JP3772372B2 - ツールヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はツールヘッドに関する。詳しくは、ツールに供給されるエアーの供給等に支障を来すことなくツールヘッドが回転されるようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品のプリント回路基板への装着は自動機、例えば、所謂表面実装型の電子部品を対象とした部品装着装置により行われ、このような部品装着装置にあっては、電子部品供給装置により所定の吸着位置に供給された電子部品を吸着して保持しプリント回路基板に装着するツールたる吸着ノズルを備えているものがある。そして、通常、吸着ノズルは上下方向に長い略円筒状に形成され、その中間部がツールヘッドの上下方向に長く形成された基軸にフランジ状に設けられた取付支持部に支持され、該取付支持部にその周方向に複数並んで支持されている。
【0003】
吸着ノズルにはその内部に電子部品を吸着するための負圧エアーが供給されるエアー供給室が形成され、該エアー供給室は下方に位置しその先端で電子部品を吸着するノズル部と連通されている。各吸着ノズルのエアー供給室と負圧エアーを供給するエアー供給装置とは各吸着ノズル毎に各別のエアー供給パイプにより連結され、該エアー供給パイプは各吸着ノズルのうち上記取付支持部の上方側に位置する部分に一端部が取り付けられ、基軸に這うようにして設けられている。
【0004】
吸着ノズルによる電子部品の吸着は、ツールヘッドが電子部品供給装置の上方に移動され、ツールヘッドが回転して一の吸着ノズルが電子部品供給装置の所定の吸着位置上方に位置され、前記一の吸着ノズルが下降され内部に負圧エアーが供給されることにより行われる。
【0005】
また、電子部品のプリント回路基板への装着は、ツールヘッドがプリント回路基板の上方に移動され、ツールヘッドが回転して一の吸着ノズルがプリント回路基板の部品取付位置上方に位置され、前記一の吸着ノズルが下降され内部に供給されていた負圧エアーの供給が遮断され、それから吸着ノズルが上方に移動されることにより行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、吸着ノズルによる電子部品の吸着及び装着の際には、ツールヘッドが回転して一の吸着ノズルが電子部品供給装置の所定の吸着位置上方またはプリント回路基板の所定の装着位置上方に位置される。
【0007】
ところが、ツールヘッドには各吸着ノズルのエアー供給室とエアー供給装置とを連結するエアー供給パイプが基軸に這うようにしてツールヘッドに設けられた吸着ノズルの数だけ設けられているため、ツールヘッドの回転によりエアー供給パイプ同士が接触したり、或は、エアー供給パイプが基軸に巻き付いたり、ねじれてしまったりする。
【0008】
そこで、従来の部品装着装置のツールヘッドにおいては、両方向に半回転ずつ回転させて上記接触や巻き付き、ねじれを減じるようにしている。
【0009】
しかし、両方向に半回転ずつ回転する場合であっても、依然としてこれらの問題を完全に解消することは出来ない。さらに、近年の部品装着装置の高速化の要求等から、一のツールヘッドに吸着ノズルが多数設けられる傾向にあり、吸着ノズルの数が多くなれば、その分、エアー供給パイプの数も増え、エアー供給パイプ同士が接触する可能性が高くなる。また、エアー供給パイプの基軸への巻き付きやねじれによりエアー供給パイプが吸着ノズルからはずれてしまうという虞もある。
【0010】
また、上記のようにツールヘッドを半回転づつ回転させて電子部品の吸着等を行う場合には、吸着ノズルによる吸着等がツールヘッドの半回転分終了した後には逆に半回転戻してから吸着等を行う必要があり、半回転戻す分のタイムロスが生じ、近年要求されている部品装着装置の高速化への対応に支障を生じている。
【0011】
そこで、本発明ツールヘッドは、上記した問題点を克服し、ツールに供給されるエアーの供給等に支障を来すことなくツールヘッドを回転させることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明ツールヘッドは、上記した課題を解決するために、エアー供給装置と連結されると共に内部にエアーが供給される連通路が形成された供給装置連結部材と、基軸は略筒状に形成されると共にその上端部が供給装置連結部材に回転可能に支持され、基軸内部が連通路と連通するエアー供給路とを有し、エアー供給路内に筒状部材を配設して基軸内部における筒状部材の内外に正圧エアー供給路と負圧エアー供給路を形成し、連通路は正圧エアー連通路と負圧エアー連通路の2つの連通路として形成され、正圧エアー供給路は正圧エアー連通路と連通されると共に、負圧エアー供給路は負圧エアー連通路と連通され、正圧エアーと負圧エアーが電子部品等の離脱モードと吸着モードに応じて吸着ノズル内部に各別に供給されるようにしたものである。
【0013】
従って、本発明ツールヘッドによれば、ツールヘッドの基軸に這うようにしてエアー供給パイプを設ける必要がない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明ツールヘッドの実施の形態を添付図面に示す実施例に従って説明する。
【0015】
尚、図示した実施例は、本発明を電子部品等を吸着して保持しプリント回路基板等に装着する吸着ノズルを備える所謂表面実装型の部品装着装置に適用したものである。
【0016】
部品装着装置にはツールヘッド1が設けられ、該ツールヘッド1は上下方向に長い略円筒状の外嵌部材2と該外嵌部材2にその一部が内嵌されると共に上下方向に長く略円筒状を為す基軸3とを有し、基軸3が鉛直方向に対し約25°傾けられた状態で外嵌部材2を介して支持部材4に支持されている。
【0017】
外嵌部材2にはその下端寄りの位置に外方に張り出し上下方向に短い略円筒状の当接部2aが形成され、該当接部2aの側面は上方に行くに従って基軸3の軸中心へ向かう外周面2bとされている。そして、外嵌部材2は上記支持部材4に対し軸回りに回転し、また、基軸3は外嵌部材2に対し軸回りに回転し得るようにされている。
【0018】
基軸3は上端側略4分の1と下端部を除く部分が上記外嵌部材2に内嵌され、下端部には外方へ張り出したフランジ3aが設けられている。
【0019】
基軸3の下側にはヘッド部5が設けられており、該ヘッド部5は取付支持部6とエアー回路接続部7とから成る。
【0020】
取付支持部6は略円板状を為す被支持部8と該被支持部8の周縁から稍斜め上方へ向けて突出するようにされたノズル支持部9とが一体に形成されて成る。
【0021】
被支持部8にはその上面と下面との間を貫通する中心孔8aが形成されており、該中心孔8aの内径は上記基軸3の中心孔3bのそれと同じにされている。
【0022】
ノズル支持部9はその外側に位置する部分がその余の部分より下方に厚く形成された厚肉部10とされ、該厚肉部10のうち稍内方側へ寄った位置には上面に開口する浅い凹部10a、10a、・・・が周方向に等間隔に並んで形成されている。
【0023】
厚肉部10には凹部10a、10a、・・・の底面の中心部に開口し後述する吸着ノズルを支持するためのノズル支持孔11、11、・・・が形成され、該ノズル支持孔11、11、・・・は厚肉部10を貫通し、上方に行くに従って基軸3の中心軸に近づく向きに形成されている。そして、ノズル支持孔11、11、・・・はその上下両端部がそれぞれ小径部11a、11b、その余の部分が大径部11cとされ、小径部11aと小径部11bの内径は同じにされ、また、大径部11cの内径は小径部11a、11bのそれより稍大きくされている。
【0024】
上記ノズル支持部9の厚肉部10にはその上下方向における略中央とその真下の位置にその外面と内面との間を貫通する上側挿通孔12、12、・・・と下側挿通孔13、13、・・・が周方向に等間隔に並んで形成されている(図1、図3及び図4参照)。
【0025】
各上側挿通孔12は厚肉部10の外面側から順に、後述するバルブロッドが挿通される第1のロッド移動室14、小径部15、後述する連結部材が取り付けられる取付孔16とされている。
【0026】
第1のロッド移動室14と取付孔16の内径は略同じにされ、小径部15の内径は第1のロッド移動室14のそれよりも稍小さくされている。そして、第1のロッド移動室14は上側挿通孔12の略3分の2の長さを占め、第1のロッド移動室14の小径部15寄りに位置する部分には上記ノズル支持孔11と連通する上側連通口17が形成されている。また、第1のロッド移動室14と小径部15との連結面は後述する負圧エアーの供給口となる負圧エアー供給口18とされる。
【0027】
各下側挿通孔13は厚肉部10の外面側から順に、後述するピストンが挿通されるシリンダ19、後述するバルブロッドが挿通される第2のロッド移動室20、小径部21、連結部材が取り付けられる取付孔22とされている。
【0028】
第2のロッド移動室20の内径は上記第1のロッド移動室14のそれと同じにされ、シリンダ19のそれよりも小さい。また、第2のロッド移動室20と取付孔22の内径は略同じにされ、小径部21の内径は第2のロッド移動室20のそれよりも稍小さくされている。そして、シリンダ19は下側挿通孔13の略半分の長さを占め、その分、第2のロッド移動室20は第1のロッド移動室14より短くされている。
【0029】
上記第2のロッド移動室20の小径部21寄りに位置する部分で上側連通口17の真下の位置には第2のロッド移動室20とノズル支持孔11を連通する下側連通口23が形成されている。下側連通口23の直ぐ横にはノズル支持孔11とシリンダ19を連通する連通口24が形成されている。また、第2のロッド移動室20と小径部21との連結面は後述する正圧エアーの供給口となる正圧エアー供給口25とされる。
【0030】
バルブロッド26は上記第1のロッド移動室14の形状及び大きさに対応して略円柱状を為し、その長さは第1のロッド移動室14のそれよりも稍長くされ、一方の端部は小径部15の内径に対応してその外径がその余の部分より稍小さくされた小径部26aとされている。そして、バルブロッド26は小径部26aの反対側の端部(以下、「外端部」と言う。)を除いて第1のロッド移動室14内に摺動自在に挿入されている。
【0031】
バルブロッド27はバルブロッド26と同じ形状及び大きさに形成され、その中間部に軸方向に短いピストン28が外嵌状に固定されている。バルブロッド27の一方の端部は小径部21の内径に対応してその外径がその余の部分より稍小さくされた小径部27aとされている。そして、バルブロッド27は小径部27a寄りの部分が第2のロッド移動室20内に摺動自在に挿入され、中間部がピストン28と共にシリンダ19内に位置されている。
【0032】
バルブロッド26とバルブロッド27は挿通孔12、13外に位置した端部間、即ち、外端部間がリンク部材29により連結されている。そして、リンク部材29の中央部が厚肉部10の外面から外方に向かって突出した図示しない支持部に回動自在に支持されることにより、ここに回動支点29aが形成され、両端部はバルブロッド26とバルブロッド27に対し回動自在にされている。
【0033】
シリンダ19の内端面、即ち、奥面19aとピストン28との間にはコイルばね30が自然長か或は自然長から僅かに縮んだ状態でバルブロッド27に外嵌状に設けられている。
【0034】
上記エアー回路接続部7は上記取付支持部6の被支持部8の下側に位置し、その外径が上記基軸3のそれよりも一回り大きく、上下方向に短い略円柱状に形成されている。そして、エアー回路接続部7は略上側半分の部分を占める上側部31とその下側の部分を占める下側部32とが一体的に結合されて成る。
【0035】
上側部31にはその中心部に上下方向に延びる貫通孔33が形成され、該貫通孔33は上側が大径部33a、下側が小径部33bとされている。そして、大径部33aの内径は上記被支持部8の中心孔8aのそれよりも稍大きくされ、小径部33bの内径は中心孔8aのそれよりも稍小さくされている。また、上側部31にはその側面に開口する取付凹部34、34、・・・が周方向に等間隔に並んで形成され、該取付凹部34、34、・・・にはその奥面の中央部に開口し上記貫通孔33の大径部33aと連通する連通孔35、35、・・・が形成されている。
【0036】
下側部32にはその上面の中心部に開口し上記貫通孔33の大径部33aの内径と略同じ大きさの内径を有する凹部36が形成されている。そして、下側部32には上側部31に形成された取付凹部34、34、・・・の真下の位置の側面に開口する取付凹部37、37、・・・が形成され、該取付凹部37、37、・・・には上記取付凹部34、34、・・・と同様に凹部36と連通する連通孔38、38、・・・が形成されている。
【0037】
上側部31に形成された取付凹部34、34、・・・と上記取付支持部6の厚肉部10に形成された取付孔16、16、・・・にはそれぞれ連結部材39a、39a、・・・と39b、39b、・・・が取り付けられている。そして、それぞれ対応する位置にある連結部材39a、39b間が連結チューブ40、40、・・・により連結されている。
【0038】
また、下側部32に形成された取付凹部37、37、・・・と厚肉部10に形成された取付孔22、22、・・・にはそれぞれ連結部材39c、39c、・・・と39d、39d、・・・が取り付けられ、それぞれ対応する位置にある連結部材39c、39d間が連結チューブ41、41、・・・により連結されている。
【0039】
上記基軸3の中心孔3bから取付支持部6の被支持部8の中心孔8aを経てエアー回路接続部7の貫通孔33までに該貫通孔33の小径部33bの内径と略同じ外径を有する円筒状の筒状部材42が挿通され、該筒状部材42の下端部は貫通孔33の小径部33bに挿入され、オイルシールによりシールされている。そして、筒状部材42に対しエアー回路接続部7は上記取付支持部6及び基軸3と共に回転可能とされている。
【0040】
しかして、上記筒状部材42により基軸3の中心孔3bと取付支持部6の被支持部8の中心孔8aとエアー回路接続部7の貫通孔33の大径部33aとには、筒状部材42の内側と外側とにそれぞれ別々の空室が形成され、外側に形成された空室は上側から順に後述する負圧エアーが供給される負圧エアー供給路3c、6a、7aとされる。また、隔壁部材42の内側は後述する正圧エアーが供給される正圧エアー供給路42aとされる。
【0041】
筒状部材42の上端部は上記基軸3の上端から突出され、基軸3の上端部と筒状部材42の上端部にはこれらの部分を上側から覆うと共に後述するエアー供給装置と連結された供給装置連結部材43が設けられている。
【0042】
供給装置連結部材43はその上側に位置する蓋体44と下側に位置する円筒体45とが一体的に結合されて成る。
【0043】
蓋体44は略円板状をした支持部44aとその上面の中央部から上方へ突出した突出部44bとから成り、支持部44aの外径は上記基軸3のそれの略3倍の大きさにされ、突出部44bの外径は基軸3のそれと略同じ大きさにされている。そして、蓋体44には支持部44aの下面に開口し突出部44bの上端近くまで延びる支持穴44cが形成され、該支持穴44cの内径は上記筒状部材42の外径と同じか僅かに小さくされている。また、突出部44bにはその一の側面に開口し支持穴44cの上端部側面に連通する正圧エアー連通孔44dが形成されている。
【0044】
円筒体45は蓋体44より上下方向に稍長く形成され、上側略3分の1はその余の部分より稍大径に形成された大径部45aとされ、該大径部45aの外径は蓋体44の支持部44aのそれと同じにされている。円筒体45の中心孔45bは上下方向における略中央部がその余の部分より小径に形成された小径部45cとされ、該小径部45cの内径は上記基軸3の外径と略同じにされている。そして、中心孔45bのうち小径部45cの下側の部分には軸受45dが内嵌されている。また、大径部45aには上記正圧エアー連通孔44dの下側に位置すると共に一の側面に開口し中心孔45bの上端部側面に連通する負圧エアー連通孔45eが形成されている。
【0045】
しかして、基軸3及び筒状部材42の上端部は供給装置連結部材43により上側から覆うようにされ、筒状部材42の上端部は蓋体44の支持穴44cの下側略半分の部分に圧入され、基軸3の上端部は円筒体45の小径部45cの中心孔45bのうち小径部45cに軸受45dを介して基軸3の上面と蓋体44の下面との間に適当な間隔が設けられた状態で回転可能に支持される。
【0046】
供給装置連結部材43には正圧エアー連通孔44dと負圧エアー連通孔45eの外端部にそれぞれ連結部材46a、46bが取り付けられている。連結部材46aは図示しない正圧エアー供給装置と連結チューブ47により連結され、連結部材46bは図示しない負圧エアー供給装置と連結チューブ48により連結されている。そして、正圧エアー連通孔44dと支持穴44cのうち筒状部材42が圧入されていない部分とが正圧エアー連通路49とされ、負圧エアー連通孔45eと中心孔45bのうち小径部45cより上側の部分とが負圧エアー連通路50とされる。
【0047】
供給装置連結部材43の直ぐ下側にはプーリー51が基軸3に外嵌状に固定されており、該プーリー51と図示しないプーリー駆動部の駆動ローラとの間に駆動ベルトが巻回されている。尚、基軸3の回転はプーリー駆動部の駆動により駆動ベルトが移動されてプーリー51が回転することにより為される。
【0048】
ツールたる吸着ノズル52、52、・・・は上下方向に長い略円柱状に形成され、取付支持部6の厚肉部10に形成されたノズル支持孔11、11、・・・に支持されている。
【0049】
吸着ノズル52、52、・・・はそれぞれスライド部53と、外嵌筒部54と、受光部55と、ノズル部56とを有している(図2参照)。
【0050】
スライド部53は被押圧部57とその下側に位置するエアー供給部58とから成る。
【0051】
被押圧部57は上下方向に長い略円柱状を為し、その上端部には外方に張り出したフランジ57aが形成され、下端寄りの位置には互いに180°隔てた面から突出したスライドピン57bが設けられている。
【0052】
エアー供給部58は上記被押圧部57の略2倍の長さを有する略円柱状を為し、その外径は被押圧部57のそれよりも稍大きく上記厚肉部10に形成されたノズル支持孔11の小径部11aの内径と略同じにされている。そして、エアー供給部58の上端部には上面に開口する嵌挿穴58aが形成されている。
【0053】
エアー供給部58の上下方向における略中央部には軸中心を通り互いに180°隔てた面の間を貫通した空孔58bが形成され、下半部には空孔58bの中央部から下方に伸び下面に開口する空孔58cが形成されている。そして、空孔58bと空孔58cは正圧エアー又は負圧エアーが供給されるエアー供給室59とされる。また、エアー供給部58の上端寄りで互いに180°隔てた位置に、嵌挿穴58aに連通し上下方向に稍長くされた挿通孔58d、58dが形成されている。
【0054】
そして、上記被押圧部57の下端部がエアー供給部58の嵌挿穴58aに摺動自在に嵌挿され、スライドピン57bの両端部は挿通孔58d、58dから突出された状態とされている。また、被押圧部57の下面と嵌挿穴58aの底面との間に第1のばね60が縮設され、第1のばね60の反発力により被押圧部57に上方向への移動力が付勢され、スライドピン57bはその両端部稍内側の部分が挿通孔58d、58d上端に当接されている。
【0055】
外嵌筒部54は上下方向に長い略円筒状を為し、上記エアー供給部58の長さの略半分の長さを有している。外嵌筒部54の中央部稍下側の位置には下方に行くに従って次第にその径が大きくなる突出部54aが形成されている。そして、上下両端部を除く部分で互いに180°隔てた位置には中心孔45bに連通し上下方向に長いスライド孔54c、54cが形成されている。また、上端部には硬質ゴムにより形成されたリング状部材54dが外嵌状に取着されている。尚、外嵌筒部54の中心孔45bの内径はエアー供給部58の外径と略同じにされている。
【0056】
しかして、エアー供給部58の略上半部に外嵌筒部54が外嵌され、外嵌筒部54とエアー供給部58とは相互に摺動可能とされている。また、エアー供給部58の略上半部に外嵌筒部54が外嵌されることにより、被押圧部57の下側略4分の1の部分が外嵌筒部54内に位置され、スライドピン57bの両端部はスライド孔54c、54c内に位置される。
【0057】
被押圧部57のフランジ57aの下面と外嵌筒部54の上面との間には第2のばね61が被押圧部57に外嵌状に縮設されている。そして、第2のばね61の反発力により被押圧部57に上方向への移動力が付勢され、スライドピン57bはその両端部がスライド孔54c、54c上端に当接される。尚、第2のばね61は上記第1のばね60よりもばね力が弱くされている。
【0058】
スライド部53のエアー供給部58の略下半部のうち下端部を除く部分が厚肉部10のノズル支持孔11に摺動自在に挿入されている。これにより、エアー供給部58の下端部はノズル支持孔11から下方に突出し、スライド部53のうち被押圧部57とエアー供給部58の略上半部及び外嵌筒部54がノズル支持孔11の上側に位置される。
【0059】
厚肉部10の凹部10aの底面の外縁には上下方向に短い略円筒状のシール部材62が外嵌筒部54の下端部に外嵌された状態で載置され、シール部材62の上面と外嵌筒部54の突出部54aの下面との間に第3のばねである付勢手段63(以下、「第3のばね63」と言う。)が外嵌筒部54に外嵌状に縮設されている。尚、第3のばね63のばね力は上記第1のばね力よりも強くされている。
【0060】
ノズル部56はエアー供給部58よりも細径の略円筒状を為し、上端寄りの位置に外方に張り出したフランジ56aが形成されている。そして、透明材料により形成された受光部55がその上面がフランジ56aの下面に当接した状態でノズル部56の中間部に外嵌状に取り付けられている。
【0061】
そして、エアー供給部58の下端部にノズル部56の上端部が取り付けられ、ノズル部56内部と上記エアー供給室59とが連通される。
【0062】
尚、上記の通り、ノズル支持孔11、11、・・・は上方に行くに従って基軸3の中心軸に近づく向きに形成されているため、これに挿通された吸着ノズル52、52、・・・も上方に行くに従って基軸3の中心軸に近づくようにされる。このため、外嵌筒部54の上端部に取着されたリング状部材54dの外面は上記外嵌部材2の当接部2aの外周面2bと当接され(図1、図5及び図6参照)、外嵌部材2の回転によって吸着ノズル52が軸回りに回転される。
【0063】
尚、吸着ノズル52の回転は後述するように吸着ノズル52に吸着された電子部品がプリント回路基板に装着される際に正しい向きで装着されるようにするために為される。
【0064】
また、外嵌部材2の回転は該外嵌部材2の上端部と図示しない外嵌部材駆動部の駆動ローラとの間に巻回された駆動ベルトが外嵌部材駆動部の駆動により移動されることにより為される。
【0065】
上記の通り、当接部2aの外周面2bと吸着ノズル52は共に上方へ行くに従って基軸3の中心軸に近づくようにされているが、図7に示すように基軸3の中心軸Xに対する傾斜角は吸着ノズル52の方が稍大きくされている。即ち、当接部2aの外周面2bの傾斜角Yは上方へ行くに従って吸着ノズル52の中心軸Zに近づき、これにより当接部2aの外周面2bは上方へ行くに従って吸着ノズル52との距離が短くなるようにされている。そして、シール部材62の上面と外嵌筒部54の突出部54aの下面との間に第3のばね63が外嵌筒部54に外嵌状に縮設されていることから、外嵌筒部54に上方向への移動力が付勢されている。従って、例えば、外嵌部材2の回転によって吸着ノズル52が回転されることにより上記の通りゴム材料により形成されたリング状部材54dの当接部2aとの当接部分が磨耗しても、リング状部材54dは当接部2aの外周面2bに対し僅かに上方へ移動されたところで外周面2bに当接し、リング状部材54dの磨耗によって吸着ノズル52の回転が為されなくなってしまうようなことはない。
【0066】
また、上記の通り、上記基軸3が鉛直方向に対し約25°傾斜され、取付支持部6はノズル支持部9が被支持部8から稍斜め上方へ向けて突出するようにされているため、図1に示すように取付支持部6のノズル支持孔11、11、・・・に支持された吸着ノズル52、52、・・・が基軸3の回転に伴う取付支持部6の回転中に最下端に位置した場合(図1の右側に位置する吸着ノズル52)にのみ、吸着ノズル52は鉛直方向を向く。そして、この位置は吸着ノズル52、52、・・・が後述する電子部品を吸着したり、或は、プリント回路基板へ電子部品を装着する際の吸着位置及び装着位置とされる。
【0067】
尚、この吸着位置(装着位置)における厚肉部10の外側には、厚肉部10の外側面に近接して上記支持部材4に設けられた上下方向に延びる支持柱64が位置し、該支持柱64には後述する吸着ノズル52、52、・・・による電子部品の離脱又は吸着の際にバルブロッド26又はバルブロッド27の外端面を押圧する上側プッシャー65及び下側プッシャー66が上下に離間して設けられている。そして、支持柱64の上方側には該支持柱64に上下方向に摺動自在に支持された押圧部材67が設けられ、該押圧部材67は吸着位置に位置した吸着ノズル52の上端を下方へ押圧する押圧部67aを有している。尚、押圧部材67の下方への移動は該押圧部材67と連結された図示しない移動機構により為される。
【0068】
尚、支持柱64は支持部材4と共にツールヘッド1の後述する移動に伴って該ツールヘッド1との位置関係を保ったまま移動される。
【0069】
しかして、電子部品の吸着や吸着された電子部品のプリント回路基板への装着の際には、吸着ノズル52のノズル部56がスライド部53と共に上下動される。
【0070】
ノズル部56の下方への移動は被押圧部57の上端部がその上方に位置する押圧部材67により下方へ押圧されることにより為される。即ち、被押圧部57が押圧部材67により押圧されると、上記第1のばね乃至第3のばね60、61、63のうちばね力の最も弱い第2のばね61が圧縮されることによって被押圧部57が外嵌部材2に対して下方に移動され、該被押圧部57がエアー供給部58の嵌挿穴58a内に位置する第1のばね60を下方へ押圧し、エアー供給部58と受光部55とノズル部56とが被押圧部57と共に一体的に下方へ移動する。このとき、スライドピン57bの両端部は、外嵌筒部54のスライド孔54c、54cに案内されて下方へ移動する。
【0071】
尚、第1のばね60はノズル部56が下方に移動され、その先端面が電子部品に当接したときに電子部品に加わる衝撃を弱めるためのクッションとしての役割を果たしている。即ち、ノズル部56の先端面が電子部品に当接したときにさらに被押圧部57が押圧部材67により押圧されても、第1のばね60が圧縮され被押圧部57のみが第1のばね60の圧縮分下方に移動され、ノズル部56とエアー供給部58はそれ以上下方へは移動しない。
【0072】
ノズル部56の上方への移動は、被押圧部57への上記押圧部材67による押圧が解除され、圧縮されていた第2のばね61が元の状態に復することにより為される。即ち、押圧部材67による押圧が解除されると、圧縮されていた第2のばね61の反発力により被押圧部57が上方に移動され、スライドピン57bの両端部がエアー供給部58の挿通孔58d、58dの上端に当接されているためエアー供給部58と受光部55とノズル部56が被押圧部57と共に一体的に上方へ移動される。
【0073】
尚、吸着ノズル52が下方に移動されて電子部品を吸着する際には、負圧エアー供給装置から吸着ノズル52内に負圧エアーが供給される。即ち、負圧エアーは、負圧エアー供給装置−連結チューブ48−供給装置連結部材43の負圧エアー連通路50−基軸3の負圧エアー供給路3c−取付支持部6の負圧エアー供給路6a−エアー回路接続部7の上側部31の負圧エアー供給路7a−上側部31の連通孔35−連結チューブ40−取付支持部6の上側挿通孔12の小径部15という経路を通って負圧エアー供給口18から上側連通口17及びノズル支持孔11の大径部11cを介して吸着ノズル52のエアー供給室59内に供給される。そして、上記経路のうち負圧エアー供給装置から負圧エアー供給口18までが負圧エアー供給ライン68とされる。
【0074】
また、電子部品の吸着がされていないときには、図示しない正圧エアー供給装置から吸着ノズル52内に正圧エアーが供給される。即ち、正圧エアーは、正圧エアー供給装置−連結チューブ47−供給装置連結部材43の正圧エアー連通路49−正圧エアー供給路42a−エアー回路接続部7の下側部32の凹部36−下側部32の連通孔38−連結チューブ41−取付支持部6の下側挿通孔13の小径部21という経路を通って正圧エアー供給口25から下側連通口23及びノズル支持孔11の大径部11cを介して吸着ノズル52のエアー供給室59内に供給される。そして、上記経路のうち正圧エアー供給装置から正圧エアー供給口25までが正圧エアー供給ライン69とされる。また、供給される正圧エアーはノズル支持孔11とシリンダ19とを連通させている連通口24からシリンダ19内にも供給されることになる。
【0075】
以下に、図3及び図4に従って吸着ノズル52内部の空気圧の切換機構の動作について説明をする。
【0076】
尚、図3及び図4においては、それぞれ上側に上側挿通孔12の位置で切断した厚肉部10の横断面を示し、下側に下側挿通孔13の位置で切断した厚肉部10の横断面を示し、リンク部材29については説明の便宜のためバルブロッド26、27間を連結した状態で示してある。また、正圧エアーについては△を付し、負圧エアーについては梨字を付して示してある。
【0077】
図示しない電子部品供給装置の部品供給位置上方にツールヘッド1が移動される。
【0078】
上記基軸3が上記支持部材4に対して回転され、該基軸3の回転に伴いヘッド部5が基軸3と一体的に回転して一の吸着ノズル52が上記吸着位置に位置される。尚、吸着ノズル52が電子部品を吸着していない状態においては、上記の通り、吸着ノズル52内には正圧エアーが供給されており、図3に示すようにバルブロッド26はその小径部26aが負圧エアーに吸引されて負圧エアー供給口18が閉塞され、バルブロッド27はその小径部27aが正圧エアーに押圧されて正圧エアー供給口25と下側連通口23が開放された状態とされている。
【0079】
しかして、電子部品の吸着が行われていない吸着ノズル52、52、・・・においては、バルブロッド27、27、・・・により下側連通口23、23、・・・が開放されているため、各エアー供給室59、59、・・・は正圧エアー供給ライン69を介して連通されることになる。そして、上側連通口17、17、・・・はバルブロッド26、26、・・・により閉塞されているため、各エアー供給室59、59、・・・は負圧エアー供給ライン68を介しては連通されていない。
【0080】
尚、正圧エアーと負圧エアーはツールヘッド1の動作中には吸着ノズル52、52、・・・の電子部品の吸着、離脱に拘わらず正圧エアー供給ライン69又は負圧エアー供給ライン68に供給されている。
【0081】
厚肉部10の外側面に近接して位置する支持柱64に設けられた下側プッシャー66によってバルブロッド27の外端面が押圧される。そして、正圧エアー供給口25と下側連通口23を開放する位置に位置していたバルブロッド27は正圧エアー供給口25側に移動され正圧エアー供給口25と下側連通口23が閉塞される。また、バルブロッド27に設けられたピストン28はバルブロッド27の移動に伴って移動されコイルばね30が圧縮される(図4参照)。
【0082】
一方、負圧エアー供給口18と上側連通口17を閉塞していたバルブロッド26は、リンク部材29によりバルブロッド27の移動方向と反対の方向に移動され負圧エアー供給口18と上側連通口17が開放される(図4参照)。
【0083】
これにより、吸着ノズル52内に供給されていた正圧エアーの供給が遮断されると共に負圧エアー供給口18から上側連通口17を介して負圧エアーが吸着ノズル52内に供給される。
【0084】
負圧エアーが吸着ノズル52内に供給されると、上記したように押圧部材67により吸着ノズル52の被押圧部57の上端部が押圧され、ノズル部56が下方に移動される。そして、ノズル部56の先端面で電子部品供給装置の部品供給位置にある電子部品が吸着される。
【0085】
電子部品が吸着されると下側プッシャー66によるバルブロッド27の押圧が解除される。
【0086】
そして、ノズル部56に電子部品が吸着された状態においては、ノズル部56内とエアー供給室59内と該エアー供給室59と連通しているシリンダ19内は密閉状態となり所定の負圧に至る。従って、下側プッシャー66によるバルブロッド27の押圧が解除されても、ピストン28への負圧エアーの吸引力がコイルばね30のばね力に打ち勝って、ピストン28がコイルばね30を圧縮した状態即ち、図4の状態が維持され、正圧エアー供給口25が閉塞され、負圧エアー供給口18が開放された状態が維持される。
【0087】
尚、吸着ノズル52内に負圧エアーが供給された場合には、バルブロッド26の小径部26aも負圧エアーによって吸引されるが、バルブロッド26よりもシリンダ19の方が負圧エアーに接する面積が大きく、バルブロッド26の負圧エアー供給口18側への移動力よりもシリンダ19の正圧エアー供給口25側へのそれの方が大きく、また、コイルばね30の反発力とバルブロッド26の負圧エアー供給口18側への移動力の合計よりもシリンダ19の正圧エアー供給口25側への移動力が大きくなるようにシリンダ19の大きさが決定されており、バルブロッド26が負圧エアー供給口18側へ移動してしまうようなことはない。
【0088】
上記一の吸着ノズル52が電子部品を吸着すると、押圧部材67による吸着ノズル52の上端部への押圧が解除され、圧縮されていた第2のばね61の反発力により被押圧部57と共にノズル部56が上方に移動される。そして、基軸3が所定の角度だけ回転し電子部品の吸着が為されていない他の吸着ノズル52が吸着位置に位置される。そして、上記と同様にして吸着ノズル52が下方に移動され電子部品を吸着し、それから上方に移動される。
【0089】
全ての吸着ノズル52、52、・・・に電子部品が吸着されると、ツールヘッド1はプリント回路基板の部品取付位置上方へ移動される。尚、上記したように上記支持柱64はツールヘッド1の移動に伴って該ツールヘッド1との位置関係を保ったまま移動される。
【0090】
そして、ツールヘッド1がプリント回路基板の部品取付位置上方へ移動されると装着位置に位置された一の吸着ノズル52に吸着されている電子部品がプリント回路基板に正しい向きで装着されるように外嵌部材2が回転して吸着ノズル52を回転させる。尚、基軸3が回転されて吸着ノズル52が装着位置に位置されたときの吸着された電子部品の向きの認識は、部品装着装置に設けられた図示しない監視カメラにより電子部品を撮像して電子部品の状態を認識する部品認識装置により為されている。
【0091】
本発明ツールヘッドにあっては、上記支持部材4に回転自在に支持された外嵌部材2の回転により吸着ノズル52が回転されるため、例えば、吸着ノズル52を回転させるための回転装置を吸着ノズル52に設け該回転装置とこれを駆動させるための駆動部を電気的に接続し、吸着ノズル52を回転させる等の機構を設ける必要がない。
【0092】
そして、上記のように吸着ノズル52に設けられた回転装置と駆動部を電気的に接続する場合には、回転装置と駆動部との間に配される電線により基軸3の回転の自由度が低くなってしまうが、本発明ツールヘッドにあってはこのような問題を生じることもなく、比較的簡単な機構により吸着ノズル52、52、・・・を回転させることが出来る。
【0093】
ところで、吸着ノズル52、52、・・・の回転は外嵌部材2とリング状部材54dとを当接させ外嵌部材2を回転させることにより行うようにしているため、上記に示したように回転を繰り返すにつれリング状部材54dが磨耗して外嵌部材2の外周面2bに対するリング状部材54dの当接位置が変化してしまう(図5及び図6参照)。そして、リング状部材54dの磨耗前後において、外嵌部材2の回転軸から当接位置までの距離と吸着ノズル52の回転軸から当接位置までの距離との比が異なる場合には外嵌部材2と吸着ノズル52の回転比が変化し、即ち、外嵌部材2の回転角度に対する吸着ノズル52の回転角度が変化し吸着された電子部品の正しい向きへの修正に支障を来してしまう。
【0094】
ところが、本発明ツールヘッドにあっては、図7に示すように外嵌部材2の外周面2bとリング状部材54dとの当接位置が変化して当接位置が何れの位置にあっても外嵌部材2の回転軸から当接位置までの距離と吸着ノズル52の回転軸から当接位置までの距離との比が異ならないように外周面2bの基軸3に対する傾斜角と吸着ノズル52、52、・・・の基軸3に対する傾斜角が決定されている。図7に当接位置が変化して当接位置が何れの位置に移動しても外嵌部材2の回転軸から当接位置までの距離と吸着ノズル52の回転軸から当接位置までの距離との比が変わらないことを例示しており、図7(a)のA1対B1と図7(b)のA2対B2は同じである。
【0095】
従って、リング状部材54dが磨耗して外嵌部材2の外周面2bとリング状部材54dとの当接位置が変化しても、外嵌部材2の回転軸から当接位置までの距離と吸着ノズル52の回転軸から当接位置までの距離との比が変化せず、即ち、外嵌部材2と吸着ノズル52の回転比が変化するようなことはなく、吸着された電子部品の正しい向きへの修正に支障を来たすことがない。
【0096】
上記装着位置に位置された一の吸着ノズル52の被押圧部57の上端部が押圧部材67により押圧され、ノズル部56が下方に移動される。吸着ノズル52が下方へ移動されプリント回路基板に電子部品が当接されると、支持柱64に設けられた上側プッシャー65によってバルブロッド26の外端面が押圧される。
【0097】
そして、負圧エアー供給口18と上側連通口17を開放する位置に位置していたバルブロッド26は負圧エアー供給口18側に移動され負圧エアー供給口18と上側連通口17を閉塞する(図3参照)。
【0098】
一方、正圧エアー供給口25と下側連通口23を閉塞していたバルブロッド27は、リンク部材29によりバルブロッド26の移動方向と反対の方向に移動され正圧エアー供給口25と下側連通口23が開放される。また、バルブロッド27に設けられたピストン28はバルブロッド27の移動に伴って移動され圧縮されていたコイルばね30が元の状態に復する(図3参照)。
【0099】
これにより、吸着ノズル52内に供給されていた負圧エアーの供給が遮断されると共に正圧エアー供給口25から下側連通口23を介して正圧エアーが吸着ノズル52内に供給される。
【0100】
正圧エアーが吸着ノズル52内に供給されるとノズル部56から電子部品が離脱されプリント回路基板に電子部品が装着される。
【0101】
プリント回路基板へ電子部品が装着されると押圧部材67による被押圧部57への押圧が解除され、圧縮されていた第2のばね61の反発力により被押圧部57と共にノズル部56は上方へ移動され元の位置へ戻る。
【0102】
また、上側プッシャー65のバルブロッド26への押圧も解除されるが、上側プッシャー65の押圧が解除されても、バルブロッド26は負圧エアー供給口18を閉塞する位置に移動された状態で負圧エアーに吸引されており、また、ピストン28とバルブロッド27は正圧エアー供給口25を開放する位置に移動された状態で正圧エアーに押圧され、さらに、ピストン28はコイルばね30によって正圧エアー供給口25を開放する方向に付勢されているため、負圧エアー供給口18が閉塞され正圧エアー供給口25が開放された状態が維持される。
【0103】
上記一の吸着ノズル52がプリント回路基板に電子部品を装着すると、基軸3が所定の角度だけ回転し電子部品を吸着している他の吸着ノズル52が装着位置に位置され、上記と同様にして装着位置に位置された吸着ノズル52に吸着されている電子部品がプリント回路基板に正しい向きで装着されるように外嵌部材2が回転して吸着ノズル52を回転させる。そして、吸着ノズル52が下方に移動されプリント回路基板に電子部品を装着し、それから上方に移動される。
【0104】
全ての吸着ノズル52、52、・・・の電子部品がプリント回路基板に装着されると、再度、電子部品供給装置の部品供給位置上方にツールヘッド1が移動される。そして、吸着ノズル52、52、・・・による電子部品の吸着が為され、その後、吸着された電子部品のプリント回路基板への装着が為され、これらの吸着及び装着が繰り返し行われる。
【0105】
しかして、本発明ツールヘッドにあっては、基軸3内部にエアーの供給路を形成して各吸着ノズル52、52、・・・内部にエアーを供給するようにしているため、従来のツールヘッドのように各吸着ノズルのエアー供給室とエアー供給装置とを連結する基軸に這うようにして設けられるエアー供給パイプの必要がなく、従来のツールヘッドが有していたツールヘッドの回転によるエアー供給パイプ同士の接触、エアー供給パイプの基軸への巻き付き、或は、エアー供給パイプのねじれ等の問題は発生せず、吸着ノズル52、52、・・・に供給されるエアーの供給等に支障を来すことなくツールヘッド1を回転させることが出来る。
【0106】
そして、基軸3がヘッド部5と共に両方向に何度でも回転可能であることからツールヘッド1の回転の自由度が高まり、これにより従来のツールヘッドのようにツールヘッドを半回転づつ回転させて電子部品の吸着等を行う必要がなく、近年要求されている部品装着装置の高速化を図ることが出来る。
【0107】
また、基軸3内部に筒状部材42を配設して基軸3内部における筒状部材42の内外に正圧エアー供給路42aと負圧エアー供給路3cを形成し、正圧エアーと負圧エアーとが電子部品等を離脱させるモードと吸着するモードに応じて各別に吸着ノズル52、52、・・・内部に供給されるようにしていることから、電子部品の離脱は正圧エアーにより、また、電子部品の吸着は負圧エアーにより行うことが出来る。
【0108】
尚、かかる場合のように電子部品の離脱を正圧エアーによって行うようにすれば、電子部品の離脱を吸着ノズル内部への負圧エアーの遮断により行う方法に比し、電子部品を離脱させる速度が速くなることによる部品装着装置の高速化や電子部品の離脱の確実性の向上に寄与する。
【0109】
【発明の効果】
以上に記載したことから明らかなように、本発明ツールヘッドは、基軸が支持部材に回転自在に支持され、基軸に設けられたフランジ状の取付支持部にその周方向に複数並んで支持されると共にエアー供給装置から供給されるエアーにより電子部品等を吸着する吸着ノズルを備えたツールヘッドにおいて、エアー供給装置と連結されると共に内部にエアーが供給される連通路が形成された供給装置連結部材と、基軸は略筒状に形成されると共にその上端部が供給装置連結部材に回転可能に支持され、基軸内部が連通路と連通するエアー供給路とを有し、エアー供給路内に筒状部材を配設して基軸内部における筒状部材の内外に正圧エアー供給路と負圧エアー供給路を形成し、連通路は正圧エアー連通路と負圧エアー連通路の2つの連通路として形成され、正圧エアー供給路は正圧エアー連通路と連通されると共に、負圧エアー供給路は負圧エアー連通路と連通され、正圧エアーと負圧エアーが電子部品等の離脱モードと吸着モードに応じて吸着ノズル内部に各別に供給されるようにしたことを特徴とする。
【0110】
従って、本発明ツールヘッドにあっては、基軸内部における筒状部材の内外にそれぞれエアーの供給路を形成して各吸着ノズル内部に各別にエアーを供給するようにしているため、従来のツールヘッドのように各吸着ノズルのエアー供給室とエアー供給装置とを連結する基軸に這うようにして設けられるエアー供給パイプの必要がなく、従来のツールヘッドが有していたツールヘッドの回転によるエアー供給パイプ同士の接触、エアー供給パイプの基軸への巻き付き、或は、エアー供給パイプのねじれ等の問題は発生せず、吸着ノズルに供給されるエアーの供給等に支障を来すことなくツールヘッドを回転させることが出来る。
【0111】
そして、基軸がヘッド部と共に両方向に何度でも回転可能であることからツールヘッドの回転の自由度が高まり、これにより従来のツールヘッドのようにツールヘッドを半回転づつ回転させて電子部品の吸着等を行う必要がなく、近年要求されている部品装着装置の高速化を図ることが出来る。
【0112】
尚、上記した実施の形態に示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際しての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図7と共に本発明ツールヘッドの実施の形態を示すものであり、本図はツールヘッドが支持部材に支持された状態を示す縦断面図である。
【図2】吸着ノズルと空気圧の切換機構とを拡大して示す縦断面図である。
【図3】図4と共に空気圧の切換機構の動作を説明するための図であり、本図は負圧エアー供給口が閉塞され正圧エアー供給口が開放された状態を拡大して示す断面図である。
【図4】負圧エアー供給口が開放され正圧エアー供給口が閉塞された状態を拡大して示す断面図である。
【図5】図6と共に吸着ノズルのリング状部材と外嵌部材の当接部が当接した状態を示すものであり、本図はリング状部材が磨耗する前の状態を示す拡大縦断面図である。
【図6】リング状部材が磨耗した後の状態を示す拡大縦断面図である。
【図7】外嵌部材の当接部と吸着ノズルのリング状部材との当接位置が変化した場合において、外嵌部材の回転軸から当接位置までの距離と吸着ノズルの回転軸から当接位置までの距離との比の関係を示すものであり、(a)はリング状部材が磨耗する前の状態、(b)はリング状部材が磨耗した後の状態を示す概略拡大側面図である。
【符号の説明】
1 ツールヘッド
2 外嵌部材
2a 当接部
2b 外周面
3 基軸
3c エアー供給路
3c 負圧エアー供給路
4 支持部材
6 取付支持部
42 筒状部材
42a 正圧エアー供給路
49 正圧エアー連通路
50 連通路
50 負圧エアー連通路
52 吸着ノズル
54d リング状部材
63 付勢手段
Claims (4)
- 基軸が支持部材に回転自在に支持され、基軸に設けられたフランジ状の取付支持部にその周方向に複数並んで支持されると共にエアー供給装置から供給されるエアーにより電子部品等を吸着する吸着ノズルを備えたツールヘッドにおいて、
上記エアー供給装置と連結されると共に内部にエアーが供給される連通路が形成された供給装置連結部材と、
上記基軸は略筒状に形成されると共にその上端部が上記供給装置連結部材に回転可能に支持され、基軸内部が上記連通路と連通するエアー供給路とを有し、
上記エアー供給路内に筒状部材を配設して基軸内部における筒状部材の内外に正圧エアー供給路と負圧エアー供給路を形成し、
上記連通路は正圧エアー連通路と負圧エアー連通路の2つの連通路として形成され、
上記正圧エアー供給路は正圧エアー連通路と連通されると共に、上記負圧エアー供給路は負圧エアー連通路と連通され、
上記正圧エアーと負圧エアーが電子部品等の離脱モードと吸着モードに応じて上記吸着ノズル内部に各別に供給されるようにした
ことを特徴とするツールヘッド。 - 上記基軸のうち上記取付支持部の上方側に外嵌されて基軸と各別に回転可能にされた外嵌部材が設けられ、
該外嵌部材はフランジ状の当接部を有し、
上記吸着ノズルはその中間部が取付支持部に回転自在に支持されると共に取付支持部の上方側に突出する部分に外嵌状にリング状部材が設けられ、
該リング状部材が上記外嵌部材の当接部の外周面に当接し、
外嵌部材の回転によりリング状部材を介して吸着ノズルが回転されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載のツールヘッド。 - 上記外嵌部材の当接部の外周面は上方へ行くに従って吸着ノズルとの距離が短くなるような傾斜面として形成され、
上記リング状部材は付勢手段により上方への移動力が付勢されている
ことを特徴とする請求項2に記載のツールヘッド。 - 上記当接部の外周面は上方へ行くに従って基軸との距離が短くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のツールヘッド。
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1995
- 1995-12-07 JP JP34472395A patent/JP3772372B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4756109B1 (ja) * | 2010-09-10 | 2011-08-24 | ヤマハ発動機株式会社 | 部品実装装置 |
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JPH09162597A (ja) | 1997-06-20 |
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