JP3767558B2 - インクジェット式プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷媒体にインクを吐出して印刷を行うインクジェット式プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式プリンタは、液状のインクを用紙に吹き付けて印刷を行うものであって、装置の小型化が可能であり、しかも高品質の印刷ができるという利点を有している。インクジェット式プリンタとしては、印刷台の支持面上にて搬送される用紙に対して、用紙の搬送方向(副走査方向)と垂直な方向(主走査方向)に沿って往復動する印刷ヘッドからインクが吐出されて画像が印刷されるものが知られている。
【0003】
このようなインクジェット式プリンタにおいて、用紙の幅方向端部にも印刷可能ないわゆる縁なし印刷を行う場合、用紙の幅方向端部近傍に吐出されたインクが用紙からはみ出して印刷台における用紙支持面に付着するのを防止する必要がある。印刷台の支持面にインクが付着するのを防止するためには、印刷台の支持面に凹部を形成して凹部内にインク吸収材を充填するという方法が取られることがある(特許文献1参照)。この場合、凹部に向けてインクを吐出させ、インク吸収材でインクを吸収させることにより、印刷台の支持面へのインクの付着が防止される。なお、印刷ヘッドから吐出されるインクをインク吸収材で確実に吸収させるためには、印刷台の凹部内のインク吸収材を印刷台の支持面にできるだけ近くなるよう充填するのが好ましい。また、縁なし印刷においては、印刷台に設けられる凹部を用紙幅両端に対応する位置近傍に用紙の搬送方向(副走査方向)に沿って形成するのが一般である。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−105583号公報 (第5頁、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インク吸収材の表面全体を印刷台の支持面にできるだけ近くしようとすると、インク吸収材にその許容範囲を超えた量のインクが導入された場合に、吸収されずにインク吸収材の表面に残留したインクが印刷台の支持面上にて搬送される用紙の裏面に付着してしまうことがある。特に印刷台が傾斜している場合、重力によりインクが傾斜の下方側に移動するため、インク吸収材における傾斜の下方側において許容範囲を超えた量のインクが導入され、上記のような問題が生じる可能性が高い。
【0006】
そこで、本発明の目的は、印刷媒体の裏面にインクが付着するのを防止することができるインクジェット式プリンタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット式プリンタは、印刷媒体を支持するための傾斜した印刷台と、前記印刷台の支持面に対向しつつ前記支持面上の印刷媒体に対してインクを吐出する印刷ヘッドとを備え、前記印刷台の支持面における前記印刷ヘッドの印刷領域に少なくとも1つの凹部が形成され且つ前記凹部にはインク吸収材が内設されており、前記インク吸収材の前記印刷ヘッドとの対向面上における第1の位置と前記印刷台の支持面との距離が、前記インク吸収材の前記印刷ヘッドとの対向面上において前記第1の位置よりも傾斜の上方側にある第2の位置と前記印刷台の支持面との距離より大きい(請求項1)。つまり、本発明において、インク吸収材における印刷ヘッドに対向する面と印刷台の支持面との距離は、傾斜の下方側に向かって漸増している。
【0008】
印刷台が傾斜している場合、重力によりインクが傾斜の下方側に移動するため、インク吸収材の傾斜の下方側において許容範囲を超えた量のインクが導入される可能性が大きくなる。しかしこのような状況においても、インク吸収材における傾斜の下方側と上方側との間に印刷台の支持面との距離差を形成することにより、吸収されずにインク吸収材の表面に残留したインクが印刷媒体の裏面に付着するのを防止することができる。
【0009】
また、インク吸収材の印刷ヘッドとの対向面上における印刷領域に含まれる領域が印刷台の支持面よりも凹部底面側にあることが好ましい(請求項2)。
【0010】
上記構成によると、インク吸収材の表面に残留したインクが印刷媒体の裏面に付着するのを確実に防止することができる。
【0011】
また、印刷台における凹部が形成された領域が、印刷媒体の幅方向端部に対応する位置を含んでよい(請求項3)。
【0012】
上記構成は、特に用紙の幅方向端部にも印刷可能ないわゆる縁なし印刷を行う場合に有効である。
【0013】
また、インク吸収材が複数のシート部材を積層して構成されることが好ましい(請求項4)。
【0014】
上記構成によると、例えば複数のシート部材をシート平面方向にずらして積層したり、切欠きが形成されたシート部材を積層したりすることにより、傾斜の下方側と上方側との間に印刷台の支持面との距離差が形成されたインク吸収材を容易に作製することができる。
【0015】
また、インク吸収材の印刷ヘッドとの対向面上の第1の位置がカバー部材で覆われていることが好ましい(請求項5)。
【0016】
上記構成によると、カバー部材によって印刷媒体の裏面にインクが付着するのをより確実に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
先ず、図1および図2を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るインクジェット式プリンタの概略構成について説明する。図1は本実施の形態に係るインクジェット式プリンタを示す概略構成図、図2は図1のインクジェット式プリンタに含まれるインクジェット印刷ユニット近傍を示す平面図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態のインクジェット式プリンタ1は、略直方体の筐体30内に、搬送ローラユニット5と、インクジェット印刷ユニット6と、圧着ローラユニット7と、切断ユニット8と、排出ローラユニット9とを有している。また、筐体30内には、ロール状に巻回された巻回部2a、3aが形成された長尺の用紙2、3が水平方向(図1では紙面に垂直な方向)に隣接するように配置されており、用紙2、3の巻回部2a、3aは軸中心の回りに回転可能とされたドラム2b、3bにそれぞれ保持されている。なお、インクジェット式プリンタ1の各部分の動作は、筐体30内に配置されたコントローラ(図示せず)によって制御されている。
【0020】
搬送ローラユニット5は、圧着ローラユニット7と共に、用紙2、3を巻回部2a、3aからそれぞれ巻き解きつつ下流側へと搬送し、インクジェット印刷ユニット6を通過させた後、切断ユニット8に用紙2、3を供給する。また図2に示すように、搬送ローラユニット5は、コントローラより制御されるモータ21a、21bによって駆動される駆動ローラ対5a、5bを有している。駆動ローラ対5a、5bは、用紙2、3の搬送経路にそれぞれ対応するように互いに隣接するように配置されており、2列に配置された用紙2、3をそれぞれ挟持しつつ独立して搬送する。
【0021】
インクジェット印刷ユニット6は、図1に示すように、2つの印刷ヘッド11と、2つの印刷ヘッド11を保持するキャリッジ12と、印刷ヘッド11と対向配置される用紙2、3を支持する印刷台13と、吸着ファン14とを有している。
【0022】
2つの印刷ヘッド11は、用紙2、3の搬送方向(図2では下方から上方に向かう方向であって、以下の説明では「副走査方向」と称する)に沿って所定間隔だけ離隔して配置されている。また、図2に示すように、2つの印刷ヘッド11には、カラーインクをそれぞれ吐出することができる多数の吐出ノズル11aが設けられている。なお、本実施の形態では、2つの印刷ヘッド11に対しては、イエロー(Y)、ライトブラック(LB)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(LM)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、ブラック(BK)などのカラーインクをそれぞれ吐出することができる多数の吐出ノズル11aが適宜振り分けられて配置されている。したがって、印刷ヘッド11は、コントローラからの信号に基づいて、搬送されてきた用紙2、3の表面(図1では上面)に向かって、多数の吐出ノズル11aからカラーインクをそれぞれ吐出することによって所望のカラー画像を印刷することができる。
【0023】
キャリッジ12は、副走査方向に直交する方向(図2では左右方向であって、以下の説明では「主走査方向」と称する)に往復動可能である。したがって、印刷ヘッド11は、キャリッジ12の往復動と共に、主走査方向に往復動しつつ、用紙2、3の表面に向かってインクを吐出することになる。
【0024】
印刷台13は、用紙2の搬送面とほぼ同じ面上に配置された用紙支持面13aを有している。印刷ヘッド11は、印刷台13の支持面13aに対向しつつ印刷台13の幅方向に沿って往復動しながら印刷台13上の用紙2に対してインクを吐出する。なお、印刷台13は、副走査方向上流側から下流側に向かって斜め上方に傾斜するように設けられている(図1参照)。
【0025】
ここで、印刷台13の支持面13a上において、2つの印刷ヘッド11と対向可能な2つの印刷領域60(印刷ヘッド11の通過範囲であって、図2では一点鎖線で図示されている)は、それぞれ印刷ヘッド11とほぼ同じ長さ(副走査方向に沿う長さ)を有し、印刷台13のほぼ全幅に亘って形成される帯状の領域である。したがって、2つの印刷領域60は、2つの印刷ヘッド11と同様に、副走査方向に沿って所定間隔だけ離隔して設けられる。
【0026】
また、印刷台13には、図2に示すように、多数の吸着孔31と、インク受け部32と、フラッシング受け部33と、センサ開口34とが設けられている。
【0027】
多数の吸着孔31は、全て同じ大きさを有する円形の孔であって、2つの印刷領域60、2つの印刷領域60間および印刷領域60の副走査方向上流側および下流側に、印刷台13のほぼ全幅に亘って形成されている。ここで、多数の吸着孔31は、印刷台13のほとんどの領域において、それぞれの中心位置が千鳥状に配置されている。したがって、多数の吸着孔31は、印刷台13においてほぼ均等に配置されていることになる。
【0028】
インク受け部32は、印刷台13の幅方向両端部近傍に形成された副走査方向に伸びる凹部であって、用紙2、3に対して縁無し印刷が行われる場合に、用紙2、3の幅方向端部からはみ出して吐出されたインクを受けるためのものである。したがって、インク受け部32は、印刷台13の支持面13a上にて搬送される用紙2、3の幅方向端部に対応する位置(用紙2、3の幅方向両端部のうち外側の端部に対応する位置)を含むように設けられている。本実施の形態では、複数種類の幅サイズの用紙2、3に対応するように、印刷台13の中心位置に関して対称な6つのインク受け部32が設けられている。そして各インク受け部32には、インクを吸収するためのインク吸収材40が内設されている。なお、各インク受け部32およびインク吸収材40の構成については後に詳述するものとする。
【0029】
フラッシング受け部33は、印刷台13の幅方向中央部近傍に形成された略矩形状の2つの開口であって、印刷ヘッド11の吐出ノズル11aの目詰まり等を防止するために、印刷とは無関係にそれぞれの吐出ノズル11aから強制的に吐出されるインク(フラッシング動作により吐出されるインク)を受けるためのものである。したがって、フラッシング受け部33は、上述した2つの印刷ヘッド11と対向可能な2つの印刷領域60に対応するように設けられている。なお、フラッシング受け部33には、それに向かって吐出されたインクを吸引可能なインク吸引手段(図示せず)が設けられているのが好ましい。また、フラッシング受け部33は、用紙2、3に対して縁無し印刷が行われる場合に、用紙2、3の幅方向両端部のうち内側の端部からはみ出して吐出されたインクを受けるためのインク受け部としても機能する。
【0030】
センサ開口34は、印刷台13の副走査方向上流側の端部近傍において、用紙2、3の搬送経路にそれぞれ対応するように設けられている。ここで、印刷台13の上方においてセンサ開口34と対向する位置には、例えばLEDなどの発光素子とこれから出射される光を受光可能なフォトダイオードなどの受光素子との対を含む反射型の光センサ(図示せず)が配置されている。この光センサによって印刷台13の副走査方向上流側の端部近傍に用紙2、3が配置されているか否かを検出することで、用紙2、3の先端部を検出することができる。センサ開口34は、この光センサによる用紙2、3の先端部の検出が適正に行われるように設けられたものである。
【0031】
吸着ファン14は、印刷台13に形成された吸着孔31を介して用紙2、3を印刷台13上に吸着させるためのものであり、図1に示すように、印刷台13を挟んで印刷ヘッド11およびキャリッジ12と対向する位置に配置されている。印刷ヘッド11に対向する用紙2、3は、用紙2、3の裏面(図1では下面)側に配置された吸着ファン14に吸引されることにより印刷台13の支持面13aに密着しつつ搬送される。これにより用紙2、3と印刷ヘッド11との間隔が一定になり、用紙2、3がカールしている場合に用紙2、3の一部分が印刷台13から大きく離れることによって、印刷ヘッド11との間隔が変化することによる印刷の不具合が発生するのが抑制される。
【0032】
圧着ローラユニット7は、図1に示すように、インクジェット印刷ユニット6と切断ユニット8との間を搬送される用紙2を挟持して搬送するためのものであり、コントローラより制御されるモータ22(図2参照)によって駆動される圧着ローラ対を有している。インクジェット印刷ユニット6と切断ユニット8との間に圧着ローラユニット7が配置されることによって、インクジェット印刷ユニット6による画像の印刷および切断ユニット8による用紙2の切断を適正に行うことが可能となる。
【0033】
切断ユニット8は、用紙2、3に対して印刷ヘッド11と同じ側に配置された移動刃8aと、用紙2、3を挟んで移動刃8aと対向するように配置された固定刃8bとを有している。移動刃8aおよび固定刃8bは、共に用紙2、3の搬送経路の幅よりも若干大きな幅を有する矩形刃である。移動刃8aは、コントローラにより制御されるモータ(図示せず)によって、固定刃8bに向かって近接または離隔することができるようになっている。したがって、移動刃8aと固定刃8bとの共働により、搬送経路を上流側から搬送されてきた印刷済みの用紙2、3を幅方向に沿って切断することができる。
【0034】
排出ローラユニット9は、コントローラにより制御されたモータ(図示せず)によって駆動される駆動ローラ対を有している。切断ユニット8で切断された後の印刷済みの用紙2、3は、排出ローラユニット9によって排出口30aへと搬送され、排出口30aから排出される。
【0035】
なお、コントローラは、入力インターフェイス(図示せず)から供給された画像信号に所定の処理を施して、印刷される画像に対応する画像データを含む印刷信号をインクジェット印刷ユニット6に供給する。また、コントローラは、搬送ローラユニット5および排出ローラユニット9による用紙2、3の搬送タイミング、キャリッジ12の移動タイミング、印刷ヘッド11からのインクの吐出タイミング、切断ユニット8による用紙2、3の切断タイミングなどを制御することができる。
【0036】
次いで、インク受け部32の構成についてより詳細に説明する。図2に示すように、インク受け部32は搬送方向に細長な略長方形平面を有する凹部であり、その凹部側面全周に接するようインク吸収材40が内設されている。図3は、印刷台13のインク受け部32についての図2のX−X線に関する断面図である。図3に示すように、インク吸収材40は、搬送方向に関する長さがインク受け部32の長さより短いほぼ同じ大きさの2枚のシート部材40a,40bを搬送方向にずらして積層して構成されている。印刷ヘッド11側のシート部材40aの傾斜の下方およびインク受け部32底面側のシート部材40bの傾斜の上方側には、それぞれシート部材1枚分の厚み(2mm)の空隙が形成されている。つまり、インク吸収材40の印刷ヘッド11に対向する面上には段差が生じており、傾斜の上方側のシート部材40a表面は印刷台13の支持面13aより若干(1mm程度)凹部底面側にあり、傾斜の下方側のシート部材40b表面はシート部材40a表面よりさらに凹部底面側に位置している。本実施の形態では、インク受け部32の深さ略5mm、各シート部材40a,40bの厚み略2mmであって、インク吸収材40におけるシート部材40a表面は印刷台13の支持面13aより若干(1mm程度)インク受け部32底面側にある。
【0037】
また、印刷ヘッド11側のシート部材40aは印刷ヘッド11と対向する領域、即ち図2に一点鎖線で示した2つの印刷領域60を含むように配置されている。
【0038】
なお、本発明に係るインク吸収材40の印刷ヘッド11との対向面上における第1の位置は、図3に示すシート部材40aが存在していない窪んだ領域にあり、さらに第2の位置は表面側のシート部材40aが存在している領域にある。本実施の形態では、第1の位置と印刷台13の支持面13aとの距離(略3mm)が、第2の位置と印刷台13の支持面13aとの距離(略1mm)より大きい。
【0039】
また、インク吸収材40を構成するシート部材40a,40bの材料としては、例えば樹脂の粒子を凝集することにより形成されたものや繊維からなるものなどが挙げられるが、インクを吸収し保持できるものであれば、様々な材料を選択してよい。
【0040】
また、図4に示すように、印刷台13における傾斜の下方側の下側には、上方が開放されたインク収容器50が配置されている。各インク受け部32の傾斜の下方側端部はそれぞれパイプ51に接続しており、6つのパイプ51はインク収容器50の中空空間に挿入されている。インク収容器50の下面からは1つのパイプ52が延出しており、インクタンク(図示せず)に接続されている。
【0041】
上述したように、印刷台13が副走査方向上流側から下流側に向かって斜め上方に傾斜しているため、インク吸収材40で保持されたインクは重力により傾斜の下方側、即ちパイプ51に接続している側に移動する。そしてインクはパイプ51を通り、インク収容器50内に収容され、さらにパイプ52を通ってインクタンク(図示せず)に回収される。つまり本実施の形態では、6つのインク受け部32に対して1つのインク収容器50を設けることにより、各インク受け部32で保持された不要なインクが1つのインク収容器50にまとめて回収されるようになっている。このような構成は、6つのインク受け部32それぞれに対してチューブ配管を設けるのに比べ、複雑な配管が不要なため組立作業が容易であり、省スペース化を図ることができる。
【0042】
以上に述べたように、本実施の形態のインクジェット式プリンタ1では、印刷台13が傾斜しているため、重力によりインクが傾斜の下方側に移動し、インク吸収材40の傾斜の下方側において許容範囲を超えた量のインクが導入される可能性が大きくなる。しかしこのような状況においても、インク吸収材40における傾斜の下方側および上方側において高低差が形成されていることにより、吸収されずにインク吸収材40の表面に残留したインクが用紙2,3の裏面に付着するのを防止することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、図3に示すように、インク吸収材40の印刷ヘッド11との対向面上における印刷領域に含まれる領域が印刷台13の支持面13aよりもインク受け部32底面側にあるため、吸収されずにインク吸収材40の表面に残留したインクが用紙2,3の裏面に付着するのを確実に防止することができる。
【0044】
また、インク受け部32が印刷台13の支持面13a上にて搬送される用紙2、3の幅方向端部に対応する位置(用紙2、3の幅方向両端部のうち外側の端部に対応する位置)を含むように設けられていることにより、いわゆる縁なし印刷を行うことができる。
【0045】
また、インク吸収材40が2枚のシート部材40a,40bを積層して構成されているため、インク吸収材40を容易に作製することができる。本実施の形態のように複数のシート部材40a,40bをシート平面方向にずらして積層する以外にも、例えば切欠きが形成されたシート部材を積層することにより、傾斜の下方側と上方側との間に印刷台13の支持面13aとの距離差を容易に形成することができる。
【0046】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能である。
【0047】
例えば、図3に示すインク吸収材40における印刷ヘッド11との対向面上における第1の位置、即ちシート部材40aが存在していない窪んだ領域が、例えば金属材などからなるカバー部材で覆われていてもよい。カバー部材を設けることによって、用紙2,3の裏面にインクが付着するのをより確実に防止することができる。
【0048】
また、上述の実施の形態ではインク吸収材40が2枚のシート部材40a,40bを積層して構成されているが、3枚以上のシート部材を積層して構成されてもよいし、複数のシート部材ではなく単体の材料を用い、その表面の一部に段差を設けて構成されてもよい。
【0049】
また、インク吸収材40の形状は、上述の実施の形態のように段差が形成されたもの以外に、傾斜の下方側に向けて傾斜したものであってもよい。
【0050】
また、インク吸収材40の印刷ヘッド11との対向面上における印刷領域に含まれる領域、即ちシート部材40aの表面は、必ずしも図3に示したように印刷台13の支持面13aに近く且つこれより若干インク受け部32底面側にあることに限定されない。ただし、印刷ヘッド11から吐出されるインクを効果的に吸収するには、インク吸収材40表面と印刷ヘッド11とをできるだけ近づけるのが好ましい。
【0051】
また、上述の実施の形態では縁なし印刷を行う場合を想定し、インク受け部32を用紙2,3の端部に対応する位置が含まれるよう形成しているが、これに限定されるものではなく、印刷台13におけるインク受け部32が形成される領域は様々であってよい。例えば用紙2,3に幅方向の切り取り線の印刷を想定する場合、その切り取り線に対応する位置を含むように、インク受け部32を形成してよい。
【0052】
また、本実施の形態では並列された用紙2、3に対して同時に印刷を行う構成になっているが、これに限定されず、1又は3以上の用紙に対して印刷を行う構成であってもよい。
【0053】
【発明の効果】
請求項1によると、印刷台が傾斜している場合においても、インク吸収材における傾斜の下方側と上方側との間に印刷台の支持面との距離差を形成することにより、吸収されずにインク吸収材の表面に残留したインクが印刷媒体の裏面に付着するのを防止することができる。
【0054】
請求項2によると、インク吸収材の表面に残留したインクが印刷媒体の裏面に付着するのを確実に防止することができる。
【0055】
請求項3によると、特に用紙の幅方向端部にも印刷可能ないわゆる縁なし印刷を行う場合に有効である。
【0056】
請求項4によると、インク吸収材を容易に作製することができる。
【0057】
請求項5によると、カバー部材によって印刷媒体の裏面にインクが付着するのをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るインクジェット式プリンタを示す概略構成図である。
【図2】図1のインクジェット式プリンタに含まれるインクジェット印刷ユニット近傍を示す平面図である。
【図3】印刷台のインク受け部についての図2のX−X線に関する断面図である。
【図4】図2のインクジェット印刷ユニットに含まれる印刷台およびその下方に配置されたインク収容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ
2、3 用紙(印刷媒体)
6 インクジェット印刷ユニット
11 印刷ヘッド
13 印刷台
32 インク受け部(凹部)
40 インク吸収材
40a,40b シート部材
50 インク収容器
Claims (5)
- 印刷媒体を支持するための傾斜した印刷台と、
前記印刷台の支持面に対向しつつ前記支持面上の印刷媒体に対してインクを吐出する印刷ヘッドとを備え、
前記印刷台の支持面における前記印刷ヘッドの印刷領域に少なくとも1つの凹部が形成され且つ前記凹部にはインク吸収材が内設されており、
前記インク吸収材の前記印刷ヘッドとの対向面上における第1の位置と前記印刷台の支持面との距離が、前記インク吸収材の前記印刷ヘッドとの対向面上において前記第1の位置よりも傾斜の上方側にある第2の位置と前記印刷台の支持面との距離より大きいことを特徴とするインクジェット式プリンタ。 - 前記インク吸収材の前記印刷ヘッドとの対向面上における前記印刷領域に含まれる部分が前記印刷台の支持面よりも前記凹部底面側にあることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式プリンタ。
- 前記印刷台における前記凹部が形成された領域が、前記印刷媒体の幅方向端部に対応する位置を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット式プリンタ。
- 前記インク吸収材が複数のシート部材を積層して構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット式プリンタ。
- 前記インク吸収材の前記印刷ヘッドとの対向面上の前記第1の位置がカバー部材で覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット式プリンタ。
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