JP3771413B2 - 抗リン脂質抗体測定試薬及びその製造方法ならびに抗リン脂質抗体測定方法 - Google Patents

抗リン脂質抗体測定試薬及びその製造方法ならびに抗リン脂質抗体測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗リン脂質抗体測定用試薬及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、梅毒患者血清中の抗脂質抗体を測定する際には、水性溶媒中に難溶性の脂質を分散させたもの、もしくは炭素粉末状に脂質を結合させたものを血清と反応させ、その凝集像から陽性・陰性の判定を行っている。しかしこれらの方法は、目視法であるために、技師間差、施設間差が存在することが知られている。また、血清中の抗体価の定量は生理食塩水により検体の2倍希釈系列を作成し、陽性判定となる部分までの力価により判定している。以上のような背景から、客観的な判定ができる検査試薬の開発が望まれている。
【0003】
近年では、特開平6−300764号、特開平7−244048号、特開平7−103981号及び特開平10−239315号に記載されているようにラテックスの表面へ抗原である脂質を結合させて測定する技術が知られている。これらは、基本的に有機溶媒中に抗原となる脂質を溶解したものを、水性溶媒中に添加してラテックスの表面に脂質を結合させる。その後で、不活性なタンパク質をブロッキング剤として使用してラテックス試薬を調製し、得られたラテックス試薬と試料中の抗リン脂質抗体と反応させてラテックス凝集を行わせ、吸光度の変化を捉えるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような吸光度の変化を捉える方法は、従来の目視法と比べて客観的なデータが得られ、また自動化への適用を可能とした点で有用である。しかし、吸光度の変化を検出するには、吸光度の変化を起こすだけの十分な凝集が必要であり、弱陽性の検体では、凝集反応が弱く変化を捉えられない恐れがある。
【0005】
ここで、粒子凝集の程度を検出するための別の方法として、カウンティングイムノアッセイ法がある。これは、抗体(抗原)結合ラテックス粒子と、試料中の抗原(抗体)が反応すると、抗原(抗体)の量に応じてラテックス粒子が凝集し、凝集した粒子の一つ一つの大きさを弁別してカウントするものである。凝集していないラテックス粒子のカウント数をM(Monomer)、2個以上のラテックス粒子が凝集したもののカウント数をP(Polymer)、MとPの和をT(Total)とし、P/Tを凝集度として算出する。あらかじめ既知濃度の抗原(抗体)の凝集度を測定して検量線を求めておけば、試料の凝集度から抗原(抗体)量を知ることができる。凝集した粒子を直接カウントするので、上述の吸光度を検出する方法と比較して感度が高い。(新改 悦郎他:PAMIAの測定原理、Sysmex Journal Vol.20 No.1:77-87, 1997)
【0006】
本発明は、カウンティングイムノアッセイに使用可能な抗リン脂質抗体測定用試薬を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の抗リン脂質抗体測定方法は、カルジオライピン及びフォスファチジルコリンを感作した担体粒子を含む抗リン脂質抗体測定試薬を使用して前記担体粒子の凝集を測定することにより試料中の抗リン脂質抗体を測定する方法において、遊離のフォスファチジルコリン、または前記担体粒子よりも実質的に小さく、フォスファチジルコリンを感作した小径粒子を含む反応緩衝液と試料とを混合した後、この混合物に前記抗リン脂質抗体測定試薬を添加し反応させ、前記小径粒子の粒径が前記凝集の測定に影響を及ぼさない程度に小さいことを特徴とする。
また、前記担体粒子は、カルジオライピン重量1に対して、フォスファチジルコリン2〜15倍量、コレステロール0〜6倍量、及びこれら脂質抗原の総量が担体粒子1gあたり30〜95mg含む抗原液を担体粒子と混合させることによって前記担体粒子上に前記脂質抗原を感作し、さらに前記担体粒子をポリビニルアルコールでブロッキングすることによって得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
カルジオライピン、フォスファチジルコリン及びコレステロールは市販品を使用することができる。
【0009】
また、担体粒子は、従来より粒子凝集法で使用されているものを使用することができるが、凝集した粒子数を計数するためには、粒径が均一な物質が好ましく、この点では合成高分子が好適であり、ポリスチレンラテックスが特に好ましい。また粒径は、0.05〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
【0010】
本発明の抗リン脂質抗体測定試薬は、カルジオライピン、フォスファチジルコリン及びコレステロールを有機溶媒に溶解させて抗原液とする。使用する有機溶媒は、メタノール、エタノールなどが好適に使用される。なお、各脂質抗原量は、カルジオライピン重量1に対して、フォスファチジルコリン2〜15倍量、好ましくは2〜10倍量、コレステロール0〜6倍量、好ましくは2〜6倍量、及びこれら脂質抗原の総量が担体粒子1gあたり30〜95mgである。
【0011】
次に、調製した抗原液を撹拌しながら、担体粒子懸濁液を添加して混合し、この混合液を撹拌しながら水性溶媒中に一気に添加する。水性溶媒には、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、硝酸イオン、臭素イオンや塩素イオンのようなカオトロピックイオンを含有させることもできる。チオシアン酸イオンを使用すると抗リン脂質抗体との反応性が向上するので特に好ましい。カオトロピックイオンの濃度は、30〜500mMの範囲で使用でき、100〜300mMが好ましい。本発明におけるカオトロピックイオンの作用は明確ではないが、脂質抗原の感作時に共存させることで、担体粒子表面で疎水性が増加し、このため脂質抗原が担体粒子表面に効率よく感作され、また抗リン脂質抗体との反応に都合のよい状態になるものと思われる。なお、本処理は、脂質抗原を感作する場合に適用でき、各脂質抗原の割合や組み合わせ、感作する脂質抗原の種類などに制限されず適用できる。
【0012】
ここで、室温(好ましくは20〜25℃)で一定時間撹拌を行い、脂質抗原を担体粒子表面に感作する。
【0013】
次に、遠心分離を行って上清を除去後、ポリビニルアルコール溶液を添加し、超音波処理などを行って、担体粒子を再懸濁させ、その後室温(好ましくは20〜25℃)で一定時間撹拌を行ってブロッキングを行う。ブロッキングに使用するポリビニルアルコールは平均重合度が100〜10000、好ましくは200〜3000、鹸化度は50mol%以上、好ましくは70mol%以上のものが使用できる。また使用濃度については、0.01〜20%、好ましくは0.05〜10%である。なお、ポリビニルアルコールは分子量が大きくなると水に対する溶解性が悪くなるので、溶解度が数%に満たない場合はその飽和濃度を上限とする。
【0014】
ブロッキング処理終了後、遠心分離を行って上清を除去し、さらに分散溶液を添加し、超音波処理などを行って、担体粒子を再懸濁させて抗リン脂質抗体測定試薬を得る。分散溶液には、緩衝剤や適当な分散剤を含有させることができる。
【0015】
このようにして得られた抗リン脂質抗体測定試薬を使用して試料中の抗リン脂質抗体を測定するには、次のようにして実施することができる。
【0016】
まず、試料と反応緩衝液とを混合する。この操作は必須というわけではなく試料と抗リン脂質抗体測定試薬を直接反応させても構わないが、あらかじめ試料と反応緩衝液を混合させると、次の点で有利である。反応緩衝液は、後に続く抗リン脂質抗体測定試薬との反応を効率よく行うための、いわば環境づくりを行うためのものであり、pH6〜8.5を維持するための緩衝剤ならびに非特異反応抑制剤などを含有することができる。緩衝剤は、上記pHを維持することができるものであれば特に制限されず、公知の緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝剤、Good緩衝剤などが使用できる。脂質抗原としてフォスファチジルコリンを使用した系においては、試料中の成分がフォスファチジルコリンと反応して抗リン脂質抗体の測定を妨害する場合があるので、あらかじめ反応緩衝液中にフォスファチジルコリン(0.1〜10mg/ml、好ましくは1〜10mg/ml)または抗リン脂質抗体測定試薬よりも実質的に小さいフォスファチジルコリンを感作した小径粒子を含有させておき、抗リン脂質抗体測定試薬との反応前に試料と反応緩衝液を混合することによって、試料中のフォスファチジルコリンと反応する成分を除去することができ、フォスファチジルコリン由来の非特異反応を効果的に抑制することができる。前記小径粒子の粒径は、凝集度の測定に影響を及ぼさなければ特に制限されない。なお、試料と反応緩衝液の混合温度は、20〜50℃、混合時間は1〜5分で行うことができる。
【0017】
次に、上記混合物を抗リン脂質抗体測定試薬と反応させる。反応温度は、20〜50℃、反応時間は15秒〜20分の範囲で行うことができる。所定時間反応させた後、反応混合物の凝集度(P/T)を測定する。
【0018】
凝集度の測定は、次のようにして行うことができる。まず、反応混合物を希釈し、カウントに適切な粒子濃度に調整する。次いで、フローセルの中に形成されたシース液の層流中に、希釈された反応混合物を少しずつ押し出すと、粒子は一列になって、ひとつずつフローセルの中央を通過する。
【0019】
フローセルを通過する粒子に対し、フローセルに垂直な方向からレーザダイオードでレーザ光を照射する。レーザ光はフローセルを通過した後、透過光はビームストッパで止められ、散乱光のみがフォトダイオードで受光される。
【0020】
粒子がレーザ光を横切るとき、粒子の体積に応じた強さの散乱光パルスが発生し、フォトダイオードで受光されて、電気パルスとなる。この電気パルスはレーザ光の中に入った粒子が、凝集せず1個のとき、凝集して2個のとき、あるいは凝集して3個のとき、などその体積に応じた強さとなる。
【0021】
この電気パルスをその強さで弁別しカウントする。凝集していない単独の粒子のカウント数をM、粒子が2個以上凝集したもののカウント数をP、MとPの和をTとする。カウントされた全ての粒子のうち、凝集した粒子の割合、すなわちP/Tを凝集度とする。なお、試料と反応緩衝液との混合から凝集度の算出までの一連の操作は、免疫凝集測定装置PAMIAシリーズ(シスメックス株式会社)で全自動で行うことができる。
【0022】
【実施例】
1.抗リン脂質抗体測定試薬の調製
カルジオライピン(牛心筋由来;シグマ社)1.0mg/mlのエタノール溶液を250μl、フォスファチジルコリン(L-α型TYPE8E;シグマ社)10mg/mlのエタノール溶液を250μl、コレステロール(ブタ肝臓由来;シグマ社)をエタノールに溶解して6mg/mlとしたものを250μlをよく混合し、抗原液とした。前記抗原液を撹拌しながら、ポリスチレンラテックス懸濁液(濃度10%(W/V)、粒径0.7μm;積水化学工業株式会社)500μlを添加して混合し、ボルテクスミキサーで撹拌しながら、300mMチオシアン酸ナトリウム及び0.15%(w/v) 塩化ナトリウムを含む水溶液8.75mlに一気に添加した。引き続き、室温(20〜25℃)で1時間放置した後、12000Gで15分間遠心分離を行い、上清を除去した。
【0023】
沈渣にポリビニルアルコール(PVA)溶液(0.067%ポリビニルアルコール(PVA-203:重合度500、鹸化度88.0±1.5mol%;株式会社クラレ)、13%硫酸アンモニウム、0.1% 3,3-ジメチルグルタル酸、0.08% トリスヒドロキシメチルアミノメタン、0.07% 2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、pH8に調整;各濃度は(W/V))10mlを添加し、超音波処理により分散させ、室温(20〜25℃)で1時間放置した後、12000Gで15分間遠心分離を行い、上清を除去した。
【0024】
沈渣に分散溶液(23% グリセリン、0.61% トリスヒドロキシメチルアミノメタン、0.53% 2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、0.05% アジ化ナトリウム、0.01% PVA-203;各濃度は(W/V))10mlを添加し、超音波処理により分散させ、脂質抗原感作ラテックス試薬を得た。
【0025】
2.フォスファチジルコリン感作小径粒子の調製
フォスファチジルコリン100mg/mlエタノール溶液を150μlとり、ボルテクスミキサーで撹拌しながら小径ポリスチレンラテックス懸濁液(濃度10%(W/V)、粒径0.1μm;積水化学工業株式会社)1.5mlと混合する。この混合液をボルテクスミキサーで撹拌しながら、300mMチオシアン酸ナトリウム及び0.15%(w/v)塩化ナトリウムを含む水溶液3.35mlに一気に添加した。引き続き、室温(20〜25℃)で1時間放置した後、15000Gで1時間遠心分離を行い、上清を除去した。
【0026】
沈渣にポリビニルアルコール(PVA)溶液(0.067%ポリビニルアルコール(PVA-203:重合度500、鹸化度88.0±1.5mol%;株式会社クラレ)、13%硫酸アンモニウム、0.1% 3,3-ジメチルグルタル酸、0.08% トリスヒドロキシメチルアミノメタン、0.07% 2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、pH8に調整;各濃度は(W/V))5mlを添加し、超音波処理により分散させ、室温(20〜25℃)で1時間以上放置し、フォスファチジルコリン感作小径粒子懸濁液とした。
【0027】
3.抗リン脂質抗体の測定
上記で得られた脂質抗原感作ラテックス試薬を用いて抗リン脂質抗体の測定を行い、従来法であるRPR法と比較した。試料としては、RPR法での陰性検体10検体ならびに陽性検体34検体を用いた。なお、以下の操作は、免疫凝集測定装置PAMIA-30(シスメックス株式会社)で行った。
【0028】
試料10μlを反応緩衝液(0.16%(W/V) 3,3-ジメチルグルタル酸、0.12%(W/V)トリスヒドロキシメチルアミノメタン、0.10%(W/V) 2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、1%(W/V) ウシ血清アルブミン、0.58%(W/V) 塩化ナトリウム、2%(V/V) フォスファチジルコリン感作小径粒子懸濁液、0.1%(W/V) アジ化ナトリウム、pH8に調整)80μlと混合し、1分間45℃でインキュベーションした。これに上記脂質抗原感作ラテックス試薬10μl加えて45℃で反応を開始した。
【0029】
反応を開始してから約20秒後に、19μlの反応混合物を950μlのシース液に加えて51倍に希釈した。希釈された反応混合物を、PAMIA-30の光学検出部に導き凝集度P/T(%)(T1)を測定した。
【0030】
反応を開始してから約15分後に、凝集度P/T(%)(T1)の測定と同様にして凝集度P/T(%)(T2)を測定した。なお、T1は反応初期の凝集度であり、試料が測定範囲内にあるかどうか確認する際に利用されるもので、通常はT2を試料の凝集度(凝集率)として採用する。
【0031】
表1に陰性検体の測定結果、表2に陽性検体の測定結果を示す。なお、T1およびT2のデータの単位は%であり、RPRのデータは力価を示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003771413
【0033】
【表2】
Figure 0003771413
【0034】
また、RPR法との相関図を図1に示す。RPR力価の上昇に伴い凝集度(PAMIA凝集率)(%))も上昇し、良好な相関が得られた。
【0035】
4.非特異検体の測定
ブロッキング剤として、ウシ血清アルブミン(BSA)がよく使用されるが、検体によってはBSAに対して非特異反応を起こす場合がある。そこで、BSAに対して非特異反応する検体4検体について上記3.と同様に測定を行い、PVAによる非特異反応抑制効果を確認した。対照として、上記脂質抗原感作ラテックスのブロッキング処理においてPVAの代わりにBSA1%(W/V)溶液(pH7.4 100mMリン酸緩衝液)を用いてブロッキングした脂質抗原感作ラテックスを使用した。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
Figure 0003771413
【0037】
BSAでブロッキング処理した試薬では4検体とも非特異反応による凝集が認められるのに対し、PVAでブロッキング処理した試薬では陰性検体同様に非特異反応による凝集は認められなかった。また、陽性検体では抗原抗体反応による凝集が認められ、特異凝集は抑制されなかった。
【0038】
5.フォスファチジルコリン感作小径粒子の添加効果の確認
上記2.フォスファチジルコリン感作小径粒子の調製において、フォスファチジルコリン100mg/mlエタノール溶液の採取量を75μl、150μl、750μlと変化させてフォスファチジルコリンの小径粒子への感作量を変えたもの(感作量(フォスファチジルコリン感作小径粒子懸濁液1mlあたりの濃度);10mg/ml,20mg/ml,100mg/ml)を各々調製し、フォスファチジルコリン感作小径粒子の添加効果の確認を行った。測定は、RPR法での陰性検体14検体、及び陽性検体16検体を用い、上記3.と同様に測定を行った。陰性検体での結果を表4に、陽性検体での結果を表5に示す。
【0039】
【表4】
Figure 0003771413
【0040】
【表5】
Figure 0003771413
【0041】
陰性検体では、全体として、添加無しと比べてT2が低くなる傾向が見られ、特に、陰性検体9,10,13では、添加無しの場合の1/10程度の凝集度になり、非特異反応が効率よく抑制されていることがわかる。一方陽性検体では、抗原抗体反応による凝集が認められ、特異凝集は抑制されなかった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、従来法(RPR法)とよく相関し、抗リン脂質抗体測定用試薬を提供することができる。特にカウンティングイムノアッセイに有用であり、測定の自動化が図れ、感度の高い測定を行うことができる。
また、脂質抗原の感作方法において、抗リン脂質抗体との反応性を向上させるような処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗リン脂質測定試薬と従来法であるRPR法との相関図である。

Claims (5)

  1. カルジオライピン及びフォスファチジルコリンを感作した担体粒子を含む抗リン脂質抗体測定試薬を使用して前記担体粒子の凝集を測定することにより試料中の抗リン脂質抗体を測定する方法において、遊離のフォスファチジルコリン、または前記担体粒子よりも実質的に小さくフォスファチジルコリンを感作した小径粒子を含む反応緩衝液と試料とを混合した後、この混合物に前記抗リン脂質抗体測定試薬を添加して反応させ、前記小径粒子の粒径が前記凝集の測定に影響を及ぼさない程度に小さいことを特徴とする抗リン脂質抗体測定方法。
  2. 凝集した粒子数を計数することを特徴とする請求項1記載の抗リン脂質抗体測定方法。
  3. 前記担体粒子が、カルジオライピン重量1に対して、フォスファチジルコリン2〜15倍量、コレステロール0〜6倍量、及びこれら脂質抗原の総量が担体粒子1gあたり30〜95mg含む抗原液を担体粒子と混合させることによって前記担体粒子上に前記脂質抗原を感作し、さらに前記担体粒子をポリビニルアルコールでブロッキングすることによって得られる請求項1または2記載の抗リン脂質抗体測定方法。
  4. (1) カルジオライピン及びフォスファチジルコリンを感作した担体粒子を含む抗リン脂質抗体測定用試薬、及び、(2) 遊離のフォスファチジルコリン、または前記担体粒子よりも実質的に小さくフォスファチジルコリンを感作した小径粒子を含む反応緩衝液からなる試薬であって、前記担体粒子の凝集を測定することにより試料中の抗リン脂質抗体を測定する測定方法に用いられ、前記小径粒子の粒径が前記凝集の測定に影響を及ぼさない程度に小さいことを特徴とする試薬。
  5. 前記担体粒子が、カルジオライピン重量1に対して、フォスファチジルコリン2〜15倍量、コレステロール0〜6倍量、及びこれら脂質抗原の総量が担体粒子1gあたり30〜95mg含む抗原液を担体粒子と混合させることによって前記担体粒子上に前記脂質抗原を感作し、さらに前記担体粒子をポリビニルアルコールでブロッキングすることによって得られる請求項4記載の試薬。
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