JP3772240B2 - 押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種押しボタンスイッチに用いられるステンレス鋼箔製ばね材、特に、携帯電話機等の電子機器を操作する押しボタンスイッチや多機能スイッチに使用されるばね材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種のスイッチに使用される薄板状のばね材としては、SUS301、304、305等のオーステナイト系ステンレス鋼が用いられている。この理由は、これらオーステナイト系ステンレス鋼からなる薄板は、冷間圧延時の加工硬化によりばね材としての特性が付与されるからである。また、これらばね材を用いたスイッチは、電子機器に組み込まれると、電気回路の接点部材として使用される。このため、ばね材の表面には電気めっき法により、ニッケルからなる下地めっき層を形成した後、この下地めっき層の表面に銀、金から成る表面層を形成して導電性や半田付け性を向上させることが従来から行われているが、繰り返しの押圧操作により、めっき層が剥離する不具合も発生していた。
【0003】
近年、携帯電話機をはじめとする電子機器には、各種の操作用押しボタンスイッチ(テンキー)や多機能(4方向)スイッチ等が使用されるようになってきた。これらのスイッチの部品として使用されている上記ステンレス鋼からなるばね材には、小形で薄いこと、耐久性が高いこと、スイッチ操作時にストローク感(スイッチを押したという感触が得られること)があること、クリック感が良い(ソフトタッチで操作できる)こと、電気接点として使用されるので接触電気抵抗値が低いこと、等が要求されている。
【0004】
電子機器、例えば携帯電話機には、数字、文字等を入力するテンキーと、携帯電話機の各種の機能の選択等を行う多機能(4方向)スイッチが使用されている。携帯電話機によりメールを送信するときには、上記テンキーの押圧操作が短時間に連続して多発する。また、これに伴って、多機能スイッチの操作回数も多くなる。このため、携帯電話機の各種スイッチに使用されているステンレス鋼製ばね材には、30万〜200万回のスイッチ操作にも耐えられる耐久性が要求されている。
【0005】
また、携帯電話機等の電子機器に用いられている押しボタンスイッチは、電子回路内の通電を行う接点部材として使用される。上記のように、短時間のうちに頻繁に繰り返してテンキー操作を行うと、ばね材は、この押圧により発生した熱、可動接点と固定接点との接触抵抗によるジュール熱により、加熱されることになる。一方、多機能スイッチの接点構造は、ばね材に対して斜め方向から押圧されるような構成になっているタイプもある。このようなタイプの多機能スイッチでは、上記のジュール熱に加えて、固定接点等との摺動による摩擦熱も発生することになる。
【0006】
ステンレス鋼板にニッケルからなる下地めっき層を形成し、この下地めっき層の表面に銀からなる表面めっき層を形成した従来のばね材において、上記のように、短時間に多数回のスイッチ操作を繰り返して行うと、このばね材はジュール熱の発生により加熱されて温度が上昇して、めっき層は酸化して接触電気抵抗値は高くなり、ジュール熱が一層発生することになる。さらに、上記の摩擦熱が発生すると、ばね材は一層加熱されることになる。すると、銀からなる表面めっき層に浸入した大気中の酸素は、ニッケルからなる下地めっき層の表面に到達し、ニッケルめっき層の表面を酸化させる。この下地めっき層であるニッケルが酸化されると、上層のめっき層との密着性が低下し、いわゆる、銀めっき層の剥離が発生することになる。近年、操作回数が多くなるような押しボタンスイッチのばね材において、このような押圧による熱、ジュール熱、摩擦熱の発生によるめっき層の破壊現象が発生し、適切な対策が望まれている。
【0007】
下地めっき層としてニッケルめっき層を形成し、この下地めっき層の表面に銀めっき層を形成しためっき層の酸化を防止する技術として、下記の文献が提案されている。
【0008】
【非特許文献1】
表面技術、Vol.45、No.1、1994(第78頁〜第81頁)
【0009】
上記文献1には、銅合金材からなるリードフレーム材に、下地のニッケルめっきと最表面の銀めっきとの間に銅めっきを形成すると、ニッケルめっき上の銀めっきの密着性の低下を抑えられることが記載されている。さらに、同文献にはこの理由として、銀めっき層内に拡散した銅が、銀めっき中を透過する酸素の捕捉剤として作用するため、銀めっきの表面から透過する酸素を、より表面に近い位置に留め、ニッケルめっき界面の酸化を抑制する結果、ニッケルめっき上の銀めっきの密着性低下を抑えられる、ことが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記文献1に記載されている技術は、銅合金材からなるリードフレーム材の表面に、ニッケルからなる下地めっき層と、銅からなる中間めっき層と、銀からなる表面めっき層を形成したものであって、密着性が悪いステンレス鋼に対してニッケルおよび銀めっき層を形成したものではない。さらに、電子機器等に用いられるステンレス鋼からなるばね材のように、短時間に繰り返して押圧を受ける用途を対象としたものではなく、かつ、ばね材として要求される特性に関しても開示されていない。
【0011】
本発明の目的は、携帯電話機をはじめ各種の電子機器の押しボタンスイッチに用いられるステンレス鋼からなり、繰り返しの押圧を受ける電気接点用ばね材について、その表面に形成されるめっき層の密着性を改善すると共に、耐久性も向上させ、長寿命である押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、厚さが75μm以下、ビッカース硬さが430以上、引張り強さが1320 N /mm 2 以上の特性値を有するオーステナイト系ステンレス鋼箔からなり繰り返しの押圧を受ける電気接点用ばね材において、
前記オーステナイト系ステンレス鋼箔の表面に、厚さ0.2〜0.4μmのニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層と、前記下地めっき層の表面に、厚さ0.2〜0.6μmの銅または銅合金からなる中間めっき層と、前記中間めっき層の表面に、銀または銀合金からなる表面めっき層を備えている押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材である。
このニッケル合金としては、燐(P)等を含有する合金めっき層を形成してもよい。また、銅合金としては、金(Au)、コバルト(Co)等を含有する合金めっき層を形成してもよい。
【0013】
さらに、本発明は、前記銀または銀合金からなる表面めっき層は、0.5〜1.0μmのめっき厚さを備えている押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材である。
【0014】
また、本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼箔を多段圧延機により、厚さが75μm以下、ビッカース硬さが430以上、引張り強さが1320 N /mm 2 以上になるように冷間圧延した前記ステンレス鋼箔に、電気めっきにより、厚さ0.2〜0.4μmのニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層を形成し、前記下地めっき層の表面に厚さ0.2〜0.6μmの銅または銅合金からなる中間めっき層を形成し、前記中間めっき層の表面に厚さ0.5〜1.0μmの銀または銀合金からなる表面めっき層を形成するようにした、繰り返しの押圧を受ける押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材の製造方法である。
【0018】
本発明の押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材は、携帯電話機をはじめ各種の電子機器に広く利用されているステンレス鋼製の押しボタンスイッチ、多機能(4方向)スイッチ等のばね材に使用すると、短時間の繰り返しスイッチ操作に伴う耐久性の劣化を防止し、かつ、スイッチ操作時の感触を向上させることができる。
【0019】
本発明の押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材は、SUS301,SUS304、SUS305等のオーステナイト系ステンレス鋼板を次のような製造手順により製造することができる。
まず、帯(コイル)状のオーステナイト系ステンレス鋼板を、多段式圧延機を使用し、その最終圧延においては複数の圧延パスを経て、厚さを例えば20〜75μmに圧延して、そのビッカース硬さを430以上、引張り強さを1320N/mm2以上にする。続いて、このコイル状の鋼箔に、電気めっき法により、厚さ0.2〜0.4μmのニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層を形成し、この下地めっき層の表面に厚さ0.2〜0.6μmの銅または銅合金からなる中間めっき層を形成し、この中間めっき層の表面に厚さ0.5〜1.0μmの銀または銀合金からなる表面めっき層を形成することにより製造することができる。電気めっき法を採用した場合、上記ビッカース硬さ、引張り強さの値は低下することはないので、めっき完了後のステンレス鋼箔製ばね材には、上記ビッカース硬さが430以上、引張り強さが1320N/mm2以上の特性値を得ることができる。
【0020】
本発明において、オーステナイト系ステンレス鋼箔の厚さを75μm以下に限定する理由は次の通りである。このステンレス鋼箔が電子機器、特に携帯電話機の押しスイッチ(テンキー)や多機能スイッチのばね材として使用される場合には、ばね材としての強度とスイッチ操作の感覚の快さ(キー操作感覚、またはクリック感覚)、ストローク感覚(押したという感覚)と、小型化・薄型化が要求される。厚さが75μmを超えると、スイッチの押圧時の押圧力感が強くなり、操作者に快さを感じさせなくなると共に、ばね材の表面積を大きくする必要が生じてスイッチ自体が大きくなるからである。また、ばね材の厚さは薄いほどスイッチは小型化できるが、厚さが薄すぎると、ばね材の製造(プレス工程など)工程において、このばね材のハンドリング作業が困難になる不具合が生じる。現状のプレス工程等のハンドリング作業効率を考慮すると、このばね材の厚さは20μm以上にすることが望ましい。
【0021】
さらに、本発明において、銅または銅合金からなる中間めっき層の厚さを少なくとも0.2μm形成する理由は次の通りである。本発明のばね材は、押圧して使用されることを前提としており、この場合、押圧力が作用しない部材と比較して、めっき層の剥離が生じやすい。そこで、本発明のステンレス鋼箔製ばね材は中間めっき層である銅または銅合金からなるめっき層の厚さをニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層の厚さ並みに厚く形成したことに特徴がある。
【0022】
銅または銅合金からなる中間めっき層の厚さを0.2μmより薄く形成すると、この銅が酸素を捕捉する作用が低下し、前記した繰返しの押圧により発生する熱、ジュール熱、摩擦熱などにより、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層が酸化されやすくなる。これにより、下地めっき層からめっき層の剥離が発生する恐れが生じる。但し、中間めっき層の厚さが大きくなると、銀または銀合金からなる表面めっき層に拡散する銅の量が増加するので、表面めっき層の耐食性が低下することになる。従って、銅または銅合金からなる中間めっき層の厚さは、0.6μmまたは0.5μm以下の範囲になるように形成することが望ましい。また、銅または銅合金からなる中間めっき層の析出粒子の粒径は小さく、かつ均一にすることが好ましい。この理由は、析出粒子の粒径を小さくするとこの粒子の表面積が大きくなるので、それだけ、酸素を捕捉する作用が増加すると推測されるからである。このように銅めっき層の析出粒子径を適切にするためには、銅めっき時の電流値を適切に制御することにより実現できる。
【0023】
さらに、本発明において、銀または銀合金からなる表面めっき層の厚さを少なくとも0.5μmにする理由は次の通りである。銀または銀合金からなる表面めっき層は、電気接点としての機能と、銅または銅合金からなる中間めっき層から拡散した銅により大気中から浸入した酸素を捕捉する機能を備えている。これら二つの機能を発揮させるためには、少なくとも表面めっき層の厚さは0.5μmを必要とするからである。また、表面めっき層の厚さを大きくすると、貴金属である銀の使用量が増加してコスト高になるので、表面めっき層の厚さは0.5〜1.0μmの範囲にすることが望ましい。
【0024】
さらに、本発明において、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層の厚さを少なくとも0.2μmにする理由は次の通りである。ニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層は、基材であるステンレス鋼箔の耐食性の向上と、銅または銅合金からなる中間めっき層と銀または銀合金からなる表面めっき層の密着性を向上させる作用を行うために形成するめっき層である。このような作用を発揮させるためには、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層の厚さは、少なくとも0.2μmを必要とする。また、この厚さを大きくしてもその効果には限界があるので、下地めっき層の厚さの上限値は、0.4μm程度でよい。なお、この下地めっき層を形成するとき、ニッケルまたはニッケル合金からなる0.1μm以下のストライクめっき層を形成した後、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層を形成するとよい。
【0025】
さらに、本発明において、オーステナイト系ステンレス鋼箔のビッカース硬さを430以上、引張り強さを1320N/mm2以上にするとよい。その理由は次の通りである。本発明のステンレス鋼箔製ばね材は、上記のように、特に携帯電話機の押しボタンスイッチや多機能スイッチ等のばね材として、繰返しの押圧作用を受ける状態で使用される。このようなスイッチのばね材として使用されるためには、30万回〜200万回の押圧を伴うスイッチ操作を行っても、ばね材としての強度が低下しないこと、スイッチ操作の快さが持続されること、疲労破壊等が発生しないこと等が要求される。この要求に対応するためには、オーステナイト系ステンレス鋼箔のビッカース硬さは少なくとも430以上、引張り強さを1320N/mm2以上にする必要があるからである。特に、多機能スイッチのばね材として使用する場合には、ビッカース硬さは540以上、引張り強さは1600〜1800N/mm2以上の特性値が要求される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1は本発明のステンレス鋼箔製ばね材の構成例を示す断面図である。図1において、1はばね材の基体となるステンレス鋼箔であり、公知のオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS301、SUS304、SUS305、等であり、ビッカース硬さが430以上、引張り強さが1320N/mm2以上の特性値を備えている。ステンレス鋼箔1の厚さは、75μm以下、製造工程のハンドリング性を考慮するとその厚さは20μm以上にすることが望ましい。ステンレス鋼箔1の両面には厚さ0.2〜0.4μmのニッケル(以下、Niという)またはNi合金からなる下地めっき層2、下地めっき層2の片側の表面には厚さ0.2〜0.6μmの銅(以下、Cuという)またはCu合金からなる中間めっき層3、中間めっき層3の表面には厚さ0.5〜1.0μmの銀(以下、Agという)またはAg合金からなる表面めっき層4が形成されている。NiまたはNi合金からなる下地めっき層2は、ステンレス鋼箔1の全面に形成して、ステンレス鋼箔1の耐食性の向上と、AgまたはAg合金からなる表面めっき層4の密着性を向上させるために行うめっき層である。
【0027】
なお、図1においては、ステンレス鋼箔1の片面に、中間めっき層3、表面めっき層4を形成した例を示しているが、ばね材の仕様により、ステンレス鋼箔1の両面にNiまたはNi合金からなる下地めっき層2を形成した後、ステンレス鋼箔1の両面に中間めっき層3と表面めっき層4を形成したばね材としてもよい。
【0028】
本発明において、NiまたはNi合金からなる下地めっき層2は、ステンレス鋼箔1の耐食性の向上と、中間層3及び表面層4のめっき層の密着性を良くするために行うめっき層であり、少なくともその厚さは0.2μm、好ましくは0.2〜0.4μmになるように形成する。CuまたはCu合金からなる中間めっき層3は、本発明の特徴をなすめっき層であって、下地めっき層2のNiの酸化を防止するために形成されるめっき層である。このCuまたはCu合金からなる中間めっき層3は、前記したように、本発明のばね材が短時間の繰り返しの押圧を伴うスイッチ操作により発生する熱、ジュール熱、摩擦熱、などにより加熱されたとき、大気中の酸素がAgからなる表面めっき層4に浸入し、さらに、NiまたはNi合金からなる下地めっき層2に到達することを防止する作用を行う。すなわち、中間めっき層3のCuは、この中間めっき層3に浸入した酸素を捕捉する作用を行って、NiまたはNi合金からなる下地めっき層2の酸化を防止する機能を発揮する。特に、NiまたはNi合金からなるめっき層は、加熱すると一層酸化されやすくなるので、このCuまたはCu合金からなる中間めっき層3は、ばね材に形成されためっき層の耐久性向上に重要な作用を行う。
【0029】
AgまたはAg合金からなる表面めっき層4は、接点部材としての導電性と、半田付け性を向上させるために設けるめっき層であり、その厚さは少なくとも0.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmになるように形成するとよい。また、このAgまたはAg合金からなる表面めっき層4には、中間めっき層3のCuの一部が拡散し、このCuが表面めっき層4に浸入した酸素を捕捉する作用も行う。
【0030】
電子機器のスイッチに用いられるばね材は、スイッチ操作時に圧縮と復元が繰り返されるときに発生する熱、固定接点と電気的接触を伴う通電時に発生するジュール熱、固定接点などの摩擦により発生する摩擦熱、あるいは微小なスパーク等により温度が上昇する。ばね材の温度が上昇すると中間めっき層3のCuは、AgまたはAg合金からなる表面めっき層4に拡散しやすくなる。表面めっき層4に拡散したCuは、外部から表面めっき層4に浸入した酸素と結合し、中間めっき層3、下地めっき層2に酸素が浸入することを防止する作用も行う。しかし、中間めっき層3の厚さが大き過ぎると、Cuの拡散量が増加して、表面めっき層4の耐食性を低下させる作用を行う。従って、中間めっき層3の厚さは、少なくとも0.2μm、より望ましくは0.3μm〜0.6μmにするとよい。
【0031】
本発明のばね材において、上記のようにCuまたはCu合金からなる中間めっき層3の厚さを少なくとも0.2μm、望ましくは0.3μm〜0.6μmにすることが好ましい理由について、さらに説明すると次のようになる。厚さが0.2μより少ないと、中間めっき層3のCuが表面めっき層4に拡散する量が少なくなり、表面めっき層4における酸素の捕捉が不十分になる。これにより、表面めっき層4から中間めっき層3に浸入した酸素について、中間めっき層3自体も酸素の捕捉が不十分になり、大気中から表面めっき層4に浸入した酸素が下地めっき層2に到達し、Niを酸化させて下地めっき層2からめっき層の剥離を発生させる原因になるからである。また、中間めっき層3の厚さが0.6μmを越えると、表面めっき層4へのCuの拡散量が多くなって、表面めっき層4の耐食性が低下することになるからである。また、中間めっき層3の厚さが少なくとも0.2μmあれば、中間めっき層3に浸入した酸素のほとんどは、中間めっき層3のCuにより捕捉され、NiまたはNi合金からなる下地層4に浸入する酸素は微量になると推測されるからである。
【0032】
本発明のばね材の基材となる厚さ75μm以下のオーステナイト系ステンレス鋼箔は、次のような製造方法により製造することができる。
1)まず、厚さが0.3mm程度のコイル状のSUS301、SUS304、SUS305等からなるオーステナイト系ステンレス鋼板を準備し、粗圧延により厚さが80μm〜100μmに冷間圧延する。
2)続いて、上記1)で粗圧延した鋼板を可逆式12段あるいは20段等の多段圧延機を用い、複数の圧延パス(6〜10パス程度)を繰り返す冷間圧延により、ばね材の仕様に基づいた厚さ、例えば20〜75μmの厚さに仕上げ圧延する。
【0033】
3)この複数の仕上げ圧延パスにおいては、各圧延パスの圧下率を20%以下、特に、最終の仕上げ圧延パスに近いほど圧下率を低くして、オーステナイト系ステンレス鋼の加工変態により硬度を向上させるようにする。
4)圧延作業が完了したステンレス鋼箔には、適切なテンションアニーリング処理を施して加工歪みを除去する。
【0034】
5)上記1)〜4)の製造方法により、厚さが0.3mm程度のSUS301、SUS304、SUS305等のオーステナイト系ステンレス鋼板から厚さ20〜75μm、ビッカース硬さ(Hv)が430以上、引張り強さが1320N/mm2以上としたコイル状のステンレス鋼箔を得ることができる。なお、このコイル状のステンレス鋼箔には、前記しためっき層を形成するので、コイルの進行方向と直交する方向の幅が適切な値になるように複数のコイルに切断(スリット)する。
【0035】
そして、本発明の押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材は、このスリットされたコイル状のステンレス鋼箔に、電気めっき装置を用いて、NiまたはNi合金からなる下地めっき層2、CuまたはCu合金からなる中間めっき層3、AgまたはAg合金からなる表面めっき層4を順次形成することにより製造することができる。また、表面めっき層4を形成したコイル状のステンレス鋼箔には、公知の硫化処理を行なって耐硫化腐食性が付与される。そして、この硫化処理を行なったコイル状のステンレス鋼箔製ばね材は、ばね材の製造工程、特に、プレス成形機の仕様に合わせて、コイルの進行方向と直交する方向の幅が適切な値になるようにスリットされる。なお、スイッチの製造工程においては、このテンレス鋼箔製ばね材は、プレス加工機等を使用して各スイッチの仕様に応じて加工・成形された後、所定の寸法に切断される。
【0036】
続いて、本発明の押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材にめっきを施す方法について説明する。上記コイル状のステンレス鋼箔にめっきを施す装置としては、めっきライン上に順次、NiまたはNi合金の電気めっきを行うめっき槽、CuまたはCu合金の電気めっきを行うめっき槽、AgまたはAg合金の電気めっきを行うめっき槽を配置した連続電気めっき装置を利用するとよい。
【0037】
本発明において、下地めっき層2として、例えばNiめっきを形成する電解めっき液は、NiCl2、H3BO3を含む電解液を使用することができる。中間めっき層3として、例えばCuめっき層を形成する電解めっき液は、CuSO4・5H2O、H2SO4を含む電解液を使用することができる。また、表面めっき層4として、例えばAgめっき層を形成する電解めっき液は、Agを含むKCNからなる電解液を使用することができる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)
本発明の押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材について、その接触電気抵抗値を測定した。この接触電気抵抗値を測定した本発明のばね材の仕様は下記の通りである。なお、この接触電気抵抗値の測定は、(株)山崎精機研究所製の電気接点シミュレータ(CRS−113−Au)を使用した。
ステンレス鋼箔の材質 :SUS301
ステンレス鋼箔の厚さ :40μm
下地Niめっき層の厚さ:0.2μm
中間Cuめっき層の厚さ:
0.1μm(比較例1)
0.2μm(本発明例1)
0.5μm(本発明例2)
表面Agめっき層の厚さ:1.0μm、
また、上記と比較するために同じ材質と厚さからなるステンレス鋼箔に、Cuからなる中間めっき層を形成しないで、Niからなる下地めっき層の上に、Agからなる表面めっき層を形成したばね材(比較例2)についても、接触電気抵抗値を測定した。なお、この下地めっき層と表面めっき層の厚さは上記と同一にした。
【0039】
また、この、接触電気抵抗値の測定条件は次のように設定した。
印加電流:10mA
荷重 :10g
試験片の移動速度:1mm/分
測定方向:ステンレス鋼箔製ばね材の圧延方向と直交する方向
プローブ:純金製ワイヤー
【0040】
実施例1の測定結果を図2に示す。図2は、プローブの移動距離に対応する接触電気抵抗値の変化を示す線図である。そして、図2(a)は上記比較例1、同(b)は本発明例1、同(c)は本発明例2、同(d)は比較例2の接触電気抵抗値の変化を示す。中間層のCuめっき層の厚さを0.2μmとした本発明例1のばね材においては、図2(b)に示すように、接触電気抵抗値の平均値は5.25mΩ、同じく、中間層のCuめっき層の厚さを0.5μmとした本発明例2のばね材においては、図2(c)に示すように、接触電気抵抗値の平均値は5.75mΩの値が得られた。
これに対して、中間層のCuめっき層の厚さを0.1μmとした比較例1のばね材においては、図2(a)に示すように、接触電気抵抗値の平均値は7.5mΩ、中間層を形成しなかった比較例2のばね材では、図2(d)に示すように、接触電気抵抗値の平均値は8.75mΩの値が得られた。
【0041】
以上の結果から、本発明例のばね材は、比較例のばね材と比べ、接触電気抵抗値が30%も向上することが判明した。従って、本発明のステンレス鋼箔製ばね材は、スイッチの接点部材用ばね材として、より適していると判断できる。なお、Cuからなる中間めっき層の厚さを0.1μmとした比較例1に対して、Cuめっき層の厚さを0.2μmとした本発明例のばね材の接触電気抵抗値が低くなる理由は、測定時の印加電流はCuめっき層にも流れ、導電性が高いCuめっき層の厚さを大きくしたために導電性が向上したものと推測される。また、Cuからなる中間層めっき層を形成しなかった比較例2の接触電気抵抗値が高くなった理由は、測定時の印加電流は、Cuより電気抵抗値が高いAgめっき層またはNiめっき層を流れるために接触電気抵抗値が高くなったと推測できる。
【0042】
(実施例2)
厚さ40μmのステンレス鋼箔(SUS301)に、Niからなる下地めっき層、Cuからなる中間めっき層、Agからなる表面めっき層を形成した試料を作成した。そして、これら試料を大気中雰囲気において、350℃で3分間ほど加熱した場合、同じく450℃で3分間ほど加熱した場合、および室温に保持した試料について、オージェ分析を行い、めっき層の深さ方向における各元素Ag、Cu、Ni、酸素(O)のエネルギー検出強度を分析した。この試料に形成した各めっき層の厚さ、および加熱条件を表1に示す。
なお、実施例2において、各試料を加熱した理由は、前記のように、本発明のばね材は短時間に繰返しの押圧作用を受けることにより発生する熱や、ジュール熱、摩擦熱等によりばね材は加熱される。これにより中間めっき層のCuは拡散し、さらに、大気中の酸素は各めっき層へ浸入するので、各めっき層の状況を評価するために行ったものである。
【0043】
【表1】
【0044】
実施例2の分析結果を図3〜図5に示す。図3はCuからなる中間めっき層の厚さを0.16μm、図4はCuからなる中間めっき層の厚さを0.25μm、図5は同じく0.57μmとした場合を示し、さらに、図3を除く各図の(a)は上記試料を室温に保持した場合、同じく各図の(b)は350℃で3分間加熱した場合、同じく各図の(c)は450℃で3分間加熱した場合を示す。なお、各図の横軸はオージェ分析時のスパッタリング時間(分)、縦軸は各元素の検出強度を示している。また、Agは他の元素と比較して検出強度が極めて高くなるので、Cu、Ni、O(酸素)の検出強度(縦軸)は、5倍に強調した値を各図に表示している。
【0045】
図3〜図5から次のことが明らかになった。
1)室温に保持した各試料については、Cuからなる中間層めっき層への酸素(図では、Oと表示している)の浸入は認められたが、Niめっき層への浸入はほとんど認められなかった。
2)350℃で3分間加熱した場合、中間めっき層のCuが、Agからなる表面めっき層に拡散していることが認められ、この拡散に追従するように表面めっき層は酸素を含有している。この現象は、表面めっき層に拡散したCuが酸素を捕捉しているものと推測される。また、中間層の厚さを0.16μmとした試料(図3(b))においては、中間めっき層への酸素の浸入が認められ、さらに、下地めっき層への浸入も認められた。
【0046】
3)同じく、350℃で3分間加熱した場合、中間めっき層の厚さを0.25μmとした試料(図4(b))においては、中間めっき層への酸素の侵入は認められ、さらに、下地めっき層への浸入も微量認められた。このことは、Cuからなる中間めっき層が酸素を捕捉し、下地めっき層への酸素の侵入を少し防止していると推測される。また、中間めっき層の厚さを0.57μmとした試料(図5(b))においては、中間めっき層の表面近くで酸素の侵入が防止されていることが確認された。
4)450℃で3分間加熱した場合、各試料とも、酸素がNiからなる下地めっき層まで侵入していることが確認された。これは、450℃の高温に3分間も保持すると、中間層めっき層のCuが酸素を捕捉する作用が限界を超えることを示すものと推測される。
【0047】
各種の電子機器に使用される押しボタンスイッチ等のばね材は、実際には350℃〜450℃の雰囲気に3分間も曝されることはない。従って、上記実施例の結果から、Cuからなる中間めっき層の厚さを少なくとも0.2μm、望ましくは0,3μm以上形成すると、繰り返しのスイッチ操作により発生する熱(ばね材の押圧と復元)、ジュール熱、摩擦熱等によりそのばね材の温度が上昇したことにより、大気中の酸素がAgからなる表面めっき層から浸入しても、この中間めっき層のCuがこの酸素を捕捉することができるものと考えられる。
【0048】
【発明の効果】
以上に記述した本発明は、次のような効果を発揮することができる。
1)電子機器、特に、携帯電話機の多機能スイッチを含む操作用の押しボタンスイッチ用のばね材として使用しても、Niからなる下地めっき層の酸化を防止することができる。
2)これにより、携帯電話機のように、繰り返してスイッチ操作を行う使用環境において、30万回〜200万回近くのスイッチ操作を行っても、めっき層の剥離や耐久性が低下しない各種の操作ボタン用のステンレス鋼箔製ばね材を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明および比較例のばね材について、接触電気抵抗値を測定した結果を示す線図であり、(a)は比較例、(b)および(c)は本発明例、(d)は他の比較例の接触電気抵抗値の変化を示す線図である。
【図3】中間めっき層の厚さを0.16μmとしたばね材についてオジェー分析を行った結果を示す線図であり、(b)は大気中雰囲気において350℃で3分間加熱した場合、(c)は同じく450℃で3分間加熱した場合を示す。
【図4】同様に、中間めっき層の厚さを0.25μmとしたばね材についてオジェー分析を行った結果を示す線図であり、(a)は室温に保持した場合、(b)は大気中雰囲気において350℃で3分間加熱した場合、(c)は同じく450℃で3分間加熱した場合を示す。
【図5】同様に、中間めっき層の厚さを0.57μmとしたばね材についてオジェー分析を行った結果を示す線図であり、(a)は室温に保持した場合、(b)は大気中雰囲気において350℃で3分間加熱した場合、(c)は同じく450℃で3分間加熱した場合を示す。
【符号の説明】
1 :ステンレス鋼箔
2 :下地めっき層
3 :中間めっき層
4 :表面めっき層
Claims (3)
- 厚さが75μm以下、ビッカース硬さが430以上、引張り強さが1320 N /mm 2 以上の特性値を有するオーステナイト系ステンレス鋼箔からなり繰り返しの押圧を受ける電気接点用ばね材において、
前記オーステナイト系ステンレス鋼箔の表面に、厚さ0.2〜0.4μmのニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層と、
前記下地めっき層の表面に、厚さ0.2〜0.6μmの銅または銅合金からなる中間めっき層と、
前記中間めっき層の表面に、銀または銀合金からなる表面めっき層を備えていることを特徴とする押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材。 - 前記銀または銀合金からなる表面めっき層は、0.5〜1.0μmのめっき厚さを備えていることを特徴とする請求項1に記載の押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材。
- オーステナイト系ステンレス鋼箔を多段圧延機により、厚さが75μm以下、ビッカース硬さが430以上、引張り強さが1320 N /mm 2 以上になるように冷間圧延した前記ステンレス鋼箔に、電気めっきにより、厚さ0.2〜0.4μmのニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層を形成し、前記下地めっき層の表面に厚さ0.2〜0.6μmの銅または銅合金からなる中間めっき層を形成し、前記中間めっき層の表面に厚さ0.5〜1.0μmの銀または銀合金からなる表面めっき層を形成することを特徴とする繰り返しの押圧を受ける押しボタンスイッチに用いる電気接点用ばね材の製造方法。
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