JP3766809B2 - シート供給システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積み重ねられたシートを枚葉毎に所定の位置に供給するシート供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば複数の帳票等のシートを丁合して封筒に封入し、封緘することを自動的に行うようになってきている。この際、封入封緘のための搬送路にシートを枚葉毎にフィードする供給装置が設けられるもので、シートが複数種ある場合には供給装置が種類毎に所定数設けられる。このようなシートの供給装置においては、シートが重なった状態で供給されないことが基本的な課題となっている。
【0003】
従来、積み重ねられたシートを枚葉毎にフィードする方法として当該シートを上下より送りローラを互いに反対方向に回転させることが知られているが、ローラ汚れによるメンテナンスが必要であることから、メンテナンスフリーのバキューム方式のロータリーフィーダも使用されてきている。このバキューム方式のロータリーフィーダは、ステージ上に供給対象のシートが積み重ねられるもので、最下方のシートから抜き取りつつシート送りを行わせるために、当該抜き取りを行う一部分が当該ステージよりはみ出した状態で積み重ねられる。そして、下方から上記ステージよりはみ出した部分でバキュームにより吸引して抜き取り、これをロータリーフィーダに把持させて搬送ベルトで所定位置まで搬送させることでシート供給を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、所定数のシートが積み重ねられて下方から順次供給されることから、供給対象のシートとその上のシートとが、積み重ねの重さや摩擦、密着等により重なった状態でバキュームにより吸引されて、いわゆるダブルフィードされる場合があり、その都度装置を停止させて取り除く作業をしなければならず、歩留りの低下、効率の低下を招くという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、重送を防止して歩留りの向上、シート供給効率の向上を図るシート供給システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、所定数のシートが積み重ねられて、枚葉毎に所定部所に供給するシート供給システムであって、所定数積み重ねられた前記シートを載置させ、下方のシートを供給対象として位置させる載置台と、前記載置台に対し、前記積み重ねられたシートのうち、少なくとも供給対象のシートを含めたシート群より当該供給対象シートを枚葉とさせるための超音波振動を付与させる振動付与手段と、少なくとも、前記載置台に積み重ねられたシートの残量を認識し、当該残量に応じて、前記振動付与手段による振幅を順次減少させるべく制御する制御手段と、前記載置台上の供給対象シートを枚葉毎に保持しながら搬送して、前記供給する所定部所に案内する案内機構手段と、を有する構成とする。
【0007】
請求項2の発明では、「前記制御手段は、前記振動付与手段による振幅を順次減少させるための前記載置台に載置されているシートの残量を認識するにあたり、順次供給されるシートをカウントし、または積み重ね高さのレベルを検出し、または前記シート供給開始より計時する」構成である。
【0008】
このように、所定数のシートが積み重ねられた載置台に対し、好ましくは超音波による対応振幅の振動を積み重ねられているシート量に応じて付与することで少なくとも供給対象のシートを含めたシート群より当該供給対象シートを枚葉とさせ、載置台上の供給対象シートを枚葉毎に保持しながら搬送して、所定部所に案内させる。すなわち、載置台に対するシート量に応じて効率的に振動付与して枚葉状態とさせることで供給対象シートと少なくともその上のシートとの摩擦や密着状態を、載置台に不必要な振動を与えずに回避させるもので、これにより重送りが防止されることから、歩留りの向上、シート供給効率の向上を図ることが可能となるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係るシート供給システムにおける第1実施形態の構成図を示す。図1(A)は概念構成図、図1(B)は概念平面図である。図1(A)、(B)において、シート供給システム11は、載置台12上にガイド部13A,13B,14A,14Bが設けられ、当該載置台12の下部にブースタ15A、ホーン15B、振動子16で構成される振動付与手段が設けられる。これら振動付与手段は駆動制御手段17によりその駆動電流で振幅が制御される。
【0010】
また、ガイド部13A、13Bのガイド面の近傍に押えピン18A,18Bが設けられる。そして、載置台12上であって、ガイド部13A,13B,14A,14Bでガイドされて供給対象のシート19が所定数積み重ねられる。そして、載置台12に載置されたシート19群の最下方より供給される供給対象シートをカウントするカウント手段20が設けられるもので、当該カウント手段20、上記振動付与手段および上記駆動制御手段17により制御手段を構成する。ここで、シート19は、帳票、パンフレット、伝票等の枚葉単位で供給する総てのものを対象とし、その材質は紙、フィルム等で作製されたものである。
【0011】
上記載置台12は、所定数積み重ねられたシート19を、その先端部分の一部をはみ出させた状態で載置させる。ガイド部13A,13Bは当該シート19の一部を当該載置台12より所定量はみ出させるように規制するもので、ガイド部14A,14Bは当該シート19の大きさに応じて可動自在とされる。上記押さえピン18A,18Bは、シート19の載置台12よりはみ出した部分で下方より調整自在に押さえるもので、ここでは所定間隔で2つ設けられる。この押えピン18A,18Bは、後述する吸引保持手段により抜き取り易いように、そのシート19側への突出量が調整されるものである。
【0012】
上記ブースタ15A、ホーン15B、振動子16で構成される振動付与手段は、載置台12に対し、積み重ねられたシートのうち、少なくとも供給対象のシート19を含めたシート群より当該供給対象シート19を枚葉とさせるための超音波振動を付与させるもので、上記駆動制御手段17によりその振幅に応じた駆動電流により駆動される。すなわち、振動子16は、駆動制御手段17からの交流信号に応じて所定周波数の超音波をシート残量対応の振幅で発生するもので、これがブースタ15Aで増幅され、ホーン15Bで上記載置台12に対して収束させるものである。
【0013】
そして、上記駆動制御手段17は、載置台12に積み重ねられたシート量を上記カウント手段20からのカウント数に基づいて認識し、当該シート量に応じて、上記振動付与手段による振幅の程度を制御する(図2で説明する)。また、カウント手段20は、例えば載置台12上のシート19のはみ出し部分の近傍に上記カウント手段20が配置されるもので、例えば反射式または透過式の光センサや、機械式のマイクロスイッチ等を適用することができる。
【0014】
一方、載置台12の下方に、吸着駆動手段21、吸着パッド22、回転フィード手段である回転ドラム23A,23B、フィンガ24、供給供給搬送ベルト25A,25B,26A,26Bで構成される案内機構手段が設けられる。この案内機構手段は、載置台12上の供給対象シート19を枚葉毎に保持しながら搬送して、供給する所定部所に案内するものである。ここで、吸着駆動手段21は吸着パッド22と連通して吸引保持手段を構成し、当該吸着パッド22による吸着のための空気を圧縮すると共に、当該吸着パッド22を上下動させる。この吸着パッド22は、上記載置台12上に積み重ねられて載置された所定数のシート19のはみ出し部分の下方に位置されるもので、最下の供給対象のシート19を吸着する。
【0015】
また、回転ドラム23は、供給搬送ベルト25A,25Bにより回転駆動されるもので、フィンガ24が取り付けられ、その回転位置によって当該フィンガ24で把持させるための開閉を行わせる図示しない機構を備える。この回転ドラム23およびフィンガ24により回転フィード手段を構成する。
【0016】
上記フィンガ24は、上記吸着パッド22で吸着したシート19が下降したときに上記回転ドラム23の回転位置に応じて当該シート19を把持して、さらに当該回転ドラム23が所定の回転位置(供給供給搬送ベルト26A,26B付近)に来たときに開放することで供給搬送ベルト26A,26Bにフィードさせ、当該供給搬送ベルト25A,25B,26A,26B間で把持させるためのものである。そして、供給搬送ベルト25A,25B,26A,26Bは、フィンガ24で案内されたシート19を所定部所に供給するものであり、当該供給搬送ベルト25A,25B,26A,26Bにより搬送手段を構成する。
【0017】
ここで、図2に、図1の駆動制御手段のブロック構成図を示す。図2において駆動制御手段17は、制御処理手段31、インタフェース(IF)32、データ記憶手段33、演算手段34、振動制御手段35、入力手段36および表示手段37を適宜備える。上記制御処理手段31は、少なくとも載置台12への振動付与を統括的に制御する。ここで、上記IF32は、少なくとも上記カウント手段20からのカウントデータを取得し、振動子16に対して振動させるための対応周波数および電流の駆動制御信号を送出する。
【0018】
上記データ記憶手段33は、後述する設定入力による初期設定を記憶する。初期設定には、例えばシートの種類等(例えば、大きさ、厚さ、重さ、表面処理状態、載置枚数等)がある。また、データ記憶手段33は、上記設定対象のシート種類毎に応じたシート量(残量枚数)と振動させる振幅電流とが関連付けられた、例えばテーブルを予め記憶する(一例を図4で説明する)。上記演算手段34は、初期設定されたシート載置枚数とカウント手段20からのカウントデータとから載置台12上のシート量(残量)を演算して認識する。
【0019】
上記振動制御手段35は、演算手段34で演算されたシート量(残量)に応じて当該データ記憶手段33より読み取られた振動周波数および振幅電流値に基づいた駆動制御信号を生成し、IF32を介して振動子16に送出する。すなわち、振動制御手段35は、例えば17KHz〜100KHzの範囲内で交流信号を発生させる発信回路等を備えるもので、この周波数範囲のうち供給すべき振動周波数がホーン15Bに応じて選択され、一方でシート残量に対応した振幅電流値の駆動制御信号を生成するものである。
【0020】
上記入力手段36は、例えばキーボードより上記初期設定を入力するもので、当該入力された初期設定を上記データ記憶手段33に記憶させるためのものである。また、上記表示手段37は、必要に応じて適宜備えられるもので、少なくとも、上記入力手段36を介して初期設定を入力する際に適宜表示させるためのものとして使用される。
【0021】
そこで、図3に、図1の振動付加によるシート状態の説明図を示す。なお、図3は原理の説明を容易とするために誇張した図としている。図3において、上述のように、所定数のシート19が載置台12上でガイド部13,14によりガイドされて積み重ねられ、当該載置台12よりはみ出した先端部分を押えピン18により抜き取りやすいように調整されて押えられている。そこで、駆動制御手段17が所定の周波数およびシート残量対応の振幅で交流信号を発生させて振動子16を発信させ、これをブースタ15Aで増幅させてホーン15Bにより収束させて載置台12を振動させる。
【0022】
上記載置台12が振動すると積み重ねられたシート19も図に示すように振動することとなり、少なくとも最下方の供給対象のシート19とその上に位置されたシート19とが互いの振動でその間に空気層が生じることとなり、例えば密着状態のときには当該密着状態が解かれ、また、当該供給対象のシート19を引き抜くときの互いの摩擦状態が低下する。このことによって、積み重ねられたシート群の最下方のシート19をダブルフィードせずに枚葉で引き抜いて供給させることができるものである。
【0023】
続いて、図4に、本発明に係るシート供給システムにおけるシート残量枚数に応じた振幅電流の関係の説明図を示す。図1に示すシート供給システム11において、一例として、単一のシート19が{W×D=210mm×96mm}で厚さ79μm、重量1.36gの上質紙をシートAとして、例えば500枚(高さ約220mm)載置台12上に積み重ねる。また、別の例として、単一のシート19が{W×D=211mm×101mm}で厚さ68μm、重量1.71gの上質紙をシートBとして、例えば500枚(高さ約330mm)載置台12上に積み重ねる。そして、積み重ねられたシートAまたはシートBの最下方より順次供給する場合、当該載置台12のはみ出し部分より吸着パッド22により抜き取られて回転ドラム23に送られる毎にカウント手段20がカウントする。
【0024】
カウントデータが駆動制御手段17に入力されると演算手段34が、初期の載置枚数より当該入力されたカウント数を減算することで、載置台12上のシート19の残量(枚数)が認識される。そして、認識された残量(枚数)に応じて、図4(A)、(B)に示すように、所定枚数単位毎に振幅電流値を順次減少させるような、当該振幅電流値I[mA]が特定され、この振幅電流値に応じた駆動制御信号が振動制御手段35により生成されて振動子16に出力されるものである。すなわち、図4(A)、(B)に示すような残量枚数と振幅電流値I[mA]との関係が、一の対象シートのものとしてシート種類毎に上記データ記憶手段33に記憶されているものである。なお、振動子16に対して駆動制御信号を変化させる場合として、図4(A)、(B)に示すように、供給シートの所定枚数(例えば10枚、50枚、100枚等)毎の単位で行うことで充分であるが、供給シート1枚毎に変化させることを排除するものではない。なお、シート残量が1枚になったときには振動付与を停止させてもよい。
【0025】
そして、図5に、図1のシート供給システムにおけるシート供給の基本動作の説明図を示す。ここでは、シート19をフィードし、搬送する基本的な動作を示すもので、シート供給中の載置台12への振動付与に関する説明部分は省略してある。まず、図3に示すように、駆動制御手段17より所定周波数の振動制御信号が振動子16に出力されて載置台12を図4に示す振幅電流により順次振動付与する。
【0026】
そこで、図1(A)に示す吸着パッド22の位置より、吸着駆動手段21により当該吸着パッド22を上昇させて、載置台12上に積み重ねられたシート群の最下方の供給対象のシート19を当該吸着パッド22で吸引、吸着を行う(図5(A))。続いて、図5(B)に示すように、吸着パッド22を下降させることで当該供給対象のシート19の先端が当該載置台12のはみ出し部分より引き抜かれる状態となり、図5(C)に示すように、下降によりその先端がフィンガ24部分に位置されたときに当該フィンガ24に把持させる。
【0027】
フィンガ24によるシート19の把持後には、上記吸着パッド22の吸着状態が解除され、回転ドラム23を回転させると共にフィンガ24の回転(下降)により当該シート19を供給搬送ベルト26A,26Bと当接する部分までフィードさせることにより、図5(D)に示すように供給搬送ベルト25A,25Bと供給搬送ベルト26A,26Bとに挾持させる。挾持されたシート19は、図5(E)に示すように、供給搬送ベルト25A,25B,26A,26Bにより挾持状態で回転ドラム23に沿ってフィードされる。このとき、吸着パッド22は上昇して次の供給対象のシート19を図5(A)と同様に吸着する。
【0028】
そして、図5(F)に示すように、先の供給対象シート19は、供給搬送ベルト25A,25B,26A,26Bにより挾持された状態で搬送され、所定部所に排出される。このとき、吸着パッド22は、図5(B)、(C)と同様に、次の供給対象シート19を吸着して下降を開始することで上記のフィード、搬送が、シート19がなくなるまで繰り返されるものである。
【0029】
上記のように枚葉のシート19が供給される毎に、カウント手段20でカウントされ、このカウントデータが駆動制御手段17に入力されることで、載置台12上のシート量が認識され、これに応じて図4に示す傾向に従って載置台12に対応振幅で振動付与されるものである。
【0030】
このように、載置台12への対応振幅の振動付与をシート量に応じて変化させることによって、載置台12に対して不必要な振幅を与えずに当該載置台12を効率的に超音波振動させて供給対象シート19と少なくともその上のシート19との摩擦や密着状態を回避させることができるもので、これによりダブルフィードと称される重送が防止され、歩留りを向上させることができると共に、シート供給の効率を向上させることができるものである。ところで、従前では、重送したものを、超音波を用いてその反射を測定することにより検出することが知られているが、本発明は供給対象のシートを振動させて重送自体を防止させるためのものである。
【0031】
なお、上記実施形態では、載置台12上のシート量を認識するにあたり、カウント手段20を当該載置台12のはみ出し部分近傍に設けてシート残量を認識させたものとして説明したが、吸着パッド22の下降動作を吸着駆動手段21においてカウント等することにより、上記カウント手段20によるカウントと同様とすることができ、これによってもシート残量を認識させることもできるものである。この場合、駆動制御手段17は吸着駆動手段21より上記吸着パッド22の下降動作毎のカウントデータを入力させればよい(後述の図7(A)と同一構成となる)。
【0032】
次に、図6に、本発明に係るシート供給システムにおける第2実施形態の構成図を示す。図6に示すシート供給システム11は、図1に示すカウント手段20に替えて、例えば載置台12上に積み重ねられるシート群の上方にレベル検出手段40を設けたもので、他の構成は図1と同様である。すなわち、シート19が順次供給されているときに、上記レベル検出手段40で積み重ね高さが検出されると、上記演算手段32において当該検出データと上記データ記憶手段33に記憶された初期設定におけるシートの厚さから算出される初期の積み重ね高さとが演算比較(減算)されることで、当該載置台12上のシート残量を認識することができるものである。
【0033】
上記レベル検出手段40としては、例えば赤外線、レーザ、超音波等を使用した反射型センサが適用することができ、上述のように振動子16に対して駆動制御信号を変化させる場合として、供給シートの所定枚数毎の単位で行う場合に有効である。このように、載置台12に載置されているシート量(残量)の認識をレベル検出手段40で行うこととしても、上記同様に載置台12に対するシート量に応じた効率的な対応振幅の振動付与によるシート間の摩擦や密着状態による重送を防止させることができ、歩留りの向上、シート供給効率の向上を図ることができるものである。
【0034】
次に、図7に、本発明に係るシート供給システムにおける第3実施形態の構成図を示す。図7(A)は概略構成図、図7(B)は駆動制御手段17のブロック構成図である。図7(A)、(B)に示すシート供給システム11は、載置台12に載置されているシート量(残量)を認識させる手段として、図1に示すカウント手段20ではなく、シート供給開始より時間を計測させることとしたものである。ここで、駆動制御手段17は、システム全体を統括的に駆動制御するものとして構成されるもので、吸着駆動手段21を駆動させるための吸着制御手段41、シート供給開始より時間を計測する計時手段42を備えるものとするが、回転ドラム23、搬送ベルト25,26等の駆動制御のブロックは省略してある。
【0035】
上記駆動制御手段17において、上記データ記憶手段33に上記初期設定(シート19の大きさ等)、および回転ドラム34および搬送ベルト25,26の搬送速度を設定入力で記憶させておくことで、シート19の1枚あたりの供給時間が特定されることから、吸着制御手段41を介して吸着駆動手段21に供給開始の駆動制御信号を出力した時点の当該供給開始より計時手段42が時間計測することによって載置台12上のシート量(残量)を認識させるものである。
【0036】
すなわち、上述のように計時手段42で計測された時間に応じて、演算手段32において載置台12上のシート量(残量)が認識され、上記図4に示すように、当該シート量(残量)に対応した振幅電流値I[mA]とが特定され、この振幅電流値に応じた駆動制御信号が上記振動制御手段35により生成されて振動子16に出力されるものである。この場合においても、上記同様に、振動子16に対して駆動制御信号を変化させる場合として、供給シートの所定枚数毎の単位で行うことで充分であるが、供給シート1枚毎に変化させることを排除するものではない。
【0037】
このようにシート供給開始より時間を計測させることによって、載置台12に載置されているシート量(残量)の認識を行うこととしても、上記同様に載置台12に対するシート量に応じた効率的な対応振幅の振動付与によるシート間の摩擦や密着状態による重送を防止させることができ、歩留りの向上、シート供給効率の向上を図ることができるものである。
【0038】
次に、図8に、本発明に係るシート供給システムにおける第4実施形態の構成図を示す。図8(A)は概略構成図、図8(B)は先端ガイド部分の拡大説明図、図8(C)は概略平面図である。図8(A)〜(C)において、載置台12がその供給方向に傾斜して設けられたもので、積み重ねられる所定数のシート19に対して、当該供給方向の先端部分をガイドするガイド部13A,13Bと後端部分をガイドするガイド部14A,14Bが設けられる。
【0039】
また、載置台12には、上記同様に振動子16、ブースタ15Aおよびホーン15Bで構成される振動付与手段が設けられると共に、駆動制御手段17およびカウント手段20が設けられ、また、案内機構手段としてフィードローラ52,53および搬送手段である搬送ベルト51A,51Bが設けられたものである。この場合、フィードローラ52,53による供給対象シート19のフィードを確実にさせるために、適宜ガイド部13A,13Bのそれぞれの底部分にテーパ部54が形成される。
【0040】
上記フィードローラ52,53は、載置台12上の供給対象のシート19を枚葉で保持するもので、上記搬送ベルト51A,51Bは、フィードローラ52,53でフィードされた供給対象シート19を所定部所に搬送させるためのものである。すなわち、超音波による対応振幅の振動が付与された載置台12上の最下方に位置された供給対象シート19はその上に位置されるシート19と摩擦や密着状態が回避され、この供給対象シート19をフィードローラ52,53が確実に枚葉で噛みこんで搬送ベルト51A,51Bにフィードさせるものである。
【0041】
この場合、フィードローラ52,53により1枚毎のシート供給をカウント手段20がカウントし、このカウントデータが駆動制御手段17に入力されることで載置台12上に載置されたシート量(残量)を認識し、図4に示すように、当該シート量(残量)に対応した振幅電流値I[mA]とを特定させ、この振幅電流値に応じた駆動制御信号が上記振動制御手段35により生成されて振動子16に出力されるものである。この場合においても、上記同様に、振動子16に対して駆動制御信号を変化させる場合として、供給シートの所定枚数毎の単位で行うことで充分であるが、供給シート1枚毎に変化させることを排除するものではない。
【0042】
このように、フィードローラ52,53で供給対象シート19をフィードし、搬送ベルト51A,51Bで搬送する構成であっても、上記同様に載置台12への対応振幅の振動付与をシート量に応じて変化させることによって、載置台12に対して不必要な振幅を与えずに当該載置台12を効率的に超音波振動させて供給対象シート19と少なくともその上のシート19との摩擦や密着状態を回避させることができるもので、これによりダブルフィードと称される重送が防止され、歩留りを向上させることができると共に、シート供給の効率を向上させることができるものである。
【0043】
なお、この第4実施形態は、図1の第1実施形態に対応させて示したものであるが、載置台12上のシート量(残量)を認識するにあたり、上記第2実施形態のようにレベル検出手段40を使用してもよく、また、上記フィードローラ52(53)の回転数を検出して供給枚数を演算し、シート残量を認識させるようにしてもよい。
【0044】
ところで、このようなシート供給システム11でシートを供給する所定部所して、例えば前述のような封入封緘システムがある。この封入封緘システムを簡単に説明すると、封体が供給されるラインと、所定数(単一または複数)のシート供給システム11が別ラインで配置され、主搬送ラインにシート供給システム11よりシート19が供給され、一方で封体供給ラインから供給される封体に、当該供給されたシート19を封入し、封緘するシステムである。この場合、封体も上記シート供給システム11を用いてもよいものである。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、所定数のシートが積み重ねられた載置台に対し、好ましくは超音波による対応振幅の振動を積み重ねられているシート量に応じて効率的に付与することで少なくとも供給対象のシートを含めたシート群より当該供給対象シートを枚葉とさせ、載置台上の供給対象シートを枚葉毎に保持しながら搬送して、所定部所に案内させることにより、載置台に不必要な振動を与えずにシート量に応じた効率的な振動付与によってシート間の摩擦や密着状態による重送を防止させることができ、歩留りの向上、シート供給効率の向上を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート供給システムにおける第1実施形態の構成図である。
【図2】図1の駆動制御手段のブロック構成図である。
【図3】図1の振動付加によるシート状態の説明図である。
【図4】本発明に係るシート供給システムにおけるシート残量枚数に応じた振幅電流の関係の説明図である。
【図5】図1のシート供給システムにおけるシート供給の基本動作の説明図である。
【図6】本発明に係るシート供給システムにおける第2実施形態の構成図である。
【図7】本発明に係るシート供給システムにおける第3実施形態の構成図である。
【図8】本発明に係るシート供給システムにおける第4実施形態の構成図である。
【符号の説明】
11 シート供給システム
12 載置台
15A ブースタ
15B ホーン
16 振動子
17 駆動制御手段
19 シート
20 カウント手段
21 吸着駆動手段
22 吸着パッド
23 回転ドラム
31 制御処理手段
33 データ記憶手段
34 演算手段
35 振動制御手段
40 レベル検出手段
41 吸着制御手段
42 計時手段
52,53 フィードローラ
Claims (2)
- 所定数のシートが積み重ねられて、枚葉毎に所定部所に供給するシート供給システムであって、
所定数積み重ねられた前記シートを載置させ、下方のシートを供給対象として位置させる載置台と、
前記載置台に対し、前記積み重ねられたシートのうち、少なくとも供給対象のシートを含めたシート群より当該供給対象シートを枚葉とさせるための超音波振動を付与させる振動付与手段と、
少なくとも、前記載置台に積み重ねられたシートの残量を認識し、当該残量に応じて、前記振動付与手段による振幅を順次減少させるべく制御する制御手段と、
前記載置台上の供給対象シートを枚葉毎に保持しながら搬送して、前記供給する所定部所に案内する案内機構手段と、
を有することを特徴とするシート供給システム。 - 請求項1記載のシート供給システムであって、前記制御手段は、前記振動付与手段による振幅を順次減少させるための前記載置台に載置されているシートの残量を認識するにあたり、順次供給されるシートをカウントし、または積み重ね高さのレベルを検出し、または前記シート供給開始より計時することを特徴とするシート供給システム。
Priority Applications (1)
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