性期タンパク質を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記急性期タンパク質がCRPである、請求項18に記載の方法。
  20. 第1の時間依存性測定プロフィールと第2の時間依存性測定プロフィールとをそれぞれ提供するために、前記複合体の形成と、追加の複合体の形成とが経時的に測定される、請求項18に記載の方法。
  21. 前記測定した複合体と前記測定した追加の複合体とを一体として、前記試験試料の急性期タンパク質の総量に関連させる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記急性期タンパク質がC反応性タンパク質である、請求項20に記載の方法。
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