JP3769548B2 - 鉄筋とpcケーブル保護シースとの兼用スペーサー - Google Patents
鉄筋とpcケーブル保護シースとの兼用スペーサー Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプレストレスコンクリート構造物の補強用鉄筋と、PCケーブル保護シースとの2種に兼用可能なスペーサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、舗装版やスラブ、橋桁、その他の各種プレストレスコンクリート構造物を、ポストテンション工法やプレテンション工法によって構築する場合、そのコンクリート構造物の成形用型枠内へ補強用鉄筋のみならず、緊張材として使用されるPC鋼線やPC鋼撚線、PC鋼棒などのPCケーブルを挿通する保護シースも、指定された打設コンクリートのかぶり厚さとなる高さ位置へ、その全体的な交錯状態に配設しなければならない。
【0003】
そのためのPCケーブル保護シース用スペーサーとしては、特公平1−14395号と特開平4−353166号に各々記載された公知技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、先ず特公平1−14395号に記載のシース支持台(15)は第4図から明白なように、そのシース受け片(16)も含む全体として、金属線材(鉄筋)からの組立状態に溶接されているため、シース(18)のコンクリートかぶり厚さが異なる各種サイズの製作準備上、非常に煩らわしく高価となるほか、その使用に当ってもコンクリート構造物(フラットスラブ)(S)の成形表面から、金属線材の露出することは許されないため、そのシース支持台(15)を鉄筋(スラブ下端筋)(14)へ、一々結束線又は溶接によって固着しなければならず、シース(18)の配設作業を短時間での効率良く軽快に行なうことができない。
【0005】
次に、特開平4−353166号に記載のスペーサー(4)は、図4のような直方体のコンクリート成形品として、そのフラットな接地面がコンクリート構造物の成形表面からいたづらに大きく露出することになるため、外観化粧上の違和感や不純物としての印象を与えてしまうおそれがあり、更にその上面の凹溝(9)と左右一対の弾性挟持片(8)へ、シース(1)(1’)を縦横交錯する状態として直かに嵌め込むようになっているため、そのシース(1)(1’)の太さ変化に対応することができず、各種サイズのスペーサー(4)を製作準備するに当っても、いたづらに多くの成形金型を要し、やはりコストアップを招来することになる。
【0006】
それにもまして、特公平1−14395号の上記シース支持台(15)と特開平4−353166号の上記スペーサー(4)は、その何れもシース(18)(1)(1’)のみを支持する専用のスペーサーであり、鉄筋までも一挙同時に支持できるよう構成されていない結果、特別の鉄筋用スペーサーを製作準備しなければならない。
【0007】
他方、本発明者は鉄筋用スペーサーとして、先に特許第3236839号を提案し、その実施事業化により相当の成果を収めているが、これは逆に鉄筋のみを支持する専用のスペーサーであり、PCケーブル保護シースを一挙同時に支持することができない。
【0008】
蓋し、PCケーブル保護シースは如何なるプレストレスコンクリート構造物の成形に当っても、必らず上筋(20)と下筋(14)との上下相互間へ介在する状態に配設しなければならない処、その鉄筋支持スタンド(A)にはシースまでも一挙同時に支持できる構成が具備されていないからである。
【0009】
要するに、従来では鉄筋用スペーサーとシース用スペーサーとの2種が必要であって、いたづらに品数が増加するばかりでなく、その2種を併用して配設作業しなければならないため、甚だ煩らわしく、作業上の隘路になっている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのための構成上コンクリートから前後方向へ延在する一定な長さと高さ並びに幅のほぼ倒立カマボコ型に塑造された接地ブロックの左右一対と、
【0011】
1本の金属線材から両接地ブロックと対応する一定間隔を保ってほぼ平行に垂立する脚柱の左右一対と、その両脚柱の上端部に橋絡する上筋受け止め用トップバーとが連続する前・後面視のほぼM字型に屈曲形成された鉄筋支持スタンドとを備え、
【0012】
両脚柱の下端部を抜け止めアンカーとして、上記接地ブロックへ各々植え込み状態に埋設一体化した鉄筋用スペーサーにおいて、
【0013】
上記鉄筋支持スタンドを形作る両脚柱の左右何れか一方から、PCケーブル保護シースの支持用となる第1棚筋受け止め爪を前向き又は後向きに張り出し、
【0014】
残る他方から別個なPCケーブル保護シースの支持用となる第2棚筋受け止め爪を、上記第1棚筋受け止め爪とほぼ直交する関係状態となる横向きに張り出すと共に、
【0015】
上記第1、2棚筋受け止め爪の相互間に、その各個によって受け止められる第1、2棚筋同志が干渉しない一定の高低段差を与えたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、先ずその兼用スペーサーの第1実施形態を示した図1〜5において、(B)(B)はプレストレスコンクリート構造物の成形用型枠(M)に対する接地ブロックの左右一対であり、互いにほぼ同じ大きさとして、打設コンクリートの圧縮荷重に耐えるガラス繊維補強コンクリート(GFRC)から、一定な高さ(H1)(例えば約45 mm )と幅(W1)(例えば約50 mm )並びに長さ(L1)(例えば約60 mm )のほぼ倒立カマボコ型に塑造されている。
【0017】
つまり、各接地ブロック(B)(B)は前後方向に沿って一定長さ(L1)だけ延在し、その平面視の長方形又は正方形をなすほぼフラットな上面が下筋受け面(10)として、ここへ下筋(11)を載置させることができるようになっており、図11〜13の使用状態に示す如く、上記接地ブロック(B)(B)の一定高さ(H1)がその下筋(11)における打設コンクリートのかぶり厚さ(T1)を規定する。
【0018】
他方、各接地ブロック(B)(B)の円弧状をなす下面は接地面(12)(12)として、上記コンクリート構造物成形用型枠(M)の堰板(13)へ実質上線接触することにより、コンクリート構造物の成形表面からいたづらに大きく露出せず、その外観化粧上の違和感や不純物としての印象を与えないようになっている。
【0019】
(A)は打設コンクリートの圧縮荷重に耐える1本の丸棒鋼や異形棒鋼、その他の金属線材から、前・後面視の連続的なほぼM字型に屈曲形成された鉄筋支持スタンドであり、上記接地ブロック(B)(B)の左右一対と対応する一定間隔(D)(例えば約170 mm )を保ってほぼ平行に垂立する脚柱(14)(14)の左右一対と、その上端部に橋絡するトップバー(15)とを備えている。その一定間隔(D)は上記下筋(11)の1本又は複数本を跨げる程度の広さである。
【0020】
しかも、上記M字型の文字通りに、そのトップバー(15)の中間部は上筋受け止め面(16)として、ほぼV字型に陥没されており、ここには上記下筋(11)と別個の上筋(17)を、その太さ変化に拘らず常時安定良く確固に載置させることができ、接地面から上筋受け止め面(16)までの一定高さ(H2)(例えば約280 mm )が、図12、13の使用状態から明白なように、その上筋(17)における打設コンクリートのかぶり厚さ(T2)を規定することになる。
【0021】
又、各脚柱(14)(14)の下端部は上記接地ブロック(B)(B)のコンクリートと喰い付く抜け止めアンカー(18)(18)として、その接地ブロック(B)(B)へ植え込み状態に埋設一体化されている。
【0022】
その場合、図5では各脚柱(14)(14)が接地ブロック(B)(B)へ埋没する下端部に、ほぼV字型の切欠き(19)(19)を付与することにより、その接地ブロック(B)(B)からの抜け止めアンカー(18)(18)として機能させているが、後述する図7〜10から明白なように、各脚柱(14)(14)の下端部をフック状に折り曲げることにより、その抜け止めアンカー(18)(18)としての効果を向上させることが望ましい。
【0023】
鉄筋支持スタンド(A)の両脚柱(14)(14)は、これを平面視の長方形又は正方形な両接地ブロック(B)(B)の中心部から垂立させてもさしつかえないが、特にその両接地ブロック(B)(B)の前側又は後側(図例の場合)へ偏心した位置から垂立させることが好ましい。
【0024】
そうすれば、両接地ブロック(B)(B)の上面がこれと相対する図示の前側において、広く確保されることになる結果、その上面の広い上記下筋受け面(10)(10)へ、可及的に太い下筋(11)でも安定良く載置させることができるからである。
【0025】
更に、(20)は上記鉄筋支持スタンド(A)を形作る両脚柱(14)(14)のうち、その何れか一方の中途高さ位置から接地ブロック(B)(B)の長手方向(前後方向)に沿う前向き又は後向きとして一体的に張り出された第1棚筋受け止め爪であり、ここへPCケーブル保護シース(C)の支持用となる第1棚筋(21)を載置させることができるようになっている。
【0026】
(22)は同じく両脚柱(14)(14)のうち、残る他方の中途高さ位置から上記トップバー(15)が延在する左右方向に沿う横向きとして、やはり一体的に張り出された第2棚筋受け止め爪であり、ここには上記第1棚筋(21)と別個なPCケーブル保護シース(C)の支持用となる第2棚筋(23)を載置させることができるようになっている。
【0027】
つまり、第1棚筋受け止め爪(20)によって受け止められる第1棚筋(21)と、別な第2棚筋受け止め爪(22)によって受け止められる第2棚筋(23)とが、図2〜4のような平面視の互いにほぼ直交する関係状態となるように指向されているわけである。しかも、そのほぼ直交する第1、2棚筋(21)(23)同志が干渉しないように、上記第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)の相互間には一定の高低段差(Y1)(例えば約40 mm )が与えられてもいる。
【0028】
上記第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)としては、これらを鉄筋支持スタンド(A)と同質の細い金属線材から、図示のようなほぼL字型に屈曲形成して、そのほぼ水平な一辺の基端部を鉄筋支持スタンド(A)の各脚柱(14)(14)へ溶接一体化すると共に、ほぼ垂直に起立する他辺の先端部によって、第1、2棚筋(21)(23)の脱落 を防止することが最適である。
【0029】
図1〜5の第1実施形態に示す如く、鉄筋支持スタンド(A)から前向き(図例の場合)又は後向きに張り出す第1棚筋受け止め爪(20)を下段とし、同じく鉄筋支持スタンド(A)から横向きに張り出す第2棚筋受け止め爪(22)を上段として、その第1、2棚筋(21)(23)が平面視のほぼ直交する関係状態となるように配設する場合には、下段の第1棚筋受け止め爪(20)へ上方から載置させる第1棚筋(21)が、上段の第2棚筋受け止め爪(22)と接触しないように、その上段の第2棚筋受け止め爪(22)を下段の第1棚筋受け止め爪(20)が張り出す方向と逆な方向(図例では後方)から、鉄筋支持スタンド(A)の脚柱(14)へ接合一体化することが望ましい。
【0030】
その際、上段の第2棚筋受け止め爪(22)に受け止められた第2棚筋(23)へ載置されるPCケーブル保護シース(C)と、上記トップバー(15)の上筋受け止め面(16)に受け止められる上筋(17)とが干渉しないように、その上筋受け止め面(16)と第2棚筋受け止め爪(22)との相互間にも一定の高低段差(Y2)(例えば約40 mm )が与えられている。
【0031】
但し、このように上筋(17)と下筋(11)との上下相互間へPCケーブル保護シース(C)(C)を干渉することなく配設できる支持高さである限り、図6の第2実施形態から明白なように、鉄筋支持スタンド(A)から前向き又は後向きに張り出す第1棚筋受け止め爪(20)を上段とし、同じく鉄筋支持スタンド(A)から横向きに張り出す第2棚筋受け止め爪(22)を下段として、その相互間に第1、2棚筋(21)(23)同志が干渉しない一定の高低段差(Y1)を与えても勿論良い。
【0032】
又、鉄筋支持スタンド(A)の両脚柱(14)(14)を接地ブロック(B)(B)における前後何れか一方へ偏した位置から垂立させる場合には、その接地ブロック(B)(B)の上面が広く確保される方向(図例では前方)へ、上記第1棚筋受け止め爪(20)を張り出すことが好ましい。コンクリート構造物成形用型枠(M)の堰板(13)に対する鉄筋支持スタンド(A)の据え立て状態が一層安定化し、その前後方向への不慮な転倒事故を防止できるからである。
【0033】
何れにしても、コンクリート構造物成形用型枠(M)の堰板(13)に対する接地面から上記第1棚筋受け止め爪(20)までの一定高さ(H3)(例えば約150 mm )と、同じく接地面から第2棚筋受け止め爪(22)までの一定高さ(H4)(例えば約190 mm )が、図12、13の使用状態に示す如く、その第1、2棚筋(21)(23)における打設コンクリートのかぶり厚さ(T3)(T4)を規定することとなり、これらによって支持されるPCケーブル保護シース(C)(C)のスペーサーとして機能する。
【0034】
更に、図7〜10は本発明に係る兼用スペーサーの第3実施形態を示しており、これでは鉄筋支持スタンド(A)における両脚柱(14)(14)の抜け止めアンカー(18)(18)を、両接地ブロック(B)(B)の上面から露出するように曲げ起し延長させることにより、その抜け止めアンカー(18)(18)の露出先端部を下筋受け止め爪(24)(24)として、その下筋(11)を転落しない載置状態に受け止めている。
【0035】
尚、第2、3実施形態におけるその他の構成は上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図6〜10に図1〜5との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0036】
本発明の上記第1実施形態に基いて、その兼用スペーサーの使用法を説明すると、これを図11〜13に示す如く、施工現場において組み立てたプレストレスコンクリート構造 物成形用型枠(M)の堰板(13)へ、指定間隔おきの点在分布状態に据え立て接地させる。
【0037】
そして、先ず各兼用スペーサーにおける接地ブロック(B)(B)の下筋受け面(10)(10)へ、上方から例えば横下筋(11x)を載置させると共に、その横下筋(11x)とほぼ直交する縦下筋(11y)を、鉄筋支持スタンド(A)の内部へ通し込んで、上記横下筋(11x)の上面へ載置させる。
【0038】
次に、上記鉄筋支持スタンド(A)を形作る両脚柱(14)(14)のうち、その中途高さ位置から前向き又は後向きに張り出す下段の第1棚筋受け止め爪(20)へ、上記横下筋(11x)とほぼ平行な第1棚筋(21)を上方から載置させると共に、その第1棚筋(21)の上面へPCケーブル保護シース(C)をほぼ直交状態に載置させるのである。
【0039】
又、同じく両脚柱(14)(14)のうち、その中途高さ位置から横向きに張り出す上段の第2棚筋受け止め爪(22)へ、上記縦下筋(11y)とほぼ平行な第2棚筋(23)を上方から載置させると共に、その第2棚筋(23)の上面へやはりPCケーブル保護シース(C)をほぼ直交状態に載置させる。
【0040】
更に、鉄筋支持スタンド(A)におけるトップバー(15)の上筋受け止め面(16)へ、上記縦下筋(11y)のほぼ真上位置に平行することとなる縦上筋(17y)を載置させると共に、その縦上筋(17y)の上面へ横上筋(17x)をほぼ直交する状態に載置させるのである。
【0041】
尚、このような横下筋(11x)と縦下筋(11y)との交叉部や横上筋(17x)と縦上筋(17y)との交叉部、第1、2棚筋(21)(23)とPCケーブル保護シース(C)(C)との交叉部はすべて、又は適当な間隔ピッチおきに結束されるが、その結束線は図示省略してある。上記第1、2棚筋(21)(23)はその対応する第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)へ、図外の結束線によって結束することが望ましい。
【0042】
何れにしても、このようにコンクリート構造物の補強用鉄筋(11)(17)と、PCケーブル保護シース(C)(C)とが交錯状態に配設された上記成形用型枠(M)の内部へ、その後コンクリートを打設すれば、その下筋(11)と上筋(17)における打設コンクリートのかぶり厚さ(T1)(T2)のみならず、上記PCケーブル保護シース(C)(C)を支持する第1、2棚筋(21)(23)のコンクリートかぶり厚さ(T3)(T4)も、指定通りに正しく確保されることとなる。
【0043】
その場合、ほぼ倒立カマボコ型に造形された接地ブロック(B)(B)の左右一対から、金属線材の鉄筋支持スタンド(A)が前・後面視のほぼM字型に垂立するとしても、その接地ブロック(B)(B)は鉄筋支持スタンド(A)のトップバー(15)とほぼ直交する前後方向に沿って一定長さ(L1)だけ延在しており、しかも鉄筋支持スタンド(A)の両脚柱(14)(14)に第1、2棚筋(21)(23)の受け止め爪(20)(22)が付属一体化されているため、据え立て接地状態の安定性に優れ、前後と左右の何れに向かっても不慮に転倒するおそれがない。
【0044】
更に、上記第1、2棚筋(21)(23)はその対応する第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)へ上方から載置され、これによって受け止められた第1、2棚筋(21)(23)の上面へ、PCケーブル保護シース(C)(C)が載置されるようになっているため、そのシース(C)(C)として直管やスパイラル管などの各種形態を制約なく使用することができ、シース(C)(C)の太さ変化にも支障なく対応し得るのであり、汎用性 に優れる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明ではコンクリートから前後方向へ延在する一定な長さ(L1)と高さ(H1)並びに幅(W1)のほぼ倒立カマボコ型に塑造された接地ブロック(B)(B)の左右一対と、
【0046】
1本の金属線材から両接地ブロック(B)(B)と対応する一定間隔(D)を保ってほぼ平行に垂立する脚柱(14)(14)の左右一対と、その両脚柱(14)(14)の上端部に橋絡する上筋受け止め用トップバー(15)とが連続する前・後面視のほぼM字型に屈曲形成された鉄筋支持スタンド(A)とを備え、
【0047】
両脚柱(14)(14)の下端部を抜け止めアンカー(18)(18)として、上記接地ブロック(B)(B)へ各々植え込み状態に埋設一体化した鉄筋用スペーサーにおいて、
【0048】
上記鉄筋支持スタンド(A)を形作る両脚柱(14)(14)の左右何れか一方から、PCケーブル保護シース(C)の支持用となる第1棚筋受け止め爪(20)を前向き又は後向きに張り出し、
【0049】
残る他方から別個なPCケーブル保護シース(C)の支持用となる第2棚筋受け止め爪(22)を、上記第1棚筋受け止め爪(20)とほぼ直交する関係状態となる横向きに張り出すと共に、
【0050】
上記第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)の相互間に、その各個によって受け止められる第1、2棚筋(21)(23)同志が干渉しない一定の高低段差(Y1)を与えてあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く改良できる効果がある。
【0051】
即ち、本発明の上記構成によれば、鉄筋支持スタンド(A)のトップバー(15)へ上筋(17)と、左右一対の接地ブロック(B)(B)へ下筋(11)とを載置させることができるほか、その鉄筋支持スタンド(A)における両脚柱(14)(14)から一定の高低段差(Y1)を保って張り出す第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)へ、互いに干渉することなく且つほぼ直交する関係状態に受け止められる第1、2棚筋(21)(23)を介して、PCケーブル保護シース(C)(C)も載置させることができるため、従来のような鉄筋用スペーサーとシース用スペーサーとの2種を、各別に製作準備する必要がなく、その品数が半減することになる結果、本発明の兼用スペーサーを使って、鉄筋(11)(17)とPCケーブル保護シース(C)(C)の配設作業を短時間での極めて効率良く軽快に行なえるのである。
【0052】
特に、請求項2の構成を採用するならば、上筋(17)と下筋(11)のみならず、PCケーブル保護シース(C)(C)も縦横にほぼ直交する状態として、互いに干渉するおそれなく配設することができ、その作業性がますます向上する。
【0053】
又、請求項3の構成を採用するならば、上段の棚筋受け止め爪に受け止められた棚筋へ載置されるPCケーブル保護シース(C)と、トップバー(15)の上筋受け止め面(16)に受け止められる上筋(17)とを、干渉しない状態に保てる効果もある。
【0054】
更に、請求項4の構成を採用するならば、両接地ブロック(B)(B)に対する両脚柱(14)(14)の抜け止めアンカー(18)(18)を活用して、その両接地ブロック(B)(B)の上面から露出する下筋受け止め爪(24)(24)により、下筋(11) を転落するおそれなく、安定・確固に受け止め配筋できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る兼用スペーサーの第1実施形態を示す斜面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図2の平面図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】本発明に係る兼用スペーサーの第2実施形態を示す斜面図である。
【図7】本発明に係る兼用スペーサーの第3実施形態を示す斜面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】図8の10−10線断面図である。
【図11】本発明に係る第1実施形態の使用状態を示す斜面図である。
【図12】同じく使用状態を示す正面図である。
【図13】図12の側面図である。
【符号の説明】
(10)・下筋受け面
(11)・下筋
(12)・接地面
(13)・堰板
(14)・脚柱
(15)・トップバー
(16)・上筋受け止め面
(17)・上筋
(18)・抜け止めアンカー
(19)・切欠き
(20)・第1棚筋受け止め爪
(21)・第1棚筋
(22)・第2棚筋受け止め爪
(23)・第2棚筋
(24)・下筋受け止め爪
(A)・鉄筋支持スタンド
(B)・接地ブロック
(C)・PCケーブル保護シース
(M)・コンクリート構造物の成形用型枠
(Y1)(Y2)・高低段差
(T1)(T2)(T3)(T4)・打設コンクリートのかぶり厚さ
Claims (4)
- コンクリートから前後方向へ延在する一定な長さ(L1)と高さ(H1)並びに幅(W1)のほぼ倒立カマボコ型に塑造された接地ブロック(B)(B)の左右一対と、
1本の金属線材から両接地ブロック(B)(B)と対応する一定間隔(D)を保ってほぼ平行に垂立する脚柱(14)(14)の左右一対と、その両脚柱(14)(14)の上端部に橋絡する上筋受け止め用トップバー(15)とが連続する前・後面視のほぼM字型に屈曲形成された鉄筋支持スタンド(A)とを備え、
両脚柱(14)(14)の下端部を抜け止めアンカー(18)(18)として、上記接地ブロック(B)(B)へ各々植え込み状態に埋設一体化した鉄筋用スペーサーにおいて、
上記鉄筋支持スタンド(A)を形作る両脚柱(14)(14)の左右何れか一方から、PCケーブル保護シース(C)の支持用となる第1棚筋受け止め爪(20)を前向き又は後向きに張り出し、
残る他方から別個なPCケーブル保護シース(C)の支持用となる第2棚筋受け止め爪(22)を、上記第1棚筋受け止め爪(20)とほぼ直交する関係状態となる横向きに張り出すと共に、
上記第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)の相互間に、その各個によって受け止められる第1、2棚筋(21)(23)同志が干渉しない一定の高低段差(Y1)を与えたことを特徴とする鉄筋とPCケーブル保護シースとの兼用スペーサー。 - 第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)を鉄筋支持スタンド(A)よりも細い金属線材からほぼL字型に屈曲形成して、
その鉄筋支持スタンド(A)における左右何れか一方の脚柱(14)から前向き又は後向きに張り出す第1棚筋受け止め爪(20)の基端部を、その脚柱(14)へ横方向から接合一体化すると共に、
同じく鉄筋支持スタンド(A)における他方の脚柱(14)から横向きに張り出す第2棚筋受け止め爪(22)の基端部を、その脚柱(14)へ上記第1棚筋受け止め爪(20)が張り出す方向と逆な方向から接合一体化したことを特徴とする請求項1記載の鉄筋とPCケーブル保護シースとの兼用スペーサー。 - 鉄筋支持スタンド(A)におけるトップバー(15)の中間部を上筋受け止め面(16)として、ほぼV字型に陥没させると共に、
第1、2棚筋受け止め爪(20)(22)のうち、その上段に位置する一方と上筋受け止め面(16)との相互間に、その一方の棚筋受け止め爪(20)(22)に受け止められた棚筋(21)(23)を介して支持されるPCケーブル保護シース(C)と、上筋受け止め面(16)に受け止められる上筋(17)とが干渉しない一定の高低段差(Y2)を与えたことを特徴とする請求項1記載の鉄筋とPCケーブル保護シースとの兼用スペーサー。 - 鉄筋支持スタンド(A)の両脚柱(14)(14)をその接地ブロック(B)(B)の前後何れか一方へ偏心した位置から各々垂立させると共に、
その偏心との相対的に広く確保された接地ブロック(B)(B)のほぼフラットな上面から露出するように、両脚柱(14)(14)の抜け止めアンカー(18)(18)を曲げ起し延長することにより、その抜け止めアンカー(18)(18)の露出先端部を下筋受け止め爪(24)(24)として使用できるように定めたことを特徴とする請求項1記載の鉄筋とPCケーブル保護シースとの兼用スペーサー。
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