JP3771817B2 - メモリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にEEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ)構造に関し、詳細には、高性能論理または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)と統合されたEEPROMメモリ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のEEPROM装置は、一般にプログラム・ゲート、浮遊ゲート、および単一の選択装置ワードラインを含む。製造中、プログラム・ゲートおよび浮遊ゲートは、薄い酸化物トンネル領域に整合しなければならない。また、複数のマスキング・ステップが、浮遊ゲート、プログラム・ゲート、およびソース/ドレインの注入を形成するために必要である。さらに、浮遊ゲートとシリコン基板のN型領域の間に位置する酸化物トンネル領域は、浮遊ゲートとシリコン基板の間で電子がトンネリングするのを可能にするように、十分に薄く(例えば、8ナノメートルないし11ナノメートル)なければならない。
【0003】
従来のEEPROM装置製造の例は、米国特許第5081054号およびその関連する再発行特許第35094号で見ることができる。
【0004】
図1を参照すると、従来のEEPROM装置10の消去が、プログラム・ゲート11に十分な電圧を印加して、電子が、N型領域13の上方に位置するトンネル酸化物領域12をトンネリングすることができるようにすることによって行われる。通常、15ボルトの電圧が、電子のトンネリングを可能にするのに必要である。さらに、トンネル酸化物12は、適用されたバイアス条件で電子のトンネリングが発生するできるよう十分に薄くなければならない。
【0005】
矢印18によって描くとおり、データ・ノード13から浮遊ゲート14にトンネリングする電子は、そこに留まり、浮遊ゲート14に負の電荷を与える。従来のEEPROM装置を消去する標準バイアス条件は、一般に設定ソース15、ドレイン・ビットライン16、および接地に設定したワードライン17を利用する。
【0006】
従来のEEPROMは、単一のワードラインのみを有する。というのは、プログラミング操作中に、データ・ノードの分離(ワードライン・ゲートおよび浮遊ゲート14(すなわち、データ・ノード)、ならびに浮遊ゲート14の下のその拡張の間での拡散)が、1つのワードラインのみを必要とするからである。消去操作は、ページ・モード(ワードラインごとの)で行われ、分離を必要としない。
【0007】
従来のEEPROMは、それを「1」または「0」のいずれかとして、選択的にプログラムする前に、1回の消去操作を必要とする。より詳細には、図2を参照すると、従来のEEPROM装置20が、5ボルトをビットライン26に印加することによって、「1」にプログラムされる。N型領域23のシリコン表面電位は、したがって、5ボルトに固定され、これは、浮遊ゲート24と基板のN型領域23の間での電子トンネリングを可能にするトンネル酸化物22にわたる電界を生成するのに、十分である。この操作の後、浮遊ゲート24は、矢印28によって描いた浮遊ゲートとN型領域23の間での電子トンネリングの結果、正の電位を有する。
【0008】
図3を参照すると、EEPROM30が、電位をビットライン36に設定し、したがって、N型領域33内のシリコン表面電位を0に設定することによって、「0」にプログラムされる。さらに、ソース35が接地に設定され、プログラム・ゲート31が、−10ボルトに設定されて、ワードライン37が、+5ボルトに設定される。トンネル酸化物32にわたる電界は、浮遊ゲート34とN型領域33の間での電子トンネリングを開始するのには不十分である。この結果、浮遊ゲート34の電荷は、その消去された値のままである。
【0009】
EEPROM製造の1つの欠点は、浮遊ゲート、プログラム・ゲート、およびソース/ドレインの注入を形成するのに、複数のマスキングス・テップを使用することである。さらに、従来のEEPROM製造では、プログラム・ゲートおよび浮遊ゲートを基板の薄い酸化物トンネル領域に整合しなければならない。こうした追加のステップおよびアラインメントは、従来のEEPROM装置の製造に、コストおよび複雑さを追加する。
【0010】
従来のEEPROM装置のさらなる欠点は、従来のEEPROMメモリ装置を初期に消去するのに、比較的高い電圧、例えば、約15ボルトを必要とすることである。
【0011】
従来のEEPROM装置の第3の欠点は、プログラム・ゲートに十分な電圧が加えられたとき、電子のトンネリングを可能にする、浮遊ゲートとシリコン基板のN型領域の間での薄いトンネル酸化物を製造することが必要なことである。
【0012】
従来のEEPROM装置の第4の欠点は、複数のプログラム/消去サイクルを経過して、浮遊ゲートの酸化物に対して損傷を与える可能性である。この結果、読取り動作中、メモリ・セルの動作に影響を与える可能性がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来のEEPROM装置の前述の問題および他の問題、不利な点、および欠点を考慮して、本発明は考案され、本発明の目的は、その中でプログラミング中に、浮遊ゲートとプログラム・ゲートの間で電子トンネリングが発生するEEPROM装置のための、構造および方法を提供することである。浮遊ゲートとプログラム・ゲートの間の電界は、浮遊ゲートおよびプログラム・ゲートの対向表面上で、シリコン・リッチ酸化物を使用することによって強めることができる。浮遊ゲートとプログラミング・ゲートの間での電子トンネリングの結果、このEEPROM装置を消去するのに必要な電圧は、従来のEEPROM装置を消去するのに必要な電圧よりも低い。
【0015】
本発明のさらなる目的は、互いに自己位置合わせされた浮遊ゲートとプログラム・ゲートを有し、これにより、適切なアラインメントを得るのに、追加のマスキング・ステップおよびエッチング・ステップを必要としないEEPROM装置を提供することである。
【0016】
もう1つの目的は、高性能論理(例えば、相補型金属酸化物半導体(CMOS))または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)および双方向ポリシリコン間EEPROM装置と統合可能なEEPROM装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、メモリ装置が、シリコン基板上に形成される。このメモリ装置は、浮遊ゲート、プログラム・ゲート、および少なくとも1つの選択装置を含む。メモリ装置のプログラミング中、プログラム・ゲートと浮遊ゲートの間で電子がトンネリングする。
【0018】
本発明の別の態様によれば、メモリ装置が、シリコン基板上に形成される。このメモリ装置は、浮遊ゲート、プログラム・ゲート、第1選択装置、および第2選択装置を含む。その一形態で、浮遊ゲートは、2つの酸化物層の間にあるアモルファス・ポリシリコンで形成される。
【0019】
本発明のさらに別の態様によれば、メモリ装置が、ベース・シリコンの層、第1酸化物層、アモルファス・シリコン層、および第2酸化物層を有する基板上に形成される。この方法は、基板上に犠牲層を堆積させることを含む。トレンチは、パターンを入れ、犠牲層を通ってエッチングする。導体をトレンチ内に堆積して、犠牲層を除去する。第3酸化物層を、その導体に隣接して堆積する。少なくとも1つのワードラインを導体に隣接して形成する。この方法の結果、導体は、アモルファス・ポリシリコン層と自己整合される。
【0020】
本発明は、その別の形態では、プログラム・ゲートおよび浮遊ゲートを有するEEPROM装置をプログラミングする方法である。この方法は、少なくとも1つのワードラインを選択的にオンにしたり、オフにしたりすること、およびプログラム・ゲートに電圧を印加して、これにより、プログラム・ゲートと浮遊ゲートの間での電子トンネリングを可能にすることを含む。
【0021】
【発明の実施の形態】
図面、より詳細には、図4〜図12を参照すると、本発明による方法および構造の好ましい実施形態が示されている。
【0022】
図4では、シリコン40が、その上に熱酸化物41、アモルファス・ポリシリコン42、および埋込み酸化物43を堆積する基板の役割をする。好ましい実施形態では、熱酸化物層41は60Åであり、アモルファス・ポリシリコン層42は500Åであり、また埋込み酸化物層43は90Åである。埋込み酸化物層43は、80Åと100Åの間の範囲にあることが可能である。
【0023】
浅いトレンチ分離(STI)工程を使用して、開始材料にパターンを入れ、エッチングして、研磨する。窒化物層44を基板上に、好ましくは、プラズマ化学気相堆積を使用することによって、ほぼ3000Åの厚さに堆積させる。窒化物層44は、後続のステップで除去することになる犠牲層の役割をする。
【0024】
図5を参照すると、トレンチ45が、窒化物層44にパターンを入れ、エッチングして、埋込み酸化物層43上でそれを止めることによって形成される。窒化物層44にトレンチをパターンとして入れるために、マスクを施す。これは、EEPROMセルの形成に必要とされる唯一のマスキング・ステップである。酸化物スペーサ46を堆積させて、図6に描くとおり、トレンチ45の側壁に沿って、これにエッチングする。図7を参照すると、シリコン・リッチ酸化物層47が、酸化物スペーサ46上に堆積されている。シリコン・リッチ酸化物は、化学量論的にバランスのとれた二酸化シリコンよりも多くのシリコンを含む化学量論からはずれたシリコン酸化物である。一つの好ましい実施形態では、シリコン・リッチ酸化物層47は、60Åのシリコン・リッチ酸化物の層と、60Åの化学量論二酸化シリコンの層と、60Åのシリコン・リッチ酸化物の層とを含む。上部と底部のシリコン・リッチ層および中間の二酸化シリコン層の好ましい範囲は、50Åないし100Åである。
【0025】
図8および図9を参照すると、原位置ドープされたN型ポリシリコン導体48が、ポリシリコンを堆積させて、窒化物層44と平らになるように研磨することによって形成されている。窒化物層44は、当技術分野で知られている従来の技法を使用して、図10に描くとおり取り除かれ、スタック構造が残る。異方性反応性イオン・エッチングが、アモルファス・シリコン層42を除去し、希釈したフッ化水素酸が、窒化物層44の除去(図10)によって露出したスタック構造の外側の領域で、埋込み酸化物層43を取り除く。
【0026】
図11に示すとおり、ワードライン酸化物49およびポリシリコン層50を、酸化物スペーサ46に隣接するスタック構造のどちらかの側の上に堆積させる。ポリシリコン50は、RIEを使用してエッチングする。好ましいワードライン酸化物の厚さは、120Åないし200Åの範囲にある。ワードライン・ポリシリコンの好ましい厚さは、1500Åないし2000Åの範囲にある。
【0027】
図12を参照すると、ドレイン51およびソース52が注入される。ケイ化物をポリシリコン50上に、従来の工程によって窒化物スペーサ53を形成した後、シリコン基板上のドレイン51とソース52の拡散とともに、形成することができる。プログラム・ゲート接触子54を導体48に形成する。ワードライン55、56が、選択装置の役割をする。浮遊ゲート57は、プログラム・ゲート導体48の下の酸化物層41と43の間に形成されたアモルファス・ポリシリコン42を含む。
【0028】
図4〜図12で描き、前記の方法で説明したEEPROM装置内では、プログラム・ゲート導体48および浮遊ゲート57が、トレンチ45内および埋込み酸化物43上に形成されるため、プログラム・ゲート導体48は、浮遊ゲート57および埋込み酸化物43と自己整合される。この結果、本発明は、プログラム・ゲート導体48を浮遊ゲート57および/または埋込み酸化物43と適切に整合するマスキング・ステップおよびエッチングを必要としない。
【0029】
さらに、本EEFROM装置は、2つの選択装置、すなわち、メモリ装置に隣接して(すなわち、そのどちらかの側に沿って)形成されたワードライン55および56を用意する。さらに、ワードライン55および56が、導体48に隣接して、その反対側に形成されるので、本EEPROM装置は、2つの選択装置を組み込むのに必要な従来のEEPROMのサイズと比較して、2つの選択装置を備えたEEPROM装置の小型化を準備する。
【0030】
さらに、プログラミング中、電子が、浮遊ゲート57とプログラム・ゲート48(従うべきプログラミング方法)でトンネリングする。従来のEEPROM装置とは異なり、本発明のEEPROM装置は、浮遊ゲート57とシリコン基板40の間での電子トンネリングを有さない。浮遊ゲート57とプログラム・ゲート48の間の電界は、浮遊ゲートとプログラム・ゲートの対向表面上でシリコン・リッチ酸化物を使用することによって、強められる。この結果、プログラム・ゲート48からの、酸化物層43を介する浮遊ゲートへの電子移動を提供するために必要な電圧は、浮遊ゲート装置MOS誘電体としての化学量論二酸化シリコンの要件のために、電界の強化が可能ではなく、シリコン基板上のN型領域13からの、トンネル酸化物12を介する浮遊ゲート14への電子トンネリングを提供するのに、従来のEEPROM装置10内(図1)で必要な、電位よりも低い。
【0031】
浮遊ゲート・ポリシリコン57とプログラム・ゲート48ポリシリコンの間でのシリコン・リッチ酸化物の結果、従来のEEPROM装置10と比較して、本EEPROM装置を消去およびプログラムするのに必要な電位は、低くなっている。
【0032】
さらに、本EEPROM装置のプログラム/消去機能中、浮遊ゲート57から浮遊ゲート酸化物(すなわち、熱酸化物41)を介してではなく、導体48のアモルファス・ポリシリコンと浮遊ゲート57の間で電子がトンネリングするため、電子のトンネリングが、浮遊ゲート装置としての役割もする浮遊ゲート酸化物に損傷を与える可能性がない。
【0033】
次に、図13〜図15を参照すると、EEPROM装置が、消去されて、「0」または「1」としてプログラムされる。特に図13を参照すると、EEPROM500を消去するバイアス条件が描かれている。シリコン・リッチ酸化物層548にわたる電界は、矢印528で描いたとおり、プログラム・ゲート554のシリコン・リッチ酸化物548から埋込み酸化物543を介して、浮遊ゲート57に電子がトンネリングするのを可能にするのに十分である。
【0034】
ソース515、ドレイン/ビットライン516、ワードライン555、およびワードライン556を接地に設定する。プログラム・ゲート554に印加する電位は、12ボルトである。消去操作でこれらのバイアス条件を使用して、浮遊ゲート557が、負の正味電荷を得る。これらのバイアス条件の下で、浮遊ゲート・チャネル領域560内のシリコン基板は、蓄積中である。図17で、等価のコンデンサンス回路を描いている。
【0035】
シリコン・リッチ酸化物548を介する電子トンネリングを開始するために必要な電界を得るために、プログラム・ゲート−浮遊ゲート間コンデンサンス(CI)、および浮遊ゲート−シリコン間コンデンサンス(Cox)を下記のとおり調整しなければならない。
【0036】
図17を参照すると、Vpgは、プログラム・ゲート(PG)に印加する電圧である、。V1は、C1にわたる電圧である。C1は、プログラム・ゲート(PG)−浮遊ゲート(FG)間コンデンサである。Coxは、FG−シリコン間コンデンサである。Voxは、Coxにわたる電圧である。
【0037】
例示の目的でのみ、本EEPROM装置を消去する(すなわち、トンネリングが発生する)ための条件は、V1>6.0Vである。
V1>6Vである場合、
【数1】
Figure 0003771817
は、
【数2】
Figure 0003771817
または
Cox>C1であることを必要とする。
【0038】
Cox>C1かつVgp=12Vである場合、C1にわたる電圧低下は、>6Vであり、電子トンネリングが発生し得る。この例は、V1>Vがトンネリングを開始することを必要とするが、これは、本発明によるすべてのEEPROM装置で、必ずしも該当せず、したがって、本EEPROM装置の限界であると解釈すべきではない。シリコン・リッチ酸化物にわたって蓄積された電界は、トンネリングを開始するのに十分なだけ高い。
【0039】
次に図14を参照すると、浮遊ゲート657とプログラム・ゲート654の間での電子トンネリングは、存在しない。この結果、浮遊ゲート657は、消去処理中に生成されたその負の正味電荷を保持する。「0」をEEPROMにプログラムして入れるため、バイアス条件は、接地に設定したソース615およびワードライン656、+12ボルトに設定したプログラム・ゲート654、+1.8ボルトに設定したワードライン655、および+1.8ボルトに設定したドレイン/ビットライン616である。
【0040】
したがって、ワードライン655は、オフ条件である。ワードライン655装置オフにすると、浮遊ゲート657下の領域660は、深い空乏となる。この空乏領域660にわたる電圧低下は、シリコン・リッチ酸化物648にわたる電界が、十分に大きくなって電子トンネリングを開始させるのを防止する。したがって、浮遊ゲート657上の電荷は、その消去された値に留まることになる。プログラム「0」条件に対する等価のコンデンサンス回路を図18に描いていおり、そこでは、深い空乏660が、浮遊ゲート酸化物コンデンサンスCoxと直列になっている大容量コンデンサCbulkによって表されている。
【0041】
例示の目的でのみ、「0」をEEPROM装置600にプログラムして入れる(すなわち、トンネリングなし)ための条件は、V1<6.0Vである。
【0042】
CoxとCbulkの直列結合は、下記の式で表すことができる。
【数3】
Figure 0003771817
ただし、
【数4】
Figure 0003771817
電子トンネリングが発生しないためには、
【数5】
Figure 0003771817
Vpg=12Vの場合、トンネリングが発生しないための条件は、下記のとおり記述することができる。
【数6】
Figure 0003771817
【0043】
C<C1かつVgp=12Vの場合、C1にわたる電圧低下は、<6Vであり、電子トンネリングは、発生しない。直列のコンデンサンス(C)およびC1は、シリコン表面が深い空乏状態にあるとき、シリコン・リッチ酸化物にわたる電界が、トンネリングを開始させるのに十分なほど高くならないように調整する。C<C1のための要件は、容易に得られる。というのは、空乏状態で、コンデンサンスCbulkは、一般にCoxのそれの約20%であり、これがCの値に優るからである。
【0044】
この例は、いつ電子トンネリングが発生しないことになるかを明示するために、V1>V6を使用するが、これは、例としての目的のためだけのものであり、いかなる意味でも、本EEPROM装置の限界として解釈すべきではない。
【0045】
次に、図15を参照すると、「1」をプログラムするためのバイアス条件が描かれている。ソース715およびワードライン756は、接地に設定する。12ボルトの電位をプログラム・ゲート754に印加して、1.8ボルトの電位をワードライン755に印加する。ドレイン/ビットライン716は、0ボルトに設定する。これらのバイアス条件を使用して、ワードライン755および浮遊ゲート・プレート760(すなわち、浮遊ゲート757の下の領域)を反転する。シリコン・リッチ酸化物層748にわたる電界は、矢印728によって描くとおり、浮遊ゲート757とプログラム・ゲート754の間での電子トンネリングを開始させるのに十分なだけ高い。浮遊ゲート757上の負の正味電荷(浮遊ゲート・プレート760の電荷状態(すなわち、消去操作の後の領域560(図13))が排出されて、浮遊ゲート・プレート760上の電荷は、中性状態またはわずかに正の状態に戻る。これが発生するための条件は、前述した消去条件に対するものと同一である(すなわち、C1<Cox)。プログラム「1」バイアス条件のための等価のコンデンサンス回路を図19(下記で説明する)に描いている。
【0046】
図16を参照すると、EEPROM装置800のプログラム状態の間で区別を行うのに、ビットライン816の電位を使用することができる。ビットライン電位が、図16に描くとおり、正である場合、EEPROM装置800は、「0」である。この「0」の場合、浮遊ゲートは、図14で記載するプログラミング操作の結果、何も電荷を記憶しないか、または負の電荷を記憶し、浮遊ゲートがオフになる。ただし、ビットラインが0の電圧であるとき(図15)、EEPROM装置700は、「1」である。この「1」の場合、浮遊ゲートは、図15に関連して説明したプログラミング操作の結果、正の電荷を記憶する。
【0047】
本発明のEEPROM装置は、従来のEEPROM装置に優る特徴および利点を提供する。図4〜図12に記載の方法を使用して、プログラム・ゲート54および浮遊ゲート48が、自己整合される。この結果、本発明のEEPROM装置は、プログラム・ゲート54を浮遊ゲート57と適切に整合するのに、マスキング・ステップおよびエッチングを必要としない。
【0048】
このEEPROM装置の第2の利点は、2つの選択装置、すなわち、メモリ装置に隣接して(すなわち、そのいずれかの側に沿って)形成されたワードライン55および56を有していることである。この結果、2つの自己整合した選択装置をメモリ装置のそれぞれの側に1つずつ提供することにより、本EEPROM設計によって小型化が強化される。2つのワードラインの使用が、復号化を容易にするために、プログラミング操作中および消去操作中、メモリ・セル内のメモリ・セルを完全に分離する。
【0049】
本EEPROM装置の第3の利点は、プログラミング中、浮遊ゲート557とプログラム・ゲート554の間で、電子がトンネリングすることである(図13)。従来のEEPROM装置とは異なり、本発明のEEPROM装置は、浮遊ゲート57とシリコン基板40の間での電子トンネリングを有さない。プログラム・ゲート554からの、酸化物層543を介する浮遊ゲート557への電子移動(図13)を提供するのに必要な電圧は、シリコン基板にあるN型領域13からの、トンネル酸化物12を介する浮遊ゲート14への電子トンネリング(図1)を提供するのに、従来のEEPROM装置内で必要な電位よりも低い。この結果、従来のEEPROM装置と比較して、本EEPROM装置を消去するのに必要な電位は、低くなっている。
【0050】
本EEPROM装置の第4の利点は、プログラム/消去操作中に浮遊ゲート酸化物(例えば、熱酸化物41(図9))に与える可能性のある損傷の回避である。プログラム/消去機能の最中に、電子は、浮遊ゲート酸化物を介してではなく、導体48のアモルファス・ポリシリコンから浮遊ゲート57にトンネリングするので、本EEPROM装置は、浮遊ゲート酸化物(すなわち、熱酸化物41)に損傷を与える可能性を回避する。
【0051】
まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0052】
(1)シリコン基板上に形成されたメモリ装置であって、
浮遊ゲートと、
プログラム・ゲートと、
前記浮遊ゲートおよび前記プログラム・ゲートに自己整合した少なくとも1つの選択装置を含み、
メモリ装置プログラミング中、電子が、前記プログラム・ゲートと前記浮遊ゲートの間でトンネリングするメモリ装置。
(2)前記浮遊ゲートが、2つの酸化物層の間に形成されたアモルファス・ポリシリコン層を含む上記(1)に記載のメモリ装置。
(3)前記プログラム・ゲートが、シリコン・リッチ酸化物層の間に形成されたポリシリコン膜を含む上記(1)に記載のメモリ装置。
(4)第2選択装置をさらに含む上記(1)に記載のメモリ装置。
(5)シリコン基板上に形成されたメモリ装置であって、前記メモリ装置が、
浮遊ゲートと、
プログラム・ゲートと、
第1選択装置と第2選択装置とを含み、前記第1選択装置および前記第2選択装置が、両方とも、前記浮遊ゲートおよび前記プログラム・ゲートに自己整合されているメモリ装置。
(6)前記浮遊ゲートが、2つの酸化物層の間に形成されたアモルファス・ポリシリコン層を含む上記(5)に記載のメモリ装置。
(7)前記プログラム・ゲートが、シリコン・リッチ酸化物層の間に形成されたポリシリコン膜を含む上記(5)に記載のメモリ装置。
(8)前記第1選択装置および前記第2選択装置が、第1ワードラインおよび第2ワードラインをそれぞれ含む上記(5)に記載のメモリ装置。
(9)EEPROM装置をベース・シリコンの層と、第1酸化物層と、アモルファス・シリコン層と、第2酸化物層とを有する基板上に形成する方法であって、
犠牲層を前記基板上に堆積するステップと、
前記犠牲層を通るトレンチのパターンを入れて、エッチングするステップと
導体を前記トレンチに堆積するステップと、
前記犠牲層を除去するステップと、
前記導体に隣接して第3酸化物層を堆積するステップと、
前記導体に隣接して少なくとも1つのワードラインを形成するステップとを含み、
前記導体が、前記アモルファス・ポリシリコンと自己整合される方法。
(10)犠牲層を除去することによって露出したアモルファス・ポリシリコン層をエッチングするステップをさらに含む上記(9)に記載の方法。
(11)導体を堆積する前記ステップの前に、トレンチの壁の上に酸化物スペーサを堆積してエッチングするステップと、酸化物スペーサ上にシリコン・リッチ層を堆積してエッチングするステップとをさらに含む上記(9)に記載の方法。
(12)犠牲層まで導体を研磨するステップをさらに含む上記(9)に記載の方法。
(13)導体に隣接して少なくとも1つのワードラインを形成するステップが、少なくとも2つのワードライン装置を形成するステップを含む上記(9)に記載の方法。
(14)プログラム・ゲートおよび浮遊ゲートを有するEEPROM装置をプログラムする方法であって、
少なくとも1つのワードラインを選択的にオンにしたり、オフにしたりするステップと、
プログラム・ゲートに電圧を印加して、これにより、前記プログラム・ゲートと前記浮遊ゲートの間での電子トンネリングを可能にするステップとを含む方法。
(15)電圧を印加するステップが、プログラム・ゲートから浮遊ゲートへの電子トンネリングを可能にするのに十分な電圧を印加するステップを含む上記(14)に記載の方法。
(16)前記電圧が、約−12ボルトである上記(15)に記載の方法。
(17)電圧を印加するステップが、浮遊ゲートからプログラム・ゲートへの電子トンネリングを可能にするのに十分な電圧を印加するステップを含む上記(15)に記載の方法。
(18)前記電圧が、約12ボルトである上記(15)に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】消去処理中の従来のEEPROM装置を示す概略図である。
【図2】「1」をプログラミング中の従来のEEPROM装置を示す概略図である。
【図3】「0」をプログラミング中の従来のEEPROM装置を示す概略図である。
【図4】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、浅いトレンチ分離および厚い窒化物層堆積後を描く図である。
【図5】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、窒化物反応性イオン・エッチングおよびトレンチ形成を描く図である。
【図6】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、酸化物スペーサの堆積およびエッチングを描く図である。
【図7】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、シリコン・リッチ酸化物の堆積を描く図である。
【図8】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、プログラム・ゲート・ポリシリコン・プラグ堆積を描く図である。
【図9】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、厚い窒化物層の除去後を描く図である。
【図10】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、アモルファス・ポリシリコンを除去するエッチングを描く図である。
【図11】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、ワードライン・スペーサ形成を描く図である。
【図12】本発明の一態様による、EEPROM装置を形成するための工程を描く概略図であって、ソース/ドレイン注入を描く図である。
【図13】本発明の一態様による、EEPROMのEEPROM消去を描く図である。
【図14】本発明の一態様による、EEPROMのための「0」をプログラミングする条件を描く図である。
【図15】本発明の一態様による、EEPROMのための「1」をプログラミングする条件を描く図である。
【図16】EEPROMセル状態を感知するためのビットライン電流差動の使用を描く図である。
【図17】本発明のEEPROM装置を消去するための接続図である。
【図18】本発明のEEPROM装置に「0」をプログラミングするための接続図である。
【図19】本発明のEEPROM装置に「1」をプログラミングするための接続図である。
【符号の説明】
10 EEPROM装置
11 プログラム・ゲート
12 トンネル酸化物領域
13 N型領域
14 浮遊ゲート
15 ソース
16 ドレイン・ビットライン
17 ワードライン
18 矢印
20 EEPROM装置
22 トンネル酸化物
23 N型領域
24 浮遊ゲート
26 ビットライン
28 矢印
30 EEPROM装置
31 プログラム・ゲート
32 トンネル酸化物
33 N型領域
34 浮遊ゲート
35 ソース
36 ビットライン
37 ワードライン
40 シリコン基板
41 熱酸化物
42 アモルファス・ポリシリコン層
43 埋込み酸化物
44 窒化物層
45 トレンチ
46 酸化物スペーサ
47 シリコン・リッチ酸化物層
48 導体
49 酸化物
50 ポリシリコン層
51 ドレイン
52 ソース
53 窒化物スペーサ
54 プログラム・ゲート接触子
55、56 ワードライン
57 浮遊ゲート
500 EEPROM装置
515 ソース
516 ドレイン/ビットライン
528 矢印
543 埋込み酸化物
548 シリコン・リッチ酸化物層
554 プログラム・ゲート
555、556 ワードライン
557 浮遊ゲート
600 EEPROM装置
615 ソース
616 ドレイン/ビットライン
648 シリコン・リッチ酸化物
654 プログラム・ゲート
655、656 ワードライン
657 浮遊ゲート
660 空乏領域
700 EEPROM装置
715 ソース
716 ドレイン/ビットライン
728 矢印
748 シリコン・リッチ酸化物層
754 プログラム・ゲート
755、756 ワードライン
757 浮遊ゲート
760 浮遊ゲート・プレート
800 EEPROM装置
816 ビットライン

Claims (4)

  1. シリコン基板上に第1の絶縁膜を介して設けられた浮遊ゲートと、
    前記浮遊ゲートの両端部上に第2の絶縁膜を介して形成され、表面が対向し隔離して配置され、その端面が前記浮遊ゲート端面と同一平面をなす第1及び第2のスペーサと、
    前記第1及び第2のスペーサの前記対向する表面、及び前記第1及び第2のスペーサ間に露出する浮遊ゲート表面を覆うシリコン・リッチ酸化物層と
    前記シリコン・リッチ酸化物層を介して前記第1及び第2のスペーサ間に埋込形成されたプログラム・ゲートと、
    前記浮遊ゲート、前記第1及び第2のスペーサに自己整合した第1及び第2の選択装置であって、第1の選択装置は第1のワードラインを含み、第2の選択装置は第2のワードラインを含む選択装置とを備え、
    前記プログラム・ゲートは、前記第1のスペーサ表面上に設けられたシリコン・リッチ酸化物層と前記第2のスペーサ表面上に設けられたシリコン・リッチ酸化物層との間に形成されたポリシリコン層を含む、メモリ装置。
  2. 前記浮遊ゲートがアモルファス・ポリシリコン層を含む請求項1に記載のメモリ装置。
  3. 前記シリコン・リッチ酸化物層は50Åから100Åの範囲の厚さを有する請求項1に記載のメモリ装置。
  4. 前記シリコン・リッチ酸化物層は60の厚さを有する請求項1に記載のメモリ装置。
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