JP3774058B2 - セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ、HCセンサあるいはNOxセンサ等のセンサ基板やICパッケージ等に使用されるセラミック基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなセラミック基板は、板面方向に延びる配線部が厚さ方向中間部に内蔵されたセラミック製の基板本体に対し、その側縁に形成された端子取出面においてPt線等により線状に形成された金属端子部の基端部が、配線部の末端と電気的に接続された形態で埋設された構造を有している。このようなセラミック基板は、一般には次のような方法で製造されている。まず、セラミックグリーンシート(以下、端にグリーンシートという)の一方の板面に、配線部となる導電性ペースト層を、その末端部が端子取出面に対応する側縁に対応して位置するように形成する。次いでそのグリーンシートに対し、導電性ペースト層の末端部に金属端子部の基端部が重なるように位置決め配置する。そして、さらにその上から別のグリーンシートを重ねて積層体を作り、その積層体を焼成することにより、上記グリーンシートと導電性ペースト層とはそれぞれ焼結されて基板本体及び配線部となり、これに金属端子部が一体化されたセラミック基板が完成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記製造工程においては従来より、金属端子部をグリーンシート上の導電性ペースト層の末端部に位置決め配置するために、次のような方法が採用されている。まず、溝部を形成した板状のセッターをセラミック基板の端子取出側の縁に対し、溝部が導電性ペースト層の末端部に対応して位置するように隣接配置する。そして、その状態で金属端子部の先端側を溝部内に載せることにより、該金属端子部の基端側は導電性ペースト層の末端部に重ね合わされる形で位置決めされる。
【0004】
ところが上記方法では、セッターの溝部内に載置した金属端子部が、セッターが傾斜したり、あるいは衝撃が加わったりすると位置ずれを起こし、導電性ペースト層から外れて接合不良を生じやすい問題がある。また、このような問題を回避するためには、金属端子部の位置決め配置ないしその後のグリーンシートの積層工程を極めて慎重に行わなければならず、熟練を要する上、作業時間も長くかかり能率が悪い欠点がある。
【0005】
本発明の課題は、金属端子部の位置決め配置を正確かつ能率良く行うことができ、位置ずれ等の問題も生じにくいセラミック基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明は、板面方向に延びる配線部が厚さ方向中間部に内蔵されたセラミック製の基板本体に対し、その側縁に形成された端子取出面において線状の金属端子部の基端部が、配線部の末端と電気的に接続された形態で埋設されたセラミック基板の製造方法に関し、下記の工程を含むことを特徴とする。
▲1▼導電性ペースト層形成工程:板状をなすセラミック成形体の一方の板面に、配線部となるべき線状ないし帯状の導電性ペースト層を、その末端部が端子取出面に対応する側縁に対応して位置するように形成する。
▲2▼金属端子部貼着工程:基材表面に形成された端子部保持面を粘着層で覆った端子部保持体に対し、その端子部保持面の側縁から基端部が突出する形態で金属端子部の先端側を粘着層において貼着・保持させる。
▲3▼金属端子部位置決め工程:その貼着・保持された金属端子部の基端部が導電性ペースト層の末端部と重なり合うように、端子部保持体をセラミック成形体に対して位置決め配置する。
▲4▼積層工程:セラミック成形体の板面に対し別の板状のセラミック成形体を積層し、金属端子部の基端部を両セラミック成形体の間で挟み付けて積層成形体を形成する。
▲5▼端子部保持体除去工程:上記積層成形体側に金属端子部を残しつつ、該積層成形体から端子部保持体を除去する。
▲6▼焼成工程:その端子部保持体を除去後の積層成形体を焼成する。
なお、本発明においてセラミック成形体は、セラミックグリーンシートなど、セラミック原料粉末の未焼成の成形体を意味する。
【0007】
上記本発明の方法によれば、端子部保持体に形成した粘着層に金属端子部を貼着・保持させた状態で、セラミック成形体に形成された導電性ペーストパターンに対し、該端子部保持体とともに金属端子部の基端部を位置決め配置するようにしたので、金属端子部が粘着層の粘着力により位置ずれを起こしにくい。その結果、得られる配線部と金属端子部との接合不良を生じにくくなり、また作業にもそれほど深い熟練が要求されなくなるので、作業時間も短く能率が向上する。
【0008】
端子部保持体は、板状の基材の一方の板面に対しその幅方向における一方の縁側に所定幅で端子部保持面が形成され、その端子部保持面に貼着された両面粘着シートが粘着層を形成するものとして構成できる。この場合、金属端子部は端子部保持体に対し、端子部保持面の一方の縁から基端部をほぼ直角に延出させる形態で、その先端部が粘着層により貼着・保持されるとともに、金属端子部位置決め工程において端子部保持体はセラミック成形体に対し、該セラミック成形体の側縁と端子部保持面の一方の縁とがほぼ平行となるように板面方向に隣接して配置することができる。この方法では、端子部保持体の基材の縁部とセラミック成形体の側縁とを位置決めの基準として利用することができ、金属端子部のセラミック成形体への位置決め配置作業がより行いやすくなり、位置決めの精度も高い。
【0009】
この場合、端子部保持体に貼着・保持された金属端子部の基端部が導電性ペースト層の末端部と重なり合い、かつセラミック成形体の厚さ方向において基材が該セラミック成形体と同じ側に位置するように、端子部保持体をセラミック成形体に対して位置決め配置することができる。また、端子部保持体の基材がセラミック成形体とほぼ同じ厚さになるようにしておけば、端子部保持体に保持された金属端子部のセラミック成形体に対する位置決めをさらに行いやすくなる。ここで、セラミック成形体の厚さをt1として、端子部保持体の基材の厚さ(粘着層の厚さを含む)t2は、t1±0.3mmの範囲で調整することが望ましい。
【0010】
端子部保持体は、基材の一方の板面全体が粘着層で覆われるとともに、板面の幅方向における一方の縁側に所定幅で形成された端子部保持面においてのみ粘着層が露出するように、該粘着層の残余の領域が剥離シートで覆われた構成とすることができる。例えば、一方の貼着面が剥離シートで覆われた両面粘着シートを用いて粘着層を形成する場合、剥離シートを付けた状態で両面粘着シートを基材の一方の板面に貼着し、次いで剥離シートに切れ目を入れて端子部保持面に相当する部分のみ剥離シートを剥がすようにすれば、端子部保持面として必要な領域にのみ粘着層を露出させることができる。この場合、金属端子部貼着工程において金属端子部は端子部保持体に対し、前端縁が剥離シートの側縁と当接する形で端子部保持面において粘着層に貼着・保持されるようにすることができる。すなわち、定寸に切断された金属線材により金属端子部を形成する場合、剥離シートの側縁を基準として、金属端子部の基材側縁からの突出長さを一定にそろえることができ、ひいては金属端子部の導電性ペースト層に対する長さ方向の位置決め精度を高めることができる。
【0011】
金属端子部位置決め工程において、セラミック成形体は成形体位置決め手段により基台上の所定位置に位置決め配置され、端子部保持体は端子部保持体位置決め手段により、セラミック成形体に対し該セラミック成形体の側縁と端子部保持面の一方の縁とがほぼ平行となるように、基台上の所定位置に位置決め配置することができる。また、積層工程において別のセラミック成形体は、成形体位置決め手段により、金属端子部の基端部が両セラミック成形体の間で挟み付けて保持されるように、基台上の所定位置に位置決め配置することができる。これにより、セラミック成形体に対する金属端子部の位置決め精度、さらにはそのセラミック成形体に対する別のセラミック成形体の位置決め精度をさらに向上させることができる。
【0012】
この場合、セラミック成形体は、導電性ペースト層の形成領域を包含する製品部分と、その製品部分の周囲に形成されて該製品部分から後工程において分離することが予定された余白部分とを有し、その余白部分を厚さ方向に貫通する位置決めピン孔を1又は複数形成したものとすることができる。成形体位置決め手段は、基台側に形成されてその位置決めピン孔に挿通される成形体位置決めピンとすることができる。さらに、端子部保持体には、端子部保持面と干渉しない位置において板状の基材を貫通する位置決めピン孔を形成し、端子部保持体位置決め手段は、基台側に形成されてその位置決めピン孔に挿通される端子部保持体位置決めピンとすることができる。位置決めピン孔に位置決めピンを挿通することで、セラミック成形体ないし端子部保持体の基台に対する位置決め配置作業、ひいてはセラミック成形体に対する端子部保持体(すなわち金属端子部)の位置決め配置作業を簡単かつ精度よく行うことができる。
【0013】
位置決めピン孔と位置決めピンとを、例えば円形状断面を有するものとして形成できる。この場合、例えば上記余白部分内の所定方向に位置決めピン孔を所定の間隔で複数形成することで、位置決め精度を高めることができる。他方位置決めピン孔と位置決めピンとを、軸線周りの相対回転が不能な形状、例えば角形状や楕円状に形成すれば、一個の位置決めピン孔とこれに挿通される位置決めピンのみで基台に対するセラミック成形体ないし端子部保持体の位置決め配置を行うことが可能となる。
【0014】
また、セラミック成形体に上記余白部分を形成する場合、その余白部分に、端子取出面に対応する製品部分の側縁を含む形態で厚さ方向に貫通する窓状又は切欠状の端子部保持体収容部を形成し、端子部保持体を、その端子部保持体収容部内において該製品部分に対し位置決め配置することができる。これにより、端子部保持体をセラミック成形体に対しさらに精度よく位置決めすることが可能となる。この場合、セラミック成形体の端子部保持体収容部に対し端子部保持体を収容した状態において、端子部保持体収容部の内縁と端子部保持体の基材の対応する側縁との平均的なクリアランスを0.5mm以下に設定することにより、該端子部保持体収容部の内縁を端子部保持体位置決め手段として機能させることができる。該方法においては、セラミック成形体に形成された位置決めピン孔に基台側の位置決めピンを挿通する位置決め手法を併用してもよいし、位置決めピン孔と位置決めピンとを特に用いない手法としてもよい。
【0015】
次に、端子部保持体には、基材の外縁部を該基材の周縁から板面方向内向きに切り欠くことにより、端子部保持体除去工程において該端子部保持体を積層成形体から除去する操作を行うための指ないし工具を挿入する操作用切欠部を形成することができる。これにより、端子部保持体収容部の内縁と端子部保持体の基材の対応する側縁との平均的なクリアランスが小さい場合でも、端子部保持体の除去作業を容易に行うことができる。
【0016】
また、セラミック成形体には、窓状の端子部保持体収容部を挟んでその両側に製品部分を形成し、該端子部保持体の基材には、端子部保持体収容部内に収容された状態において、それら製品部分に対応する両側縁部に端子部保持面をそれぞれ形成することができる。端子部保持体収容部の両側に形成される製品部分に対し、金属端子部の位置決め配置を1つの端子部保持体により同時に行うことができるので作業効率を高めることができる。
【0017】
次に、本発明のセラミック基板の製造方法においては、少なくとも上記別のセラミック成形体を積層する前の状態において、セラミック成形体の板面には、配線部となるべき導電性ペースト層の末端縁と、端子取出面に対応する側縁との間に、該導電性ペースト層が存在しない所定幅のペースト層非存在領域を形成することができる。
【0018】
これによる効果は以下の通りである。すなわち、上記のようなペースト層非存在領域を確保せずに導電性ペースト層をセラミック成形体に形成した場合に、導電性ペースト層がこれに重ね合わされる上記別のセラミック成形体との間で挟み付けられてつぶれる。その結果、つぶれて拡がった導電性ペーストが、端子取出側となるセラミック成形体の側縁側に垂れ、隣接する導電性ペースト層から垂れたペースト同士が接触して、短絡等のトラブルを招く恐れがある。
【0019】
しかしながら、上記のようなペースト層非存在領域を形成することで、つぶれた導電性ペースト層の拡がり代が確保され、結果として拡がったペーストが成形体の側縁にまで至らず、ペースト垂れひいては短絡等の不具合を防止することができる。また、ペースト層非存在領域がセラミック成形体の側縁に沿って形成されることで、該領域において焼成後の上下の成形体の一体化領域が、導電性ペースト層に基づく配線部により分断されなくなるので、接合強度が向上する効果も得られる。
【0020】
この場合、ペースト垂れ防止等の効果をより顕著に達成するためには、ペースト層非存在領域の幅は0.2mm以上、望ましくは0.5mm以上とするのがよい。また、導電性ペースト層の塗布厚さは5μm以上とするのがよい。導電性ペースト層の塗布厚さが5μm未満になると、これに基づいて形成される配線部に断線や導通不良等の欠陥を生じやすくなる。他方、150μmを超えると、前記ペースト垂れ等の不具合が生じやすくなることがあるので、該厚さは150μm以下とすることが望ましい。
【0021】
セラミック基板は、配線部が基板本体に対し厚さ方向において互いに異なる2位置に内蔵され、金属端子部もそれら各配線部に対応して、それぞれその基端部が端子取出面において基板本体に埋設されたものとして構成できる。これに対応する本発明のセラミック基板の製造方法は、例えば以下のような工程を含むものとすることができる。
▲1▼第一の導電性ペースト層形成工程:板状の第一のセラミック成形体の一方の板面に、第一の配線部となるべき第一の導電性ペースト層を形成する。
▲2▼第一の金属端子部貼着工程:第一の端子部保持体に対し、第一の配線部に接続すべき第一の金属端子部を粘着層において貼着・保持させる。
▲3▼第一の金属端子部位置決め工程:その貼着・保持された第一の金属端子部の基端部が第一の導電性ペースト層の末端部と重なり合い、かつ第一のセラミック成形体の厚さ方向において基材が該第一のセラミック成形体と同じ側に位置するように、第一の端子部保持体を第一のセラミック成形体に対して位置決め配置する。
▲4▼第一の積層工程:第一のセラミック成形体の第一の導電性ペースト層の形成されている側の板面に対し板状の第二のセラミック成形体を積層して、第一の金属端子部の基端部をそれら第一及び第二のセラミック成形体の間で挟み付ける。
▲5▼第二の導電性ペースト層形成工程:第一のセラミック成形体への積層前又は積層後において、第二のセラミック成形体の第一のセラミック成形体への積層面とは反対側の板面に、第二の配線部となるべき第二の導電性ペースト層を形成する。
▲6▼第二の金属端子部貼着工程:第二の端子部保持体に対し、第二の配線部に接続すべき第二の金属端子部を粘着層において貼着・保持させる。
▲7▼第二の金属端子部位置決め工程:その貼着・保持された第二の金属端子部の基端部が第二の導電性ペースト層の末端部と重なり合い、かつ第二のセラミック成形体の厚さ方向において基材が該第二のセラミック成形体と反対側に位置するように、第二の端子部保持体を第二のセラミック成形体に対して位置決め配置する。
▲8▼第二の積層工程:第二のセラミック成形体の第二の導電性ペースト層の形成されている側の板面に対し板状の第三のセラミック成形体を積層して、第二の金属端子部の基端部をそれら第二及び第三のセラミック成形体の間で挟み付ける。
▲9▼端子部保持体除去工程:第一〜第三のセラミック成形体が積層された積層成形体から第一及び第二の端子部保持体を除去する。
【0022】
この場合、第二の金属端子部位置決め工程において、第二の端子部保持体を第二のセラミック成形体に対して位置決め配置するのに先だって、第一及び第二の端子部保持体の各粘着層同士が相互貼着し合うことを阻止するために、それら粘着層の少なくとも一方の表面を、これに貼着・保持された金属端子部の上側から剥離シートにより被覆する貼着阻止被覆工程を実施することができる。これにより、第一及び第二の端子部保持体の各粘着層同士の相互貼着が阻止され、これら端子部保持体の除去時に金属端子部に曲がりや折損を生じたりすることを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
図29は、本発明のセラミック基板の製造方法の対象となるセラミック構造体の一例を示すものである。該セラミック構造体は、酸化物半導体からなる検出素子41をセラミック基板36に接合した構造を有する酸素検出用のヒータ内蔵型セラミックセンサ用構造体(以下、単に構造体ともいう)50として構成されており、そのセラミック基板36が、複数のセラミックグリーンシート(セラミック成形体:以下、単にグリーンシートともいう)を積層してこれを焼成することにより製造されるものである。図29(b)に示すように、検出素子41は、セラミック基板36の先端部の一方の板面に形成された凹部34内に入り込む形でアルミナ小球21を介して接合されている。アルミナ小球21はセラミック基板36と検出素子41とにまたがって、それらにそれぞれ食い込んだ状態となっている。
【0024】
他方、セラミック基板36の他端側には、白金線等で構成された検出素子用端子部(第二の金属端子部)9とヒータ用端子部(第一の金属端子部)12とが設けられている。図29(a)及び(c)に示すように、検出素子用端子部9は、基板36の幅方向において並列に2本設けられ、基板36の厚さ方向のほぼ中間部に位置している。一方、ヒータ用端子部12は、検出素子用端子部9よりも広い間隔で並列に2本設けられ、基板36の厚さ方向において、検出素子用端子部9を挟んで検出素子41とは反対側に形成されている。そしてこれら検出素子用端子部9及びヒータ用端子部12は、一端側が基板36の端面(端子取出面)36aから長手方向に所定寸法突出するとともに、他端側(基端側)が基板36中に埋設されている。
【0025】
上記端子部9及び12の埋設された部分には、セラミック基板36内部に形成された配線部としてのリード部37、リード部38,39の端部37a,39aにそれぞれ電気的に接合されている。図29(a)及び(b)に示すように、リード部37,38,39の端部37a,39aは、基板36の長手方向においてその端面36aに至る位置まで形成されておらず、基板36の長手方向において、端面36aから所定寸法L1だけ各末端位置が内側に位置している。一方、リード部37の他端側は凹部34において検出素子41に接続するとともに、リード部38,39の他端側は内蔵ヒータに接続している。なお、L1は0.1mm以上、望ましくは0.4mm以上とされる。さらに、各リード部37,38,39の厚さは10〜35μmとされている。
【0026】
検出素子41で検出された検出信号は、リード部37及び検出素子用端子部9を介して外部に出力される。また、外部からヒータ用端子部12及びリード部38,39を介して通電されることにより、内蔵ヒータが発熱し、セラミック基板36を所定温度に加熱する。このような構造体50は、例えば酸素検出用センサあるいはセラミックガスセンサ等に使用される。そして該構造体50の寸法は、例えばその長さが30mm程度、幅が4mm程度、厚さが3mm程度とされ、また、リード部37はその幅が0.4mm程度、リード部38,39はその幅が1.2mm程度、端子部9及び12の断面径が直径0.2mm程度とされている。
【0027】
以下、本発明のセラミック基板を用いて構成されたヒータ内蔵型セラミックセンサ用構造体50の製造方法の一実施例を図1〜図28に示す工程説明図を用いて説明する。図1はその製造に用いられるグリーンシートの一例を平面図により示している。すなわち、該グリーンシート1は、アルミナ粉末と焼結助剤粉末との混合粉末に、有機結合剤(バインダ)、可塑剤、解膠剤及び溶剤等からなる成形助剤を配合・混練してこれを方形シート状に成形したものであり、1枚のグリーンシート1から多数の構造体を製造するために、切断線2によって複数の横長方形の製品部分3に分割することが予定されている。
【0028】
グリーンシート1の中央には、方形の貫通窓部5が該中心線Oに沿う方向に2箇所形成されている。そして、各貫通窓部5に対応する位置において長方形状のグリーンシート1の中心線Oを挟んでその両側に、それぞれ複数の上記製品部分3が、その幅方向に互いに隣接するように配列している。また、グリーンシート1には、各製品部分3に対応して中心線Oに関して外側となるように貫通窓部4が形成されている。さらに、グリーンシート1の製品部分3以外の余白領域には、位置決めピン孔60,65が複数形成されている。
【0029】
図2に示すように、上記グリーンシート1の一方のシート面には、接合阻止層6が形成される。接合阻止層6は、水を主体とする溶媒に対し、製膜用高分子材料を溶解させた塗料状物を、グリーンシート1上にスクリーン印刷等により印刷することで形成できる。製膜用高分子材料は水溶性のもの、例えば、カルボキシメチルセルロースのアルカリ塩、特にカルボキシメチルセルロースナトリウムを主体とするもの(例えばセロゲン(商品名:第一工業製薬(株)))を使用できる。また、これ以外にも、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストリン、澱粉等、水に可溶で、有機溶剤には溶解しにくい性質を有した各種有機物質を使用することができる。
【0030】
ここで、スクリーン印刷時においては、位置決めピン孔60、65(本実施例では、グリーンシート1の一方の幅及び長手方向における両側において、それぞれその側縁に沿って複数個が所定の間隔で形成されている)に対し、図示しない位置決めピンを挿入することによりグリーンシート1が位置決めされる。該接合阻止層6は、各製品部分3の貫通窓部4の形成側端部において、縦横の切断線2に沿う所定幅、例えば後述する被接合体としてのアルミナ小球の平均直径値よりも大きな幅となるように形成されており、その厚さは1〜40μmの範囲で設定されている。
【0031】
次に、図3及び図4に示すように、上記グリーンシート1とは別に、これとほぼ同様の大きさ及び形状を有するグリーンシート7(第二のセラミック成形体),10(第一のセラミック成形体)及び18(第三のセラミック成形体)を作製する(なお、グリーンシート7,10は形態が類似しているので、図3においては、グリーンシート7を示し、グリーンシート10の対応する各部の符号を括弧書きで援用表示している)。グリーンシート7,10及び18には、グリーンシート1の貫通窓部5と同じ大きさ及び形状の貫通窓部13,14及び19がそれぞれ対応する位置に形成されている。また、グリーンシート7,10及び18には、グリーンシート1の位置決めピン孔60,65に対応して、位置決めピン孔61,66、62,67及び63,68がそれぞれ複数形成されている。また、図4に示すようにグリーンシート18には、グリーンシート1の貫通窓部4に対応して貫通窓部18aが形成されている。
【0032】
グリーンシート7,10及び18のうち、グリーンシート7には、図5に示すように、検出素子のリード部となる金属ペーストパターン層(導電性ペースト層)8を、グリーンシート10には図6に示すように内蔵ヒータ及びそのリード部となる金属ペーストパターン層(導電性ペースト層)11を、それぞれスクリーン印刷等により形成する。ここで、各グリーンシート7及び10のスクリーン印刷時においては、位置決めピン孔61,62,66,76に対し、図示しない位置決めピンが挿入されることにより、各グリーンシート7,10がそれぞれ位置決めされることとなる。
【0033】
図7及び図8に示すように、金属ペーストパターン層8,11の端部8a,11a(後述の端子部との導通確保のため、主要部よりも広幅に形成されている)の先端と、貫通窓部13,14の縁部13a,14aとの間に幅L1(例えば0.2mm、望ましくは0.5mm)の間隔が確保されており、ここには金属ペーストパターン層が形成されていない。そして、これら各端部8a,11aには、図18及び図19に示すように、それぞれ白金線等(例えば円形軸断面形状を有するもの)で構成された検出素子用端子部9と、ヒータ用端子部12とが、端子部保持体70’,70を用いて配置される。ここで、端部8a,11aの先端と縁部13a,14aとの間にL1の間隔が確保されることで、後述する積層工程において、パターン層8,11を形成する金属ペーストや有機溶剤(後述)等が縁部13a,14aの側面に垂れにくくなり、短絡等のトラブルを防止ないし抑制することができる。また、見方を変えれば、縁部13a,14aに沿って上記間隔L1で金属ペーストパターン層の非形成領域(ペースト層非存在領域)85が形成されることになり、この領域では焼成(後述)による上側のシートとの間の一体化領域がパターン層8,11により分断されないので、端子部9,12とパターン層8,11との接合強度を向上することができる。
【0034】
次に、図9に示すように、端子部保持体70は、ポリプロピレン等の樹脂を主体に構成された基材71(厚さ方向の寸法をやや誇張して描いている)と、その一方の板面全面に粘着材の塗布あるいは両面粘着テープの貼着により形成された粘着層72と、その粘着層72の表面を覆う剥離シート(例えば、シリコンオイル等を含浸した紙等)73とから構成されている。端子部保持体70は、図18及び図19に示すように、上記グリーンシート7,10の貫通窓部(端子部保持体収容部)13,14の内径寸法よりも少し小さい方形板状の形態を有している。また、図9に示すように、端子部保持体70には、板厚方向に貫通する位置決め用ピン孔75が複数箇所(本実施例では9箇所)に形成されている。
【0035】
ここで、図16(a)に示すように、基材71の厚さt2(粘着層の厚さを含む)は、グリーンシート7,10の各厚さをt1としてt1±0.3mmの範囲に調整されている。図9(a)及び(b)に示すように、端子部保持体70の一方の幅方向における両縁部においては、各縁に沿う細長い領域において粘着層72が剥離シート73で覆われずに露出している。そして、この露出部分が端子部保持領域77となり、図7及び図8に示すパターン層8,11の各端部8a,11aに対応する端子部9,12(図10及び図11参照)が貼着・保持されることとなる。なお、この露出部分(77)は、例えば、図9(d)に示すように粘着層72の全面を覆う剥離シート73に対し、対応する縁から所定距離隔たった位置において該縁に沿う切れ目73bを入れ、その切れ目73bにおいて、剥離シート73の両縁部73aを粘着層72から剥離・除去することにより形成できる。
【0036】
図10は、端子部保持体70に検出素子用端子部9を、図11は端子部保持体70にヒータ用端子部12をそれぞれ貼着・保持した状態を示している。図10に示すように、検出素子用端子部9は、金属ペーストパターン層8の端部8a(図19)の間隔に対応してその一端側がそれぞれ端子部保持領域77に対し所定間隔で複数貼着されるとともに、他端側は基材71の縁部71aから板面方向外側に所定寸法だけ突出している。一方、図11に示すように、ヒータ用端子部12は、金属ペーストパターン層11の端部11a(図18)の間隔に対応して、その一端側がそれぞれ端子部保持領域77に対し所定間隔で複数貼着されるとともに、他端側は基材71の縁部71aから板面方向外側に所定寸法で突出している。なお、検出素子用端子部9及びヒータ用端子部12の突出寸法L10は、端子部保持領域77の幅L2及び端子部9,10の全長L0により適宜調整されている(例えばL10=L0−L2、又はL10=(2/3)・L0以下)。
【0037】
以下、図13ないし図17の工程説明図を用いてグリーンシート1,7,10及び18の積層工程を説明する(なお、図16及び図17は図13ないし図15の要部拡大図を示している)。図13(a)に示すように、上述のグリーンシート10(図6)を位置決めダイ(基台)200に対し、位置決めピン孔62に基準ピン(成形体位置決めピン)201を差し込むことにより、金属ペーストパターン層11が上となるようにセットする。
【0038】
続いて、同図(b)に示すように、ヒータ用端子部12が予め貼着・保持された端子部保持体(第一の端子部保持体)70(図11:以下、ヒータ用端子部保持体70という)を位置決めダイ200に対し、各位置決めピン孔75に基準ピン(端子部保持体位置決めピン)202を差し込むことにより、剥離シート73が上になるようにセットする(図16(a)及び(b))。これにより、ヒータ用端子部保持体70は、図16(b)及び図18に示すように、貫通窓部14内に位置決め配置されるとともに、ヒータ用端子部12の末端部が金属ペーストパターン層11の端部11aに重なるように位置合わせされる(図20も参照)。
【0039】
次に、図14(a)に示すように、グリーンシート10の上側に図5のグリーンシート7を、その位置決めピン孔61に基準ピン201を差し込みながら、金属ペーストパターン層8が上になるように積層する(図16(c))。そして、図14(b)に示すように、ヒータ用端子部保持体70の上側から、検出素子用端子部9が貼着・保持された端子部保持体(第二の端子部保持体)70(図10:以下、検出素子用端子部保持体70’という)を、各ピン孔75に基準ピン202を差し込むことにより位置決めダイ200に対してセットする。
【0040】
なお、本実施例では、検出素子用端子部保持体70’を位置決めダイ200にセットする前に、図12(a)に示すように、剥離シート73を粘着層72から剥離し、同図(b)に示すように、別の剥離シート73’(以下、被覆用剥離シート73’という)を粘着層72に貼付する。図12(c)及び(d)に示すように、被覆用剥離シート73’は、基材71とほぼ同様の形状及び寸法を有し、基材71の粘着層72を、これに貼着・保持された端子部9の端部を含めてほぼ全面を覆うものとなる。
【0041】
図14(b)に示すように、検出素子用端子部保持体70’は、位置決めダイ200に対して被覆用剥離シート73’が下向きとなるようにセットされる(図16(d))。ここで、図16(e)に示すように、検出素子用端子部保持体70’の粘着層72全面が被覆用剥離シート73’で覆われることで、ヒータ用端子部保持部材70の粘着層72との接着が防止される。そして、図16(e)及び図19に示すように、検出素子用端子部9は、位置決めダイ200にセットされた検出素子用端子部70’により、金属ペーストパターン層8の対応する端部8aに位置合わせされ、図14(c)に示す状態となる。
【0042】
続いて、グリーンシート7の上側にグリーンシート1(図2)を、位置決めピン孔60に基準ピン201を差し込みながら、接合阻止層6が上となるように積層し、図14(d)の状態とする。このとき、グリーンシート1の貫通窓部4は、下面側がグリーンシート7により塞がれて凹部4’を形成する。また、グリーンシート7の金属ペーストパターン層8は、検出素子用端子部9とは反対側の端部が上記凹部4’内に位置するものとなる。
【0043】
なお、上記グリーンシート1,7,10の積層時においては、これに先立ってシート1の下面及びシート7の下面に、前記バインダを溶解する性質を有した有機溶剤(粘着誘起液体)が塗布され、図16(g)に示すように、それによって該バインダが溶解・軟化して粘着層15,16がそれぞれ形成される。グリーンシート1,7,10は、この粘着層15及び16により互いに接合されることとなる。
【0044】
グリーンシート1は親油性のバインダを用いて形成されており、親水性の塗料状物を塗布しようとした場合、図33(a)に示すように、水を主体とする溶媒に製膜用高分子材料を溶解ないし分散させただけの塗料状物100は、グリーンシート1との間の界面張力により丸くまとまろうとし、表面で撥かれやすくなる。そこで、本実施例では、同図(b)に示すように、カルボキシメチルセルロースナトリウムを主体とする製膜用高分子材料を上記溶媒に溶解したものをビヒクル111として、これに粘性調整粒状物としてのカーボン粒子(なお、「カーボン」は、黒鉛、無定形炭素あるいはそれらの混合物を意味するものとする)112を配合した塗料状物110を使用している。こうすれば、同図(c)に示すように、ビヒクル111とカーボン粒子112との間の摩擦によりビヒクル111の流動が抑制されて見掛け上の界面張力を制御することができる。これにより、塗布ないし印刷された塗料状物110の層は、上記界面張力に打ち勝って膜状態を維持できるようになり、接合阻止層の形成精度を高めることができるようになる。
【0045】
なお、塗料状物110の25℃での粘性率は100〜1200dPa・s(デシパスカル秒(=ポワズ))の範囲で調整するのがよい。粘性率が100dPa・s未満になると、塗料状物が基板成形体の表面で撥かれやすくなり、接合阻止層を精度よく形成できなくなる場合がある。一方、粘性率が1200dPa・sを超えると塗料状物のスムーズな塗布が困難となり、接合素子層の形成精度が却って損なわれやすくなる。なお、該塗料状物の25℃での粘性率は、より望ましくは200〜800dPa・sの範囲で調整するのがよい。
【0046】
また、塗料状物110の粘性率を上記範囲で調整するためには、製膜用高分子材料の配合比率WRを3〜12.5重量%(望ましくは6〜9.5重量%)の範囲で調整するのがよい。また、粘性調整粒状物の配合比率WPは30〜50重量%(望ましくは35〜45重量%)の範囲で調整するのがよい。また、製膜用高分子材料と粘性調整粒状物との合計量WR+WPは30〜45重量%(望ましくは35〜40重量%)の範囲で調整するのがよい。
【0047】
また、カーボン粒子112の平均粒径は4〜25μmの範囲で調整するのがよい。該平均粒径が4μm未満になると、ビヒクル中に粒状物を均一分散させることが困難となり、スクリーンマスクの目詰まりによる不印刷不良が発生したり、粒状物の分布の粗な領域で気泡等の欠陥が生じやすくなる場合がある。一方、平均粒径が30μmを超えると、ビヒクルと粒状物との接触表面積が減少することから、摩擦による膜の形状維持力が不足しがちとなり、同様に印刷面のピンホール外観不良、印刷面の割れ、気泡等の欠陥が生じやすくなる。
【0048】
さらに、上記塗料状物110において、該塗料状物110中の粘性調整粒状物(カーボン粒子112)の総重量WPに対する製膜用高分子材料の総重量WBの比率WB/WPは、0.2〜0.4の範囲で調整するのがよい。WB/WPが0.2未満になると、塗料状物110の粘性流動が失われて全体にぱさついた感じとなり、スムーズな塗布ないし印刷ができなくなる場合がある。またWB/WPがさらに少なくなって0.1以下になると、接合阻止の効果が不十分となる。一方、WB/WPが0.4を超えると、塗料状物110の粘性が高くなり過ぎ、同様にスムーズな塗布ないし印刷ができなくなる場合がある。塗料状物110は、25℃での粘性率が100〜1200dPa・s(デシパスカル秒(=ポワズ))の範囲となるように調製される。具体的には、製膜用高分子材料の配合比率WRは3〜12.5重量%(望ましくは6〜9.5重量%)の範囲で調整され、粘性調整粒状物の配合比率WPは30〜50重量%(望ましくは35〜45重量%)の範囲で調整される。製膜用高分子材料と粘性調整粒状物との合計量WR+WPは30〜45重量%(望ましくは35〜40重量%)の範囲で調整される。カーボン粒子112の平均粒径は4〜25μmの範囲で調整される。さらに、塗料状物110中のカーボン粒子の総重量WPに対する製膜用高分子材料の総重量WBの比率WB/WPは、0.2〜0.4の範囲で調整される。
【0049】
次に、図14(d)に戻り、グリーンシート1の上側に、グリーンシート18(図4)を位置決めピン孔63に基準ピン201を差し込みながら積層して、図15(a)の状態とする。そして、グリーンシート1,7,10,18を積層した積層体22を、図15(b)に示すように例えば加熱式プレス機等により、温度40℃〜60℃でその積層方向に加圧することにより一体化する(平面視は図21に示している)。
【0050】
ここで、グリーンシート7及び10には、金属ペーストパターン層8及び11の端部8a及び11aと、対応するグリーンシート7及び10の縁部(側縁)13a,14aとの間に、金属ペーストパターン非形成領域(ペースト層非存在領域)が幅L1にて確保されていることから、積層体22が板厚方向に加圧された場合に以下の効果を奏する。例えば、グリーンシート7で代表させて図34を用いて説明すれば、同図(a)に示すように、金属ペーストパターン非形成領域を確保せずに金属ペーストパターン層8をグリーンシート7に印刷形成した場合に、同図(b)に示すように、パターン層8を形成する金属ペーストがグリーンシート7とグリーンシート1との間で挟み付けられてつぶれる。その結果、つぶれて拡がった金属ペーストが、縁部13aの側面側に垂れ、同図(c)に示すように、隣接するパターン層8,8から垂れたペースト同士が接触して、短絡等のトラブルを招く恐れがある。
【0051】
しかしながら、図35(a)に示すように、幅L1の金属ペーストパターン非形成領域85を形成することで、つぶれた金属ペーストパターン層8の拡がり代が確保され、結果として拡がった金属ペーストが縁部13aにまで至らず、縁部13a側面へのペースト垂れ、ひいては短絡等の不具合を防止することができる。また、図35(b)に示すように、金属ペーストパターン層非形成領域85が縁部13aに沿って形成されることで、該領域において焼成後の上下のシート1,7の一体化領域がパターン層8に基づく配線部により分断されないので、接合強度が向上する効果も得られる。
【0052】
その後図22に示すように、窓部18a(図4)によって形成された凹部すなわち素子接合領域23には、再び有機溶剤が塗布されて粘着層が形成された後、一方のシート面全面にアルミナ小球(例えば平均粒径140〜180μmのもの)21を圧着等により分散した状態で保持させたシリコンゴムシート20が、その保持面側がグリーンシート1の上面と対向するように加圧しながら重ね合わされる。
【0053】
このとき、図22(図21のE−E断面に対応)に示すように、シリコンゴムシート20は柔軟であるため、上方から加圧することでそのシート面が凹部4’を含めた素子接合領域23(グリーンシート1)の面形状に追従して変形し、これに保持されたアルミナ小球21は素子接合領域23(グリーンシート7により形成される凹部4’の底面を含む)の全面に押し付けられる。ここで、素子接合領域23のうち、接合阻止層6の形成されていない部分には前述の粘着層が形成されているため、アルミナ小球21はシリコンゴムシート20側から素子接合領域23に転写され、該粘着層によってグリーンシート1及び7の表面に接合される。一方、図23に示すように、接合阻止層6の形成部には粘着層が形成されないので、アルミナ小球21は転写されない。
【0054】
次に、上記積層体22からシリコンゴムシート20を取り除くことにより、図24(a)に示す積層体22’が得られる。すなわち、図25(a)に示すように、各製品部分3に一対一に対応して、グリーンシート1及び7の各凹部4’及びその周辺部には、アルミナ小球21の転写領域25が接合阻止層6により隔てられた状態で形成される。そして、図17(a)に示すように、ヒータ用端子部保持体70の基材71を、粘着層72及び剥離シート73とともに端子部12から剥離することにより積層体22’から除去する。次に、検出素子用端子部保持体70’の基材71を粘着層72とともに端子部9から剥離除去するとともに、検出素子用端子部9とヒータ用端子部12との間に残留した被覆用剥離シート73’を取り除く。これにより、図15(c)に示すように、ヒータ用端子部保持体70と検出素子用端子部保持体70’とが積層体22’から全て取り除かれ、検出素子用端子部9及びヒータ用端子部12は、積層体22’に固定された状態でその先端が、重なり合った貫通窓部5,13,14,19内においてシート板面方向内側に突出した状態となる。
【0055】
そして、図25(a)に示すように、その積層体22’を隣接する転写領域25同士を互いに隔てる接合阻止層6において、図示しない打抜きパンチにより長穴状の貫通孔30が形成されるように打ち抜き、次いで切断線2に沿って切断することにより、図25(b)に示すように、それぞれ前記構造体となるべき基板成形体31に分離する。このとき、隣接する転写領域25同士は、アルミナ小球21が固着されていない接合阻止層6内において打抜きにより切断・分離されることから、アルミナ小球21が打抜きパンチにより押し下げられることが回避され、ひいては得られる基板成形体31の、アルミナ小球21の転写領域25に対応する側面部分に傷等がほとんど生じなくなる。
【0056】
上述のような基板成形体31を、所定の温度で脱バインダ処理後、温度1500〜1600℃で焼成することにより、図26に示す焼成体35となる。ここで、グリーンシート1,7,10及び18で構成された部分は一体化して、前述の凹部4’に対応する凹部34を有するセラミック基板36となり、転写領域25のアルミナ小球21は、図28に示すようにセラミック基板36の上面側にその下側部を食い込ませた状態で一体化される。また、接合阻止層6はセロゲンで構成されているため、焼成によりほぼ完全に分解・蒸発する。一方、前述の金属ペーストパターン層8及び11は、それぞれ焼結されてリード部37、ならびに内蔵ヒータ及びそのリード部38,39となる。
【0057】
そして、図27に示すように、この焼成体35に対し、凹部34を含む転写領域25に対応する部分に、酸化物半導体粉末、例えば酸化チタン粉末を溶剤及びバインダとともに混練したペーストを盛り、ペースト層40を、該凹部34内に入り込むように形成する。次いで、これを温度1050〜1200℃で二次焼成することにより、図28に示すように、ペースト層40の酸化チタン粉末が焼結されて検出素子41となり、該検出素子41がセラミック基板36と一体化されたヒータ内蔵型セラミックセンサ用構造体50(図29)が得られる。ここで、アルミナ小球21は、その下側部がセラミック基板36に食い込む一方、上側部は検出素子41側に食い込んだ状態となり、それによるアンカー効果により、検出素子41とセラミック基板36との間の接合力が高められている。
【0058】
なお、上記実施例においては、基板成形体に対し被接合体としてアルミナ小球を接合する場合を例にとって説明したが、本発明の技術は、例えば積層される複数のセラミックグリーンシートの層間に空所を形成したり、あるいは積層面間に非接合部分を形成したりする場合にも適用することができる。この場合、その空所あるいは非接合部分に対応して前述の接合阻止層を形成すればよい。
【0059】
また、図30(a)及び(b)に示すように、検出素子用端子部保持体70’には端子部保持領域77の形成されない両縁部に切欠部Cを形成し、貫通窓部19の内縁と基材71の対応する縁との間に隙間部Sを形成することができる。これにより、この隙間部Sに指や工具等を差し入れることで、積層体22’から端子部保持体70’を除去する作業を行いやすくすることができる。また、被覆用剥離シート73’には、切欠部Cにより形成される凸縁部71bに対応して外向きに張り出す張出部80を形成することも可能である。図30(b)及び(c)に示すように、シート積層工程において張出部80は、グリーンシート1とグリーンシート7との間に挟まれた状態となる。
【0060】
例えば、図30(e)に示すように、該張出部80が形成されていない場合は、基材71の剥離時に被覆用剥離シート73’が連れ上がり、それらの間に挟まれた端子部9を曲げたりすることもありうる。しかしながら、図30(d)に示すように、張出部80をグリーンシート1とグリーンシート7との間に挟み込むことで、このような被覆用剥離シート73’の連れ上がりが生じにくくなり、端子部9の曲がり等を生じることなく、基材71を被覆用剥離シート73’から確実に剥離することができる。なお、積層体22’から被覆用剥離シート73’を除去する場合は、図30(a)に示すように、被覆用剥離シート73’の本体部と張出部80との境界部分にミシン目80aを形成しておき、そのミシン目80aにおいて張出部80を分断して、被覆用剥離シート73’のみを除去するようにすることができる。この場合、張出部80は積層体22’に残留した状態となるが、図21に示すように、グリーンシート1とグリーンシート7との、張出部80を挟み付ける部分は、製品部分3以外の余白領域であり、製品への影響は生じない。
【0061】
また、端子部保持体70の位置決めピン孔75の形成態様は、図12に示すよものに限らず、他の配置形態で複数形成することも可能である。また、位置決めピン孔75の軸断面形状は円形に限らず、図36(a)及び(b)に示すように、楕円形状や角形状等に形成してもよい。この場合、端子部保持体70の位置決めが可能であれば位置決めピン孔75は1箇所形成するのみでもよい。
【0062】
なお、端子部保持体70の位置決めは、位置決めピン孔75に基準ピン202を挿通させることにより行う方法に限らず、例えばグリーンシート7,10の貫通窓部13,14に端子部保持体70,70を配置した状態において、その端子部保持体70の外周辺と、貫通窓部13,14の内周辺との当接により位置決めするようにしてもよい。この場合、端子部保持体70の各辺と貫通窓部13,14の内周部の辺とのクリアランスをそれぞれ0.5mm以下に調整するのが位置決め精度上望ましい。なお、このような方法を採用する場合、位置決めピン孔75と基準ピン202による位置決めを省略しても、これと併用するようにしてもどちらでもよい。また、図31に示すように、基材71の縁部に切欠部71aを形成し、貫通窓部13,14の内縁と基材71の対応する縁との間に隙間部Sを形成することができる。この隙間部Sに指や工具等を差し入れることで、積層体22’から端子部保持体70を除去する作業を一層行いやすくすることができる。
【0063】
また、端子部保持体70においては、基材71の板面全面に粘着層72を形成し、端子部保持領域77以外の部分を剥離シート73で覆うようになっていたが、端子部保持領域77又は端子部9及び12を貼着する部分にのみ粘着層72を形成するようにしてもよい。この場合、剥離シート73は省略することができる。さらに、以上の実施例では検出素子用端子部保持体70’側に被覆用剥離シート73’を貼付する構成となっていたが、これに代えて又はこれとともにヒータ用端子部保持体70側に被覆用剥離シート73’を貼付するようにしてもよい。
【0064】
また、検出素子用端子部9及びヒータ用端子部12は軸断面が円状のものが使用されていたが、図32に示すように平板形状のものを使用してもよい。
【0065】
なお、本発明は、酸素検出用のセンサに限らずその他のセラミックガスセンサ及びその製造にも適用できる。またセラミックセンサ以外のセラミック構造体及びその製造にも適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック基板を用いて構成されたセラミック構造体の製造方法を示す工程説明図。
【図2】図1に続く工程説明図。
【図3】図2に続く工程説明図。
【図4】図3に続く工程説明図。
【図5】図4に続く工程説明図。
【図6】図5に続く工程説明図。
【図7】図5の部分拡大図。
【図8】図6の部分拡大図。
【図9】端子部保持体の斜視図、その平面図及びA−A断面図。
【図10】端子部保持体に検出素子用端子部を貼着・保持した状態の平面図、そのB−B断面図及び部分拡大側面図。
【図11】端子部保持体にヒータ用端子部を貼着・保持した状態の平面図、そのC−C断面図及び部分拡大側面図。
【図12】被覆用剥離シートを貼付する際の作用説明図、その平面図及び正面図。
【図13】図6に続く工程説明図。
【図14】図13に続く工程説明図。
【図15】図14に続く工程説明図。
【図16】図13〜図15の要部拡大工程説明図。
【図17】図16に続く要部拡大工程説明図。
【図18】図13(c)の要部拡大平面図。
【図19】図14(c)の要部拡大平面図。
【図20】図13(c)の平面図。
【図21】図15(a)の平面図。
【図22】図15(b)に続く工程説明図。
【図23】図22に続く工程説明図。
【図24】図23に続く工程説明図。
【図25】図24の要部拡大図及び図15(c)に続く工程説明図。
【図26】図25に続く工程説明図。
【図27】図26に続く工程説明図。
【図28】図27に続く工程説明図。
【図29】本発明のセラミック構造体の一例を示す平面図、その中央断面図及び側面図。
【図30】検出素子用端子部保持体及び被覆用剥離シートの変形例を示す平面図、その作用を示す断面図。
【図31】検出素子用端子部保持体の変形例を示す平面図。
【図32】端子部の変形例を示す斜視図。
【図33】粘性調整粒状物を配合した塗料状物の作用説明図。
【図34】積層体の加圧工程において、グリーンシートに金属ペーストパターン非形成領域が形成されている場合の効果を示す作用説明図。
【図35】図34において、金属ペーストパターン非形成領域が形成されていない場合の問題点を示す作用説明図。
【図36】端子部保持体の位置決めピン孔の変形例を示す概念図。
【符号の説明】
1,7,10,18 セラミックグリーンシート(セラミック成形体)
3 製品部分
8 金属ペーストパターン層(第二の導電性ペースト層)
9 検出素子用端子部(第二の金属端子部)
11 金属ペーストパターン層(第一の導電性ペースト層)
12 ヒータ用端子部(第一の金属端子部)
13,14 貫通窓部(端子部保持体収容部)
17 粘着層
36 セラミック基板
36a 端面(端子取出面)
36b 基板本体
37,38,39 リード部(配線部)
50 ヒータ内蔵型セラミックセンサ用構造体
60,61,62,63 位置決めピン孔(成形体位置決め手段)
75 位置決めピン孔(端子部保持体位置決め手段)
70 端子部保持体
71 基材
71a,c 切欠部(操作用切欠部)
72 粘着層
73 剥離シート
85 金属ペーストパターン層非形成領域(ペースト層非存在領域)
200 位置決めダイ(基台)
201 基準ピン(成形体位置決めピン、成形体位置決め手段)
202 基準ピン(端子部保持体位置決めピン、端子部保持体位置決め手段)

Claims (15)

  1. 板面方向に延びる配線部が厚さ方向中間部に内蔵されたセラミック製の基板本体に対し、その側縁に形成された端子取出面において線状の金属端子部の基端部が、前記配線部の末端と電気的に接続された形態で埋設されたセラミック基板の製造方法であって、
    板状をなすセラミック成形体の一方の板面に、前記配線部となるべき線状ないし帯状の導電性ペースト層を、その末端部が前記端子取出面に対応する側縁に対応して位置するように形成する導電性ペースト層形成工程と、
    基材表面に形成された端子部保持面を粘着層で覆った端子部保持体に対し、その端子部保持面の側縁から前記基端部が突出する形態で前記金属端子部の先端側を前記粘着層において貼着・保持させる金属端子部貼着工程と、
    その貼着・保持された金属端子部の基端部が前記導電性ペースト層の前記末端部と重なり合うように、前記端子部保持体を前記セラミック成形体に対して位置決め配置する金属端子部位置決め工程と、
    前記セラミック成形体の前記板面に対し別の板状のセラミック成形体を積層し、前記金属端子部の前記基端部を両セラミック成形体の間で挟み付けて積層成形体を形成する積層工程と、
    前記金属端子部を前記積層成形体側に残しつつ、該積層成形体から前記端子部保持体を除去する端子部保持体除去工程と、
    その端子部保持体を除去後の積層成形体を焼成する焼成工程と、
    を含むことを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  2. 前記端子部保持体は、板状の基材の一方の板面に対しその幅方向における一方の縁側に所定幅で前記端子部保持面が形成され、その端子部保持面に貼着された両面粘着シートが前記粘着層を形成するものであり、
    前記金属端子部は前記端子部保持体に対し、前記端子部保持面の前記一方の縁から前記基端部をほぼ直角に延出させる形態で、その先端部が前記粘着層により貼着・保持されるとともに、
    前記金属端子部位置決め工程において前記端子部保持体は前記セラミック成形体に対し、該セラミック成形体の前記側縁と前記端子部保持面の前記一方の縁とがほぼ平行となるように板面方向に隣接して配置される請求項1記載のセラミック基板の製造方法。
  3. 前記端子部保持体は、前記基材の一方の板面全体が前記粘着層で覆われるとともに、前記板面の幅方向における一方の縁側に所定幅で形成された前記端子部保持面においてのみ前記粘着層が露出するように、該粘着層の残余の領域が剥離シートで覆われており、
    前記金属端子部貼着工程において前記金属端子部は前記端子部保持体に対し、前端縁が前記剥離シートの側縁と当接する形で前記端子部保持面において前記粘着層に貼着・保持される請求項2記載のセラミック基板の製造方法。
  4. 前記金属端子部位置決め工程において、前記セラミック成形体は成形体位置決め手段により基台上の所定位置に位置決め配置され、前記端子部保持体は端子部保持体位置決め手段により、前記セラミック成形体に対し該セラミック成形体の前記側縁と前記端子部保持面の前記一方の縁とがほぼ平行となるように、前記基台上の所定位置に位置決め配置されるとともに、
    前記積層工程において前記別のセラミック成形体は、前記成形体位置決め手段により、前記金属端子部の前記基端部が両セラミック成形体の間で挟み付けて保持されるように、前記基台上の所定位置に位置決め配置される請求項2又は3に記載のセラミック基板の製造方法。
  5. 前記セラミック成形体には、前記導電性ペースト層の形成領域を包含する製品部分と、その製品部分の周囲に形成されて該製品部分から後工程において分離することが予定された余白部分とを有し、その余白部分を厚さ方向に貫通する位置決めピン孔が1又は複数形成されるとともに、前記成形体位置決め手段は、前記基台側に形成されてその位置決めピン孔に挿通される成形体位置決めピンである請求項4記載のセラミック基板の製造方法。
  6. 前記端子部保持体には、前記端子部保持面と干渉しない位置において板状の前記基材を貫通する位置決めピン孔が形成されるとともに、前記端子部保持体位置決め手段は、前記基台側に形成されてその位置決めピン孔に挿通される端子部保持体位置決めピンとされている請求項4又は5に記載のセラミック基板の製造方法。
  7. 前記セラミック成形体には、前記導電性ペースト層の形成領域を包含する製品部分と、その製品部分の周囲に形成されて該製品部分から後工程において分離することが予定された余白部分とを有し、その余白部分には、前記端子取出面に対応する前記製品部分の側縁を含む形態で厚さ方向に貫通する窓状又は切欠状の端子部保持体収容部が形成され、前記端子部保持体はその端子部保持体収容部内において該製品部分に対し位置決め配置される請求項1ないし6のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  8. 前記セラミック成形体の前記端子部保持体収容部に対し前記端子部保持体を収容した状態において、前記端子部保持体収容部の内縁と前記端子部保持体の基材の対応する側縁との平均的なクリアランスを0.5mm以下に設定することにより、該端子部保持体収容部の内縁を前記端子部保持体位置決め手段として機能させる請求項7記載のセラミック基板の製造方法。
  9. 前記端子部保持体には、前記基材の外縁部を該基材の周縁から板面方向内向きに切り欠くことにより、前記端子部保持体除去工程において該端子部保持体を前記積層成形体から除去する操作を行うために指ないし工具を挿入する操作用切欠部が形成される請求項7又は8に記載のセラミック基板の製造方法。
  10. 前記セラミック成形体には、窓状の前記端子部保持体収容部を挟んでその両側に前記製品部分が形成され、前記端子部保持体の前記基材には、前記端子部保持体収容部内に収容された状態において、それら製品部分に対応する両側縁部に前記端子部保持面がそれぞれ形成されている請求項7ないし9のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  11. 少なくとも前記別のセラミック成形体を積層する前の状態において、前記セラミック成形体の前記板面には、前記配線部となるべき前記導電性ペースト層の末端縁と、前記端子取出面に対応する側縁との間に、該導電性ペースト層が存在しない所定幅のペースト層非存在領域が形成される請求項1ないし10のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  12. 前記ペースト層非存在領域の幅は0.2mm以上である請求項11記載のセラミック基板の製造方法。
  13. 前記導電性ペースト層の塗布厚さは5μm以上である請求項11又は12に記載のセラミック基板の製造方法。
  14. 前記セラミック基板は、前記配線部が前記基板本体に対し厚さ方向おいて互いに異なる2位置に内蔵され、前記金属端子部もそれら各配線部に対応して、それぞれその基端部が前記端子取出面において前記基板本体に埋設されたものであり、
    板状の第一のセラミック成形体の一方の板面に、第一の配線部となるべき第一の導電性ペースト層を形成する第一の導電性ペースト層形成工程と、
    第一の前記端子部保持体に対し、前記第一の配線部に接続すべき第一の前記金属端子部を前記粘着層において貼着・保持させる第一の金属端子部貼着工程と、
    その貼着・保持された第一の金属端子部の基端部が前記第一の導電性ペースト層の前記末端部と重なり合い、かつ前記第一のセラミック成形体の厚さ方向において前記基材が該第一のセラミック成形体と同じ側に位置するように、前記第一の端子部保持体を前記第一のセラミック成形体に対して位置決め配置する第一の金属端子部位置決め工程と、
    前記第一のセラミック成形体の前記第一の導電性ペースト層の形成されている側の板面に対し板状の第二のセラミック成形体を積層して、前記第一の金属端子部の前記基端部をそれら第一及び第二のセラミック成形体の間で挟み付ける第一の積層工程と、
    前記第一のセラミック成形体への積層前又は積層後において、前記第二のセラミック成形体の前記第一のセラミック成形体への積層面とは反対側の板面に、第二の配線部となるべき第二の導電性ペースト層を形成する第二の導電性ペースト層形成工程と、
    第二の前記端子部保持体に対し、前記第二の配線部に接続すべき第二の前記金属端子部を前記粘着層において貼着・保持させる第二の金属端子部貼着工程と、
    その貼着・保持された第二の金属端子部の基端部が前記第二の導電性ペースト層の前記末端部と重なり合い、かつ前記第二のセラミック成形体の厚さ方向において前記基材が該第二のセラミック成形体と反対側に位置するように、前記第二の端子部保持体を前記第二のセラミック成形体に対して位置決め配置する第二の金属端子部位置決め工程と、
    前記第二のセラミック成形体の前記第二の導電性ペースト層の形成されている側の板面に対し板状の第三のセラミック成形体を積層して、前記第二の金属端子部の前記基端部をそれら第二及び第三のセラミック成形体の間で挟み付ける第二の積層工程と、
    前記第一〜第三のセラミック成形体が積層された積層成形体から前記第一及び第二の端子部保持体を除去する前記端子部保持体除去工程と、
    を含む請求項1ないし13のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  15. 前記第二の金属端子部位置決め工程において、前記第二の端子部保持体を前記第二のセラミック成形体に対して位置決め配置するのに先だって、前記第一及び第二の端子部保持体の各粘着層同士が相互貼着し合うことを阻止するために、それら粘着層の少なくとも一方の表面を、これに貼着・保持された前記金属端子部の上側から剥離シートにより被覆する貼着阻止被覆工程が実施される請求項14記載のセラミック基板の製造方法。
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