JP3772667B2 - 記録媒体装着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録媒体装着装置に係り、特にディスク状記録媒体を直接挿入するスロットイン方式の記録媒体装着装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばディスク状の記録媒体が装着されるCD−ROM装置等の記録再生装置では、ディスク状記録媒体を装着またはイジェクトするための記録媒体装着装置が設けられている。この記録媒体装着装置としては、▲1▼ディスク状記録媒体が載置されるトレーを有し、トレーを前後方向に移動させてディスク状記録媒体を装着またはイジェクトするトレー方式と、▲2▼ディスク状記録媒体を直接挿入して装着またはイジェクトするスロットイン方式とがある。
【0003】
トレー方式の場合、トレーの底面または側面にラックが形成されており、ラックに噛合するピニオンをモータで駆動することによりトレーをイジェクト位置または装着位置に移動させるように構成されている。
【0004】
また、スロットイン方式の場合、ディスク挿入口の内側にディスク状記録媒体を保持するローラと、ローラを支持するローディングアームとが設けられており、ディスク状記録媒体がディスク挿入口に挿入されてローラに保持された状態でローディングアームが挿入方向に回動してディスク状記録媒体を所定の装着位置に移動させる。また、イジェクト時は、ローディングアームがイジェクト方向に回動してディスク状記録媒体をディスク挿入口から排出させる。
【0005】
そして、停電等によりモータが駆動できない場合、手動操作によりディスク状記録媒体を取り出すことになるが、トレー方式の構成では、トレーのロックを解除すればトレーを手動で引き出すことができるようになっている。
【0006】
これに対し、スロットイン方式の構成では、ローディングアームをイジェクト方向に回動させる必要があり、手動操作によりローディングアームを駆動することになる。従来のスロットイン方式に用いられた手動式イジェクト方法としては、例えば特開平3−286467号公報にみられるように、細長い軸を前面パネルの小孔から挿入し、細長い軸を手動で回転させることにより装置奥部に設けられたモータ軸のギヤに噛合する他のギヤを回転させる構成のものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載された手動式のイジェクト方法では、細長い軸を手動で回転させてモータ軸をイジェクト方向に回転させるが、減速ギヤを介してローディングアームをイジェクト方向に回動させる構成であるので、細長い軸を相当回転させる必要があり、ローディングアームをイジェクト方向に回動させてディスク状記録媒体をディスク挿入口から排出させるまでにかなりの時間と手間を要するといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決した記録媒体装着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では、以下のような特徴を有する。
【0010】
本発明は、ディスク状記録媒体が挿入される挿入口と、
該挿入口から挿入されたディスク状記録媒体を引き込み、イジェクト時には前記ディスク状記録媒体を前記挿入口から排出させるように動作するローディングアームと、
前記ローディングアームを挿入方向またはイジェクト方向に回動させるギヤ機構と該ギヤ機構を駆動するモータとを有する駆動機構と、
を備えてなる記録媒体装着装置において、
複数回の押圧操作により摺動動作して前記駆動機構のギヤに断続的に係合し、前記ローディングアームをイジェクト方向に駆動させる手動用駆動部材を備えてなることを特徴とするものである。
【0011】
従って、本発明によれば、複数回の押圧操作により摺動動作して前記駆動機構のギヤに断続的に係合し、ローディングアームをイジェクト方向に駆動させる手動用駆動部材を備えてなるため、手動用駆動部材を複数回押圧するだけでディスク状記録媒体を挿入口から排出させることができ、従来のように回転操作するよりも押圧操作の方が操作しやすいので短時間でディスク状記録媒体をイジェクトすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1は本発明になる記録媒体装着装置の一実施例を示す図であり、(A)は記録媒体装着装置の平面図、(B)はメインスライダと検出スイッチとの位置関係を示す図である。
【0013】
図1(A)に示されるように、記録媒体装着装置10は、ディスク状記録媒体(以下「ディスク」という)12が直接挿入される所謂スロットイン方式の構成となっており、ディスク12の約半分が挿入されると自動的にディスク12を装置内部に引き込んで装着し、装着後にイジェクト操作されるとディスク12の約半分が突出する位置へ排出するオートローディング機構13を有する。
【0014】
オートローディング機構13は、シャーシ24(図2参照)の下面に設けられた第1乃至第3のローディングアーム16,18,20と、両側からディスク12の挿入位置をガイドするディスクガイド22,23と、ディスクガイド22,23を支持するフレーム25と、ローディングアーム16,18を駆動するメインスライダ26とからなる。
【0015】
第1のローディングアーム16は、軸28を回動中心として回動可能に支持されており、メインスライダ26のカム溝26aに嵌合する係合ピン16aを有する。そして、第1のローディングアーム16の先端には、ディスク12の外周を保持する第1のローラ29が回転自在に支持されている。尚、第1のローラ29は、ディスク12の挿入側外周が嵌合するV字状の溝が形成されている。
【0016】
第2のローディングアーム18は、図17(A)〜(C)に示されるように、ガイドアーム18Aと保持アーム18Bの2つのアームが組み合わされてなる。ガイドアーム18Aは、軸30を回動中心に支持されており、メインスライダ26のカム溝26bに嵌合する係合ピン18Aaを有する。そして、保持アーム18Bはガイドアーム18Aと同様、軸30を回動中心に支持されており、先端には、ディスク12の排出側外周を保持する第2のローラ32が回動自在に支持されている。
ガイドアーム18Aのバネ掛止部18Acと保持アーム18Bのバネ掛止部18Bcとの間には、コイルバネ19が掛けられており、保持アーム18Bはガイドアーム18Aに対して時計回り方向に付勢されている。また、保持アーム18Bの当接部18Bbがガイドアーム18Aのストッパ部18Aaに当接することによって、保持アーム18Bの時計回り方向への回動が規制されている。検出スイッチ45は、ディスク待ち状態(図10参照)において、ディスク12が挿入される前にはオフであり、ディスク12の挿入により保持アーム18Bが反時計回り方向に付勢されている。
【0017】
第3のローディングアーム20は、軸34を回動中心として回動可能に支持されており、トーションバネ(図示せず)により反時計方向に付勢されている。そして、第3のローディングアーム20の先端には、ディスク12の排出側外周を保持する第3のローラ35が回転自在に支持されている。また、第3のローディングアーム20は、ディスク12の挿入により時計方向に回動すると、第1の検出スイッチ36をオンにする(図9参照)。第1の検出スイッチ36は、イジェクト動作後にディスク12が引き抜かれると、オフに切り替わる(図10参照)。
【0018】
また、メインスライダ26は、シャーシ24の上面で前後方向(Xa,Xb方向)に摺動可能に支持されており、第2のギヤユニット78の駆動ギヤ78a(一点鎖線で示す)に噛合するラック38(一点鎖線で示す)を有する。
また、メインスライダ26は、Xa,Xb方向に移動したときの移動位置を検出するため、カム板40を有する。シャーシ24の上面には、カム板40の移動によりオンまたはオフに切り替わる第2の検出スイッチ42、第3の検出スイッチ44が設けられている。尚、カム板40の両端には、検出スイッチ42,44の押圧動作をスムーズに行うため、傾斜部40a,40bが設けられている。
【0019】
カム板40は、ディスク12が装着された状態のときは、図1(B)に示されるように、第2、第3の検出スイッチ42,44から離間する。従って、ディスク装着時は、第2、第3の検出スイッチ42,44が共にオフになる。
また、メインスライダ26は、後述するようにクランパホルダピン46が摺接する山形カム48を有する。山形カム48は、ディスク挿入またはイジェクト動作に連動してメインスライダ26がXa方向に摺動すると、クランパホルダピン46を押圧してクランパを昇降させる。
【0020】
図2は記録媒体装着装置の正面図である。
図2に示されるように、記録媒体装着装置10の正面には、ディスク挿入口50を有するスリット板52が矢印で示すようにシャーシ24に取り付けられる。尚、ディスク挿入口50は、ディスク12の記録面を損傷させないため、中間位置の幅が両端部分より大となるように形成されている。また、ディスク挿入口50の左右両端部分には、フエルト50a,50bが設けられている。
【0021】
そして、ディスク挿入口50が取付けられる高さ位置には、前述したディスクガイド22,23及び第1のローラ29、第2のローラ32、第3のローラ35が配置されている。
シャーシ24は、両側に突出する固定部24a,24bがインシュレータゴム54を介してブラケット56に固定される。シャーシ24の内部に取り付けられたフレーム25の前面には、停電等の緊急時に使用されるエマージェンシーホール58が設けられている。
【0022】
また、メカシャーシ60の軸62がフレーム25により回動可能に支持されており、メカシャーシ60にはディスク12を回転駆動するターンテーブル64が設けられている。そして、ディスク12が挿入される前は、メカシャーシ60が時計方向に回動し、ターンテーブル64が降下している。
ターンテーブル64の上方には、クランパホルダ66に支持されたクランパ68が対向するように支持されている。クランパホルダ66は、前述したクランパホルダピン46を有しており、山形カム48の移動により昇降する。そして、ディスク12の挿入前のクランパホルダ66は、クランパ68を上昇させるように回動している。
【0023】
図3は記録媒体装着装置10の下半分を切断した側断面図である。また、図4は記録媒体装着装置10の底面図である。また、図5は駆動機構及び手動イジェクト機構を示す斜視図である。
図3乃至図5に示されるように、フレーム25の側部には、ディスク挿入口50に挿入されたディスク12を装着するように各アーム16,18及びメカシャーシ60、クランパホルダ66を駆動する駆動機構70が設けられている。
【0024】
駆動機構70は、モータ72と、モータ72に回転駆動されるウォーム74と、ウォーム74が噛合するウォームホイール76aを有する第1のギヤユニット76と、第1のギヤユニット76の小径ギヤ76bに噛合する大径ギヤ78cを有する第2のギヤユニット78とからなる。
フレーム25の側板には、メカシャーシ60を昇降させるサブスライダ80が前後方向(Xa,Xb方向)に摺動可能に支持されている。このサブスライダ80の第1の側板80aには、メカシャーシ60の端部から突出した一対のピン60a,60bが嵌合するクランク形状のカム溝82,84が形成されている。
【0025】
サブスライダ80の上面には、Xa,Xb方向に延在するガイド溝80c,80dを有し、ガイド溝80c,80dにはフレーム25から突出したピン85a,85bが係合してサブスライダ80の摺動方向を規制している。また、サブスライダ80は、第2のギヤユニット78の小径ギヤ78bに噛合するラック86を有する。
【0026】
尚、サブスライダ80は、イジェクト開始からクランプ解除までの間はメインスライダ26に接続されたリンク機構からなるサブスライダ駆動機構(図示せず)により駆動されてラック86を第2のギヤユニット78の小径ギヤ78bに噛合させる。従って、サブスライダ80は、イジェクト開始からクランプ解除までの間だけ第2のギヤユニット78によって駆動される。
【0027】
そのため、サブスライダ80は、モータ72の回転駆動力が第1、2のギヤユニット76,78を介して伝達されると、Xa方向またはXb方向に移動する。従って、図3に示す待機状態でディスク12が挿入されると、サブスライダ80がXb方向に駆動され、メカシャーシ60のピン60a,60bがカム溝82,84に沿って上方に駆動されるため、メカシャーシ60が上動してターンテーブル64をディスク12の下面に当接させる。
【0028】
また、前述したように第2のギヤユニット78の駆動ギヤ78aには、メインスライダ26のラック38が噛合しており、第2のギヤユニット78を介してメインスライダ26を前後方向(Xa,Xb方向)にスライドさせる。
メインスライダ26がXb方向にスライドすることにより、クランパホルダ66のクランパホルダピン46が山形カム48を通過してクランパホルダ66に支持されたクランパ68がディスククランプ位置へ降下する。これにより、ディスク12は、ターンテーブル64とクランパ68との間でクランプされ、光学ピックアップ77により記録面に記録された情報が読み取られる。
【0029】
また、サブスライダ80の下方に対向するようにシャーシ24の底板上には、停電等の緊急時に手動操作で駆動されるイジェクトスライダ(手動用駆動部材)87が前後方向(Xa,Xb方向)に摺動可能に設けられている。このイジェクトスライダ87は、左側にXb方向に延在する延在部87aを有し、延在部87aの側部には、ラック87aを有する。
【0030】
ラック87aは、イジェクトスライダ87がXb方向に押圧操作されることにより第1のギヤユニット76の下端に設けられたエマージェンシー用ギヤ76cに噛合する。
イジェクトスライダ87は、ボトムシャーシ90(図3参照)上に突出する一対のボス90a,90bが挿通されるガイド溝87b,87cを有する。ガイド溝87b,87cは、夫々前後方向(Xa,Xb方向)に延在形成されており、ボス90a,90bとの係合によりイジェクトスライダ87をXa,Xb方向にガイドする。
【0031】
また、一方のガイド溝87bは、溝幅がボス90aの外周より若干大きいので殆どガタツキのない状態で摺動することができる。また、他方のガイド溝87cは、溝幅がボス90bの外周よりかなり大きいので、摺動方向(Xa,Xb方向)と直交するYa,Yb方向に揺動可能な状態で摺動することができる。
そして、イジェクトスライダ87は、コイルバネ88の一端が掛止されるバネ掛止部87dを有し、コイルバネ88のバネ力によりXa方向に付勢されている。このため、イジェクトスライダ87は、通常はXa方向に移動しており、ラック87a1 が第1のギヤユニット76のエマージェンシー用ギヤ76cと噛合しない位置に退避している。
【0032】
また、イジェクトスライダ87では、Yb方向側にガイド溝87bが設けられ、Ya方向側にガイド溝87cが設けられている。さらに、イジェクトスライダ87には、バネ掛止部87dがYa,Yb方向の中間位置に配置され、手動イジェクト用の押圧部87eがYa方向側に設けられている。
そして、後述するように手動イジェクト用のエマージェンシーピン89により押圧部87eがXb方向に押圧されると、イジェクトスライダ87は、ガイド溝87cの溝幅がボス90bの外周よりかなり大きいので、ボス90aを支点として時計方向に揺動する(図11、図12を参照)。
【0033】
これにより、イジェクトスライダ87は、エマージェンシーピン89の押圧力がYa方向側に設けられた押圧部87eに作用すると、Xb方向に摺動する過程でラック87aがYb方向に回動して第1のギヤユニット76のエマージェンシー用ギヤ76cに噛合する。この噛合状態で、さらに押圧部87eがXb方向に押圧されると、ラック87aがXb方向に摺動すると共に、第1のギヤユニット76の小径ギヤ76bを回転させて第2のギヤユニット78をイジェクト方向に回転駆動させる(図13を参照)。
【0034】
図6はシャッタの開閉動作を説明するための側面図である。
図6に示されるように、サブスライダ80の第2の側板80bには、クランク形状のカム溝94(図6中、破線で示す)が形成されている。そして、カム溝94には、スリット板52に設けられたディスク挿入口50を開閉するためのシャッタ96のピン96aが係合している。
【0035】
シャッタ96は、シャーシ24の両側に対向しシャーシ24の側板に設けられた軸97により回動可能に支持される一対の腕部96bと、一対の腕部96b間に横架されてディスク挿入口50の前側に対向する横架部96cとを有する。また、サブスライダ80の第2の側板80bに対向する腕部96bには、カム溝94に係合するピン96aが設けられている。
【0036】
そのため、シャッタ96は、カム溝94を有する第2の側板80bの移動によりディスク挿入口50を開閉する開位置または閉位置へ回動する。従って、ディスク12の挿入時及びイジェクト時は、シャッタ96が上方(図6中、実線で示す)に回動してディスク挿入口50を開とし、ディスク12が装着されてターンテーブル64上にクランプされるとシャッタ96が下方(図6中、一点鎖線で示す)に回動してディスク挿入口50を閉とする。
【0037】
次に第1のギヤユニット76の構成について説明する。
図7は第1のギヤユニット76の構成を説明するための図であり、(A)は第1のギヤユニット76の縦断面図、(B)は第1のギヤユニット76に内蔵されたクラッチ機構を部分的に拡大して示す側面図である。また、図8は第1のギヤユニット76の構成を説明するための分解斜視図である。
【0038】
図7(A)及び図8に示されるように、第1のギヤユニット76は、ウォーム74が噛合するウォームホイール76aと、小径ギヤ76bと、エマージェンシー用ギヤ76cと、ウォームホイール76aの内部でクラッチ機構を構成するクラッチ板76dと、クラッチ板76dをウォームホイール76aの内壁に押圧するコイルバネ76eとからなる。小径ギヤ76bは、ウォームホイール76aの中央孔76aを貫通する第1軸76bと、エマージェンシー用ギヤ76cの中央孔76cに挿通される第2軸76bとを有する。
【0039】
第1軸76bは、外周の両側に平行な係合面76b1−1が形成された小判形状に形成されている。また、クラッチ板76dの中央孔76dは、第1軸76bの外周形状に対応する小判形状に形成されており、係合面76b1−1に係合する係合部76d1−1を有する。
図7(B)に示されるように、クラッチ板76dの上面には、台形の凸部76dと台形の凹部76d3 とが周方向に交互に形成されている。そして、クラッチ板76dの上面に対向するウォームホイール76aの内壁には、クラッチ板76dの凸部76dが嵌合する台形の凹部76aと、クラッチ板76dの凹部76dが嵌合する台形の凸部76aとが周方向に交互に形成されている。
【0040】
そして、クラッチ板76dは、コイルバネ76eのバネ力により上方に付勢されているため、凸部76d、凹部76dがウォームホイール76aの内壁に形成された凹部76a、凸部76aに噛み合うように係合する。そのため、ウォーム74の回転駆動力は、ウォームホイール76aと、ウォームホイール76aの凹部76a、凸部76aに噛み合うクラッチ板76dと、クラッチ板76dの中央孔76dの係合部76d1−1に係合する第1軸76bと、第1軸76bと一体形成された小径ギヤ76bとを介して第2のギヤユニット78の大径ギヤ78cに伝達される。
【0041】
また、凸部76d、凹部76d3 及び凹部76a、凸部76aは、側面からみると台形状に形成されているので、過大な負荷がかかると、台形状の傾斜部同志が滑ってクラッチが切れるようになっている。これは、後述する手動操作によりイジェクト動作させる場合に、ウォーム74、ウォームホイール76aによる伝達系路を切って負荷を軽減するものである。
【0042】
ここで、上記のように構成された記録媒体装着装置10により装着されたディスク12をイジェクトするイジェクト動作について説明する。
図9はディスク排出状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はメインスライダと検出スイッチとの位置関係を示す図である。
図9(A)に示されるように、ターンテーブル64とクランパ68との間でクランプされたディスク12をイジェクトする場合、イジェクト釦(図示せず)がオンに操作されると、駆動機構70の第2のギヤユニット78がモータ72により反時計方向に回転駆動され、メインスライダ26及びサブスライダ80をXa方向にスライドさせる。
【0043】
サブスライダ80がXa方向にスライドすると、サブスライダ80のカム溝82,84に係合するメカシャーシ60のピン60a,60bがカム溝82,84の移動により下方に移動する。これにより、メカシャーシ60に支持されたターンテーブル64がディスククランプ位置からクランプ解除位置へ降下する。
そして、メインスライダ26がXa方向にスライドすると共に、山形カム48の移動によりクランパホルダ66に支持されたクランパ68がディスククランプ位置より上方のクランプ解除位置に移動する。
【0044】
ターンテーブル64の下降動作及びクランパ68の上昇動作の後、さらに、メインスライダ26がXa方向にスライドすると、第1,2のアーム16,18(18A,18B)が反時計方向に回動する。その際、第1のアーム16がディスク12を装着位置からXa方向に移動させる。また、第3のアーム20は、ディスク12に押圧されて時計方向に回動する。また、第2のローディングアーム18は、ガイドアーム18Aが時計回り方向に回動すると共に、ローラ32が第1のアーム16に駆動されてXa方向に移動するディスク12に駆動されることにより、保持アーム18Bがガイドアーム18Aに対して相対的に反時計回り方向に回動する。
【0045】
従って、保持アーム18Bの先端に設けられたローラ32は、コイルバネ19の付勢力によってディスク12の外周に当接し、ディスク12の外周を押圧する。その際、保持アーム18Bの押圧部18Baが第4の検出スイッチ45に当接し、これによって第4の検出スイッチ45はオンになる(図9を参照)。
そのため、ディスク12は、アーム16,18,20の先端部分に設けられたローラ29,32,35により3方向から保持され、且つディスクガイド22,23に支持されながらローラ29の押圧動作によりイジェクト方向(Xa方向)に移動する。
【0046】
図9(B)に示されるように、ディスク12がディスク挿入口50から約半分が突出する位置へイジェクトされると、カム板40の両端の傾斜部40a,40bが第2、第3の検出スイッチ42,44を押圧して第2、第3の検出スイッチ42,44を両方ともオンにする。第2、第3の検出スイッチ42,44が両方ともオンになると、モータ72の回転が一旦停止する。
【0047】
これにより、モータ72が再度回転駆動されてメインスライダ26をXa方向にスライドさせる。その結果、アーム16が反時計方向に回動し、ローラ29をディスク挿入口50の裏側に近接させてディスク挿入待ち状態となる。このとき、ローラ29はディスク挿入口50のほぼ中央に対向している。
このように、イジェクト動作後にディスク12が引き抜かれた後、ローラ29をディスク挿入口50の裏側に近接させた位置へ移動させるため、次回のディスク挿入操作を行う際は、ディスク12をディスク挿入口50に挿入させると直ぐにディスク12の挿入側周縁部がローラ29に係合する。そのため、ディスク12がローラ29から外れた位置に挿入されることが防止され、ディスク挿入操作によりディスク12をディスク挿入口50に挿入する際にディスク12が上方または下方に傾いた状態でもディスク12の挿入側周縁部をローラ29に係合させることができる。
【0048】
図10はディスク挿入待ち状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はメインスライダと検出スイッチとの位置関係を示す図である。
図10(A)に示されるように、記録媒体装着装置10は、ディスク12が引き抜かれると、ディスク挿入待ち状態に動作する。
また、操作者がイジェクトされたディスク12をディスク挿入口50から引き抜くと、第2のローディングアーム18は、コイルバネ19の付勢力によって保持アーム18Bがガイドアーム18Aに対して時計回り方向に回動する。その際、保持アーム18Bの押圧部18Baが第4の検出スイッチ45から離間し、これによって第4の検出スイッチ45はオフに戻る。
【0049】
図10(B)に示されるように、アーム16がディスク挿入待ち位置に回動すると、カム板40の左端の傾斜部40aが第2の検出スイッチ42を押圧すると共に、カム板40の左端の傾斜部40bが第3の検出スイッチ44から離間する。そのため、第3の検出スイッチ44がオフに切り替わると共に、第2の検出スイッチ42がオンのままとなる。これにより、モータ72の回転が停止する。
【0050】
また、ディスク挿入操作によるディスク装着動作時は、各アーム16,18(18A,18B),20が上記イジェクト動作と逆の動作を行ってディスク12をターンテーブル64及びクランパ68によりクランプする。
このように、記録媒体装着装置10では、各アーム16,18(18A,18B),20の回動動作によりディスク12の装着動作及びイジェクト動作が行われる。
【0051】
ここで、ディスク12が装着された状態で駆動機構70のモータ72が駆動できない場合、手動操作によりディスク12をイジェクトする方法について説明する。
図11はイジェクト動作前の駆動機構70の状態を示す底面図である。また、図12は手動操作によるイジェクト動作開始の状態を示す底面図である。
図11に示されるように、イジェクト動作前の駆動機構70は、イジェクトスライダ87がXa方向に移動しており、ラック87a1 が第1のギヤユニット76のエマージェンシー用ギヤ76cから離間している。
【0052】
例えば、ディスク12が装置内にクランプされた状態で停電等が発生してイジェクト動作できなくなった場合、手動操作によりイジェクト動作を行うようにする。その場合、操作者は、装置前面に設けられたエマージェンシーホール58に細長いエマージェンシーピン89を挿入する。
【0053】
そして、エマージェンシーピン89をエマージェンシーホール58からXb方向に挿入してイジェクトスライダ87の押圧部87eにエマージェンシーピン89の先端を当接させる(図5参照)。さらに、エマージェンシーピン89がXb方向に押圧されると、イジェクトスライダ87はコイルバネ88のバネ力に抗してXb方向に移動する。
【0054】
その際、イジェクトスライダ87は、図12に示されるように、一方のガイド溝87bがボス90aに殆どガタツキのない状態で嵌合しており、他方のガイド溝87cがボス90bに遊嵌しているので、ボス90aに対しYa方向側にずれた位置に配置された押圧部87eにエマージェンシーピン89の押圧力が作用すると、ボス90aを中心に反時計方向に回動させる力が働く。
【0055】
これにより、イジェクトスライダ87は、図12中反時計方向(Ya方向)に回動して延在部87aの側部を第1のギヤユニット76のエマージェンシー用ギヤ76cに当接させる。この状態でXb方向に摺動すると、延在部87aに設けられたラック87a1 がエマージェンシー用ギヤ76cに噛合する。
【0056】
図13はイジェクトスライダ87のラック87a1 がエマージェンシー用ギヤ76cを回転駆動する状態を示す底面図である。
図13に示されるように、イジェクトスライダ87の押圧部87eがエマージェンシーピン89に押圧されると、エマージェンシー用ギヤ76cを反時計方向に回動させながらイジェクトスライダ87の溝87bがボトムシャーシ90のボス90aに当接する停止位置まで摺動する。
【0057】
図14はエマージェンシーピン89をXa方向に引き戻した動作状態を示す底面図である。
図14に示されるように、イジェクトスライダ87の段部87fがエマージェンシー用ギヤ76cに当接した後、エマージェンシーピン89がXa方向に引き戻されると、イジェクトスライダ87はコイルバネ88のバネ力により図13中時計方向(Yb方向)に回動してラック87a1 が第1のギヤユニット76のエマージェンシー用ギヤ76cから離間する。
【0058】
そして、イジェクトスライダ87は、コイルバネ88のバネ力によりXa方向に移動して手動操作前の状態に復帰する(図11参照)。
続いて、手動操作前の状態に復帰したイジェクトスライダ87の押圧部87eを再度Xb方向に押圧することにより上記図10乃至図13のイジェクト動作が繰り返されてメインスライダ26をイジェクト方向(Xa方向)へ移動させることができる。
【0059】
図15はディスクイジェクト状態を示す平面図である。
図15に示されるように、上記のようにエマージェンシーピン89をエマージェンシーホール58から挿入してイジェクトスライダ87の押圧部87eをXb方向に数回押圧操作すると、第1のギヤユニット76を介して第2のギヤユニット78が反時計方向に回転駆動され、メインスライダ26及びサブスライダ80がイジェクト方向(Xa方向)に駆動される。
【0060】
そのため、前述したようにメインスライダ26及びサブスライダ80がXa方向にスライドすると、サブスライダ80のカム溝82,84に係合するメカシャーシ60のピン60a,60bがカム溝82,84の移動により下方に移動する(図3を参照)。これにより、メカシャーシ60に支持されたターンテーブル64がディスククランプ位置からクランプ解除位置へ降下する(図2を参照)。
【0061】
また、サブスライダ80のカム溝94に係合するシャッタ96のピン96aがカム溝94の移動により下方に移動する。これにより、シャッタ96が閉成位置から開成位置へ移動する(図6中、実線で示す)。
そして、メインスライダ26がXa方向にスライドすると共に、山形カム48の移動によりクランパホルダ66に支持されたクランパ68がディスククランプ位置より上方のクランプ解除位置に移動する。
【0062】
さらに、メインスライダ26がXa方向にスライドすると、第1,2のアーム16,18が反時計方向に回動し、ディスク12を装着位置からイジェクト方向(Xa方向)に移動させる。
そのため、ディスク12は、アーム16,18,20の先端部分に設けられたローラ29,32,35に支持された状態のまま図15に示すイジェクト位置に移動する。このように、エマージェンシーピン89を用いてイジェクトスライダ87の押圧部87eをXb方向に数回押圧操作するといった簡単な手動操作を行うだけで装置内に装着されたディスク12を比較的簡単に取り出すことができる。
従って、操作者は、従来のように治具を手動で回転させてギヤを回転させるといった面倒な操作を行わずに済み、比較的短時間でディスク12をイジェクトさせることができる。
【0063】
図16(A)〜(M)は記録媒体装着装置10を構成するモータ74、メインスライダ26、アーム16、アーム18、アーム20、クランパホルダ66、サブスライダ駆動機構(図示せず)、サブスライダ80、ターンテーブル64、シャッタ96、検出スイッチ42、検出スイッチ44、検出スイッチ36及び検出スイッチ45の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
尚、図16(C)において、細線部分は、アーム16のローラ29がディスク12の外周から離間していることを表し、太線部分は、アーム16のローラ29がディスク12の外周に当接していることを表す。
【0064】
図16(D)において、細線部分は、アーム18のローラ30がディスク12の外周から離間していることを表し、太線部分は、アーム18のローラ30がディスク12の外周に当接していることを表す。また、左位置とは、ローラ30が前面からみて左側(Yb側)に位置した状態を示し、右位置とは、ローラ30が前面からみて右側(Ya側)に位置した状態を示す。
図16(E)において、細線部分は、アーム20のローラ32がディスク12の外周から離間していることを表し、太線部分は、アーム20のローラ32がディスク12の外周に当接していることを表す。また、左位置とは、ローラ32が前面からみて左側(Yb側)に位置した状態を示し、右位置とは、ローラ32が前面からみて右側(Ya側)に位置した状態を示す。
【0065】
以下、図16(A)〜(M)を参照して各時間T1〜T7毎の動作について説明する。
(1)時間T0は、ディスク装着状態を示す(図1(A)(B)を参照)。このとき、ディスク12はターンテーブル64とクランパホルダ66に支持されたクランパ68とによりクランプされる。また、アーム16,18,20に支持されたローラ29,30,32はディスク12の外周から離間している。
(2) 時間T1は、イジェクト釦(図示せず)が押圧操作されたことに応じてモータ72が駆動され、イジェクト動作を開始する。この時、第3のスイッチ44がオンになる。
(3) 時間T1から時間T2の間は、メインスライダ26が図1(A)に示す位置からモータ72の駆動力により前方向(Xa方向)に駆動される。このとき、アーム16は、ピン16aがメインスライダ26のカム溝26aに係合しているので、前方向(Xa方向)に回動し、ローラ29がディスク12の外周に当接する。また、アーム18は、ピン18Aaがメインスライダ26のカム溝26bに係合しているので、左方向(Yb方向)に回動し、ローラ30がディスク12の外周に当接する。
【0066】
サブスライダ80は、モータ72の駆動力により前方向(Xa方向)に移動する。ターンテーブル64は、メカシャーシ60のピン60a,60bがサブスライダ80のカム溝82,84の上位置に係合しており、ディスククランプ位置に保持されている。シャッタ96は、ピン96aがカム溝94の上位置に係合しているので、スリット板52のディスク挿入口50を閉じる位置にある(図6中、一点鎖線で示す)。
すなわち、時間T1から時間T2の間は、ディスク12をクランプしたままの状態でローラ29,30がディスク12の外周に当接している。
(4) 時間T2から時間T3の間は、メインスライダ26は、モータ72の駆動力によりさらに前方向(Xa方向)に駆動される。このとき、アーム16,18は、ピン16a,18Aaがカム溝26a,26bのうちXa−Xb方向延在直線部分に係合しているので、T2の位置から移動しない。
【0067】
サブスライダ80は、モータ72の駆動力によりさらに前方向(Xa方向)に移動する。ターンテーブル64は、メカシャーシ60のピン60a,60bがサブスライダ80のカム溝82,84の下位置に係合しており、ディスククランプ解除位置に降下する(図2、図3を参照)。シャッタ96は、ピン96aがカム溝94の下位置に係合しているので、スリット板52のディスク挿入口50を開く位置に移動する(図6中、実線で示す)。
(5) 時間T3から時間T4の間は、メインスライダ26が、モータ70による駆動される(図9(A)(B)を参照)。
時間T3から時間T4に移行する前半で、メインスライダ26とサブスライダ80に接続されたサブスライダ駆動機構(図示せず)が作動してサブスライダ80がギヤユニット78から離間する。すなわち、モータ72の駆動力は、メインスライダ26に伝達され、メインスライダ26はサブスライダ駆動機構(図示せず)を介してサブスライダ80を退避させる。
【0068】
また、時間T3から時間T4に移行する前半で、メインスライダ26の山形カム48がクランパホルダ66のピン46を駆動することにより、クランパホルダ66は上位位置(クランプ解除位置)に移動する。これにより、クランパホルダ66に支持されたクランパ68はディスク12の上方に退避する。
同時に、各アーム16,18,20が回動する。アーム16は、ピン16aがメインスライダ26のカム溝26aに駆動されることにより、ディスク12をイジェクト方向(Xa方向)に押圧しながら前位置に移動する。
【0069】
アーム18は、ガイドアーム18Aのピン18Aaがメインスライダ26のカム溝26bに駆動されることにより、反時計方向に回動し、且つ保持アーム18Bの第2のローラ32がディスク12のイジェクト動作に駆動されることにより保持アーム18Bがガイドアーム18Aに対して相対的に反時計方向に回動する(図17(C)参照)。これにより、アーム18は、ディスク12を支持しつつ右位置に移動し、その際、保持アーム18Bの押圧部18Baが第4の検出スイッチ45を押圧して第4の検出スイッチ45をオンにする。
そして、アーム20は、先端に設けられたローラ35がディスク12の外周を支持しつつ、ローラ35がディスク12のイジェクト動作に駆動されて回転する。さらに、アーム20がディスク12のイジェクト動作に応じて回動したとき、アーム20の端部が第1の検出スイッチ36を押圧して第1の検出スイッチ36をオンにする。
【0070】
すなわち、ディスク12は、各アーム16,18,20のローラ29,30,35及びディスクガイド22,23に支持されながら、ローラ29によりイジェクト方向に押圧されてイジェクトされる。
(6) 時間T4のときは、第2の検出スイッチ42がカム板40の左端の傾斜部40aに押圧されてオンになる(図10(A)(B)を参照)。そして、第2の検出スイッチ42がオンになると、イジェクト動作完了を検知してモータ72の回転を停止させる。
この後、操作者がディスク12を引き抜くまで待機し、第1の検出スイッチ36及び第4の検出スイッチ45の状態を監視する。
(7) 時間T5から時間T6の間で、操作者がディスク12を引き抜くと、アーム20がバネ(図示せず)の付勢力により反時計方向に回動することにより右方向位置(Ya方向)に回動する。また、アーム18は、コイルバネ19の付勢力によって保持アーム18Bがガイドアーム18Aに対して時計回り方向に回動(図17(B)を参照)することにより左位置方向(Yb方向)に回動する(図10(A)を参照)。
(8) 時間T6のときは、アーム20が右位置に移動し、またアーム18が左方向に移動すると、アーム20の端部が第1の検出スイッチ36から離間しまたアーム18が第4の検出スイッチ45から離間する。これにより、第1の検出スイッチ36はオフになり、また第4の検出スイッチ45がオフになり、ディスク12が引き抜かれたことを検知する。
(9) 時間T6から時間T7の間で、メインスライダ26がモータ72の駆動力によりさらに前方向(Xa方向)に駆動される。アーム16は、ピン16aがメインスライダ26のカム溝26aに駆動されることにより、前方向(Xa方向)に移動する。
(10) 時間T7のときは、メインスライダ26のカム板40が第3の検出スイッチ44から離間して第3の検出スイッチ44がオフになる。そして、第3の検出スイッチ44がオフになったことから、ディスク挿入待ち状態への移行完了を検知し、モータ72の回転を停止させる。
尚、この後、ディスク12が挿入されないときは、イジェクト釦(図示せず)が押圧操作されることにより、モータ72を逆回転させて第3の検出スイッチ44がオフからオンに切り替わり、さらにモータ72が逆回転してシャッタ96を閉成させる(図6中、一点鎖線で示す)。
【0071】
そして、第3の検出スイッチ44がオンからオフに切り替わると、モータ72の回転を停止させる。このとき、アーム16,18は、ディスク挿入待ちの位置からXb方向に移動して初期状態(装着状態、図1(A)(B)参照)に戻る。
【0072】
また、本実施例の記録媒体装着装置は、直径12cmのディスク専用であり、直径8cmのディスクは使用できないものであるため、直径8cmのディスクが挿入された場合には、ローディング動作を行わないように構成されているが、その具体的な構成について説明する。
【0073】
第1の検出スイッチ36をオン/オフさせる第3のローディングアーム20と、第4の検出スイッチ45をオン/オフさせる第2のローディングアーム18は、直径8cmのディスクの挿入では両方が同時に回動駆動されず、直径12cmのディスクの挿入で両方同時に回動駆動される位置関係に配設されている。そして、ディスク挿入検出機構(図示せず)によりディスクの挿入を検出した場合には、第1の検出スイッチ36及び第4の検出スイッチ45の状態を確認し、第1の検出スイッチ36及び第4の検出スイッチ45の両方または何れか一方がオフの場合にはローディング動作を行わず、両方がオンの場合には、挿入されたディスクが直径12cmのディスクであると判断して、ローディング動作を行う。
【0074】
すなわち、モータ72を逆回転させて第3の検出スイッチ44がオフからオンに切り替わり、さらにモータ72が逆回転してアーム16,18がXb方向に移動してディスク12が装着(図1(A)(B)参照)されると、第3の検出スイッチ44がオフになって、モータ72の回転が停止する。
尚、上記実施の形態では、CD−ROM装置10に用いられた構成を一例として挙げたが、これに限らず、例えばCD−R装置、CD−RW装置、DVD装置、あるいは光磁気ディスク装置などにも適用できるのは勿論である。
【0075】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、複数回の押圧操作により摺動動作して前記駆動機構のギヤに断続的に係合し、ローディングアームをイジェクト方向に駆動させる手動用駆動部材を備えてなるため、手動用駆動部材を複数回押圧するだけでディスク状記録媒体を挿入口から排出させることができ、従来のように回転操作するよりも押圧操作の方が操作しやすいので短時間でディスク状記録媒体をイジェクトすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる記録媒体装着装置の一実施例を示す図であり、(A)は記録媒体装着装置の平面図、(B)はメインスライダと検出スイッチとの位置関係を示す図である。
【図2】記録媒体装着装置の正面図である。
【図3】記録媒体装着装置10の下半分を切断した側断面図である。
【図4】記録媒体装着装置10の底面図である。
【図5】駆動機構及び手動イジェクト機構を示す斜視図である。
【図6】シャッタの開閉動作を説明するための側面図である。
【図7】第1のギヤユニット76の構成を説明するための図であり、(A)は第1のギヤユニット76の縦断面図、(B)は第1のギヤユニット76に内蔵されたクラッチ機構を部分的に拡大して示す側面図である。
【図8】第1のギヤユニット76の構成を説明するための分解斜視図である。
【図9】ディスク排出状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はメインスライダと検出スイッチとの位置関係を示す図である。
【図10】ディスク挿入待ち状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はメインスライダと検出スイッチとの位置関係を示す図である。
【図11】イジェクト動作前の駆動機構70の状態を示す底面図である。
【図12】手動操作によるイジェクト動作開始の状態を示す底面図である。
【図13】イジェクトスライダ87のラック87a1 がエマージェンシー用ギヤ76cを回転駆動する状態を示す底面図である。
【図14】エマージェンシーピン89をXa方向に引き戻した動作状態を示す底面図である。
【図15】ディスクイジェクト状態を示す平面図である。
【図16】記録媒体装着装置10を構成するモータ74、メインスライダ26、アーム16、アーム18、アーム20、クランパホルダ66、サブスライダ駆動機構(図示せず)、サブスライダ80、ターンテーブル64、シャッタ96、検出スイッチ42、検出スイッチ44、検出スイッチ36及び検出スイッチ45の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図17】第2のローディングアーム18の構成及び動作を示す図であり、(A)はガイドアーム18Aと保持アーム18Bを分解した状態を示す平面図、(B)はディスク装置状態を示す平面図、(C)はイジェクト状態を示す平面図である。
【符号の説明】
10 記録媒体装着装置
12 ディスク状記録媒体
13 オートローディング機構
16 第1のローディングアーム
18 第2のローディングアーム
20 第3のローディングアーム
22,23 ディスクガイド
24 シャーシ
16,18 ローディングアーム
18A ガイドアーム
18B 保持アーム
26 メインスライダ
29 第1のローラ
32 第2のローラ
35 第3のローラ
36 第1の検出スイッチ
38 ラック
40 カム板
42 第2の検出スイッチ
44 第3の検出スイッチ
46 クランパホルダピン
48 山形カム
52 スリット板
50 ディスク挿入口
60 メカシャーシ
64 ターンテーブル
66 クランパホルダ
68 クランパ
70 駆動機構
72 モータ
74 ウォーム
76 第1のギヤユニット
78 第2のギヤユニット
80 サブスライダ
86 ラック
87 イジェクトスライダ
87a1 ラック
87b,87c ガイド溝
87d バネ掛止部
87e 押圧部
90a,90b ボス
96 シャッタ

Claims (1)

  1. ディスク状記録媒体が挿入される挿入口と、
    該挿入口から挿入されたディスク状記録媒体を引き込み、イジェクト時には前記ディスク状記録媒体を前記挿入口から排出させるように動作するローディングアームと、
    前記ローディングアームを挿入方向またはイジェクト方向に回動させるギヤと該ギヤを駆動するモータとを有する駆動機構と、
    を備えてなる記録媒体装着装置において、
    複数回の押圧操作により摺動動作して前記駆動機構のギヤに断続的に係合し、前記ローディングアームをイジェクト方向に駆動させる手動用駆動部材を備えてなることを特徴とする記録媒体装着装置。
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