JP3773303B2 - 部品供給部位置決め方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のパーツカセットを搭載した供給テーブルを移動させて所望のパーツカセットを供給位置に位置決する部品供給部位置決め方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、部品実装機は高速性と高生産性が追求され、供給テーブルが移動する高速実装機においては、供給テーブルをどれだけ速く位置決めし、いかに実装スピードを下げることなく様々な部品を供給できるかが課題となっている。このため、供給テーブルを高速で移動させ位置決めを行う技術が発達してきている。
【0003】
この種の部品実装機は、図9、図10に示すように、テーピングされた部品23をb方向に1個ずつ送り出すパーツカセット22と、複数のパーツカセット22を搭載した供給テーブル21と、所望のパーツカセット22が供給位置dに位置するように前記供給テーブル21をa方向に移動させ位置決めする制御手段と、前記供給位置dに送り出された部品23を吸着し、実装位置へ搬送し、X、Y方向に移動して位置決めされる基板Aへ実装するロボットBとを有する。
【0004】
以下、従来の部品供給部位置決め方法について図面を参照しながら説明する。
【0005】
従来の制御手段は、図11に示すブロック図のように、供給テーブル21を図3の(a)に示す加速−定速−減速の時間−速度パターンに従って移動させるサーボモータ1と、サーボモータ1を駆動するモータドライバ17と、モータドライバ17を制御すると共に記憶回路19を備えたコントローラ18とを有する。
【0006】
記憶回路19には、位置決め位置を含む部品供給プログラムと、相対移動距離と適用加速度とが対応したデータ表とが記憶されている。ここで、相対移動距離とは、供給テーブル21の現在位置と次の位置決め位置の間の距離であり、適用加速度とは、図3の加速領域及び減速領域において適用される加速度(減速度)をいう。尚、減速度は加速度と絶対値が同一になるように設定されることが一般であるので、適用加速度という言葉で適用される加速度と減速度の両者を代表させている。
【0007】
従来の部品供給部位置決め方法において、図12に示すように、コントローラ18は、ステップ#1で記憶回路19から次の位置決め位置を読み出し、ステップ#2で現在位置から相対移動距離を算出し、ステップ#3でこの相対移動距離を引数としてデータ表から適用加速度を検索し、ステップ#4で適用加速度をモータドライバ17へ出力する。ステップ#5でモータドライバ17がサーボモータ1を前記図3の(a)に示すような時間−速度パターンに従って駆動し供給テーブル21を位置決めし、ステップ#6で供給位置dにおいてパーツカセット22からロボットBへ部品23を供給する。ステップ#7でロボットBは基板Aに部品23を実装する。こうして、部品供給プログラムに従いステップ#1〜#7を繰り返し、部品供給を行い実装する。ここで、相対移動距離が大きい場合は適用加速度を大きくするといった方法を採ることによって、位置決め動作の高速化を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような方法では、搭載するパーツカセット22の数量の変更あるいは装填されている部品23の重量の変化による供給テーブル21上の重量の変化、すなわち負荷の変更あるいは変化に適切に対応できない。従って、供給テーブル21に重量の大きい部品23が多数搭載されている場合に適用加速度を高く設定すると、加速時あるいは減速時においてサーボモータ1の電流がサーボモータ1の許容値を超えるという問題点があった。加えて前記の場合のように慣性質量の大きな供給テーブル21を急激に減速させると、停止時の振動が大きくなり、供給位置dでロボットBによる部品23の吸着ミスが起こるという問題点もあった。ここで、変動する負荷状態に合わせて手動で頻繁に適用加速度を設定し直すことは、その設定の精度、作業性及び稼働率等を考慮すると現実的ではなかった。従って従来は、過負荷状態を避けるために最大負荷状態を想定して適用加速度を余裕をもって低めに設定していたので、軽負荷時にはサーボモータ1の電流に大きな余裕がありながら高速な動作がなされていなかった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、供給テーブルの負荷状態が変動しても、それに対応した最適なモータの加減速制御を実現することにより、供給テーブルを高速で移動させることができ、かつ位置決め完了時の停止振動を抑えることができる部品供給部位置決め方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明は、上記目的を達成するために、テーピングされた部品を1個ずつ送り出すパーツカセットを複数搭載した供給テーブルを、制御手段で制御しつつ駆動モータで移動させて、所望の前記パーツカセットが部品供給位置に位置するように順次位置決めする部品供給部位置決め方法において、前記供給テーブルの原点復帰動時に、前記供給テーブルを予め設定された時間−速度パターンに従って移動させるチューニング動作を行い、そのチューニング動作中の前記駆動モータの電流を計測し、前記電流の最大値である電流ピーク値を求め、前記制御手段に予め記憶された電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表から前記電流ピーク値を引数として適用加速度を検索し、この適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って前記供給テーブルを移動させることを特徴とする。
【0011】
本願の第1発明によれば、供給テーブルの負荷状態が変化しても、供給テーブルのチューニング動作における電流ピーク値から負荷状態の変化を推定し、それに対応した適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って、供給テーブルの加減速制御をすることができるので、駆動モータに過大な電流を印加せずに供給テーブルの位置決めを高速にできると共に、位置決め完了時の停止振動を抑えることができる。又、チューニング動作を供給テーブルの原点復帰動時に行うので、基板実装工程を停止させることなく上記の作用効果を得ることができる。
【0012】
本願の第1発明において、チューニング動作を、基板が1枚又は複数枚実装完了する度に実行すると、細かな負荷状態の変化に対応した最適な加減速制御を実現することができる。
【0013】
本願の第1発明において、チューニング動作を電源投入時と部品供給プログラム変更時と部品切れ発生後の部品交換時のみに実行すると、チューニング動作の頻度を減らすことができるので、チューニング動作に伴う時間増加を減らすことができると共に、負荷状態の変化が大きいと思われるときに効果的に最適な加減速制御を行うことができる。
【0014】
本願の第1発明において、制御手段を構成するモータドライバでチューニング動作中の駆動モータの電流から電流ピーク値を求めると、制御手段の演算処理を前記モータドライバに分担させることができ、制御手段のコントローラの処理負担を軽減できるので、チューニング動作に伴う処理時間の増加を減らすことができる。
【0015】
本願の第1発明において、制御手段を構成するモータドライバで、チューニング動作中の駆動モータの電流から電流ピーク値を求め、前記モータドライバに予め記憶された電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表からこの電流ピーク値を引数として適用加速度を検索すると、制御手段の演算処理及び検索処理を前記モータドライバに分担させることができ、制御手段のコントローラの処理負担をより一層軽減できるので、チューニング動作に伴う処理時間の増加を更に減らすことができる。
【0016】
本願の第2発明は、テーピングされた部品を1個ずつ送り出すパーツカセットを複数搭載した供給テーブルを、制御手段で制御しつつ駆動モータで移動させて、所望の前記パーツカセットが部品供給位置に位置するように順次位置決めする部品供給部位置決め方法において、前記供給テーブルの原点復帰動時に、前記供給テーブルを予め設定された時間−速度パターンに従って移動させるチューニング動作を行い、そのチューニング動作中の前記駆動モータの電流を計測し、前記電流のの時間積分である電流積分値を求め、前記制御手段に予め記憶された電流積分値と適用加速度とが対応したデータ表から前記電流積分値を引数として適用加速度を検索し、この適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って前記供給テーブルを移動させることを特徴とする。
【0017】
本願の第2発明によれば、供給テーブルの負荷状態が変化しても、供給テーブルのチューニング動作における電流積分値から負荷状態の変化を推定し、それに対応した適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って、供給テーブルの加減速制御をすることができるので、上記第1発明と同様の作用効果が得られると共に、前記適用加速度の決定に際し、チューニング動作中全時間に渡る情報を反映させることにより負荷状態をより正確に推定することができるので、チューニング動作の移動時間を削減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
本発明の第1の実施形態における制御手段は、図1に示すように、供給テーブル21を移動させるサーボモータ1と、サーボモータ1の電流を計測する電流計3を備えると共にサーボモータ1を駆動するモータドライバ2と、モータドライバ2を制御するコントローラ4とを有する。
【0020】
コントローラ4は、モータドライバ2から送信される電流値から図3(b)に示す電流ピーク値を求める演算回路7を備えると共にモータドライバ2と記憶回路5とへ制御指令を出す中央処理回路(以降CPUと称す)6と、記憶回路5とを有する。記憶回路5には、供給テーブル21の位置決め位置を含む部品供給プログラムと、チューニング動作時に供給テーブル21を移動させる時間−速度パターンと、電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表とが記憶されている。チューニング動作時に供給テーブル21を移動させる時間−速度パターンは、表1及び図3(a)に示すような予め設定された加速、定速及び減速の時間パターンである。
【0021】
電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表は、表2に示すように、サーボモータ1の電流ピーク値の許容値を100%とした百分率を10分割したものと、夫々に対して適用加速度を1つずつ実験的に決定して対応させた表である。
【0022】
表2に示したデータ表は、図3(c)、(d)に示すように、負荷や加速度の変化によりサーボモータ1に加わる電流ピーク値が変化することと、停止時の振動による影響とが考慮されて設定されたものである。すなわち、変化する負荷に対応して、サーボモータ1に加わる電流値がその許容値に近いが越えない値になるように、かつロボットBが部品23の吸着ミスをしないように、最大の加速度が設定されたものである。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
第1の実施形態の部品供給部位置決め方法を図1、図2に基づいて以下に説明する。ステップ#1で部品供給に先立ち供給テーブル21の原点復帰を行う。ステップ#2でコントローラ4において記憶回路5からチューニング動作の時間−速度パターン(表1)を読み出し、モータドライバ2へ指令を出す。ステップ#3で供給テーブル21が移動するが、その際のサーボモータ1の電流は図3の(b)に示すように加速時に最大となる。ステップ#4でコントローラ4において、計測された電流値からこの最大値である電流ピーク値を求める。ステップ#5でその電流ピーク値を引数として表2のデータ表から適用加速度を検索し、ステップ#6でモータドライバ2へ指令を出す。ステップ#7で一つの基板Aへの部品23の供給と実装が終わるまで供給テーブル21の移動はステップ#6で設定された適用加速度を用いて行われる。一つの基板実装が終わると、ステップ#1の原点復帰へ戻り、こうしてステップ#1〜#7が繰り返され、基板実装毎に、供給テーブル21において変化する負荷に対応した最適な加速度が適用されて位置決めされる。
【0026】
以上のように第1の実施形態によれば、供給テーブル21の負荷状態が変化しても、供給テーブル21のチューニング動作における電流ピーク値から負荷状態の変化を推定し、それに対応した適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って供給テーブル21の加減速制御をすることができるので、サーボモータ1に過大な電流を印加せずに供給テーブル21の位置決めを高速にできると共に、位置決め完了時の停止振動を抑えることができる。又、チューニング動作を供給テーブル21の原点復帰動時に行うので、基板実装工程を停止させることなく上記の作用効果を得ることができる。更に、このチューニング動作を基板が1枚又は複数枚実装完了する度に実行するので、細かな負荷状態の変化に対応した最適な加減速制御を実現することができる。
【0027】
本発明の第2の実施形態における制御手段は、第1の実施形態における制御手段と同一である。
【0028】
第2の実施形態の部品供給部位置決め方法を図2、図4に基づいて以下に説明する。ステップ#1で部品供給に先立ち供給テーブル21の原点復帰を行う。ステップ2で、電源投入後初めての部品供給か否かを判断し、初めての部品供給であればチューニング動作(ステップ#6〜#10)の後基板実装(ステップ#4)に移行する。電源投入後初めてでない場合、ステップ#3にて部品供給プログラムが変更されたか否かを判断し、変更されているとチューニング動作(ステップ#6〜#10)の後基板実装(ステップ#4)に移行する。これは、部品供給プログラムが変更されていると供給テーブル21に搭載されている部品23あるいはパーツカセット22の数量が変化している可能性があるためである。又、ステップ#4実行後又は実行中に実装に使用している部品23が部品切れになり、部品交換が行われた場合(ステップ#5)部品交換完了後、チューニング動作(ステップ#6〜#10)を行いその後基板実装に戻る。
【0029】
以上のように第2の実施形態によれば、チューニング動作を電源投入時と部品供給プログラム変更時と部品切れ発生後の部品交換時のみに実行するので、チューニング動作の頻度を減らすことができ、チューニング動作に伴う時間増加を減らすことができると共に、負荷状態の変化が大きいと思われるときに効果的に最適な加減速制御を行うことができる。
【0030】
本発明の第3の実施形態における制御手段は、図5に示すように、供給テーブル21を移動させるサーボモータ1と、サーボモータ1を駆動するモータドライバ8と、モータドライバ8を制御するコントローラ9とを有する。
【0031】
モータドライバ8は、サーボモータ1の電流を計測する電流計3と、電流計3からの電流値から電流ピーク値を求める演算回路11とを有する。コントローラ9は、モータドライバ2と記憶回路5とへ制御指令を出すCPU10と、記憶回路5とからなる。記憶回路5には、供給テーブル21の位置決め位置を含む部品供給プログラムと、チューニング動作時に供給テーブル21を移動させる時間−速度パターン(表1)と、電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表(表2)とが記憶されている。
【0032】
第3の実施形態の部品供給部位置決め方法を図2、図5に基づいて以下に説明する。ステップ#1で部品供給に先立ち供給テーブル21の原点復帰を行う。ステップ#2でコントローラ9において記憶回路5からチューニング動作の時間−速度パターン(表1)を読み出し、モータドライバ8に指令を出し、ステップ#3で供給テーブル21が移動する。ステップ#4でモータドライバ8内部の演算回路11において、電流計3で計測された電流値から電流ピーク値を求め、この電流ピーク値をコントローラ9に送信する。ステップ#5で前記の電流ピーク値を引数にデータ表(表2)から適用加速度を検索し、ステップ#6でモータドライバ8へ指令を出す。ステップ#7で一つの基板Aへの部品23の供給と実装が終わるまで供給テーブル21の移動はステップ#6で設定された適用加速度を用いて行われる。一つの基板実装が終わると、ステップ#1の原点復帰へ戻り、こうしてステップ#1〜#7が繰り返され、基板実装毎に、供給テーブル21において変化する負荷に対応した最適な加速度が適用されて位置決めされる。
【0033】
以上のように第3の実施形態によれば、制御手段を構成するモータドライバ8でチューニング動作中の駆動モータ1の電流から電流ピーク値を求めることにより、制御手段の演算処理を前記モータドライバ8に分担させることができ、制御手段のコントローラ9の処理負担を軽減できるので、チューニング動作に伴う処理時間の増加を減らすことができる。
【0034】
本発明の第4の実施形態は、図6に示すように、供給テーブル21を移動させるサーボモータ1と、サーボモータ1を駆動するモータドライバ12と、モータドライバ12を制御するコントローラ13とを有する。
【0035】
モータドライバ12は、サーボモータ1の電流を計測する電流計3と、電流計3からの電流値から電流ピーク値を求める演算回路11と、記憶回路16とを有する。この記憶回路16には、電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表(表2)が記憶されている。
【0036】
コントローラ13は、モータドライバ2と記憶回路5とへ制御指令を出すCPU15と、記憶回路14とからなる。この記憶回路14には、供給テーブル21の位置決め位置を含む部品供給プログラムと、チューニング動作時に供給テーブル21を移動させる時間−速度パターン(表1)とが記憶されている。
【0037】
第4の実施形態の部品供給部位置決め方法を図2、図6に基づいて以下に説明する。ステップ#1で部品供給に先立ち供給テーブル21の原点復帰を行う。ステップ#2でコントローラ13において記憶回路14からチューニング動作の時間−速度パターン(表1)を読み出し、モータドライバ12へ指令を出し、ステップ#3で供給テーブル21が移動する。ステップ#4でモータドライバ12内部の演算回路11において、電流計3で計測された電流値から電流ピーク値を求める。ステップ#5で前記の電流ピーク値を引数に記憶回路16のデータ表(表2)から適用加速度を検索し、コントローラ13へ今後使用する適用加速度を送信する。ステップ#6でコントローラ13がモータドライバ16へ指令を出す。
【0038】
ステップ#7で一つの基板Aへの部品23の供給と実装が終わるまで供給テーブル21の移動はステップ#6で設定された適用加速度を用いて行われる。一つの基板実装が終わると、ステップ#1の原点復帰へ戻り、こうしてステップ#1〜#7が繰り返され、基板実装毎に、供給テーブル21において変化する負荷に対応した最適な加速度が適用されて位置決めされる。
【0039】
以上のように第4の実施形態によれば、制御手段を構成するモータドライバ12で、チューニング動作中の駆動モータ1の電流から電流ピーク値を求め、前記モータドライバ12に予め記憶された電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表からこの電流ピーク値を引数として適用加速度を検索することにより、制御手段の演算処理及び検索処理を前記モータドライバ12に分担させることができ、制御手段のコントローラ13の処理負担をより一層軽減できるので、チューニング動作に伴う処理時間の増加を更に減らすことができる。
【0040】
本発明の第5の実施形態における制御手段は、図1に示した第1の実施形態における制御手段の構成とほぼ同一である。ただし、コントローラ4は、モータドライバ2から送信される電流値から電流積分値を求める演算回路7を備えており、記憶回路5には、前記電流積分値と適用加速度とが対応したデータ表とが記憶されている。
【0041】
第5の実施形態の部品供給部位置決め方法を図1、図7に基づいて以下に説明する。ステップ#1で部品供給に先立ち供給テーブル21の原点復帰を行う。ステップ#2でコントローラ4において記憶回路5からチューニング動作の時間−速度パターン(表1)を読み出し、モータドライバ2へ指令を出す。ステップ#3で供給テーブル21が移動するが、その際のサーボモータ1に対する出力電流は、図8(b)に示すように、負荷及び加速度の変化によって電流値の時間変化曲線が変化する。ステップ#4ではコントローラ4において、電流計3で計測された電流の時間積分である電流積分値を求める。すなわち、前述の電流値の時間変化曲線と時間軸に囲まれた面積の合計を求める。ステップ#5で前記の電流積分値を引数にデータ表から適用加速度を検索し、コントローラ4へ今後使用する適用加速度を送信する。ステップ#6でコントローラ4がモータドライバ2へ指令を出す。ステップ#7で一つの基板Aへの部品23の供給と実装が終わるまで供給テーブル21の移動はステップ#6で設定された適用加速度を用いて行われる。一つの基板実装が終わると、ステップ#1の原点復帰へ戻り、こうしてステップ#1〜#7が繰り返され、基板実装毎に、供給テーブル21において変化する負荷に対応した最適な加速度が適用されて位置決めされる。
【0042】
以上のように第5の実施形態によれば、供給テーブル21の負荷状態が変化しても、供給テーブル21のチューニング動作における電流積分値から負荷状態の変化を推定し、それに対応した適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って、供給テーブル21の加減速制御をすることができるので、上記第1の実施形態と同様の作用効果が得られると共に、前記適用加速度の決定に際し、チューニング動作中全時間に渡る情報を反映させることにより負荷状態をより正確に推定することができるので、チューニング動作の移動時間を削減することができる。
【0043】
【発明の効果】
本願の第1発明によれば、供給テーブルの負荷状態が変化しても、供給テーブルのチューニング動作における電流ピーク値から負荷状態の変化を推定し、それに対応した適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って、供給テーブルの加減速制御をすることができるので、駆動モータに過大な電流を印加せずに供給テーブルの位置決めを高速にできると共に、位置決め完了時の停止振動を抑えることができる。又、チューニング動作を供給テーブルの原点復帰動時に行うので、基板実装工程を停止させることなく上記の作用効果を得ることができる。
【0044】
本願の第1発明において、チューニング動作を、基板が1枚又は複数枚実装完了する度に実行すると、細かな負荷状態の変化に対応した最適な加減速制御を実現することができる。
【0045】
本願の第1発明において、チューニング動作を電源投入時と部品供給プログラム変更時と部品切れ発生後の部品交換時のみに実行すると、チューニング動作の頻度を減らすことができるので、チューニング動作に伴う時間増加を更に減らすことができると共に、負荷状態の変化が大きいと思われるときに効果的に最適な加減速制御を行うことができる。
【0046】
本願の第1発明において、制御手段を構成するモータドライバでチューニング動作中の駆動モータの電流から電流ピーク値を求めると、制御手段の演算処理を前記モータドライバに分担させることができ、制御手段のコントローラの処理負担を軽減できるので、チューニング動作に伴う処理時間の増加を減らすことができる。
【0047】
本願の第1発明において、制御手段を構成するモータドライバで、チューニング動作中の駆動モータの電流から電流ピーク値を求め、前記モータドライバに予め記憶された電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表からこの電流ピーク値を引数として適用加速度を検索すると、制御手段の演算処理及び検索処理を前記モータドライバに分担させることができ、制御手段のコントローラの処理負担をより一層軽減できるので、チューニング動作に伴う処理時間の増加を更に減らすことができる。
【0048】
本願の第2発明によれば、供給テーブルの負荷状態が変化しても、供給テーブルのチューニング動作における電流積分値から負荷状態の変化を推定し、それに対応した適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って、供給テーブルの加減速制御をすることができるので、上記第1発明と同様の作用効果が得られると共に、前記適用加速度の決定に際し、チューニング動作中全時間に渡る情報を反映させることにより負荷状態をより正確に推定することができるので、チューニング動作の移動時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における制御構成ブロック図。
【図2】第1の実施形態における動作フローを示すフローチャート。
【図3】第1の実施形態及び従来実施例における時間−速度パターンと電流ピーク値を説明する線図で、(a)は時間−速度パターン、(b)は時間−電流パターンと電流ピーク値との対比、(c)は負荷が変化した場合の時間−電流パターン、(d)は加速度を変化させた場合の時間−電流パターンを夫々示す線図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における動作フローを示すフローチャート。
【図5】本発明の第3の実施形態における制御構成ブロック図。
【図6】本発明の第4の実施形態における制御構成ブロック図。
【図7】本発明の第5の実施形態における動作フローを示すフローチャート。
【図8】第5の実施形態における電流積分値を説明する線図で、(a)は時間−速度パターンを示す線図、(b)は時間−電流パターンと電流積分値との対比を説明する線図。
【図9】パーツカセットの搭載形態を示す斜視図。
【図10】供給テーブルの位置決めを説明する概念図。
【図11】従来例の制御構成ブロック図。
【図12】従来例の動作フローを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 サーボモータ
2 モータドライバ
3 電流計
4 コントローラ
5 記憶回路
6 CPU
7 演算回路
21 供給テーブル
22 パーツカセット
23 部品
d 部品供給位置
Claims (6)
- テーピングされた部品を1個ずつ送り出すパーツカセットを複数搭載した供給テーブルを、制御手段で制御しつつ駆動モータで移動させて、所望の前記パーツカセットが部品供給位置に位置するように順次位置決めする部品供給部位置決め方法において、
前記供給テーブルの原点復帰動時に、前記供給テーブルを予め設定された時間−速度パターンに従って移動させるチューニング動作を行い、そのチューニング動作中の前記駆動モータの電流を計測し、前記電流の最大値である電流ピーク値を求め、前記制御手段に予め記憶された電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表から前記電流ピーク値を引数として適用加速度を検索し、この適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って前記供給テーブルを移動させることを特徴とする部品供給部位置決め方法。 - チューニング動作を、基板が1枚又は複数枚実装完了する度に実行することを特徴とする請求項1記載の部品供給部位置決め方法。
- チューニング動作を、電源投入時と部品供給プログラム変更時と部品切れ発生後の部品交換時のみに実行することを特徴とする請求項1記載の部品供給部位置決め方法。
- 制御手段を構成するモータドライバでチューニング動作中の駆動モータの電流から電流ピーク値を求めることを特徴とする請求項1、2又は3記載の部品供給部位置決め方法。
- 制御手段を構成するモータドライバで、チューニング動作中の駆動モータの電流から電流ピーク値を求め、前記モータドライバに予め記憶された電流ピーク値と適用加速度とが対応したデータ表からこの電流ピーク値を引数として適用加速度を検索することを特徴とする請求項1、2又は3記載の部品供給部位置決め方法。
- テーピングされた部品を1個ずつ送り出すパーツカセットを複数搭載した供給テーブルを、制御手段で制御しつつ駆動モータで移動させて、所望の前記パーツカセットが部品供給位置に位置するように順次位置決めする部品供給部位置決め方法において、
前記供給テーブルの原点復帰動時に、前記供給テーブルを予め設定された時間−速度パターンに従って移動させるチューニング動作を行い、そのチューニング動作中の前記駆動モータの電流を計測し、前記電流の時間積分である電流積分値を求め、前記制御手段に予め記憶された電流積分値と適用加速度とが対応したデータ表から前記電流積分値を引数として適用加速度を検索し、この適用加速度を用いた時間−速度パターンに従って前記供給テーブルを移動させることを特徴とする部品供給部位置決め方法。
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1996
- 1996-08-19 JP JP21717696A patent/JP3773303B2/ja not_active Expired - Fee Related
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