JP3770473B2 - 自動2輪車の冷却構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水冷式内燃機関が搭載された自動2輪車において、ラジエータが後部車体カバー内に配置された自動2輪車の冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水冷式内燃機関が搭載された自動2輪車において、ラジエータがボディカバーの後部内面に沿って配置されたものが、実公昭62−30865号公報に開示されている。このラジエータは、運転者が腰掛けるシートの後端から後方に延びるボディカバーの後部の表面に沿って設けられたルーバに近接して、ボディカバー内に配置されて、エアポンプからダクトを通じてラジエータに供給された熱交換用空気が、ルーバを通ってボディカバーの外に排出される。そして、走行中にボディカバーの後部に生じる負圧による吸い出し効果を利用して、ラジエータの通風効率が高められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来技術では、ルーバが設けられる部分のボディカバーの表面は、後斜め上方を向いているため、運転者の後流中に位置することになる。そのため、ルーバ付近の走行風は、運転者の上体による走行風の大きな乱れの影響、および運転者の姿勢変化による走行風の乱れの変化の影響を受け易く、ルーバ付近の圧力がその影響を受けて、ラジエータ通過後の熱交換用空気の負圧による吸い出し効果を、安定した状態で十分に活用することができず、ラジエータの冷却性能のうえで改善の余地があった。また、ルーバが上方に面しているため、雨水がルーバからボディカバー内に浸入し易いことから、ルーバのルーバ板の角度を、ボディーカバーへの雨水が浸入しにくいように設定する必要があって、その結果、ラジエータ通過後の熱交換用空気の流れの向きが大きく変更されて通気抵抗が増加し、該空気がスムーズに排出されなかったり、または熱交換用空気の排出をスムーズにするダクトを設計しようとすると、ボディカバー内の限られた空間で、ダクトの周辺に配置される部材のレイアウトに制約が生じる難点があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜5記載の発明は、自動2輪車の乗員による走行風の乱れの影響を抑制して、排風口での負圧による吸い出し効果を十分に活用し、ラジエータの冷却性能を向上させ、さらにラジエータ通過後の冷却風の排出をスムーズにすることを目的とする。そして、請求項3記載の発明は、さらに、後部ランプによる走行風の乱れの影響を抑制したうえで、さらにラジエータが配置される後部車体カバー内の空間の利用度を高めることを可能とすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、水冷式の内燃機関が搭載され、ラジエータが後輪の上方を覆う後部車体カバー内に配置された自動2輪車の冷却構造において、前記後部車体カバーの左右のカバー部は、前記後部車体カバーの後端に向かうにつれて、後ろ上がりにかつ車体中心寄りに滑らかに湾曲して、リヤフェンダの上方で後ろ上がりになって地表に面する後部下カバー部に滑らかに連なり、前記ラジエータを通過した後の冷却風を外気中に排出する排風口が、前記後部下カバー部の、前記リヤフェンダの上方で後ろ上がりになって地表に面する外面に開口して形成される自動2輪車の冷却構造である。
【0006】
これにより、走行風は、滑らかに湾曲した左右のカバー部の外面に沿って流れた後、乱れの少ない状態で排風口が形成された後部下カバー部の外面を流れ、しかも排風口が開口する後部下カバー部の外面は地表を向いているので、自動2輪車の乗員の姿勢による走行風の乱れの影響は少なく、排風口には大きな負圧が作用する。そのうえ、後部下カバー部は、リヤフェンダの上方において、後ろ上がりになって、かつ地表を向いているので、落下する雨水はもちろん、跳ね上げられた雨水もリヤフェンダに妨げられること、および後部下カバー部が後ろ上がりになっていることにより、排風口からは雨水が浸入しにくい。
【0007】
それゆえ、この請求項1記載の発明によれば次の効果が奏される。すなわち、後部車体カバーの左右のカバー部が、後端に向かうにつれて後ろ上がりにかつ車体中心寄りに滑らかに湾曲して後部下カバー部に滑らかに連なり、排風口が後部下カバー部の、前記リヤフェンダの上方で後ろ上がりになって地表に面する外面に開口して形成されることにより、走行風は、左右のカバー部の外面に沿って流れた後、乱れの少ない状態で排風口が開口する後部下カバー部の外面を流れ、しかも排風口が開口する後部下カバー部の外面は地表に面している、すなわち下方を向いているので、自動2輪車の乗員の姿勢による走行風の乱れの影響は少なく、排風口には安定して大きな負圧が作用し、ラジエータを通過した冷却風が効果的に吸い出されて、ラジエータの冷却性能が向上する。
【0008】
さらに、排風口が開口する後部下カバー部の外面が、リヤフェンダの上方において、後ろ上がりになって、かつ地表に面していることにより、落下する雨水はもちろん、跳ね上げられた雨水もリヤフェンダに妨げられ、排風口から浸入しにくいので、雨水の浸入防止のために、ルーバ板などによりラジエータを通過した後の冷却風の流れの向きを大きく偏向する必要はなく、熱交換後の冷却風をスムーズに外気中に排出することができて、この点でもラジエータの冷却性能が向上する。また、排風方向の制約が少ないため、冷却風をラジエータに供給するダクトのレイアウトの自由度、および該ダクト周辺の部品のレイアウトの自由度が大きくなる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動2輪車の冷却構造において、前記ラジエータは、冷却風下流側に位置する通風面が前記排風口に向かって後方斜め上方を向くように配置されるものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の自動2輪車の冷却構造において、後部ランプが、前記排風口の上方に形成された前記後部車体カバーの開口部に嵌め込まれ、前記後部ランプのレンズの外面が、前記後部車体カバーの外面と滑らかな連続面を形成するものである。
これにより、走行風は、後部ランプにより乱されることなく左右のカバー部を含む後部車体カバー部の外面に沿って流れる。それゆえ、この請求項3記載の発明によれば引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、排風口の上方で後部車体カバーに嵌め込まれた後部ランプのレンズの外面が後部車体カバーの外面と滑らかな連続面を形成することにより、走行風は、後部ランプにより乱されることなく左右のカバー部、後部車体カバー部および後部下カバー部の外面に沿って流れるので、排風口に作用する負圧が後部ランプの影響を殆ど受けず、ラジエータを通過した冷却風が排風口から効果的に吸い出されて、ラジエータの冷却性能が向上する。また、後部ランプが排風口の上方に設けられることにより、ラジエータに冷却風を供給するダクトを後部車体カバー内で下方に配置することが可能となり、シートの下方空間を拡大すること、例えば物品を収納する空間を大きくすることができて、ラジエータが配置される後部車体カバー内の空間の利用度を高めることができる。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の自動2輪車の冷却構造において、前記後部下カバー部には前記リヤフェンダが取り付けられる取付部が突出し、
前記排風口が、前記後部下カバー部の前記外面から前記取付部の後面にかけて開口するものである。
これにより、取付部を利用して排風口の一部が形成されることにより、排風口の開口面積を大きくすることができる。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の自動2輪車の冷却構造において、前記ラジエータは、冷却風下流側に位置する通風面が地表に面するように配置され、前記リヤフェンダは後方斜め下方に向かって延びているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1〜図3を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用される自動2輪車Vはスクータ型の自動2輪車であり、該自動2輪車Vの車体1の前部には、操向ハンドル2を有して前輪3を操舵するステアリング機構が設けられ、車体1の中央部には、後輪4を駆動するパワーユニットが車体フレーム(図示されず)に支持され、車体1の後部には前記車体フレームに設けられたピボット軸に揺動自在に支持されるスイングアーム5を有して後輪4を懸架するリヤサスペンション機構が設けられ、さらに車体1の中央部から後部にかけて、運転者R1用および同乗者R2用のタンデム型のシート6が前記パワーユニットおよび前記リヤサスペンション機構の上方に設けられる。なお、この明細書において、「前後左右」は、自動2輪車Vの前後左右を意味するものとし、「車体中心」とは、車体1の左右方向での中心を意味する。
【0012】
前記パワーユニットは、水冷式の内燃機関7と、変速機および終減速装置を有する動力伝達装置(図示されず)とを備える。そして、内燃機関7のクランク軸からの動力は前記変速機に入力され、該変速機の出力が前記終減速装置を介して後輪4に伝達されて、後輪4が駆動される。
【0013】
また、内燃機関7の排気ポートから排出された排気ガスは、排気管8を通って車体1の左右両側に配置された排気マフラ9L,9Rを経て大気中に放出される。各排気マフラ9L,9Rは、図2によく示されるように、外管9aL,9aRの横断面形状が、上部から下部に向かって左右方向での幅が次第に小さくなると共に、下方に向かって車体中心N寄りの内側管壁がほぼ鉛直に延びるのに対して、外側管壁が下方に向かって車体中心N寄りに湾曲しつつ延びて、全体として上下方向に長い翼型断面を有し、これにより、バンク角を大きく取ることが可能となる。また、各排気マフラ9L,9Rには第1,第2テールパイプ10a,10bが接続される。これにより、外気中への排気ガスの円滑な排出を可能とする出口面積を確保すると共に、各テールパイプ10a,10bの出口面積を小さくすることで排気騒音を低減することができる。さらに、両テールパイプ10a,10bが上下方向に並べられて配置されることにより、各排気マフラ9L,9Rの左右方向での幅が小さくなるので、この点でもバンク角を大きく取ることが可能となる。
【0014】
図3を併せて参照すると、自動2輪車Vの前記車体フレームは、複数の合成樹脂製の車体カバーCにより覆われる。この車体カバーCは、前記車体フレームの前部および前輪3の上方および後方を覆うフロントカバー11と、フロントカバー11に接続されて前記ステアリング機構の後方を覆うと共に運転者R1の脚部前方を覆う上部レッグシールド12と、フロントカバー11に接続されて前記車体フレームの中央部で、その左右方向での側方および下方を覆う左右1対のセンタカバー13L,13Rと、それらセンタカバー13L,13Rに接続されて前記車体フレームの後部および後輪4の上方を覆うリヤカバー14と、リヤカバー14の後部の取付部14mに取り付けられて後輪4の上方を覆うリヤフェンダ15とを備える。リヤフェンダ 15 は、取付部 14m から後方斜め下方に向かって延びている(図1参照)。
【0015】
そして、フロントカバー11の下部は、上部レッグシールド12に連なる下部レッグシールド11aと、フロントフェンダ11bと、運転者R1の足元を支持するフロアボード11cとを形成し、両センタカバー13L,13Rの後部は、同乗者R2の足元を支持するフロアボード13aL,13aRを形成している。さらに、シート6の下方のリヤカバー14の内側には、ヘルメット等の物品を収納する収納ボックス(図示されず)が設けられる。また、リヤカバー14の後部の上部開口部は、リヤカバー14と共同してトランク17を形成すると共に、前部が同乗者R2の背もたれ16aを形成する上部カバー16により覆われ、リヤカバー14および上部カバー16により後部車体カバーが構成される。
【0016】
フロントカバー11の上部から後方斜め上方に延びて、透明な合成樹脂製のシールド21を有するフロントウインド20の後端20aには、運転者R1、または運転者R1および同乗者R2で構成される乗員の上方を覆うルーフ22の前端が分離可能に接続される。ルーフ22は、入れ子式の第1ルーフ22aおよび第2ルーフ22bから構成され、さらに第2ルーフ22bは、下部枢軸部23aおよび上部枢軸部23bで上部カバー16および第2ルーフ22bに枢動可能に結合される支柱23により車体1に支持される。
【0017】
ルーフ22は、図1に示されるように、第1ルーフ22aの前端22a1がフロントウインド20の後端20aに接続される展開位置と、透明な合成樹脂製のシールド24を有する第1ルーフ22aが第2ルーフ22bの内側に入り込んだ状態で、上部カバー16の頂部に重ねられる収納位置(二点鎖線で示される)とを占めることができる。そして、ルーフ22が収納位置を占めるとき、支柱23は、上部カバー16の上面に形成された凹部16b(図3も参照)に収納されて、ルーフ22がリヤスポイラーとして機能する。そして、ルーフ22の位置の変更は、スイッチの操作に応じて、リヤカバー14および上部カバー16により形成される空間内でトランク17に隣接して配置される油圧式アクチュエータが作動することにより行われる。
【0018】
さらに、図3を併せて参照すると、自動2輪車Vは、ヘッドランプ31および多数のLEDL1を光源とする前部ウインカーランプ32から構成される左右1対の前部ランプ30(図には左側の前部ランプのみが示されている。)、ストップランプ34および後部ウインカーランプ35L,35Rから構成される左右1対の後部ランプ33L,33R、そしてハイマウントストップランプ36を備える。このうち、多数のLEDL2を光源とするハイマウントストップランプ36は、リヤスポイラーを兼ねるルーフ22の後面に装着されるため、ルーフ22が展開位置にあるときは、ハイマウントストップランプ36が高位置を占めて、視認が容易になる。なお、前部ランプ30、後部ランプ33L,33Rおよびハイマウントストップランプ36は、それらランプを覆うレンズを備える。
【0019】
次に、図1〜図3を参照して、車体1の後部の構造について、リヤカバー14、ラジエータ40、排風口44、後部ランプ33L,33Rを中心に説明する。
平面視でU字状を呈し、車体中心Nに対して対称に形成されるリヤカバー14は、前記車体フレームの後部の左方および右方をそれぞれ覆う左カバー部14Lおよび右カバー部14Rと、左右のカバー部14L,14Rの連結部になると共にリヤフェンダ15の上方を覆う後部下カバー部14wとを有して、これらカバー部14L,14R,14wが一体成形されたものである。このうち、左カバー部14Lおよび右カバー部14Rの後部は、左右方向へ膨出して形成された左右1対の膨出部14bL,14bRにそれぞれ嵌め込まれる後部ランプ33L,33Rよりも上方の上部カバー部14aL,14aRを有する。そして、これら上部カバー部14aL,14aRは、トランク17の左右の壁を形成している。
【0020】
左右のカバー部14L,14Rは、各センタカバー13L,13Rとの接続部からリヤカバー14の後端に向かうにつれて、後ろ上がりにかつ車体中心N寄りに滑らかに湾曲して、リヤフェンダ15の上方で後部下カバー部14wに滑らかに連なる。この後部下カバー部14wは、図1〜図3から明らかなように、後ろ上がりになっていると共に、地表Gに面する。それゆえ、自動2輪車Vの走行時、走行風W(図2,図3において、二点鎖線で示されている。)は、左右のカバー部14L,14Rの外面、すなわちリヤカバー14の側面、および後部下カバー部14wの外面、すなわちリヤカバー14の下面に沿って、乱れが殆どない状態で流れる。ここで、後部下カバー部14wが地表Gに面するとは、後部下カバー部14wの外面が地表Gを向いていること、または後部下カバー部14wの外面の法線が地表Gを指向していることをいう。
【0021】
一方、図1に示されるように、リヤカバー14の後部の内部には、冷却水ホース(図示されず)を介して内燃機関7と接続されるラジエータ40が後部下カバー部14wに近接して、後部下カバー部14wに沿うように配置される。したがって、前記ラジエータ 40 は、冷却風下流側に位置する通風面 40a が地表に面するように配置される。そして、ラジエータ40での冷却水の冷却を促進するために、ラジエータ40への冷却風の送風手段として、電動機42により駆動される冷却ファン41がラジエータ40に近接して設けられる。リアカバー14内の空気を吸引してラジエータ40に送風するこの冷却ファン41により、リヤカバー14内の熱気が外部に排出されるので、例えば前記収納ボックス内の温度上昇を抑制することができる。また、前記送風手段として、冷却ファン41の代わりに、フロントフェンダ11bの前面に設けられた空気取入口からの空気を圧送する電動式のエアポンプ(図示されず)を使用することもできる。その場合には、ラジエータ40は該エアポンプの吐出口に連通するダクト(図示されず)の出口に配置される。
【0022】
そして、ラジエータ40を通過した後の冷却風をグリッド43(図2,図3参照)を経て外気中に排出する排風口44が、後部下カバー部14wの外面からリヤフェンダ15の取付部14mの後面にかけて開口する。このため、排風口 44 は、後部下カバー部 14w の、リヤフェンダ 15 の上方で後ろ上がりになって地表Gに面する外面に開口する。そして、ラジエータ40を通過した後の冷却風は、その流れの向きがグリッド43により大きく偏向されることなく排風口44から排出され、その排出された冷却風は、ほぼ水平方向で後方に流出する。なお、取付部14mを利用して排風口44の一部が形成されることにより、排風口44の開口面積を大きくすることができる。
【0023】
また、排風口44の上方に位置する左右の後部ランプ33L,33Rは、多数のLEDL3を光源としたストップランプ34と多数のLEDL4を光源とした後部ウインカーランプ35L,35Rとからなり、ストップランプ34と後部ウインカーランプ35L,35Rとが透明な1つのレンズ37により覆われて構成される。各後部ランプ33L,33Rにおいて、ストップランプ34では、多数のLEDL3が後方に面する領域に配置され、また左後部ウインカーランプ35Lでは、多数のLEDL4の一部が後方に面し、残りが左方に面する領域に配置され、同様に右後部ウインカーランプ35Rでは、多数のLEDL4の一部が後方に面し、残りが右方に面する領域に配置される。なお、図2には、ストップランプ34の領域と各後部ウインカーランプ35L,35Rの領域の境界が二点鎖線で示されている。
【0024】
そして、図2に示されるように、各レンズ37は、リヤカバー14の上縁14cと上部カバー16の下縁16cとの間に形成される空間および膨出部14bL,14bRに沿って設けられた切欠部14dとで形成される開口部に、各レンズ37の外周縁が各カバーの縁14c,16cおよび切欠部14dの縁と合わされるようにして嵌め込まれる。それゆえ、嵌め込まれた状態で、各レンズ37の外面は、リヤカバー14および上部カバー16の外面と滑らかな連続面を形成するようにされて、各レンズ37は、恰もそれらカバー14,16の一部であるかのような外観を呈する。それゆえ、リヤカバー14に沿って流れる走行風Wが後部ランプ33L,33Rにより乱されることは殆どない。
【0025】
さらに、各後部ランプ33L,33Rには、後方監視用のカメラ38が内蔵されている。このカメラ38は、各後部ランプ33L,33Rにおいて、レンズ37に覆われて、ストップランプ34よりも車体中心N寄りに隣接して設けられる。カメラ38で撮影した映像は、計器板の左右の両端部にそれぞれ設けられた1対のモニタ39(図3では右側のモニタが示されている。)に映し出されて、モニタ39がバックミラーとしての機能を果たす。
【0026】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
後部車体カバーを構成するリヤカバー14の左右のカバー部14L,14Rが、リヤカバー14の後端に向かうにつれて後ろ上がりにかつ車体中心N寄りに滑らかに湾曲して後部下カバー部14wに滑らかに連なり、排風口44が、後部下カバー部14wの、リヤフェンダ 15 の上方で後ろ上がりになって地表Gに面する外面に開口して形成されることにより、走行風Wは、滑らかに湾曲した左右のカバー部14L,14Rの外面に沿って流れた後、乱れの少ない状態で排風口44が形成された後部下カバー部14wの外面を流れ、しかも排風口44が開口する後部下カバー部14wの外面は地表Gに面している、すなわち下方を向いているので、自動2輪車Vの乗員の姿勢による走行風Wの乱れの影響は少なく、排風口44には安定して大きな負圧が作用し、ラジエータ40を通過した冷却風が効果的に吸い出されて、ラジエータ40の冷却性能が向上する。
【0027】
さらに、後部下カバー部14wが、リヤフェンダ15の上方において、後ろ上がりになって、かつ地表Gに面していることにより、落下する雨水はもちろん、跳ね上げられた雨水も、リヤフェンダ15に妨げられること、および後部下カバー部14wが後ろ上がりになっていることにで、排風口44から浸入しにくい。そのため、雨水の浸入防止のために、ルーバ板などによりラジエータ40を通過した後の冷却風の流れの向きを大きく偏向する必要はなく、熱交換後の冷却風をスムーズに外気中に排出することができて、この点でもラジエータ40の冷却性能が向上する。また、排風方向の制約が少ないため、冷却風をラジエータ40に供給するダクトのレイアウトの自由度、および該ダクト周辺の部品のレイアウトの自由度が大きくなる。
【0028】
排風口44の上方でリヤカバー14と上部カバー16との間に嵌め込まれた各後部ランプ33L,33Rのレンズ37の外面がリヤカバー14の外面と滑らかな連続面を形成することにより、走行風Wは、後部ランプ33L,33Rにより乱されることなく左右のカバー部14L,14R、膨出部14bおよび後部下カバー部14wの外面に沿って流れるので、排風口44に作用する負圧が後部ランプ33L,33Rの影響を殆ど受けず、ラジエータ40を通過した冷却風が排風口44から効果的に吸い出されて、ラジエータ40の冷却性能が向上する。また、後部ランプ33L,33Rが排風口44の上方に設けられることにより、ラジエータ40に冷却風を供給するダクトをリヤカバー14内で下方に配置することが可能となり、シート6の下方空間を拡大することができて、収納ボックスの容積を大きくすることができて、ラジエータ40が配置されるリヤカバー14内の空間の利用度を高めることができる。
【0029】
また、ラジエータ40に冷却風を供給するダクトをリヤカバー14内で下方に配置することにより、シート6のシート高を低くすることができるので、ルーフ22を有するにも拘わらず車高を低くすることができて、ルーフ22付きのコンパクトな自動2輪車Vとすることができる。
【0030】
さらに、後部ランプ33L,33Rの光源は、極小型の光源としてのLEDL3,L4であること、しかも多数のLEDL3,L4が分散されて構成されることにより、後部ランプ33L,33Rの所要の視認性を確保したうえで、レンズ37の外面形状の設計の自由度が大きくなる。その結果、レンズ37の外面を、リヤカバー14の外面との間で滑らかな連続面をなすように形成することが容易になるうえ、リヤカバー14の外面との連続性が一層滑らかになるように形成することができるので、走行風Wの乱れを極力減少させ、排風口44での負圧による冷却風の吸い出し効果を高めて、ラジエータ40の冷却性能を向上させることができる。
【0031】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
前記実施例では、リヤカバー14内のスペースを拡大して、該スペースの利用度を高めることができるように、ラジエータ40は、リヤカバー14および上部カバー16で構成される後部車体カバー内で排風口44に近接して後部下カバー部14wに沿うように配置されたが、走行状態に応じて揺動するスイングアーム5に支持される後輪4と接触しない範囲で、ラジエータ40を、図1に二点鎖線で示されるように、ラジエータ40の、冷却風下流側に位置する通風面40aが、後ろ上がりの後部下カバー部14wに対応して、排風口 44 に向かって後方斜め上方を向くように、しかも下方に突出する取付部14mの内部にラジエータ40の一部が収容されるように配置することもできる。これにより、取付部14mを利用してリヤカバー14の内部でのラジエータ40の突出量を抑制したうえで、電動機42により駆動される冷却ファン41からの冷却風が、ラジエータ40を通過した後、取付部14mの後面から後部下カバー部14wの外面を流れる走行風Wにほぼ沿って流れるので、突出する取付部14mによる走行風Wの乱れを抑制することができて、この点でも冷却性能の向上に寄与できる。
【0032】
また、ラジエータ40が後部下カバー部14wに沿うように配置される場合、排風口44が後部下カバー部14wのみに開口するようにすることもできる。
【0033】
前記実施例では、後部車体カバーは、平面視でU字型のリヤカバー14から構成されたが、左右に分割されるリヤカバーであってもよく、また上部カバー16は後部車体カバーを構成するうえで必須のものではなく、後部車体カバーがトランク17を形成することなく、上部カバー16がないものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である自動2輪車の左側面図である。
【図2】図1の自動2輪車の後面図である。
【図3】図1の自動2輪車の右斜め後方から見た図である。
【符号の説明】
1…車体、2…操向ハンドル、3…前輪、4…後輪、5…スイングアーム、6…シート、7…内燃機関、8…排気管、9L,9R…排気マフラ、10a,10b…テールパイプ、11…フロントカバー、12…上部レッグシールド、13L,13R…センタカバー、14…リヤカバー、14L…左カバー部、14R…右カバー部、14w…後部下カバー部、15…リヤフェンダ、16…上部カバー、17…トランク、
20…フロントウインド、21…シールド、22…ルーフ、23…支柱、24…シールド、
30…前部ランプ、31…ヘッドランプ、32…前部ウインカーランプ、33L,33R…後部ランプ、34…ストップランプ、35L,35R…リヤウインカー、36…ハイマウントストップランプ、37…レンズ、38…カメラ、39…モニタ、
40…ラジエータ、41…冷却ファン、42…電動機、43…グリッド、44…排風口、V…自動2輪車、R1…運転者、R2…同乗者、C…車体カバー、L1〜L4…LED、N…車体中心、G…地表、W…走行風。
Claims (5)
- 水冷式の内燃機関が搭載され、ラジエータが後輪の上方を覆う後部車体カバー内に配置された自動2輪車の冷却構造において、
前記後部車体カバーの左右のカバー部は、前記後部車体カバーの後端に向かうにつれて、後ろ上がりにかつ車体中心寄りに滑らかに湾曲して、リヤフェンダの上方で後ろ上がりになって地表に面する後部下カバー部に滑らかに連なり、
前記ラジエータを通過した後の冷却風を外気中に排出する排風口が、前記後部下カバー部の、前記リヤフェンダの上方で後ろ上がりになって地表に面する外面に開口して形成されることを特徴とする自動2輪車の冷却構造。 - 前記ラジエータは、冷却風下流側に位置する通風面が前記排風口に向かって後方斜め上方を向くように配置されることを特徴とする請求項1記載の自動2輪車の冷却構造。
- 後部ランプが、前記排風口の上方に形成された前記後部車体カバーの開口部に嵌め込まれ、
前記後部ランプのレンズの外面が、前記後部車体カバーの外面と滑らかな連続面を形成することを特徴とする請求項1または2記載の自動2輪車の冷却構造。 - 前記後部下カバー部には前記リヤフェンダが取り付けられる取付部が突出し、
前記排風口が、前記後部下カバー部の前記外面から前記取付部の後面にかけて開口することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の自動2輪車の冷却構造。 - 前記ラジエータは、冷却風下流側に位置する通風面が地表に面するように配置され、
前記リヤフェンダは後方斜め下方に向かって延びていることを特徴とする請求項1記載の自動2輪車の冷却構造。
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