JP3773457B2 - 携帯可能なテレビ式拡大表示装置 - Google Patents

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哲也 渡辺
文治 渡辺
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大典 中川
芳夫 真渕
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、書籍の文字や写真などの、近距離に置かれた表示対象、あるいは教室の黒板などのある程度の距離をもった表示対象をそれぞれ拡大表示しうるほか、折り畳んで持ち運びができる携帯可能なテレビ式拡大表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のテレビ式拡大表示装置は、書籍や新聞などを拡げて載置する水平資料台と、この水平資料台にレンズを向けたテレビカメラと、このテレビカメラで撮像した画像を表示するモニタを、それぞれ配置位置が変位できないように構成してあって、全体的にかなり大型なものであった。
【0003】
上記従来のテレビ式拡大表示装置は、かなり大型で折り畳むこともできないように構成されていたので、携帯に適さず、その設置場所でしか使用することができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題を解消することを課題とし、この課題を解決した携帯可能なテレビ式拡大表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した本発明は、水平資料台を備えた水平脚部と、この水平脚部の一方端両側にその基端を枢支し、前記水平脚部にほぼ接する伏した状態から立ち上げて所定の立上げ角度で停止しうるように、縦方向に回転変位するとともに固定機構を設けた一対の支持アームと、この各支持アームに縦方向に回転変位するとともに所定位置で停止するように枢支し、前記各支持アームが伏した状態にあると同様に前記水平脚部にほぼ接する伏した状態になる一対のカメラアームと、この各カメラアームの先端側に設けた縦方向及び横方向に回転変位可能であるとともに所定位置で停止可能なテレビカメラと、前記各支持アームにこれらが伸びる方向と同方向に突出入可能かつ縦方向に回転変位可能であるとともに所定位置で停止可能に設け、前記各支持アームが伏した状態にあると同様に前記水平脚部にほぼ接する伏した状態になるモニタアームと、この各モニタアームの先端に設けた縦方向に回転変位可能で所定位置で停止可能なモニタとから構成するものである。
【0006】
また、請求項2に記載した本発明は、請求項1に記載した発明の構成に加えて、カメラアームに補助支持部材を設け、この補助支持部材によって前記カメラアームをより大きな立上げ角度で停止させ、テレビカメラを高位置に変位して支持しうるように構成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面の図1〜図9によって詳細に説明する。ここにおいて、図1はテレビカメラを水平資料台に向けた状態の正面図、図2は同じく平面図、図3は図2のA−A線断面図、図4はテレビカメラを水平方向に向けた状態の平面図、図5は図4のB−B線断面図、図6は水平脚部における要部の部分拡大斜視図、図7はテレビカメラを示す部分拡大斜視図、図8はモニタアームを示す部分拡大斜視図、図9は折り畳んだ状態の部分断面側面図である。
【0008】
図1〜図9に示すように、表示装置1は、XY方向に移動可能な水平資料台2を備えた枠状の水平脚部3と、この水平脚部3の一方端である後端に各基端を枢支し、所定の立上げ角度に設定するように、縦方向に回転変位するよう支持した一対の支持アーム4と、この各支持アーム4に縦方向に回転変位するよう支持した一対のカメラアーム5の先端に設けた取付板6aに支持したテレビカメラ6と、前記支持アーム4に各支持アーム4が伸びる方向と同方向に突出入可能に設けた一対のモニタアーム7の先端に、モニタ枠8aを介して設けたモニタ8とから構成する。
【0009】
図1〜図3に示すように、水平脚部3は、その後端両側において一対の支持アーム4の各基端を枢軸9によって枢支するとともに、その内面両側にそれぞれ断面コ状のレール10を設ける。また、前記水平脚部3の上に配置する水平資料台2は、前記水平脚部3の前記各レール10に案内されて動転するローラを備え、水平脚部3の前後端方向に移動自在である。また、前記水平資料台2は、前記ローラ11の支持軸に沿って両側端方向に移動自在である。さらに、支持アーム4の固定は、支持アーム4に連繋する固定部4aにデンデンボルト12bに螺合するナット12aを締めつけるように構成し、ナット12aを緩めると支持アーム4が回転変位可能となり、ナット12aを締めつけるとその立上げ角度で停止するように構成する。前記固定部4aはデンデンボルト12bに対応する凹入部を備えている。前記固定部4aと、前記デンデンボルト12bと、前記ナット12aによって固定機構を構成する。
【0010】
図3、図5及び図7に示すように、一対のカメラアーム5は、その各一端を各支持アーム4の先端側に掛け渡した横桁13に回転可能に支持され、その他端にテレビカメラ6の取付板6aを掛け渡すように設ける。また、一方のカメラアーム5の中間部位には補助支持部材たる補助アーム14の一端を枢支し、この補助アーム14の他端は、各支持アーム5間を連繋する補助桁15に離脱可能に係合する係合凹部14aを設ける。そして、前記係合凹部14aを補助桁15から外した状態(図3参照)では、カメラアーム5と補助アーム14の各中間部位が補助桁15に乗って、カメラアーム5の先端が支持アーム4の延長線上に位置する状態で停止し、前記係合凹部14aを補助桁15に係合した状態(図5及び図7参照)では、カメラアーム5の立上げ角度がより大きくなってその先端が支持アーム4の先端より上に位置した状態で停止するようになる。
【0011】
図1〜図5及び図7に示すように、テレビカメラ6は、前述の一対のカメラアーム5の各先端側に、縦方向及び横方向に回転変位可能に調整ビス16によって固定した取付板6aの幅方向に伸びる長孔17に裏面側から取付ビス18を挿し込み、テレビカメラ6の底部に螺合させることによって、取り付けるものである。このようにして取付板6aに取り付けたテレビカメラ6は、前記調整ビス16を緩めることによって取付板6aといっしょに縦方向に回転変位し、一方、締めつけることによって位置固定される。また、前記テレビカメラ6は、前記取付ビス18を緩めることによって、これが前記長孔17内で進退移動可能であるとともに、取付ビス18を中心に取付板6aに沿って首振りするように、横方向に回転変位可能となり、一方、前記取付ビス18を締めつけることによって、取付板6aに位置固定されるのである。
【0012】
図1及び図7に示すように、テレビカメラ6のレンズ6bの光軸a上には、補助レンズ枠19aの円孔19b部分と他の部分との間を摘み19cを持ってスライド移動可能となし、前記円孔19b部分に位置するときに前記光軸a上に変位しうる補助レンズ19を設ける(図6参照)。この補助レンズ19は、水平資料台2上の書籍などの近距離のものを表示対象とするときに上記のように円孔19b部分に変位させ(図1参照)、黒板などのある程度の距離をもったものを表示対象とするときには、前記光軸aから外すべく補助レンズ枠19a内を円孔19bの位置からずらすように変位させるのである。
【0013】
図1〜図5及び図8に示すように、一対のモニタアーム7は、その長手方向に伸びるように設けたガイド溝20を、各支持アーム4から内側に向けてそれぞれ突設した枢支軸21に移動可能、かつ縦方向に回転変位可能に嵌合し、その先端にモニタ8を支持したモニタ枠8aを、調整ビス22によって取り付けてある。また、両方のモニタアーム7の各中間部位の下側には、補助桁15に載った状態でこれに係合する切込23をそれぞれ設ける(図8参照)。このように構成したモニタアーム7は、表示装置1を使用するときに、ガイド溝20の基端を枢支軸21に当接させるとともに、各切込23を補助桁15に係合することによって、前記突出した停止状態を維持し、また、持ち運びするときには、各切込23を補助桁15から外し、前記ガイド溝20の先端側に枢支軸21が位置するようにして突入させて伏せるものである。
【0014】
図1〜図5に示すように、モニタ8のモニタ枠8aは、前述の一対のモニタアーム7の各先端に、縦方向に回転変位可能に調整ビス22によって取り付けるものである。このようにして取り付けたモニタ枠8aは、調整ビス22を緩めることによって、縦方向に回転変位して使用者の目線に画面を合わせ、一方、締めつけることによって位置固定されるものである。
【0015】
図3、図5及び図9において、符号24は、テレビカメラ6及びモニタ8に電源を供給するための電源線、符号25は、テレビカメラ6及びモニタ8を動作させるための電子回路、符号26は、前記電子回路25と図示しない制御盤を電気的に連繋するための信号線である。前記制御盤には各種スイッチなどが配置され、弱視者が手元においてテレビカメラ6やモニタ8を操作するためのものである。
【0016】
次に、上記表示装置1の使用方法を説明する。表示装置1は、例えば、視力の弱い学生などの弱視者が水平資料台2に置いた書籍などを読む場合と、教室で黒板の文字などを読む場合があるが、始めに書籍などを読む場合について説明する。先ず、水平脚部3を机などの上に載置し、各支持アーム4を回転変位させて所定角度に立上げ、ナット12aを持ってデンデンボルト12bを、各支持アーム4基端の固定部4aの凹入部に挿し込み、前記ナット12aを締めつけて固定し、前記立上げ角度を強固に維持する。続いて、ガイド溝20の基端に枢支軸21を当接させることによって、モニタアーム7を支持アーム4の先端より外側に突出させる(図8参照)とともに、両方の切込23を補助桁15に係合して、図1〜図3の状態とする。また、電源を入れて書籍などをこの水平資料台2に拡げて置き、調整ビス16、取付ビス18を緩めた状態にて、カメラアーム5を回転変位させ、補助桁15に載せるとともに、テレビカメラ6の取付板13を回転変位して、テレビカメラ6のレンズ6bの光軸aを下方の水平資料台2に向け、水平資料台2上の書籍までの距離と、光軸aの方向とを調整した後に前記調整ビス16、前記取付ビス18を締めつけて位置固定する(図3参照)。そして、前記書籍を読んでいる際に、その読む部位をXY方向(前後左右)に移動させたいときには、水平資料台2を押したり引いたりして、ローラ11をレール10上で動転させたり、ローラ11の支持軸に沿って移動させることによって、水平資料台2をXY方向に任意に移動させる(図6参照)。
【0017】
続いて、前記黒板の文字を読む場合は、前述の書籍を読む場合と同様に、所定の立上げ角度に立上げ、モニタアーム7を図4〜図5の状態(この状態は前記図1〜図3と同じ状態)とする。また、カメラアーム5を回転変位させるとともに、補助アーム14の下端の係合凹部14aを補助桁15に係合させて、テレビカメラ6を高い位置に立ち上げ、その取付板13を回転変位して、テレビカメラ6のレンズ6bの光軸aをほぼ水平にして黒板方向に向けるとともに、補助レンズ19を摘み19cの操作でスライドさせ円孔19bの位置から外し、前述の書籍を読む場合と同様に、黒板などに書かれた文字の位置に合わせて、テレビカメラ6の向きを調整する。
【0018】
次に、表示装置1の畳み方を図9を用いて説明する。先ず、水平資料台2を水平脚部3の後端側(支持アーム4の基端側)に突入させるとともに、ナット12aを操作して緊締状態を緩め支持アーム4を前記水平脚部3に重なるように畳む。続いて、カメラアーム5を横桁13を中心に図3の状態からほぼ180度回転変位させてテレビカメラ6を水平脚部3の後端側に変位させるとともに、モニタアーム7を、枢支軸21に嵌合しているガイド溝20内を移動させてガイド溝20の先端側に位置させることによって、モニタ8を水平脚部3の後端側に変位させる(図9の状態)。そして、この図9の状態となった表示装置1を、制御盤(図示せず)といっしょにケース(図示せず)に収納し、携帯可能とする。
【0019】
なお、表示装置1は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、例えば、支持アーム4は板材を用いずパイプ材を用いて構成してもよいほか、補助レンズ19をテレビカメラ6のレンズ6bの光軸a上あるいは該光軸aから外れた位置とに変位させる機構は、上記実施形態のようにスライド式ではなく、補助レンズ19を設けた補助レンズ枠19aを扉状に開閉させる機構を用いてもよい。また、支持アーム4などに水平資料台2上を照らすライトを配置してもよい。さらに、カメラ6をモニタ8より高い位置に支持して、後方を写すように構成してもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明によれば、折り畳み状態において、水平脚部と支持アームとを重ねるように折り畳むとともに、カメラアームを回転変位してテレビカメラの位置を反転させ、かつモニタアームを縮め、全体をコンパクトに折り畳みうるので、携帯することができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項2に記載した本発明によれば、請求項1に記載した発明の効果に加えて、手元の表示対象である書籍などだけでなく、ある程度の距離をもった表示対象、例えば教室の黒板などを拡大表示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレビカメラを水平資料台に向けた状態の正面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】テレビカメラを水平方向に向けた状態の正面図。
【図5】図4のB−B線断面図。
【図6】水平脚部における要部の部分拡大斜視図。
【図7】テレビカメラを示す部分拡大斜視図。
【図8】モニタアームを示す部分拡大斜視図。
【図9】折り畳んだ状態の側面図。
【符号の説明】
1 表示装置
2 水平資料台
3 水平脚部
4 支持アーム
4a 固定部
5 カメラアーム
6 テレビカメラ
6a 取付板
6b レンズ
7 モニタアーム
8 モニタ
8a モニタ枠
9 枢軸
10 レール
11 ローラ
12a ナット
12b デンデンボルト
13 横桁
14 補助アーム
14a 係合凹部
15 補助桁
16 調整ビス
17 長孔
18 取付ビス
19a 補助レンズ枠
19b 円孔
19c 摘み
19 補助レンズ
20 ガイド溝
21 枢支軸
22 調整ビス
23 切込
24 電源線
25 電子回路
26 信号線

Claims (2)

  1. 水平資料台を備えた水平脚部と、この水平脚部の一方端両側にその基端を枢支し、前記水平脚部にほぼ接する伏した状態から立ち上げて所定の立上げ角度で停止しうるように、縦方向に回転変位するとともに固定機構を設けた一対の支持アームと、この各支持アームに縦方向に回転変位するとともに所定位置で停止するように枢支し、前記各支持アームが伏した状態にあると同様に前記水平脚部にほぼ接する伏した状態になる一対のカメラアームと、この各カメラアームの先端側に設けた縦方向及び横方向に回転変位可能であるとともに所定位置で停止可能なテレビカメラと、前記各支持アームにこれらが伸びる方向と同方向に突出入可能かつ縦方向に回転変位可能であるとともに所定位置で停止可能に設け、前記各支持アームが伏した状態にあると同様に前記水平脚部にほぼ接する伏した状態になるモニタアームと、この各モニタアームの先端に設けた縦方向に回転変位可能で所定位置で停止可能なモニタとから構成する携帯可能なテレビ式拡大表示装置。
  2. カメラアームに補助支持部材を設け、この補助支持部材によって前記カメラアームをより大きな立上げ角度で停止させ、テレビカメラを高位置に変位して支持しうるように構成したことを特徴とする請求項1に記載した携帯可能なテレビ式拡大表示装置。
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