JP3768123B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、図柄制御装置により複数個所にて確定表示された各図柄が所定の組合せである場合に、大当りが発生するパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパチンコ機として、たとえば図24に示すパチンコ機が知られている。図24(A)は、そのパチンコ機に備えられた遊技盤の正面説明図であり、図24(B)は、図24(A)に示す遊技盤に設けられた特別図柄制御装置による特別図柄の変動状態を示す説明図である。
遊技者がパチンコ機500に備えられた図示しない操作ハンドルを操作して発射された遊技球が、遊技盤501に設けられた第1種始動口502に入賞すると、特別図柄制御装置503が、「0」〜「9」などの複数の図柄を表示領域H1〜H3において上下方向にスクロール表示する。
【0003】
そして、左表示領域H1および中表示領域H2が同じ図柄、たとえば、図24(B)に示すように「7」で停止してリーチ状態になると、右表示領域H3に表示する図柄のスクロールの速度を徐々に落とし、どのような図柄で停止するか遊技者をやきもきさせる演出を行う。リーチには、出現する頻度が高く大当りになる信頼度の低いものから、プレミアムリーチと呼ばれるような、めったに出現しないが大当りになる信頼度の高いものまで複数種類が用意されている。
そして、たとえば右表示領域H3が図柄「7」で停止し、3つの表示領域の停止図柄が「777」に揃った場合に大当りが発生し、変動入賞装置504に設けられた開閉部材505が開放動作して大入賞口506が開口する。そして、開閉部材505の予め設定された開放時間が経過するか、あるいは大入賞口506に予め設定された所定数の遊技球が入賞すると開閉部材505が閉口動作して大入賞口506が閉口する。大入賞口506が開口しているときにその内部に設けられた特定領域507を遊技球が通過すると、連続して開閉部材505が開放動作して大入賞口506が開口する。このように、大入賞口506が開放してから閉口するまでを1ラウンドと云い、予め設定された最大ラウンド数を終了すると大当りによる遊技を終了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のパチンコ機では、図柄の変動やリーチなどの演出については、様々な種類のものが使用されているが、図柄の確定方法については、3つの表示領域H1〜H3において横一直線上に停止させるという画一的な手法を長年にわたって採用しているため、遊技者に飽きが来ているという問題がある。
【0005】
そこでこの発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、図柄の確定方法を改良することにより、飽きの来ないパチンコ機を実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、画面上を移動する図柄を表示する図柄制御装置を遊技盤に備えており、その図柄制御装置により複数個所にて確定表示された各図柄による組合せが所定の組合せである場合に、大当りが発生するパチンコ機において、前記画面上の横方向に設定されたX軸および縦方向に設定されたY軸をそれぞれ複数に分割することにより、(X,Y)座標で示される複数のポイントと、第1乱数とを対応付けて構成された確定表示位置テーブルと、前記複数のポイントを含んで設定された複数の移動経路と、第2乱数とを対応付けて構成された移動経路テーブルと、遊技球が前記遊技盤に設けられた第1種始動口に入賞したときに前記第1乱数および第2乱数の中からそれぞれ乱数を1つずつ取得し、その取得した各乱数に対応付けられているポイントおよび移動経路を前記各図柄別に前記確定表示位置テーブルおよび移動経路テーブルからそれぞれ選択するメインCPUとを備えており、前記図柄制御装置は、各図柄を前記メインCPUにより図柄別に選択された各移動経路にてそれぞれ移動させるとともに、それら移動する各図柄を前記メインCPUにより図柄別に選択された各ポイントにてそれぞれ確定表示し、さらに、前記画面上の横方向の直線上、縦方向の直線上および対角線上のいずれにも対応しない相対位置関係にある複数のポイントにて各図柄をそれぞれ確定表示可能であるという技術的手段を用いる。
【0007】
つまり、各図柄の移動経路および確定表示のポイントをそれぞれ乱数によって決定することができるため、各図柄の移動経路および確定表示のポイントをそれぞれ不定にすることができる。
しかも、画面上の横方向の直線上、縦方向の直線上および対角線上のいずれにも対応しない相対位置関係にある複数のポイントにて各画像をそれぞれ確定表示可能であるため、直線上で確定表示を行っている従来にはない新規な図柄の確定表示を行うことができる。
したがって、飽きの来ないパチンコ機を実現できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、この発明に係るパチンコ機の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下に記載する各実施形態では、この発明に係るパチンコ機として第1種のパチンコ機を例に挙げて説明する。
[全体の主要構成]
まず、この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図1を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
パチンコ機1には、前枠2がヒンジ8を回動軸として開閉可能に備えられており、その前枠2には、ガラス枠4が開閉可能に取付けられている。前枠2の右側には、ガラス枠4開閉用の鍵を差し込む鍵穴3が設けられている。ガラス枠4の内部には、遊技盤5が設けられており、前枠2の右側下方には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射モータ(図6において符号15eで示す)を操作するための発射ハンドル15aが回動可能に取付けられている。
【0039】
ガラス枠4の下方には、賞球や貸球が供給される賞球・貸球供給口6aが形成されており、この賞球・貸球供給口6aの供給側には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上受け皿6が取り付けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6から排出された遊技球などを排出する排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿7が設けられている。また、遊技盤5の上方には、枠ランプ9が設けられており、下受け皿7の左側には、灰皿7bが設けられている。
【0040】
[遊技盤5の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について、それを示す図2を参照して説明する。
遊技盤5の略中央には、センターケース30が備えられており、センターケース30には、天入賞口31と、3個の発光ダイオードからなる普通図柄表示装置34と、この普通図柄表示装置34の始動可能な回数を4個の発光ダイオードにより表示する普通図柄記憶表示LED35と、特別図柄、背景画像、リーチの予告を示す画像、大当りの予告を示す画像、リーチの演出画像、大当り遊技中の演出画像などを液晶で表示する特別図柄制御装置32とが備えられている。
なお、特別図柄の始動可能な回数として始動を保留している数(以下、保留数と称する)は、特別図柄制御装置32の画面に表示される。また、確定表示とは、最終的に確定した特別図柄を表示したという意味であり、確定表示の態様には、変動が完全に停止した状態の他、完全に停止しないで上下または左右に振動するなど、所定の動きを伴っている状態などが含まれる。
【0041】
センターケース30の両側上方には、発光ダイオードにより装飾された装飾風車46がそれぞれ設けられている。右側の装飾風車46の右斜め下方には、普通図柄表示装置34を作動させるための普通図柄作動右ゲート25が設けられており、左側の装飾風車46の左斜め下方には、同じく普通図柄作動左ゲート26が設けられている。センターケース30の両側下方には、風車24がそれぞれ設けられており、右側の風車24の下方には、右入賞口12が設けられており、左側の風車24の下方には、左入賞口13が設けられている。右入賞口12の右方には、右袖入賞口22が設けられており、左入賞口13の左方には、左袖入賞口23が設けられている。
センターケース30の下方には、特別図柄制御装置32を作動させる機能を有する第1種始動口27が設けられており、この第1種始動口27の下部には普通図柄表示装置34の停止図柄が当たり図柄となった場合に両翼を開放する普通電動役物28が設けられている。両翼を開放した普通電動役物28は、第1種始動口27と同様に特別図柄制御装置32を作動開始させる機能を備えている。
【0042】
センターケース30の下方には、特別図柄制御装置32の画面に大当り図柄が確定表示された場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。この変動入賞装置40には、大当りの発生時に開放動作して大入賞口41を開口する板状の開閉部材43が扉式に開閉可能に取り付けられている。変動入賞装置40の右側には、右下入賞口14が設けられており、変動入賞装置40の左側には、左下入賞口44が設けられている。
また、変動入賞装置40の内部には、開閉部材43を連続して開放動作させる機能を有する特定領域と、この特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ(図6に符号42aで示す)が設けられている。
また、遊技盤5には、発射された遊技球を遊技領域へ案内するレール16が取付けられており、遊技盤5の上部には、上部左右の両コーナーを発光ダイオードD1などにより装飾するコーナー飾り11が設けられており、遊技盤5の左右には、発光ダイオードD2、D3などにより装飾するサイド飾り20がそれぞれ設けられている。さらに、遊技盤5には、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口45が設けられている。そして、遊技盤5には、多くの釘(図示省略)が打ち込まれており、遊技盤5に発射された遊技球は、釘の間を乱舞しながら落下し、各入賞口や第1種始動口27に入賞したり、普通図柄作動ゲート25,26を通過したり、あるいはアウト口45から回収されたりする。
【0043】
[特別図柄の表示形態]
次に、特別図柄の表示形態について図3ないし図5を参照して説明する。
図3は、特別図柄制御装置32が表示する特別図柄列を示す説明図である。図4(A)、(B)は、特別図柄制御装置32の画面上を特別図柄が移動する様子を示す説明図であり、図4(C)は、特別図柄が確定表示された様子を示す説明図である。図5(A)は、各表示領域により特別図柄の移動速度が異なる場合の各特別図柄の表示位置を示す説明図であり、図5(B)は、各表示領域における特別図柄の表示範囲を示す説明図である。
【0044】
図3に示すように、特別図柄制御装置32が表示する特別図柄列は、「1」〜「0」の数字を示す計10種類の特別図柄から構成されており、図中に矢印F1で示す方向に各特別図柄を順に表示する。
図4(A)、(B)に示すように、特別図柄制御装置32の画面上には、上下方向にK1〜K3の計3つの直線状の移動経路が設定されている。各移動経路間は、所定距離が隔てられており、画面の上端から出現した1つの特別図柄は、1つの移動経路に沿って下方向に直線状に移動し、画面の下端から消失して行く。図4(A)に示す例では、移動経路K1に沿って特別図柄「3」が、移動経路K2に沿って特別図柄「5」が、移動経路K3に沿って特別図柄「9」がそれぞれ単独で移動している。この例では、移動経路K1を移動している特別図柄「3」が画面の下端から消失すると、次の特別図柄「4」が画面の上端から出現し、移動経路K1に沿って移動する。同様に、移動経路K2を移動している特別図柄「5」が消失すると、特別図柄「6」が出現して移動経路K2を移動し、移動経路K3を移動している特別図柄「9」が消失すると、特別図柄「0」が出現して移動経路K3を移動する。
また、図4(B)に示す例では、移動経路K1に沿って特別図柄「4」が、移動経路K2に沿って特別図柄「7」が、移動経路K3に沿って特別図柄「0」がそれぞれ単独で移動している。この例では、移動経路K1を移動している特別図柄「3」が画面の下端から消失すると、次の特別図柄「4」が画面の上端から出現し、移動経路K1に沿って移動する。同様に、移動経路K2を移動している特別図柄「7」が消失すると、特別図柄「8」が出現して移動経路K2を移動し、移動経路K3を移動している特別図柄「0」が消失すると、特別図柄「1」が出現して移動経路K3を移動する。
【0045】
図5(A)に示すように、移動経路K1〜K3には、それぞれ上下方向に1P〜40Pの計40ポイントの位置座標が設定されている。また、図5(B)に示すように、特別図柄の全体を画面に表示するためには、少なくとも特別図柄の上端が画面内に収まっているか、特別図柄の下端が画面内に収まっていることが必要である。このため、特別図柄を確定表示する範囲は、左図柄については位置座標L7〜L34に、中図柄については位置座標C7〜C34に、右図柄については位置座標R7〜R34にそれぞれ特別図柄の中心が収まる範囲に設定されている。また、移動経路K1〜K3を移動する図柄の移動速度がそれぞれ異なる場合は、各移動経路を移動する図柄の画面上における相対位置が異なってくる。たとえば、1ポイント分の移動時間が、左図柄は0.032秒、中図柄は0.012秒、右図柄は0.016秒であるとすると、単位時間に移動する距離の図柄間の比は、3:8:6になる。図5(A)に示すように、各図柄が(1)の位置(1P)から出現すると、その0.096秒後には、左図柄は3Pの位置に、中図柄は8Pの位置に、右図柄は6Pの位置にそれぞれ到達する((2))。以降、各図柄は図中(3)、(4)、(5)で示す位置に到達する。
したがって、図4(C)に示すように、各図柄の確定表示される位置座標は、不定となる。
【0046】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図6を参照して説明する。
パチンコ機1には、主基板100が設けられており、この主基板100には、マイクロプロセッサ110が搭載されている。マイクロプロセッサ110には、大当りか否かの判定、大入賞口41への入賞数のカウント、大当りの遊技におけるラウンドの制御などの遊技の主な制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御などを実行するためのコンピュータプログラムなどが記録されたROM114と、遊技球が第1種始動口27を通過したことの検出結果や入賞などの遊技中に発生する各種データ、ROM114から読出されたコンピュータプログラムなどを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。遊技球が第1種始動口27を通過したことを検出する第1種始動口スイッチ27a、特別図柄制御装置32、発光ダイオードやランプ類を制御するランプ制御装置300、電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払出制御基板200、遊技中の効果音などを制御する音声制御装置79、入賞、リーチパターン、大当りの発生、大当り図柄などに関する遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたコンピュータ(図示省略)へ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。音声制御装置79には、スピーカ79aが電気的に接続されている。
【0047】
払出制御基板200には、主基板100から送出される制御コマンドを入力して動作するマイクロプロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッサ210には、賞球の払出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、電源基板80、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。発射モータ駆動基板15cには、発射モータ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号を出力させるための発射スイッチ15dが接続されている。
【0048】
遊技枠中継基板53には、満杯検出スイッチ72、賞球切れ検出スイッチ73およびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続されている。盤面中継基板51には、普通電動役物28を駆動する普通電動役物ソレノイド28a、普通図柄表示装置34、普通図柄作動右ゲート25を通過した遊技球を検出する右ゲートスイッチ25a、普通図柄作動左ゲート26を通過した遊技球を検出する左ゲートスイッチ26a、大入賞口41に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ41a、右袖入賞口22に入賞した遊技球を検出する右袖入賞口スイッチ22a、左袖入賞口23に入賞した遊技球を検出する左袖入賞口スイッチ23a、右入賞口12に入賞した遊技球を検出する右入賞口スイッチ12a、左入賞口13に入賞した遊技球を検出する左入賞口スイッチ13a、右下入賞口14に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ14a、左下入賞口44に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイッチ44a、天入賞口31に入賞した遊技球を検出する天入賞口スイッチ31aおよび大入賞口中継基板50である。
大入賞口中継基板50には、特定領域スイッチ42a、特定領域を変化させる部材を駆動する特定領域ソレノイド42bおよび開閉部材43を駆動する大入賞口ソレノイド41bが電気的に接続されている。電源基板80は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各基板、装置および発射スイッチ15jなどへ必要電源を供給する。また、電源基板80は、CR接続基板56に電源を供給しており、CR接続基板56は、プリペイドカードの残りの度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読み取る装置などを備える遊技機外装置部分71が電気的に接続されている。
【0049】
[特別図柄制御装置32の電気的構成]
次に、特別図柄制御装置32の主な電気的構成について、それを示す図7を参照して説明する。
特別図柄制御装置32は、特別図柄表示器32a、液晶インバータ基板32b、液晶アナログ基板32cおよび特別図柄制御基板32dを備える。特別図柄制御基板32dに搭載されたサブCPU32eは、主基板100からライン100aを介して送出された画像制御コマンドを受信するとともに、その受信した画像制御コマンドの内容をROM32fに記録されたコンピュータプログラムに従って解析する。
続いてサブCPU32eは、その解析結果をVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)32gへ送出する。続いてVDP32gは、キャラクタROM32iから上記解析結果に対応した図柄やキャラクタなどを所定の配列で読出す。キャラクタROM32iには、複数種類の特別図柄、この実施形態では図3に示した計10種類の特別図柄が記憶されている。また、キャラクタROM32iには、特別図柄の背景に表示する背景画像、遊技が行われていないときに表示する客待ちデモンストレーション用の画像、大当り発生時に表示する大当り用演出画像などを表示するための画像データなどが記憶されている。
【0050】
また、VDP32gは、キャラクタROM32iから読出した特別図柄やキャラクタなどのドットのアドレス、表示色などを上記解析結果に基づいて演算し、その演算結果を内蔵のパレットRAM32hに一時的に格納する。続いてVDP32gは、パレットRAM32hに格納されている演算結果に基づいてRGB信号を液晶アナログ基板32cへ送出する。続いて液晶アナログ基板32cは、取込んだRGB信号の色補正および輝度調整を行い、その信号を液晶インバータ基板32bへ送出する。液晶インバータ基板32bは、バックライト電源の役割を果たし、取込んだ信号を昇圧(たとえば、12Vから600V)し、特別図柄表示器32aへ送出する。そして特別図柄表示器32aは、取込んだ信号に対応する液晶ドットをスイッチングして表示する。これにより、特別図柄の変動表示、停止図柄の表示、背景画像などの表示などを行う。
なお、この実施形態では、特別図柄表示器32aは、TFT(Thin Film Transistor)を画素駆動素子とするアクティブマトリックス方式の液晶表示装置である。
【0051】
[カウンタおよびテーブル]
次に、主基板100のROM114に記録されているカウンタおよびテーブルについて図8および図9を参照して説明する。
図8(A)は大当りカウンタの説明図であり、図8(B)は大当り値テーブルの説明図であり、図8(C)は大当り図柄テーブルの説明図であり、図8(D)はハズレ図柄テーブルの説明図であり、図8(E)は確定表示位置テーブルの説明図であり、図8(F)は変動時間テーブルの説明図である。図9は移動速度テーブルの説明図である。
【0052】
図8(A)に示す大当りカウンタCt1は、大当りか否かを決定するためのカウンタであり、複数の数値、この実施形態では「0」〜「265」の計266の数値をカウントし、メインCPU112は、カウント値を取得するタイミングになったときに大当りカウンタCt1がカウントしているカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値が大当り値であるか否かを判定する。
図8(B)に示す大当り値テーブルTb1は、大当りカウンタCt1がカウントするカウント値のうち、大当りが発生するカウント値を大当り値として設定したものであり、通常確率時と高確率時とに分けて設定される。高確率時とは、大当りの発生する確率が高い遊技状態、いわゆる確変になったときを意味し、通常確率時とは、確変ではない通常の遊技状態であるときを意味する。この実施形態では、通常確率時の大当り値は「7」の1個であり、高確率時の大当り値は「7」、「17」、「77」および「177」の4個である。つまり、通常確率時の大当り発生確率は、1/266であり、高確率時では、その約4倍の1/66である。
【0053】
図8(C)に示す大当り図柄テーブルTb2は、大当り図柄としての確定図柄を選択するためのものであり、複数の乱数、この実施形態では乱数「0」〜「9」と、複数の特別図柄、この実施形態では特別図柄「0」〜「9」とをそれぞれ対応付けて構成されている。たとえば、メインCPU112が乱数「7」を選択すると、大当り図柄として「777」が決定する。
図8(D)に示すハズレ図柄テーブルTb3は、ハズレ図柄としての確定図柄を選択するためのものであり、複数の乱数、この実施形態では乱数「0」〜「9」と、複数の特別図柄、この実施形態では特別図柄「0」〜「9」とをそれぞれ対応付けて構成されている。たとえば、メインCPU112が乱数「2」を選択すると、ハズレ図柄として「2」が決定する。なお、ハズレ図柄テーブルTb3は、1つのみ図示したが、実際には、左図柄用、中図柄用および右図柄用として計3つのハズレ図柄テーブルTb3がROM114に格納されている。また、パチンコ機1の電源投入時は、各乱数の初期値は「0」になっており、メインCPU112が割込み処理として乱数更新処理を実行するごと(たとえば2msごと)に、左図柄用の乱数の初期値が+1繰り上がり、左図柄用の乱数が1周すると、次に中図柄用の乱数の初期値が+1繰り上がり、中図柄用の乱数が1周すると、次に右図柄用の乱数の初期値が+1繰り上がる。
【0054】
図8(E)に示す確定表示位置テーブルTb4は、左図柄、中図柄および右図柄の各図柄の確定表示位置を決定するためのテーブルであり、この実施形態では、乱数「0」〜「26」と、位置座標「7」〜「34」とをそれぞれ対応付けて構成されている。たとえば、メインCPU112が乱数「3」を選択すると、図柄の確定表示位置として位置座標「10」が決定する。なお、確定表示位置テーブルTb4は、1つのみ図示したが、実際には、左図柄用、中図柄用および右図柄用として計3つの確定表示位置テーブルTb4がROM114に格納されている。また、パチンコ機1の電源投入時は、各乱数の初期値は「0」になっており、メインCPU112が割込み処理として乱数更新処理を実行するごと(たとえば2msごと)に、左図柄用の乱数の初期値が+1繰り上がり、左図柄用の乱数が1周すると、次に中図柄用の乱数の初期値が+1繰り上がり、中図柄用の乱数が1周すると、次に右図柄用の乱数の初期値が+1繰り上がる。
【0055】
図8(F)に示す変動時間テーブルTb5は、左図柄、中図柄および右図柄の各図柄の変動時間、つまりメインCPU112がサブCPU32eに対して特別図柄の出現を指示してから確定表示を指示するまでに要する時間を決定するためのテーブルであり、この実施形態では、乱数「0」〜「59」と、変動時間「t1」〜「t60」とをそれぞれ対応付けて構成されている。たとえば、メインCPU112が乱数「59」を選択すると、変動時間「t60」が決定する。たとえば、tに付随する数字が、秒数を示す場合は、t60は60秒である。
また、メインCPU112は、変動時間がタイムアップしたときにサブCPU32eに対して図柄の確定表示を指示し、サブCPU32eは、大当り図柄テーブルTb2またはハズレ図柄テーブルTb3により決定した図柄を、確定表示位置テーブルTb4により決定した確定表示位置にて確定表示する。つまり、各図柄の確定表示位置は、選択する乱数により異なり、不定となっている。
【0056】
図9に示す移動速度テーブルTb6は、左図柄、中図柄および右図柄の各図柄の画面上における移動速度を決定するためのテーブルであり、この実施形態では、乱数「0」〜「26」と、各図柄の移動速度とを対応付けて構成されている。たとえば、メインCPU112が乱数「5」を選択すると、左図柄の移動速度がV1に、中図柄の移動速度がV2に、右図柄の移動速度がV3にそれぞれ決定する。また、この実施形態では、移動速度V1は0.48s/40pであり、移動速度V2は0.64s/40pであり、移動速度V3は1.28s/40pである。つまり、各図柄の移動速度は、選択する乱数により異なり、不定となっている。
【0057】
[遊技の主な流れ]
次に、遊技の主な流れについて図10ないし図12を参照して説明する。
図10は、メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートであり、図11は、メインCPU112が実行する特別図柄制御の流れを示すフローチャートである。図12は、サブCPU32eが実行する特別図柄表示処理の流れを示すフローチャートである。
(第1種始動口処理)
遊技球が第1種始動口27(図2)に入賞し、もしくは開放した普通電動役物28(図2)に入賞し、第1種始動口スイッチ27a(図6)がONすると、メインCPU112は、第1種始動口スイッチ27aに接続されている入力ポートの電圧変化を検出することにより、第1種始動口スイッチ27aがONしたことを検出する(図10のステップ(以下Sと略す)10:Yes)。続いてメインCPU112は、保留数U1が「4」未満である場合は(S12:Yes)、保留数U1に「1」を加算し(S14)、大当りカウンタCt1(図8(A))がカウントしたカウント値を1つ取得し(S16)、その取得したカウント値をRAM116に一時的に格納する(S18)。
なお、上記の第1種始動口処理は、ROM114(図6)に記録されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0058】
(特別図柄制御)
メインCPU112は、特別図柄制御装置32を制御するための制御コマンドを特別図柄制御装置32へ出力しているか否か、つまり特別図柄が変動中であるか否かを判定し(図11のS20)、変動中でないと判定すると(S20:No)、保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(S22)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定すると(S22:Yes)、保留数U1から「1」を減算する(S24)。続いてメインCPU112は、第1種始動口処理のS18(図10)においてRAM116に一時的に格納したカウント値を読出す(S26)。続いてメインCPU112は、確変が設定されていることを示す確変フラグがセットされているか否か(確変フラグ=1か0か)を判定する(S28)。
【0059】
ここで、確変フラグがセットされている場合は(S28:Yes)、大当り値テーブルTb1(図8(B))の高確率時に設定されている大当り値を参照し(S30)、S26で読出したカウント値と同一の大当り値が設定されているか否かに基いて、大当りか否かを判定する(S34)。たとえば、S26で読出したカウント値が「77」であった場合は、大当りと判定する(S34:Yes)。また、確変フラグがセットされていない場合は(S28:No)、大当り値テーブルTb1(図8(B))の通常確率時に設定されている大当り値を参照し(S32)、S26で読出したカウント値と同一の大当り値が設定されているか否かに基いて、大当りか否かを判定する(S34)。たとえば、S26で読出したカウント値が「7」であった場合は、大当りと判定する(S34:Yes)。
【0060】
続いてメインCPU112は、大当りと判定した場合は(S34:Yes)、大当り図柄テーブルTb2(図8(C))を参照して大当り図柄を選択し(S36)、その選択した大当り図柄が確変図柄であるか否かを判定し(S38)、確変図柄である場合は(S38:Yes)、確変フラグをセットする(S40)。たとえば、「0」〜「9」の特別図柄のうち、奇数の特別図柄を確変図柄とし、偶数の特別図柄を通常図柄とする。
またメインCPU112は、大当りではない、つまりハズレと判定した場合は(S34:No)、ハズレ図柄テーブルTb3(図8(D))を参照して左図柄、中図柄および右図柄のハズレ図柄をそれぞれ選択する(S42)。ここで、選択したハズレ図柄が大当り図柄と同一であるか否かを判定し(S44)、同一である場合は(S44:Yes)、再度、ハズレ図柄を選択する(S42)。
続いてメインCPU112は、確定表示位置テーブルTb4(図8(E))を参照して各図柄の確定表示位置を選択し(S46)、変動時間テーブルTb5(図8(F))を参照して各図柄の変動時間を選択する(S48)。続いてメインCPU112は、移動速度テーブルTb6(図9)を参照して各図柄の移動速度を選択する(S50)。続いてメインCPU112は、S36で選択した大当り図柄またはS42で選択したハズレ図柄、S46で選択した確定表示位置、S48で選択した変動時間およびS50で選択した移動速度などの変動パターンを示す変動開始コマンドを特別図柄制御装置32へ送信し(S52)、変動時間の計測を開始する(S54)。
なお、上記の第1種始動口処理は、ROM114(図6)に記録されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0061】
(特別図柄表示処理)
サブCPU32eは、メインCPU112から送信されたコマンドを受信すると(図12のS100:Yes)、その受信したコマンドを解析する(S102)。続いてサブCPU32eは、解析の結果、受信したコマンドは、特別図柄の変動表示の開始を指示するコマンドであると判定すると(S104:Yes)、受信したコマンドにより示される変動パターンをセットし(S106)、特別図柄が変動表示している時間の計測を開始し(S108)、S106にてセットした変動パターンに従って特別図柄の変動表示を開始する(S110)。
たとえば、図4(A)、(B)に示すように、左図柄、中図柄および右図柄は、それぞれ移動経路K1、K2、K3に沿って、S50で選択した移動速度で画面上を移動する。また、各図柄は、1つずつ画面上に表示されるため、各図柄の移動速度が異なる場合は、図柄同士が追い抜いたり追い抜かれたりするように見える。
【0062】
そしてメインCPU112は、図11のS54において計測を開始した変動時間がタイムアップしたと判定すると(S56:Yes)、図柄の確定表示を指示する図柄確定コマンドを特別図柄制御装置32へ送信し(S58)、計測時間をリセットする(S60)。
一方サブCPU32eは、メインCPU112から送信されたコマンドを受信し(図12のS100:Yes)、そのコマンドを解析した結果(S102)、受信したコマンドは変動開始コマンドではなく(S104:No)、図柄確定コマンドであると判定すると(S112:Yes)、S108において計測を開始した変動時間Tが、左図柄(図11のS36またはS42において選択した左図柄)を確定表示する時間TL(図11のS48において選択した時間)以上になったか否かを判定する(S114)。ここで時間TL以上になったと判定すると(S114:Yes)、左図柄の現在の表示位置が、確定表示位置PL(図11のS46において選択した確定表示位置)に到達したか否かを判定する(S116)。ここで確定表示位置PLに到達したと判定すると(S116:Yes)、その確定表示位置PLに左図柄を確定表示する(S118)。
たとえば、左図柄の確定表示位置PLが30Lであるとすると、左図柄は図4(C)に示す確定表示位置30Lにて確定表示される。
【0063】
続いてメインCPU112は、変動時間Tが、中図柄(図11のS36またはS42において選択した中図柄)を確定表示する時間TC(図11のS48において選択した時間)以上になったか否かを判定する(S120)。ここで時間TC以上になったと判定すると(S120:Yes)、中図柄の現在の表示位置が、確定表示位置PC(図11のS46において選択した確定表示位置)に到達したか否かを判定する(S122)。ここで確定表示位置PCに到達したと判定すると(S122:Yes)、その確定表示位置PCに中図柄を確定表示する(S124)。
たとえば、中図柄の確定表示位置PCが10Cであるとすると、中図柄は図4(C)に示すように確定表示位置10Cにて確定表示される。
【0064】
続いてメインCPU112は、変動時間Tが、右図柄(図11のS36またはS42において選択した右図柄)を確定表示する時間TR(図11のS48において選択した時間)以上になったか否かを判定する(S126)。ここで時間TR以上になったと判定すると(S126:Yes)、右図柄の現在の表示位置が、確定表示位置PR(図11のS46において選択した確定表示位置)に到達したか否かを判定する(S128)。ここで確定表示位置PRに到達したと判定すると(S128:Yes)、その確定表示位置PRに右図柄を確定表示する(S130)。
たとえば、右図柄の確定表示位置PRが20Rであるとすると、右図柄は図4(C)に示すように確定表示位置20Rにて確定表示される。つまり、左図柄、中図柄および右図柄は、それぞれ異なる確定表示位置にて確定表示される。そしてメインCPU112は、計測時間をリセットする(S132)。
なお、上記の特別図柄表示処理は、ROM32f(図7)に記録されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0065】
[第1実施形態の効果]
(1)以上のように、第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32は、移動する各特別図柄をそれぞれ画面上の不定位置にて確定表示するため、確定表示する位置が固定されていることに起因する飽きが来ることがない。
(2)しかも、特別図柄制御装置32は、各特別図柄をそれぞれ異なる移動速度で移動させることができるため、移動速度が固定されていることに起因する飽きが来ることがない。
(3)また、特別図柄制御装置32は、1つの移動経路につき1つの特別図柄を表示して移動させるという従来にはない新規な特別図柄の移動を行うことにより、確定表示位置が不定であることに加えて、新鮮味のある遊技を行うことができるため、より一層飽きの来ないパチンコ機を実現できる。
(4)さらに、特別図柄制御装置32は、画面上の横方向の直線上、縦方向の直線上および対角線上のいずれにも対応しない相対位置関係にある複数箇所にて特別図柄を確定表示できるため、直線上で確定表示を行っている従来にはない新規な特別図柄の確定表示を行うことができるので、飽きの来ないパチンコ機を実現できる。
【0066】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について図13を参照して説明する。
図13(A)、(B)は、特別図柄制御装置32の画面上を特別図柄列が移動する様子を示す説明図であり、図13(C)は、ハズレ図柄が確定表示された様子を示す説明図であり、図13(D)は、大当り図柄が確定表示された様子を示す説明図である。
なお、この実施形態のパチンコ機は、複数の特別図柄からなる特別図柄列を移動させて表示する以外は、第1実施形態のパチンコ機と同じ構成および機能であるため、その同じ部分の説明を省略する。また、移動速度テーブルTb6(図9)は、左図柄、中図柄および右図柄とあるのを、それぞれ左図柄列、中図柄列および右図柄列として使用する。
【0067】
メインCPU112は、移動速度テーブルTb6を参照して各図柄列の移動速度を選択し(図11のS50)、S36で選択した大当り図柄またはS42で選択したハズレ図柄、S46で選択した確定表示位置、S48で選択した変動時間およびS50で選択した移動速度などの変動パターンを示す変動開始コマンドを特別図柄制御装置32へ送信する(S52)。
一方サブCPU32eは、メインCPU112から受信した変動開始コマンドにより示される変動パターンをセットし(図12のS106)、特別図柄が変動表示している時間の計測を開始し(S108)、S106にてセットした変動パターンに従って特別図柄の変動表示を開始する(S110)。
たとえば、図13(A)、(B)に示すように、左図柄列Z1、中図柄列Z2および右図柄列Z3は、それぞれ画面上を上下方向に、S50で選択した移動速度で画面上を移動する。このとき、各図柄列の移動速度が異なる場合は、図柄列同士が追い抜いたり追い抜かれたりするように見える。
【0068】
そしてサブCPU32eは、S108において計測を開始した変動時間Tが、左図柄を確定表示する時間TL以上になったと判定し(S114:Yes)、左図柄の現在の表示位置が、確定表示位置PLに到達したと判定すると(S116:Yes)、その確定表示位置PLに左図柄を確定表示する(S118)。
続いてメインCPU112は、変動時間Tが、中図柄を確定表示する時間TC以上になったと判定し(S120:Yes)、中図柄の現在の表示位置が、確定表示位置PCに到達したと判定すると(S122:Yes)、その確定表示位置PCに中図柄を確定表示する(S124)。
続いてメインCPU112は、変動時間Tが、右図柄を確定表示する時間TR以上になったと判定し(S126:Yes)、右図柄の現在の表示位置が、確定表示位置PRに到達したと判定すると(S128:Yes)、その確定表示位置PRに右図柄を確定表示する(S130)。
たとえば、図11のS42においてハズレ図柄「518」を選択している場合は、図13(C)に示すように、ハズレ図柄「518」を不定位置にて確定表示する。また、図11のS36において大当り図柄「444」を選択している場合は、図13(D)に示すように、大当り図柄「444」を不定位置にて確定表示する。
【0069】
[第2実施形態の効果]
以上のように、第2実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32は、1つの移動経路につき、複数の特別図柄からなる図柄列を移動させた後に、複数の不定位置にそれぞれ1つの画像を確定表示するため、移動している図柄列を構成する複数の特別図柄のうち、どの特別図柄が不定位置にて確定表示されるか、わくわくした遊技を行うことができる。
【0070】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について図14を参照して説明する。
図14(A)〜(C)は、特別図柄制御装置32の画面上を特別図柄が自転しながら移動する様子を示す説明図である。
なお、この実施形態のパチンコ機は、特別図柄の移動形態以外は、第1実施形態のパチンコ機と同じ構成および機能であるため、その同じ部分の説明を省略する。
【0071】
サブCPU32eは、メインCPU112から受信した変動開始コマンドにより示される変動パターンをセットし(図12のS106)、特別図柄が変動表示している時間の計測を開始し(S108)、S106にてセットした変動パターンに従って特別図柄の変動表示を開始する(S110)。
たとえば、図14(A)〜(C)に示すように、左図柄、中図柄および右図柄は、それぞれ移動経路K1〜K3に沿って自転しながら移動する。また、自転により表示面が入れ替わると、特別図柄自身も入れ替わる。図14に示す例では、左図柄「2」は自転により左図柄「8」に変化し、中図柄「5」は自転により中図柄「3」に変化している。
そしてサブCPU32eは、図13(C)に示したように、ハズレ図柄を不定位置にて確定表示し、あるいは、図13(D)に示したように、大当り図柄を不定位置にて確定表示する。
【0072】
[第3実施形態の効果]
以上のように、第3実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32は、特別図柄を移動する途中で自転させるとともに、他の特別図柄に変化させるという従来にはない新規な特別図柄の移動を行うことにより、確定表示位置が不定であることに加えて、新鮮味のある遊技を行うことができるため、より一層飽きの来ないパチンコ機を実現できる。
【0073】
<第4実施形態>
次に、この発明の第4実施形態について図15ないし図18を参照して説明する。
図15は、特別図柄制御装置32の画面上に設定された位置座標を一部を省略して示す説明図である。図16(A)は、特別図柄の自由曲線状の移動経路を示す説明図であり、図16(B)は、特別図柄の直線状および折れ線状の移動経路を示す説明図である。図17(A)は、特別図柄が移動経路K4〜K6に沿って移動する様子を示す説明図であり、図17(B)は、特別図柄が不定位置にて確定表示された様子を示す説明図である。図18(A)は、移動経路K6に対応する確定表示位置テーブルを示す説明図であり、図18(B)は、移動速度テーブルを示す説明図であり、図18(C)は、移動経路テーブルを示す説明図であり、図18(D)は、メインCPU112が実行する特別図柄制御の流れの一部を省略して示すフローチャートである。
なお、この実施形態のパチンコ機は、特別図柄の移動形態以外は、第1実施形態のパチンコ機と同じ構成および機能であるため、その同じ部分の説明を省略する。
【0074】
図15に示すように、特別図柄制御装置32の画面は、横方向をX軸、縦方向をY軸にそれぞれ設定されている。また、X軸を複数、この実施形態ではX1〜X20に20分割し、Y座標を複数、この実施形態ではY1〜Y10に10分割し、(X,Y)座標で示す複数のポイント、この実施形態ではP1〜P200の計200ポイントが設定されている。なお、X軸およびY軸は、画面の端部からやや内側に設定されており、端部のポイントが選択された場合でも、特別図柄の全体像が見えるようになっている。
図18(C)に示すように、移動経路テーブルTb9は、乱数「0」〜「99」と、移動経路K1〜K100とをそれぞれ対応付けて構成されている。移動経路としては、直線状、折れ線状および自由曲線状など、様々な経路が100種類用意されている。たとえば、図16(A)に示すように、自由曲線状の移動経路K4〜K9が用意されている。移動経路K7の一部には、円弧状の移動経路K7aが含まれており、移動経路K9の一部には、楕円形状の移動経路K9aが含まれている。また、図16(B)に示すように、直線状の移動経路K10〜K12や折れ線状の移動経路K13〜K15が用意されている。
【0075】
各移動経路には、図15に示すポイントが複数含まれており、いずれかのポイントで確定表示が行われる。たとえば、移動経路K6については、図18(A)に示すように、乱数「0」〜「13」と確定表示位置P183〜P40とをそれぞれ対応付けて構成された確定表示位置テーブルTb7が用意されている。たとえば、メインCPU112が乱数「7」を選択すると、移動経路K6上を移動する特別図柄の確定表示位置は、P152に決定する。なお、移動経路K6以外の移動経路についても、複数の乱数と複数の確定表示位置とをそれぞれ対応付けて構成された確定表示位置テーブルが用意されている。
また、図18(B)に示すように、移動速度テーブルTb8は、乱数「0」〜「10」と移動速度V1、V2、V1→V2、V2→V1〜V10とをそれぞれ対応付けて構成されている。ここで、V1→V2は、移動途中で移動速度がV1からV2に減速することを意味し、V2→V1は、移動途中で移動速度がV2からV1に増速することを意味する(図9参照)。たとえば、メインCPU112が乱数「3」を選択すると、移動速度は、V2→V1に決定する。
【0076】
メインCPU112は、移動経路テーブルTb9(図18(C))を参照して3つの移動経路を選択し(S図18(D)のS45)、それら選択した各移動経路に対応する確定表示位置テーブルTb7を参照して3つの確定表示位置を選択する(S46)。続いてメインCPU112は、変動時間テーブルTb5(図8(F))を参照して各移動経路における変動時間を選択し(S48)、移動速度テーブルTb8(図18(B))を参照して移動速度を選択する(S50)。
一方サブCPU32eは、S106にてセットした変動パターンに従って特別図柄の変動表示を開始する(S110)。たとえば、図17(A)に示すように、移動経路K4〜K6に沿ってそれぞれ特別図柄を1つずつ移動させる。
そしてサブCPU32eは、各移動経路ごとの変動時間がタイムアップすると、各移動経路において特別図柄を確定表示する。たとえば、図17(B)に示すように、移動経路K4上を移動していた特別図柄「0」を確定表示位置P44にて確定表示し、移動経路K5上を移動していた特別図柄「4」を確定表示位置P89にて確定表示し、移動経路K6上を移動していた特別図柄「6」を確定表示位置P152にて確定表示する。つまり、3つの特別図柄を不定位置にて確定表示する。
【0077】
[第4実施形態の効果]
(1)以上のように、第4実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32は、移動経路テーブルTb9を参照して選択した移動経路上を特別図柄を移動させることにより、移動経路を不定にすることができ、かつ、確定表示位置テーブルTb7を参照して選択した確定表示位置にて確定表示することにより、確定表示位置を不定にすることができる。
したがって、特別図柄の移動経路および確定表示位置の双方を不定にすることができるため、より一層飽きの来ないパチンコ機を実現できる。
(2)しかも、選択した移動経路ごとに移動速度テーブルTb8を参照して移動速度を選択するため、移動経路ごとに移動速度が異なるようにすることができるため、確定表示位置が不定であることに加えて、特別図柄の移動パターンに変化を持たせることができるので、移動速度が固定されている場合よりも飽きの来ないパチンコ機を実現できる。
(3)また、特別図柄を円弧状の移動経路にて移動させることができるため、特別図柄を直線的に移動させている従来のものとは異なる新鮮味のある特別図柄の表示を行うことができるので、より一層飽きの来ないパチンコ機を実現できる。
【0078】
<第5実施形態>
次に、この発明の第5実施形態について図19ないし図21を参照して説明する。
図19(A)は、特別図柄制御装置32の画面上を特別図柄列が移動する様子を示す説明図であり、図19(B)は、大当り図柄が確定表示された様子を示す説明図である。図20(A)は、移動経路K6に対応する消失位置テーブルを示す説明図であり、図20(B)は、消失タイミングテーブルを示す説明図であり、図20(C)は、図柄列データの一例を示す説明図であり、図20(D)は、メインCPU112が実行する特別図柄制御の流れの一部を省略して示すフローチャートである。図21は、サブCPU32eが実行する特別図柄表示処理2の流れを示すフローチャートである。
なお、この実施形態のパチンコ機は、特別図柄の表示方法以外は、第4実施形態のパチンコ機と同じ構成および機能であるため、その同じ部分の説明を省略する。
【0079】
この実施形態のパチンコ機は、図19(A)に示すように、複数の特別図柄の集団を列をなして移動させ、図19(B)に示すように、確定図柄を不定位置にて確定表示することを特徴とする。
第4実施形態で説明した移動経路K1〜K100には、図15に示すポイントが複数含まれており、確定図柄以外の特別図柄は、いずれかのポイントで画面から消失する。たとえば、移動経路K6については、図20(A)に示すように、乱数「0」〜「13」と消失位置P183〜P40とをそれぞれ対応付けて構成された消失位置テーブルTb10が用意されている。
また、画面から消失する特別図柄の消失タイミングは、図20(B)に示す消失タイミングテーブルTb11を用いて決定する。消失タイミングテーブルTb11は、複数の乱数、この実施形態では乱数「0」〜「10」と消失タイミングt1〜t90とをそれぞれ対応付けて構成されている。
【0080】
メインCPU112は、移動経路テーブルTb9(図18(C))を参照して3つの移動経路を無作為に選択する(図20(C)のS45)。続いてメインCPU112は、ハズレ図柄テーブルTb3(図8(D))を参照し、S45にて選択した各移動経路ごとに図柄列を作成する(S45a)。たとえば、乱数「0」〜「9」の中から1つの乱数を選択する処理を10回連続して行い、10個の特別図柄から構成された図柄列を各移動経路ごとに作成する。この場合、図柄列の中に特別図柄制御のS36で選択した大当り図柄、または、S42で選択したハズレ図柄が含まれていない場合は、含まれるまで乱数を選択する処理を繰り返す。たとえば、図20(C)に示す例では、移動経路K6に対して図柄列「317・・0」が作成されている。なお、特別図柄「7」が確定図柄である。
【0081】
続いてメインCPU112は、確定表示位置テーブルTb7を参照して各移動経路ごとに確定図柄の確定表示位置を選択する(S46)。続いてメインCPU112は、消失位置テーブルTb10(図20(A))を参照し、S45aにて作成した図柄列を構成する特別図柄のうち、確定図柄以外の特別図柄に対して消失位置をそれぞれ選択する(S47)。また、消失タイミングテーブルTb11を参照し、確定図柄以外の特別図柄に対して消失タイミングをそれぞれ選択する(S47)。たとえば、S45aにて移動経路K6に対して作成した図柄列が「317・・0」であり、特別図柄「3」に対して、メインCPU112が消失位置テーブルTb10の乱数「2」を選択した場合は、特別図柄「3」の移動経路K6上における消失位置はP146に決定する(図20(C))。また、特別図柄「3」に対してメインCPU112が消失タイミングテーブルTb11の乱数「3」を選択した場合は、特別図柄「3」の移動経路K6上における消失タイミングはt4に決定する(図20(C))。
【0082】
続いてメインCPU112は、変動時間テーブルTb5(図8(F))を参照し、各図柄列ごとの変動時間を選択する(S48)。続いてメインCPU112は、移動速度テーブルTb8(図18(B))を参照し、各図柄列を構成する各特別図柄ごとに移動速度を選択する(S50)。これにより、図20(C)に示すように、特別図柄と、消失位置、消失タイミングおよび移動速度とを対応付けた図柄列データが作成される。
一方サブCPU32eは、メインCPU112から送信された変動パターンに従って特別図柄の変動を開始する(図21のS110)。たとえば、変動パターンに示されている移動経路がK4〜K6である場合は、図19(A)に示すように、各移動経路上をそれぞれ複数の特別図柄を集団で列をなして移動させる。この場合、各特別図柄に対して異なる移動速度が設定されている場合は、移動速度の速い特別図柄が移動速度がそれよりも遅い特別図柄を移動経路上で追い抜くように表示される。
【0083】
そしてサブCPU32eは、メインCPU112から図柄確定の指示を受け取り(S112:Yes)、3つの移動経路をそれぞれ移動する図柄列を構成する図柄のうち、最も早い消失タイミングが設定されている特別図柄の消失タイミングになったか否かを判定する(S140)。
たとえば、図20(C)に示す例では、消失タイミングt1が設定されている特別図柄「1」が存在するため、変動時間がt1になったか否かを判定する。ここで、消失タイミングになったと判定すると(S140:Yes)、その消失タイミングが設定されている特別図柄が、その特別図柄に対して設定されている消失位置に到達したか否かを判定する(S142)。
たとえば、図20(C)に示す例では、特別図柄「1」に対して消失位置P183が設定されているため、特別図柄「1」が消失位置P183に到達したか否かを判定する。ここで、消失位置に到達したと判定すると(S142:Yes)、その特別図柄をその消失位置にて画面上から消失させる(S144)。これにより、集団で列をなして移動していた特別図柄の中から特別図柄が1つ減少する。
【0084】
続いてサブCPU32eは、確定図柄を確定表示するタイミングになったか否かを判定し(S146)、確定表示するタイミングになったと判定すると(S146:Yes)、確定図柄が確定表示位置に到達したか否かを判定する(S148)。たとえば、図20(C)に示す例では、確定図柄「7」の確定表示位置はP152に設定されているため、確定図柄「7」が確定表示位置P152に到達したか否かを判定する。
続いてサブCPU32eは、確定図柄が確定表示位置に到達したと判定すると(S148:Yes)、その確定表示位置にて確定図柄を確定表示する(S150)。たとえば、図19(B)に示すように、確定図柄「7」を確定表示位置P152にて確定表示する。そしてサブCPU32eは、総ての確定図柄の確定表示を終了したか否かを判定し(S152)、終了していない場合は(S152:No)、特別図柄の消失および確定図柄の確定表示を実行する(S140〜S150)。
【0085】
続いてサブCPU32eは、総ての確定図柄の確定表示を終了したと判定すると(S152:Yes)、確定図柄以外の特別図柄の総てが消失したか否かを判定し(S154)、総てが消失していない場合は(S154:No)、特別図柄の消失を実行する(S140〜S144)。
そしてサブCPU32eは、確定図柄以外の特別図柄の総てが消失したと判定すると(S154:Yes)、計測時間をリセットし(S156)、特別図柄表示処理2の今回のルーチンを終了する。
【0086】
[第5実施形態の効果]
以上のように、第5実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32は、確定表示する特別図柄以外の特別図柄を移動している途中で画面上から消失させるという従来にはない新規な特別図柄の確定を行うことにより、確定表示位置が不定であることに加えて、新鮮味のある遊技を行うことができるため、より一層飽きの来ないパチンコ機を実現できる。また、遊技者は、自身の希望する特別図柄が消失されないで残るか否か、ハラハラドキドキした遊技を行うことができる。
【0087】
<第6実施形態>
次に、この発明の第6実施形態について図22(A)を参照して説明する。
図22(A)は、サブCPU32eが実行する特別図柄表示処理の一部を省略して示すフローチャートである。
なお、この実施形態のパチンコ機は、図22(A)に示す特別図柄表示処理の一部以外は、第1実施形態のパチンコ機と同じ構成および機能であるため、その同じ部分の説明を省略する。
【0088】
サブCPU32eは、左図柄を確定表示すると(図22(A)のS118)、音声制御装置79(図6)に対して、特別図柄の確定表示が行われたことを報知する音声の再生を指示する(S118a)。続いてサブCPU32eは、中図柄を確定表示すると(S124)、音声制御装置79に対して、特別図柄の確定表示が行われたことを報知する音声の再生を指示する(S124a)。続いてサブCPU32eは、右図柄を確定表示すると(S130)、音声制御装置79に対して、特別図柄の確定表示が行われたことを報知する音声の再生を指示する(S130a)。
一方、サブCPU32eから上記の指示を受けた音声制御装置79は、ROM(図示省略)に記録されたメロディーをスピーカ79a(図6)により再生する。たとえば、入賞時や大当り発生時などで使用するメロディーとは異なるメロディーを再生する。これにより、遊技者は、特別図柄が確定表示されたことを聴覚により認識できる。
【0089】
[第6実施形態の効果]
以上のように、第6実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32が特別図柄の確定表示を行う際に、その確定表示が行われたことを報知するメロディーをスピーカ79aにより再生することができるため、特別図柄が確定表示されたタイミングを明確に知ることができる。また、左図柄、中図柄および右図柄のそれぞれが確定表示されたときに、それぞれ異なるメロディーを再生することにより、どの特別図柄が確定表示されたのかを区別できるようにすることもできる。
【0090】
<第7実施形態>
次に、この発明の第7実施形態について図22(B)を参照して説明する。
図22(B)は、サブCPU32eが実行する特別図柄表示処理の一部を省略して示すフローチャートである。
なお、この実施形態のパチンコ機は、図22(B)に示す特別図柄表示処理の一部以外は、第1実施形態のパチンコ機と同じ構成および機能であるため、その同じ部分の説明を省略する。
【0091】
サブCPU32eは、左図柄を確定表示すると(図22(B)のS118)、ランプ制御装置300(図6)に対して、特別図柄の確定表示が行われたことを報知するLEDの点滅を指示する(S118a)。続いてサブCPU32eは、中図柄を確定表示すると(S124)、ランプ制御装置300に対して、特別図柄の確定表示が行われたことを報知するLEDの点滅を指示する(S124a)。続いてサブCPU32eは、右図柄を確定表示すると(S130)、ランプ制御装置300に対して、特別図柄の確定表示が行われたことを報知するLEDの点滅を指示する(S130a)。
一方、サブCPU32eから上記の指示を受けたランプ制御装置300は、ROM(図示省略)に記録された発光ダイオードの点滅パターンに従って発光ダイオードD1〜D3(図2)を点滅させる。たとえば、入賞時や大当り発生時などで使用する点滅パターンとは異なる点滅パターンで点滅させる。これにより、遊技者は、特別図柄が確定表示されたことを視覚により認識できる。また、左図柄、中図柄および右図柄のそれぞれが確定表示されたときに、それぞれ異なる点滅パターンで点滅させることにより、どの特別図柄が確定表示されたのかを区別できるようにすることもできる。
【0092】
[第7実施形態の効果]
以上のように、第7実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置が特別図柄の確定表示を行う際に、発光ダイオードD1〜D3を所定の点滅パターンで点滅させることができるため、特別図柄が確定表示されたタイミングを明確に知ることができる。また、左図柄、中図柄および右図柄のそれぞれが確定表示されたときに、それぞれ異なる点滅パターンで点滅させることにより、どの特別図柄が確定表示されたのかを区別できるようにすることもできる。
【0093】
<第8〜第10実施形態>
次に、この発明の第8〜第10実施形態について図23を参照して説明する。図23(A)は、第8実施形態のパチンコ機において特別図柄が確定表示された状態を示す説明図であり、図23(B)は、第9実施形態のパチンコ機において特別図柄が確定表示された状態を示す説明図であり、図23(C)は、第10実施形態のパチンコ機において特別図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
なお、第8〜第10実施形態のパチンコ機は、特別図柄の確定表示方法以外は、第4〜第7実施形態のパチンコ機と同じ構成および機能であるため、その同じ部分の説明を省略する。
【0094】
第8実施形態のパチンコ機は、特別図柄の確定表示を行う前は、図19に示したデザインの特別図柄を表示し、確定表示する特別図柄のデザインを図23(A)に示すように変化させる。図23(A)に示す例では、平面的なデザインから立体的なデザインに変化している。これにより、特別図柄が画面上の不定位置にて確定表示された場合でも、遊技者は、確定表示された特別図柄であることを視覚的に認識することができる。確定表示された特別図柄のデザインは、図23(A)に示すものに限定されるものではなく、確定表示されない特別図柄と識別し易いデザインであれば、色のみが異なる、あるいは、大きさのみが異なるなど、どのようなデザインでもよい。
【0095】
第9実施形態のパチンコ機は、特別図柄の確定表示を行う前は、図19に示したように無模様単一色の背景画面を表示し、特別図柄を確定表示するタイミングになると、図23(B)に示す背景画面に変化させる。図23(B)に示す例では、無模様単一色の背景画面から、月明かりに照らされた山々をイメージした背景画面に変化している。これにより、特別図柄が画面上の不定位置にて確定表示された場合でも、遊技者は、特別図柄が確定表示されたことを視覚的に認識することができる。背景画面のデザインは、図23(B)に示すものに限定されるものではなく、特別図柄が確定表示されていないときの背景画面と識別し易いデザインであれば、どのようなデザインでもよい。
【0096】
第10実施形態のパチンコ機は、特別図柄の確定表示を行う前は、図19に示したように、特別図柄以外に何も存在しない画面を表示し、特別図柄を確定表示するタイミングになると、図23(C)に示すように、画面にキャラクタC1を登場させる。図23(C)に示す例では、特別図柄以外に何も存在しない画面から、キャラクタC1が登場した画面に変化している。これにより、特別図柄が画面上の不定位置にて確定表示された場合でも、遊技者は、特別図柄が確定表示されたことを視覚的に認識することができる。キャラクタのデザインは、図23(C)に示すものに限定されるものではなく、特別図柄が確定表示されていないときの画面と識別し易いデザインであれば、どのようなデザインでもよい。
【0097】
[第8〜第10実施形態の効果]
(1)以上のように、第8実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32は、確定表示する特別図柄のデザインを変化させることができるため、確定表示されたことを明確に知ることができる。また、確定表示された特別図柄の近傍に他の特別図柄が存在する場合であっても、確定表示された特別図柄と確定表示されていない特別図柄とを明確に区別することができる。
(2)第9実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32は、特別図柄の確定表示を行う際に背景画面のデザインを変化させることができるため、特別図柄が確定表示されたタイミングを明確に知ることができる。また、確定表示される特別図柄が複数ある場合に、複数種類の背景画面と確定表示の順序とを対応付けておくことにより、何番目の確定表示であるかを背景画面により明確に知らせることができる。
(3)第10実施形態のパチンコ機1を使用すれば、特別図柄制御装置32は、特別図柄の確定表示を行う際に特定のキャラクタを表示することができるため、特別図柄が確定表示されたタイミングを明確に知ることができる。また、確定表示される特別図柄が複数ある場合に、複数種類のキャラクタと確定表示の順序とを対応付けておくことにより、何番目の確定表示であるかをキャラクタにより明確に知らせることができる。
【0098】
<他の実施形態>
(1)上記各実施形態では、特別図柄の移動経路、確定表示位置、変動時間、移動速度、消失位置および消失タイミングなどの各数値を乱数を用いて無作為に選択する場合を説明したが、予め上記各数値を様々に組み合わせてパターン化したものを複数用意しておき、その中から無作為に選択するように構成することもできる。
(2)前記各実施形態では、特別図柄の確定表示位置を確定表示位置テーブルTb4を用いて無作為に選択する場合を説明したが、移動経路、変動時間および移動速度のみを選択し、変動時間がタイムアップしたときに表示されている位置を確定表示位置に決定することもできる。
【0099】
(3)また、各移動経路の移動距離がそれぞれ分かっている場合において、変動時間および移動速度を決定し、その決定した数値から移動距離を算出し、その算出した移動距離に基いて移動経路を決定することもできる。この場合、同じ移動経路を複数選択することもできるし、異なる移動経路を組み合わせて選択することもできる。
(4)前記各実施形態では、画面の端部から特別図柄が出現する場合を説明したが、消失位置テーブルTb10および消失タイミングテーブルTb11のように、図15に示す位置座標に基いて出現位置テーブルおよび出現タイミングテーブルを作成しておき、それらのテーブルを用いて特別図柄の出現位置および出現タイミングを無作為に決定し、画面上の不定位置から不定タイミングで特別図柄が出現するように構成することもできる。
【0100】
(5)特別図柄をフェードアウトさせて画面上から消失させることもできる(フェードアウト手段)。また、そのフェードアウトの速度を選択可能に複数用意しておくこともできる。ここで、フェードアウトとは、表示されている特別図柄が次第にぼんやりと消えていくことを意味する。
(6)特別図柄をフェードインにより画面上に出現させることもできる(フェードイン手段)。また、そのフェードインの速度を選択可能に複数用意しておくこともできる。ここで、フェードインとは、ぼんやり表示されている特別図柄をその姿が次第にはっきりしてくるように表示することを意味する。
(7)前記各実施形態では、この発明に係るパチンコ機として、第1種のパチンコ機を例に挙げて説明したが、第1種および第2種の両機能を備えたパチンコ機、あるいは第1種および第3種の両機能を備えたパチンコ機、あるいは、スロットマシンなどにもこの発明を適用することができる。
【0101】
[各請求項と実施形態との対応関係]
特別図柄が請求項1に記載の図柄に対応し、特別図柄制御装置32が図柄制御装置に対応し、大当り図柄が所定の組合せに対応する。
そして、サブCPU32eが実行する特別図柄表示処理(図12)が、請求項1に記載の図柄制御装置として機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5の主要構成を示す説明図である。
【図3】特別図柄制御装置32が表示する特別図柄列を示す説明図である。
【図4】図4(A)、(B)は、特別図柄制御装置32の画面上を特別図柄が移動する様子を示す説明図であり、図4(C)は、特別図柄が確定表示された様子を示す説明図である。
【図5】図5(A)は、各表示領域により特別図柄の移動速度が異なる場合の各特別図柄の表示位置を示す説明図であり、図5(B)は、各表示領域における特別図柄の表示範囲を示す説明図である。
【図6】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図7】特別図柄制御装置32の主な電気的構成を示す説明図である。
【図8】図8(A)は大当りカウンタの説明図であり、図8(B)は大当り値テーブルの説明図であり、図8(C)は大当り図柄テーブルの説明図であり、図8(D)はハズレ図柄テーブルの説明図であり、図8(E)は確定表示位置テーブルの説明図であり、図8(F)は変動時間テーブルの説明図である。
【図9】移動速度テーブルの説明図である。
【図10】メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】メインCPU112が実行する特別図柄制御の流れを示すフローチャートである。
【図12】サブCPU32eが実行する特別図柄表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13(A)、(B)は、第2実施形態において特別図柄制御装置32の画面上を特別図柄列が移動する様子を示す説明図であり、図13(C)は、ハズレ図柄が確定表示された様子を示す説明図であり、図13(D)は、大当り図柄が確定表示された様子を示す説明図である。
【図14】図14(A)〜(C)は、第3実施形態において特別図柄制御装置32の画面上を特別図柄が自転しながら移動する様子を示す説明図である。
【図15】第4実施形態において特別図柄制御装置32の画面上に設定された位置座標を一部を省略して示す説明図である。
【図16】図16(A)は、特別図柄の自由曲線状の移動経路を示す説明図であり、図16(B)は、特別図柄の直線状および折れ線状の移動経路を示す説明図である。
【図17】図17(A)は、特別図柄が移動経路K4〜K6に沿って移動する様子を示す説明図であり、図17(B)は、特別図柄が不定位置にて確定表示された様子を示す説明図である。
【図18】図18(A)は、移動経路K6に対応する確定表示位置テーブルを示す説明図であり、図18(B)は、移動速度テーブルを示す説明図であり、図18(C)は、移動経路テーブルを示す説明図であり、図18(D)は、メインCPU112が実行する特別図柄制御の流れの一部を省略して示すフローチャートである。
【図19】図19(A)は、第5実施形態において特別図柄制御装置32の画面上を特別図柄列が移動する様子を示す説明図であり、図19(B)は、大当り図柄が確定表示された様子を示す説明図である。
【図20】図20(A)は、移動経路K6に対応する消失位置テーブルを示す説明図であり、図20(B)は、消失タイミングテーブルを示す説明図であり、図20(C)は、図柄列データの一例を示す説明図であり、図20(D)は、メインCPU112が実行する特別図柄制御の流れの一部を省略して示すフローチャートである。
【図21】サブCPU32eが実行する特別図柄表示処理2の流れを示すフローチャートである。
【図22】図22(A)は、第6実施形態においてサブCPU32eが実行する特別図柄表示処理の一部を省略して示すフローチャートであり、図22(B)は、第7実施形態においてサブCPU32eが実行する特別図柄表示処理の一部を省略して示すフローチャートである。
【図23】図23(A)は、第8実施形態のパチンコ機において特別図柄が確定表示された状態を示す説明図であり、図23(B)は、第9実施形態のパチンコ機において特別図柄が確定表示された状態を示す説明図であり、図23(C)は、第10実施形態のパチンコ機において特別図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図24】図24(A)は、従来のパチンコ機に備えられた遊技盤の正面説明図であり、図24(B)は、図24(A)に示す遊技盤に設けられた特別図柄制御装置による特別図柄の変動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機
32 特別図柄制御装置(図柄制御装置)
32e サブCPU
32f ROM
112 メインCPU112
K1〜K100 移動経路
10C,20R,30L 確定表示位置
Claims (1)
- 画面上を移動する図柄を表示する図柄制御装置を遊技盤に備えており、その図柄制御装置により複数個所にて確定表示された各図柄による組合せが所定の組合せである場合に、大当りが発生するパチンコ機において、
前記画面上の横方向に設定されたX軸および縦方向に設定されたY軸をそれぞれ複数に分割することにより、(X,Y)座標で示される複数のポイントと、第1乱数とを対応付けて構成された確定表示位置テーブルと、
前記複数のポイントを含んで設定された複数の移動経路と、第2乱数とを対応付けて構成された移動経路テーブルと、
遊技球が前記遊技盤に設けられた第1種始動口に入賞したときに前記第1乱数および第2乱数の中からそれぞれ乱数を1つずつ取得し、その取得した各乱数に対応付けられているポイントおよび移動経路を前記各図柄別に前記確定表示位置テーブルおよび移動経路テーブルからそれぞれ選択するメインCPUとを備えており、
前記図柄制御装置は、各図柄を前記メインCPUにより図柄別に選択された各移動経路にてそれぞれ移動させるとともに、それら移動する各図柄を前記メインCPUにより図柄別に選択された各ポイントにてそれぞれ確定表示し、さらに、前記画面上の横方向の直線上、縦方向の直線上および対角線上のいずれにも対応しない相対位置関係にある複数のポイントにて各図柄をそれぞれ確定表示可能であることを特徴とするパチンコ機。
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