JP3768529B2 - 射出成形機用の型締め装置 - Google Patents
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Description
本発明は、請求項１の上位概念に記載の射出成形機用の型締め装置に関する。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第３７１８１０６号明細書（第５図の実施例）に記載のこのような形式の型締め装置では、可動盤が、固定盤に支持された運動スピンドルを用いて開閉行程を行うように運動可能であり、さらに閉鎖圧形成が、固定盤に支持されていて運動スピンドルに係合作用するハイドロリック式のピストン・シリンダユニットを用いて行われる。この公知の構成では、スピンドルは、開閉行程を迅速に行うのみならず、ハイドロリック式のピストン・シリンダユニットによる閉鎖力形成時における全引張り力をも引き受けている。したがって運動スピンドルは、運動機能と閉鎖力機能との両方を合わせ持つように設計されねばならず、これによって運動スピンドルの構成は比較的困難なものになってしまう。
さらにヨーロッパ特許出願公開第３８１１０７号明細書に基づいて公知の型締め装置では、固定盤に固定された運動スピンドルがスピンドルナットを用いて可動盤と連結されており、この場合スピンドルナットは回転駆動装置によって開閉運動を生ぜしめるようになっている。閉鎖力形成は、スピンドルナットに支持されたハイドロリック式のピストン・シリンダユニットを介して行われるので、この公知の構成においても運動スピンドルは、高い閉鎖圧に起因する引張り力を引き受けるように設計されねばならない。
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の型締め装置を改良して、ハイドロリック式のピストン・シリンダユニットによる高い閉鎖圧を保証しながら、運動スピンドルによる運動駆動装置を実質的に、迅速な開閉運動のための必要性にだけ合わせて、設計できるようにすることである。
この課題は、請求項１及び請求項６の特徴部分に記載の構成によって解決される。
本発明の有利な構成は、その他の請求項に記載されている。
次に図面につき本発明の３つの実施例を説明する。
第１図は、射出成形機の型締め装置を第４図のＩ−Ｉに沿って断面して示す縦断面図である。
第２図は、型締め装置の別の実施例を示す縦断面図である。
第３図は、型締め装置のさらに別の実施例を示す縦断面図である。
第４図は、第１図〜第３図に示された型締め装置に共通の、第１図のIV−IV線に沿って断面した横断面図である。
第１図には、第１の金型半部２を備えた固定盤１と第２の金型半部３を備えた可動盤４とを有する、射出成形機用の型締め装置が示されており、可動盤４には４つのピストン・コラムユニット５〜８が固定されており、これらのピストン・コラムユニット５〜８は、固定盤１を貫通していて、この固定盤１において、ピストン１３〜１６で４つの主油圧シリンダ９〜１２内をシフト可能に案内されている。
４つのピストン・コラムユニット５〜８は、２つの形式のものから成っており、この場合一方の形式のピストン・コラムユニット５，７は各１つの圧力伝達装置を備えていて、かつ他方の形式のピストン・コラムユニット６，８は各１つの運動スピンドル装置を備えている。
ピストン・コラムユニット５，７はそれぞれ圧力伝達シリンダ１７から成っており、この圧力伝達シリンダ１７内においては２段階式の圧力伝達ピストン１８が案内されており、この圧力伝達ピストン１８は、圧力伝達シリンダ１７の直径に相当する大きな圧力ピストン１９と、小さな圧力ピストン２０とを有しており、この小さな圧力ピストン２０は、弁スリーブ２１から成る弁体によって取り囲まれている。弁スリーブ２１は、圧力伝達シリンダ１７の直径にほぼ相当する外径を有していて、圧力伝達シリンダ１７内においてかつ小さな圧力ピストン２０に対して軸方向シフト可能である。弁スリーブ２１はその外面に、軸方向において連続する少なくとも１つの溝２２を有している。弁スリーブ２１の軸方向シフト可能性は、閉鎖方向においては外側リングストッパ２３によって制限されており、かつ開放方向においては、小さな圧力ピストン２０の端部部分と弁スリーブ２１の内周部における端部部分との間において作用するストッパ装置（図示せず）によって制限される。
圧力伝達ピストン１８は圧力伝達シリンダ１７を、閉鎖側の圧力伝達室２４と開放側の圧力伝達室２５とに分割している。
開放側の圧力伝達室２５は、主油圧シリンダ９，１１を閉鎖側のシリンダ室２７，２８と開放側のシリンダ室３１，３２とに分割するピストン１３，１５における貫通孔２６の１構成部分である。この貫通孔２６は弁スリーブ２１によって閉鎖可能である。
同様に、各１つの運動スピンドル装置を備えたピストン・コラムユニット６，８のピストン１４，１６もまた、主シリンダ室１０，１２を閉鎖側のシリンダ室２９，３０と開放側のシリンダ室３３，３４とに分割している。
閉鎖側のすべてのシリンダ室２７，２８，２９，３０は、互いに通路３５によって接続されている。
ピストン・コラムユニット６，８の運動スピンドル装置はそれぞれ、運動スピンドル３６，３７，３８から成っており、これらの運動スピンドル３６，３７，３８はそれぞれ、ピストン１４，１６に固定されたスピンドルナット３９とねじ係合しており、かつピストン・コラムユニット６，８における切欠き４０内に進入している。
運動スピンドル３５，３７，３８はさらにスラスト軸受４１と端部部分４２とを有しており、この端部部分４２で運動スピンドルは軸方向シフト可能に回転駆動装置と連結されている。図面には回転駆動装置のうちの駆動ピニオン４３だけが示されており、この駆動ピニオン４３はベルト伝動装置４４を介して、位置調整装置を備えたサーボモータによって駆動可能である。サーボモータは有利には電動モータから成っている。
上に述べた特徴及び装置は、第１図〜第３図に示された３つの実施例に対して同一である。以下においてはしたがってそれぞれの実施例の特殊性についてだけ述べる。
1. 第１図の実施例
1.1 構成
第１図に示された実施例の運動スピンドル３６は、開放側のシリンダ室３２を貫通し、接続する第２のシリンダ室４５内に突入しており、この第２のシリンダ室４５において運動スピンドル３６は、スラスト軸受４１を用いてピストンユニット４６に支承されており、このピストンユニット４６は第２のシリンダ室４５を、第２の閉鎖側のシリンダ室４７と第２の開放側のシリンダ室（ピストンユニット４６の図示の切換え位置では存在していない）とに分割している。
第２の閉鎖側のシリンダ室４７からは油圧導管４８が、切換え位置ａ，ｂ，ｃを備えた第１の方向切換え弁４９（４ポート３位置方向切換え弁）に通じている。油圧導管４８からは、切換え位置ａ，ｂを備えた第２の方向切換え弁５１（４ポート２位置方向切換え弁）に通じる油圧導管５０が分岐しており、第２の方向切換え弁５１を介して、第２の閉鎖側のシリンダ室４７と開放側の圧力シリンダ室２５との間における接続が形成又は中断されることができる。第１の方向切換え弁４９を介して油圧導管４８は選択的に、圧力媒体源Ｐと接続するように切り換えられたり又は、抵抗圧（６バール）を備えた逆止弁５２を介してタンクＴに接続するように切り換えられる。後吸込み弁もしくは補充吸込み弁（Nachsaugventil）として作用する第２の逆止弁５３を介して、油圧媒体はタンクＴから取り出すことができる。開放側のシリンダ室３１は油圧導管５４と抵抗圧を備えた逆止弁５２とを介して、タンクＴと接続されている。
1.2 作用
1.2.1 型締め装置の迅速閉鎖
このために第２の閉鎖側のシリンダ室４７には、第１の方向切り換え弁４９の切換え位置ｃを介して、圧力媒体源Ｐから圧力媒体が供給され、これによりピストンユニット４６は、第１図に示された右側の当接ポジションを占める。第２の方向切換え弁５１は、切換え位置ｂを占めており、これによって圧力伝達ピストン１８は弁スリーブ２１を、第１図に示されたポジションに確実に保つことができ、このポジションにおいて閉鎖側のシリンダ室２７と開放側のシリンダ室３１との間における貫通孔２６は開放している。
運動スピンドル３６の回転によって、両方の金型半部２，３は、互いに当接するまで相対的に移動させられる。位置調整装置を備えた電気式のサーボモータを介して運動スピンドル３１を駆動することに基づいて、この際に正確な位置決めを行うことができる。金型半部２，３の相対運動中に、油圧オイルは開放側のシリンダ室３１，３２から貫通孔２６と通路３５とを介して閉鎖側のシリンダ室２７〜３０に移動し、この際に油圧オイルの不足量は、導管５４と後吸込み弁５３とを介して補充される。
1.2.2 閉鎖圧形成
このためには第１の方向切換え弁４９が切換え位置ｂに、かつ第２の方向切換え弁５１が切換え位置ａにもたらされる。閉鎖方向において運動スピンドル３６がさらに回転すると、ピストンユニット４６は第１図において左に向かってシフトさせられ、これにより、第２の閉鎖側のシリンダ室４７における油圧オイルが、油圧導管４８，５０と第２の方向切換え弁５１とを介して開放側の圧力伝達室２５に達し、圧力伝達ピストン１８と弁スリーブ２１とをシフトさせ、この結果まず初めに弁スリーブ２１によって貫通孔２６が閉鎖される。圧力伝達ピストン１８がさらにシフトすることによって、差圧面１９′，１９′′に基づいて圧力上昇が得られ、この圧力上昇は弁スリーブ２１における連続した溝２２を介して伝達され、リングピストン面１３′〜１６′において必要な閉鎖圧を生ぜしめる。
1.2.3 圧力消滅
リングピストン面１３′〜１６′に作用する閉鎖圧を逃がすために、第２の方向切換え弁５１は切換え位置ａに、かつ第１の方向切換え弁４９は切換え位置ａにもたらされ、これにより圧力伝達ピストン１８は無圧状態でタンクＴに接続される。第２の閉鎖側のシリンダ室４７は圧力媒体源Ｐに接続され、この結果ピストンユニットは、第１図において示された当接ポジションに戻される。
1.2.4 型締め装置の迅速開放
このために第１の方向切換え弁４９及び第２の方向切換え弁５１は、閉鎖動作を実施する場合と同じ切換え位置にもたらされる。しかしながら開放動作時には、運動スピンドル３６の回転方向は逆転され、これにより両金型半部２，３は互いに離れる方向に相対運動する。
2. 第２図の実施例
2.1 構成
第２図に示された実施例では、運動スピンドル３７はスラスト軸受４１を用いて、主油圧シリンダ１０に接続するケーシング５５に自由回転可能にではあるが軸方向シフト不能に支承されている。油圧システムは、圧力媒体源Ｐと、切換え位置ａ，ｂ，ｃを備えた方向切換え弁５６と、自由切換え可能な逆止弁５７と、後吸込み弁５３と、抵抗圧を備えた逆止弁５２と、タンクＴと、油圧導管５８〜６１とから成っている。
2.2 作用
2.2.1 型締め装置の迅速閉鎖
このために方向切換え弁５６は、第２図に示された切換え位置ｂに切り換えられ、この切換え位置ｂではピストン１３，１５における貫通孔２６は確実に開放状態に保たれ、この結果運動スピンドル３７の回転時ひいてはこれによって生ぜしめられる金型半部２，３の相対運動時に、油圧オイルは開放側の両方のシリンダ室３１，３３から閉鎖側のシリンダ室２７〜３０に流れ込むことができ、この際に不足のオイル量は後吸込み弁５３と油圧導管６１とを介して補充されることができる。運動スピンドル３７の回転は、両方の金型半部２，３が互いに接触した時に停止される。
2.2.2 閉鎖圧形成
このために方向切換え弁５６は切換え位置ｃにもたらされ、この切換え位置ｃにおいて油圧オイルは、圧力媒体源Ｐから油圧導管５８を介して閉鎖側の圧力伝達室２４に達し、圧力伝達ピストン１８を用いて、1.2.2に記載された閉鎖圧形成を行う。
2.2.3 圧力消滅
リングピストン面１３′〜１６′に対して作用する閉鎖圧を逃がすために、方向切換え弁５６は切換え位置ａにもたらされ、この切換え位置ａにおいて油圧導管５９を介して逆止弁５７は開放切換えされ、これにより、圧力伝達ピストン１８を負荷していた圧力は、油圧導管５８，６０を介してタンクＴに逃がされることができる。
2.2.4 型締め装置の迅速開放
このために方向切換え弁５６は切換え位置ｂにもたらされる。両方の金型半部２，３が互いに離反運動する方向に運動スピンドル３７を回転させることによって、閉鎖側のシリンダ室２７内に圧力が生ぜしめられ、この圧力によって貫通孔２６を介して、圧力伝達ピストン１８と弁スリーブ２１とが第２図に示されたポジションに戻され、この結果閉鎖側のシリンダ室２７，２９と開放側のシリンダ室３１，３３との間における貫通孔２６が完全に開放し、これによって両金型半部の離反運動時に、閉鎖側のシリンダ室２７〜３０と開放側のシリンダ室３１，３３との間における油圧オイルの補償を行うことができる。過剰な油圧オイルは油圧導管６１を介してタンクＴに排出される。
3. 第３図の実施例
3.1 構成
第３図に示された運動スピンドル３８は駆動側の部分において第１図の運動スピンドル３６に相当している。運動スピンドル３８は、ピストン・コラムユニット６（８）に進入する端部に、ハイドロリック式のスピンドルピストン６２を有しており、このスピンドルピストン６２はスピンドルシリンダ６３内において案内されている。油圧システムは、圧力媒体源Ｐと、３つの切換え位置ａ，ｂ，ｃを備えた第１の方向切換え弁６４と、切換え位置ａ，ｂを備えた第２の方向切換え弁６５と、切換え位置ａ，ｂを備えた第３の方向切換え弁６６とから成っている。これらの方向切換え弁６４〜６６は油圧導管６７〜７０を介して、開放側の圧力伝達室２４、スピンドルシリンダ６３、第２の閉鎖側のシリンダ室４７、開放側のシリンダ室３１，３３及びタンクＴに接続されている。
3.2 作用
3.2.1 型締め装置の迅速閉鎖
このために第１の方向切換え弁６４は切換え位置ｃに切り換えられ、これによって第２の閉鎖側のシリンダ室４７には、圧力媒体源Ｐから圧力媒体が供給され、ピストンユニット４６は第３図に示された右側の当接ポジションを占める。第２の方向切換え弁６５は切換え位置ａに切り換えられ、これによってスピンドル起点によって生ぜしめられる両金型半部２，３の接近移動時に、スピンドルピストン６２によってスピンドルシリンダ６３から押し出された油圧オイルは、切欠き４０と油圧導管６７とを接続する導管Ａを通って、油圧導管６７を介してタンクＴに流れることができる。第３の方向切換え弁６６は切換え位置ｂに切り換えられ、これによって、圧力伝達ピストン１８及び弁スリーブ２１は第３図に示されたポジションに確実に留まり、このポジションにおいて閉鎖位置に向かってピストン１３〜１６が移動した時に、開放側のシリンダ室３１，３３と閉鎖側のシリンダ室２７〜３０との間におけるオイルの交換を行うことができる。
3.2.2 閉鎖圧形成
このために第１の方向切換え弁６４は切換え位置ａに切り換えられ、これによって第２の閉鎖側のシリンダ室４７内における油圧オイルは、運動スピンドル３８が閉鎖位置を占めているピストン１３〜１６においてさらに回転させられると、油圧導管６９を介してタンクＴに流出することができる。そしてこれによってスピンドルピストン６２は、圧力伝達ピストン１８を負荷するための油圧を生ぜしめるべく、さらにスピンドルシリンダ６３内に進入することができる。ピストン１３〜１６が、閉鎖ポジションつまり両金型半部２，３が互いに接触している閉鎖ポジションを占めていることに基づいて、運動スピンドル３８の回転によってピストンユニット４６は、スピンドルピストン６２がスピンドルシリンダ６３内に進入するように左に向かってシフトする。第２の方向切換え弁６５は次いで切換え位置ｂに切り換えられ、かつ第３の方向切換え弁６６は切換え位置ａに切り換えられ、この結果スピンドルシリンダ６３内において生じた油圧は導管６８，６７を介して圧力伝達ピストン１８に伝達されることができる。そして圧力伝達ピストン１８を用いて、閉鎖力形成のために適した圧力上昇が、1.2.2における作用の記載に相応して行われる。
3.2.3 圧力消滅
リングピストン面１３′〜１６′に対して作用する閉鎖圧を逃がすために、第１の方向切換え弁６４は切換え位置ａに切り換えられ、これによって第２の閉鎖側のシリンダ室４７はタンクＴに接続される。第２の方向切換え弁６５及び第３の方向切換え弁６６は、共に切換え位置ａに切り換えられ、これによって圧力は開放側の圧力伝達室２５とスピンドルシリンダ６３とからタンクＴに逃げることができる。
3.2.4 型締め装置の迅速開放
このために第１の方向切換え弁６４は切換え位置ｃに切り換えられ、この切換え位置ｃにおいて第２の閉鎖側のシリンダ室４７には、圧力媒体源Ｐから圧力媒体が供給され、これによってピストンユニット４６は、第３図に示された当接ポジションにシフトされる。このために同時に運動スピンドル３８が回転させられ、これによってピストンユニット４６の戻り運動が可能になり、かつ該ピストンユニット４６の当接後に解放運動を生ぜしめることができる。第２の方向切換え弁６５は切換え位置ａに切り換えられ、これによって油圧導管６８，６７を介して油圧オイルが、タンクＴからスピンドルシリンダ６３に吸い込まれ得る。第３の方向切換え弁６６は切換え位置ｂに切り換えられ、この切換え位置ｂにおいて圧力伝達ピストン１８及び弁スリーブ２１は、貫通孔２６を開放する引き戻された位置を確実に占めることができ、この結果開放運動中に、閉鎖側のシリンダ室２７〜３０と開放側のシリンダ室３１，３３との間におけるオイル量の妨げられない交換を行うことができ、この際に過剰のオイル量は油圧導管６１を介してタンクＴに排出されることができる。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第３７１８１０６号明細書（第５図の実施例）に記載のこのような形式の型締め装置では、可動盤が、固定盤に支持された運動スピンドルを用いて開閉行程を行うように運動可能であり、さらに閉鎖圧形成が、固定盤に支持されていて運動スピンドルに係合作用するハイドロリック式のピストン・シリンダユニットを用いて行われる。この公知の構成では、スピンドルは、開閉行程を迅速に行うのみならず、ハイドロリック式のピストン・シリンダユニットによる閉鎖力形成時における全引張り力をも引き受けている。したがって運動スピンドルは、運動機能と閉鎖力機能との両方を合わせ持つように設計されねばならず、これによって運動スピンドルの構成は比較的困難なものになってしまう。
さらにヨーロッパ特許出願公開第３８１１０７号明細書に基づいて公知の型締め装置では、固定盤に固定された運動スピンドルがスピンドルナットを用いて可動盤と連結されており、この場合スピンドルナットは回転駆動装置によって開閉運動を生ぜしめるようになっている。閉鎖力形成は、スピンドルナットに支持されたハイドロリック式のピストン・シリンダユニットを介して行われるので、この公知の構成においても運動スピンドルは、高い閉鎖圧に起因する引張り力を引き受けるように設計されねばならない。
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の型締め装置を改良して、ハイドロリック式のピストン・シリンダユニットによる高い閉鎖圧を保証しながら、運動スピンドルによる運動駆動装置を実質的に、迅速な開閉運動のための必要性にだけ合わせて、設計できるようにすることである。
この課題は、請求項１及び請求項６の特徴部分に記載の構成によって解決される。
本発明の有利な構成は、その他の請求項に記載されている。
次に図面につき本発明の３つの実施例を説明する。
第１図は、射出成形機の型締め装置を第４図のＩ−Ｉに沿って断面して示す縦断面図である。
第２図は、型締め装置の別の実施例を示す縦断面図である。
第３図は、型締め装置のさらに別の実施例を示す縦断面図である。
第４図は、第１図〜第３図に示された型締め装置に共通の、第１図のIV−IV線に沿って断面した横断面図である。
第１図には、第１の金型半部２を備えた固定盤１と第２の金型半部３を備えた可動盤４とを有する、射出成形機用の型締め装置が示されており、可動盤４には４つのピストン・コラムユニット５〜８が固定されており、これらのピストン・コラムユニット５〜８は、固定盤１を貫通していて、この固定盤１において、ピストン１３〜１６で４つの主油圧シリンダ９〜１２内をシフト可能に案内されている。
４つのピストン・コラムユニット５〜８は、２つの形式のものから成っており、この場合一方の形式のピストン・コラムユニット５，７は各１つの圧力伝達装置を備えていて、かつ他方の形式のピストン・コラムユニット６，８は各１つの運動スピンドル装置を備えている。
ピストン・コラムユニット５，７はそれぞれ圧力伝達シリンダ１７から成っており、この圧力伝達シリンダ１７内においては２段階式の圧力伝達ピストン１８が案内されており、この圧力伝達ピストン１８は、圧力伝達シリンダ１７の直径に相当する大きな圧力ピストン１９と、小さな圧力ピストン２０とを有しており、この小さな圧力ピストン２０は、弁スリーブ２１から成る弁体によって取り囲まれている。弁スリーブ２１は、圧力伝達シリンダ１７の直径にほぼ相当する外径を有していて、圧力伝達シリンダ１７内においてかつ小さな圧力ピストン２０に対して軸方向シフト可能である。弁スリーブ２１はその外面に、軸方向において連続する少なくとも１つの溝２２を有している。弁スリーブ２１の軸方向シフト可能性は、閉鎖方向においては外側リングストッパ２３によって制限されており、かつ開放方向においては、小さな圧力ピストン２０の端部部分と弁スリーブ２１の内周部における端部部分との間において作用するストッパ装置（図示せず）によって制限される。
圧力伝達ピストン１８は圧力伝達シリンダ１７を、閉鎖側の圧力伝達室２４と開放側の圧力伝達室２５とに分割している。
開放側の圧力伝達室２５は、主油圧シリンダ９，１１を閉鎖側のシリンダ室２７，２８と開放側のシリンダ室３１，３２とに分割するピストン１３，１５における貫通孔２６の１構成部分である。この貫通孔２６は弁スリーブ２１によって閉鎖可能である。
同様に、各１つの運動スピンドル装置を備えたピストン・コラムユニット６，８のピストン１４，１６もまた、主シリンダ室１０，１２を閉鎖側のシリンダ室２９，３０と開放側のシリンダ室３３，３４とに分割している。
閉鎖側のすべてのシリンダ室２７，２８，２９，３０は、互いに通路３５によって接続されている。
ピストン・コラムユニット６，８の運動スピンドル装置はそれぞれ、運動スピンドル３６，３７，３８から成っており、これらの運動スピンドル３６，３７，３８はそれぞれ、ピストン１４，１６に固定されたスピンドルナット３９とねじ係合しており、かつピストン・コラムユニット６，８における切欠き４０内に進入している。
運動スピンドル３５，３７，３８はさらにスラスト軸受４１と端部部分４２とを有しており、この端部部分４２で運動スピンドルは軸方向シフト可能に回転駆動装置と連結されている。図面には回転駆動装置のうちの駆動ピニオン４３だけが示されており、この駆動ピニオン４３はベルト伝動装置４４を介して、位置調整装置を備えたサーボモータによって駆動可能である。サーボモータは有利には電動モータから成っている。
上に述べた特徴及び装置は、第１図〜第３図に示された３つの実施例に対して同一である。以下においてはしたがってそれぞれの実施例の特殊性についてだけ述べる。
1. 第１図の実施例
1.1 構成
第１図に示された実施例の運動スピンドル３６は、開放側のシリンダ室３２を貫通し、接続する第２のシリンダ室４５内に突入しており、この第２のシリンダ室４５において運動スピンドル３６は、スラスト軸受４１を用いてピストンユニット４６に支承されており、このピストンユニット４６は第２のシリンダ室４５を、第２の閉鎖側のシリンダ室４７と第２の開放側のシリンダ室（ピストンユニット４６の図示の切換え位置では存在していない）とに分割している。
第２の閉鎖側のシリンダ室４７からは油圧導管４８が、切換え位置ａ，ｂ，ｃを備えた第１の方向切換え弁４９（４ポート３位置方向切換え弁）に通じている。油圧導管４８からは、切換え位置ａ，ｂを備えた第２の方向切換え弁５１（４ポート２位置方向切換え弁）に通じる油圧導管５０が分岐しており、第２の方向切換え弁５１を介して、第２の閉鎖側のシリンダ室４７と開放側の圧力シリンダ室２５との間における接続が形成又は中断されることができる。第１の方向切換え弁４９を介して油圧導管４８は選択的に、圧力媒体源Ｐと接続するように切り換えられたり又は、抵抗圧（６バール）を備えた逆止弁５２を介してタンクＴに接続するように切り換えられる。後吸込み弁もしくは補充吸込み弁（Nachsaugventil）として作用する第２の逆止弁５３を介して、油圧媒体はタンクＴから取り出すことができる。開放側のシリンダ室３１は油圧導管５４と抵抗圧を備えた逆止弁５２とを介して、タンクＴと接続されている。
1.2 作用
1.2.1 型締め装置の迅速閉鎖
このために第２の閉鎖側のシリンダ室４７には、第１の方向切り換え弁４９の切換え位置ｃを介して、圧力媒体源Ｐから圧力媒体が供給され、これによりピストンユニット４６は、第１図に示された右側の当接ポジションを占める。第２の方向切換え弁５１は、切換え位置ｂを占めており、これによって圧力伝達ピストン１８は弁スリーブ２１を、第１図に示されたポジションに確実に保つことができ、このポジションにおいて閉鎖側のシリンダ室２７と開放側のシリンダ室３１との間における貫通孔２６は開放している。
運動スピンドル３６の回転によって、両方の金型半部２，３は、互いに当接するまで相対的に移動させられる。位置調整装置を備えた電気式のサーボモータを介して運動スピンドル３１を駆動することに基づいて、この際に正確な位置決めを行うことができる。金型半部２，３の相対運動中に、油圧オイルは開放側のシリンダ室３１，３２から貫通孔２６と通路３５とを介して閉鎖側のシリンダ室２７〜３０に移動し、この際に油圧オイルの不足量は、導管５４と後吸込み弁５３とを介して補充される。
1.2.2 閉鎖圧形成
このためには第１の方向切換え弁４９が切換え位置ｂに、かつ第２の方向切換え弁５１が切換え位置ａにもたらされる。閉鎖方向において運動スピンドル３６がさらに回転すると、ピストンユニット４６は第１図において左に向かってシフトさせられ、これにより、第２の閉鎖側のシリンダ室４７における油圧オイルが、油圧導管４８，５０と第２の方向切換え弁５１とを介して開放側の圧力伝達室２５に達し、圧力伝達ピストン１８と弁スリーブ２１とをシフトさせ、この結果まず初めに弁スリーブ２１によって貫通孔２６が閉鎖される。圧力伝達ピストン１８がさらにシフトすることによって、差圧面１９′，１９′′に基づいて圧力上昇が得られ、この圧力上昇は弁スリーブ２１における連続した溝２２を介して伝達され、リングピストン面１３′〜１６′において必要な閉鎖圧を生ぜしめる。
1.2.3 圧力消滅
リングピストン面１３′〜１６′に作用する閉鎖圧を逃がすために、第２の方向切換え弁５１は切換え位置ａに、かつ第１の方向切換え弁４９は切換え位置ａにもたらされ、これにより圧力伝達ピストン１８は無圧状態でタンクＴに接続される。第２の閉鎖側のシリンダ室４７は圧力媒体源Ｐに接続され、この結果ピストンユニットは、第１図において示された当接ポジションに戻される。
1.2.4 型締め装置の迅速開放
このために第１の方向切換え弁４９及び第２の方向切換え弁５１は、閉鎖動作を実施する場合と同じ切換え位置にもたらされる。しかしながら開放動作時には、運動スピンドル３６の回転方向は逆転され、これにより両金型半部２，３は互いに離れる方向に相対運動する。
2. 第２図の実施例
2.1 構成
第２図に示された実施例では、運動スピンドル３７はスラスト軸受４１を用いて、主油圧シリンダ１０に接続するケーシング５５に自由回転可能にではあるが軸方向シフト不能に支承されている。油圧システムは、圧力媒体源Ｐと、切換え位置ａ，ｂ，ｃを備えた方向切換え弁５６と、自由切換え可能な逆止弁５７と、後吸込み弁５３と、抵抗圧を備えた逆止弁５２と、タンクＴと、油圧導管５８〜６１とから成っている。
2.2 作用
2.2.1 型締め装置の迅速閉鎖
このために方向切換え弁５６は、第２図に示された切換え位置ｂに切り換えられ、この切換え位置ｂではピストン１３，１５における貫通孔２６は確実に開放状態に保たれ、この結果運動スピンドル３７の回転時ひいてはこれによって生ぜしめられる金型半部２，３の相対運動時に、油圧オイルは開放側の両方のシリンダ室３１，３３から閉鎖側のシリンダ室２７〜３０に流れ込むことができ、この際に不足のオイル量は後吸込み弁５３と油圧導管６１とを介して補充されることができる。運動スピンドル３７の回転は、両方の金型半部２，３が互いに接触した時に停止される。
2.2.2 閉鎖圧形成
このために方向切換え弁５６は切換え位置ｃにもたらされ、この切換え位置ｃにおいて油圧オイルは、圧力媒体源Ｐから油圧導管５８を介して閉鎖側の圧力伝達室２４に達し、圧力伝達ピストン１８を用いて、1.2.2に記載された閉鎖圧形成を行う。
2.2.3 圧力消滅
リングピストン面１３′〜１６′に対して作用する閉鎖圧を逃がすために、方向切換え弁５６は切換え位置ａにもたらされ、この切換え位置ａにおいて油圧導管５９を介して逆止弁５７は開放切換えされ、これにより、圧力伝達ピストン１８を負荷していた圧力は、油圧導管５８，６０を介してタンクＴに逃がされることができる。
2.2.4 型締め装置の迅速開放
このために方向切換え弁５６は切換え位置ｂにもたらされる。両方の金型半部２，３が互いに離反運動する方向に運動スピンドル３７を回転させることによって、閉鎖側のシリンダ室２７内に圧力が生ぜしめられ、この圧力によって貫通孔２６を介して、圧力伝達ピストン１８と弁スリーブ２１とが第２図に示されたポジションに戻され、この結果閉鎖側のシリンダ室２７，２９と開放側のシリンダ室３１，３３との間における貫通孔２６が完全に開放し、これによって両金型半部の離反運動時に、閉鎖側のシリンダ室２７〜３０と開放側のシリンダ室３１，３３との間における油圧オイルの補償を行うことができる。過剰な油圧オイルは油圧導管６１を介してタンクＴに排出される。
3. 第３図の実施例
3.1 構成
第３図に示された運動スピンドル３８は駆動側の部分において第１図の運動スピンドル３６に相当している。運動スピンドル３８は、ピストン・コラムユニット６（８）に進入する端部に、ハイドロリック式のスピンドルピストン６２を有しており、このスピンドルピストン６２はスピンドルシリンダ６３内において案内されている。油圧システムは、圧力媒体源Ｐと、３つの切換え位置ａ，ｂ，ｃを備えた第１の方向切換え弁６４と、切換え位置ａ，ｂを備えた第２の方向切換え弁６５と、切換え位置ａ，ｂを備えた第３の方向切換え弁６６とから成っている。これらの方向切換え弁６４〜６６は油圧導管６７〜７０を介して、開放側の圧力伝達室２４、スピンドルシリンダ６３、第２の閉鎖側のシリンダ室４７、開放側のシリンダ室３１，３３及びタンクＴに接続されている。
3.2 作用
3.2.1 型締め装置の迅速閉鎖
このために第１の方向切換え弁６４は切換え位置ｃに切り換えられ、これによって第２の閉鎖側のシリンダ室４７には、圧力媒体源Ｐから圧力媒体が供給され、ピストンユニット４６は第３図に示された右側の当接ポジションを占める。第２の方向切換え弁６５は切換え位置ａに切り換えられ、これによってスピンドル起点によって生ぜしめられる両金型半部２，３の接近移動時に、スピンドルピストン６２によってスピンドルシリンダ６３から押し出された油圧オイルは、切欠き４０と油圧導管６７とを接続する導管Ａを通って、油圧導管６７を介してタンクＴに流れることができる。第３の方向切換え弁６６は切換え位置ｂに切り換えられ、これによって、圧力伝達ピストン１８及び弁スリーブ２１は第３図に示されたポジションに確実に留まり、このポジションにおいて閉鎖位置に向かってピストン１３〜１６が移動した時に、開放側のシリンダ室３１，３３と閉鎖側のシリンダ室２７〜３０との間におけるオイルの交換を行うことができる。
3.2.2 閉鎖圧形成
このために第１の方向切換え弁６４は切換え位置ａに切り換えられ、これによって第２の閉鎖側のシリンダ室４７内における油圧オイルは、運動スピンドル３８が閉鎖位置を占めているピストン１３〜１６においてさらに回転させられると、油圧導管６９を介してタンクＴに流出することができる。そしてこれによってスピンドルピストン６２は、圧力伝達ピストン１８を負荷するための油圧を生ぜしめるべく、さらにスピンドルシリンダ６３内に進入することができる。ピストン１３〜１６が、閉鎖ポジションつまり両金型半部２，３が互いに接触している閉鎖ポジションを占めていることに基づいて、運動スピンドル３８の回転によってピストンユニット４６は、スピンドルピストン６２がスピンドルシリンダ６３内に進入するように左に向かってシフトする。第２の方向切換え弁６５は次いで切換え位置ｂに切り換えられ、かつ第３の方向切換え弁６６は切換え位置ａに切り換えられ、この結果スピンドルシリンダ６３内において生じた油圧は導管６８，６７を介して圧力伝達ピストン１８に伝達されることができる。そして圧力伝達ピストン１８を用いて、閉鎖力形成のために適した圧力上昇が、1.2.2における作用の記載に相応して行われる。
3.2.3 圧力消滅
リングピストン面１３′〜１６′に対して作用する閉鎖圧を逃がすために、第１の方向切換え弁６４は切換え位置ａに切り換えられ、これによって第２の閉鎖側のシリンダ室４７はタンクＴに接続される。第２の方向切換え弁６５及び第３の方向切換え弁６６は、共に切換え位置ａに切り換えられ、これによって圧力は開放側の圧力伝達室２５とスピンドルシリンダ６３とからタンクＴに逃げることができる。
3.2.4 型締め装置の迅速開放
このために第１の方向切換え弁６４は切換え位置ｃに切り換えられ、この切換え位置ｃにおいて第２の閉鎖側のシリンダ室４７には、圧力媒体源Ｐから圧力媒体が供給され、これによってピストンユニット４６は、第３図に示された当接ポジションにシフトされる。このために同時に運動スピンドル３８が回転させられ、これによってピストンユニット４６の戻り運動が可能になり、かつ該ピストンユニット４６の当接後に解放運動を生ぜしめることができる。第２の方向切換え弁６５は切換え位置ａに切り換えられ、これによって油圧導管６８，６７を介して油圧オイルが、タンクＴからスピンドルシリンダ６３に吸い込まれ得る。第３の方向切換え弁６６は切換え位置ｂに切り換えられ、この切換え位置ｂにおいて圧力伝達ピストン１８及び弁スリーブ２１は、貫通孔２６を開放する引き戻された位置を確実に占めることができ、この結果開放運動中に、閉鎖側のシリンダ室２７〜３０と開放側のシリンダ室３１，３３との間におけるオイル量の妨げられない交換を行うことができ、この際に過剰のオイル量は油圧導管６１を介してタンクＴに排出されることができる。
Claims (8)
- 射出成形機用の型締め装置であって、一方の金型半部を保持する固定盤と、他方の金型半部を保持する可動盤と、運動スピンドルとが設けられており、該運動スピンドルが、固定盤に自由回転可能にかつ一方の方向では軸方向において支持されて支承されていて、かつ可動盤においてはその中に固定されたスピンドルナットに支承されており、さらに可動盤の閉鎖行程及び開放行程を目的として運動スピンドルを操作するための回転駆動装置と、運動スピンドルに作用結合されていて閉鎖力形成のために働くハイドロリック式のピストン・シリンダユニットとが設けられている形式のものにおいて、迅速開放時及び迅速閉鎖時における可動盤の運動及び力伝達が、運動スピンドル（３６，３８）だけによって行われ、ハイドロリック式のピストン・シリンダユニットが、単数又は複数のピストン（１３，１４，１５，１６）と油圧シリンダ（９，１０，１１，１２）とから成っており、閉鎖力形成を目的とした該ピストン・シリンダユニットへの圧力媒体供給が、運動スピンドル（３６，３８）によって駆動可能な別のピストン・シリンダユニット（４５，４６；６２，６３）によって、単数又は複数の圧力伝達装置を介して行われることを特徴とする、射出成形機用の型締め装置。
- 可動盤（４）に２つの形式のピストン・コラムユニット（５，６，７，８）が固定されていて、該ピストン・コラムユニット（５，６，７，８）が固定盤（１）を貫通し、該固定盤（１）においてピストン（１３，１４，１５，１６）を用いて油圧シリンダ（９，１０，１１，１２）内を案内されており、この場合一方の形式のピストン・コラムユニット（６，８）が運動スピンドル装置を有し、かつ他方の形式のピストン・コラムユニット（５，７）が圧力伝達装置を有しており、
ピストン（１３，１４，１５，１６）が油圧シリンダ（９，１０，１１，１２）をそれぞれ、閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）と開放側のシリンダ室（３１，３２，３３，３４）とに分割しており、
すべての閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）が通路（３５）を介して互いに接続されており、
圧力伝達装置がそれぞれ、異なった大きさのピストン面（１９′，１９′′）を備えた圧力伝達ピストン（１８）と、圧力伝達シリンダ（１７）と弁体（２１）とから成っており、この場合圧力伝達ピストン（１８）が圧力伝達シリンダ（１７）を、閉鎖側の圧力伝達室（２４）と開放側の圧力伝達室（２５）とに分割していて、弁体（２１）が、閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）から開放側のシリンダ室（３１，３３）に通じる貫通孔（２６）を開放するポジションと、該貫通孔（２６）を閉鎖するポジションとの間において切換え可能であり、
運動スピンドル装置がそれぞれ、ピストン（１４，１６）に固定されたスピンドルナット（３９）と該スピンドルナット（３９）にねじ係合している運動スピンドル（３６）とから成っており、該運動スピンドル（３６）が一方の端部でピストン・コラムユニット（６，８）における円筒形の切欠き（４０）内に進入していて、かつ他方の端部で主油圧シリンダ（１０，１２）を貫通して、一方ではピストンユニット（４６）によって第２の油圧シリンダ（４５）において案内され、かつ他方では第２の油圧シリンダ（４５）を貫通して端部部分（４２）で回転駆動装置と連結されており、
各運動スピンドル（３６）のピストンユニット（４６）が第２の油圧シリンダ（４５）を、第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）と第２の開放側のシリンダ室とに分割しており、
油圧システムの第１の作用位置（迅速閉鎖運動）では、第１の方向切換え弁（４９）が切換え位置ｃに切換え可能であり、該切換え位置ｃにおいて第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）が圧力媒体源Ｐと接続可能であり、第２の方向切換え弁（５１）が切換え位置ｂに切換え可能であり、該切換え位置ｂにおいて、第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）から開放側の圧力シリンダ室（２５）に通じる油圧導管（５０）が中断されており、この場合圧力伝達ピストン（１８）と弁スリーブ（２１）とが、貫通孔（２６）を開放する基本位置を占めており、
油圧システムの第２の作用位置（閉鎖圧形成）において、第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）が開放側の圧力伝達室（２５）と接続可能であり、この場合第１の方向切換え弁（４９）が切換え位置ｂを占め、第２の方向切換え弁（５１）が切換え位置ａを占めており、
油圧システムの第３の作用位置（圧力消滅）において、第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）と開放側の圧力伝達室（２５）とが無圧状態に切換え可能であり、この場合第１の方向切換え弁（４９）と第２の方向切換え弁（５１）とがそれぞれ切換え位置ａを占めており、
第１の作用位置に相当する、油圧システムの第４の作用位置（迅速開放運動）において、第１の方向切換え弁（４９）が切換え位置ｃに、かつ第２の方向切換え弁（５１）が切換え位置ｂに切換え可能である、請求項１記載の型締め装置。 - 可動盤（４）に２つの形式のピストン・コラムユニット（５，６，７，８）が固定されていて、該ピストン・コラムユニット（５，６，７，８）が固定盤（１）を貫通し、該固定盤（１）においてピストン（１３，１４，１５，１６）を用いて油圧シリンダ（９，１０，１１，１２）内を案内されており、この場合一方の形式のピストン・コラムユニット（６，８）が運動スピンドル装置を有し、かつ他方の形式のピストン・コラムユニット（５，７）が圧力伝達装置を有しており、
ピストン（１３，１４，１５，１６）が油圧シリンダ（９，１０，１１，１２）をそれぞれ、閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）と開放側のシリンダ室（３１，３２，３３，３４）とに分割しており、
すべての閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）が通路（３５）を介して互いに接続されており、
圧力伝達装置がそれぞれ、異なった大きさのピストン面（１９′，１９′′）を備えた圧力伝達ピストン（１８）と、圧力伝達シリンダ（１７）と弁体（２１）とから成っており、この場合圧力伝達ピストン（１８）が圧力伝達シリンダ（１７）を、閉鎖側の圧力伝達室（２４）と開放側の圧力伝達室（２５）とに分割していて、弁体（２１）が、閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）から開放側のシリンダ室（３１，３３）に通じる貫通孔（２６）を開放するポジションと、該貫通孔（２６）を閉鎖するポジションとの間において切換え可能であり、
運動スピンドル装置がそれぞれ、ピストン（１４，１６）に固定されたスピンドルナット（３９）と該スピンドルナット（３９）にねじ係合している運動スピンドル（３８）とから成っており、該運動スピンドル（３８）がスピンドルピストン（６２）を備えた一方の端部で、ピストン・コラムユニット（６，８）に構成されたスピンドルシリンダ（６３）において案内されていて、かつ他方の端部で主油圧シリンダ（１０，１２）を貫通して、一方ではピストンユニット（４６）によって第２の油圧シリンダ（４５）において案内され、かつ他方では第２の油圧シリンダ（４５）を貫通して端部部分（４２）で回転駆動装置と連結されており、
各運動スピンドル（３８）のピストンユニット（４６）が第２の油圧シリンダ（４５）を、第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）と第２の開放側のシリンダ室とに分割しており、
油圧システムの第１の作用位置（迅速閉鎖運動）では、第１の方向切換え弁（６４）が切換え位置ｃに切換え可能であり、該切換え位置ｃにおいて第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）に圧力媒体源Ｐから圧力媒体が供給可能であり、第２の方向切換え弁（６５）が切換え位置ａに切換え可能であり、該切換え位置ａにおいて、スピンドルシリンダ（６３）がタンクＴと接続可能であり、そして第３の方向切換え弁（６６）が切換え位置ｂに切換え可能であり、該切換え位置ｂによって圧力伝達システムに通じる油圧導管（６７）が中断されており、
油圧システムの第２の作用位置（閉鎖圧形成）において、第１の方向切換え弁（６４）が切換え位置ａに切換え可能であり、該切換え位置ａにおいて第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）における圧力媒体がタンクＴに逃げることができ、第２の方向切換え弁（６５）が切換え位置ｂに、かつ第３の方向切換え弁（６６）が切換え位置ａに切換え可能であり、これらの切換え位置において第２の方向切換え弁（６５）がタンクＴに通じる導管を遮断し、かつ第３の方向切換え弁（６６）がスピンドルシリンダ（６３）を開放側の圧力伝達室（２５）と接続するようになっており、
油圧システムの第３の作用位置（圧力消滅）において、第１の方向切換え弁（６４）が切換え位置ａに切換え可能であり、該切換え位置ａにおいて、第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）における圧力媒体がタンクＴに逃げることができ、第２の方向切換え弁（６５）及び第３の方向切換え弁（６６）がそれぞれ、切換え位置ａに切換え可能であり、これによって圧力が開放側の圧力伝達室（２５）とスピンドルシリンダ（６３）とからタンクＴに逃げることができるようになっており、
第１の作用位置に相当する第４の作用位置（迅速開放）において、第１の方向切換え弁（６４）が、第２の閉鎖側のシリンダ室（４７）と圧力媒体源Ｐとを接続可能にする切換え位置ｃに切換え可能であり、第２の方向切換え弁（６５）が、タンクＴからスピンドルシリンダ（６３）への油圧オイルの吸込みを可能にする切換え位置ａに切換え可能であり、かつ第３の方向切換え弁（６６）が、開放側の圧力伝達室（２５）に通じる油圧導管（６７）を中断する切換え位置ｂに切換え可能である、請求項１記載の型締め装置。 - 固定盤（１）に、ピストン・コラムユニット（５，６，７，８）の４つのピストン（１３，１４，１５，１６）が配置されており、ピストン・コラムユニット（５，６，７，８）においてそれぞれ対角線方向で向かい合うように、２つの運動スピンドル装置と２つの圧力伝達装置とが配置されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の型締め装置。
- 圧力伝達装置がそれぞれ圧力伝達ピストン（１８）から成っていて、該圧力伝達ピストン（１８）が、大きな直径を有するピストン部分（１９）と小さな直径を有するピストン部分（２０）とを備えており、小さな直径を有するピストン部分（２０）に、弁スリーブ（２１）から成る弁体が軸方向シフト可能に支承されていて、該弁体は圧力伝達ピストン（１８）と次のように、すなわちピストン（１３，１５）とは反対の方向への圧力伝達ピストン（１８）のシフト時に弁スリーブ（２１）が連行されるように、連結されており、さらに弁スリーブ（２１）から成る弁体が、外周部に軸方向溝（２２）を有していて、該軸方向溝（２２）を介して圧力媒体が貫通孔（２６）から、圧力伝達ピストン（１８）のリングピストン面（１９′′）に案内可能である、請求項１又は４記載の型締め装置。
- 射出成形機用の型締め装置であって、一方の金型半部を保持する固定盤と、他方の金型半部を保持する可動盤と、運動スピンドルとが設けられており、該運動スピンドルが、固定盤に自由回転可能にかつ一方の方向では軸方向において支持されて支承されていて、かつ可動盤においてはその中に固定されたスピンドルナットに支承されており、さらに可動盤の閉鎖行程及び開放行程を目的として運動スピンドルを操作するための回転駆動装置と、運動スピンドルに作用結合されていて閉鎖力形成のために働くハイドロリック式のピストン・シリンダユニットとが設けられている形式のものにおいて、
可動盤（４）に２つの形式のピストン・コラムユニット（５，６，７，８）が固定されていて、該ピストン・コラムユニット（５，６，７，８）が固定盤（１）を貫通し、該固定盤（１）においてピストン（１３，１４，１５，１６）を用いて油圧シリンダ（９，１０，１１，１２）内を案内されており、この場合一方の形式のピストン・コラムユニット（６，８）が運動スピンドル装置を有し、かつ他方の形式のピストン・コラムユニット（５，７）が圧力伝達装置を有しており、
ピストン（１３，１４，１５，１６）が油圧シリンダ（９，１０，１１，１２）をそれぞれ、閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）と開放側のシリンダ室（３１，３２，３３，３４）とに分割しており、
すべての閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）が通路（３５）を介して互いに接続されており、
圧力伝達装置がそれぞれ、異なった大きさのピストン面（１９′，１９′′）を備えた圧力伝達ピストン（１８）と、圧力伝達シリンダ（１７）と弁体（２１）とから成っており、この場合圧力伝達ピストン（１８）が圧力伝達シリンダ（１７）を、閉鎖側の圧力伝達室（２４）と開放側の圧力伝達室（２５）とに分割していて、弁体（２１）が、閉鎖側のシリンダ室（２７，２８，２９，３０）から開放側のシリンダ室（３１，３３）に通じる貫通孔（２６）を開放するポジションと、該貫通孔（２６）を閉鎖するポジションとの間において切換え可能であり、
運動スピンドル装置がそれぞれ、ピストン（１４，１６）に固定されたスピンドルナット（３９）と該スピンドルナット（３９）にねじ係合している運動スピンドル（３７）とから成っており、該運動スピンドル（３７）が一方の端部でピストン・コラムユニット（６，８）における円筒形の切欠き（４０）内に進入していて、かつ他方の端部で主油圧シリンダ（１０，１２）を貫通して、一方ではスラスト軸受（４１）を用いて支持され、かつ他方では端部部分（４２）で回転駆動装置と連結されており、
油圧システムの第１の作用位置（迅速閉鎖運動）では、方向切換え弁（５６）が切換え位置ｂに切換え可能であり、該切換え位置ｂにおいて開放側の圧力伝達室（２５）が実質的に無圧状態でタンクＴと接続されており、
金型半部（２，３）が互いに接触している、油圧システムの第２の作用位置（閉鎖力形成）において、方向切換え弁（５６）が切換え位置ｃに切換え可能であり、該切換え位置ｃにおいて油圧導管（５８）を介して圧力伝達装置の開放側の圧力伝達室（２５）が、圧力媒体源Ｐと接続されており、
油圧システムの第３の作用位置（圧力消滅）において、方向切換え弁（５６）が切換え位置ａに切換え可能であり、該切換え位置ａにおいて圧力媒体が、開放側の圧力伝達室（２５）から油圧導管（５８，６０）を介してタンクＴに逃げることができるようになっており、
油圧システムの第４の作用位置（迅速開放運動）において、方向切換え弁（５６）が切換え位置ｂに切換え可能であり、該切換え位置ｂにおいて圧力伝達装置が、貫通孔（２６）を開放したままにする位置に保たれることを特徴とする、射出成形機用の型締め装置。 - 固定盤（１）に、ピストン・コラムユニット（５，６，７，８）の４つのピストン（１３，１４，１５，１６）が配置されており、ピストン・コラムユニット（５，６，７，８）においてそれぞれ対角線方向で向かい合うように、２つの運動スピンドル装置と２つの圧力伝達装置とが配置されている、請求項６記載の型締め装置。
- 圧力伝達ピストン（１８）が、大きな直径を有するピストン部分（１９）と小さな直径を有するピストン部分（２０）とから成っており、小さな直径を有するピストン部分（２０）に、弁スリーブ（２１）から成る弁体が軸方向シフト可能に支承されていて、該弁体は圧力伝達ピストン（１８）と次のように、すなわちピストン（１３，１５）とは反対の方向への圧力伝達ピストン（１８）のシフト時に弁スリーブ（２１）が連行されるように、連結されており、さらに弁スリーブ（２１）から成る弁体が、外周部に軸方向溝（２２）を有していて、該軸方向溝（２２）を介して圧力媒体が貫通孔（２６）から、圧力伝達ピストン（１８）のリングピストン面（１９′′）に案内可能である、請求項６又は７記載の型締め装置。
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