JP3773717B2 - 歯科用ペースト状陶材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、人工歯の製作や補綴修復に使用され、特に歯科技工士の手作業による特殊な築盛技術を必要とする、ラミネートベニヤ用陶材,金属焼き付け用陶材,オールセラミックス用陶材などの歯科用陶材として好適に使用される歯科用ペースト状陶材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、市販されてきている歯科用材料の流れとして、歯科診療や歯科技工の操作を短縮し且つ容易にするための様々な工夫がなされている。また、CAD/CAMといったコンピューター制御の切削加工で人の手を掛けずに金属又はセラミック製の歯冠,インレー及びベニヤ(歯牙の前面に貼り付けて用いるようにされた審美歯科の術式の一つ)を作製する機械も市販され始め、確実に歯科技工作業の時間短縮と簡便化とが行われるようになってきている。
【0003】
しかしながら、歯科技工作業の主な従事者である歯科技工士が補綴物を作製するために行う陶材の築盛操作に関しては、陶材粉末が砂状であるため賦形性が悪く、これに加えてこの陶材粉末間の一時的なバインダーとして水を用いているためより一層築盛操作がし難くなっているのである。そして、この築盛操作時にバインダーとして用いた水の余剰分を除去するため、振動を付与することによってコンデンス操作を行うのであるが、初級の歯科技工作業の従事者(以下、単に従事者と称することがある)では変形してしまうことが多い。
【0004】
特に、大型の補綴物としてロングスパンのブリッジなどを作製する場合には築盛範囲が広くなるので、補綴物が変形してしまう可能性が大きいため慎重で過大な技工作業時間が必要とされていたのである。そのため、従事者の中でもセラミストと呼ばれる熟練した上級者のみが陶材を築盛していたのである。
【0005】
このような状況が続いていたが、最近になって前述したような問題を克服するための試みもなされてきている。それは、陶材粉末間の一時的なバインダーとして、蒸留水よりも所定の形状を付与し易くする、即ち賦形性を良好にする有機材料を若干含んだフォーミングリキッドを用いることで、築盛作業を幾分容易に行えるようにしたものである。しかしながら、この試みにおいても築盛した後の余剰水分を取り出すためのコンデンス操作が必要とされることには変わりがないし、ロングスパンの築盛にもまだまだ高度な技術が必要とされているのである。
【0006】
ところで、市販の粉末状陶材を初級者が築盛した場合に遭遇する問題の一つに色合わせがある。これは、初級の段階では築盛作業自体もなかなか難しいのであるが、例え築盛ができたとしても完成後の補綴物の色彩が意図されたものにはならないことが多い。一方、歯冠材料として同じ目的で使用されるペースト状の硬質レジン材料は容易に築盛が可能であり、初級者においても色合わせも含め難なく築盛することが可能である。その理由は、陶材には築盛後に650〜1000℃程度の高温による焼成という工程が入るためであり、硬質レジン材料にはこのような工程がなくそのまま使用されるためである。
【0007】
つまり、現段階で望ましい条件の陶材は、補綴物の作製において高度な技術を要する築盛時のコンデンス操作の必要がなく初級者にも扱い易い陶材であり、そして従来の粉末状で提供されその使用直前に一時的なバインダーとして水等で混和して用いられる陶材で作製された補綴物と比較しても形態や色調の点において同等以上と見なすことのできる陶材である。これは、陶材としての操作性を向上させるばかりでなく、その焼成後の材質の比較において、物理的性質及び化学的耐久性が従来の市販陶材と同等以上であることを意味しているのである。
【0008】
前述した点を具体的に説明すると、色調に対してはその焼成後に炭素等の残渣による影響(黒ずみなど)が肉眼で観察されないこと,また残渣による影響としては表面性状に悪影響を及ぼさないようにしてその表面の凹凸が従来品と同等であることが肉眼で確認できること,更に陶材中にはコンデンス操作を不要としたことにより製造時や築盛時にその内部に取り込まれた気泡が焼成後に存在しないこと,加えて物理的性質の点では国際規格であるISO規格を満足することなどである。
【0009】
そこで、本発明者らは前記条件を満たすような陶材を開発すべく陶材の粉末に対してのみ試行錯誤を重ねたが、前記条件を全て克服できるような満足のいく効果を得ることはできなかった。そこで、目先を変え陶材を練和するための練和液に注目したのである。このような用途に用いられる練和液としては、例えば特開平7−101818号公報に開示されているような光重合開始剤を含有させているものがある。しかし、このような光重合開始剤を含む練和液は保存性の点で問題がある。それは、長期に渡って保存した場合や保存中に強い光の照射を受けてしまった場合のみならず、築盛に長時間を掛けたりすると練和液自体及び築盛中の陶材も硬化してしまい、成形することが困難になってしまうからである。また光照射にて反応を開始させる為、工程が煩雑になる。
【0010】
ところで、前述したような練和液の保存性に注意を払う必要がなくて陶材の操作性も確保しようとした試みとして、例えば特開昭61−199853号公報に開示されたようなグリセリンを用いて陶材の状態をペースト状になしたものがある。この試みは、方向性としては妥当であるが、グリセリン中における陶材粉末の分散の均一化を計ることや残渣(残留炭素など)である灰分の抜け及び粘度の調整の点などで難しい面があることが判ったのである。
【0011】
前述したグリセリンは、歯科用金属で作製された補綴物の表面に焼き付けられて下地の金属色を遮蔽するためのオペーク用陶材(以下、単にオペークと称することがある)をペースト状に成すためのバインダーとして用いられている。そしてこのグリセリンは、後述するB型粘度計を用いて23℃の恒温中で測定した粘度粘度の測定結果によると、回転数1rpmでは低粘度過ぎるため測定不可能で、換算定数を1.61×10とした場合に10rpmでは1,932cpsで、100rpmでも4,491cpsであり、粘性が低いことが判る。しかして、このようなバインダーを用いたのでは混和された陶材としてのチキソトロピー性がほとんどないから、陶材を築盛する際に賦形し難いのである。
【0012】
これは、オペークの利用目的によりこのようにチキソトロピー性がほとんどないようにされているためである。即ち、オペークは金属色の遮蔽が目的であるからできるだけ薄くされていることが望ましいのである。なぜなら、このオペーク層の上にデンチン層,エナメル層及びトランス層などを重ねるからであり、補綴物としての大きさや形状の制約からオペーク層が厚くなるとこれらの層を薄くせざるを得なくなり、天然歯に近い色調が得られなくなるからである。
【0013】
しかも、オペークは層としての厚みは他の層に比べてかなり薄い(約1/10以下)ために灰分が抜け易く、仮りに残っていてもエナメル層やトランス層のような透明性を必要としないから、比較的自由にこのオペークをペースト状になすためのバインダーを選択できるのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、陶材の性状としては、コンデンス操作を行う必要が無い予めペースト状としておいて操作を容易にすると同時に気泡の混入が全くないものとしておき、更に初期状態のままでの長期保存にも耐え、製作に時間の掛かるロングスパンの補綴物の築盛中にも意図に反して硬化してしまうことが無く、色調の把握も容易で初心の従事者でも直ぐに使いこなすことが可能で、従事者や陶材を焼成するための電気炉へもほとんど悪影響を及ぼすことがない取扱いと保存の容易なペースト状陶材を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく、先ず陶材をペースト化するために用いるバインダーについて種々の検討を行った結果、バインダーとして2価又は3価のアルコール,ヒドロキシル基の残存したエーテル及びヒドロキシ(メタ)アクリレートから選ばれた一種又は二種以上の有機溶媒及び/又は水に、合成及び/又は天然の親水基を持った高分子材料が溶解されたものを使用することにより、経時変化のほとんどない所望の高粘度のバインダーが得られることが判った。そして、このバインダーと陶材粉末とを所定の割合で混合・練和することにより、賦形性が高くて前記課題を満足する歯科用ペースト状陶材が得られることを究明し、本発明を完成するに至ったのである。
【0016】
即ち、本発明は2価又は3価のアルコール,ヒドロキシル基の残存したエーテル及びヒドロキシ(メタ)アクリレートから選ばれた一種又は二種以上の有機溶媒及び/又は水に、合成及び/又は天然の親水基を持った高分子材料が溶解されており、23℃の恒温中で回転数1rpmの条件で換算定数を1.61×10として測定した粘度が50,000〜1,500,000cpsの値を示すバインダーが7〜45重量部と残部の陶材粉末とで100重量部となるように両者が混合されてペースト状を呈していることを特徴とする歯科用ペースト状陶材である。
【0017】
また、このような歯科用ペースト状陶材において、使用される陶材粉末の平均粒径が1μm〜100μmであると陶材粉末が均一に混合されるばかりか焼成後にざらつき感がないので好ましく、その成分として、分散剤,界面活性剤,保湿剤,防腐剤,消泡剤及び滑剤から成る1種又は2種以上の添加剤が0.1〜5重量部添加されているとより好ましいことも究明したのである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係る歯科用ペースト状陶材は、陶材粉末とこの陶材粉末が混合されてペースト状を呈するバインダーとしての、2価又は3価のアルコール,ヒドロキシル基の残存したエーテル及びヒドロキシ(メタ)アクリレートから選ばれた一種又は二種以上の有機溶媒及び/又は水に合成及び/又は天然の親水基を持った高分子材料が溶解されたものとから構成される。
【0019】
このバインダーの主成分を前記した特定の有機溶媒及び/又は水に限定した理由は、本発明に係る歯科用ペースト状陶材も従来の陶材粉末と同様に築盛に使用するものであるが、この築盛の際(築盛時間は長くても2時間以内である)にバインダーが揮発してしまったのではペースト状にした効果が得られないのと、この特定の有機溶媒及び/又は水に溶解された合成及び/又は天然の親水基を持った高分子材料が築盛後に効率良く分解燃焼されるからである。
【0020】
ここで、バインダーの主成分となる特定の有機溶媒としては、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等の2価のアルコール、グリセリン等の3価のアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量200〜600)、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(平均分子量300〜4,000)、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル,ジグリセロール等のヒドロキシル基の残存したエーテル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレートを挙げることができ、これらの中から選ばれた一種又は二種以上が使用できる。
【0021】
前述したような有機溶媒は、その使用に先立ち全て熱分解装置により熱重量測定試験を行い、その分解燃焼温度測定を行う。この理由は、陶材粉末の材料として用いる陶材ガラスの軟化点以下の温度で、前述の有機溶媒が全て分解燃焼する必要があるからである。なぜなら、陶材ガラスの軟化点が有機溶媒の分解燃焼温度より低い場合には、でき上がった補綴物(陶材)中に炭素が残ってしまって色調が灰色化してしまったり気泡痕が発生してしまう恐れがあるので好ましくないからである。
【0022】
また、バインダーの主成分となる液体としては、前述の特定の有機溶媒の代わりに水を使用したり、前述の特定の有機溶媒と水との混合物を使用することもできる。
【0023】
前記した特定の有機溶媒及び/又は水に溶解されて所望の粘性を有するバインダーを構成する合成及び/又は天然の親水基を持った高分子材料としては、例えば、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール(平均分子量1,000〜6,000)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、アルギン酸ナトリウム塩、アルギン酸アンモニウム塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、ポリビニルピリドン・マレイン酸共重合体、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体、メチル・ビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、メチル・ビニルエーテル/無水マレイン酸アンモニウム塩、メチル・ビニルエーテル/無水マレイン酸ナトリウム塩、デンプン、ゼラチン、アルギン酸、ポリアクリル酸、カラギーナン、ローカストビーンゴム,グアーガム、アラビアゴム、トラカントゴム、リグニンスルホン酸塩、カードラン、ブルラン、コンニャクマンナン、キシラン、キサンタンガムから選ばれた一種又は二種以上を挙げることができる。
【0024】
前述のものの他に、ポリアクリル酸の水溶液にアミン、好ましくは3級アミンを添加して塩を作って中和したり、前記した合成及び/又は天然の親水基を持った高分子材料を水に直接溶解したものを使用することもできる。
【0025】
このようなバインダーとして、前記した有機溶媒及び/又は水と前記した合成及び/又は天然の親水基を持った高分子材料との組合わせや配合割合は、状況に応じて適宜決定すればよい。また、これら材料を含む共重合体を用いても良いことは言うまでもない。
【0026】
更に、バインダーに対する添加剤として、必要に応じて分散剤,界面活性剤,保湿剤,防腐剤,消泡剤を添加しても良く、場合によりこれらの添加剤を1種類のみ又は2種類以上を適宜組み合わせて用いても良い。前述した添加剤の他に、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックスのエマルジョンやアクリルエマルジョンを含めたエマルジョンなどが添加用の滑剤として用いても良い。この滑剤は、前述した添加剤と同時にバインダーに添加することができるし、また単独で用いても良い。
【0027】
これら添加剤の添加量は有機溶媒及び/又は水と高分子材料との合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲であることが好ましい。その理由は、0.1重量部未満の場合には添加剤の効果が得られず、5重量部を超えた場合には添加剤の組合わせにより粘度低下を招き操作性に悪影響を及ぼすことがあるためである。
【0028】
そして、このような有機溶媒及び/又は水に、所望の粘性を与えて築盛時における賦形性を向上させるため、合成及び/又は天然の親水基を持った前記高分子材料を溶解して23℃の恒温中で回転数1rpmの条件で換算定数を1.61×10として測定した粘度が50,000cps〜1,500,000cpsの値を示す高粘度のバインダーを作製するのである。この粘度が50,000cps未満では粘度が低すぎるためにばさつき感が大きくて良好なペースト状にならず、1,500,000cpsを超えると製作した歯科用ペースト状陶材の粘度が高すぎて築盛作業を良好に行うことができなくなるからである。
【0029】
このようなバインダーと混合・混和する陶材粉末としては、従来から市販されている金属焼き付け用陶材,ラミネートベニヤ用陶材,オールセラミックス用陶材等の一般的な歯科用陶材を使用することができ、特に限定されるものではない。
【0030】
そしてこの陶材粉末は、結晶を含んでいても良い。この結晶とは、例えば、リューサイト,カリ長石,フッ素金雲母,ディオプサイド,マイカ,β−スポジュウメン,β−メタリン酸カルシウム,アパタイト,チタン酸マグネシウム,カルジオプサイド,トレメライ,アルミナ等を挙げることができ、これらの結晶が、金属焼き付け用陶材,オールセラミックス,ラミネートベニヤなどの用途に応じて1種類又は2種類以上を適宜組み合わせて用いられていても良い。
【0031】
しかも、陶材中のガラス成分についても、用途に応じて単一組成から2種類以上のものを適宜組み合わせた組成にされていても良い。この時、留意すべき事柄として、熱分析測定により単一又は組み合わせて用いられた陶材中のガラスの軟化点が前記バインダーの分解燃焼温度よりも高温となるようにしなければならないことは既に述べた通りである。
【0032】
この陶材粉末はバインダー7〜45重量部とで100重量部となるように混合されていることが必要である。その理由は、バインダーと陶材粉末との混合物100重量部中、陶材粉末が7重量部未満ではバインダーの含有率が大すぎるため築盛後に焼成した際に陶材中に灰分が多く残って色調に陰りが生じたり、更には焼成中に煙が多く発生するので好ましくなく、45重量部を超えるとバインダーの含有率が少なすぎるため築盛時に垂れが大きくなって細かな形態付与が困難になるからである。
【0033】
また、ここで用いられる陶材粉末の粒径としては平均粒径が1〜100μmのものが好ましい。その理由は、陶材の平均粒径が100μmを超えるとザラザラとした感じが顕著になりしかも操作性が悪くなって築盛し難くなるからであり、1μm未満であるとでき上がりの補綴物の表面(陶材)の透明感が損なわれてしまうので好ましくないのである。しかして、ここで築盛時における操作性を重視する場合には、陶材の平均粒径が7〜50μmであると築盛が比較的容易になるのでより好ましいのである。
【0034】
前述したような種々の条件を満たして作製された本発明に係る歯科用ペースト状陶材は、例えば焼き付け用陶材として使用された場合、ボディとして使用するデンチン,エナメル,トランスルーセントは勿論のこと、この他オペーカスデンチン,サービカルデンチン,マージンポーセレンとしても使用することができるのである。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明に係る歯科用ペースト状陶材を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例中に示した焼成条件,粘度測定,強さ,色調,面滑沢性及び操作性の評価方法は次の通りである。
【0036】
(1)焼成条件
陶材粉末とバインダーとが混和されたペースト状陶材を、所定のモールドに充填し成形体を作製した。この成形体をポーセレンファーネス(商品名:セラミマートFA−IV,株式会社ジーシー製)を用い、炉内温度600℃にされた焼成炉を所定位置から装置本体上の焼成台上に置かれている成形体のところまで10分間かけて降下させこの焼成炉と装置本体とが密着後に同温度にて2分間係留させる乾燥工程と、更にこの乾燥工程の最後で成形体が炉内に密閉(真空)状態にて完全に収納されている状態にて昇温速度50℃/分にて加熱する加熱工程と、予め陶材粉末の組成により想定されている焼成温度に達したらその温度において1分間係留した後に焼成炉に対する電力の供給を停止するという係留工程とから成る真空焼成を行った。その後、この成形体が焼成台に置かれたままの状態にてして、電力の供給が停止された焼成炉を2分間掛けて所定位置まで上昇させながら成形体の冷却を行った。
【0037】
(2)バインダーの粘度測定
23℃の恒温雰囲気中において、バインダーをモールドに充填し、B型粘度計(商品名:B8U形式,東京計器株式会社製)にて、回転数1rpmの条件で回転開始から5分後、指示板の指示値(目盛り)を読み取り、換算定数を1.61×10として測定した測定値を次式に代入し、バインダーの粘度とした。
粘度=測定値×換算定数(1.61×10)/回転数
【0038】
(3)曲げ強さ
陶材粉末とバインダーとを混和したペースト状陶材を、5mm×2mm×25mmの大きさの平板状のモールドに充填し成形体を作製した。この成形体を前記(1)に示した焼成条件と同じ条件にて焼成した。その後、取り出し冷却した成形体を38μmのSiC耐水研磨紙を用いて4mm×1.2mm×22mmの大きさの平板状になるよう注水下で粗研磨し、更に、15μmのSiC耐水研磨紙を用いて表面を注水下で仕上げ研磨してこれを測定試料とした。この測定試料を万能試験機(商品名:オートグラフ,株式会社島津製作所製)を用いて、支点間距離15mm,クロスヘッドスピード1mm/分の条件にて3点曲げ強さを測定した。
【0039】
(4)色調
焼成された陶材の色調は透明性を測定することにより評価した。陶材粉末とバインダーとが混和されたペースト状陶材を、所定のモールドに充填し成形体を作製した。この成形体を前記(1)に示した焼成条件と同じ条件にて焼成した後、38μmのSiC耐水研磨紙を用いて注水下で粗研磨して成形し、更に15μmのSiC耐水研磨紙を用いて注水下で表面研磨し、厚さ1mm,直径10mmの円盤状の試料を作製した。その後、この試料の表面を3.75μmのSiC耐水研磨紙を用いて注水下で鏡面研磨を行い試験試料とした。この試料を分光測色計(商品名:PR−650,ミノルタカメラ株式会社製)により、三刺激値の一つであるY値を測定した。そして、試料の背景を白色標準板にしたときの測定値であるYW値(以下、YW値と言う)と試料の背景に黒色標準板を用いたときの測定値であるYB値(以下、YB値と言う)の各々を測定して、コントラスト比を次式により算出した。
コントラスト比=YB値/YW値
しかして、透明性は上式で得られたコントラスト比を用いて、次式により算出した。
透明性=1−(コントラスト比)=1−YB値/YW値
ここで透明性は0から1の範囲内で変化する数値であり、その値が大きいほど透明性が高いことを示す。従って、焼成後の陶材中において残灰分が多い場合には、その値はより小さくなることになる。
【0040】
(5)滑沢性
陶材粉末とバインダーとが混和されたペースト状陶材を、直径20mm,厚さ2mmのモールドに充填し成形体を作製した。この成形体を前記(1)に示した焼成条件と同じ条件にて焼成した後、この成形体の表面を38μmのSiC耐水研磨紙を用いて注水下で粗研磨し、更に15μmのSiC耐水研磨紙を用いて注水下で仕上げ研磨を行い測定試料とした。また、標準試料として市販の陶材であるトランスルーセントT2(商品名:ジーセラオービット,株式会社ジーシー製)をコンデンス法により前述のモールド(直径20mm,厚さ2mm)に充填し、成形体を作製した。そして、この成形体も前述の成形体(測定試料)と同様の手順にて表面研磨し標準試料とした。測定試料と標準試料との両者を肉眼で観察し、表面気泡の数を確認した。
標準試料に対して、
×:測定試料の表面の気泡数が多い場合
△:気泡数が同等な場合
○:気泡数が少ない場合
として評価した。
【0041】
(6)操作性
市販の金属焼き付け用陶材であるオペークOA3(商品名:ジーセラオービット,株式会社ジーシー製)を直径8mm,高さ6mmの略四角錐形状のモールドにコンデンス法により充填して成形体を作製し、これを所定の焼成条件にて焼成してオペークを得た。次に、ここで得たオペーク上に陶材粉末とバインダーとが混和されたペースト状陶材を築盛してその築盛操作性を評価した。
操作性の評価基準として、
×:陶材の築盛時に陶材の垂れが生じるような場合や、ぱさつき,ひび割れなど生じて賦形しにくい場合
○:前述したような現象が見られない場合
として評価した。
【0042】
(実施例1)
<陶材粉末の調整>
長石:53重量部,珪石:28重量部,アルミナ:6重量部,炭酸水素カリウム:18重量部,炭酸ナトリウム:7重量部、炭酸ナトリウム:7重量部、炭酸マグネシウム:0.1重量部及び炭酸カルシウム:1重量部を乳鉢中にて混合後、これを電気炉内で溶融して均一なガラスを作製し、このガラスをボールミルによって粉砕し粗粉末を得た。この粗粉末を所定温度の電気炉内で結晶化させてリューサイト結晶を析出させた。そして、この結晶を含むガラスを再度ボールミルによって粉砕した後、粗粉末をふるい分けして平均粒径10μm,軟化点700℃の陶材粉末を得た。
【0043】
<バインダーの調整>
蒸留水:97.5重量部中にポリアクリル酸アンモニウム塩:2.5重量部を徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は552,000cpsであった。
【0044】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
前述の調整された陶材粉末:71重量部とバインダー:29重量部とを、23℃の恒温雰囲気中において、約20分間乳鉢中でへら入れを行いながら混和してペースト状陶材を得た。
【0045】
(実施例2)
<バインダーの調整>
蒸留水:97重量部中にグアーガム:3重量部を徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は338,000cpsであった。
【0046】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:26重量部と実施例1の陶材粉末:74重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0047】
(実施例3)
<バインダーの調整>
蒸留水:97重量部中にグアーガム:3重量部を徐々に加えた後、保湿剤として50%ヒアルロン酸水溶液:2重量部を添加した。その後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は301,000cpsであった。
【0048】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:26重量部と実施例1の陶材粉末:74重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
このペースト状陶材は実施例2のペースト状陶材におけるバインダーに保湿剤である50%ヒアルロン酸を2重量部加えたものであり、築盛作業中における保湿性が良好であり、ロングスパンのブリッジのような時間を要する補綴物の築盛作業では、実施例2のペースト状陶材より幾分優れたペースト状陶材であった。
【0049】
(実施例4)
<バインダーの調整>
蒸留水:30重量部中に、1,3−プロパンジオール:1重量部を徐々に加えた後、蒸留水:65重量部中に、ポリアクリル酸:3重量部とエタノールアミン:1重量部とを徐々に加えた後、これらを3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は371,000cpsであった。
【0050】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:25重量部と実施例1の陶材粉末:75重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0051】
(実施例5)
<バインダーの調整>
ポリエチレングリコール(平均分子量200):80重量部と1,2−エタンジオール:5重量部との混合液中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース:13重量部とヒドロキシエチルセルロース:2重量部とを徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は816,000cpsであった。
【0052】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:27重量部と実施例1の陶材粉末:73重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0053】
(実施例6)
<バインダーの調整>
ポリエチレングリコール(平均分子量200):80重量部と1,2−プロパンジオール:3重量部と2−ヒドロキシプロピルメタクリレート:2重量部との混合液中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース:15重量部を徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は583,000cpsであった。
【0054】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:24重量部と実施例1の陶材粉末:76重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0055】
(実施例7)
<バインダーの調整>
ポリエチレングリコール(平均分子量200):80重量部と1,2−プロパンジオール:3重量部と2−ヒドロキシプロピルメタクリレート:2重量部との混合液中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース:15重量部と滑剤としてワックスエマルジョン:1重量部とを徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は439,000cpsであった。
【0056】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:24重量部と実施例1の陶材粉末:76重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
このペースト状陶材は実施例6のペースト状陶材におけるバインダーに滑剤としてワックスエマルジョンを1重量部加えたものであり、築盛器具として用いたスパチュラに対するべとつきが実施例6のペースト状陶材より緩和されていて、操作性において優れたものであった。
【0057】
(実施例8)
<バインダーの調整>
1,3−ブタンジオール:80重量部とポリエチレングリコール(平均分子量200):2重量部との混合液中に、ヒドロキシエチルセルロース:3重量部とヒドロキシプロピルセルロース:15重量部とを徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は688,000cpsであった。
【0058】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:28重量部と実施例1の陶材粉末:72重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0059】
(実施例9)
<バインダーの調整>
1,3−ブタンジオール:65重量部と2―ヒドロキシエチルメタクリレート:17重量部との混合液中に、ポリビニルピロリドン:8重量部とヒドロキシプロピルセルロース:8重量部とヒドロキシプロピルメチルセルロース:2重量部とを徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は780,000cpsであった。
【0060】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:28重量部と実施例1の陶材粉末:72重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0061】
(実施例10)
<バインダーの調整>
1,2−エタンジオール:75重量部と1,3−ブタンジオール:5重量部とポリエチレングリコール(平均分子量200):5重量部との混合液中に、ポリビニルピロリドン:10重量部とヒドロキシプロピルメチルセルロース:5重量部とを徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は415,000cpsであった。
【0062】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:24重量部と実施例1の陶材粉末:76重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0063】
(実施例11)
<バインダーの調整>
1,3−ブタンジオール:80重量部中に、ポリビニルピロリドン:15重量部,ヒドロキシプロピルメチルセルロース:5重量部を徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は725,000cpsであった。
【0064】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:27重量部と実施例1の陶材粉末:73重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0065】
(実施例12)
<バインダーの調整>
1,3−プロパンジオール:87重量部中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース:13重量部を徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は499,000cpsであった。
【0066】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:28重量部と実施例1の陶材粉末:72重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和して、ペースト状陶材を得た。
【0067】
(実施例13)
<バインダーの調整>
蒸留水:97重量部と1,2−エタンジオール:0.5重量部との混合液中に、ポリアクリル酸アンモニウム塩:2.5重量部を徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は397,000cpsであった。
【0068】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:29重量部と実施例1の陶材粉末:71重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0069】
(実施例14)
<バインダーの調整>
2−ヒドロキシエチルメタクリレート:81重量部にヒドロキシプロピルメチルセルロース:5重量部,ヒドロキシエチルセルロース:4重量部,ヒドロキシプロピルセルロース:10重量部とを徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は435,000cpsであった。
【0070】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:25重量部と実施例1の陶材粉末:75重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0071】
(実施例15)
<バインダーの調整>
ポリエチレングリコール(平均分子量200):80重量部と1,2−エタンジオール:5重量部との混合液中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース:8重量部と15%メチルビニルエーテル・無水マレイン酸アンモニウム水溶液:7重量部とを徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は383,000cpsであった。
【0072】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:27重量部と実施例1の陶材粉末:73重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
【0073】
(比較例1)
<バインダーの調整>
蒸留水:97重量部中に、メチルセルロース:3重量部を徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを20分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は12,000cpsであった。
【0074】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:25重量部と実施例1の陶材粉末:75重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和して、ペースト状陶材を得た。
このペースト状陶材は、ぱさつき感が大きく実施例と比較すると操作性が著しく劣るものであった。
【0075】
(比較例2)
<バインダーの調整>
蒸留水95重量部中に、ポリビニルアルコール3重量部とポリエチレンオキサイド2重量部とを徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを20分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は26,000cpsであった。
【0076】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:25重量部と実施例1の陶材粉末:75重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
このペースト状陶材はぱさつき感が大きく、実施例と比較すると操作性が著しく劣るものであった。
【0077】
(比較例3)
<バインダーの調整>
蒸留水:80重量部中に、グアーガム:10重量部とカルボキシメチルセルロース:10重量部と徐々に加えた後、3,500rpmに設定されたホモミキサー中にてこれを40分間攪拌してバインダーを得た。このバインダーの粘度は423,000cpsであった。
【0078】
<陶材粉末とバインダーとの混和>
ここで得たバインダー:50重量部と実施例1の陶材粉末:50重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
このペースト状陶材は垂れが大きいので細かな形態付与が困難であり、実施例と比較すると操作性が著しく劣るものであった。
【0079】
(比較例4)
<陶材粉末とバインダーとの混和>
バインダーとしてのポリエチレングリコール(平均分子量400):35重量部と実施例1の陶材粉末:65重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和してペースト状陶材を得た。
このペースト状陶材は全く伸びがないので形態の付与が困難であり、実施例と比較すると操作性が著しく劣るものであった。
【0080】
(比較例5)
<陶材粉末とバインダーとの混和>
バインダーとしての水:30重量部と実施例1の陶材粉末:70重量部とを、実施例1と同じ条件にて混和した。その後、通法によりコンデンスを行ったが、その操作中には従来と同様の余剰水分の除去などが必要であり、実施例と比較すると操作性が著しく劣るものであった。
【0081】
なお、各実施例及び各比較例に用いたモールドは総て同じものであり、焼成条件も同じである。これら実施例及び比較例において得られた結果は、次の表1にまとめて示す。
【0082】
【表1】
Figure 0003773717
【0083】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、本発明に係る歯科用ペースト状陶材は、予め陶材粉末とバインダーとが混和されているので全く気泡の混入がない状態で提供できるのである。しかも、その使用の都度いちいちコンデンスを行わずに直ぐに使用できるようにされているし、ロングスパンのブリッジなどの大型の補綴物を作製する場合でもその途中で乾燥・硬化したり変形したりすることがないので、所望の形状に短時間で容易に築盛することができるのである。
【0084】
これに加えて、使用時にいちいち陶材粉末と水などの液と混和するわけではないからいつも一定条件で混和された陶材が得られるので焼成後の陶材の色調も容易に把握できるのである。しかも、最終的な陶材の強度や色調に関しても従来の市販の陶材と比較しても何等変わらないのである。しかして、従事者の作業時間の短縮も含め補綴物作製に要するコストを大幅に低減することができ、更にその長期保存も容易なものとなっているのである。
【0085】
また、本発明に係る歯科用ペースト状陶材は習熟のための練習を必要としないから、硬質レジンを築盛する場合と同様の操作にて簡便に使用することができるのである。従って、初心の従事者でも容易に使いこなせるものである。
【0086】
このような種々の効果を奏する本発明に係る歯科用ペースト状陶材は、歯科医療に貢献する価値の非常に大きなものである。

Claims (3)

  1. 2価又は3価のアルコール,ヒドロキシル基の残存したエーテル及びヒドロキシ(メタ)アクリレートから選ばれた一種又は二種以上の有機溶媒及び/又は水に、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール(平均分子量1 , 000〜6 , 000)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、アルギン酸ナトリウム塩、アルギン酸アンモニウム塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、ポリビニルピリドン・マレイン酸共重合体、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体、メチル・ビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、メチル・ビニルエーテル/無水マレイン酸アンモニウム塩、メチル・ビニルエーテル/無水マレイン酸ナトリウム塩、デンプン、ゼラチン、アルギン酸、ポリアクリル酸、カラギーナン、ローカストビーンゴム,グアーガム、アラビアゴム、トラカントゴム、リグニンスルホン酸塩、カードラン、ブルラン、コンニャクマンナン、キシラン、キサンタンガムから選ばれた一種又は二種以上の合成及び/又は天然の親水基を持った高分子材料が溶解されており、23℃の恒温中で回転数1rpmの条件で換算定数を1.61×104として測定した粘度が50,000から1,500,000cpsの値を示すバインダーが7〜45重量部と残部の陶材粉末とで100重量部となるように両者が混合されてペースト状を呈していることを特徴とする歯科用ペースト状陶材。
  2. 陶材粉末の平均粒径が、1μm〜100μmである請求項1に記載の歯科用ペースト状陶材。
  3. 分散剤,界面活性剤,保湿剤,防腐剤,消泡剤及び滑剤から成る1種又は2種以上の添加剤が0.1〜5重量部更に添加されている請求項1又は2に記載の歯科用ペースト状陶材。
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