JP3772007B2 - 火災検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、撮像された監視領域の画像を処理して火災検出を行う火災検出装置に関し、特に監視領域における被検出物の揺らぎに関連した画像情報に着目して火災検出を行う火災検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、監視領域を撮影する赤外線カメラの画像からしきい値以上の高温部分を抽出して火災を検出する方法や、高温部輝度のちらつき周波数から炎の検出を行う方法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような赤外線カメラの画像からしきい値以上の高温部分を抽出して火災を検出する方法だけでは、炎と同程度かそれ以上の温度の高熱源(水銀灯、太陽の反射など)が存在した場合区別することができないという問題点があった。
また、高温部輝度のちらつき周波数から炎の検出を行う方法の場合には、炎と似たちらつき周波数を持つ高温部(煙突と煙突の煙、アーク溶接、パトランプなど)については区別することができないという問題点があった。
【0004】
この発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、撮像された画像情報から炎のふらつき度および輝度分布形状に着目し、監視領域に炎と同程度かそれ以上の温度の高熱源が存在したり、炎と似たちらつき周波数を持つ高温部が存在してもこれらを炎と確実に区別して火災を検出できる信頼性の高い火災検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、監視区域を撮像する撮像手段と、該撮像手段から得られた画像情報に基づいて撮像エリア内の高温領域を抽出する高温領域抽出手段と、該高温領域抽出手段で抽出された高温領域の特徴部を算出する特徴部算出手段と、該特徴部算出手段で算出された特徴部のふらつき度を算出するふらつき度算出手段と、該ふらつき度算出手段で算出されたふらつき度に基づいて火災の可能性を判定する火災判定手段と、を備えた火災検出装置であって、上記撮像手段から得られた画像情報と上記特徴部算出手段で算出された高温領域の特徴部に基づいて高温領域の輝度の揺らぎの振幅分布を生成する振幅分布生成手段を備え、上記火災判定手段の結果が火災の可能性があると判断されたときに上記生成された高温領域の輝度の揺らぎの振幅分布によって、上記高温領域を、輝度の揺らぎがほとんど無い熱源部と輝度の揺らぎがある火炎部とに区別できた場合に、火災と判断するようにしたことを特徴とする火災検出装置にある。
【0006】
また、上記撮像手段から得られた画像情報と上記特徴部算出手段で算出された高温領域の特徴部に基づいて時間平均輝度画像のエッジ部分を抽出する平均輝度エッジ抽出手段を備え、上記火災判定手段の結果が火災の可能性があると判断されたときに上記抽出した時間平均輝度画像のエッジ部分が上記高温領域の下部に生じる場合に火災と判断するようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、前記ふらつき度算出手段は高温領域の特徴部として面積、重心位置、重心の上下部分、向きベクトルを用いることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の第1の実施の形態を示す構成図である。
図において、1は監視領域内の温度分布を輝度信号に変換し所定の周期で2次元画像を形成する撮像部であって、撮像部1としては、可視近赤外領域である0.5〜1.5μm帯のCCDカメラ、従来から使用されている3〜5μm帯の冷却式赤外線カメラ、および3〜5μm帯または8〜14μm帯のポイントセンサ、リニアセンサを動かして画像を形成するメカニカルスキャンタイプの赤外線センサを使用することができるが、好ましくは、メンテナンスコストの優れている8〜14μm帯の冷却式赤外線カメラ(即ち、同日付けの同一出願人による非冷却式赤外線カメラ、例えば赤外線検出素子として誘電体素子、起電圧素子または導電型素子のいずれかを用いるもの)を用いるのがよい。
画素数としては、1万画素以上、あるいは100万画素以上あればよく、画素が多ければ正確な画像が得られ好ましい。
この撮像部1は、例えばドーム球場のグランド部、ゴミ焼却場のゴミピット等の高天井で広い監視領域を持つ空間の監視領域全域を見渡せるように例えば自動制御の雲台に搭載されて設置され、監視領域全域の温度分布を監視し、撮像した熱画像を後述する画像メモリ2に送り、これに格納させる。
画像メモリ2は、撮像部1から得られた熱画像を多階調、例えば256階調のデジタル信号に変換して格納する。この画像メモリ2は複数、例えば64枚の熱画像を格納できるように複数個で構成され、撮像部1から送られてくる連続した複数、例えば64枚の熱画像を格納する。
【0011】
3は画像メモリ2に格納された熱画像のうち1枚分を格納する原画像メモリであって、この原画像メモリ3は後述する高温領域抽出部4の差分処理時に使用され、通常は連続した複数、例えば64枚の熱画像が画像メモリ2に送られるごとに新たな熱画像に更新される。
高温領域抽出部4は、画像メモリ2に格納された複数枚の熱画像のうちの所定の枚数分を抽出処理画像として選択し、選択された各抽出処理画像ごとに原画像メモリ3に格納された原画像との差分処理と2値化を行う。
5は高温領域抽出部4により高温上昇領域(即ち、下記の抽出処理画像の高温で温度が大きく上昇した領域)で抽出された画像を格納する抽出部メモリ、6は抽出部メモリ5に格納された抽出画像から抽出領域の面積、重心位置、上部重心、下部重心、向きベクトル、フィレ座標を算出する特徴値算出部である。
【0012】
7は特徴値算出部6で算出された面積、重心位置、上部重心、下部重心、向きベクトルの長さと傾きから面積値、重心位置、向きベクトルの長さと傾き、それぞれのふらつき度、重心上下のふらつき度の差を算出するふらつき度算出部である。
8はふらつき度算出部7で算出された面積値ふらつき度、重心位置ふらつき度、向きベクトルの長さと傾きのふらつき度、重心上下のふらつき度の差から高温上昇領域の火災の可能性を判定する火災判定手段としての火災一次判定部である。
9は火災一次判定部8からの出力をトリガ信号として画像メモリ2に格納された熱画像と特徴値算出部6で算出されたフィレ座標から高温上昇領域の時間平均輝度画像のエッジ部分を抽出する平均輝度エッジ抽出部である。
【0013】
10は平均輝度エッジ抽出部9で抽出されたエッジ部分から高温上昇領域が火災領域であるか否かを判断する平均輝度エッジ判定部である。
11は平均輝度エッジ判定部10からの出力をトリガ信号として画像メモリ2に格納された熱画像と特徴値算出部6で算出されたフィレ座標から高温上昇領域の揺らぎ振幅分布を生成する振幅情報生成部である。
【0014】
12は振幅情報生成部11で生成された振幅分布から高温上昇領域が火災領域であるか否かを判断する振幅情報判定部である。この振幅情報判定部12では、振幅情報生成部11で生成された揺らぎ振幅分布に炎特有の分布があるか否かの判定を行う。
13は平均輝度エッジ判定部10および振幅情報判定部12のうち少なくとも一方の判定部の結果から高温上昇領域が火災領域であるか否か判定をする火災判定部である。この火災判定部13は高温上昇領域が火災領域であると判定された場合には例えば防災センタ等に設けられた総合盤14に火災が発生したということを通知する。
なお、撮像部1、画像メモリ2および原画像メモリ3は撮像手段を構成し、高温領域抽出部4および抽出部メモリ5は高温領域抽出手段を構成する。
【0015】
次に動作について、図2〜図9を参照しながら説明する。
先ず、撮像部1で得られた熱画像は画像メモリ2に格納され、この画像メモリ2に格納された熱画像のうち1枚分が原画像メモリ3に格納される(ステップS1、ステップS2)。
画像メモリ2に格納された熱画像は高温領域抽出部4によって高温変化領域(温度が上昇した領域)が抽出される(ステップS3)。
この高温領域抽出部4は、画像メモリ2に格納された複数枚の熱画像のうちの所定の枚数分を抽出処理画像として選択し、選択された各抽出処理画像ごとに原画像メモリ3に格納された原画像との差分処理と2値化を行う(ステップS3)。
【0016】
この高温領域抽出部4における差分処理では、抽出処理画像から原画像を差し引いて所定値以上の残留成分があった領域(温度上昇があった領域)を変化領域として抽出する。
更に2値化では、変化領域について所定値で2値化する。つまり、抽出処理画像の高温で温度が大きく上昇した領域(高温上昇領域)を「1」、それ以外の領域(大きな温度上昇が無い領域)を「0」に変換し高温上昇領域を抽出する。
ここで差分処理で使用される残留成分の所定値とは、画像から明らかに温度変化があった領域だけを抽出できるように設定された輝度値、例えば20〜30になる。
【0017】
また2値化で使用される所定値とは、炎の放射温度が背景の放射温度と明らかに区別できるように設定された輝度値、例えば150〜160を用いる。
そして、高温領域抽出部4では最終的に高温上昇領域が発生したか否かを判別し(ステップS4)、発生していなければステップS5で原画像メモリ3に格納されている原画像を消去し、画像メモリ2に格納された複数枚の熱画像の内の別の1枚分を原画像メモリ3に格納することにより更新する。次に、ステップS2に戻って上述の動作を繰り返し、高温上昇領域が発生していればステップS6に進む。なお、高温領域抽出部4で高温上昇領域が抽出された画像は抽出部メモリ5に格納される。
【0018】
次いで、特徴値算出部6により抽出部メモリ5に格納された複数枚の抽出画像中にある高温上昇領域について各画像毎に特徴値例えば面積値、重心位置、向きベクトル、フィレ座標を算出する(ステップS6)。
特徴値算出部6では、先ず、格納されている全ての画像について画素毎に輝度の論理和を取り、重ね合わせ画像を作成する。作成された重ね合わせ画像で1塊になっている領域があればその領域を各画像間で対応がある1つの処理領域として扱う。
【0019】
得られた1つの処理領域に対して各画像毎に面積(画素数)、重心位置(下記の式1)、上部重心(領域上部に重みを持たせた重心位置:下記の式2)、下部重心(領域下部に重みを持たせた重心位置:下記の式3)、向きベクトルの長さと傾き(領域の中心線の長さと傾き:下記の式4)を計算し、抽出メモリ5に格納されたN枚の画像に対して面積値:S1〜SN、重心位置:G1(x1,y1)〜GN(xN,yN)、上部重心:Gu1(xu1,yu1)〜GuN(xuN,yuN)、下部重心:Gb1(xb1,yb1)〜GbN(xbN,ybN)、向きベクトルの長さ:VL1〜VLN、向きベクトルの傾き:VT1〜VTNを算出する。
【0020】
【数1】
【0021】
【数2】
【0022】
【数3】
【0023】
【数4】
【0024】
なお、上記式1〜式4において、いずれも処理領域フィレ座標の左上点を原点(1,1)とおいた座標系を用いている。
また、上記式1〜式4において、
Xi:i番目の処理領域のx軸フィレ座標数
Yi:i番目の処理領域のy軸フィレ座標数
dmn:i番目の処理領域の座標(n,m)の画素値(0または1)
xmui:i番目の処理領域の最上部中点のx座標
ymui:i番目の処理領域の最上部中点のy座標
xmbi:i番目の処理領域の最下部中点のx座標
ymbi:i番目の処理領域の最下部中点のy座標
である。
【0025】
次いで、特徴値算出部6で算出された面積、重心位置、上部重心、下部重心、向きベクトルの長さと傾きからふらつき度算出部7によって面積値、重心位置、向きベクトルの長さと傾き、それぞれのふらつき度、重心上下のふらつき度の差を算出する(ステップS7)。
ふらつき度算出部7は、特徴算出部6で各画像毎に算出された面積、重心位置、上部重心、下部重心、向きベクトルの長さと傾きからそれぞれのふらつき度を算出する。
このふらつき度算出部7は、面積、向きベクトルの長さと傾きについては下記の式5、重心位置、上部重心、下部重心については下記の式6を用いてそのふらつき度を算出する。なお、下記の式5および式6は、それぞれ代表的に面積と重心位置のふらつき度を算出する場合を示している。
【0026】
【数5】
【0027】
【数6】
【0028】
更に、ふらつき度算出部7では、得られた上部重心ふらつき度と下部重心ふらつき度の差から上下重心ふらつき度の差を算出する。
ふらつき度を用いることにより分散の標準偏差値を算出することと同じように注目する数値群にふらつきがあるかどうか判定することができる。
分散の標準偏差値では単調増加や単調減少についてもふらつきがあるかのような値を示してしまうが、ふらつき度を用いると、単調増加や単調減少についてはふらつきがないという値を示すので近づいてくる或いは遠ざかっている熱源、例えば走行している車などについてはふらつきのない熱源として扱うことができる(図3参照)。
ふらつき度算出部7で算出された面積値ふらつき度と、重心位置ふらつき度と、向きベクトルの長さと傾きのふらつき度と、重心上下のふらつき度の差とから火災一次判定部8によって高温上昇領域の火災の可能性を判定する(ステップS8)。
【0029】
この火災一次判定部8では、ふらつき度算出部7で算出された面積値ふらつき度、重心位置ふらつき度、向きベクトルの長さと傾きのふらつき度、重心上下ふらつき度の差から高温上昇領域が静止した高熱源であるか否かを判断し、その結果静止した高熱源でないと判定した場合に火災の可能性があると判定する。
因に、図3は面積値ふらつき度の場合を示したもので、同図の右側部分の焼却炉の煙突や近づいてくる車の高温部の場合は、いずれも面積値ふらつき度は0であるので、高温上昇領域が静止した高熱源であると判定され、つまり、火災の可能性がないと判断され、一方、同図の左側部分の100m先の炎と10m先の炎の場合は、いずれも面積値ふらつき度はある一定の値を示しているので、高温上昇領域が静止した高熱源でないと判定され、つまり、火災の可能性があると判断されることになる。
そして、ステップS8で火災の可能性がないと判定されたら、ステップS2に戻って上述の動作を繰り返し、火災の可能性があると判定されたら、ステップS9に進む。
【0030】
ステップS9において、平均輝度エッジ抽出部9は、火災一次判定部8から火災の可能性があることを表す信号をトリガ信号として受けると、画像メモリ2に格納された熱画像と特徴値算出部6で算出されたフィレ座標から高温上昇領域の時間平均輝度画像のエッジ部分を抽出する。
この平均輝度エッジ抽出部9では、画像メモリ2に格納されている複数、例えば64枚の連続した熱画像について各画素毎に輝度の平均値を求め時間平均画像を作成し、作成された時間平均画像に対してエッジ抽出処理を行いエッジ抽出画像を作成する。なお、平均化に使用する画像の枚数は少なくとも20枚あれば良いとする。
【0031】
平均輝度エッジ抽出部9で抽出されたエッジ部分から平均輝度エッジ判定部10によって高温上昇領域が火災領域であるか否か、つまり、高温上昇領域の火災の可能性が高いか否かを判定する(ステップS10)。
この平均輝度エッジ判定部10では、平均輝度エッジ抽出部9で抽出されたエッジ部の分布状況から火災の判定を行う。
平均輝度エッジ抽出部9で作成されたエッジ抽出画像には高温で静止している部分のエッジ部が残っているが、動いている部分、揺らいでいる部分についてはエッジ部が残っていない。
【0032】
例えば炎以外の静止高熱源の場合、時間平均画像は図4のaに示すようになり、熱源は静止した状態にあるので輝度平均値はどの部分も同じになる。図4のaの時間平均画像にエッジ抽出処理を行うと、図4のbの示すように静止高熱源の輪郭全体にエッジ部が生じる。
一方、炎の場合には、時間平均画像は図4のcに示すようになり、炎の下部には静止した高温部分があるために輝度平均値は高くなるが火炎部分は揺らいでいるために中心から離れるほど輝度平均値が低くなる。図4のcの時間平均画像にエッジ抽出処理を行うと、図4のdの示すように炎の下部にはエッジ部が生じるが火炎部分にはエッジ部が生じない。
この炎特有の平均輝度エッジの形状を捉えることにより高温上昇領域が火災領域であるか否かを判定する。
判定の方法としては、例えば高温上昇領域の重心位置と抽出されたエッジ部の重心位置を算出し、エッジ部の重心位置が高温上昇領域の重心位置より低い場合に火災であると判定する方法を用いる(図5参照)。
【0033】
かくして、ステップS10で高温上昇領域は火災の可能性が高いと判定されたら、火災判定部13において、平均輝度エッジ判定部10の出力から最終的に火災か否かを判定し、火災であればその出力を総合盤14に供給して、総合盤14に火災が発生したということを通知し、火災でなければステップS2に戻って上述の動作を繰り返す。
一方、ステップS10で高温上昇領域は火災の可能性が低いと判定されたら、振幅情報生成部11は、平均輝度エッジ判定部10から火災の可能性が低いことを表す信号をトリガ信号として受けると、画像メモリ2に格納された熱画像と特徴値算出部6で算出されたフィレ座標から高温上昇領域の揺らぎ振幅分布を生成する(ステップS12)。
【0034】
この振幅情報生成部11では、画像メモリ2に格納されている複数、例えば64枚の連続した熱画像について各画素毎に輝度の変化を時間軸で周波数解析(FFT)し所定の周波数範囲内で振幅の代表値を算出する。
いま、得られた振幅値によって各画素を熱源(ほとんど輝度変化がない)は「A」、内炎(振幅値が中程度)は「B」、外炎(振幅値が大)は「C」として区別すると、図6および図7に示すような揺らぎ振幅分布が生成される。
ここで所定の周波数範囲とは炎の揺らぎ周波数特性をより効果的に捉えることのできる出来る周波数範囲のことで、例えば周波数下限は1Hz、周波数上限は7〜15Hzを用いる。
また、ここで算出する振幅の代表値とは、例えば所定の周波数内のピーク周波数における振幅値、あるいは所定の周波数内の振幅値の合計又は平均値を用いる。
【0035】
次いで、振幅情報生成部11で生成された振幅分布から振幅情報判定部12によって高温上昇領域が火災領域であるか否か、つまり、高温上昇領域に炎特有の分布があるか否かを判定する(ステップS13)。
一般的に火災時に発生する炎は、熱源部と火炎部とに区別でき、熱源部には輝度の揺らぎがほとんど無いのに対して火炎部には輝度の揺らぎがある。更に火炎部でも火炎部内の位置によって揺らぎの大きさ(振幅)に違いがあり、炎の中心付近(内炎)は振幅が小さいが中心から外側(外炎)に向かうにつれ振幅は大きくなる(図6参照)。
【0036】
判定の方法としては、例えば得られた揺らぎ振幅分布の「A」,「B」,「C」それぞれの値を持つ画素の重心位置GA,GB,GCを算出し、算出された重心位置が上からGA,GB,GCの順に並んでいる場合に火災と判定する方法(図8参照)、或いは得られた揺らぎ振幅分布の「A」を持つ画素の重心位置を求め、求められた重心位置を中心として「A」,「B」,「C」それぞれの値を持つ画素との平均距離RA,RB,RCを算出し、平均距離がRA<RB<RCを満たしている場合に火災と判定する方法(図9参照)を用いる。
また、前記の2つの方法を含む複数の判定条件を満たした場合に火災と判定する方法を用いると更に精度良く火災判定が行える。
【0037】
そして、ステップS13で高温上昇領域に炎特有の分布がないと判定されたら、ステップS2に戻って上述の動作を繰り返し、高温上昇領域に炎特有の分布があると判定されたら、ステップS11に進み、上述同様に、火災判定部13において、振幅情報判定部12の出力から最終的に火災か否かを判定し、火災であればその出力を総合盤14に供給して、総合盤14に火災が発生したということを通知し、火災でなければステップS2に戻って上述の動作を繰り返す。
【0038】
従って、火災判定部13では、平均輝度エッジ判定部10または振幅情報判定部12のいずれか一方からの判定部の結果から高温上昇領域が火災領域であるか否か、つまり、火災であるか否かを判定をする。勿論、火災判定部13は、平均輝度エッジ判定部10および振幅情報判定部12の少なくとも一方の判定部の結果から火災であるか否かを判定をするようにしてもよい。
かくして、火災判定部13は、高温上昇領域が火災領域である、つまり火災と判定された場合には総合盤14に火災が発生したということを通知する。
ここで通知する内容としては火災発生ということだけでなく、火災領域の情報、例えば火災発生位置、火災規模を通知するようにしてもよい。
【0039】
実施の形態2.
上述の実施の形態1では、火災一次判定部8で火災の可能性を判定し、可能性があればさらに高温上昇領域の時間平均輝度画像のエッジ部分を抽出して平均輝度エッジ判定部10で火災の可能性が高いかどうかを判定し、高ければ火災と判断し、火災の可能性が低ければ、さらに高温上昇領域の揺らぎ振幅分布を生成して振幅情報判定部12で高温上昇領域に炎特有の分布があるかどうかを判定し、炎特有の分布があれば最終的に火災と判断する場合について説明したが、火災一次判定部8で火災の可能性を判定した段階でその出力を直接火災判定部13に供給してもよい。
【0040】
また、火災一次判定部8で火災の可能性を判定し、可能性があれば平均輝度エッジ判定を行うことなく直接その出力を振幅情報判定部12に供給して高温上昇領域に炎特有の分布があるかどうかを判定し、炎特有の分布があれば火災と判断するようにしてもよい。つまり、この場合、平均輝度エッジ判定部10の系列と、振幅情報判定部12の系列が火災判定部13に対して実質的に個別に並列の関係に存在することになる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、監視区域を撮像する撮像手段から得られた画像情報に基づいて撮像エリア内の高温領域を抽出し、その抽出された高温領域の特徴部を算出し、その特徴部のふらつき度に基づいて火災を判定するので、監視領域に炎と同程度かそれ以上の温度の高熱源が存在したり、炎と似たちらつき周波数を持つ高温部が存在してもこれらを炎と区別して信頼性の高い火災検出が可能になるという効果がある。
【0042】
また、この発明によれば、撮像手段から得られた画像情報と高温領域の特徴部に基づいて時間平均輝度画像のエッジ部分を抽出する平均輝度エッジ抽出手段を設け、火災の可能性があると判断されたときに抽出した時間平均輝度画像のエッジ部分に基づいて火災を判断するので、炎と火災以外の高熱源や高温部との区別を確実に行うことができ、より信頼性の高い火災検出が可能になるいう効果がある。
【0043】
また、この発明によれば、撮像手段から得られた画像情報と高温領域の特徴部に基づいて高温領域の輝度の揺らぎの振幅分布を生成する振幅分布生成手段を設け、火災の可能性があると判断されたときに生成された高温領域の輝度の揺らぎの振幅分布に基づいて火災を判断するので、炎と火災以外の高熱源や高温部との区別を確実に行うことができ、より信頼性の高い火災検出が可能になるという効果がある。
【0044】
また、この発明によれば、火災の可能性があると判断されたときに撮像手段から得られた画像情報と高温領域の特徴部に基づいて時間平均輝度画像のエッジ部分を抽出する平均輝度エッジ抽出手段と、この平均輝度エッジ抽出手段の出力に基づき火災の可能性が高いと判断されたときに撮像手段から得られた画像情報と高温領域の特徴部に基づいて高温領域の輝度の揺らぎの振幅分布を生成する振幅分布生成手段とを設け、生成された高温領域の輝度の揺らぎの振幅分布に基づいて火災を判断するので、炎と火災以外の高熱源や高温部との区別をより確実に行うことができ、なお一層信頼性の高い火災検出ができるという効果がある。
【0045】
また、この発明によれば、高温領域の特徴部として面積、重心位置、重心の上下部分、向きベクトルを用いるので、確実に被検出物のふらつき度を算出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1における高温領域の熱源のふらつき度に関する動作を説明するための図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における高温領域の熱画像のエッジ抽出に関する動作を説明するための図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における高温領域の熱画像のエッジ抽出に関する動作を説明するための図である。
【図6】 この発明の実施の形態1における高温領域の揺らぎ振幅分布に関する動作を説明するための図である。この発明の実施の形態2を示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態1における高温領域の揺らぎ振幅分布に関する動作を説明するための図である。
【図8】 この発明の実施の形態1における高温領域の揺らぎ振幅分布を用いた火災の判定方法に関する動作を説明するための図である。
【図9】 この発明の実施の形態1における高温領域の揺らぎ振幅分布を用いた他の火災の判定方法に関する動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 撮像部、2 画像メモリ、3 原画像メモリ、4 高温領域抽出部、5、抽出部メモリ、6 特徴部算出部、7 ふらつき度、8 火災一次判定部、9 平均輝度エッジ抽出部、10 平均輝度エッジ判定部、11 振幅情報生成部、12 振幅情報判定部、13 火災判定部、14 総合盤。
Claims (3)
- 監視区域を撮像する撮像手段と、
該撮像手段から得られた画像情報に基づいて撮像エリア内の高温領域を抽出する高温領域抽出手段と、
該高温領域抽出手段で抽出された高温領域の特徴部を算出する特徴部算出手段と、
該特徴部算出手段で算出された特徴部のふらつき度を算出するふらつき度算出手段と、
該ふらつき度算出手段で算出されたふらつき度に基づいて火災の可能性を判定する火災判定手段と、
を備えた火災検出装置であって、
上記撮像手段から得られた画像情報と上記特徴部算出手段で算出された高温領域の特徴部に基づいて高温領域の輝度の揺らぎの振幅分布を生成する振幅分布生成手段を備え、
上記火災判定手段の結果が火災の可能性があると判断されたときに上記生成された高温領域の輝度の揺らぎの振幅分布によって、上記高温領域を、輝度の揺らぎがほとんど無い熱源部と輝度の揺らぎがある火炎部とに区別できた場合に、火災と判断するようにしたことを特徴とする火災検出装置。 - 上記撮像手段から得られた画像情報と上記特徴部算出手段で算出された高温領域の特徴部に基づいて時間平均輝度画像のエッジ部分を抽出する平均輝度エッジ抽出手段を備え、
上記火災判定手段の結果が火災の可能性があると判断されたときに上記抽出した時間平均輝度画像のエッジ部分が上記高温領域の下部に生じる場合に火災と判断するようにしたことを特徴とする請求項1記載の火災検出装置。 - 前記ふらつき度算出手段は高温領域の特徴部として面積、重心位置、重心の上下部分、向きベクトルを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の火災検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30467997A JP3772007B2 (ja) | 1997-11-06 | 1997-11-06 | 火災検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30467997A JP3772007B2 (ja) | 1997-11-06 | 1997-11-06 | 火災検出装置 |
Publications (2)
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