JP3766951B2 - ポリマー碍子およびポリマー碍子の製造方法 - Google Patents

ポリマー碍子およびポリマー碍子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー碍子およびポリマー碍子の製造方法に関するものであり、より詳しくは、主として繊維強化プラスチックを芯材とするポリマー碍子およびそのポリマー碍子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、軽量、加工容易、高強度などの観点から、繊維強化プラスチック(以下、FRPと省略する。)等を芯材としたポリマー碍子の使用が普及されつつある。
【0003】
この種のポリマー碍子、たとえば、送配電用のラインポスト碍子などでは、ピンボルトを用いて電柱のアームに固定している。
【0004】
具体的には、以下のような方法によって製造および固定される。すなわち、まず、有底円筒形状の支持金具の底部に設けられた貫通状の孔部に、ピンボルトの軸部を挿入した後、この支持金具にFRPの芯材を挿入し、支持金具と芯材とをかしめて、つまり圧着することによって、ポリマー碍子を製造する。そして、支持金具から突出するピンボルトの軸部を、アームの取付孔に挿入した上で、軸部の先端にナットを螺着して、ポリマー碍子をアームに固定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように、ポリマー碍子を、支持金具の孔部に挿入されるピンボルトによって固定した場合には、支持金具の孔部からその内部に外気や雨水など湿気が浸入し、FRPからなる芯材が吸湿してしまい、芯材の劣化が進む等の不具合を生じる。
【0006】
一方、このような不具合を解決すべく、たとえば、図11に示すような構造を採用することも考えられる。図11に示す構造は、有底円筒形状の支持金具110の底部113に貫通状の孔部を形成せずに、支持金具110の底部113に直接雌ねじ130を形成して、この雌ねじ130にピンボルト120を螺着したものである。
【0007】
しかし、図11に示す碍子は、支持金具110の底部に雌ねじ130を形成するため構造が複雑となり、また、支持金具110とピンボルト120との連結強度を考慮すると、雌ねじ130を深く形成することを要するので、支持金具110の底部を厚く大きくする必要があり、そのため、碍子自体が重たくなり、また、ラインポスト碍子のように上端部を固定せずに下端部のみをアームに固定させる場合には、上端部に連結される電線からの力によって作用する回転モーメントが大きくなるという不具合をも有している。
【0008】
本発明は、上記した不具合に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、芯材の湿気の吸湿による劣化等を防止でき、しかも簡易な構成で容易に製造することができ、さらには、確実な取付状態を維持することのできるポリマー碍子、およびそのポリマー碍子の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、プラスチック製の芯材と、該芯材の端部が挿着される筒部を有する支持部材と、該支持部材の底部に取り付けられる固定部材とを備えた、ポリマー碍子であって、前記固定部材には軸部が備えられるとともに、前記支持部材の底部には孔部が穿設され、前記軸部が前記孔部に挿入されるとともに、前記支持部材には、前記孔部から前記筒部内部への湿気の浸入を防止するためのシール手段が設けられていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、外気や雨水等の湿気が支持部材の底部の孔部から筒部内部に浸入しようとしても、支持部材に設けられたシール手段によってその浸入が阻止される。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定部材の軸部の端部には、前記支持部材の底部に係止され得る係止部が設けられており、前記シール手段が、前記固定部材の係止部と前記支持部材の底部との間に介在されていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、固定部材の係止部と支持部材の底部との間に介在するシール部材が湿気の浸入を阻止する。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記支持部材に対する前記固定部材の回動を規制しつつ、前記支持部材と前記固定部材とを固定するための回動規制手段をさらに備えていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、回動規制手段によって支持部材と固定部材との相対的な回動が規制されながら、支持部材と固定部材とが固定される。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記固定部材の係止部は、前記支持部材の筒部内周面との間に所定の隙間が形成されるような隙間形成部分を有しており、該隙間形成部分と前記筒部内周面との間に形成された隙間に、流動性を有する固定用素材が充填固化され、これによって前記回動規制手段が構成されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、支持部材の底部の孔部に固定部材の軸部を挿入した後、固定部材の係止部の隙間形成部分と支持部材の筒部内周面との間に形成される隙間に固定用素材を充填して固化することにより、回動規制手段を簡易に構成することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記固定部材の係止部と前記支持部材の底部とによって前記シール手段が圧接された状態で、前記固定用素材が充填固化されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成によると、固定用素材が充填固化された直後から、支持部材の底部の孔部から筒部内部への湿気の浸入が阻止される。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、プラスチック製の芯材と、該芯材の端部が挿着される筒部および孔部が形成される底部を有する支持部材と、該支持部材の底部の孔部に挿入される軸部および該底部に係止され得る係止部を有する固定部材とを備えたポリマー碍子の製造方法であって、シール手段が前記固定部材の係止部と前記支持部材の底部との間に介在されるように、前記固定部材の軸部を前記支持部材の底部の孔部に挿入する工程と、前記固定部材の係止部と前記支持部材の底部との間に介在された前記シール手段を圧接しつつ、前記固定部材と前記支持部材とを固定する工程と、前記芯材を前記支持部材の筒部に挿入して、前記支持部材の筒部と前記芯材とを圧着する工程とを備えていることを特徴としている。
【0020】
このような構成によると、シール手段が圧接された状態において固定部材と支持部材とが固定されているので、その固定された直後から支持部材の底部の孔部から筒部内部への湿気の浸入が阻止される。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のポリマー碍子の一実施形態を示す一部断面を含む全体構成図、図2は、図1において芯材を除いた状態での要部拡大図、図3は、図1におけるシール部材の平面図、図4は、図3におけるA−A線断面図である。
【0022】
このポリマー碍子は、ラインポスト碍子として使用されるものであって、図1および図2に示すように、中実円柱状に形成されたFRP製の芯材1と、この芯材1の上端部が挿着された、つまり、挿入状態で取り付けられた電線保持金具5と、この芯材1の下端部が挿着された、つまり、挿入状態で取り付けられた支持部材としての有底円筒形状の支持金具10と、ナット41の螺着により電柱のアーム40に固定するための固定部材としてのピンボルト20とを備えている。
【0023】
芯材1には、その長さ方向にわたってカバー3が外嵌されている。このカバー3は、シリコーンゴムからなり、径方向外方に突設された、かさ状の突設部3aが所定の間隔を隔てて複数形成されている。
【0024】
支持金具10は、その中央部に円形の孔部11が貫通状に形成された円板状の底部13と、この底部13の周端から連続して円筒状に立ち上がる筒部15とを備えている。なお、底部13と筒部15とは、一体的に形成されている。
【0025】
筒部15は、その内周面が孔部11と同心の円柱状に形成された底部側端部17と、芯材1とともにかしめられる、つまり圧着される、かしめ部18と、芯材1の端部およびカバー3の端部が挿入される開口側端部19とを備えている。
【0026】
ピンボルト20は、孔部11に挿入される棒状の軸部21と、この軸部21の一端に設けられ、軸部21よりも大径とされる係止部としての頭部23とから構成されている。軸部21には、その遊端部に、ナット41が螺着可能な雄ねじ21aが刻設されている。また、頭部23は、孔部11よりも大きい外径を有し、その外周面は、図2(A)に示すように、底部側端部17の内周面と略対応した略円形に形成されている。さらに、その外周面の一部には、底部側端部17の内周面との間に所定の隙間を形成すべく隙間形成部分としての平面部24が形成されている。なお、頭部23の外周面は、この平面部24以外の外周面においても若干の隙間が形成されるよう、底部側端部17の内周面よりも若干小さく形成されている。また、頭部23の底面は、対向する支持部材10の底部13の上面、つまり内面と略対応する形状に形成されており、具体的にはいずれも軸方向に垂直な平面で形成されている。
【0027】
支持金具10の底部13の上面とピンボルト20の頭部23の底面との間には、リング状のシール手段としてのシール部材30が介在されている。このシール部材30は、図3および図4にも示すように、リング状のファスナーシールとして構成されており、その中央の穿設孔31がピンボルト20の軸部21よりも大きくかつ頭部23よりも小さく形成されている。また、その外径は、支持金具10の底部側端部17の内周面よりも若干小さく形成されている。なお、このシール部材30は、リング状の軟鋼30aの内周面にリング状の合成ゴム30bが嵌め込まれることによって構成されている。
【0028】
そして、シール部材30が支持金具10の底部13とピンボルト20の頭部23とによって圧接された状態で、頭部23の平面部24と底部側端部17の内周面との間に形成される所定の隙間に、回動規制手段(固定用素材)としての樹脂27が充填固化されることによって、支持金具10とピンボルト20との相対的な回動が規制された状態で、支持金具10とピンボルト20とが固定されている。
【0029】
図5は、本実施形態のポリマー碍子の要部構成の分解側面図、図6ないし図10は、このポリマー碍子の製造工程の説明図である。次に、本実施形態のポリマー碍子の製造方法について、図5ないし図10を参照して説明する。
【0030】
この製造方法は、支持金具10の底部13とピンボルト20の頭部23との間にシール部材30が介在するように、孔部11に軸部21を挿入する工程(挿入工程)と、この工程の後にシール部材30を圧接しつつ、支持金具10の底部側端部17とピンボルト20の頭部23との隙間に未硬化の樹脂27を充填して固化する工程(充填固化工程)と、支持金具10に芯材1を挿入し支持金具10の筒部15のかしめ部18を芯材1とともにかしめる工程(圧着工程)とを備えている。
【0031】
挿入工程においては、図5および図6に示すように、ピンボルト20の軸部21をシール部材30の穿設孔31に挿入した後、この軸部21を支持金具10の筒部15側から孔部11に挿入して、支持金具10の底部13の上面とピンボルト20の頭部23の底面との間にシール部材30を介在させる。なお、シール部材30を支持金具10の底部13の上面に載置した後に、ピンボルト20の軸部21をシール部材30の穿設孔31および支持金具10の孔部11に挿入してもよい。
【0032】
充填固化工程においては、図7に示すように、孔部11から下方に突出したピンボルト20の軸部21にパイプ状の圧着用治具45を外嵌装着して、この圧着用治具45の一端が支持部材10の底部13の下面と当接し、他端がナット41の上面と当接するような状態で、ピンボルト20の雄ねじ21aにナット41を螺着して締め込む。これによって、支持金具10の底部13の上面とピンボルト20の頭部23の底面とにより、その間に介在されているシール部材30が挟み付けられて圧接される。
【0033】
そして、図8に示すように、この圧接状態で支持金具10の底部側端部17の内周面とピンボルト20の頭部23の外周面との間の隙間に未硬化の樹脂27を充填固化して、支持金具10とピンボルト20とを固定する。なお、この樹脂27の充填は、ピンボルト20の頭部23の平面部24と支持金具10の底部側端部17の内周面との間の所定の隙間のみならず、頭部23の平面部24以外の外周面との隙間にも充填する。
【0034】
そして、ナット41を螺脱して圧着用治具45を離脱した後、図9に示すように、支持金具10に開口側端部19から芯材1およびカバー3の端部を挿入し、支持金具10の筒部15のかしめ部18を芯材1とともにかしめる(図9において、かしめた時の圧着力が加わる方向を太線矢印で示している。)。なお、開口側端部19からの芯材1およびカバー3の挿入においては、カバー3を、開口側端部19の内周面に形成される段部まで挿入するとともに、芯材1をピンボルト20の頭部23に当接するまで挿入する。
【0035】
また、芯材1およびカバー3の挿入ならびにかしめは、充填固化工程において樹脂27が固化している段階で行うこともできる。また、電線保持金具5は、予め心材1の上端部に挿着されているものを用いてもよく、また、これらの工程の途中ないしは後の工程で別途取り付けてもよい。
【0036】
このようにして製造されたポリマー碍子は、図10に示すように、その他必要により、腕金60を取り付けて、支持金具10の孔部11から下方に突出したピンボルト20の軸部21を、電柱のアーム40の取付孔43に挿入した後に、このアーム40の上端が支持部材10の底部13の下面と当接し、他端がナット41の上面と当接するようにして、雄ねじ21aにナット41を螺着することで、アーム40に固定して使用される。
【0037】
このようなポリマー碍子にあっては、外気や雨水等の湿気が支持金具10の底部13の孔部11から浸入しようとしても、支持金具10の底部13の上面とピンボルト20の頭部23の底面との間にシール部材30が介在されているので、筒部15内部への湿気の浸入が確実に阻止できて、芯材1の吸湿を防止することができる。そのため、芯材1の吸湿による劣化を防止することができ、ポリマー碍子の信頼性を向上させることができる。特に、シール部材30としてリング状の部材が用いられているので、軸部21の外周全方向にわたってシールすることができるので、より確実なシールを確保することができる。
【0038】
また、支持金具10とピンボルト20との連結構造が図11に示すような碍子に比較して簡易なため、小型化、作業性の向上、コストの低減が図られる。さらに、アーム40に固定して電線保持金具5に電線を取り付けた状態においては、電線の張力により回転モーメントが作用するが、本実施形態のポリマー碍子では、全体の小型化が図られているので、図11に示すような碍子に比べて回転モーメントが小さく、確実に固定状態を維持できる。
【0039】
また、充填固化された樹脂27によって、支持金具10とピンボルト20は、相対的な回動が規制された状態で固定されるので、両者の結合状態が確実に維持されるとともに、支持金具10とピンボルト20との相対的な回動によるシール部材30の劣化を防止することができる。さらに、アーム40への固定作業および離脱作業においては、ナット41を螺脱着する際のピンボルト20の空回りを防止することができ、その作業性を向上させることができる。しかも、ピンボルト20の頭部23の平面部24と支持金具10の底部側端部17の内周面との間の所定の隙間に樹脂27を充填固化することにより、支持金具10とピンボルト20とを固定したので、簡易かつ低コストで両者の相対的な回動を規制しつつ固定することができる。
【0040】
しかも、本実施形態においては、ピンボルト20の頭部23の平面部24と支持金具10の底部側端部17の内周面との所定の隙間のみならず、頭部23の平面部24以外の外周面と支持金具10の底部側端部17の内周面との隙間にも樹脂27が充填されているので、この樹脂27によっても湿気の浸入の防止が図られている。
【0041】
また、シール部材30が圧接された状態で樹脂27が固化される、つまり支持部材10とピンボルト20とはシール部材30が圧接された状態で固定されているので、その固化された直後から、支持金具10の底部15の孔部11から筒部15内部への湿気の浸入が阻止されるため、アーム40に取り付ける前においても孔部11から筒部15内部への湿気の浸入を防止できる。
【0042】
本実施形態は上記のような構成からなるので、その構成による利点を有したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲で適宜設計変更可能である。
【0043】
つまり、本発明において、芯材1はFRPに限定されるものではなく、その他のプラスチック製の芯材をも用いることができる。
【0044】
また、本発明は、上記に述べたような構造が適用できるものでれば、ラインポスト碍子に限定されず、他の種類の碍子に適宜適用することができる。
【0045】
さらに、シール部材30もファスナーシールに限定されるものではなく、その他シールワッシャ等、種々のシール部材30を用いることができる。
【0046】
また、シール部材30の取付方法も上記のものに限定されるものではなく、たとえばピンボルト20の頭部23に予めシール部材30を貼る等の手段を用いてもよい。
【0047】
さらに、回動規制手段は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、ピンボルト20の頭部23に、その外周面から突出する突出部を設けるとともに、支持部材10の底部側端部17の内周面にその突出部と係合する溝部を設ける等の構造を用いてもよい。但し、上記実施形態のように、未硬化の樹脂27の充填固化により回動規制手段を構成することにより、支持部材10およびピンボルト20の構造の簡素化が図れるとともに、製造作業の簡易化を図ることができる。また、上記実施形態の如く樹脂を用いることで、ポリマー碍子の軽量化を図ることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、シール手段によって支持部材の筒部内部への湿気の浸入が阻止されて、芯材の吸湿が防止される。そのため、芯材の吸湿による劣化を防止することができ、ポリマー碍子の信頼性を向上させることができる。また、支持部材の底部に別途連結手段を設ける等せずに、芯材の防湿を簡易な構成で行なえて、小型化、作業性の向上、コストの低減が図られる。さらに、全体としての小型化が図られるため、支持部材の一端側のみをアーム等に固定する場合であっても回転モーメントが小さく、確実に取付状態を維持できる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、固定部材の係止部と支持部材の底部との間に介在するシール部材が湿気の浸入を阻止するので、より確実に芯材の吸湿を防止でき、より信頼性を向上させることができる。
【0050】
請求項3に記載の発明によれば、回動規制手段により支持部材に対する固定部材の回動が規制された状態で支持部材と固定部材とが固定されるので、両者の連結状態を確実に維持できるとともに、両者の相対的な回動によるシール手段の劣化を防止することができる。しかも、固定手段の軸部にナット等を螺着してアーム等に固定する場合にあっては、この固定作業時あるいは離脱作業時に支持部材と固定部材との空回りがなく、その作業性を向上させることができる。
【0051】
請求項4に記載の発明によれば、固定部材の係止部の隙間形成部分と支持部材の筒部内周面との間に形成される隙間に固定用素材を充填固化することにより、簡易に回動規制手段を形成できるので、製造コストの低減をより図ることができる。
【0052】
請求項5に記載の発明によれば、固定用素材が充填固化された直後から、支持部材の底部の孔部から筒部内部への湿気の浸入が阻止されるので、アーム等に取り付ける前においても孔部から筒部内部への湿気の浸入を防止できる。したがって、芯材の吸湿による劣化をより確実に防止することができ、ポリマー碍子の信頼性をより向上させることができる。
【0053】
請求項6に記載の発明によれば、シール手段が圧接された状態において固定部材と支持部材とが固定されているので、その固定された直後から支持部材の底部の孔部から筒部内部への湿気の浸入が阻止される。そのため、アーム等に取り付ける前においても孔部から筒部内部への湿気の浸入を阻止できる。
【0054】
また、支持部材の底部に別途連結手段を設ける等せずに、芯材の防湿を簡易な構成により行なえて、小型化、作業性の向上、コストの低減が図られる。さらに、全体として小型化が図られるため、支持部材の一端側のみをアーム等に固定する場合であっても回転モーメントが小さく、確実に取付状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマー碍子の一実施形態を示す一部断面を含む正面図である。
【図2】図1における芯材を除いた状態での要部拡大図であって、(A)は断面平面図、(B)は断面側面図である。
【図3】図1におけるシール部材の平面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】図1のポリマー碍子の要部構成の分解側面図である。
【図6】図1のポリマー碍子の製造工程を説明するための要部断面側面図である。
【図7】図1のポリマー碍子の製造工程を説明するための要部断面側面図である。
【図8】図1のポリマー碍子の製造工程を説明するための要部断面側面図である。
【図9】図1のポリマー碍子の製造工程を説明するための要部断面側面図である。
【図10】図1のポリマー碍子がアームに取り付けられた状態を示す側面図である。
【図11】支持金具の底部に直接雄ねじを形成して、この雄ねじにピンボルトを取り付けるように構成した構造を説明するための要部断面側面図である。
【符号の説明】
1 芯材
10 支持金具
11 孔部
13 底部
15 筒部
20 ピンボルト
21 軸部
23 頭部
24 平面部
27 樹脂
30 シール部材

Claims (6)

  1. プラスチック製の芯材と、該芯材の端部が挿着される筒部を有する支持部材と、該支持部材の底部に取り付けられる固定部材とを備えた、ポリマー碍子であって、
    前記固定部材には軸部が備えられるとともに、前記支持部材の底部には孔部が穿設され、
    前記軸部が前記孔部に挿入されるとともに、前記支持部材には、前記孔部から前記筒部内部への湿気の浸入を防止するためのシール手段が設けられていることを特徴とする、ポリマー碍子。
  2. 前記固定部材の軸部の端部には、前記支持部材の底部に係止され得る係止部が設けられており、前記シール手段が、前記固定部材の係止部と前記支持部材の底部との間に介在されていることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー碍子。
  3. 前記支持部材に対する前記固定部材の回動を規制しつつ、前記支持部材と前記固定部材とを固定するための回動規制手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー碍子。
  4. 前記固定部材の係止部は、前記支持部材の筒部内周面との間に所定の隙間が形成されるような隙間形成部分を有しており、該隙間形成部分と前記筒部内周面との間に形成された隙間に、流動性を有する固定用素材が充填固化され、これによって前記回動規制手段が構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のポリマー碍子。
  5. 前記固定部材の係止部と前記支持部材の底部とによって前記シール手段が圧接された状態で、前記固定用素材が充填固化されていることを特徴とする、請求項4に記載のポリマー碍子。
  6. プラスチック製の芯材と、該芯材の端部が挿着される筒部および孔部が形成される底部を有する支持部材と、該支持部材の底部の孔部に挿入される軸部および該底部に係止され得る係止部を有する固定部材とを備えたポリマー碍子の製造方法であって、
    シール手段が前記固定部材の係止部と前記支持部材の底部との間に介在されるように、前記固定部材の軸部を前記支持部材の底部の孔部に挿入する工程と、
    前記固定部材の係止部と前記支持部材の底部との間に介在された前記シール手段を圧接しつつ、前記固定部材と前記支持部材とを固定する工程と、
    前記芯材を前記支持部材の筒部に挿入して、前記支持部材の筒部と前記芯材とを圧着する工程とを備えていることを特徴とする、ポリマー碍子の製造方法。
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