JP3769941B2 - カラートナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラートナーの製造方法、詳しくは混練・粉砕法を採用したカラートナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術の分野で、近年、需要が高まっているカラートナーは、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法等により製造されている。これら製造方法の中でも、製造安定性、生産性の観点から、混練・粉砕法がよく採用されている。
【0003】
混練・粉砕法とは、バインダー樹脂や着色剤等のトナー原料からなる混合物を溶融・混練し、得られた混練物を冷却した後、粉砕し、所望粒径のトナー粒子を分級してトナーを製造する方法をいう。バインダー樹脂は一般に、粒径0.1〜2mm程度に粉砕された粗粒子として使用されている。
【0004】
また、カラートナーについては、カラートナーによるOHPシート上への画像形成の需要が高まっており、カラートナーには発色性や透明性の確保が要求されている。
【0005】
しかしながら、上記の混練・粉砕法によって製造されたカラートナーにおいては着色剤の均一な分散が達成され難いため、その発色性および透明性に問題が生じている。特に、有彩色の着色剤は1次粒子として存在し難く、容易に凝集して2次粒子を形成する傾向が強いため、均一に分散され難いと考えられている。そこで、フラッシング処理やマスターバッチ処理等の前処理を施した着色剤を用い、着色剤のトナー中での分散性を向上させようとする試みもなされているが、上記問題を完全に解決するには至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発色性および透明性に優れたカラートナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくともバインダー樹脂および着色剤を混合して得られた混合物を溶融・混練し、冷却した後、粉砕し、分級するカラートナーの製造方法において、少なくともバインダー樹脂と着色剤を、バインダー樹脂の比表面積S(cm2/g)と着色剤のバインダー樹脂100重量部あたりの使用量W(重量部)との比率S/Wが600以上であるような関係で混合することを特徴とするカラートナーの製造方法に関する。
【0008】
本発明のカラートナーの製造方法においては、まず、少なくともバインダー樹脂および着色剤を混合する(混合工程)。
【0009】
バインダー樹脂としては、バインダー樹脂の比表面積S(cm2/g)と着色剤のバインダー樹脂100重量部あたりの使用量W(重量部)との比率S/Wが600以上、好ましくは680以上、より好ましくは800以上となるようなバインダー樹脂を用いる。このような着色剤使用量との関係を有するバインダー樹脂を使用することによって着色剤の均一な分散が可能となる。本工程における混合によって凝集着色剤が解砕され、1次粒子化された着色剤が上記バインダー樹脂表面に付着し、再凝集が防止されるためと考えられる。上記比率が600未満であると得られるトナーの発色性、透明性が低下する。これは、樹脂の総表面積の不足により、樹脂表面に保持されない着色剤が比較的多く存在することになって、その再凝集による発色性、透明性の悪化が顕著になるためと考えられる。なお、本明細書中、比表面積はBET法によって測定された値を用いている。
【0010】
本発明において使用される上記バインダー樹脂の比表面積S(cm2/g)については、比率S/Wが上記範囲内になるよう設定されれば特に制限されることはないが、1500cm2/g以上、好ましくは2000〜30000cm2/g、より好ましくは2000〜15000cm2/gであることが望ましい。1500cm2/g未満であると1次粒子化着色剤の再凝集が起こりやすくなり発色性および透明性に問題が生じやすい。
【0011】
このような比表面積を有するバインダー樹脂は、樹脂粒径を調整することによって得ることができる。すなわち、バインダー樹脂の比表面積を1500cm2/g以上に設定したいときは樹脂を体積平均粒径で40μm以下に、比表面積を2000〜30000cm2/gに設定したいときは樹脂を体積平均粒径2〜30μmに、または比表面積を2000〜15000cm2/gに設定したいときは樹脂を体積平均粒径4〜30μmに粉砕するか、重合粒子等によって所望の比表面積を有するバインダー樹脂を得ることができる。
【0012】
本発明においてバインダー樹脂として2種類以上の樹脂を用いる場合、樹脂混合物についての比表面積(cm2/g)が着色剤使用量との関係において上記比率を満たせばよい。例えば、2種類の樹脂AおよびBを使用し、樹脂混合物の重量を1、樹脂AおよびBの重量比率をそれぞれa1、b1(a1+b1=1)とし、樹脂AおよびBそれぞれの比表面積をa2、b2としたとき、樹脂混合物についての比表面積(a1a2+b1b2)と着色剤の混合バインダー樹脂100重量部あたりの使用量W(重量部)との比率(a1a2+b1b2)/Wが上記範囲内になればよい。この場合において、樹脂混合物についての比表面積は、上記のバインダー樹脂の比表面積と同様であり、上記範囲内に設定することが望ましく、また上記のように樹脂粒径を調整することにより所望の比表面積を有するバインダー樹脂混合物を得ることができる。
【0013】
本発明の好ましい態様においてはバインダー樹脂として、比表面積が比較的小さい樹脂を含む2種類以上の樹脂を使用する。この態様においても2種類以上の樹脂を用いる上記の場合と同様に、バインダー樹脂は、樹脂混合物の比表面積(cm2/g)が着色剤使用量との関係において上記比率を満たすよう使用される。このように比表面積の小さい樹脂(粒径大)を併用することにより、混合工程における着色剤の解砕が有効に行われ、混合時間の短縮が可能となり、生産性の向上を図ることができる。比表面積が小さい樹脂を粒径で表すと、0.1〜2mm、好ましくは0.5〜2mmであることが望ましい。当該粒径が2mmを越えると、後述する溶融混練工程において均一な混練が達成されにくくなり、着色剤の分散が均一に行われなくなるおそれがある。一方、当該粒径が0.1mm未満では慣性力が低下し、当該樹脂の添加効果が得られにくい。
【0014】
この態様において比表面積が比較的小さい樹脂の使用量は、当該樹脂を含む樹脂混合物の比表面積が着色剤使用量との関係において上記比率を満たせば特に制限されない。
【0015】
本発明において使用可能なバインダー樹脂材料としては、従来からカラートナーの製造に使用されている公知の樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等を単独で、または混合して使用することができ、好ましくはポリエステル樹脂が使用される。より優れた発色性および透明性を得るためには特定の溶融特性を有する樹脂を使用することが好ましい。具体的には、100℃における溶融粘度が5×104〜1×106ポイズであり、90℃における溶融粘度V1と100℃における溶融粘度V2との比V1/V2が8以上、好ましくは8〜40である樹脂を用いることが望ましい。上記V1/V2が8未満の樹脂を使用すると画像の表面平滑性が損なわれて乱反射を生じやすくなる。また、軟化点が90〜115℃のバインダー樹脂を使用することが定着性の観点から好ましい。
【0016】
本発明において着色剤としては公知の顔料を使用することができる。このような着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1〜19、21〜23、30〜32、37〜41、48〜55、57、60、63、64、68、81、83、87〜90、112、114、122、123、163、184、202、206、207および209等のマゼンタ着色剤、C.I.ピグメントイエロー1〜7、10〜17、23、65、73、83および180、C.I.バットイエロー1、3および20等のイエロー着色剤、C.I.ピグメントブルー2、3、15〜17等のシアン着色剤等が挙げられる。
【0017】
着色剤のバインダー樹脂100重量部に対する使用量(W)については、上記バインダー樹脂比表面積(S)との関係においてS/Wが上記範囲内になるよう設定されれば特に制限されないが、一般に、2〜8重量部の範囲内で色再現性を考慮して設定される。本発明において着色剤はフラッシング処理やマスターバッチ処理等の前処理を施さなくても着色剤の微分散を達成することができるため、製造コストを低くすることができる。
【0018】
本発明においては混合工程で、所望により他の添加剤、例えば、帯電制御剤、ワックス等を添加することができる。
【0019】
帯電制御剤としては、無色、白色または淡色のものを使用する必要があり、トナーを正荷電制御したいときは正荷電制御剤、トナーを負荷電制御したいときは負荷電制御剤を用いることができる。本発明に使用可能な正荷電制御剤としては4級アンモニウム塩系化合物等が挙げられ、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物等が挙げられる。
【0020】
ワックスとしては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックス等が使用可能である。
【0021】
本発明の方法における混合工程では、無機微粒子を上記のバインダー樹脂、着色剤およびその他所望の添加剤とともに添加し、混合してもよい。本工程で無機微粒子を添加することにより、混合槽内での内壁へのトナー成分の付着を防止し、作業効率の向上を図ることができる。無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、二酸化チタン微粒子、アミルナ微粒子、フッ化マグネシウム微粒子、炭化ケイ素微粒子、炭化ホウ素微粒子、炭化チタン微粒子、炭化ジルコニウム微粒子、窒化ホウ素微粒子、窒化チタン微粒子、窒化ジルコニウム微粒子、マグネタイト微粒子、二硫化モリブデン微粒子、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸マグネシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等が挙げられる。これらの微粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して用いることが望ましい。
【0022】
上記無機微粒子はバインダー樹脂100重量部に対して0.1〜1重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部使用することが望ましい。無機微粒子の使用量がバインダー100重量部に対して1重量部を越えると混合物の高流動性が増し、エネルギー伝達が悪くなり着色剤の解砕が起こりにくくなり、一方、0.1重量部未満では無機微粒子添加の効果が得られない。また、無機微粒子の平均1次粒径は10〜50nm、好ましくは10〜30nmであることが望ましい。
【0023】
混合工程においては、上記のトナー原料を一括混合してもよいし、または一旦、少なくとも上記のバインダー樹脂および着色剤を混合した後、さらに他のトナー原料を添加して混合する2段階混合を行ってもよい。一括混合を行うに際しては、凝集着色剤が解砕され、1次粒子化着色剤が樹脂に保持され得る程度に混合され、例えば、内容量9リットルのヘンシェルミキサーを使用した場合、撹拌羽根の先端周速が20〜50m/秒となるよう設定し、3〜20分間混合することが望ましい。
【0024】
2段階混合を行うに際しては、第1混合工程において少なくとも上記のバインダー樹脂および着色剤が混合されれば特に制限されることはなく、バインダー樹脂および着色剤以外のトナー原料、例えば、帯電制御剤、ワックス、無機微粒子等は第1混合工程で添加されても、第2混合工程で添加されてもよい。
【0025】
また、バインダー樹脂として2種類以上の樹脂を使用する場合には、一方の樹脂を第2混合工程で添加してもよい。特に、前記のような比表面積が比較的小さい樹脂を含む2種類以上の樹脂を使用する場合には、混合物へのエネルギー伝達の観点から比表面積が比較的小さい樹脂を第2混合工程で添加することが好ましい。このように2種類以上のバインダー樹脂を第1混合工程と第2混合工程に分けて添加するに際しては、第1混合工程および第2混合工程で使用される樹脂をその割合で混合した樹脂混合物の比表面積が着色剤使用量との関係において上記範囲内に設定されればよい。さらに、無機微粒子を添加する場合においては解砕着色剤の分散の観点から第1混合工程で添加されることが好ましい。
【0026】
2段階混合を行う場合、第1混合工程では上記の一括混合を行う場合の混合条件を採用することができ、第2混合工程では、例えば、内容量9リットルのヘンシェルミキサーを使用した場合、撹拌羽根の先端周速が20〜50m/秒となるよう設定し、3〜20分間混合することが望ましい。なお、一括混合または2段階混合にかかわらず、混合工程において処理条件を上記条件より強めに設定して、バインダー樹脂の粉砕も併せて行い、粉砕面への着色剤保持により着色剤の均一分散を促進することができる。
【0027】
本発明においては、さらに、上記のように混合された混合物を溶融・混練する工程、冷却した混練物を粉砕する工程、および粉砕物を分級する工程を経て、着色剤が均一に微分散されたトナーを得ることができる。このようにして得られたトナーは優れた発色性および透明性を有する。
【0028】
溶融・混練工程においては、従来からトナーの製造で使用されている2軸押出混練機を、公知の諸条件で用いることにより、上記のトナー原料からなる混合物を溶融・混練させつつ、着色剤を均一に分散させることができる。
【0029】
溶融・混練工程を経て得られた混練物を冷却させた後、粉砕する粉砕工程では、所望の粒径を効率よく得るために、一旦、粗粉砕した後、粗粉砕物を微粉砕することが好ましい。粗粉砕工程ではロール粉砕機、衝撃式粉砕機等を、微粉砕工程ではジェットミル、撹拌ミル等を用いることができる。
【0030】
粉砕工程を経て得られた粉砕物を分級する分級工程では、遠心分級機、慣性分級機等を用いて分級することにより、体積平均粒径が5〜10μmのトナーを得ることができる。
【0031】
本発明の方法で得られたカラートナーは、キャリアと混合して用いる二成分現像剤用トナーとして、またキャリアを使用しない一成分トナーとして使用可能である。
【0032】
【実施例】
(ポリエステル樹脂Aの製造)
2リットルの4つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、撹拌装置を取り付け、マントルヒーターに設置した。このフラスコにポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(PO)、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(EO)およびテレフタル酸(TPA)を、モル比3:7:9となるように仕込み、フラスコ内に窒素を導入しながら加熱、撹拌して反応させた。酸価を測定しながら反応の進行を追跡し、所定の酸価に達した時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂Aを得た。
【0033】
(ポリエステル樹脂粒子A1の製造)
上記ポリエステル樹脂Aをフェザーミル(スクリーン:3mm)により粗粉砕し、比表面積50cm2/g、重量平均粒径1.4mmのポリエステル樹脂粒径A1を得た。重量平均粒径は振盪フルイ機を用いた重量分布測定より算出した。
【0034】
(ポリエステル樹脂粒子A2およびA3の製造)
上記ポリエステル樹脂Aを機械式粉砕機により微粉砕した。機械式粉砕機のローター回転速度を変更することにより、比表面積2900cm2/g、体積平均粒径21μmのポリエステル樹脂粒子A2と比表面積4600cm2/g、体積平均粒径13μmのポリエステル樹脂粒子A3を得た。
【0035】
(ポリエステル樹脂粒子A4の製造)
ポリエステル樹脂粒子A3を衝突式粉砕機(ジェットミル)により微粉砕し、比表面積8300cm2/g、体積平均粒径7.4μmのポリエステル樹脂粒径A4を得た。
【0036】
ポリエステル樹脂粒子A1〜A4の比表面積をまとめて以下の表1に示す。なお、ポリエステル樹脂粒子A2〜A4の比表面積はBET法により測定された値であるが、ポリエステル樹脂粒子A1の比表面積は当該粒子を球状とみなした計算値である。
【表1】
【0037】
実施例1
(マゼンタトナーM1の製造)
・ポリエステル樹脂粒子A2 1000g
・マゼンタ顔料 30g
(C.I.ピグメントレッド184;ヘキスト社製)
・ワックス(カルナバワックス;加藤洋行社製) 20g
・帯電制御剤 5g
(サリチル酸亜鉛錯体E−84;オリエント化学社製)
上記原料を内容積9リットルのヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に入れ、撹拌羽根の先端周速を40m/秒に設定して10分間混合した。この混合物を2軸押出混練機で溶融混練し、混練物を充分に冷却した後、フェザーミルにて粉砕し、粗粉砕物を得た。粗粉砕物をジェットミルで微粉砕した後、気流式分級機にて分級して、体積平均粒径が8.2μmのマゼンタトナー母粒子を得た。得られたマゼンタトナー母粒子1000gと、解砕した疎水性シリカ(TS−500;キャボット社製)8gを、内容積9リットルのヘンシェルミキサーに投入し、撹拌羽根周速20m/秒にて2分間混合してマゼンタトナーM1を得た。
【0038】
(シアントナーC1およびイエロートナーY1の製造)
マゼンタ顔料の代わりに、それぞれシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15−3;大日本インキ社製)30g、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー180;大日本インキ社製)30gを用いたこと以外、マゼンタトナーM1の製造方法と同様にして、体積平均粒径がそれぞれ8.6μm、8.3μmのシアントナーC1、イエロートナーY1を得た。
【0039】
実施例2
ポリエステル樹脂粒子A2の代わりにポリエステル樹脂粒子A3を用いたこと以外、実施例1と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM2、シアントナーC2およびイエロートナーY2を得た。
【0040】
実施例3
ポリエステル樹脂粒子A2の代わりにポリエステル樹脂粒子A4を用いたこと以外、実施例1と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM3、シアントナーC3およびイエロートナーY3を得た。
【0041】
実施例4
ポリエステル樹脂粒子A2の代わりにポリエステル樹脂粒子A1を500g、ポリエステル樹脂粒径A4を500g用いたこと以外、実施例1と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM4、シアントナーC4およびイエロートナーY4を得た。
【0042】
実施例5
混合時間を7分間に変更したこと以外、実施例4と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM5、シアントナーC5およびイエロートナーY5を得た。
【0043】
実施例6
ポリエステル樹脂粒子A2の代わりにポリエステル樹脂粒子A1を700g、ポリエステル樹脂粒径A4を300g用いたこと以外、実施例1と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM6、シアントナーC6およびイエロートナーY6を得た。
【0044】
実施例7
着色剤の使用量を50gに変更し、実施例3と同一条件にて混合した後、さらにポリエステル樹脂粒子A1を650g添加し、撹拌羽根の先端周速を40m/秒に設定して3分間混合したこと以外、実施例3と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM7、シアントナーC7およびイエロートナーY7を得た。
【0045】
実施例8
撹拌羽根の先端周速を20m/秒に設定したこと、および混合時間を20分間に変更したこと以外、実施例2と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM8、シアントナーC8およびイエロートナーY8を得た。
【0046】
実施例9
トナー原料の混合時に疎水性シリカ(H−2000;ヘキスト社製、平均1次粒径14nm)4gをさらに添加したこと以外、実施例3と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM9、シアントナーC9およびイエロートナーY9を得た。
【0047】
比較例1
ポリエステル樹脂粒子A2の代わりにポリエステル樹脂粒子A1を用いたこと以外、実施例1と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM10、シアントナーC10およびイエロートナーY10を得た。
【0048】
比較例2
混合時間を30分間に変更したこと以外、比較例1と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM11、シアントナーC11およびイエロートナーY11を得た。
【0049】
比較例3
ポリエステル樹脂粒子A2の代わりにポリエステル樹脂粒子A1を900g、ポリエステル樹脂粒径A4を100g用いたこと以外、実施例1と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM12、シアントナーC12およびイエロートナーY12を得た。
【0050】
比較例4
ポリエステル樹脂粒子A2の代わりにポリエステル樹脂粒子A1を800g、ポリエステル樹脂粒径A4を200g用いたこと以外、実施例1と同様にして、体積平均粒径8〜9μmのマゼンタトナーM13、シアントナーC13およびイエロートナーY13を得た。
【0051】
(評価)
それぞれの実施例または比較例で得られたM(マゼンタ色)、C(シアン色)、Y(イエロー色)、3色のトナーを一成分現像方式フルカラープリンター(NCL3001;ミノルタ社製)に搭載し、2色重ね刷りによりOHPシート上にカラー画像(R(レッド色)、G(グリーン色)、B(ブルー色)、3色のパッチパターン;2色のトナー量はそれぞれ0.6mg/cm2である)を形成させ、OHPにて投影した3色(R、G、B)の画像の発色性および透明性を目視評価した。
【0052】
発色性
◎;充分な色再現性があった;
〇;色再現性はやや劣るものの、実用上問題はなかった;
△;色再現性は劣るものの色の識別は可能であるが、実用上問題があった;
×;色の識別が不可能であった。
【0053】
透明性
◎;充分明るかった;
〇;明るく実用上問題なかった;
△;やや暗く、実用上問題があった;
×;暗かった。
【0054】
以上の評価結果を、混合工程における諸条件とともにまとめて表2に示した。なお、第2混合工程において材料を添加していない実施例および比較例は一括混合を行ったことを意味する。
【0055】
【表2】
【0056】
なお、実施例9においては、混合工程においてシリカが添加されているため、混合処理後の混合槽内壁は、その下地が見える程度に、トナー成分の付着が微量であり、再度使用する場合には清掃する必要はなかった。
【0057】
本明細書中、トナーの体積平均粒径はコールターマルチサイザー(コールター社製)により100μmのアパチャーチューブを用いて測定した値を用いている。また、着色剤または無機微粒子の平均1次粒径は透過型電子顕微鏡(日立製作所)により測定した値を用いている。
【0058】
【発明の効果】
本発明の方法により、発色性および透明性に優れたカラートナーを容易に製造することができる。また、バインダー樹脂として比表面積が比較的小さいバインダー樹脂を併用することにより、着色剤の均一分散が有効に行われ、混合時間の短縮化を図ることができ、本発明の方法は生産性にも優れている。また、本発明の方法において混合工程で小粒径のシリカを微量添加することにより、混合槽内壁のトナー成分付着が顕著に防止されるため、発色性および透明性に優れたカラートナーを、作業効率を向上させつつ製造することができる。
Claims (1)
- 少なくともバインダー樹脂および着色剤を混合して得られた混合物を溶融・混練し、冷却した後、粉砕し、分級するカラートナーの製造方法において、少なくともバインダー樹脂と着色剤を、バインダー樹脂の比表面積S(cm2/g)と着色剤のバインダー樹脂100重量部あたりの使用量W(重量部)との比率S/Wが800以上であるような関係で混合することを特徴とするカラートナーの製造方法。
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