JP3770744B2 - 軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟質ポリウレタンフォーム及びその製造方法に関するものである。詳しくは、特定のエチレンオキシド含有量のポリエーテルポリオールを特定組成範囲で組み合わせて製造される軟質ポリウレタン及びその製造方法に関し、得られたポリウレタンは軽量で優れた制振性能を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリウレタンフォームを制振材として使用する場合、フォーム単体では十分満足する制振性能が得られないことが多く、その制振性を獲得するため、様々検討が行われてきている。例えば、特開平1−275617号公報には、アスファルトを含有させたポリウレタンフォーム、また特開平2−084421号公報には、炭酸カルシウムを使用するポリウレタンフォームが開示されている。しかし、アスファルトや炭酸カルシウムを含有するポリウレタンフォームは、成形機を汚染する上、ポリウレタンフォームの重量が重くなる等の問題がある。
また、特開平6−184264号公報には、ポリオール成分として(A)平均官能基数2〜6、平均当量数1000以上で全エチレンオキシド含有量が50重量%以上のポリオキシアルキレンポリオール、(B)平均官能基数2〜8、平均当量数500以下のポリヒドロキシ化合物、(C)平均官能基数2〜4、平均当量数800以上で全エチレンオキシド含有量が50重量%未満のポリオキシアルキレンポリオールの全てを必須成分とする軟質ポリウレタンフォーム、また、特開平5−186561号公報には、ポリオール成分として(A)官能基数2〜4、平均当量数800〜3000で全エチレンオキシド含有量が50重量%未満のポリオキシアルキレンポリオールおよび/またはそのエチレン性不飽和モノマー変性体、(B)官能基数2〜8、平均当量数30〜500のポリヒドロキシ化合物、(C)官能基数2〜8、平均当量数1000〜3000で全エチレンオキシド含有量が50重量%以上のポリオキシアルキレンポリオールの全てを必須成分とするポリウレタンフォームが開示されている。しかし、平均当量数が500以下のポリヒドロキシ化合物を使用するとフォームが硬くなり、周波数100〜900Hz、特に250〜450Hzでの振動伝達率が悪化する等の問題がある。また、特開平1−263110号公報には、ポリオール成分として(A)官能基数2以上、水酸基価20〜60、全エチレンオキシド含有量が5〜25重量%のポリエーテル、(B)官能基数2以上、水酸基価150〜400のポリエーテルまたはポリエステル、(C)官能基数2以上、水酸基価20〜200、全エチレンオキシド含有量が50重量%以上のポリエーテルの全てを必須成分とするポリウレタンフォームが開示されている。しかし、水酸基価150以上のポリエーテルを使用するとフォームが硬くなり周波数100〜900Hz、特に250〜450Hzでの振動伝達率が悪化する等の問題がある。
従って、上記したいずれの方法においても、ポリウレタンフォーム単体で、十分満足できる制振性を有するポリウレタンフォームを得ることは不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決し、軽量で優れた制振性能を有する軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の重量平均分子量と特定のエチレンオキシド含有量を有するポリエーテルポリオールと有機ポリイソシアネートを用いることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、活性水素化合物、有機ポリイソシアネート組成物、発泡剤、架橋剤、整泡剤、及び触媒必要に応じてその他の添加剤から得られる軟質ポリウレタンフォームであって、該活性水素化合物が、(イ)水酸基数2、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ロ)水酸基数3、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ハ)水酸基数2〜4、重量平均分子量2000〜10000、エチレンオキシド含有量50重量%以上〜80重量%未満のポリエーテルポリオールからなり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が20〜60/10〜50/10〜50の範囲にあることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法に関するものであり、振動周波数500〜1000Hzにおける軟質ポリウレタンフォームの振動伝達率が−10dB以下であり、及び/または振動周波数1Hz温度−60〜60℃における軟質ポリウレタンフォームのtanδが0.15以上であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法である。
【0005】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供するものである。
(1) 活性水素化合物、有機ポリイソシアネート組成物、発泡剤、架橋剤、整泡剤、及び触媒から得られる軟質ポリウレタンフォームであって、該活性水素化合物が、
(イ)水酸基数2、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、
(ロ)水酸基数3、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、
(ハ)水酸基数2〜4、重量平均分子量2000〜10000、エチレンオキシド含有量50重量%以上〜80重量%未満のポリエーテルポリオール、
からなり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が20〜60/10〜50/10〜50の範囲にあることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
(2) 振動周波数500〜1000Hzにおける振動伝達率が−10dB以下であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
(3) 振動周波数1Hz温度−60〜60℃におけるtanδが0.15以上であることを特徴とする(1)ないし(2)記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(4) 活性水素化合物、有機ポリイソシアネート組成物、発泡剤、架橋剤、整泡剤、及び触媒から得られる軟質ポリウレタンフォームであって、該活性水素化合物が、
(イ)水酸基数2、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、
(ロ)水酸基数3、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、
(ハ)水酸基数2〜4、重量平均分子量2000〜10000、エチレンオキシド含有量50重量%以上〜80重量%未満のポリエーテルポリオール、
からなり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が20〜60/10〜50/10〜50の範囲であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(5) (4)記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、得られる軟質フォームの振動周波数500〜1000Hzにおける振動伝達率が−10dB以下であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(6) (4)ないし(5)記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、得られるポリウレタンフォームの振動周波数1Hz温度−60〜60℃におけるtanδが0.15以上であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
(活性水素化合物)
本発明の軟質ウレタンフォームの製造に用いられる活性水素化合物とは、(イ)水酸基数2、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ロ)水酸基数3、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ハ)水酸基数2〜4、重量平均分子量2000〜10000、エチレンオキシド含有量50重量%以上〜80重量%未満のポリエーテルポリオールからなる混合物であり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が20〜60/10〜50/10〜50の範囲にあるポリエーテルポリオールの混合物である。
好ましくは(イ)のポリオールが30〜60重量部であり、(ロ)のポリオールが15〜50重量部であり、(ハ)のポリオールが12〜50重量部である混合物であり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が30〜60/15〜50/12〜50の範囲に、より好ましくは(イ)のポリオールが30〜50重量部であり、(ロ)のポリオールが25〜40重量部であり、(ハ)のポリオールが15〜40重量部である混合物であり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が30〜50/25〜40/15〜40の範囲にあるポリエーテルポリオールの混合物である。
【0007】
フォームの硬化速度を向上させ、生産性を高く保つには(イ)、(ロ)、(ハ)のポリエーテルポリオールの水酸基数が2以上であることが好ましい。、振動伝達率を低く保つ為には水酸基数が4以下であることが好ましい。これは得られるフォームの架橋密度を比較的低く保ちフォーム硬度を好ましい範囲に制御できるためと考えられる。
また、フォームの振動伝達率を低く保つには(イ)、(ロ)及び(ハ)のポリエーテルポリオールの重量平均分子量が2000以上とすることが好ましい、これはフォームの架橋密度を比較的低く保ち、フォーム硬度を適切な範囲に制御できる為と考えられる。作業効率の観点から(イ)、(ロ)の重量平均分子量が20000以下、(ハ)の重量平均分子量が10000以下であることがポリエーテルポリオールの粘度を低く保てるため好ましい。
【0008】
有機ポリイソシアネートとの反応性を向上させ生産性をより高く維持するには(イ)と(ロ)のポリエーテルポリオールのエチレンオキシド含有量が5重量%以上であることが好ましく、得られたフォームの収縮を抑制または実質的に発生させないようにするには30重量%未満であることが好ましい。これはフォーム中の独立気泡構造の発生を抑制または実質的に発生させなくすることによると考えられる。
振動周波数1Hz温度−60〜60℃、特に20〜60℃における軟質ポリウレタンフォームのtanδを向上させるには(ハ)のポリエーテルポリオールのエチレンオキシド含有量が50重量%以上であることが好ましく、作業効率の観点からポリエーテルポリオールのエチレンオキシド含有量が80重量%未満であることがポリエーテルポリオールの粘度を低く保てるため好ましい。
【0009】
また、得られるフォームの振動伝達率を低く保つには(イ)と(ロ)と(ハ)からなる活性水素化合物の(イ)の混合重量比が20以上でることが好ましく、これはフォームの架橋密度を比較的低く保ち、フォーム硬度を適切な範囲に制御できる為と考えられる。作業効率の観点から(イ)の混合重量比が60以下とすることがフォームの硬化速度を高く維持し生産性を向上させるので好ましい。
フォームの硬化速度を高く維持し生産性を向上させる観点から、(イ)と(ロ)と(ハ)からなる活性水素化合物の(ロ)の混合重量比が10以上であることが好ましく、振動伝達率を低く保つ観点からは(ロ)の混合重量比が50以下であることが好ましい。これはフォームの架橋密度を比較的低く保ち、フォーム硬度を適切な範囲に制御できる為と考えられる。
振動周波数1Hz温度−60〜60℃、特に20〜60℃における軟質ポリウレタンフォームのtanδを大きく保つ為に(イ)と(ロ)と(ハ)からなる活性水素化合物の(ハ)の混合重量比が10以上であることが好ましい。
【0010】
(ポリエーテルポリオールの製造方法)
ここで、(イ)のポリエーテルポリオールとは、水酸基数2の開始剤に、従来の方法により二種類以上のアルキレンオキシドを、重量平均分子量が2000〜20000の範囲になるように付加されたものである。
(ロ)のポリエーテルポリオールとは、水酸基数3の開始剤に、従来の方法により二種類以上のアルキレンオキシドを、重量平均分子量が2000〜20000の範囲になるように付加されたものである。
(ハ)のポリエーテルポリオールとは、水酸基数2〜4の開始剤に、従来の方法により二種類以上のアルキレンオキシドを、重量平均分子量が2000〜10000の範囲になるように付加されたものである。
前記(イ)と(ロ)と(ハ)のポリエーテルポリオールにおいて、水酸基数2〜4の開始剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等が挙げられ、(イ)と(ハ)又は(ロ)と(ハ)の開始剤はそれぞれ同一のものを用いても異なったものを用いてもよく、(ハ)は水酸基数2〜4の開始剤の混合物から得られたものでもよく、この場合、少なくとも一部が(イ)、(ロ)で用いられる開始剤と同じでもよい。
上記開始剤に付加するアルキレンオキシドとしては、例えばプロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。
【0011】
また、本発明の活性水素化合物は、上記ポリエーテルポリオール(イ)、(ロ)及び/又は(ハ)の存在下にアクリロニトリル、スチレン等のエチレン性不飽和化合物を(ラジカル)重合させ、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、またはそれらのコポリマー等が上記ポリエーテルポリオールに分散させて得られるポリマー分散ポリオール、通称ポリマーポリオール(商品名)も好適に使用できる。
(イ)、(ロ)、(ハ)及びそれぞれの製造に用いられる開始剤、アルキレンオキシドは上記のものが用いられるが本願発明の効果を阻害しない範囲で他の化合物を含有していてもよいことはいうまでもない。
【0012】
(有機ポリイソシアネート組成物)
本発明で使用する有機ポリイソシアネート組成物とは、ジフェニルメタンジイソシアネートとトリレンジイソシアネートの混合物であり、その組成比等は特に限定されるものではなく、いかような比率でも使用可能である。
上記した混合物としては、具体的には、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下ジフェニルメタンジイソシアネートをMDIと記す)、2,4’−MDI、2,2’−MDI、3核体以上のメチレン架橋ポリフェニルポリイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下トリレンジイソシアネートをTDIと記す)の混合物である。
また、本発明で使用するTDIは、その異性体比により本発明の効果を阻害することはないが、中でもその異性体比としては2,4−TDI/2,6−TDI=100/0〜65/35の範囲内で含有するものが好ましい。
また、本発明の有機ポリイソシアネート組成物は、ポリオキシアルキレンポリオールによりウレタン変性されたものであっても良く、例えばカルボジイミド変性体を含んでいても良い。
【0013】
(発泡剤)
本発明における発泡剤としては、ウレタンフォームの製造に供することができるものであればいずれでもよいが、一般には水を使用する。これら発泡剤は単独で使用してもよいが、複数を併用して用いてもよい、例えば水と炭酸ガス、水とメタン、エタン、プロパン等低沸点炭化水素類、水とフロン類等のを併用することができる。使用する水の量は活性水素化合物100重量部あたり2.0〜6.5重量部が好ましく、更に好ましくは2.5〜6.0重量部である。軟質ウレタンフォームの発泡倍率を比較的高く維持し、密度を低く保つ観点から水が2.0重量部以上であることが好ましく、軟質ポリウレタンフォームの硬化反応を良好な範囲に保ち生産性をより高く維持して成形性を高めるのは6.5重量部以下であることが好ましい。
【0014】
(架橋剤)
本発明で使用する架橋剤としては、その構造は特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール、又はこれにアルキレンオキシドを少量付加したもの、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、又はこれにアルキレンオキシドを少量付加したものを、単独、又は混合して使用することができる。その使用量は、活性水素化合物100重量部あたり0.1〜10重量部である。更に好ましくは、0.5〜5重量部である。フォームの表面のキュアー性を維持するには使用量が0.1重量部以上であることが好ましく、軟質ウレタンフォームの発泡倍率を比較的高く維持し、密度を低く保つ観点から10重量部以下であることが好ましい。
【0015】
(整泡剤)
本発明で使用する整泡剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、公知の有機けい素系界面活性剤(ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)が挙げられ、例えば東レ・ダウコーニング社製のSRX−253、SRX−274C、SF−2970、SF−2971、SF−2962、SF−2969、日本ユニカー社製のL−5309、L−5307、L−5305、L−3601、L−3600等(いずれも商品名)が使用できる。その使用量としては、活性水素化合物100重量部あたり0.1〜5重量部であり、好ましくは0.1〜3重量部である。
【0016】
(触媒)
本発明で使用される触媒としては、公知のものでよく特に限定されるものではないが、具体的には、例えばトリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン等のアミン系触媒、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属系触媒がある。これらの触媒は単独、又は混合して使用することができる。その使用量は、活性水素化合物100重量部あたり0.001〜5重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0017】
(その他添加剤)
本発明は必要に応じて、難燃剤、着色剤、老化防止剤、抗酸化剤等のその他の添加剤を使用することができる。
【0018】
(軟質ポリウレタンフォームの製造方法)
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法としては、特に限定されるものではないが、通常は活性水素化合物、発泡剤、架橋剤、整泡剤、触媒、必要に応じてその他の添加剤をあらかじめ混合し、レジンプレミックスとした後、これと有機ポリイソシアネートとを所定の比率で混合し、金型内に注入して反応及び発泡させる。
その際、レジンプレミックスと有機ポリイソシアネートとの反応比率であるNCOインデックス(有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基とレジンプレミックス中の活性水素との当量比=NCO/H)は、0.6〜1.0の範囲が好ましい。更に好ましくは0.7〜0.9の範囲である。
軟質ウレタンフォームの発泡倍率を比較的高く維持し、密度を低く保つ観点やフォームのキュアー性を好ましい範囲に保つ観点からNCOインデックスが0.6以上であることが好ましい。また、振動伝達率を低く保つにはNCOインデックスが1.0以下であることが好ましい。これはフォームの架橋密度を比較的低く保ち、フォーム硬度を好ましい範囲に制御できる為と考えられる。金型内に注入後、室温〜100℃の雰囲気下に3〜30分放置して反応硬化させた後、金型から軟質ポリウレタンフォームを取り出す。
【0019】
(ポリエーテルポリオールの物性測定方法)
(水酸基数) :原料の開始剤の水酸基数をポリエーテルポリオールの水酸基数とする。(重量平均分子量):ポリエーテルポリオールの開始剤にたいするアルキレンオキシドの付加モル数より算出する。
(エチレンオキシドの含有量) :原料のエチレンオキシド仕込みをポリエーテルポリオールのエチレンオキシド含有量とする。
(軟質ポリウレタンフォームの物性評価方法)
本発明により得られる軟質ポリウレタンフォームの制振性能を評価する方法としては、例えば実際にフォームを使用した官能評価試験もあるが、本発明ではフォームの振動伝達率とtanδを測定することにより制振性能を評価するものである。
【0020】
(振動伝達率の測定方法)
本発明の軟質ポリウレタンフォームにおける振動伝達率とは、以下の方法により測定、評価するものである。具体的には、即ち、加振源の振動発生装置の上に厚さ1.6mmの鉄板を乗せ、その上に厚さ20mmのフォーム、厚さ2mmの塩化ビニル樹脂マットの順に乗せ、鉄板の下面と塩化ビニル樹脂マットの上面に圧電式加速度ピックアップを装着し、振動周波数10〜1000Hzで加振した。それぞれのピックアップより得られた加速度をフーリエ変換し、周波数応答関数を算出する。周波数応答関数は、周波数と振動伝達率の関数として算出され、任意の周波数に対応する振動伝達率によって制振性能を評価した。なお、振動伝達率が低い程制振性能が優れていることを示す。
【0021】
(tanδの測定方法)
また、本発明の軟質フォームにおける振動周波数1Hz温度−60〜60℃におけるtanδとは、以下の方法により測定、評価するものである。具体的には、即ち、厚さ20mmの立方体状のフォームを内径15.4mmのパラレルプレート間に乗せて、振動周波数1Hzで温度−60から毎分3℃の割合で60℃まで昇温する。その間、フォームに1Hzの振動圧縮歪みを与えて、それによって生ずる応力を測定することでtanδを算出する。測定およびtanδの算出には、レオメトリックス社製の固体粘弾性測定装置を用いた。なお、tanδが高い程制振性能が優れていることを示す。
【0022】
【実施例】
以下、本発明について実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。
Figure 0003770744
【0023】
[比較例1]
(1)レジンプレミックスの調整
表1に示した組成の活性水素化合物の組成物100重量部にイオン交換水3.0重量部、架橋剤(三井化学社製、商品名KL−210)2.0重量部、整泡剤A(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、商品名:SF−2971)0.5重量部、整泡剤B(日本ユニカー社製、商品名:L−3601)0.5重量部、アミン触媒A(活材ケミカル社製、商品名:MinicoL−1020)0.8重量部、アミン触媒B(活材ケミカル社製、商品名:TMDA)0.1重量部の割合で配合し、攪拌混合したものをレジンプレミックスとした。
【0024】
(2)有機ポリイソシアネート組成物の調製
溶解された4,4’−MDIが50重量部と粗製MDIが50重量部の混合物からなるポリメチレンポリフェニルイソシアネート75重量部とTDI25重量部を混合し、有機ポリイソシアネートを調製した。
【0025】
(3)モールド発泡、振動伝達率及びtanδの測定
レジンプレミックスと有機ポリイソシアネートを表1に記載のNCOインデックスにて4秒間激しく攪拌混合し、50±2℃に調節された500×500×20mmの金型に投入する。混合反応液投入後、10分後にポリウレタンフォームを金型より取出し、25℃に温調した室内に24時間放置した後、振動伝達率とtanδを測定した。
結果を表1に示す。
【0026】
[比較例2〜4]
活性水素化合物の組成を表1の通り変化させて実施した以外比較例1と同様にしてモールド発泡を実施し、物性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003770744
【0028】
比較例3:フォームのキュアー性が低下し、良好な成形性が得られないため、フォーム物性を評価することはできなかった。
【0029】
[実施例1〜4]
活性水素化合物の組成を表2の通り変化させて実施した以外比較例1と同様にしてモールド発泡を実施し、物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
Figure 0003770744
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法として、(イ)水酸基数2、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ロ)水酸基数3、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ハ)水酸基数2〜4、重量平均分子量2000〜10000、エチレンオキシド含有量50重量%以上〜80重量%未満のポリエーテルポリオールからなり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が20〜60/10〜50/10〜50の範囲である活性水素化合物、有機ポリイソシアネーを使用することにより、振動周波数500〜1000Hzにおける振動伝達率が−10dB以下で、かつ振動周波数1Hz温度−60〜60℃におけるtanδが0.15以上の優れた制振性能を有する、軽量な軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法を提供することが可能となった。
【0032】
また、当該軟質ポリウレタンフォームは、フォーム単体で、また他のものと組み合わせて、制振材用途に利用することができる。

Claims (6)

  1. 活性水素化合物、有機ポリイソシアネート組成物、発泡剤、架橋剤、整泡剤、触媒から得られる軟質ポリウレタンフォームであって、該活性水素化合物が、(イ)水酸基数2、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ロ)水酸基数3、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ハ)水酸基数2〜4、重量平均分子量2000〜10000、エチレンオキシド含有量50重量%以上〜80重量%未満のポリエーテルポリオール、からなり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が20〜60/10〜50/10〜50の範囲にあることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
  2. 振動周波数500〜1000Hzにおける振動伝達率が−10dB以下であることを特徴とする請求項1記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  3. 振動周波数1Hz温度−60〜60℃におけるtanδが0.15以上であることを特徴とする請求項1ないし2記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  4. 活性水素化合物、有機ポリイソシアネート組成物、発泡剤、架橋剤、整泡剤、及び触媒から得られる軟質ポリウレタンフォームを製造するに際し、該活性水素化合物が、(イ)水酸基数2、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ロ)水酸基数3、重量平均分子量2000〜20000、エチレンオキシド含有量が5重量%以上〜30重量%未満のポリエーテルポリオール、(ハ)水酸基数2〜4、重量平均分子量2000〜10000、エチレンオキシド含有量50重量%以上〜80重量%未満のポリエーテルポリオール、からなり、(イ)/(ロ)/(ハ)の混合重量比が20〜60/10〜50/10〜50の混合物を用いることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 得られる軟質ポリウレタンフォームが振動周波数500〜1000Hzにおける振動伝達率が−10dB以下であることを特徴とする請求項4記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 得られる軟質ポリウレタンフォームの振動周波数1Hz温度−60〜60℃におけるtanδが0.15以上であることを特徴とする請求項4ないし5記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
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